JP2003315610A - 光コリメータ用レンズ部品及びその組立方法 - Google Patents

光コリメータ用レンズ部品及びその組立方法

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JP2003315610A
JP2003315610A JP2003043986A JP2003043986A JP2003315610A JP 2003315610 A JP2003315610 A JP 2003315610A JP 2003043986 A JP2003043986 A JP 2003043986A JP 2003043986 A JP2003043986 A JP 2003043986A JP 2003315610 A JP2003315610 A JP 2003315610A
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thin tube
lens
optical
spherical lens
partial spherical
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JP2003043986A
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Hirokazu Takeuchi
宏和 竹内
Shintaro Ito
新太郎 伊藤
Sunao Seto
直 瀬戸
Hirokazu Tanaka
宏和 田中
Masaaki Kadomi
昌昭 角見
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Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の組立方法のように光ファイバへ光を通
す必要がなく、組立が容易で、光学調心に対する信頼性
も高い光コリメータ用レンズ部品及びその組立方法を提
供する。 【解決手段】 本発明は、細管11と、挿入部11aを
残して内孔11bに固定され円柱部12aの両端に曲率
中心が略同一の透光球面12b、12cを有するガラス
製の部分球面レンズ12と、部分球面レンズ12を接着
する接着剤13とを備え、細管11の中心軸と部分球面
レンズ12の光軸との軸ズレ量が5μm以内であり、外
周面と光ファイバ端面のコア中心との軸ズレ量が1.5
μm以内で固定した毛細管を挿入部11aに挿入して光
ファイバ端面を部分球面レンズ12の焦点位置±40μ
m以内の位置に固定した際に、出射光が細管の中心軸に
対して0.2°以内の出射光曲がりとなる光コリメータ
用レンズ部品10及びその組立方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信用の光ファ
イバとレンズとを光学的に結合して光ファイバからの出
射光を平行光にするか、または、平行光をレンズにより
集光して光ファイバに入射する光コリメータ用レンズ部
品及びその組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高速大容量の光ファイバ通信システムを
構築する際には多くの光デバイスが使用される。その中
には複数の波長が多重化された光信号から任意波長の光
信号を取り出すものや、光信号の位相を合わせるための
光学結晶体を用いるもの等があり、光ファイバから出射
されて広がった光信号を平行光にする多数の光コリメー
タが用いられる。
【0003】従来の光コリメータでは、その製作の際
に、図14に示すように、先ず細管1に光ファイバ2付
きの毛細管3を固定し、光ファイバ2から可視域光源の
ヘリウム−ネオンレーザー光Lを出射し、精密ステージ
4上にて掴んだレンズ5を光学的に適切な位置関係にな
るように同レーザー光Lのコリメート状態を投影ステー
ジ6で確認しながらレンズ5の位置を調心した後に、エ
ポキシ系の接着剤7で細管1に固着している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の組
立方法では、光ファイバ2から実際にレーザー光Lを出
射するので、光源と光ファイバ2を数μmレベルの高い
精度で接続しなければならず、この調心に関わる作業や
光ファイバ2の処理等、光コリメータの製作準備に手間
がかかり過ぎて非常に作業性が悪いという問題点があ
る。
【0005】また、従来の組立方法では、実際のレンズ
5の掴み代は数mmもなく、且つ光学位置の調心には数
μmないしは十分の数μmレベルの高い精度が要求され
るので、非常に作業性が悪くなるという問題点もある。
【0006】また、光学位置調心の際に、レンズ5と細
管1との間には隙間があるので、位置決め後に接着剤7
を硬化させて固着する際に、接着剤7の体積収縮により
レンズ5等の位置がずれ易いという問題がある。
【0007】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、従来の光コリメータ組立方法のような組立
の際に光ファイバへ光を通す必要が無く、且つ、組立も
容易で、光学調心に対する信頼性も高い光コリメータ用
レンズ部品及びその組立方法を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光コリメー
タ用レンズ部品は、細管と、所定長さの挿入部を残して
該細管の内孔に固定され屈折率が略均一なガラスからな
る円柱部の両端に曲率中心が略同一の透光球面を有する
部分球面レンズと、細管に部分球面レンズを接着する接
着剤とを備え、前記細管の中心軸と前記部分球面レンズ
の光軸との軸ズレ量が5μm以内であり、外周面と光フ
ァイバ端面のコア中心との軸ズレ量が1.5μm以内で
光ファイバを内孔に固定した毛細管を細管内の挿入部に
挿入して光ファイバ端面を部分球面レンズの焦点位置±
40μm以内の距離になる位置に固定した際に、出射光
が細管の中心軸に対して0.2°以内の出射光曲がりθ
となることを特徴とする。
【0009】本発明の光コリメータ用レンズ部品を構成
する細管の中心軸と部分球面レンズの光軸との軸ズレ量
は5μm以内であると、図1(A)に示すように、出射
光Lが光コリメータ用レンズ部品10の細管の中心軸に
対して所望する0.2°以内の出射光曲がりθが得られ
る。しかし、細管の中心軸と部分球面レンズの光軸との
軸ズレ量が5μmを超えると、図1(B)に示すよう
に、出射光Lが光コリメータ用レンズ部品10の細管の
中心軸に対して所望する0.2°以内の出射光曲がりθ
が得られなくなる。
【0010】また、本発明の光コリメータ用レンズ部品
10に挿着する光ファイバ15を内孔に固定した毛細管
としては、その外周面と光ファイバ15端面のコア中心
との軸ズレ量が1.5μm以内であることが重要とな
る。光ファイバを内孔に固定した毛細管の外周面と光フ
ァイバ端面のコア中心との軸ズレ量が1.5μmを超え
ると、図1(B)に示すように、出射光が細管の中心軸
に対して所望する0.2°以内の出射光曲がりθが得ら
れなくなり、出射光Lのビーム強度の分布が偏心して所
望の光信号の結合効率が得られなくなる。
【0011】また、細管内面と部分球面レンズの光軸と
毛細管中の光ファイバの光軸との同軸性にずれが生じる
と、図1(B)に示すように、得られる平行光に角度が
生じるので、使用される用途に応じて、許容される角度
の範囲で許容軸ズレ量は定められるが、この角度が大き
くなりすぎると、平行光をさらに別の光コリメータにて
光ファイバに戻す際に、光量の減衰が生じる。例えば、
屈折率1.8程度のガラス材質であるLaSF015か
らなり、曲率半径が1.75mmの部分球面レンズを用
いた光コリメータの場合、一般的な結合特性である挿入
損失0.2dB以下を達成するには、上記の角度を0.
1°程度以内に押さえる必要がある。また、その場合の
部分球面レンズの光軸と光ファイバ15の光軸との軸ズ
レの許容度は凡そ4μmとなる。
【0012】細管としては、その内面に光ファイバ付き
の毛細管を挿入した際、自動的に調心が行われるよう、
細管の内面と部分球面レンズの光軸が同軸上に配置され
ており、且つ、細管内面と光ファイバ付きの毛細管を適
切な嵌め合い寸法としていることが重要である。この
時、細管内面と部分球面レンズの光軸と毛細管中の光フ
ァイバとの同軸性に過剰なずれが生じると、得られる平
行光に角度が生じる。そのため、使用される用途に応じ
て角度の許容される範囲により各要素の許容軸ズレ量が
定められる。なお、光ファイバ付きの毛細管と細管を溶
接にて固定する場合には、溶接性と耐候性に優れたステ
ンレス鋼を使用することが好ましい。
【0013】また、光ファイバ端面を部分球面レンズの
焦点位置±40μm以内の距離になる位置に固定すると
は、図2に示すように、一対の光コリメータを対向配置
させて光信号を授受する際に、光ファイバ端面を部分球
面レンズの焦点位置FPに配置すると図2(B)のよう
な位置に出射光のビームウエストBWが形成される。光
ファイバ端面を部分球面レンズの焦点位置FPよりも近
い位置に配置すると図2(C)のような部分球面レンズ
位置に近い位置に出射光のビームウエストBWが形成さ
れるが、光ファイバ端面を部分球面レンズの焦点位置F
Pよりも40μm以上近い位置に配置するとビームウエ
ストBWが形成されず広がってしまう。一方、光ファイ
バ端面を部分球面レンズの焦点位置FPよりも遠い位置
に配置すると図2(D)のような部分球面レンズ位置に
遠い位置に出射光のビームウエストBWが形成される
が、光ファイバ端面を部分球面レンズの焦点位置FPよ
りも40μm以上遠い位置に配置するとビームウエスト
BWが形成されず広がってしまう。本発明の光コリメー
タ用レンズ部品では、光ファイバ端面を部分球面レンズ
の焦点位置±40μm以内の距離になる位置に固定する
ことが重要となる。
【0014】本発明で使用する部分球面レンズとして
は、屈折率が略均一な光学ガラス等からなり、真球状に
加工することにより高い焦点精度を有する部分球面レン
ズが作製できる材料であれば使用可能であり、光コリメ
ータの小型化、細径化のため、高い真球度を有する部分
球面レンズの周囲を研削して作製した部分球面レンズが
適している。なお、部分球面レンズの光軸は、レンズの
曲率中心を通り細管の中心軸に平行な軸となるため、周
囲を研削した際の側面形状や加工軸の傾き、軸ズレ等に
影響されない。また、部分加工部分球面レンズに用いる
ガラスとしては、光学ガラスのBK7、K3、TaF
3、LaF01、LaSF015等を用いることが好ま
しい。
【0015】また、本発明の光コリメータ用レンズ部品
は、部分球面レンズは、屈折率が1.7以上であること
を特徴とする。
【0016】部分球面レンズは、もともと球面収差を有
するレンズであるが、屈折率が低い場合、球面収差が大
きくなり、部分球面レンズによって光ファイバ端面から
出射される光信号または光ファイバ端面に集光される光
信号の結合効率が低下する。本発明の光コリメータ用レ
ンズ部品に使用する部分球面レンズとしては、屈折率が
1.7以上であることが好ましい。
【0017】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、光
ファイバ端面と部分球面レンズの球面との距離、即ち、
部分球面レンズの焦点距離fから部分球面レンズの曲率
半径Rを差し引いた距離が0.1mm以上であることを
特徴とし、光ファイバ端面と部分球面レンズの球面との
距離が0.15mm以上であることが好ましい。
【0018】光コリメータ用レンズ部品は、部分球面レ
ンズの曲率半径Rが小さい場合等、光ファイバ15の端
面15aと部分球面レンズ12の球面との距離が0.1
mm未満になると、図3に示すように、レンズの球面か
らの反射光Lbが光ファイバ15の端面15aに多く戻
ってきてノイズとなる。一方、焦点位置+40μmより
も長くなるとビームウエストBWが形成されず広がって
しまう。光ファイバ端面と部分球面レンズの球面との距
離としては、0.1mm以上であることが重要であり、
光ファイバ端面へ再入射する反射光を少なくする上で光
ファイバ端面と部分球面レンズの球面との距離が0.1
5mm以上であることが好ましい。
【0019】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管は、部分球面レンズの球面と所定の距離になる位置と
が観察可能な部位に貫通部を有することを特徴とする。
【0020】部分球面レンズの光ファイバ側端面と光フ
ァイバのレンズ側端面の部分が観察できるようにのぞき
窓の空いた金属スリーブを用いる。平行光を得るには、
部分球面レンズの焦点位置に光ファイバ端面を配置しな
ければならないが、同部を観察することが可能なため、
レーザー光測長機や顕微鏡等の測定機にて部分球面レン
ズの球面の頂点と光ファイバ端面の距離を計測すること
により容易に調整が可能である。
【0021】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管は、部分球面レンズの球面と光ファイバ端面との距離
を外部より測定可能な透明体からなることを特徴とす
る。
【0022】レンズの光ファイバ側端面と光ファイバの
レンズ側端面の部分が観察することができる光や磁気の
透過する透明なガラス管等を用いる。平行光を得るに
は、部分球面レンズの焦点に光ファイバ端面を配置する
必要があるが、透明体からなる細管を使用することで、
同部を観察することが可能なため、レーザー光測長機や
顕微鏡等の測定機にて部分球面レンズの球面の頂点と光
ファイバ端面の距離を計測することにより容易に調整が
可能である。また、寸法調整後、本発明と光ファイバ付
きの毛細管は接着剤または溶接にて固定されるが、その
際、同部が観察可能であるので光の通過域に問題が生じ
ていないことを確認するのにも適している。細管の材料
は、チューブとして用いる場合、熱加工性が良く、光及
び磁気を透過する耐候性に優れるホウ珪酸ガラス等が適
している。
【0023】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管がガラスまたは結晶化ガラスであることを特徴とす
る。
【0024】ガラス製または結晶化ガラス製の細管とし
ては、熱膨張係数が部分球面レンズ及び毛細管に近いも
のであれば使用可能であり、細管の材料が結晶析出の状
態を制御可能なものであれば、連続成形法により高精度
かつ安価に得られる点で適している。
【0025】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管が割りスリーブであることを特徴とする。
【0026】割りスリーブの内径寸法は、光ファイバ付
きの毛細管との嵌めあいが、しまり嵌めの関係であるこ
とが重要である。両者間の寸法差は、細管の内面と部分
球面レンズの光軸とのズレに影響を及ぼす。細管に光フ
ァイバ付きの毛細管よりも数μm程度小さい内径を有す
る割りスリーブを用いた場合、この寸法差をなくすこと
ができて効果的である。割りスリーブとしては、金属製
やジルコニアセラミクス製等が使用可能である。
【0027】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、割
りスリーブが金属製であることを特徴とする。
【0028】割りスリーブとしては、硬度が低く部分球
面レンズや光ファイバ付きの毛細管の表面を傷付けるこ
とがなく、発塵を防止することが可能な金属製であるこ
とが好ましい。金属材料としては、寸法再現性の高いリ
ン青銅やステンレス鋼等が適している。
【0029】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、接
着剤が、セラミック、ガラスまたは金属のうちの一種以
上からなるフィラーを混合したエポキシ系樹脂または低
融点ガラスフリットであることを特徴とする。
【0030】また、光コリメータの組立に一般的に用い
られるエポキシ接着剤では、硬化の際に凡そ20%程度
の体積収縮が生じる。このような収縮による部分球面レ
ンズの位置ずれを防ぐには、接着剤にセラミックもしく
は金属等の微粉やフィラーを混合することが効果的であ
る。また、フィラーを混合することにより、チクソトロ
ピック性が付与されて、液ダレの防止効果や接着剤の強
度向上にも効果がある。
【0031】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管の挿入部に、所定の内径の内孔を有する内細管が挿入
配置され部分球面レンズの球面に内細管の管軸に対して
所定の精度で直角な端面を当接した状態で接着固定され
ていることを特徴とする。
【0032】所定の内径の内孔を有する内細管として
は、細管の挿入部に対して嵌めあいが、ギャップが数μ
m以内のすきま嵌め、またはしまり嵌めの関係となる外
径を有し、光ファイバからの出入射光を遮ることがなく
毛細管よりも数μm程度大きい内径を有し、かつ内細管
の管軸に対して数″から数′の所定の精度で直角な端面
を備えていれば使用可能である。
【0033】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管及び/または内細管が厚さ1mmで波長350〜50
0nmの光を50%以上透過する透明なガラスからなる
ことを特徴とする。
【0034】細管及び/または内細管が、厚さ1mmで
波長350〜500nmの光を50%以上透過すると
は、光硬化型接着剤の硬化反応の感度が高い近紫外線か
ら青色の可視光線が十分に透過することを意味してお
り、透明なガラスとしては、透明度を低下させる鉄分等
の不純物含有率が抑制されたホウ珪酸ガラス、石英ガラ
ス等が使用可能である。
【0035】本発明に係る光コリメータ用レンズ部品の
組立方法は、細管と、所定長さの挿入部を残して該細管
の内孔に固定され屈折率が略均一なガラスからなる円柱
部の両端に曲率中心が略同一の透光球面を有する部分球
面レンズと、細管に部分球面レンズを接着する接着剤と
を備える光コリメータ用レンズ部品の組立方法であっ
て、前記細管の内孔に、所定の内径の内孔を有する内細
管を挿入して内細管の管軸に対して所定の精度で直角な
端面を所定位置に固定し、該細管の内孔に部分球面レン
ズを挿入して内細管の端面に当接させて部分球面レンズ
の位置決めを行い、その後、細管内に部分球面レンズを
接着固定することを特徴とする。
【0036】本発明の組立方法では、細管の内孔に対し
て嵌めあいが、ギャップが数μm以内のすきま嵌め、ま
たはしまり嵌めの関係となる外径を有する内細管を挿入
して内細管の管軸に対して所定の精度で直角な端面を所
定位置に固定することが、部分球面レンズの位置決めを
正確に行う上で重要である。なお、細管には光ファイバ
付きの毛細管を部分球面レンズと適切な距離で配したと
きに、十分な強度で保持できるだけの余長を与えおく。
また、硬化の際の位置ズレが光学的に問題のない場合
は、フィラーを混ぜなくてもよい。
【0037】また、本発明の光コリメータ用レンズ部品
の組立方法は、細管内に部分球面レンズを接着固定する
前または接着固定した後に、内細管を除去することを特
徴とする。
【0038】本発明のコリメータレンズ部品の構造で
は、光ファイバ付きの毛細管と同一の外径を有し、外径
と同軸の穴を有する内細管に部分球面レンズを吸着し、
細管へ挿入し、部分球面レンズと細管との隙間に接着剤
を充填し硬化させることにより固着し、その後、吸着を
停止し内細管を引き抜くこととで、容易に細管内孔と部
分球面レンズの曲率中心、即ち光軸との高精度な同軸性
を実現することができる。
【0039】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管内面に光ファイバ付きの毛細管を挿入した際、なにも
しなくても調心されるように細管内面と部分球面レンズ
の光軸が同軸上に配置されており、且つ、細管内面と光
ファイバ付きの毛細管を適切な嵌めあい寸法としてい
る。この時、細管内面と部分球面レンズの光軸、光ファ
イバ付きの毛細管の同軸関係にずれが生じると、得られ
る平行光に角度が生じる。したがって、使用される用途
に応じ、同角度の許容される範囲にて、許容軸ズレ量は
定められる。また、これ以外の細管にても、部分球面レ
ンズ頂点と光ファイバ端面の距離を調整するスペーサー
や細管内面に突起状に設けたストッパーを使用すること
により同様の効果をもたせたものを使用してもよい。
【0040】
【作用】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細管
と、所定長さの挿入部を残して該細管の内孔に固定され
屈折率が略均一なガラスからなる円柱部の両端に曲率中
心が略同一の透光球面を有する部分球面レンズと、細管
に部分球面レンズを接着する接着剤とを備え、前記細管
の中心軸と前記部分球面レンズの光軸との軸ズレ量が5
μm以内であり、外周面と光ファイバ端面のコア中心と
の軸ズレ量が1.5μm以内で光ファイバを内孔に固定
した毛細管を細管内の挿入部に挿入して光ファイバ端面
を部分球面レンズの焦点位置±40μm以内の位置に固
定した際に、出射光が細管の中心軸に対して0.2°以
内の出射光曲がりとなるので、外周面と光ファイバ端面
のコア中心との軸ズレ量が1.5μm以内で光ファイバ
を内孔に固定した毛細管を細管内の挿入部に挿入して部
分球面レンズの焦点位置±40μm以内の距離になる位
置に固定するだけで、出射光が所望する0.2°以内の
出射光曲がりとなる光コリメータを作製することができ
る。
【0041】また、本発明の光コリメータ用レンズ部品
は、部分球面レンズは、屈折率が1.7以上であるの
で、球面収差が小さくなり高い結合効率及び出射光曲が
りを有する平行光が得られる光コリメータを作製するこ
とができる。
【0042】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、光
ファイバ端面と部分球面レンズの球面との距離が0.1
mm以上であり、好ましくは光ファイバ端面と部分球面
レンズの球面との距離が0.15mm以上であるので、
部分球面レンズの球面から反射して光ファイバへ入射す
る戻り光を大幅に少なくすることが可能となり、作動距
離(ワーキングディスタンス)以内で光信号特性の変動
が小さくなる。
【0043】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管は、部分球面レンズの球面と所定の距離になる位置と
が観察可能な部位に貫通部を有するので、光ファイバ端
面を部分球面レンズの焦点位置±40μm以内の位置に
固定することができ、高性能の光コリメータを容易に作
製することができる。
【0044】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管は、部分球面レンズの球面と光ファイバ端面との距離
を外部より測定可能な透明体からなるので、光ファイバ
端面を部分球面レンズの焦点位置±40μm以内の位置
に固定することができ、高性能の光コリメータを容易に
作製することができる。
【0045】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管がガラスまたは結晶化ガラスであるので、高精度かつ
安価な細管を使用することが可能となる。
【0046】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管が割りスリーブであるので、割りスリーブの内径寸法
は、光ファイバ付きの毛細管との嵌めあいはしまりばめ
の関係であり、細管の内面と部分球面レンズの光軸との
ズレに影響を及ぼす両者間寸法差をなくすことができ
る。
【0047】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、割
りスリーブが金属製であるので、硬度が低く部分球面レ
ンズや光ファイバ付きの毛細管の表面を傷付けることが
なく、発塵を防止することが可能であり、寸法再現性の
良好なリン青銅等では安定した部分球面レンズや光ファ
イバ付きの毛細管の固定が可能となる。
【0048】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、接
着剤は、セラミック、ガラスまたは金属のうちの一種以
上からなるフィラーを混合したエポキシ系樹脂または低
融点ガラスフリットであるので、接着剤硬化の際の体積
収縮による部分球面レンズの位置ずれを防ぐことがで
き、フィラーを混合することにより、液ダレの防止、接
着剤の強度向上を図ることができる。
【0049】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管の挿入部に、所定の内径の内孔を有する内細管が挿入
配置され部分球面レンズの球面に内細管の管軸に直角な
端面を当接した状態で接着固定されているので、細管に
対して部分球面レンズ及び内細管が正確な位置に、正確
な許容軸ズレ量内で固着されている。
【0050】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管及び/または内細管が厚さ1mmで波長350〜50
0nmの光を50%以上透過する透明なガラスからなる
ので、光硬化型接着剤の硬化反応の感度が高い近紫外線
から青色の可視光線が十分に透過し、光硬化型接着剤を
用いて内細管内に光ファイバまたは光ファイバ付きの毛
細管を短時間で固着することができる。
【0051】本発明に係る光コリメータ用レンズ部品の
組立方法は、細管と、所定長さの挿入部を残して該細管
の内孔に固定され屈折率が略均一なガラスからなる円柱
部の両端に曲率中心が略同一の透光球面を有する部分球
面レンズと、細管に部分球面レンズを接着する接着剤と
を備える光コリメータ用レンズ部品の組立方法であっ
て、前記細管の内孔に、所定の内径の内孔を有する内細
管を挿入して内細管の管軸に対して所定の精度で直角な
端面を所定位置に固定し、該細管の内孔に部分球面レン
ズを挿入して内細管の端面に当接させて部分球面レンズ
の位置決めを行い、その後、部分球面レンズを細管内に
接着固定するので、細管の内孔に対して部分球面レンズ
の位置決めを正確に行うことができる。
【0052】また、本発明の光コリメータ用レンズ部品
の組立方法は、細管内に部分球面レンズを接着固定する
前または接着固定した後に、内細管を除去するので、容
易に細管内孔と部分球面レンズとの高精度な同軸性を実
現することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図を
参照して説明する。
【0054】図4及び図5は、本発明の一例を示す光コ
リメータ用レンズ部品10の説明図である。図中11は
細管としてリン青銅製の割りスリーブを、12は部分球
面レンズを、13は接着剤を、14は毛細管を、15は
光ファイバをそれぞれ示している。
【0055】本発明の光コリメータ用レンズ部品10
は、図4に示すように、外径が1.60mmで直線状の
割部11b及び貫通部11cを有し、内孔11dの内径
が1.249mmとなる全長が5.5mmのリン青銅製
またはステンレス製の割りスリーブ11と、2.5mm
の長さの挿入部11aを残して割りスリーブ11の内孔
11dに固定され屈折率が略均一な光学ガラスLaSF
015からなり、円柱部12aの両端に曲率中心が略同
一の透光球面12b、12cを有する曲率半径Rが1.
500±0.002mmの部分球面レンズ12と、割り
スリーブ11に部分球面レンズ12を接着するエポキシ
系樹脂からなる接着剤13とを備え、割りスリーブ11
の中心軸と部分球面レンズ12の光軸との軸ズレ量が3
μmである。部分球面レンズ12の透光球面12b、1
2cには反射防止膜が形成されている。
【0056】この光コリメータ用レンズ部品10は、図
5に示すように、外周面14aに対してシングルモード
光ファイバ15の端面15aのコア中心との軸ズレ量が
0.5μmで光ファイバ15を内孔14bに固定した外
径が1.249mm±0.5μmで全長が5.0mmの
毛細管14を割りスリーブ11内の挿入部11aに挿入
して光ファイバ15の光軸に垂直な平面に対して8°に
傾斜し、反射防止膜が形成された端面15aと部分球面
レンズ12の球面12bとが距離d1が0.215mm
±3μmとなる位置に固定した際に、出射光が所望する
0.2°以内の0.1°の出射光曲がりとなるものであ
る。
【0057】光コリメータ用レンズ部品10に毛細管1
4を固定した場合、図6に示すように、光軸に垂直な平
面に対して傾斜角α傾斜した光ファイバ15の端面15
aから部分球面レンズ12に光軸に対してβ傾いた光信
号を入射した場合、部分球面レンズ12に光軸に対して
部分球面レンズ12からの出射光の光軸との間にはオフ
セットWが生じる。このオフセットWは、部分球面レン
ズ12の屈折率n3、曲率半径R、光ファイバ15端面
15aの傾斜角αにより図示したような関係となってい
る。
【0058】次に、光コリメータ用レンズ部品10に毛
細管14を固定したものを4個作製し、挿入損失及び反
射減衰量の測定を行った。
【0059】光コリメータ用レンズ部品10に傾斜した
端面15aを有する光ファイバ15を固着した毛細管1
4を固定した場合、図7に示すように、出射光は114
μmだけ光ファイバ15の光軸からオフセットWが生じ
るので、オフセットWの方向が一致いていない場合に
は、図7(A)に示すような光信号の軸ズレ損失が生じ
る。そこで、挿入損失及び反射減衰量を測定する際に、
作動距離を20mmに設定して対向配置した1対の光コ
リメータ用レンズ部品10のオフセット位置を、図7
(B)または(C)に示すように合わせておく。挿入損
失の測定結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】また、上記の光コリメータ用レンズ部品1
0について、反射減衰量の測定を行った。その結果を表
2に示す。
【0062】
【表2】
【0063】表2の結果、反射減衰量(リターンロス)
部分球面レンズ・光ファイバー間の距離が近くなるほ
ど、反射減衰量は悪くなる。0.215±5μmのと
き、反射減衰量は±0.3dB程度の変化である。ま
た、部分球面レンズのスリーブに対する偏芯と反射減衰
量の関係を求めたところ、偏芯量5μm以内なら、反射
減衰量は0.5dB程度の変化になる。即ち、予想され
ていたように、部分球面レンズ・光ファイバー間距離が
近くなるほど反射減衰量は悪くなる。部分球面レンズ・
光ファイバー間距離−5μmの変化に対し、反射減衰量
の変化は平均値で見ると、0.3dB程度である。さら
に、部分球面レンズのスリーブに対する偏芯と挿入損失
の関係について測定を行った。光源側の光コリメーター
を基準として固定し、受光側の光コリメーターのレンズ
を0°方向、90°方向、180°方向、270°方向
に各々4〜5μm偏芯したものを用いて挿入損失の偏芯
依存性を確認した。結果を表3に示す。
【0064】
【表3】
【0065】表3に示す測定結果から分かるように、部
分球面レンズのスリーブに対する偏芯と挿入損失の関係
については、偏芯方向に対して挿入損失の変化量が0.
01dB程度である事がわかった。
【0066】また、偏芯方向と反射減衰量との関係につ
いて、偏芯量が4.5μmの部分球面レンズを用いて測
定を行った。偏芯方向:光ファイバ尖端が部分球面レ
ンズの光軸に近づく方向、及び偏芯方向:光ファイバ
尖端が部分球面レンズの光軸から遠ざかる方向とした。
【0067】
【表4】
【0068】表4のように、偏芯方向の方が、偏芯方
向より良いということがわかった。このように、偏芯
量を5μm以内に管理すると、反射減衰量の変化は、
0.5dB程度になる。
【0069】次に、光コリメータ用レンズ部品10の組
立方法について説明する。
【0070】まず、図8(A)、(B)に示すように、
外径が1.60mmで直線状の割部を有し、内孔の内径
が1.249mmとなる全長が5.5mmの割りスリー
ブに貫通部11cを設けて割りスリーブ11を作製す
る。この際、割りスリーブ11の精度を落とさないよう
に注意を払いながら加工を行う。
【0071】次に、図8(C)に示すように、外径が
1.249mmで内径が0.68mmの内孔17bを有
し、管軸に対して±0.1°以内の直角度の端面17a
を具備する内細管17を作製しておく。
【0072】次に、図8(D)に示すように、屈折率が
略均一な光学ガラスLaSF015を使用して、曲率半
径Rが1.500±0.002mmの球レンズを作製
し、この球レンズを、光軸を中心に回転させて研磨する
ことにより円柱部12aを形成し両端に透光球面12
b、12c及び接着剤を充填するための環状溝12dを
有する部分球面レンズ12を作製する。
【0073】次いで、図9(A)に示す割りスリーブ1
1の内孔11dに、図9(B)に示すように、内細管1
7を挿入してその直角な端面17aを割りスリーブ11
の端面から2.5mmの長さとなる位置に固定し、図9
(C)に示すように、割りスリーブ11の内孔11dに
部分球面レンズ12を挿入して内細管17の端面17a
に透光球面12bを当接させて部分球面レンズ12の位
置決めを行う。その後、図9(D)に示すように、割り
スリーブ11の内孔11dに部分球面レンズ12を接着
剤13で固着する。接着剤13が完全に硬化した後に、
内細管17を除去すると、光コリメータ用レンズ部品1
0となる。
【0074】次に、本発明に係る他の実施の形態につい
て説明する。図10及び図11は、本発明の他の例を示
す光コリメータ用レンズ部品20の説明図である。図中
21は細管としてガラス細管を、22は部分球面レンズ
を、23は接着剤を、24はガラス内細管を、25は光
ファイバを、26は毛細管それぞれ示している。
【0075】本発明の他の光コリメータ用レンズ部品2
0は、図10に示すように、外径が1.80mmで、内
孔21bの内径がφ1.005mm+0.01/−0m
mで全長が6.0mmのガラス細管21と、所定長さの
挿入部21aを残してガラス細管21の内孔21bに固
定され屈折率が略均一な光学ガラスLaSF015から
なり、円柱部22aの両端に曲率中心が略同一の透光球
面22b、22cを有する曲率半径Rが1.25±0.
0015mmで直径がφ0.98mmであり、外周の中
心軸と球面の中心軸との偏心が5μm以内である部分球
面レンズ22と、ガラス細管21の挿入部21a内に外
径が0.997mm±0.005mmで内径が0.68
mm+0.002/−0mmの内孔24bを有する長さ
3.45mmのガラス内細管24がガラス内細管24の
管軸に直角な端面24aを部分球面レンズ22の透光球
面22bに当接した状態で挿入固着されており、ガラス
細管21に部分球面レンズ22及びガラス内細管24を
接着するエポキシ系の紫外線硬化型樹脂からなる接着剤
23とを備え、ガラス細管21の内孔21bの中心軸と
部分球面レンズ22の光軸及びガラス内細管24の内孔
24b中心軸との軸ズレ量が3μmである。また、ガラ
ス細管21及びガラス内細管24は、厚さ1mmで波長
350〜500nmの光を85%透過する透明なホウ珪
酸ガラスからなる。
【0076】この光コリメータ用レンズ部品20は、図
11に示すように、外周面26aに対して光ファイバ2
5の端面25aのコア中心との軸ズレ量が0.5μmで
光ファイバ25を内孔26bに固定した外径が0.68
mm+0/−0.002mmで全長が5.25mmの毛
細管26をガラス細管21挿入部21a内のガラス内細
管24の挿入部となる内孔24bに挿入して光ファイバ
25の端面25aと部分球面レンズ22の球面22bと
が距離d2が0.182mm±2μmとなる位置に固定
した際に、出射光が所望する0.2°以内の0.1°の
出射光曲がりとなるものである。
【0077】光コリメータ用レンズ部品20に傾斜した
端面25aを有する光ファイバ25を固着した毛細管2
6を固定した場合、先記の図7に示すように、出射光は
95μmだけ光ファイバ25の光軸からオフセットWを
生じるので、挿入損失及び反射減衰量の測定する際に、
作動距離を20mmに設定して対向配置した1対の光コ
リメータ用レンズ部品20のオフセット位置は、図7
(B)または(C)に示すように、合わせておく。挿入
損失の測定及び反射減衰量の測定を行った。
【0078】結果は、先記の光コリメータ用レンズ部品
10と大差のない優れたものであった。
【0079】次に、光コリメータ用レンズ部品20の組
立方法について説明する。
【0080】まず、図12(A)に示すように、内孔2
1dの内径が1.005mmで全長が6.0mmのガラ
ス細管21と、図12(B)に示す外径が0.997m
m±0.005mmで内径が0.68mm+0.002
/−0mmの内孔24bを有する長さ3.45mmのガ
ラス内細管24と、図12(C)に示す屈折率が略均一
な光学ガラスLaSF015からなり、円柱部22aの
両端に曲率中心が略同一の透光球面22b、22cを有
する曲率半径Rが1.250±0.0015mmで直径
がφ0.98mmであり、外周の中心軸と球面の中心軸
との偏心が5μm以内である部分球面レンズ22とを準
備する。
【0081】次いで、図13(A)に示すガラス細管2
1の内孔21dに、図13(B)に示すように、ガラス
内細管24を挿入して直角な端面24aを挿入部21a
が2.5mmの長さとなる位置に固定しエポキシ系の紫
外線硬化型樹脂からなる接着剤23で固着する。次い
で、図13(C)に示すように、ガラス細管21の内孔
21dに部分球面レンズ22を挿入してガラス内細管2
4の端面24aに透光球面22bを当接させて部分球面
レンズ22の位置決めを行い、その後、ガラス細管21
の内孔21dに部分球面レンズ12を接着剤23で固着
する。
【0082】なお、上記、実施の形態では、割りスリー
ブ及び透明なガラス管としたが、これに限らずプラスチ
ック管や光ファイバ端面と部分球面レンズの球面との距
離を確認可能な孔を具備する金属管等でもよい。
【0083】上記光コリメータの挿入損失の測定は以下
のようにして行った。即ち、作製した上記光コリメータ
を2つ準備し、波長が1550nmのレーザーダイオー
ド安定化光源に光ファイバを繋ぎ、この光ファイバに一
方の光コリメータを融着スプライスにて接続する。この
光コリメータをXYZの空間軸と直交する2つの回転軸
を有する5軸光学ステージに固定する。次に、他方の光
コリメータを光学架台に固定し、光コリメータのピグテ
ールとなっている光ファイバの先端をパワーメータに接
続する。その後、5軸ステージを操作して、2つの光コ
リメータ間が結像関係となるように調心し、その状態で
パワーメータにより受光量を測定する。この受光量から
予め測定しておいた安定化光源とパワーメータを光ファ
イバで直結したときの受光量の測定値を差し引いて挿入
損失を算出した。また、上記光コリメータの反射減衰量
(リターンロス)の測定は以下のようにして行った。即
ち、OTDR(Optical Time Domai
n Reflect Meter)に、10mm以上の
十分な長さの光ファイバを接続する。その先端に光コリ
メータを融着スプライスにて固定し、その反射光の強度
を測定することにより反射減衰量を測定した。
【0084】
【発明の効果】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、
細管の中心軸と前記部分球面レンズの光軸との軸ズレ量
が5μm以内であり、外周面と光ファイバ端面のコア中
心との軸ズレ量が1.5μm以内で光ファイバを内孔に
固定した毛細管を細管内の挿入部に挿入して光ファイバ
端面を部分球面レンズの焦点位置±40μm以内の位置
に固定した際に、出射光が細管の中心軸に対して0.2
°以内の出射光曲がりとなるので、光ファイバを内孔に
固定した毛細管を挿入部に挿入して所定の距離になる位
置に固定するだけで、出射光が従来では実現し得なかっ
たレベルの出射光曲がりとなる光コリメータを極めて容
易に作製することができる。
【0085】また、本発明の光コリメータ用レンズ部品
は、部分球面レンズは、屈折率が1.7以上であるの
で、球面収差が小さくなり高い接続効率及び出射光曲が
りを有する平行光が得られる光コリメータを容易に作製
することができる。
【0086】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、光
ファイバ端面と部分球面レンズの球面との距離が0.1
mm以上であるので、部分球面レンズの球面から反射し
て光ファイバへ入射する光を大幅に少なくすることが可
能となり、高速かつ大容量の光通信システムの構築に使
用することができる。
【0087】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管は、部分球面レンズの球面と所定の距離になる位置と
が観察可能な部位に貫通部を有するので、光ファイバ端
面を部分球面レンズの焦点位置±40μm以内の位置に
固定することができ、高性能の光コリメータを容易に作
製することができる。
【0088】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管は、部分球面レンズの球面と光ファイバ端面との距離
を外部より測定可能な透明体からなるので、光ファイバ
端面を部分球面レンズの焦点位置±40μm以内の位置
に固定することができ、高性能の光コリメータを容易に
作製することができる。
【0089】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管がガラスまたは結晶化ガラスであるので、高精度かつ
安価な細管を使用することが可能となり、高速かつ大容
量の光通信システムの構築費用を低減させることが可能
となる。
【0090】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管が割りスリーブであるので、割りスリーブの内径寸法
は、光ファイバ付きの毛細管との嵌めあいはしまり嵌め
の関係であり、細管の内面と部分球面レンズの光軸との
ズレに影響を及ぼす両者間寸法差をなくすことができ、
内部を通過する光信号が安定した光コリメータを作製す
ることができる。
【0091】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、割
りスリーブが金属製であるので、硬度が低く部分球面レ
ンズや光ファイバ付きの毛細管の表面を傷付けることが
なく、発塵を防止することが可能であり、寸法再現性の
良好なリン青銅等では安定した部分球面レンズや光ファ
イバ付きの毛細管の固定が可能となり、内部を通過する
光信号が安定した光コリメータを作製することができ
る。
【0092】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、接
着剤は、セラミック、ガラスまたは金属のうちの一種以
上からなるフィラーを混合したエポキシ系樹脂または低
融点ガラスフリットであるので、接着剤硬化の際の体積
収縮による部分球面レンズの位置ずれを防いで、フィラ
ーを混合することにより、液ダレの防止、接着剤の強度
向上を図ることができ、耐環境性に優れた内部を通過す
る光信号が安定した光コリメータを作製することができ
る。
【0093】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管の挿入部に、所定の内径の内孔を有する内細管が挿入
配置され部分球面レンズの球面に内細管の管軸に直角な
端面を当接した状態で接着固定されているので、細管に
対して部分球面レンズ及び内細管が正確な位置に、正確
な同軸関係で固着されており、光学特性に優れた光コリ
メータを作製することができる。
【0094】本発明の光コリメータ用レンズ部品は、細
管及び/または内細管が厚さ1mmで波長350〜50
0nmの光を50%以上透過する透明なガラスからなる
ので、光硬化型接着剤の硬化反応の感度が高い近紫外線
から青色の可視光線が十分に透過し、光硬化型接着剤を
用いて内細管内に光ファイバまたは光ファイバ付きの毛
細管を短時間で固着することができ、効率よく光コリメ
ータを作製することが可能となる。
【0095】本発明に係る光コリメータ用レンズ部品の
組立方法は、細管の内孔に、所定の内径の内孔を有する
内細管を挿入して内細管の管軸に対して所定の精度で直
角な端面を所定位置に固定し、該細管の内孔に部分球面
レンズを挿入して内細管の端面に当接させて部分球面レ
ンズの位置決めを行い、その後、部分球面レンズを細管
内に接着固定するので、細管の内孔に対して部分球面レ
ンズの位置決めを正確に行うことができ、効率よく光コ
リメータ用レンズ部品を作製することが可能となる。
【0096】また、本発明の光コリメータ用レンズ部品
の組立方法は、細管内に部分球面レンズを接着固定する
前または接着固定した後に、内細管を除去するので、容
易に細管内孔と部分球面レンズとの高精度な同軸性を実
現することができ、光学特性に優れた光コリメータ用レ
ンズ部品を再現性よく安易的に作製することができる実
用上優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の説明図であって、光コリメータ用レン
ズ部品を使用した光コリメータから出射される出射光曲
がりの説明図であって、(A)は本発明の光コリメータ
用レンズ部品を使用した説明図、(B)は不良光コリメ
ータの説明図。
【図2】本発明の説明図であって、(A)は光コリメー
タ用レンズ部品を使用した光コリメータを対向配置させ
た図。(B)は部分球面レンズの焦点位置に光ファイバ
端面を配置した際のビームウエスト位置の説明図、
(C)は部分球面レンズの焦点位置よりも前方に光ファ
イバ端面を配置した際のビームウエスト位置の説明図、
(D)は部分球面レンズの焦点位置よりも後方に光ファ
イバ端面を配置した際のビームウエスト位置の説明図。
【図3】部分球面レンズの球面及び曲率半径と光ファイ
バ端面との距離と反射光の関係を説明する図。
【図4】本発明の光コリメータ用レンズ部品の説明図で
あって、(A)は平面図、(B)は断面図。
【図5】本発明の光コリメータ用レンズ部品を使用した
光コリメータの説明図であって、(A)は平面図、
(B)は断面図。
【図6】本発明の光コリメータ用レンズ部品を使用した
光コリメータの要部断面説明図。
【図7】本発明の光コリメータ用レンズ部品を使用した
光コリメータの使用方法の説明図であって、(A)はオ
フセット位置が位置ズレした図、(B)は、オフセット
位置を合わせた図、(C)はオフセット位置が位置ズレ
した状態で出射光の位置を合わせた図。
【図8】本発明の光コリメータ用レンズ部品を構成する
各部材の説明図であって、(A)、(B)は割りスリー
ブ、(C)は内細管、(D)は部分球面レンズの説明
図。
【図9】本発明の光コリメータ用レンズ部品を作製する
説明図であって、(A)は割りスリーブの説明図、
(B)は割りスリーブに内細管を装着する説明図、
(C)は割りスリーブに部分球面レンズを装着する説明
図、(D)は割りスリーブから内細管を除去する説明
図。
【図10】本発明に係る他の光コリメータ用レンズ部品
の説明図であって、(A)は平面図、(B)は断面図。
【図11】本発明の他の光コリメータ用レンズ部品を使
用した光コリメータの説明図であって、(A)は平面
図、(B)は断面図。
【図12】本発明の他の光コリメータ用レンズ部品を構
成する各部材の説明図であって、(A)はガラス細管、
(B)はガラス内細管、(C)は部分球面レンズの説明
図。
【図13】本発明の光コリメータ用レンズ部品を作製す
る説明図であって、(A)はガラス細管の説明図、
(B)はガラス細管にガラス内細管を装着する説明図、
(C)はガラス細管に部分球面レンズを装着する説明
図。
【図14】従来の光コリメータを作製する方法の説明
図。
【符号の説明】
10、20 光コリメータ用レンズ部品 11 割りスリーブ 11a、21a 挿入部 11d、14b、17b、21b、21d、24b、2
6b 内孔 12、22 部分球面レンズ 12a、22a 円柱部 12b、12c、22b、22c 透光球面 12d 環状溝 13、23 接着剤 14、26 毛細管 14a、26a 外周面 15、25 光ファイバ 15a、17a、24a、25a 端面 17 内細管 21 ガラス細管 24 ガラス内細管 L 出射光 LB 反射光 W オフセット R 曲率半径 f 焦点距離 BW ビームウエスト WD 作動距離 FP 焦点位置 n1 空間の屈折率 n2 光ファイバの屈折率 n3 部分球面レンズの屈折率 d1、d2 光ファイバ端面と部分球面レンズ球面との
距離 α 光軸に垂直な平面に対して傾斜角 β 光ファイバの端面からの出射光の光軸との成す角度 θ 出射光曲がり
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 宏和 滋賀県大津市晴嵐二丁目7番1号 日本電 気硝子株式会社内 (72)発明者 角見 昌昭 滋賀県大津市晴嵐二丁目7番1号 日本電 気硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA32 CA13 DA04 DA05 DA06 DA15 DA17

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細管と、所定長さの挿入部を残して該細
    管の内孔に固定され屈折率が略均一なガラスからなる円
    柱部の両端に曲率中心が略同一の透光球面を有する部分
    球面レンズと、細管に部分球面レンズを接着する接着剤
    とを備え、 前記細管の中心軸と前記部分球面レンズの光軸との軸ズ
    レ量が5μm以内であり、外周面と光ファイバ端面のコ
    ア中心との軸ズレ量が1.5μm以内で光ファイバを内
    孔に固定した毛細管を細管内の挿入部に挿入して光ファ
    イバ端面を部分球面レンズの焦点位置±40μm以内の
    距離になる位置に固定した際に、出射光が細管の中心軸
    に対して0.2°以内の出射光曲がりとなる光コリメー
    タ用レンズ部品。
  2. 【請求項2】 部分球面レンズは、屈折率が1.7以上
    であることを特徴とする請求項1に記載の光コリメータ
    用レンズ部品。
  3. 【請求項3】 光ファイバ端面と部分球面レンズの球面
    との距離が0.1mm以上であることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の光コリメータ用レンズ部
    品。
  4. 【請求項4】 細管は、部分球面レンズの球面と所定の
    距離になる位置とが観察可能な部位に貫通部を有するこ
    とを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の光コリ
    メータ用レンズ部品。
  5. 【請求項5】 細管は、部分球面レンズの球面と光ファ
    イバ端面との距離を外部より測定可能な透明体からなる
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の光コ
    リメータ用レンズ部品。
  6. 【請求項6】 細管がガラス製または結晶化ガラス製で
    あることを特徴とする請求項1から5に記載の光コリメ
    ータ用レンズ部品。
  7. 【請求項7】 細管が割りスリーブであることを特徴と
    する請求項1〜5に記載の光コリメータ用レンズ部品。
  8. 【請求項8】 割りスリーブが金属製であることを特徴
    とする請求項7に記載の光コリメータ用レンズ部品。
  9. 【請求項9】 接着剤は、セラミック、ガラスまたは金
    属のうちの一種以上からなるフィラーを混合したエポキ
    シ系樹脂または低融点ガラスフリットであることを特徴
    とする請求項1から8の何れかに記載の光コリメータ用
    レンズ部品。
  10. 【請求項10】 細管の挿入部に、所定の内径の内孔を
    有する内細管が挿入配置され部分球面レンズの球面に内
    細管の管軸に対して所定の精度で直角な端面を当接した
    状態で接着固定されていることを特徴とする請求項1か
    ら9に記載の光コリメータレンズ部品。
  11. 【請求項11】 細管及び/または内細管が、厚さ1m
    mで波長350〜500nmの光を50%以上透過する
    透明なガラスからなることを特徴とする請求項10に記
    載の光コリメータレンズ部品。
  12. 【請求項12】 細管と、所定長さの挿入部を残して該
    細管の内孔に固定され屈折率が略均一なガラスからなる
    円柱部の両端に曲率中心が略同一の透光球面を有する部
    分球面レンズと、細管に部分球面レンズを接着する接着
    剤とを備える光コリメータ用レンズ部品の組立方法であ
    って、 前記細管の内孔に、所定の内径の内孔を有する内細管を
    挿入して内細管の管軸に対して所定の精度で直角な端面
    を所定位置に固定し、該細管の内孔に部分球面レンズを
    挿入して内細管の端面に当接させて部分球面レンズの位
    置決めを行い、その後、細管内に部分球面レンズを接着
    固定することを特徴とする光コリメータ用レンズ部品の
    組立方法。
  13. 【請求項13】 細管内に部分球面レンズを接着固定す
    る前または接着固定した後に、内細管を除去することを
    特徴とする請求項12に記載の光コリメータ用レンズ部
    品の組立方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009098112A (ja) * 2007-09-28 2009-05-07 Fujifilm Corp 光ロータリアダプタおよびこれを用いる光断層画像化装置

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