JP2003315870A - 光量調節装置 - Google Patents

光量調節装置

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JP2003315870A
JP2003315870A JP2002365744A JP2002365744A JP2003315870A JP 2003315870 A JP2003315870 A JP 2003315870A JP 2002365744 A JP2002365744 A JP 2002365744A JP 2002365744 A JP2002365744 A JP 2002365744A JP 2003315870 A JP2003315870 A JP 2003315870A
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Eirishi Namazue
英利子 鯰江
Ichiro Onuki
一朗 大貫
Takeshi Miyazaki
健 宮崎
Akio Kashiwazaki
昭夫 柏崎
Masataka Yashima
正孝 八島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学フィルタと絞り羽根とを一体化している
にもかかわらず、NDフィルタの位置ずれのない、ND
フィルタの形状に自由度があり、撮影装置等の光学装置
に使用した場合に画像の解像度の低下のない改善された
光量調節部材を有し、しかも、該光量調節部材は一回の
工程で製造でき、光学特性に優れた、装置全体を小型化
でき、製品のコストダウンを達成できる光量調節装置の
提供。 【解決手段】 所定の開口径を有する開口部を通過する
光束の状態を調節するための光量調節装置において、光
束に所定の透過率を与えるための第1の領域と、光束を
遮断するための第2の領域を同一基材上に有している光
量調節部材を備え、上記第1の領域と上記第2の領域が
共に、微小液滴吐出装置を用いて形成された色材を含む
被膜からなる光量調節装置。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、撮影装置等の光学
機器等に使用される光量調節装置に関し、特に、光量調
節部材としての、いわゆる絞り羽根に光学フィルタが一
体的に設けられている絞り装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の絞り装置においては、光量調節部
材としての絞り羽根を用いて、通過光量を調節してい
る。そして、特に高輝度被写体に対しては、絞り径をあ
まり小さくせずに一定の絞り径とし、回折による解像力
の劣化を防止して、その代わりにNeutral De
nsityフィルタ(以下、NDフィルタと略す)等の
光学フィルタを用いて通過光量を制限し、これによって
画質の低下を防止している。 【0003】具体的には、NDフィルタを絞り羽根に装
着せずに、独立した状態で光学的作用を持たせて構成し
た絞り装置が種々提案されている。又、別の方法とし
て、絞り羽根の一部に、絞り羽根とは別部材であるND
フィルタを接着剤で装着するように構成することで、被
写体が高輝度の時には、絞り径をあまり小さくなるまで
絞り込まずに絞り開口を一定の大きさに維持し、その代
わりに、NDフィルタを光軸上に位置させるようにして
通過光量を制限している。 【0004】しかし、絞り羽根とNDフィルタとを別部
材とした場合には、NDフィルタを絞り羽根に接着する
際に位置ずれが生じてしまったり、NDフィルタの形状
に自由度がない等の欠点を有する。そのため、これを改
善することを目的として、絞り羽根とNDフィルタを一
体化した絞り装置の提案がなされている(例えば、特許
文献1参照)。その構成を図10に示した。 【0005】図10において、903は、不図示のモー
タの軸に孔903aで嵌着されて、該孔903aを中心
に往復回動可能な絞り羽根駆動レバーであり、901及
び902は、この絞り羽根駆動レバー903の両端の突
設ピン903b及び903cに相対摺動可能に嵌合する
溝901a及び902aを有した第1及び第2の絞り羽
根であり、901c及び902cは、それぞれの絞り羽
根の開口縁である。904a及び904bはNDフィル
タであり、本発明においては、絞り羽根901及び90
2と同じ部材で一体構成されている。つまり、NDフィ
ルタ904a及び904bでは、一定の透過率を有する
ようにし、それ以外の領域は光を遮断するような構成と
なっている。 【0006】そして、絞り羽根901及び902は、絞
り羽根駆動レバー903が、孔903aを中心に往復回
動することによって、矢印f方向に互いに逆方向に移動
される。この結果、NDフィルタ904a及び904b
が不図示の地板に貫設された光路孔906を覆ったり開
放したりする。即ち、NDフィルタ904a及び904
bが光路孔906中に位置したときは通過光量を減衰さ
せて、不図示の撮像素子に入射する光量を調節してい
る。尚、絞り羽根901及び902のそれぞれの縁部に
は、これらの羽根の移動方向に平行な溝901b及び9
02bが貫設されており、これらの溝には不図示の地板
から突出したガイドピン905が相対摺動可能に挿入さ
れている。 【0007】しかしながら、上述した従来の技術には、
以下に述べるような改善すべき余地があった。即ち、上
記特許文献1には、絞り羽根とNDフィルタを一体とす
る構成が開示され、絞り羽根の材料として、銀塩感光材
料(銀塩フィルム)を用いるという開示があるものの、
詳しい製造方法は開示されていない。又、本発明者らの
検討によれば、NDフィルタの形成材料に銀塩フィルム
を用いると、そのフィルムを通った光束の散乱が大きい
ため、画像の解像度が低下してしまうという問題があ
る。 【0008】 【特許文献1】特開平07−104343号公報 【0009】 【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、撮影装置等に使用される、所定の開口径を有する開
口部を通過する光束の状態を調節するための光量調節装
置において、光学フィルタと絞り羽根とを一体化してい
るにもかかわらず、NDフィルタの位置ずれが生じた
り、NDフィルタの形状に自由度がない等の欠点がな
く、しかも、撮影装置等の光学装置に使用した場合に画
像の解像度の低下のない改善された光量調節部材を有す
る光量調節装置を提供することにある。又、本発明の目
的は、光量調節装置全体を小型化でき、簡単な構成で、
しかも一回の工程で光学特性に優れた光量調節部材を製
造することが可能な、製品のコストダウンを達成した光
量調節装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、所定の開口
径を有する開口部を通過する光束の状態を調節するため
の光量調節装置において、上記光束に所定の透過率を与
えるための第1の領域と、上記光束を遮断するための第
2の領域を同一基材上に有している光量調節部材を備
え、上記第1の領域と上記第2の領域が共に、微小液滴
吐出装置を用いて形成された色材を含む被膜からなるこ
とを特徴とする光量調節装置である。 【0011】又、本発明の別の形態は、所定の開口径を
有する開口部を通過する光束の状態を調節するための光
量調節装置において、上記光束に所定の透過率を付与す
るための第1の領域と、上記光束を遮断するための第2
の領域を同一基材上に有している光量調節部材を備え、
上記第1の領域及び上記第2の領域が、異なる材料から
なる被膜によって形成されていることを特徴とする光量
調節装置である。 【0012】又、その好ましい形態としては、下記のも
のが挙げられる。上記したいずれかの構成において、
(1)光量調節部材の第1の領域及び第2の領域を構成
している被膜の膜厚が、大きく変化することがなく、略
一定である光量調節装置、(2)第1の領域における所
定の透過率が、一定であるか、又は、段階的に或いは連
続的に変化する光量調節装置、(3)光量調節部材の第
2の領域の透過率が、1%以下である光量調節装置、
(4)光量調節部材が、被駆動部を有する光量調節装置
が挙げられる。 【0013】又、本発明の別の形態は、(5)上記した
何れかの構成を有する光量調節装置と、被写体像を形成
する撮影光学系と、該被写体像を光電変換する撮像手段
と、該光電変換された信号を記録する記録手段とを有
し、上記光量調節装置を撮影光学系に配置することを特
徴とする撮影装置である。 【0014】又、本発明の別の形態は、(6)同一基材
上に、光束に所定の透過率を付与するための第1の領域
と光束を遮断するための第2の領域とを有している光量
調節部材を設けた光量調節装置の製造方法において、
i)上記第1の領域となる色材を含む被膜を上記基材上
に形成するための着色工程と、ii)上記第2の領域とな
る色材を含む被膜を上記基材上に形成するための着色工
程を、有することを特徴とする光量調節装置の製造方法
である。 【0015】又、その好ましい形態としては、下記のも
のが挙げられる。上記した構成を有する製造方法におい
て、(7)工程i)及びii)が、微小液滴吐出装置によ
って着色液を付与して行われる光量調節装置の製造方
法、(8)前記第1の領域における所定の透過率が、一
定であるか、又は、段階的に或いは連続的に変化するよ
うに、基材上に色材を含む被膜を形成する光量調節装置
の製造方法、(9)光量調節部材の第2の領域の透過率
が、1%以下となるように基材上に色材を含む被膜を形
成する色材の濃度を決定する光量調節装置の製造方法で
ある。 【0016】 【実施例】以下に、本発明を実施例によって更に具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 (第1の実施例)図1は、本発明の第1の実施例にかか
る光量調節装置に用いる光量調節部材を示す概略図であ
る。尚、本実施例では、光量調節装置として、ビデオカ
メラ等で使用される絞り装置を例にとって説明する。図
1において、101は、光量調節部材である絞り羽根全
体を示し、かかる絞り羽根は、光束に所定の透過率を与
えるための第1の領域であるNDフィルタ部101P
(図1のグラデーション部)と、光束を遮断するための
第2の領域である光遮断部101Q(グラデーション以
外の部分)で構成されている。本実施例の絞り羽根は、
上記の第1の領域であるNDフィルタ部101Pと、第
2の領域である光遮断部101Qが、同一基材上に形成
されていることを特徴とする。尚、図1中、光遮断部1
01Qについては、NDフィルタ部101Pとの境界等
を明確にするために彩色を施していないが、本来は、光
を遮断する部材であるので黒色等で形成されている。 【0017】以下に、上記のような構成を有する光量調
節部材を製造する方法について説明する。図1(b)
は、図1(a)のA−A’で切断し、矢印方向に見た時
の側面図であるが、これを参照しながら説明する。本実
施例においては、基材として、表面に着色液の受容層を
有する透明基材をを用いた。先ず、透明基材111上に
着色液を受容し得る材料をコーティングして、着色液の
受容層を形成した。以下、その方法について説明する。 【0018】本発明においては、基材として透明のもの
を用いることが好ましいが、透明基材としては、光量調
節部材としての機械的強度及び光学的特性等の必要特性
を有していれば特に限られるものではない。具体的に
は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下、PE
Tと略す。)、ジアセテート、トリアセテート、ポリプ
ロピレン等からなる透明フィルムを挙げることができ
る。又、上記必要特性を満たすものであれば、ガラス基
材も使用可能である。本実施例では、透明基材として厚
さ75μmのPETフィルムを用いた。 【0019】上記したような透明基材上に、着色液(溶
剤に、後述する色材を混合させたもの)を受容しうる材
料をコーティングする方法としては、下記のような方法
を用いることができる。先ず、着色液を受容しうる材料
を、必要によって他の添加剤と共に、水或いはアルコー
ル、多価アルコール類、又は他の適当な有機溶剤に溶
解、又は分散して、塗工液を調製する。次いで、このよ
うにして得られた塗工液を、例えば、ロールコーター
法、スピンコート法等によって、透明基材表面に塗工す
る。その後、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム、ホットプ
レート等を用いて乾燥を行って、透明基材上に、着色液
を受容しうる層(受容層)112を形成する。 【0020】上記において受容層112の形成に用いる
ことのできる材料としては、透明基材上に被覆層を形成
した場合に、該層中に着色液が吸収され、該着色液中の
色材を層中に定着しうるものであれば特に限られるもの
ではない。例えば、ポリビニルアルコール、セルロース
の変性物、ポリエステル等の合成樹脂、ゼラチン等の天
然樹脂を挙げることができる。又、これらの材料と共に
受容層の形成に用いることのできる、コーティング性、
着色液の吸収性能の制御、機械的特性の向上等を目的と
して加える添加剤としては、各種の、界面活性剤、架橋
剤、染料固着剤(耐水化剤)、消泡剤、酸化防止剤、粘
度調整剤、pH調整剤、防カビ剤、可塑剤等が挙げられ
る。 【0021】本実施例では、受容層112を下記のよう
にして形成した。ポリビニルアルコール(日本合成化学
(株)製 ゴーセノールGM−14L)を固形分換算で
10部からなる水溶液を調製して得られた塗工液を、ワ
イヤーバーを用いて、透明基材上に塗工し、熱風乾燥オ
ーブンにより100℃、5分の条件で乾燥を行った。こ
のようにして作製された、着色液を吸収・受容し得る受
容層112の厚みは7μmであった。 【0022】次に、上記したようにして受容層112を
形成した透明基材111上に、第1の領域であるNDフ
ィルタ部101Pと、第2の領域である光遮断部101
Qとを形成する。 【0023】本実施例では、微小液滴吐出装置を用いる
方法によって、第1の領域であるNDフィルタ部101
Pと第2の領域である光遮断部101Qとを、下記のよ
うにして一段階で形成した。この際に用いる着色液とし
ては、微小液滴吐出装置により吐出可能なものを使用す
ることが好ましい。このような着色液としては、水系、
油系のものを共に用いることができるが、吐出信頼性の
点から、水系の着色液を使用することが好ましい。しか
し、特に水系の着色液に限られるものではない。更に、
着色液中の色材としては、各種の、染料及び顔料を用い
ることができるが、各種の、金属、無機、有機微粒子等
も使用可能である。 【0024】尚、本発明において、色材とは、広く、可
視光、紫外光、赤外光を含む所定波長帯の光の透過率を
制御する材料を意味しており、本実施例におけるNDフ
ィルタ部の製造においては、可視光帯域全体に渡って均
一な透過特性を与えるものが利用されているが、本発明
はこれに限定されるものではない。例えば、赤外線カメ
ラ用の光量調節装置に用いる場合には、赤外域の特定波
長のみを透過する材料が用いられるが、これも色材に含
まれる。又、透過光量を制御する際の光の吸収が、材料
内部で生じるもの、材料表面で生じるもののいずれも
が、本発明でいう色材に含まれる。 【0025】上記において使用する着色液中の溶剤とし
ては、水性媒体としてはメチルアルコール等の各種の水
溶性有機溶剤を用いることができる。更に、所望の物性
値を持つ着色液とするために、必要に応じて、各種の、
界面活性剤、消泡剤、防腐剤等を添加することができ
る。 【0026】本実施例においては、光透過率約100〜
8%(Optical Density:O.D.=0
〜1.1)の濃度勾配を有するNDフィルタ部と光遮断
部とを作製した。本実施例では、6種類の着色液(イン
ク)を用いた。本実施例において、記録ピッチとインク
吐出量は概ね一定とし、又、単位パターンも1200d
piの2×2=4画素とした。但し、その際に使用した
インクは色材を含まないインク(インク1)を1種類
と、特定の波長帯域の光を減衰する機能を有する色材を
含むインク5種類の計6種類である。特定の波長帯域の
光を減衰する機能を有するインクとしては表1に示す組
成からなる色材濃度の異なる黒色の色材を含むインク2
〜6の5種類である。又、使用する色材は、可視光領域
においてほぼフラットな分光透過率を得るために、数種
類の染料を混合したものを使用するのが望ましい。 【0027】 【0028】本実施例で形成した具体的なインクの吐出
の単位パターンは、図11に示したように、21.17
μm(1200dpi)角を1画素として、この画素が
2×2の計4画素を単位パターンとしたものである。そ
して、この単位パターンのa、b、c及びdの場所に対
して、上記6種類のインクを付与する。単位パターンは
表2に示す0〜10の単位パターンを設定し、その単位
パターンの濃度レベルを利用して多値化処理を行った。
単位パターン0〜9を用いて第1の領域を形成し、単位
パターン10を用いて第2の領域を形成した。尚、本実
施例では、この際に、誤差拡散処理を利用して多値化処
理を行ったが、特に誤差拡散法に限られるものではな
く、ディザ法等、広く利用できる。 【0029】 【0030】本実施例では、上記のようなインクを、先
に説明したインクを受容しうる材料がコーティングされ
た透明基材上に微小液滴吐出装置を用いて付与して、第
1の領域であるNDフィルタ部101Pと第2の領域で
ある光遮断部101Qとを1工程で形成した。以下、か
かる工程について説明する。 【0031】図8は、本実施例で使用した微小液滴吐出
装置201の構造を示したものである。図8において、
透明基材111は、ピンチローラ212によってプラテ
ン211に圧接保持される。そしてラインフィードモー
タ213の回転に伴うピンチローラ212の回転で、透
明基材111は矢印Av方向に搬送される。214はシ
ートセンサであり、透明基材111がプラテン211上
に給紙されているか否かを検出する。 【0032】231は記録ヘッドで、ガイド軸221に
沿って、矢印AH方向に移動可能に保持される。記録ヘ
ッド231は、キャリッジモータ222と、該モータの
軸に掛け回された状態のベルト223によって、プラテ
ン211に沿って一定速度で駆動される。記録ヘッド2
31の位置は、リニアエンコーダ224で検出される。
225はホームポジションセンサで、記録ヘッド231
が右端の原点に戻っているか否かを検出する。この記録
ヘッド231は、複数のノズルユニットから形成されて
いる。そして、各ノズルユニットには、複数種類の濃度
の異なる着色液が充填されている。又、ノズルユニット
内には、ヒータが設けられており、このヒータへ通電す
ることで、ノズル内の着色液が気化し、気泡が発生す
る。そして気泡による圧力波が、透明基材111に向け
て着色液滴を吐出させる。 【0033】図9は、微小液滴吐出装置の制御回路図で
ある。図9において、251は微小液滴吐出装置全体の
動作を制御するCPUであり、252は、電源投入や印
刷開始等を指示するためのスイッチ群、253は、光量
調節部材の印刷濃度パターン等を生成するPC(Per
sonal Computer)等の外部機器である。 【0034】ラインフィードモータ213は、モータ制
御回路215を介して、透明基材111を搬送制御(副
走査)する。この際、シートセンサ214は、透明基材
111の有無を検知し、プラテン上に透明基材111が
ない時は給紙を行なう。キャリッジモータ222は、モ
ータ制御回路226を介して記録ヘッド231を駆動制
御(主走査)する。具体的には、キャリッジモータ22
2は、連続回転する直流モータで、リニアエンコーダ2
24からの位置信号をフィードバックして、速度及び駆
動量を精密に制御する。ホームポジションセンサ225
は、1回の主走査終了後に記録ヘッドが初期位置に戻っ
たか否かを検出する。 【0035】233は、外部機器253で生成された濃
度パターンを、微小液滴の吐出パターンに変換するため
の記録データ処理回路である。そして、該回路233で
生成された信号に基づき、ヘッドドライバ232が記録
ヘッド231内のヒータを発熱制御して着色液が吐出さ
れる。この結果、透明基材111上に着色液が付与され
て、所定の濃度パターンが印刷される。 【0036】本発明においては、上記のようにして着色
液を付与した後、必要に応じて、熱風乾燥炉、熱ドラ
ム、ホットプレート等を用いた乾燥を行って色材を含む
被膜を形成してもよい。特に、上記着色液を吸収し得る
材料中に架橋剤を混合した場合には、加熱或いは光照射
を行うことで被膜を硬化させることが効果的である。 【0037】又、本発明においては、上記のようにし
て、図1に示した構成の、透明基材111上に色材を含
む被膜112を形成して、第1の領域101Pと第2の
領域101Qとなる部分を同時に形成するが、その後、
更に、光学的な特性を向上させる目的で、着色被膜上に
透明平坦化層を設けてもよい。或いは、更にその上に反
射防止膜を設けてもよい(図12参照)。平坦化層の形
成に用いられる材料としては、先に説明した着色液を受
容する材料を使用することができる。しかし、その他、
被膜層との密着性、機械的強度、光学的特性等の必要性
能を満たしていれば、いずれの材料を使用することもで
き、特に限られるものではない。 【0038】本実施例では、先に述べたようにして形成
した着色被膜上に透明平坦化層を下記のようにして形成
した。先ず、スチレン−ブタジエン共重合体溶液を調製
し、この塗工液をワイヤーバーを用いて被膜上に塗工
し、熱風乾燥オーブンにより100℃、5分の条件で乾
燥を行った。 【0039】以上述べたように、本実施例では、微小液
滴吐出装置を用いることで、所定の濃度パターンを有す
る第1の領域であるNDフィルタ部101Pと、第2の
領域である光遮断部101Qとなる部分が、透明基材上
に同時に印刷形成され、更に、その後、該透明基材をプ
レス工程で打ち抜きすることで、透明基材上に、NDフ
ィルタ領域である101Pと、光遮断領域である101
Qとが一体化的に形成された光量調節部材としての絞り
羽根を、一回の工程で簡単に製造することができた。 【0040】図2は、上記で得られた絞り羽根につい
て、図1(a)に示した0点〜x1点における部分の、
透過率と膜厚を示した図である。この結果、図2に示し
た通り、上記した方法によって得られた絞り羽根は、N
Dフィルタ部101Pでは、透過率は位置により100
%〜0%まで連続的に変化しているが、膜厚は位置によ
って大きく変化することなく略一定であることが確認で
きた。 【0041】第1の領域であるNDフィルタ部101P
の透過率を、段階的に、或いは連続的に変化させた場合
の光学的優位性は、例えば、特開平6−95208号公
報及び特開平11−15042号公報等に記載されてい
る。従って、上記したような簡易な製造方法によって、
第1の領域であるNDフィルタ部101Pの透過率が、
段階的に、或いは連続的に変化するように、着色パター
ンを形成して光量調節部材を製造し、これを光量調節装
置に適用すれば、簡易且つ経済的に得られた光量調節部
材を用いているにもかかわらず、本発明の光量調節装置
は、上記した公知技術の場合と同様の効果が得られる優
れたものとなる。 【0042】以下に、上記のようにして作製した本実施
例で使用する光量調節部材の光学特性を説明する。先
ず、光量調節部材の光遮断部である第2の領域101Q
で最も重要な光学特性は、透過率である。そこで、市販
の光学濃度計を使用して、光遮断部の光学濃度(Opt
ical Density 以下O.D.と略す)を測
定したところ、2.3であった。光学濃度と透過率Tの
関係は下記<1>式で表される。 OD=−log10T <1> <1>式より、測定した値を透過率に換算すると、0.
5%であり、本実施例の絞り羽根は、充分な性能である
ことが確認できた。 【0043】次に、本発明において好適な光量調節部材
の、所定の透過率を有する第1の領域101Pの良否を
判断する場合には、(1)第1の領域101PであるN
Dフィルタのみを単体で用いた場合に、色材が光束を散
乱或いは屈折することによる光学性能の低下の程度、
(2)絞り装置等に組み込んで使用した場合の回折防止
効果、(3)分光透過率、の3項目の評価が必要であ
る。 【0044】ここで(3)は、色材の種類によってフィ
ルタの特性を自在に調節でき、且つ市販の分光透過率計
を用いて簡単に測定できるので、説明は省略する。一方
(2)の評価項目は、絞り羽根の形状や評価時の絞り値
(Fナンバー)等の因子が評価結果に大きく影響するた
め、第1の領域101Pのみで作製したNDフィルタ単
独の光学特性を評価するためには(1)の方法が適して
いる。そこで、以下の手順で、本実施例における第1の
領域であるNDフィルタ部101Pの特性を評価した。 【0045】先ず、先に説明した本実施例の方法で、光
学濃度0.5(透過率32%)の均一濃度パターンを有
するNDフィルタを作成した。これをキヤノン(株)製
デジタルカメラPower Shot G1の撮影レン
ズの前方に配置し、ISO規格の、電子スチルカメラ用
解像力チャートを撮影した。露出制御モードは、絞り開
放による絞り優先AEを使用し、NDフィルタの有無に
かかわらず適正露出が得られるようにした。この撮影画
像から、白黒バーチャート(像面上での空間周波数1
4.5line pairs/mm)を切り出し、画像
の白部のレベルと黒部のレベルの差分を求め、これを評
価コントラストとした。次いで、前記したフィルタを外
して同様の撮影を行って、画像の白部のレベルと黒部の
レベルの差分を求め、これを参照コントラストとした。
このようにして得られた参照コントラストに対する評価
コントラストの比率を求め、フィルタコントラストと定
義したが、上記のNDフィルタにおけるこの値は、0.
96であった。 【0046】フィルタコントラストの許容下限値は、撮
影装置の用途や価格帯により異なるが、普及クラスの撮
影装置では0.9以上、高級クラスでは0.92以上が
好ましいことがわかっている。従って、上記で得られた
NDフィルタのフィルタコントラスト値0.96は、充
分に高性能であることがわかった。尚、第1の領域の透
過率を、段階的に、及び連続的に変化させた場合も、こ
の評価法で評価することができる。 【0047】図3は、図1の絞り羽根を用いた光量調節
装置である絞り装置を説明する図である。図3におい
て、100は光量調節装置全体を示している。101
は、図1で示した第1の絞り羽根であり、102は第2
の絞り羽根である。第2の絞り羽根102は、第1の絞
り羽根101と同様の方法で製造され、NDフィルタ部
102Pと光遮断部102Qとを有している。103
は、不図示のモータの軸に孔103aにおいて嵌着され
て該孔103aを中心として回動される絞り羽根駆動レ
バーである。第1の絞り羽根101及び第2の絞り羽根
102は、絞り羽根駆動レバー103の両端の突設ピン
103b及び103cにそれぞれの溝穴101a及び1
02aにおいて係合している。105は、第1及び第2
の絞り羽根101及び102のそれぞれの側縁部の溝1
01b及び102bに相対摺動可能に係合している不図
示の地板のガイドピン、106は、該地板に貫設されて
いる光路孔、101c及び102cは、第1及び第2の
絞り羽根101及び102のそれぞれの絞り開口縁であ
る。尚、図3中、光遮断部101Qについては、NDフ
ィルタ部101Pとの境界等を明確にするために彩色を
施していないが、本来は、光を遮断する部材であるので
黒色等で形成されている。 【0048】図3は、絞りが全開である時の状態を示し
ている。絞りが全開の状態から絞りを絞っていくと、絞
りの開口部である光路孔106は、第1及び第2の絞り
羽根のNDフィルタ部101P及び102Pで遮蔽され
るため、光路孔106を通る光束の透過率が徐々に低く
なるが、本実施例の絞り羽根においては、先に述べたよ
うに、絞り羽根全ての場所において膜厚が略一定である
ため、絞り羽根のNDフィルタ部を通る光束に光路差が
生じない。このため、開口部106の光束の光路差によ
る解像力の低下を改善することができる。 【0049】図4は、図3で示した絞り装置を光学装置
に配置した場合における概略配置図である。本実施例で
は、光学装置は動画像若しくは静止画像を撮像手段で電
気信号に光電変換し、これをデジタルデータとして記録
する撮影装置であるビデオカメラを例として説明する。
400は、複数のレンズ群からなる撮影光学系であり、
第1レンズ群401、第2レンズ群402、第3レンズ
群403、及び図3で示した絞り装置100で構成され
る。401は固定の前玉レンズ群、402はバリエータ
レンズ群、403はフォーカシングレンズ群である。4
04は光学ローパスフィルタである。又、撮影光学系4
00の焦点位置(予定結像面)には、撮像手段411が
配置される。これは照射された光エネルギを電荷に変換
する複数の光電変換部、該電荷を蓄える電荷蓄積部、及
び該電荷を転送し、外部に送出する電荷転送部からなる
2次元CCD等の光電変換手段が用いられる。 【0050】421は、液晶ディスプレイ等の表示器
で、撮像手段411で取得した被写体像や、光学装置の
動作状況を表示する。422は、操作スイッチ群であ
り、ズームスイッチ、撮影準備スイッチ、撮影開始スイ
ッチ、シャッター秒時等を設定する撮影条件スイッチで
構成されている。423はアクチュエータであり、これ
によりフォーカス駆動を行い撮影光学系400の焦点状
態を調節したり、その他の部材を駆動する。 【0051】CPU431では、取り込まれた平均濃度
の大きさが、自身内にメモリーされている適正露出に相
当する数値と一致しているかどうかを算出し、差のある
場合は、その差分との絶対符号との絶対値に応じて絞り
開口を変化させ、若しくは、撮像手段411への電荷蓄
積時間を変化させることになる。絞りを動かす場合に
は、絞り駆動回路432により、絞り羽根駆動レバー1
03が103aを回転中心とし回動することで、絞り羽
根101及び102が上下にスライドする。これによ
り、開口部である光路孔106の大きさが変化する。こ
のように絞り開口面積或いは、電荷蓄積時間を変化させ
て最適の露出を得ることができる。 【0052】最適露出にて、撮像手段411上に結像し
た被写体の像は、その明るさの強弱に応じた画素毎の電
荷量として、電気信号に変換され、アンプ回路441で
増幅された後、カメラ信号処理回路442で所定のγ補
正等の処理を施される。尚、この処理は、A/D変換後
のデジタル信号処理で行われてもよい。そして、このよ
うにして作られた映像信号は、レコーダ443にて記録
される。 【0053】上記第1の実施例によれば、所定の開口径
を有する開口部を通過する光束の状態を調節する光量調
節装置において使用する光量調節部材が、光束に所定の
透過率を与えるための第1の領域と、光束を遮断するた
めの第2の領域を同一基材上に有しており、この第1の
領域と上記第2の領域が共に、微小液滴吐出装置を用い
て形成された色材を含む被膜からなるように構成されて
いるため、光量調節装置全体を小型化できると共に、簡
単な構成で、且つ一回の工程で、上記光量調節部材を製
造することができるため、製品のコストダウンを達成で
きる。更には、上記第1の実施例によれば、上記第1の
領域が様々な濃度パターンを有する光量調節部材や、様
々な形状の光量調節部材を簡易に製造することが可能で
ある。 【0054】又、上記第1の実施例によれば、第1の領
域と第2の領域で透過率は変化するが、膜厚が等しいも
のが得られるために、光量調節部材を通る光束の光路差
が0となり、光路差によって生じる解像力の低下を防止
することができ、解像度を改善することができる。更
に、上記第1の実施例によれば、本発明による光量調節
部材を撮影装置に組み込むことで、解像力の低下が抑制
された違和感のない画像を得ることができる。 【0055】(第2の実施例)図5(a)は、本発明の
第2の実施形態である光量調節装置の概略図であり、及
び、図5(b)は、光量調節部材511の上面図及び概
略断面図である。図5(a)において、503は、不図
示のモータの軸に孔503aで嵌着されて該孔503a
を中心に往復回動可能な絞り羽根駆動レバーであり、5
01及び502は、この絞り羽根駆動レバー503の両
端の突設ピン503b及び503cに相対摺動可能に嵌
合した溝穴501a及び502aを有した第1及び第5
の絞り羽根であり、501c及び502cは、それぞれ
の絞り羽根の開口縁である。これらの絞り羽根501及
び502は、絞り羽根駆動レバー503が孔503aを
中心に往復回動することによって、図中に矢印fで示し
た方向に、互いに逆方向に移動され、不図示の地板に貫
設された光路孔506を覆ったり開放したりする。絞り
羽根501及び502のそれぞれの一側縁部には、羽根
の移動方向に平行な溝501b及び502bが貫設さ
れ、これらの溝には不図示の地板から突出したガイドピ
ン505が相対摺動可能に挿入されている。 【0056】511は、本実施例にかかる光量調節部材
の全体を示しており、522は、光量調節部材511の
駆動手段であり、521は、この駆動手段の出力軸であ
り、光量調節部材511を保持している。光量調節部材
511は、絞り羽根501及び502の開口縁501c
及び502cによって形成される開口部の大きさが大き
い場合には、図5(a)に示したように光路外に退避し
ている。そして、開口縁501c及び502cによって
形成される開口部の大きさが小さくなり、回折の影響が
出る直前の大きさになると、駆動手段522によって光
量調節部材511が回動し、開口縁501c及び502
cによって形成される開口部を覆うことで光量を調節す
る構成となっている。 【0057】次に、本実施例にかかる上記光量調節部材
511を製造するための方法について説明する。光量調
節部材511は、所定の透過率を付与する第1の色材が
設けられたNDフィルタ部511P(図5のハッチ部)
と、光を遮断する第2の色材が設けられた光遮断部51
1Q(ハッチ部以外の部分)で構成されている。図5
(b)の上側は、光量調節部材511の上面図であり、
図5(b)の下側は、そのB−B’部における断面図を
示している。 【0058】本実施例にかかる光量調節部材において
は、NDフィルタ部である511Pは蒸着膜であり、透
明基材上に、蒸着法によって色材が着色されて形成され
なる。その場合に使用する透明基材に対する着色例を、
図6に示した真空蒸着装置の一例を参照しながら説明す
る。図6において、601は真空装置の本体、602は
排気口、603は電子銃等の蒸発源、604は基材加熱
用のヒーター、605は透過用光源、606は反射用光
源、607は受光部、608は被蒸着基材、609は膜
厚制御用モニターである。 【0059】本実施例においては、基材としては透光性
の基材、特には、透明基材を用いることが好ましい。一
般的には、合成樹脂からなるフィルム基材が用いられる
が、絞り羽根としての機械的強度及び光学的特性の必要
特性を有していれば、フィルム基材に限定されるもので
はなく、ガラス製の基材でも、その他の基材でも構わな
い。本実施例では、PETフィルムを使用した。 【0060】蒸着膜を形成するための出発材料として
は、金属酸化膜及び誘電体膜を形成する材料を用い、こ
れらの材料を、異なる蒸発源603から各々蒸発させ
て、PETフィルム基材608上に、金属酸化膜及び誘
電体の交互膜を形成する。金属酸化膜の材料としては、
TiO、Ti23、Ti35、Ti47等があるが、こ
れらは単体で使用してもよく、又、混合物で使用しても
よい。更には、複数の層を重ねる場合には、層ごとに異
なる材料を用いても構わない。本実施例では、TiO及
びTi23を使用した。誘電体の材料としては、Al2
3、SiO2、MgF2があるが、空気側に接する誘電
体膜はMgF2であることが望ましい。本実施例では、
Al23及びMgF2を使用した。 【0061】蒸着膜の形成にあたっては、蒸着膜の透過
率は膜厚に依存するため、透過用光源605と受光部6
07、及び反射用光源606と受光部607の光学式膜
厚制御装置を用い、基材上に配置した膜厚制御用モニタ
ー609からの透過光、反射光の短波長、及び可視域の
分光強度により膜厚制御を行って、所望の膜厚、即ち、
所望の透過率のNDフィルタ部511Pを形成した。本
実施例では0.3〜1.0μmの厚みの膜を形成した。 【0062】本実施例にかかる光量調節部材511にお
いては、光遮断部である511Qは印刷膜であり、印刷
法によって色材が透明基材上に着色されている。図7
は、印刷法によって透明基材上に色材を着色する方法を
説明するための図である。即ち、パターン印刷について
の説明図である。図7において、先ず、凹版700に所
定のパターンで形成された凹部701に色材であるイン
キ702を充填する(図7(a))。インキとしては、
黒色であればよく、例えば、カーボンブラックインキ等
を使用する。次に、ブランケット711を装着したブラ
ンケット胴712を凹版700上で回転移動させながら
圧着させて、凹部701内のインキ702をブランケッ
ト胴712に転写する(図7(b))。そして、このブ
ランケット胴712のインキ702を、基材531に転
移させて、パターンを形成(着色)する(図7
(c))。本実施例では、このようにして、図5(b)
に示した部分に光遮断部511Qを形成する。この際
に、インキの濃度を制御するか、膜厚を制御し、透過率
が1%以下となるようにする。本実施例では、0.8〜
1.5μmの厚みの、透過率が1%の膜を形成した。 【0063】以上述べたように、本実施例では、同一基
材に対して、蒸着法及び印刷法の異なる2つの着色工程
を用いることで、異なる2つの着色材料で着色された部
分を有する基材を得、その後、該基材をプレスで打ち抜
くことで、図5(b)に示した光量調節部材511を製
造した。 【0064】上記した第2の実施例によれば、所定の開
口径を有する開口部を通過する光束の状態を調節する光
量調節装置において、光束に所定の透過率を付与するた
め第1の領域と、光束を遮断するための第2の領域を同
一基材上に有し、且つ、該第1の領域及び上記第2の領
域が異なる材料からなる被膜によって形成されているた
めに、それぞれの領域の光学特性に、より適した材料を
選択して使用することができ、より光学特性に優れた光
量調節部材を製造することが可能となる。 【0065】上記した第2の実施例で使用した製造方法
で、第1の実施例の場合と同様の構造を有する光量調節
部材を作製することも可能である。又、逆に、第2の実
施例の場合と同様の構造を有する光量調節部材を、第1
の実施例で使用した製造方法で作製することも可能であ
る。更に、第1及び第2の実施例で説明したように、光
量調節部材の製造方法は複数あるが、その組合せは、上
記の実施例に限定されるものではなく、複数の製造方法
を組み合わせてもよい。 【0066】(第3の実施例)図12は、本発明の第3
の実施例にかかる光量調節部材の概略図及び断面図であ
る。本実施例では、光量調節部材を下記のようにして得
た。先ず、実施例1又は実施例2のようにして、同一の
透明基材1211上に、所定濃度パターンを有する第1
の領域1201Pと、光を遮断する第2の領域1201
Qとなる部分を形成する。次に、これらが設けられてい
る側の表面のみに透明樹脂層を設けて、平坦化層121
3を設ける。その後、更に、表裏両方の面に、出願人に
よる特開平06−273601号公報に記載したと同様
の方法で、反射防止膜1214を形成した(図12
(b)参照)。その後、該基材をプレスで打ち抜くこと
で、光量調節部材1201を製造した。 【0067】上記で形成する反射防止膜は、可視光帯域
において反射防止特性が優れる、及び水分や有害ガスの
遮断特性に優れる、という特性が必要とされる。本発明
者らの検討によれば、この要求を満たすためには、無機
材料の蒸着多層膜を用いることが好適である。本実施例
で形成した反射防止膜は、それぞれの表面に蒸着したア
ンダーコート層と、これに積層した繰返し膜である多層
膜からなる。具体的には、上記アンダーコート層は、表
面に対して良好な密着性を有し、且つ、耐薬品性、及び
耐摩耗性に優れたケイ素酸化物SiOx(2>x>1)
を主成分とする屈折率n=1.5程度の低屈折率材料か
らなる膜厚が300nm程度の薄膜であり、この上に積
層させた多層膜は、酸化チタンTiO2と酸化ジルコニ
ウムZrO2の混合物を主成分とする高屈折率材料から
なる第1層の薄膜と、ケイ素酸化物SiOx(2≧x≧
1)を主成分とする低屈折率材料からなる第2層の薄膜
と、酸化チタンTiO2と酸化ジルコニウムZrO2の混
合物を主成分とする高屈折率材料からなる第3層の薄膜
と、ケイ素酸化物SiOx(2≧x≧1)を主成分とす
る低屈折率材料からなる第4層の薄膜によりなる。 【0068】上記で得られた光量調節部材1201につ
いて調べたところ、フィルタ表面反射による迷光の発生
を防止することができ、より優れた光学特性を示すと共
に、水分や有害ガスの色材への浸入を遮断し、色材の劣
化を防止することができることが確認できた。これによ
って、本実施例の構成とすることで、耐環境性、特に吸
湿性に優れた光量調節部材を得ることができることがわ
かった。 【0069】 【発明の効果】上記したように、本発明によれば、所定
の開口部を通過する光束の状態を調節する光量調節装置
において、上記光束に所定の透過率を与えるための第1
の領域と、上記光束を遮断するための第2の領域を同一
基材上に有している光量調節部材を備え、上記第1の領
域と上記第2の領域が共に、微小液滴吐出装置を用いて
形成された色材を含む被膜からなるため、光量調節装置
全体を小型化できると共に、簡単な構成、且つ、一回の
工程で光量調節部材を製造することができ、製品のコス
トダウンを達成できる。更には、様々な形態の光量調節
部材を簡便に製造することが可能となる。 【0070】又、本発明によれば、第1の領域と第2の
領域で透過率は変化するが、これらの領域の膜厚が何れ
も等しいものが形成できるため、光量調節部材を通る光
束の光路差が0となるので、かかる光量調節部材を使用
することによって、光路差によって生じる解像力の低下
を防止することができ、この結果、解像度が改善された
撮影装置が提供される。 【0071】更に、本発明によれば、所定の開口径を有
する開口部を通過する光束の状態を調節する光量調節装
置において、上記光束に所定の透過率を付与するため第
1の領域と、上記光束を遮断するための第2の領域を同
一基材上に有している光量調節部材を備え、上記第1の
領域及び上記第2の領域が、異なる材料からなる被膜に
よって形成されているため、それぞれの領域の光学特性
に適した材料を選択して使用することができ、より光学
特性に優れた光量調節部材を製造することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施例に関わる光量調節装置の
光量調節部材の上面図及び断面図である。 【図2】本発明の第1の実施例で使用した光量調節部材
の透過率分布及び膜厚を示すグラフである。 【図3】本発明の第1の実施例に関わる絞り羽根を用い
た絞り装置の図である。 【図4】本発明の第1の実施例に関わる光量調節装置を
組み込んだ撮影装置の構成図である。 【図5】本発明の第2の実施例に関わる光量調節装置及
び光量調節部材の上面図、断面図である。 【図6】本発明の第2の実施例で使用した真空蒸着装置
の図である。 【図7】本発明の第2の実施例で使用した光量調節部材
の製造におけるパターン形成(着色工程)を説明する図
である。 【図8】本発明の第1の実施例で使用した微小液滴吐出
装置の要部構造図である。 【図9】本発明の第1の実施例で使用した微小液滴吐出
装置の制御回路図である。 【図10】従来の絞り装置の構成図である。 【図11】本発明の第1の実施例で使用した単位パター
ンの説明図である。 【図12】本発明の第3の実施例に関わる光量調節装置
の光量調節部材の上面図及び断面図である。 【符号の説明】 100、500:光量調節装置 101、102、501、502、901、902:絞
り羽根 101a、102a、501a、502a、901a、
902a:溝穴 101b、102b、501b、502b、901b、
902b:溝 101c、102c、501c、502c、901c、
902c:絞り開口縁 101P、102P、511P、1201P:NDフィ
ルタ部 101Q、102Q、511Q、1201Q:光遮断部 103、503、903:絞り羽根駆動レバー 103a、503a、903a:孔 103b、103c、503b、503c、903b、
903c:突設ピン 105、505、905:ガイドピン 106、506、906:光路孔 111、1211:透明基材 112:受容層 201:微小液滴吐出装置 211:プラテン 212:ピンチローラ 213:ラインフィードモータ 214:シートセンサ 215:ラインフィードモータ制御回路 221:ガイド軸 222:キャリッジモータ 223:ベルト 224:リニアエンコーダ 225:ホームポジションセンサ 226:キャリッジモータ制御回路 231:記録ヘッド 232:ヘッドドライバ 233:記録データ処理回路 244:ヒータ 251:CPU 252:走査スイッチ群 253:外部機器 400:撮影光学系 401:第1レンズ群 402:第2レンズ群 403:第3レンズ群 404:光学ローパスフィルタ 411:撮像手段 421:表示器 422:操作スイッチ群 423:アクチュエータ 431:CPU 432:絞り駆動回路 433:CCD駆動回路 441:アンプ回路 442:カメラ信号処理回路 443:レコーダ 511、1201:光量調節部材 521:出力軸 522:駆動手段 531:基材 601:真空装置の本体 602:排気口 603:電子銃等の蒸発源 604:基材加熱用のヒーター 605:透過用光源 606:反射用光源 607:受光部 608:被蒸着基材 609:膜厚制御用モニター 700:凹版 701:凹部 702:インキ 711:ブランケット 712:ブランケット胴 904a、904b:NDフィルタ 1213:透明平坦化層 1214:反射防止膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮崎 健 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柏崎 昭夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 八島 正孝 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H042 AA08 AA11 AA13 AA15 AA22 2H080 AA10 AA20 AA31 2H083 AA05 AA11 AA19 AA21 AA26 AA50 AA53

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 所定の開口径を有する開口部を通過する
    光束の状態を調節するための光量調節装置において、上
    記光束に所定の透過率を与えるための第1の領域と、上
    記光束を遮断するための第2の領域を同一基材上に有し
    ている光量調節部材を備え、上記第1の領域と上記第2
    の領域が共に、微小液滴吐出装置を用いて形成された色
    材を含む被膜からなることを特徴とする光量調節装置。
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