JP2003315851A - シート型表示装置およびその製造方法 - Google Patents

シート型表示装置およびその製造方法

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JP2003315851A JP2002119311A JP2002119311A JP2003315851A JP 2003315851 A JP2003315851 A JP 2003315851A JP 2002119311 A JP2002119311 A JP 2002119311A JP 2002119311 A JP2002119311 A JP 2002119311A JP 2003315851 A JP2003315851 A JP 2003315851A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリコーンゴム中に存在するオイルで充填さ
れた空隙中にある回転粒子を、電界の作用により回転さ
せて表示を行うシート型表示装置の表示において、大き
な応答速度と高いコントラストとの両立が実現できるシ
ート型表示装置を提供する。 【解決手段】 オイルとしてフェニルメチルシリコーン
オイルを使用する。フェニルメチルシリコーンオイルの
粘度が、0.3mPa・s以下であることや、シリコー
ンゴムの膨潤度が120%以下であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、たとえば色と帯
電特性との双方が異なる回転粒子を電界の印加により、
泳動、回転、停止等して像を表示するシート型表示装置
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子ペーパ、ペーパーライクディ
スプレイ、デジタルペーパなどと呼ばれ、電界により光
学的吸収や光学的反射を変化させて像表示を行う表示装
置が提案されている。
【0003】電界により光学的吸収や光学的反射が変化
する素子としては、色と電気的特性との双方が異なる半
球を合わせた回転粒子を絶縁性液体とともに内包したマ
イクロカプセル、特開平第01−086116号公報に
記載されたように電気泳動粒子を分散させた溶媒を着色
し、この溶媒を内包したマイクロカプセル、2色性色素
とスメクチック液晶とを含む液晶/高分子複合膜などが
ある。
【0004】これらの方法は、メモリ性を有し、電源が
無くても像情報を保持でき、反射型表示装置であるた
め、紙の代替として期待されている。
【0005】また素子を電極のあるPET(ポリエチレ
ンテレフタレート)フィルム等上に塗布すればよいの
で、薄くて、軽く、曲げることが可能なシート型表示装
置である。
【0006】特に、米国特許第4,126,854号お
よび第4,143,103号の各明細書に記載されてい
る、回転粒子の半球ずつを異なる色と帯電特性とに分け
たものを用いる表示媒体は、他の方式に比べ、優れたコ
ントラスト特性を示すディスプレイとして知られてい
る。
【0007】この表示媒体は、図1に示すように、誘電
性液体を充填した空隙2を複数有し、かつ光学的に透明
な層である基材3と、この空隙に回転粒子1とを有する
構造をしている。また、回転粒子は、1粒子中に異なる
色と異なる帯電特性の2つの領域を有するため、電界を
印加すると、図2に示すように、基材であるゴム中の空
隙(絶縁性液体)内にある2色粒子の電気泳動と回転運
動とが起き、像表示を行うことができる。
【0008】図2中、(a)は電界印加前の粒子、
(b)は、電界の印加により回転しつつある粒子、
(c)は、電界の印加により回転し終えた粒子を示して
いる。
【0009】この回転粒子の製造方法および材料として
は、(1)米国特許第5,262,098号に記載され
ているように、材料として、カルナバワックス、カーボ
ンブラック、ニ酸化チタンを使用し、色の異なる2種類
の溶融したワックス粒子を結合させ、表面張力により球
形化したのち固化させる方法、(2)特開平第11−8
5067号公報、特開平第11−85068号公報に記
載の、ガラス、樹脂などの粒子の表面に、金属、カーボ
ンブラック、硫化アンチモンなどを蒸着する方法、
(3)特開平第11−85069号公報、特開平第11
−161206号公報に記載の、材料として酸化亜鉛
を、発色剤としてトナーを使用する感光材料からなる粒
子を用い、露光、現像、定着処理により発色させる方
法、たとえば親水性高分子に発色剤としてハロゲン化銀
を添加したものなどが提案されている。
【0010】また、たとえば樹脂を用いた場合には、ロ
ーラやプレス機により2色の着色樹脂を貼り合わせた圧
延シートを作製したのち粉砕し、熱風による加熱処理に
より、粒子を製造する方法が特開平第01−28258
9号公報で提案されている。
【0011】前述の方法により作製した粒子を誘電性液
体とともにバインダ(基材)に封入することで、表示装
置を形成する。これには、(1)米国特許第4,14
3,103号に記載の硬化前のゴムに2色粒子を分散、
硬化したのち、オイルによりゴムを膨潤する方法、
(2)「A Newly Developed Ele
ctrical Twisting Ball Dis
play」,M.Saitoh et. al.: P
roc. of SID,Vol23/4.1982に
記載の、2色粒子をトルエン可溶性の樹脂で被覆し、ポ
リビニルアルコールに分散、硬化したのち、トルエンに
浸す方法、(3)特開平第8−234686号公報に記
載の、界面重合を用いて誘電性液体と2色粒子とを樹脂
膜で覆い、マイクロカプセルを形成し、このマイクロカ
プセルを透明な樹脂中に分散する方法が挙げられる。
【0012】(1)の方法は粒子を未硬化のゴムに分散
し、加熱による硬化とオイルへの漬け込みだけで構成で
きるという利点がある。一方、(2)の方法では、揮発
性のあるトルエンを使用することによる安全性、あるい
は粒子を樹脂でコートする製造工程の増加が問題にな
る。また、(3)の方法はマイクロカプセルの製造効率
の低さが問題である。
【0013】なお、特許公報第2860790号では、
空隙(キャビティ)の径を粒子の4倍以下とする方法が
出願されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、膨潤さ
せるためのオイルは、ある特定のものに限られることが
多い。たとえば、粘度が低すぎる場合には、基材である
ゴムが膨潤しすぎて、回転粒子相互の間隔が広がり、コ
ントラストが低くなる。あるいは、オイルが揮発して、
空隙が消失してしまうといった問題がある。
【0015】また、粘度が高すぎる場合には、一般的に
はゴムの膨潤は小さくなるものの、「ツイストボールデ
ィスプレイの表示球回転特性」,谷川他,:Japan
Hardcopy 2000,論文集,P65に記載
の粒子の回転の運動方程式から明らかなように、粘性抵
抗が高くなり、応答速度が遅くなるといった問題があ
る。
【0016】本願発明は、このような問題を解決し、シ
リコーンゴム中に存在するオイルで充填された空隙中に
ある回転粒子を、電界の作用により回転させて表示を行
うシート型表示装置の表示において、大きな応答速度と
高いコントラストとの両立を実現する技術を提供するこ
とを目的としている。
【0017】本願発明のさらに他の目的および利点は、
以下の説明から明らかになるであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願発明の一
態様によれば、シリコーンゴム中に存在するオイルで充
填された空隙中にある回転粒子を、電界の作用により回
転させて表示を行うシート型表示装置において、当該オ
イルがフェニルメチルシリコーンオイルを含むシート型
表示装置が提供される。
【0019】このように、シリコーンゴムの膨潤に用い
るオイルを最適化することで、シート型表示装置におけ
る表示の応答速度と相関のある粘性抵抗を低く保ったま
まで、回転粒子の相互間隔を小さく保ち、高いコントラ
ストを実現できる。
【0020】なお、前記オイルの粘度が、0.3mPa
・s以下であることや前記シリコーンゴムの膨潤度が1
20%以下であることが、大きな応答速度と高いコント
ラストとの両立を実現する上で好ましい。
【0021】また、前記シリコーンゴムが、2液型シリ
コーンゴムであること、とりわけ、2液型付加タイプの
シリコーンゴムであることが好ましい。表面から硬化反
応が開始される1液型シリコーンゴムと異なり、層の全
域で同時に硬化反応が開始されるため、一様な硬化品質
を実現し易く、また、膨潤性と透明性との好ましい組み
合わせが得られ、付加反応タイプでは副成物の生成がな
いからである。
【0022】また、本願発明の他の一態様によれば、シ
リコーンゴム中に回転粒子を分散させ、その後オイルを
当該シリコーンゴム中に含浸させることにより、当該回
転粒子が当該オイルで充填された空隙中で、電界の作用
により回転可能となるようにするシート型表示装置の製
造方法において、当該オイルとしてフェニルメチルシリ
コーンを含む粘度が0.3mPa・s以下のオイルを使
用するシート型表示装置の製造方法が提供される。
【0023】前記オイルを使用した場合に前記シリコー
ンゴムの膨潤度が120%以下であるように当該シリコ
ーンゴムを選択することや、前記シリコーンゴムが、2
液型シリコーンゴムであること、とりわけ、2液型付加
タイプのシリコーンゴムであることが好ましい。
【0024】このような方法により、表示の応答速度と
相関のある粘性抵抗を低く保ったままで、回転粒子の相
互間隔を小さく保ち、高いコントラストを持つシート型
表示装置を製造することができる。
【0025】なお、以下に説明する発明の実施の形態や
図面の中で、本願発明の更なる特徴が明らかにされる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本願発明の実施の形態を
実施例等を使用して説明する。なお、これらの実施例等
および説明は本願発明を例示するものであり、本願発明
の範囲を制限するものではない。本願発明の趣旨に合致
する限り他の実施の形態も本願発明の範疇に属し得るこ
とは言うまでもない。
【0027】また、以下の説明では、電界の作用により
回転させて表示を行うシート型表示装置において、シリ
コーンゴム中に存在するオイルで充填された空隙中にあ
る回転粒子として、半球ずつに色分けされた2色粒子を
使用して説明するが、本願発明に係る回転粒子は、上記
本願発明の趣旨に従って、オイルに対し溶解、反応、膨
潤等の相互作用がなく、泳動・回転を行うことができる
限り、その他のどのような回転粒子であってもよい。た
とえば多色粒子であってもよい。
【0028】さらに、粒子の形状としては、通常真球に
近いものが好ましいが、その他の形状を排除するもので
はない。
【0029】シート型表示装置の具体的製造方法として
は、たとえば米国特許第4,143,103号に、2色
粒子を未硬化のエラストマー(2液型シリコーンゴム)
に分散し、このエラストマーにシリコーンオイルを吸収
させゴムを膨潤させる方法が提案されている。
【0030】すなわち、2色粒子を未硬化の状態のシリ
コーンゴム中に分散し、このゴムをシート状に成形した
のち、硬化させ、硬化させたゴムをシリコーンオイルに
浸漬することで、ゴムを膨潤させ、2色粒子の回りに空
隙を形成することができる。本願発明に係るシート型表
示装置の製造に当たっては、本願発明の趣旨に反しない
限りこのような公知の方法を利用することができる。
【0031】本願発明に係る2色粒子の材料としては、
熱可塑性樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ポリスチレン、ポリイミド等)、ワックス状物
質(パラフィンワックス、カルナバワックス、オレフィ
ンワックス等)などの公知の材料に、着色剤を混ぜたも
のを用いることができる。
【0032】着色剤の具体例としては、白色顔料とし
て、二酸化チタンをはじめ、チタン酸バリウム、炭酸カ
ルシウム、アルミナ、酸化亜鉛、二酸化ケイ素などの公
知の顔料を用いることができる。なお、白色度を高める
ために、隠蔽率の高い粒径100〜300nmの二酸化
チタンを用いるのが好ましい。
【0033】また、黒色顔料としては、カーボンブラッ
ク、マグネタイト、アニリンブラック、あるいは銅、コ
バルト、鉄、マンガン、クロムなどからなる複合酸化物
などの公知の顔料および染料を用いることができる。
【0034】また、分散性の向上や樹脂の変色を防止す
るために、無機物、シラン化合物、樹脂などによる表面
処理を顔料に施してもよい。
【0035】なお、顔料、染料以外にも2色粒子の電気
的特性を制御するためにリン酸三カルシウム、塩化カル
シウム、酸化カルシウムなどカルシウム塩を始めとする
無機物を適宜混合してもよい。
【0036】あるいは、白や黒以外の着色剤として、
1)溶性アゾ系、モノアゾ系などのアゾ顔料、(2)フ
タロシアニン系、キナクリドン系、ペリリン系、ペリノ
ン系、イソインドリン系などの多環式顔料などがある。
【0037】これら材料は、米国特許第5,262,0
98号に記載されているワックスジェット法や、特開平
第01−282589号公報に記載されている、積層し
た樹脂を粉砕、溶融により球状にする方法など公知の方
法により2色粒子とすることができる。
【0038】このようなシート型表示装置に使用するシ
リコーンオイルについて種々検討したところ、従来用い
られているジメチルシリコーンオイルに比べ、フェニル
メチルシリコーンオイルを含むオイルを使用すると、シ
ート型表示装置の表示において、大きな応答速度と高い
コントラストとの両立が実現できることが判明した。
【0039】これは、フェニルメチルシリコーンオイル
を使用することそのものの効果であると共に、フェニル
メチルシリコーンオイルでは、低粘性と低膨潤度との両
立が可能であり、適切な粘度と膨潤度とのバランスが得
られるためでもある。この粘度と膨潤度とのバランスに
は、フェニルメチルシリコーンオイルの表面張力が高い
ことも寄与しているものと推察されている。
【0040】本願発明に係るフェニルメチルシリコーン
オイルを含むオイルとしては、フェニルメチルシリコー
ンオイル単独のものが好ましいが、フェニルメチルシリ
コーンオイルを使用することによる効果が確保される限
り他の成分を共存していてもよい。
【0041】フェニルメチルシリコーンオイルが主成分
であること、具体的には90重量%以上であることが、
好ましい態様の一つの目安となる。
【0042】フェニルメチルシリコーンオイルとして
は、たとえば、信越化学(株)の商品名KF56では、
粘度が14.9×10−6Pa・sと小さく、かつ膨潤
度を113%程度に抑制することができる。
【0043】一方、ジメチルシリコーンオイルを用いる
と、たとえば(東レダウコーニングシリコーン(株)の
商品名SH200−10cstの場合、粘度9.34×
10 −6Pa・sで膨潤度127%となり、SH200
−20cstの場合、粘度19×10−6Pa・sで膨
潤度117%となる。
【0044】なお、フェニルメチルシリコーンオイル
は、ジメチルシリコーンオイルに対し、メチル基の一部
がフェニル基に置換されたものである。
【0045】フェニルメチルシリコーンオイルの製造方
法や、フェニル基によるメチル基の置換の程度には種々
のものがあるが、本願発明の趣旨に反しない限りどのよ
うなものでもよい。
【0046】なお、フェニルメチルシリコーンオイルを
含むオイルの粘度が、0.3mPa・s以下であること
が好ましい。フェニルメチルシリコーンオイルはシリコ
ーンゴムの膨潤を低く抑え、これによって、2色粒子相
互の間隔を小さく抑えることができるが、オイルの粘度
が上記範囲を超えると、粒子の泳動・回転が遅くなり、
表示の応答速度が不十分な場合があり得るからである。
下限については、膨潤度が大きくなりすぎない限り、特
に制限はない。
【0047】2色粒子を充填した空隙を有する基材に使
用する材料としての、本願発明に係るシリコーンゴムの
製造方法には種々のものがあり、その硬化タイプとして
は、1液タイプと2液タイプとの相違の他に、室温硬化
型(RTV)、加熱硬化型等種々のものがあり、反応タ
イプとしては縮合タイプ、付加反応タイプ等種々のもの
があるが、フェニルメチルシリコーンオイルにより膨潤
し、2色粒子の周りに空隙が形成でき、本願発明の趣旨
に反しない限りどのようなものでもよい。
【0048】たとえば、2液型のシリコーンゴムの場
合、ベースポリマー、架橋剤、硬化触媒を混合して、加
熱あるいは室温に放置することで硬化させるのが通常の
作製方法である。
【0049】ただし、反応が均一に進む点で1液タイプ
より2液タイプの方が有用であり、副成物が発生しない
点で、縮合タイプより付加反応タイプの方が有用であ
る。副成物の存在による気泡の発生等の問題を回避でき
るからである。
【0050】シリコーンゴムの膨潤度は120%以下で
あることが好ましい。この範囲を超えると、2色粒子相
互の間隔が大きくなり、表示のコントラストが低下する
からである。
【0051】なお、この場合のシリコーンゴムの膨潤度
は、使用するシリコーンオイル等の膨潤剤で測定する。
具体的には後述する方法で測定した、浸漬前における体
積に対する浸漬後の体積の比を%表示したものが、本願
発明に係る膨潤度である。
【0052】上記のようなシート型表示装置は、実施例
で示すように、シリコーンゴム中に回転粒子を分散さ
せ、その後フェニルメチルシリコーンオイルを含むオイ
ルを当該シリコーンゴム中に含浸させることにより、当
該回転粒子が当該オイルで充填された空隙中で、電界の
作用により回転可能となるようにすることや、シリコー
ンゴムの膨潤度が120%以下であるように当該シリコ
ーンゴムを選択することで製造することができる。
【0053】言い換えれば、フェニルメチルシリコーン
オイルを含むオイルを空隙形成剤として使用し、そのオ
イルに対し、溶解、反応、膨潤等の相互作用のない2色
粒子を選択し、また、基材としてのシリコーンゴムを選
択するに当たり、そのオイルで膨潤させたときに膨潤度
が120%以下であるようなものを選択すること等によ
り、本願発明の特徴を有するシート型表示装置を製造す
ることが可能となる。とりわけ、そのオイルとしてフェ
ニルメチルシリコーンオイルを含む粘度が0.3mPa
・s以下のオイルを使用すると、大きな応答速度と高い
コントラストとの両立が容易になる。なお、本願発明に
係るフェニルメチルシリコーンオイルを含むオイルとし
てフェニルメチルシリコーンオイル単独のものが好まし
いことは、すでに述べたとおりである。
【0054】なお、シート型表示装置をガスバリア性の
フィルムでコートすることで、2色粒子の帯電の変動に
影響する吸湿を防止でき、表示装置のさらに安定した駆
動を実現できる。
【0055】
【実施例】以下、実施例により本願発明をより詳細に説
明する。なお、物性の測定方法は下記の通りである。
【0056】(膨潤度)使用対象の2色粒子を、体積と
して充填率50%の割合で使用対象のシリコーンゴム中
に分散し、使用対象のシリコーンオイル中にこの2色粒
子を分散したシリコーンゴムを浸漬し、室温下放置し、
所定時間毎に浸漬前における体積に対する浸漬後の体積
の比を測定し、一定になった時点における比を%表示し
た。
【0057】(シリコンオイルの粘度)JIS Z 8
803の方法によった。
【0058】(コントラスト)Gretag Macb
eth社製の測色計SpectroEyeを使用し、拡
散白色光を用いて、JIS Z8722に従い、表示面
に対し45゜で入射する光に対する、表示面に直交する
方向における反射光量を、基準板についての反射光量と
比較し、白色表示をした場合と黒色表示をした場合にお
ける値の比として求めた。
【0059】(応答速度)2色粒子を分散させたゴムシ
ートサンプルをITO(酸化インジウム−酸化スズ)蒸
着ガラス/アルミ蒸着ガラス間で電界を印加し、2色粒
子が回転を開始する電界強度で評価した。電界強度が低
いほど応答速度が良いとした。
【0060】[実施例1]スチレンアクリル共重合体
(モノマー組成重量比として、スチレンモノマー:アク
リル酸グリシジル=6:4)80重量部に、二酸化チタ
ン20重量部をロールミルで混練し、白色の混練物を作
製した。
【0061】また、同じスチレンアクリル共重合体の8
1重量部に、カーボンブラック1重量部とマグネタイト
18重量部とをロールミルで混練し、黒色の混練物を作
製した。
【0062】白と黒の混練物をそれぞれ厚さ20μmの
フィルムに成形し、加熱および加圧することで、2色を
積層したフィルムを作製した。
【0063】このフィルムを液体窒素中に浸漬し、超音
波ホモジナイザにより粉砕した。粉砕した樹脂片を加熱
したシリコーンオイル中に浸漬することで、2色粒子を
作製した。この2色粒子をフィルタにより分級し、粒径
50〜80μmの2色粒子を得た。
【0064】この2色粒子を、同体積量の未硬化のシリ
コーンゴムである東レダウコーニングシリコーン(株)
商品名KE106(2液型付加タイプ)に分散して充填
率50%とし、テフロン(登録商標)樹脂板に対しドク
ターブレード法により均一に厚さ220μmで塗布し、
温度50℃の雰囲気下で8時間かけて硬化させた。
【0065】ついで、この2色粒子を分散したゴムシー
トを信越化学(株)のフェニルメチルシリコーンオイル
商品名KF56に8時間浸漬し膨潤させた。
【0066】この結果、ゴムシートの膨潤度は113%
となり、このゴムシートについて、ITO蒸着ガラス/
アルミ蒸着ガラス間で、電界強度3.0kV/mmの条
件で電界を印加すると、2色粒子が回転し、コントラス
ト4:1の表示を実現できた。
【0067】また、顕微鏡下で粒子の相互間隔を観察し
たところ、70〜110μmであった。
【0068】なお、使用したKF56の粘度は0.01
5mPa・sであった。
【0069】[実施例2]低密度ポリエチレン(メルト
インデックス150)80重量部に、二酸化チタン20
重量部をロールミルで混練し、白色の混合物を作製し
た。
【0070】一方、同じ低密度ポリエチレンの81重量
部に、カーボンブラック1重量部とマグネタイト18重
量部とをロールミルで混練し、黒色の混練物を作製し
た。
【0071】この白と黒の混合物をそれぞれ厚さ20μ
mのフィルムに成形し、加熱および加圧しながら、フィ
ルム同士を融着させることで2色を積層したフィルムを
作製した。ついで、このフィルムを50μm×100μ
mのサイズに切断した。
【0072】この樹脂片を、加熱したシリコーンオイル
中に浸漬することで、2色粒子(粒径80μm)を作製
した。この2色粒子の表面を、特許第2000−288
412号公報の方法に基づき、サカタインクス製の撥水
撥油処理剤スミフルノンにより処理した。
【0073】この2色粒子を、同体積量の未硬化のシリ
コーンゴムである東レダウコーニングシリコーン(株)
商品名KE106に分散して充填率50%とし、テフロ
ン樹脂板に対しドクターブレード法により均一に厚さ2
20μmで塗布し、温度50℃の雰囲気下で8時間かけ
て硬化させた。
【0074】ついで、この2色粒子を分散したゴムシー
トを信越化学(株)のフェニルメチルシリコーンオイル
商品名KF56に8時間浸漬し膨潤させた。
【0075】この結果、ゴムシートの膨潤度は113%
となり、このゴムシートについて、ITO蒸着ガラス/
アルミ蒸着ガラス間で、電界強度1.2kV/mmの条
件で電界を印加すると、2色粒子が回転し、コントラス
ト4:1の表示を実現できた。
【0076】[比較例1]実施例1において、フェニル
メチルシリコーンオイルの代わりに東レダウコーニング
シリコーンオイル(株)製のジメチルシリコーンオイル
SH200−10cstを使用した以外は同様にしてシ
ート型表示装置を作製した。
【0077】その結果、空隙は全ての2色粒子の周囲に
形成できたものの、ゴムシートの膨潤度が127%と大
きいために、粒子の相互間隔が広がり、コントラストは
2:1に低下した。
【0078】また、顕微鏡下で粒子の相互間隔を観察し
たところ、90〜150μmであった。
【0079】[比較例2]実施例1において、フェニル
メチルシリコーンオイルの代わりに東レダウコーニング
シリコーンオイル(株)製のジメチルシリコーンオイル
SH200−20cstを使用した以外は同様にしてシ
ート型表示装置を作製した。
【0080】この結果、ゴムシートの膨潤度は117%
となり、良好であった。
【0081】このゴムシートについて、ITO蒸着ガラ
ス/アルミ蒸着ガラス間で、電界強度4.8kV/mm
の条件で電界を印加すると、2色粒子が回転し、コント
ラストは4:1であった。
【0082】この結果より、コントラストは充分である
ものの応答速度が不十分であることが理解できる。
【0083】
【発明の効果】本願発明により、シリコーンゴム中に存
在するオイルで充填された空隙中にある回転粒子を、電
界の作用により回転させて表示を行うシート型表示装置
の表示において、大きな応答速度と高いコントラストと
の両立が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2色粒子を用いたシート型表示装置の部分断面
モデル図である。
【図2】電界の印加により回転する粒子の観察図であ
る。(a)電界印加前、(b)電界印加中、(c)電圧
印加後を表す。
【符号の説明】
1 2色粒子 2 空隙(絶縁性液体) 3 基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾崎 光男 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 4J002 AE023 BB023 BB113 BC023 CF003 CM043 CP031 CP032 DA036 DE106 DE136 DE146 DJ016 FD096 GP00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーンゴム中に存在するオイルで充
    填された空隙中にある回転粒子を、電界の作用により回
    転させて表示を行うシート型表示装置において、当該オ
    イルがフェニルメチルシリコーンオイルを含むシート型
    表示装置。
  2. 【請求項2】 前記オイルの粘度が、0.3mPa・s
    以下である請求項1に記載のシート型表示装置。
  3. 【請求項3】 前記シリコーンゴムの膨潤度が120%
    以下である請求項1または2に記載のシート型表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記シリコーンゴムが、2液型シリコー
    ンゴムである請求項1〜3のいずれかに記載のシート型
    表示装置。
  5. 【請求項5】 前記シリコーンゴムが、2液型付加タイ
    プのシリコーンゴムである請求項1〜4のいずれかに記
    載のシート型表示装置。
  6. 【請求項6】 シリコーンゴム中に回転粒子を分散さ
    せ、その後オイルを当該シリコーンゴム中に含浸させる
    ことにより、当該回転粒子が当該オイルで充填された空
    隙中で、電界の作用により回転可能となるようにするシ
    ート型表示装置の製造方法において、当該オイルとして
    フェニルメチルシリコーンオイルを含む粘度が0.3m
    Pa・s以下のオイルを使用するシート型表示装置の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記オイルを使用した場合に前記シリコ
    ーンゴムの膨潤度が120%以下であるように当該シリ
    コーンゴムを選択する請求項6に記載のシート型表示装
    置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記シリコーンゴムが、2液型シリコー
    ンゴムである請求項6または7に記載のシート型表示装
    置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記シリコーンゴムが、2液型付加タイ
    プのシリコーンゴムである請求項6〜8のいずれかに記
    載のシート型表示装置の製造方法。
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