JP2003315888A - カメラ - Google Patents

カメラ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来で金属製の外装部材で覆われたカメラは、
外装部材と接地パターンを電気的に接続させるために、
金属切片をビスや半田で固定すると組み立て工数の増加
及びコストアップを招き、ビス等で接地パターンと外装
部材とを共締めした場合、外部から衝撃が直にカメラ本
体に加わり破損等を発生させている。 【解決手段】本発明は、導電性材料からなる外装部材を
カメラ本体に組み付けた際に、カメラ本体側のプリント
配線基板の接地電位のパターン部に取り付けられた導電
性を有するばねが、その外装部材の内側へ圧接して電気
的に接続され、上記導電部材でノイズを拾った際に、そ
のノイズによる電流が電気回路の構成部品に影響しない
ように、接地パターンに流し込むカメラである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性を有する金
属等の部材からなる外装部材を用いたカメラに係り、特
にカメラの内部機構を通じて外部から到来する電気的な
ノイズを電気回路の接地パターンに流し込むカメラに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年のカメラにおいて、その外観の良さ
や高級感などの印象をユーザーに与えるために、金属か
らなる外装部材でカメラ本体を覆っているカメラがあ
る。また外装部材に金属を用いた場合、外装部材の内側
の一部若しくは全面には、カメラ本体のフレキシブル基
板に実装される回路部品や回路パターンとの短絡を防止
するために、内側の絶縁処理や絶縁シートが貼り付けら
れている。
【0003】このようなカメラは、外装部材が導電性を
有しているため、静電気により帯電(放電)したり、ま
た外装部材がアンテナとして機能し、周囲からノイズを
拾い易くなり、このノイズにより発生した電流がカメラ
内部の電気部品に悪影響を与える場合がある。これは外
装部材をカメラの電気回路の接地パターンに電気的に接
続して、外装部材の電位を接地電位に降下させた状態に
しておけば、もしノイズを拾ったとしても、発生した電
流が接地パターンに流れて、電気部品を保護することが
できる。
【0004】その接地方法として、例えば、カメラ本体
に弾性を有する金属切片の一端をリード線と共にビスな
どにより固定し、そのリード線をカメラの電気回路の接
地パターンに半田付けで接続させておき、カメラ本体に
外装部材を組付けた際に、その金属接片の他端が、外装
部材の金属表面が露呈した内側部分に付勢されつつ接触
させて、電気的に接続する方法がある。
【0005】また、外装部材の内側の一部分の金属表面
を露呈させ、組付けた状態でカメラ本体のプリント基板
の接地パターンとその一部分とが重ね合わせられるよう
に加工しておき、組付けた際に、ビスで重ね合わせられ
た箇所を共締めして固定することにより外装部材を接地
する方法もある。
【0006】さらに、特開平11−15054号公報に
は、電池のマイナス側の切片と外装部材とが固定部材を
介して電気的に導通される技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述したような金属切
片を用いて接地パターンに電気的に接続する場合、金属
切片の一端をビスで固定する作業や、リード線と電気回
路の接地パターンとを接続するための半田付け作業など
が必要となり、組み立て工数の増加を招き、部品コスト
も増加してしまう。
【0008】またプリント基板の接地パターンと外装部
材とを共締めする方法では、半田付け作業を省くことは
できるが、一方、カメラ本体と外装部材をビス締めによ
り固定しているため、外部から衝撃が加わった場合、カ
メラ本体に直に衝撃が及ぶこととなり、ネジ止め部分が
破損したり、カメラ本体が破壊される畏れがある。更
に、ビス締めを行うための座面にある程度の面積が必要
となるため、カメラの大型化を招いてしまう。また、ビ
スの取り付け位置が限定されるか設計の自由度が無くな
る。特に、外装部材上のビスが目立ってしまった場合に
は、外観の良さや高級感などを持たせるために金属製の
外装部材を用いても、その効果が半減しかねない。
【0009】特開平11−15054号公報に開示され
た技術では、固定部材を必要とし、部品点数の増加を招
き、またこの固定部材は外装部材の外部から取付けられ
るため、脱落などの畏れがある。
【0010】そこで本発明は、品点数を増やすことな
く、簡単な構成で導電性の外装部材を確実に接地するこ
とが可能なカメラを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、接地電位となるパターン部を有するプリン
ト配線基板と、少なくとも一端部に座巻き部が形成され
た導電性を有するばねと、上記ばねの他端部が圧接され
る少なくとも表面に導電性を有する導電部材とを備え
て、上記ばねは、上記座巻き部にて上記パターン部の露
呈部分を挟着し、上記他端部が上記導電部材に圧接して
電気的接続を成し、上記導電部材の電位を上記接地電位
に降下させるカメラを提供する。
【0012】以上のような構成のカメラは、導電性材料
からなる外装部材をカメラ本体に組み付けた際に、カメ
ラ本体側のプリント配線基板の接地電位のパターン部に
取り付けられた導電性を有するばねと、その外装部材の
内側とが圧接して電気的に接続され、上記導電部材でノ
イズを拾ったり静電気により電荷が帯電した際に、その
ノイズや電荷による電流は電気回路の接地電位のパター
ンに流し込まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の第1の実施形態に係るカ
メラの構成例を示す。
【0015】このカメラは、カメラ本体1が前面から外
装部材2に覆われるように構成される。
【0016】この外装部材2は、導電体材料、例えば金
属により全体が形成されるが、内側は、カメラ本体のフ
レキシブル基板(プリント配線基板)に実装された回路
部品や回路パターンとの短絡を防止させるために、アル
マイト処理や絶縁シートの貼り付け等を行い、内側表面
に絶縁性を持たせている。この実施形態では、外装部材
2は、カメラの後面(後蓋側)を除く、前面(撮影レン
ズ側)、上下面及び両側面を覆うようなボックス型形状
であり、レンズ鏡筒が挿嵌される撮影レンズ用開口部3
が開口され、ファインダ窓4及び測距・測光用窓5、ス
トロボ用窓6が設けられている。また、レリーズボタン
7は、外装部材2の上面に取り付けられている。勿論、
外装部材2は、このBOX形状に限定されるものではな
く、また窓は、これ以外にも必要に応じて適宜開口され
る。
【0017】カメラ本体1は、前面中央にレンズ鏡筒8
が配置され、カメラの前方向から見て右側にフィルムの
巻き取りを行うためのスプール軸9が設けられたスプー
ル室10が配置され、図示していないが同左側には、フ
ィルムパトローネを装填するためのパトローネ室が配置
されている。また、カメラ本体上面には、ファインダ及
び測距・測光ユニット11が設けられる。その上方及び
カメラ本体前面の左側に掛かり、カメラの各構成部位の
制御や演算等を行うための電気回路が形成されるメイン
フレキシブル基板12が配置される。このメインフレキ
シブル基板12の前面側は、折り畳まれて二重となって
おり、制御や演算処理を行うための主制御部(CPU)
13と、各構成部と信号のやり取りを行うためのインタ
ーフェイスIC(IFIC)14等が実装されている。
このメインフレキシブル基板12の前面側の上端には接
地用ばねを取り付けるためのV字形状の切り込み部12
aが形成され、接地用のばね15が差し込まれた接地部
を設けている。
【0018】図2(a)は、外装部材を接地させるため
の接地部の構成を示し、図2(b)は、この接地部をカ
メラに組み付けた状態を示す断面図である。
【0019】メインフレキシブル基板12の前面側の上
端には、V字形状の切り込み部12aが形成される。
尚、この切り込み部12aは、図2(a)に示すX方向
へのばね15の移動を規制するためのものであり、切り
込みの測定部にて、ばね15の移動が規制される。よっ
て、その形状はV字形状に限定されるものではなく、U
字形状、半円形状及び矩形形状でもよく、切り込む深さ
と共に、カメラのよる設計条件により適宜設定されるも
のである。即ち、ばね15は、接地パターン12bに当
接した位置内にいる必要があるが、必ずしも精密に位置
を決める必要はないのでばね15が移動したとしても接
地パターン12bとの当接状態が維持できるように、接
地パターン12bの大きさなどを勘定して切り込み形状
を適宜変更することができる。
【0020】そして、この切り込み部12aの下方にそ
の一部が掛かるように、メインフレキシブル基板12上
に円形の接地パターン12bを形成する。そして接地パ
ターン12b上に、もしくはその近傍に位置決め孔12
cを開口する。この接地パターン12bの表面は、表面
上の絶縁被覆が除去されて露呈された状態となってい
る。
【0021】図2(b)に示すように、この接地用のば
ね15は、例えば円錐形状を成した円錐コイルばねであ
り、縮んだ際には、素線が重ならないように巻かれてい
る。この円錐形状の底辺側の座巻き部15cの端部15
aが折り曲げられており、メインフレキシブル基板12
に設けられた切り込み部12aの位置決め孔12cに挿
入されるようになっている。
【0022】ばね15は、切り込み部12aに差し込ま
れた際には、この端部15aが位置決め孔12cに挿入
され、その位置が決められる。そして、座巻き部15c
にて、メインフレキシブル基板12上の接地パターン1
2bを弾性的に挟持することにより、ばね15と接地パ
ターン12bとが電気的に接続される。この際、端部1
5aを位置決め孔12cに挿入したのみでは、この端部
15aを中心としてばね15が回動する虞があるが、上
述のような切り込み部12aによりばね15のX方向の
移動が規制されているため、ばね15が接地パターン1
2bから外れることがない。
【0023】尚、座巻き部15cは密着巻きにて形成さ
れるため、ばね15の座巻き部15cを差し込むだけ
で、座巻き部15cが接地パターン12bを弾性的に挟
持するために組付けが簡素化される。一方、外装部材2
のばね15と対向する位置は、絶縁シート16が削除さ
れており、金属表面からなる導電部2aが露呈される。
【0024】従って、カメラ本体1に外装部材2を組み
付けた場合には、図2(b)に示すように、ばね15は
縮んだ状態となり、ばねの付勢力が加わった状態で上部
15bが外装部材2の内側表面の導電部2aに圧接し
て、外装部材2とメインフレキシブル基板12における
接地パターンとが導通状態になる。この導通状態によ
り、外装部材2の電位は、接地パターンの電位、即ち、
接地電位に降下されることとなる。
【0025】以上のことから本実施形態によれば、導電
性を持つ導電材料からなるカメラの外装部材は、カメラ
本体に組み付けられた際に、導電性のコイルばねにより
カメラ本体のプリント配線基板の接地パターンと電気的
に導通状態となり、カメラの周囲からのノイズによる電
流や静電気による電荷を外装部材から電気回路の接地パ
ターンに流すことができ、カメラ内の電機部品に悪影響
が及ぶことを防止することができる。
【0026】次に、第2の実施形態について説明する。
【0027】図3は、第2の実施形態に接地部の構成例
を示す。これは、前述した第1の実施形態における接地
部の変形例であり、接地部以外の構成部位は同等であ
り、それらの説明は省略する。
【0028】前述した第1の実施形態では、メインフレ
キシブル基板12における接地パタン12b上にもしく
はその近傍に位置決め孔12cを開口したが、本実施形
態では切り込み部12aの下方(底部)がほぼ中心とな
る接地パターン12bを形成し、その面積を大きくす
る。端部15aの折り曲げ部を有さない以外は第1の実
施形態と同様なばね15をメインフレキシブル基板12
の二重折りの間に挟まり、切り込み部12aの下方まで
座巻き部15cを挟み込む。
【0029】この第2の実施形態によれば、メインフレ
キシブル基板12に設けた切り込み部12aによる、ば
ね15の位置規制範囲内にわたって接地パターン12b
を設けているため、ばね15に屈曲して形成する端部1
5cを設ける必要がなく、部品形状の簡素化を図ること
ができると共に、組み付け作業が容易になる。
【0030】また、前述した各実施形態では、全体が導
電体、例えば金属により形成された外装部材を一例とし
て説明したが、これに限定されることはなく、金属製の
板材を絞り加工して、カメラの外観面の一部若しくは全
体となる金属製カバーを作成し、その内側に樹脂により
成形された樹脂製カバーが一体的に固定された構成の外
装部材でもよい。この樹脂カバーの内側には、カメラ本
体の各種操作部材を取付けるための突起部やネジ穴等の
取り付け部が設けられている。カメラ本体へ組み付けた
際に、コイルばね15の上部15bが当接する樹脂カバ
ー部分は除去されて、金属表面が露呈された状態となっ
ている。
【0031】さらに、本実施形態では、外装部材と接地
パターンとの電気的な接続に円錐コイルばねを使用した
が、密着巻き部で設置パターンを弾性的に挟持するよう
に形成されているのならば、他にも、円筒形コイルばね
(密着巻きも含む)、薄板ばね等も利用できる。また、
ばねに限定されず、例えば、金属製のクリップの一端が
曲げられた様な形状のクリップタイプでもよい。
【0032】そして、前述した各実施形態では、接地部
をカメラの前面側に配置したが、これに限定されるもの
ではなく、上面側のメインフレキシブル基板上に設けて
もよい。また、接地部を配置するに際して、外装部材に
設けられた操作スイッチを利用したり、カメラ本体に設
けられた操作スイッチやレンズ鏡筒のために開口部の周
囲や近傍に配置してもよい。例えば、外装部材上面に設
けられたレリーズボタン(レリーズスイッチ)が円筒形
を成していたならば、そのレリーズボタン外周に円筒コ
イルばねを嵌め込み、メインフレキシブル基板上のレリ
ーズボタンが配置される近傍で組み付けた状態の時に、
該円筒コイルばねの端部が当接する箇所に接地パターン
を形成することにより、前述した実施形態と同等の効果
を得ることができる。
【0033】尚、上述した各実施形態において、ばね1
5の位置を規制するために切り込み部や位置決め孔を設
けているが、これらを無くして部品形状の簡素化を図る
ために、ばねの固定に粘着テープを用いてもよいし、ば
ね力を大きくすることにより、ばねの移動を防止するよ
うにしてもよい。
【0034】以上の実施形態について説明したが、本明
細書には以下のような発明も含まれている。
【0035】1.グランドパターンが露呈したパターン
部を有するプリント配線基板と、少なくとも一端部に密
着巻き部が形成された導電性を有するばねと、金属体か
らなる外装部材と、上記外装部材に設けられ、上記ばね
の他端部が当接される当接部と、を具備し、上記ばねは
上記密着巻き部にて上記パターン部を挟着し、上記プリ
ント配線基板と上記外装部材とは上記ばねを介して電気
的に導通されることを特徴とするカメラ。
【0036】2.上記外装部材は、表面をアルマイト処
理されたアルミニウムからなり、上記当接部は、このア
ルマイト層を除去した領域であることを特徴とする上記
1項に記載のカメラ。
【0037】3.上記外装部材に配される絶縁体を有
し、この絶縁体は上記当接部にて外装部材の金属部を露
呈させる開口部を有することを特徴とする上記1項に記
載のカメラ。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、品
点数を増やすことなく、簡単な構成で所定の導電性の外
装部材を確実に接地することが可能なカメラを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るカメラの構成例
を示す図である。
【図2】図2(a)は、外装部材を接地させるための接
地部の構成を示し、図2(b)は、この接地部をカメラ
に組み付けた状態を示す断面図である。
【図3】第2の実施形態に接地部の構成例を示す図であ
る。
【符号の説明】
1…カメラ本体 2…外装部材 2a…導電部 3…撮影レンズ用開口部 4…ファインダ窓 5…測距・測光用窓 6…ストロボ発光窓 7…レリーズボタン 8…レンズ鏡筒 9…スプール軸 10…スプール室 11…測距・測光ユニット 12…メインフレキシブル基板 12a…切り込み部 12b…接地パターン 12c…位置決め孔 13…主制御部(CPU) 14…インターフェイスIC(IFIC) 15…ばね 15a…位置決め突起 15b…圧接部 15c…座巻き部 16…絶縁シート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接地電位となるパターン部を有するプリ
    ント配線基板と、 少なくとも一端部に座巻き部が形成された導電性を有す
    るばねと、 上記ばねの他端部が圧接される少なくとも表面に導電性
    を有する導電部材と、を具備し、 上記ばねは、上記座巻き部にて上記パターン部の露呈部
    分を挟着し、上記他端部が上記導電部材に圧接して電気
    的接続を成し、上記導電部材の電位を上記接地電位に降
    下させることを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 上記ばねは円錐状のコイルばねであっ
    て、 大径側に形成された上記座巻き部にて上記パターン部を
    挟着することを特徴とする請求項1に記載のカメラ。
  3. 【請求項3】 上記ばねは、上記導電部材に圧接した状
    態で、それぞれの素線がその径方向で重なることなく圧
    縮されることを特徴とする請求項2に記載のカメラ。
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