JP2003316032A - 電子写真感光体用基体とその製造方法、電子写真感光体、画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体用基体とその製造方法、電子写真感光体、画像形成装置

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JP2003316032A
JP2003316032A JP2002087622A JP2002087622A JP2003316032A JP 2003316032 A JP2003316032 A JP 2003316032A JP 2002087622 A JP2002087622 A JP 2002087622A JP 2002087622 A JP2002087622 A JP 2002087622A JP 2003316032 A JP2003316032 A JP 2003316032A
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vibration
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longitudinal direction
electrophotographic photosensitive
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Shinichi Iijima
慎一 飯嶋
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像ずれや画像ぼけのない明瞭な画像を得る
上で極めて有利な電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 電子写真感光体12は、ドラム本体13
と、第1、第2フランジ16、18とで構成されてい
る。ドラム本体13は、外周面が切削加工された中空円
筒状の基体14と、基体14の外周面上に形成された感
光層1402により構成されている。基体14は、その
長手方向の全長にわたり外径の最大値と外径の最小値と
の差が10μm以下になるように形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機あるいはレ
ーザービームプリンターなどの画像形成装置、該画像形
成装置に搭載される電子写真感光体、及び該電子写真感
光体や電子写真感光体用基体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真感光体(感光体ドラ
ム)は、中空円筒状の電子写真感光体用基体の外周面上
に感光層が形成されたドラム本体と、前記基体の両端に
装着されたフランジとからなり、近年の電子写真装置の
高解像度化、カラー化、小型化の推進により前記基体に
対する高精度化要求がより一層高まってきている。詳細
に説明すると、レーザービームプリンタなどのようにポ
リゴンミラーを用いてレーザー走査を行うものでは、静
電潜像形成時、電子写真感光体用基体の端部に近いほど
斜めにレーザービームが入射する。その際、何らかの要
因によってレーザービームの到達位置が軸方向にずれる
といった主走査方向のズレが生じることがあった。
【0003】特にタンデム型と呼ばれる、複数の感光体
ドラムを平行に並べて使用するカラー複写機、プリンタ
の場合には前記のようなズレが存在すると、位置ズレ、
色ズレとして顕在化する。他にも発光ダイオードを露光
装置として使用するものでは、焦点距離が近いことから
振れ回りによる画像ボケが生じやすく、重要な問題とな
っている。前記ズレを生じさせる要因としては装置上の
問題の他に電子写真感光体用基体の有する問題もあると
考えられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は上記問題を
解決すべく、主として電子写真感光体用基体に着目し検
討を行なった結果、電子写真感光体用基体がある値以上
の膨れ(電子写真感光体用基体の長手方向における外径
の寸法差により電子写真感光体用基体自体が軸方向で太
鼓状になったり、鼓状になったりする状態)を有するこ
とが、画像を形成する際にズレを生じる要因であること
を見い出し本発明に到達した。すなわち、本発明の目的
は、画像ずれや画像ぼけのない明瞭な画像を得る上で極
めて有利な電子写真感光体用基体、電子写真感光体、画
像形成装置を提供することにある。また、本発明の目的
は、明瞭な画像を得る上で有利な電子写真感光体用基体
の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、切削加工された中空円筒状の基体の外周
面上に感光層が形成されたドラム本体と、前記基体の両
端に装着されたフランジとからなる電子写真感光体であ
って、前記基体は、その長手方向の全長にわたり外径の
最大値と外径の最小値との差が10μm以下に形成され
ていることを特徴とする。
【0006】また、本発明は、電子写真感光体を構成す
る中空円筒状の基体を切削加工する際に前記基体の内部
に装着される防振ダンパーであって、前記防振ダンパー
の重量あるいは緩衝効果が、前記基体の長手方向に沿っ
て変化させて構成されていることを特徴とする。また、
本発明は、電子写真感光体を構成する中空円筒状の基体
を切削加工する際に前記基体の内部に装着される防振ダ
ンパーであって、前記防振ダンパーの重量あるいは緩衝
効果が、少なくとも前記基体の長手方向の半部において
該基体の長手方向に沿って変化させて構成されているこ
とを特徴とする。また、本発明は、電子写真感光体を構
成する中空円筒状の基体を切削加工する際に前記基体の
内部に装着される防振ダンパーであって、前記防振ダン
パーの重量あるいは緩衝効果が、前記基体のほぼ中央部
を中心として該基体の両端部に向かって対称的に減少す
るように構成されていることを特徴とする。
【0007】また、本発明の電子写真感光体用基体の製
造方法は、前記の防振ダンパーを用いて該基体に切削加
工を施すことを特徴とする。また、本発明の電子写真感
光体用基体の製造方法は、電子写真感光体を構成する中
空円筒状の基体を切削加工する際に前記基体の内部に防
振ダンパーを装着し、切削時に生じる振動を、前記基体
の長手方向の一方の端部からほぼ中央部に向かって減少
するように前記防振ダンパーにより抑制するようにした
ことを特徴とする。また、本発明の電子写真感光体用基
体の製造方法は、電子写真感光体を構成する中空円筒状
の基体を切削加工する際に前記基体の内部に防振ダンパ
ーを装着し、切削時に生じる振動を、前記基体の長手方
向の両端部からほぼ中央部に向かって対称的に減少する
ように前記防振ダンパーにより抑制するようにしたこと
を特徴とする。また、本発明の電子写真感光体用基体
は、前記の製造方法により得られることを特徴とし、本
発明の電子写真感光体、画像形成装置はこのような電子
写真感光体用基体を用いることを特徴とする。
【0008】本発明の電子写真感光体、電子写真感光体
用基体、画像形成装置を用いれば、画像ずれや画像ぼけ
のない明瞭な画像を得る上で極めて有利となる。また、
本発明の防振ダンパーを用いて電子写真感光体用基体を
製造すれば、あるいは、本発明の電子写真感光体用基体
の製造方法によれば、明瞭な画像を得る上で有利な電子
写真感光体用基体を簡易に確実に得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1(A)は電子写真感光体
の正面図、(B)は電子写真感光体の分解図を示す。図1
に示すように、電子写真感光体12は、ドラム本体13
と、第1、第2フランジ16、18とで構成されてい
る。前記ドラム本体13は、外周面が切削加工された中
空円筒状の基体14と、基体14の外周面上に形成され
た感光層1402により構成されている。基体14の両
端には嵌合孔1406が形成され、前記第1、第2フラ
ンジ16、18は、これら嵌合孔1406を介して基体
14の両端に同心的に取着されている。
【0010】前記第1フランジ16は、基体14の一端
の嵌合孔1406に嵌め込まれ固定される筒部1602
と、筒部1602よりも大径の大径部1604と、軸支
部1610とで構成されている。前記第2フランジ18
は、基体14の他端の嵌合孔1406に嵌め込まれ固定
される筒部1802と、筒部1802が基体14の一端
に嵌め込まれ固定された状態で基体14の端部に隣接す
るように設けられた歯車1804と、軸支部1810と
で構成されている。この場合、嵌合部1406に対する
筒部1602、1802の圧入しろは、筒部1602、
1802の圧入による基体14の外径の膨みを阻止する
観点から0から200μm以下の範囲であることが好ま
しい。
【0011】電子写真感光体12の画像形成装置への配
設は、第1、第2フランジ16、18の軸支部161
0、1810が画像形成装置のフレーム側で回転可能に
支持されることでなされ、例えば、第1、第2フランジ
16、18の軸支部1610、1810が軸状である場
合にはフレームの軸受孔で回転可能に支持され、あるい
は、軸支部1610、1810が孔状である場合にはフ
レーム側の軸で回転可能に支持されることになり、本実
施の形態では、軸支部1610、1810は軸受孔によ
り形成されている。前記歯車1804には不図示の駆動
歯車が噛合し、これら駆動歯車、歯車1804を介して
電子写真感光体12が、軸支部1610、1810の中
心を結ぶ中心軸Lを中心として回転駆動されるように配
設される。
【0012】本実施の形態において、前記基体14は、
その長手方向の全長にわたり外径の最大値と外径の最小
値との差が10μm以下になるように形成されている。
このような基体14の外径の寸法の測定は、例えば、基
体14を水平方向に延在させて、あるいは垂直方向に延
在させて支持し、距離センサ(例えばレーザ干渉計)や
変位センサ(例えば走査型レーザ変位計)などのような
従来公知の様々な高精度の測定器を用いて行なわれる。
【0013】本発明者は、外径30mm、長さが340
mm、両端の嵌合部肉厚が0.75mmのアルミ合金製
の基体14に感光層1402を形成し、その両側に合成
樹脂製の第1フランジ16と第2フランジ18を取り付
けて電子写真感光体12を得た。そして、このような電
子写真感光体12で、基体14の外径の最大値と外径の
最小値との差が5μm以下の5本の電子写真感光体12
−1〜5と、外径の最大値と外径の最小値との差が6μ
m以上10μm以下の5本の電子写真感光体12−6〜
10と、外径の最大値と外径の最小値との差が11μm
以上15μm以下の5本の電子写真感光体12−11〜
15と、外径の最大値と外径の最小値との差が16μm
以上20μm以下の5本の電子写真感光体12−16〜
20との合計20本の電子写真感光体12−1〜12−
20を用意し、各電子写真感光体12について試験を行
なった。
【0014】試験の内容は下記の通りである。各電子写
真感光体12を、紙の大きさがA3対応のタンデム型フ
ルカラー形式のプリンターの黄色用カートリッジに取り
付け、高精細(1200dpi)モードで写真に白抜き
文字を入れた画像を出力した。この出力画像を目視およ
び光学顕微鏡(50倍)にて観察し、画像中央部の色の
ずれを評価した。具体的には、白抜き文字周辺部におけ
る黄色トナーのはみ出し具合をランク付けした。色の重
ね合わせは100μm程度のドットで行われるが、ずれ
が50μm以上のものに×印を付し、20〜50μmの
ものに○印を付し、20μm以下のものに◎印を付し
た。なお、通常用いられるカートリッジについては程度
差が見られるものの、×から○のランクに相当した。こ
の試験結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1から明らかなように、基体14の外径
の最大値と外径の最小値との差が16μm以上20μm
以下の電子写真感光体12の場合には、品質に劣る画像
が出現する割合が多く、外径の最大値と外径の最小値と
の差が11μm以上15μm以下の電子写真感光体12
の場合には、良好な画像を得る割合が増えるものの依然
として品質に劣る画像が出現しており、外径の最大値と
外径の最小値との差が5μm以上10μm以下の電子写
真感光体12の場合には、全ての電子写真感光体12B
について良好な画像が得られ、外径の最大値と外径の最
小値との差が5μm以下の場合には、全ての電子写真感
光体12について極めて良好な画像が得られた。したが
って、外径の最大値と外径の最小値との差が10μm以
下になるように形成された電子写真感光体12では、良
好な画像が得られ、外径の最大値と外径の最小値との差
が5μm以下になるように形成された電子写真感光体1
2では、極めて良好な画像が得られる。
【0017】したがって、本実施の形態に係る電子写真
感光体12を、より高解像度化が進められる画像形成装
置に用いた場合に、画像ずれや画像ぼけのない明瞭な画
像を得る上で極めて有利となる。また、複数の(通常は
4本の)電子写真感光体が、それらの長手方向を平行し
て配設されたタンデム型カラー画像形成装置では、電子
写真感光体の振れが位置ずれや色ずれとして顕著化する
ため、タンデム型カラー画像形成装置に本実施の形態に
係る電子写真感光体12を用いると、言い換えると、本
実施の形態に係る電子写真感光体12により構成された
タンデム型カラー画像形成装置によれば、位置ずれや色
ずれのない明瞭な画像を得る上で極めて有利となる。な
お、本実施の形態では、基体14の両端に第1、第2フ
ランジ16、18が取着された電子写真感光体12の場
合について説明したが、基体12の長手方向の一端にの
みフランジが取着され、基体14の他端には該基体14
と一体的に軸支部が設けられた電子写真感光体12の場
合にも本発明は無論適用される。
【0018】つぎに、外径の最大値と外径の最小値との
差が10μm以下になる基体14の製造方法について説
明する。基体14の材料としては、従来の基体14と同
様に基体14として使用できる金属材料あるいは樹脂材
料であれば限定されないが、アルミニウム製材料が使用
されることが好ましい。本発明におけるアルミニウム製
材料とは、アルミニウム或いはアルミニウム合金を示
す。前記金属材料は、通常、ポートホール法、マンドレ
ル法等の押出加工により円筒状に加工された後、所定の
肉厚、長さ、外径寸法の円筒とするため、引抜加工、切
削加工等による処理加工が行なわれ、基体14が製造さ
れる。ここで、押出加工後の円筒状金属材料を押出管、
引抜加工後に所定の長さに切断された円筒管を引抜管と
呼ぶ。
【0019】本発明においては、押出加工はポートホー
ル法、マンドレル法のどちらを用いても良いが、ポート
ホール法を用いた方が押出管の偏肉が出しやすく、歩留
も高く有利である。押出し加工の手法としては、熱間押
出し加工方法が最も一般的に採用される。引抜加工の手
法としては、冷間引抜加工が施されることが好ましく、
その引抜回数は1回、引抜後の矯正加工は行わず、その
まま所定の長さに切断することが好ましい。切削加工時
には超精密旋盤を使用し、治工具の芯出しに細心の注意
を払うことが必要である。切削加工の条件としては、ご
く一般的な条件として主軸回転数5,000回転、送り
スピード0.4mm/rev程度で加工される。
【0020】この切削の際、図2に示すように、通常ダ
ンパーと呼ばれる防振ダンパー20を基体14の内部に
挿入する。防振ダンパー20の材料は切削加工時の加工
面の振動を防ぐことの出来る材質であれば何でも良い
が、一般的には硬質ゴムや樹脂管、発泡スチロールなど
が用いられ、その重量は基体14の大きさにもよるが1
0〜1000g/cm程度とまちまちで、防振効果が
得られるのであればこの範囲を逸脱しても何ら問題な
い。また、単一材質で重量が不足するときなどは金属棒
に硬質ゴムなどを巻き付けるなどして使用しても良い。
【0021】また、加工後の精度を良くするためには防
振ダンパー20の寸法もある程度必要で、基体14の内
径と防振ダンパー20の外径は0.5mm程度の隙間を
有するものから、防振ダンパー20の外径を基体14の
内径よりもやや大きめにして軽圧入する場合まで様々で
ある。但し、防振ダンパー20として防振効果に優れ、
削り上がりも高精度の基体を得るためには防振ダンパー
20の外径サイズは基体14の内径に対して±0.2ミ
リ程度の範囲のものを用いるのが好ましい。また、防振
ダンパー20の長さは基体14の全長に対して80%以
上の長さを有するものが好ましく、さらに好適には90
%以上の長さを有するものの方が、端部までの防振効果
に優れ、削り上がりの精度も良い。
【0022】特に、本発明では防振ダンパー20が挿入
されたとき、基体14の略中央に位置する部分から両端
にいくに従い、重量や緩衝効果を対称的に変化させるこ
とにより、膨れの少ない基体14、すなわち、外径の最
大値と最小値との差が少ない基体14を得ることが可能
となる。言い換えると、切削時に生じる振動を防振ダン
パー20により、基体14の長手方向の両端部からほぼ
中央部に向かって対称的に減少するように抑制すると、
外径の最大値と最小値との差が少ない基体14を得るこ
とが可能となる。言い換えると、切削加工時の切削抵抗
などが原因で加工時に基体14中央部と端部の相対的な
加工量が変化してしまう(基体14中央部での加工量が
少なくなり、基体14端部での加工量が多くなる)こと
を防振ダンパー20により効果的に抑制できることか
ら、膨れの少ない高精度の基体14を得ることが可能と
なる。なお、前記変化とは、段階的な変化であってもよ
く、無段階的な変化であってもよい。
【0023】つぎに、このような防振ダンパー20の種
々の態様について説明する。図3および図4はそれぞれ
防振ダンパーの断面正面図を示す。図3に示す防振ダン
パー20では、該防振ダンパー20の重量あるいは緩衝
効果が、基体14に装着された状態で、基体14のほぼ
中央部を中心として該基体14の両端部に向かって対称
的に減少するように構成されている。防振ダンパー20
は、円筒管22と、この円筒管22の外周に固定された
防振材24とで構成されている。円筒管22を構成する
材料としては、鋼材やアルミ合金などが用いられ、防振
材24としては、硬質ゴムや樹脂管、発泡スチロールな
どが用いられる。
【0024】図3に示す防振ダンパー20は、基体14
の長手方向に沿った長さを有し、防振ダンパー20はそ
の長手方向において3つに分割された分割体20A、2
0B、20Bで構成され、分割体20Aが基体14の長
手方向の略中央部に配置され、残りの2つの分割体20
Bがそれぞれ前記分割体20Aの両側に分割体20Aの
端面に接触させて配置されている。前記分割体20A、
20B、20Bは、前記円筒管22と防振材24とから
なり、等しい長さで形成されている。前記分割体20
A、20B、20Bにおいて、防振材24の材料および
厚さは同一に形成されている。また、前記分割体20
A、20B、20Bにおいて、中央部に配置される分割
体20Aの円筒管22の厚さは、その両側に配置される
分割体20Bの円筒管22よりも大きな寸法で形成され
ている。すなわち、分割体20A、20B、20Bは、
基体14の長手方向の略中央部から端部に向かって配置
されるものにしたがい対称的に構造が異なっている。し
たがって、図3に示す防振ダンパー20では、その重量
あるいは緩衝効果が、基体14に装着された状態で、基
体14のほぼ中央部を中心として該基体14の両端部に
向かって対称的にかつ段階的に減少するように構成され
ている。
【0025】図4に示す防振ダンパー20は、図3の防
振ダンパー20と同様に、3つに分割された分割体20
A、20B、20Bで構成され、各分割体20A、20
B、20Bは、前記円筒管22と防振材24とからな
り、等しい長さで形成されている。前記分割体20A、
20B、20Bにおいて、円筒管22は同一の厚さで形
成されているが、中央部に配置される分割体20Aの円
筒管22の外径は、その両側に配置される分割体20B
の円筒管22よりも小さい寸法で形成されている。ま
た、前記分割体20A、20B、20Bにおいて、中央
部に配置される分割体20Aの防振材24の厚さは、そ
の両側に配置される分割体20Bの防振材24よりも大
きな寸法で形成されている。すなわち、分割体20A、
20B、20Bは、基体14の長手方向の略中央部から
端部に向かって配置されるものにしたがい対称的に構造
が異なっている。したがって、図4に示す防振ダンパー
20でも、その重量あるいは緩衝効果が、基体14に装
着された状態で、基体14のほぼ中央部を中心として該
基体14の両端部に向かって対称的にかつ段階的に減少
するように構成されている。
【0026】なお、図3および図4に示す防振ダンパー
20では、3つの分割体20A、20B、20Bで防振
ダンパー20を構成した場合について説明したが、構成
する分割体の個数は3つに限定されない。また、図3お
よび図4に示す防振ダンパー20では、その重量あるい
は緩衝効果を、基体14に装着された状態で、基体14
のほぼ中央部を中心として該基体14の両端部に向かっ
て対称的にかつ段階的に減少するように構成した場合に
ついて説明したが、例えば、円筒管22の肉厚を、基体
14のほぼ中央部から両端部に向かって連続的に減少さ
せ、防振ダンパー20の重量あるいは緩衝効果を、基体
14のほぼ中央部を中心として該基体14の両端部に向
かって対称的にかつ無段階的に減少するように構成して
もよい。この場合には、防振ダンパー20を単体で構成
してもよく、あるいは、複数の分割体で構成してもよ
い。また、図3および図4に示す防振ダンパー20で
は、円筒管22や防振材24の厚さを異ならせた場合に
ついて説明したが、厚さを同一とし、すなわち、構造を
同一とし、円筒管22や防振材24の材料を異ならせる
ことでも、防振ダンパー20の重量あるいは緩衝効果
を、基体14のほぼ中央部を中心として該基体14の両
端部に向かって対称的に減少するように構成することが
可能である。
【0027】次に、以上の防振ダンパー20を用いた試
験結果について説明する。 (実施例1)6000系アルミニウム合金の鋳造を行
い、4ポートのダイスを使用して熱間押出し加工により
押出管を得た(ポートホール法)。押出管は押出し後、
押出管の前後の400mm程度を切断し、さらに冷間引
抜き加工(1回抽伸)を行い、外径φ30.3mm、内
径φ28.5mmの引抜管を得た。この引抜管を丸鋸や
レーザーなどで切断を行い、矯正加工をせずに、最終的
に外径φ30.3mm、内径φ28.5mm、長さ34
2mmの引抜管を得た。この引抜管に端部加工を施して
長さを340mmとした後、外径φ24mm、内径が端
部から中央に行くにしたがいφ23からφ22に変化し
ているアルミ製円筒管22に、防振材24として厚さ
2.5mmの硬質ゴムを巻き付け、さらにその外周を切
削、研磨して外径をφ28.52mmにした長さ318
mmの防振ダンパー20を挿入し、昌運工作所製精密旋
盤SPA−5にて切削加工を行い、基体14を得た。こ
の基体14をミツトヨ社製レーザー変位計RA−801
により測定を実施したところ、基体14の端部から中央
部にかけての膨れ量(外径の最大値と最小値との差)が
4μであり、良好な結果が得られた。
【0028】(実施例2)防振ダンパー20を3分割
し、中央の防振ダンパー20Aを長さ152mmで内径
をφ22mm、両端の防振ダンパー20Bを長さ84m
m、内径をφ23mmとしたこと以外、実施例1と同様
にして基体14を得た。この基体14をミツトヨ社製レ
ーザー変位計RA−801により測定を実施したとこ
ろ、基体14の端部から中央部にかけての膨れ量(外径
の最大値と最小値との差)が3μであり、良好な結果が
得られた。
【0029】(比較例1)防振ダンパーの内径をφ23
mmとしたこと以外、実施例1と同様にして基体14を
得た。この基体14をレーザー変位計により測定を実施
したところ、基体14の端部から中央部にかけての膨れ
量(外径の最大値と最小値との差)が12μであり、膨
れ量が増大した。 (比較例2)防振ダンパーを3分割し、中央の防振ダン
パーを長さ152mmで内径をφ22mm、片端の防振
ダンパーを長さ84mm、内径をφ23mm、もう一端
の防振ダンパーを長さ84mm、内径をφ22.5とし
たこと以外、実施例1と同様にして基体14を得た。こ
の基体14をレーザー変位計により測定を実施したとこ
ろ、基体14の端部から中央部にかけての膨れ量(外径
の最大値と最小値との差)が19μであり、膨れ量が増
大した。
【0030】なお、前記の実施の形態では、例えば、防
振ダンパー20の重量や緩衝効果を基体14の略中央に
位置する部分から両端にいくに従い対称的に変化させた
場合について、すなわち、防振ダンパー20の重量や緩
衝効果を基体14の長手方向に沿って変化させた場合に
ついて説明したが、基体14によっては、必ずしも基体
14の略中央に位置する部分から両端にいくに従い防振
ダンパー20の重量や緩衝効果を対称的に変化させる必
要はなく、基体14の長手方向の半部のみにおいて、基
体14の略中央に位置する部分から一方の端部にいくに
従い防振ダンパー20の重量や緩衝効果を変化させるよ
うにしてもよい。このように基体14によっては、その
長手方向の半部のみにおいて防振ダンパー20の重量や
緩衝効果を変化させても、膨れの少ない基体14、すな
わち、外径の最大値と最小値との差が少ない基体14を
得ることが可能となる。言い換えると、切削時に生じる
振動を防振ダンパー20により、基体14の長手方向の
一方の端部からほぼ中央部に向かって減少するように抑
制すると、外径の最大値と最小値との差が少ない基体1
4を得ることが可能となる。言い換えると、切削加工時
の切削抵抗などが原因で加工時に基体14中央部と端部
の相対的な加工量が変化してしまう(基体14中央部で
の加工量が少なくなり、基体14端部での加工量が多く
なる)ことを防振ダンパー20により効果的に抑制でき
ることから、膨れの少ない高精度の基体14を得ること
が可能となる。なお、この場合の変化も、段階的な変化
であってもよく、無段階的な変化であってもよい。
【0031】前記の様にして作製された電子写真感光体
用基体14は、基体14上にそのまま感光層1402を
形成してもよいが、濃度ムラを防止する上でブロッキン
グ層を形成した上に感光層1402を形成することが好
ましい。ここで、ブロッキング層とは、陽極酸化被膜や
下引き層等を示す。陽極酸化被膜は、基体表面に陽極酸
化処理を施すことにより形成される。陽極酸化処理を施
す前に、酸、アルカリ、有機溶剤、界面活性剤、エマル
ジョン、電解などの各種脱脂洗浄方法により脱脂処理さ
れることが好ましい。陽極酸化被膜は通常の方法、例え
ば、クロム酸、硫酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン
酸などの酸性浴中で、陽極酸化処理することにより形成
されるが、硫酸中での陽極酸化処理が最も良好な結果を
与える。硫酸中での陽極酸化処理の場合、硫酸濃度は1
00〜300g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15
g/l、液温は0〜30℃、電解電圧は10〜20V、
電流密度は0.5〜2A/dm2の範囲内に設定される
のが好ましいが、これに限られるものではない。このよ
うにして形成された陽極酸化被膜の膜厚としては、通常
は20μm以下であり、好ましくは10μm以下、更に
好ましくは7μm以下である。
【0032】陽極酸化処理された基体は封孔処理や染色
処理を行うことができる。封孔処理は多孔質層中に水和
酸化アルミニウム等を成長させることにより封孔する工
程である。封孔処理方法は通常の方法でよいが、例えば
ニッケルイオンを含む液(例えば酢酸ニッケルを含む
液、フッ化ニッケルを含む液)に浸漬させ施されること
が好ましい。また、染色処理を行う場合は、有機、無機
化合物塩溶液中に基体を浸漬しそれらの塩を吸着させ
る。具体的にはアゾ系などの水溶性有機染料1〜10g
/l、液温20〜60℃、pH3〜9、浸漬時間1〜2
0分のような条件で行う。
【0033】下引き層としては、ポリビニルアルコー
ル、カゼイン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル
酸、セルロース類、ゼラチン、デンプン、ポリウレタ
ン、ポリイミド、ポリアミド等の有機層を用いることが
できる。なかでも、基体14との接着性に優れ、電荷発
生層塗布液に用いられる溶媒に対する溶解性の小さなポ
リアミド樹脂が好ましい。下引き層中には、アルミナ、
チタニア等の金属酸化物微粒子や有機または無機の色素
を含有させることが効果的である。下引き層の膜厚は通
常0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmであ
る。本発明においては、陽極酸化被膜が形成された上に
下引き層を形成することもできる。
【0034】前記基体14上には感光層1402が形成
される。感光層1402は電荷発生物質を含有する電荷
発生層と電荷輸送層をこの順に積層したもの、逆に積層
したもの、または電荷輸送媒体中に電荷発生物質粒子を
分散したいわゆる単層型などいずれも用いることができ
るが、電荷発生層および電荷輸送層を有する積層型感光
層が好ましい。感光層1402が単層構造の場合には、
感光材料が結着材料に分散してなる公知のものが使用さ
れる。例えば、色素増感されたZnO感光層、CdS感
光層、電荷発生物質を電荷輸送物質に分散させた感光層
が挙げられる。
【0035】電荷発生層には、電荷発生物質とバインダ
ー樹脂とを含む。電荷発生物質としては、電子写真感光
体に用いられる物質であれば特に限定されるものではな
く、具体的にはセレン及びその合金、ヒ素−セレン、硫
化カドミウム、酸化亜鉛、その他の無機光導電体、フタ
ロシアニン、アゾ、キナクリドン、多環キノン、ペリレ
ン、インジゴ、ベンズイミダゾールなどの有機顔料を使
用することができる。特に銅、塩化インジウム、塩化カ
リウム、スズ、オキシチタニウム、亜鉛、バナジウムな
どの金属、またはその酸化物や塩化物の配位したフタロ
シアニン類、無金属フタロシアニン類などのフタロシア
ニン顔料、または、モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、
ポリアゾ類などのアゾ顔料が好ましい。これらのうち特
にフタロシアニン顔料がより好ましく、特定結晶系を有
するオキシチタニウムフタロシアニンが特に好ましい。
これは、オキシチタニウムフタロシアニンが通常の顔料
より熱による結晶変換が起きやすいためである。
【0036】このようなオキシチタニウムフタロシアニ
ンの例としては、CuKα線によるX線回折においてブ
ラッグ角(2θ±0.2゜)27.3゜に最大回折ピー
クを示すものがあげられるが、これに限定されるもので
はない。このオキシチタニウムフタロシアニンの結晶型
は、一般にはY型あるいはD型と呼ばれているものであ
り、例えば特開昭62−67094号公報の第2図(同
公報ではII型と称されている)、特開平2−8256
号公報の第1図、特開昭64−82045号公報の第1
図、電子写真学会誌第92巻(1990年発行)第3号
第250〜258頁(同刊行物ではY型と称されてい
る)に示されたものである。この結晶型オキシチタニウ
ムフタロシアニンは、27.3°に最大回折ピークを示
すことが特徴であるが、これ以外に通常7.4°、9.
7°、24.2°にピークを示す。
【0037】回折ピークの強度は、結晶性、試料の配向
性および測定法により変化する場合もあるが、粉末結晶
のX線回折を行う場合に通常用いられるブラッグ−ブレ
ンターノの集中法による測定では、上記の結晶型オキシ
チタニウムフタロシアニンは27.3°に最大回折ピー
クを有する。また、薄膜光学系(一般に薄膜法或いは平
行法とも呼ばれる)により測定された場合には、試料の
状態によっては27.3°が最大回折ピークとならない
場合があるが、これは結晶粉末が特定の方向に配向して
いるためと考えられる。
【0038】分散媒としては、電子写真感光体の製造工
程で用いられるものであれば特に限定されるものではな
く種々の溶媒を用いてよい。例えば、ジエチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,2−
ジメトキシエタン等のエーテル類;アセトン、メチルエ
チルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチ
ル、酢酸エチル等のエステル類;メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のアルコール類;トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素を単独あるいは2種以上混合して
使用することができる。用いる分散媒の量は分散が充分
行え、且つ分散液中に有効量の電荷発生物質が含まれる
限りいかなる量でもよく、通常は分散時の分散液中の電
荷発生物質の濃度にして3〜20wt%、より好ましく
は4〜20wt%程度が好ましい。
【0039】バインダー樹脂としては、電子写真感光体
に使用されるものであれば特に限定されるものではない
が、具体的には、ポリビニルブチラール、ポリビニルア
セタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチ
レン、ポリエステルカーボネート、ポリスルホン、ポリ
イミド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル等
のビニル重合体、及びその共重合体、フェノキシ、エポ
キシ、シリコーン樹脂等またこれらの部分的架橋硬化物
等を単独あるいは2種以上用いることができる。バイン
ダー樹脂と電荷発生物質との混合方法としては例えば、
電荷発生物質を分散処理工程にバインダー樹脂を粉末の
まま或いはそのポリマー溶液を加え同時に分散する方
法、分散処理工程で得られた分散液をバインダー樹脂の
ポリマー溶液中に混合する方法、或いは逆に分散液中に
ポリマー溶液を混合する方法等のいずれかの方法を用い
てもかまわない。
【0040】次にここで得られた分散液は、塗布をする
のに適した液物性にするために、種々の溶剤を用いて希
釈してもかまわない。このような溶剤としては、例えば
前記分散媒として例示した溶媒を使用することができ
る。電荷発生物質とバインダー樹脂との割合は特に制限
はないが一般には樹脂100重量部に対して電荷発生物
質が5〜500重量部の範囲より使用される。また必要
に応じて電荷輸送物質を含むことができる。電荷輸送物
質としては例えば、ポリビニルカルバゾール、ポリビニ
ルピレン、ポリアセナフチレン等の有機高分子化合物、
フルオレノン誘導体、テトラシアノキシジメタン、ベン
ゾキノン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン
誘導体、ジフェノキノン誘導体などの電子吸引性物質、
カルバゾール、インドール、イミダゾール、オキサゾー
ル、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チア
ジアゾールなどの複素環化合物、アニリン誘導体、ヒド
ラゾン誘導体、芳香族アミン誘導体、スチルベン誘導
体、或いはこれらの化合物からなる基を主鎖もしくは側
鎖に有する重合体などの電子供与性物質が挙げられる。
電荷輸送物質とバインダー樹脂との割合はバインダー樹
脂100重量部に対して電荷輸送物質が5〜500重量
部の範囲により使用される。
【0041】この様にして調製された分散液を用いて、
切削加工後の基体14上或いは下引き層や陽極酸化被膜
の形成された基体14上に電荷発生層を形成させ、その
上に電荷輸送層を積層させて感光層1402を形成す
る、或いは該基体14上に電荷輸送層を形成しその上に
前記分散液を用いて電荷発生層を形成し感光層1402
を形成する、或いは該基体14上に前記分散液を用いて
電荷発生層を形成させ感光層1402とする、のいずれ
かの構造で感光層1402を形成することが出来る。電
荷発生層の膜厚は電荷輸送層と積層させて感光層140
2を形成する場合0.1〜10μmの範囲が好適であり
電荷輸送層の膜厚は10〜40μmが好適である。単層
構造で感光層1402を形成する場合の感光層の膜厚は
5〜40μmの範囲が好適である。
【0042】電荷輸送層は、上記電荷発生層の上に、バ
インダー樹脂として優れた性能を有する公知のポリマー
と混合して電荷輸送物質と共に適当な溶剤中に溶解し、
必要に応じて電子吸引性化合物、あるいは、可塑剤、顔
料その他の添加剤を添加して得られる塗布液を塗布する
ことにより、製造することができる。
【0043】電荷輸送層中の電荷輸送物質としては、上
記の電荷輸送物質を使用することができる。電荷輸送物
質とともに使用されるバインダー樹脂としては種々の公
知の樹脂が使用できる。ポリカーボネート樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、メタ
クリレート樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂などの
熱可塑性樹脂や硬化性の樹脂が使用できる。とくに摩
耗、傷の発生の少ないポリカーボネート樹脂、ポリアリ
レート樹脂、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリカーボ
ネート樹脂は、そのビスフェノール成分としてビスフェ
ノールA、ビスフェノールC、ビスフェノールP、ビス
フェノールZ、あるいは、公知の種々の成分が使用出来
る。また、これらの成分からなる共重合物であってもよ
い。電荷輸送物質とバインダー樹脂の配合比率は、バイ
ンダー樹脂100重量部に対して例えば10〜200重
量部、好ましくは30〜150重量部の範囲で配合され
る。積層型感光体の場合、電荷輸送層として上記の成分
を主成分として形成される。
【0044】電荷輸送層用塗布液に用いる溶剤として
は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2
−ジメトキシエタン、アニソール等のエーテル類;メチ
ルエチルケトン、2,4−ペンタンジオン、シクロヘキ
サノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素;酢酸エチル、蟻酸メチル、マロン酸ジメチル等
のエステル類;3−メトキシブチルアセテート、プロピ
レングリコールメチルエーテルアセテート等のエーテル
エステル類;ジクロロメタン、ジクロロエタン等の塩素
化炭化水素などが挙げられる。もちろんこれらの中から
1種または2種以上選択して用いてもよい。好ましく
は、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、2,4
−ペンタンジオン、アニソール、トルエン、マロン酸ジ
メチル、3−メトキシブチルアセテート、プロピレング
リコールメチルエーテルアセテートの中から選択するの
が好ましい。
【0045】更に、本発明の電子写真感光体の感光層1
402は成膜性、可とう性、塗布性、機械的強度を向上
させるために周知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、レベリング剤を含有していてもよい。更に、感光層
1402の上に、機械的特性の向上及びオゾン,NOx
等の耐ガス特性向上のために、オーバーコート層を設け
ても良い。更に必要に応じて、接着層、中間層、透明絶
縁層等を有していてもよいことは言うまでもない。
【0046】本発明において、前記の各層を形成するた
めの塗布操作は、従来公知の塗布方法に従う。例えば、
浸漬塗布法、スプレー塗布法、スピンナーコーティング
法、ブレードコーティング法等を採用して行うことがで
きる。
【0047】本発明で用いる画像形成装置としては、モ
ノクロプリンター、複写機、カラープリンター、カラー
複写機、ファクシミリなどがあげられる。特に、本発明
の電子写真感光体用基体及び電子写真感光体は、濃度ム
ラの生じない高画質の画像を提供できることから、高解
像度の画像形成装置に適している。特に、600dpi
以上の解像度の画像を得る画像形成装置に利用すること
ができる。
【0048】また、本発明の感光体を使用する画像形成
装置においては、通常、従来公知の波長域を有するレー
ザー光等の光源を利用することで本発明の効果を得るこ
とが出来るが、380nm〜600nmに波長域を有す
る光源を利用する該画像形成装置においても、本発明の
奏する効果は達成されると考えられる。
【0049】該画像形成装置には、感光体を一様に帯電
させる帯電ユニット、次いで、感光体を像露光すること
により、露光された部分の電荷を消散させて静電潜像を
形成する露光ユニット、荷電させたトナーを付着させる
ことによってその静電潜像を可視化させて現像する現像
ユニット、得られた可視像を転写紙等の転写材に転写せ
しめる転写ユニット、加熱、加圧等によってその可視像
を転写材に定着させる定着ユニット、転写材へのトナー
転写後に、感光体表面に残留するトナーを除去するクリ
ーニングユニットが設けられている。また、場合により
クリーニング後に感光体表面に残存する電荷を取り除く
除電ユニットが設けられる。さらには、記録媒体(用
紙)を搬送する搬送ユニットが設けられる。
【0050】本発明の画像形成装置において、帯電器と
しては、コロトロン、スコロトロンに代表されるコロナ
帯電器等の非接触帯電器;帯電ローラー、帯電ブラシ等
の接触帯電器等が用いられる。
【0051】露光は、ハロゲンランプ、蛍光灯、レーザ
ー(半導体、He−Ne)、LED等の光源を用いて、
通常の感光体外部からの露光方式、感光体内部からの露
光方式等により行われる。
【0052】現像は、カスケード現像、非磁性一成分ト
ナーによる接触或いは非接触現像、磁性一成分トナーに
よる接触或いは非接触現像、二成分磁気ブラシ現像等の
乾式現像方式や液体トナーによる湿式現像方式等により
行われる。
【0053】転写は、コロナ転写、ローラー転写、ベル
ト転写等の静電転写法、圧力転写法、粘着転写法等によ
り、定着は、熱ローラ定着、フラッシュ定着、オーブン
定着、圧力定着等により行われる。又、クリーニング
は、ブラシクリーニング、磁気ブラシクリーニング、静
電ブラシクリーニング、磁気ローラクリーニング、ブレ
ードクリーニング等により行われる。
【0054】なお、画像形成装置としては、フルカラー
印刷を行う場合には、電子写真感光体上に付着したトナ
ー等の現像剤を、一旦一つの中間転写ベルトに転写し、
中間転写ベルト状で各色のトナーを合わせ、カラー可視
像とした後、転写手段を用いて記録媒体(用紙)にカラ
ー画像を形成するものであってもよい。
【0055】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、実施例中で用
いる「部」は断りがない限り、「重量部」を示す。
【0056】(電荷発生層用塗布液の作製) [分散液Q1]X線回折スペクトルにおいて、ブラッグ
角(2θ±0.2゜) 9.3゜、10.6゜、13.
2゜、15.1゜、15.7゜、16.1゜、20.8
゜、23.3゜、26.3゜、27.1゜に主たる回折
ピークを持つオキシチタニウムフタロシアニン10重量
部を1,2−ジメトキシエタン150重量部に加え、サ
ンドグラインドミルによって粉砕、分散処理を行ない分
散液Q1を作製した。
【0057】[分散液Q2]X線回折スペクトルにおい
て、ブラッグ角(2θ±0.2゜)9.7゜、24.2
゜、27.3゜に主たる回折ピークを持つオキシチタニ
ウムフタロシアニンを用いた他は、分散液Q1と同様に
して分散液Q2を作製した。
【0058】予め作製した分散液Q1、48重量部と、
分散液Q2、112重量部を混合し、得られた160重
量部の顔料分散液をポリビニルブチラール(電気化学工
業(株)製、商品名#6000−C)の5%1,2−ジ
メトキシエタン溶液100重量部に加え、最終的に固形
分濃度4.0%の分散液である電荷発生層用塗布液を作
製した。
【0059】(電荷輸送層用塗布液の作製)下記のN,
N−ジ−p−トリルアニリンジフェニルヒドラゾン54
重量部と
【0060】
【化1】
【0061】下記のN−メチルカルバゾールジフェニル
ヒドラゾン6重量部、
【0062】
【化2】
【0063】下記のシアノ化合物1重量部、
【0064】
【化3】
【0065】3,5-ジ- t -ブチル-4-ヒドロキシトル
エン(以下、BHTと略する)16部及び、特開平3−2
21962号公報の実施例中に記載された製造法により
製造された、2つの繰り返し構造単位を有する下記ポリ
カーボネート樹脂(モノマーモル比1:1)100部
【0066】
【化4】
【0067】をトルエン、テトラヒドロフランの混合溶
媒に溶解させ、電荷輸送層塗布液とした。
【0068】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
電子写真感光体、電子写真感光体用基体、画像形成装置
を用いれば、画像ずれや画像ぼけのない明瞭な画像を得
る上で極めて有利となる。また、本発明の防振ダンパー
を用いて電子写真感光体用基体を製造すれば、あるい
は、本発明の電子写真感光体用基体の製造方法によれ
ば、明瞭な画像を得る上で有利な電子写真感光体用基体
を簡易に確実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は電子写真感光体の正面図、(B)は電子写
真感光体の分解図である。
【図2】基体に防振ダンパーを装着した状態の説明図で
ある。
【図3】防振ダンパーの断面正面図である。
【図4】防振ダンパーの断面正面図である。
【符号の説明】
12 電子写真感光体 14 基体 16 第1フランジ 18 第2フランジ 20 防振ダンパー

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削加工された中空円筒状の基体の外周
    面上に感光層が形成されたドラム本体と、前記基体の端
    部に装着されたフランジとからなる電子写真感光体であ
    って、 前記基体は、その長手方向の全長にわたり外径の最大値
    と外径の最小値との差が10μm以下に形成されてい
    る、 ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 前記外径の最大値と、外径の最小値との
    差が5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載
    の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記フランジは、圧入しろが0から20
    0μmの範囲で、前記基体に圧入されて装着されている
    ことを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 電子写真感光体を構成する中空円筒状の
    基体を切削加工する際に前記基体の内部に装着される防
    振ダンパーであって、 前記防振ダンパーの重量あるいは緩衝効果が、前記基体
    の長手方向に沿って変化させて構成されている、 ことを特徴とする防振ダンパー。
  5. 【請求項5】 電子写真感光体を構成する中空円筒状の
    基体を切削加工する際に前記基体の内部に装着される防
    振ダンパーであって、 前記防振ダンパーの重量あるいは緩衝効果が、少なくと
    も前記基体の長手方向の半部において該基体の長手方向
    に沿って変化させて構成されている、 ことを特徴とする防振ダンパー。
  6. 【請求項6】 前記基体の長手方向に沿った変化は、前
    記基体の端部に向かって重量あるいは緩衝効果が減少す
    る変化であることを特徴とする請求項4または5に記載
    の防振ダンパー。
  7. 【請求項7】 電子写真感光体を構成する中空円筒状の
    基体を切削加工する際に前記基体の内部に装着される防
    振ダンパーであって、 前記防振ダンパーの重量あるいは緩衝効果が、前記基体
    のほぼ中央部を中心として該基体の両端部に向かって対
    称的に減少するように構成されている、 ことを特徴とする防振ダンパー。
  8. 【請求項8】 前記防振ダンパーの重量あるいは緩衝効
    果の減少は、前記防振ダンパーの単位体積あたりの重量
    または防振ダンパーの肉厚あるいは防振ダンパーを構成
    する材質が変化することでなされていることを特徴とす
    る請求項6または7に記載の防振ダンパー。
  9. 【請求項9】 前記防振ダンパーは前記基体の長手方向
    に沿った長さを有し、前記防振ダンパーはその長手方向
    において少なくとも3つ以上に分割された分割体で構成
    され、前記分割体は、前記基体の長手方向の略中央部か
    ら端部に向かって配置されるものにしたがい対称的に重
    量が異なっていることを特徴とする請求項7に記載の防
    振ダンパー。
  10. 【請求項10】 前記防振ダンパーは前記基体の長手方
    向に沿った長さを有し、前記防振ダンパーはその長手方
    向において少なくとも3つ以上に分割された分割体で構
    成され、前記分割体は、前記基体の長手方向の略中央部
    から端部に向かって配置されるものにしたがい対称的に
    材質が異なっていることを特徴とする請求項7に記載の
    防振ダンパー。
  11. 【請求項11】 前記防振ダンパーは前記基体の長手方
    向に沿った長さを有し、前記防振ダンパーはその長手方
    向において少なくとも3つ以上に分割された分割体で構
    成され、前記分割体は、前記基体の長手方向の略中央部
    から端部に向かって配置されるものにしたがい対称的に
    構造が異なっていることを特徴とする請求項7に記載の
    防振ダンパー。
  12. 【請求項12】 前記防振ダンパーは、金属または樹脂
    製の円筒管と、前記円筒管の外周に装着された防振材と
    で構成されている請求項4乃至11に何れか1項記載の
    防振ダンパー。
  13. 【請求項13】 請求項4〜12のいずれかに記載の防
    振ダンパーを用いて該基体に切削加工を施すことを特徴
    とする電子写真感光体用基体の製造方法。
  14. 【請求項14】 電子写真感光体を構成する中空円筒状
    の基体を切削加工する際に前記基体の内部に防振ダンパ
    ーを装着し、 切削時に生じる振動を、前記基体の長手方向の一方の端
    部からほぼ中央部に向かって減少するように前記防振ダ
    ンパーにより抑制するようにした、 ことを特徴とする電子写真感光体用基体の製造方法。
  15. 【請求項15】 電子写真感光体を構成する中空円筒状
    の基体を切削加工する際に前記基体の内部に防振ダンパ
    ーを装着し、 切削時に生じる振動を、前記基体の長手方向の両端部か
    らほぼ中央部に向かって対称的に減少するように前記防
    振ダンパーにより抑制するようにした、 ことを特徴とする電子写真感光体用基体の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項13乃至15に何れか1項記載
    の電子写真感光体用基体の製造方法により得られた電子
    写真感光体用基体。
  17. 【請求項17】 請求項13乃至15に何れか1項記載
    の製造方法により得られ、その長手方向の全長にわたり
    外径の最大値と、外径の最小値との差が10μm以下に
    形成されていることを特徴とする電子写真感光体用基
    体。
  18. 【請求項18】 請求項16または17のいずれかに記
    載の電子写真感光体用基体に感光層を形成してなる電子
    写真感光体。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至3または18に何れか1
    項記載の電子写真感光体を用いた画像形成装置。
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