JP2003314812A - 燃焼設備及び排ガス処理方法 - Google Patents

燃焼設備及び排ガス処理方法

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JP2003314812A
JP2003314812A JP2002116328A JP2002116328A JP2003314812A JP 2003314812 A JP2003314812 A JP 2003314812A JP 2002116328 A JP2002116328 A JP 2002116328A JP 2002116328 A JP2002116328 A JP 2002116328A JP 2003314812 A JP2003314812 A JP 2003314812A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼溶融炉から排出されるスラグの商品価値を
高めることができるようにする。 【解決手段】 燃焼溶融炉13と、燃焼溶融炉13から
の600°C〜1200°Cの排ガスに対する高温ガス
用集塵器40と、高温ガス用集塵器40で捕集したダス
トを燃焼溶融炉13に供給するダスト供給手段42とを
設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃焼設備及び排ガス
処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、燃焼設備は、例えば特開2000
−256679号公報に開示されているように、燃焼溶
融炉と、燃焼溶融炉からの排ガスを熱源とするボイラ
と、ボイラからの排ガスに対する減温塔と、減温塔から
の排ガスに対する集塵器とを設けるとともに、ボイラ・
減温塔・集塵器から回収したダストを燃焼溶融炉に供給
するダスト供給手段を設けて構成してあった。
【0003】つまり、ボイラや減温塔のような排ガスを
冷却する装置を集塵器の上流側に配置した構造になって
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成によれ
ば、ボイラや減温塔のような排ガスを冷却する装置を集
塵器の上流側に配置してあったために、排ガスが集塵器
で処理されるときは排ガス中の重金属成分が固体化した
状態になっていた。
【0005】その結果、重金属のダストが集塵器で捕集
され、燃焼溶融炉に供給されて、燃焼溶融炉から回収す
るスラグの重金属の濃度が高くなっていた。
【0006】燃焼溶融炉から排出されるスラグは例えば
道路舗装材として再利用されているが、重金属を多く含
んだスラグは商品価値が低くなるという問題があった。
【0007】本発明の目的は、燃焼溶融炉から排出され
るスラグの商品価値を高めることができるようにする点
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1による発明の構
成・作用・効果は次の通りである。
【0009】[構成]燃焼溶融炉と、前記燃焼溶融炉か
らの800°C〜1200°Cの排ガスに対する高温ガ
ス用集塵器と、前記高温ガス用集塵器で捕集したダスト
を前記燃焼溶融炉に供給するダスト供給手段とを設けて
ある。
【0010】[作用]燃焼溶融炉からの800°C〜1
200°Cの排ガスを高温ガス用集塵器で処理し、この
高温ガス用集塵器で捕集したダストをダスト供給手段で
燃焼溶融炉に供給する。
【0011】高温ガス用集塵器に流入する排ガスは80
0°C〜1200°Cの高温であり、排ガス中の重金属
成分はガス化しているから、高温ガス用集塵器を通り抜
ける。
【0012】これにより、燃焼溶融炉に供給するダスト
に重金属が含まれるのを抑制でき、燃焼溶融炉から排出
されるスラグの重金属成分の濃度が高くなるのを抑制す
ることができる。
【0013】[効果]従って、燃焼溶融炉から排出され
るスラグの重金属成分の濃度が高くなるのを抑制するこ
とができるから、スラグの商品価値を高めることができ
た。
【0014】請求項2による発明の構成・作用・効果は
次の通りである。
【0015】[構成]請求項1による発明の構成におい
て、前記高温ガス用集塵器から排出される排ガス中の重
金属成分が固体化する温度域の排ガス流路に低温側集塵
器を設けてある。
【0016】[作用]請求項1の構成による作用と同様
の作用を奏することができるのに加え、次の作用を奏す
ることができる。
【0017】高温ガス用集塵器から排出される排ガス中
の重金属成分が固体化する温度域の排ガス流路に低温側
集塵器を設けてあるから、重金属成分が固体化して成る
重金属のダストを低温側集塵器で捕集することができ
る。
【0018】この場合、高温ガス用集塵器で重金属等以
外のダスト(灰分)が捕集されているから、重金属の濃
度が高いダストを得ることができる。
【0019】[効果]従って、請求項1の構成による効
果と同様の効果を奏することができるのに加え、低温側
集塵器で重金属の濃度が高いダストを得ることができる
から、山元還元などの再利用が容易になるとともに、無
害化処理する場合は処理コストを低廉化できる。
【0020】請求項3による発明の構成・作用・効果は
次の通りである。
【0021】[構成]請求項2による発明の構成におい
て、前記低温側集塵器に流入する排ガスに対する中和剤
供給部を設けてある。
【0022】[作用]請求項2の構成による作用と同様
の作用を奏することができるのに加え、中和剤の反応率
が高い温度域(例えば消石灰なら160°C以下)で排
ガスを中和することができる。
【0023】[効果]従って、請求項2の構成による効
果と同様の効果を奏することができるのに加え、排ガス
を効果的に中和させることができるようになった。
【0024】請求項4による発明の構成・作用・効果は
次の通りである。
【0025】[構成]請求項3による発明の構成におい
て、前記低温側集塵器の下流側に補助低温側集塵器を設
けるとともに、前記補助低温側集塵器に流入する排ガス
に対する中和剤補助供給部を設けてある。
【0026】[作用]請求項3の構成による作用と同様
の作用を奏することができるのに加え、低温側集塵器の
下流側に補助低温側集塵器を設けるとともに、前記補助
低温側集塵器に流入する排ガスに対する中和剤補助供給
部を設けてあるから、排ガスをさらに中和することがで
きる。
【0027】[効果]従って、請求項3の構成による効
果と同様の効果を奏することができるのに加え、排ガス
をより効果的に中和させることができ、重金属を多く含
むダストと中和残渣とを別々に回収することで山元還元
などの再利用に有利になった。
【0028】請求項5による発明の構成・作用・効果は
次の通りである。
【0029】[構成]請求項1,2,3,4のいずれか
一つによる発明の構成において、前記高温ガス用集塵器
はセラミック製の多孔質フィルタを設けて構成してあ
る。
【0030】[作用]請求項1,2,3,4のいずれか
一つの構成による作用と同様の作用を奏することができ
るのに加え、高温ガス用集塵器は、セラミック製の多孔
質フィルタを設けて構成してあるから、高温ガス用集塵
器の耐熱性を向上させることができる。
【0031】[効果]従って、請求項1,2,3,4の
いずれか一つの又は2の構成による効果と同様の効果を
奏することができるのに加え、高温ガス用集塵器の耐久
性を向上させることができた。
【0032】請求項6による発明の構成・作用・効果は
次の通りである。
【0033】[構成]請求項1,2,3,4,5のいず
れか一つによる発明の構成において、前記燃焼溶融炉
は、廃棄物を熱分解ドラムで熱分解して得られる熱分解
ガスと熱分解残渣のうち、前記熱分解ガスと、前記熱分
解残渣から選別されたカーボン残渣とを受けれて燃焼さ
せる廃棄物処理用の炉である。
【0034】[作用]上記の熱分解ドラムや燃焼溶融炉
を備えた廃棄物処理プラントにおいて、請求項1,2,
3,4,5のいずれか一つの構成による作用と同様の作
用を奏することができる。
【0035】[効果]上記の熱分解ドラムや燃焼溶融炉
を備えた廃棄物処理プラントにおいて、請求項1,2,
3,4,5のいずれか一つの構成による効果と同様の効
果を奏することができる。
【0036】請求項7による発明の構成・作用・効果は
次の通りである。
【0037】[構成]燃焼溶融炉からの800°C〜1
200°Cの排ガスを高温ガス用集塵器で処理し、前記
高温ガス用集塵器で捕集したダストを前記燃焼溶融炉に
供給して燃焼溶融させる。
【0038】[作用]高温ガス用集塵器に流入する排ガ
スは800°C〜1200°Cの高温であり、排ガス中
の重金属成分はガス化しているから、高温ガス用集塵器
を通り抜ける。
【0039】これにより、燃焼溶融炉に供給するダスト
に重金属が含まれるのを抑制でき、燃焼溶融炉から排出
されるスラグの重金属成分の濃度が高くなるのを抑制す
ることができる。
【0040】[効果]従って、燃焼溶融炉から排出され
るスラグの重金属成分の濃度が高くなるのを抑制するこ
とができるから、スラグの商品価値を高めることができ
た。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0042】図1に、家庭ゴミ等の一般廃棄物やカーシ
ュレッダーダスト・電化製品等の産業廃棄物の処理プラ
ントである熱分解ガス化溶融プラントを示してある。
【0043】この熱分解ガス化溶融プラントは前処理設
備1・熱分解設備2・熱分解残渣選別設備3・高温燃焼
溶融設備4・第1排ガス処理設備6A・ボイラ発電設備
5・第2排ガス処理設備6Bから成る。
【0044】[前処理設備1]廃棄物ピット7に貯留さ
れた廃棄物を破砕機で破砕し、破砕廃棄物を搬送装置等
で熱分解設備2に送る。
【0045】[熱分解設備2]廃棄物ピット7からの廃
棄物を熱分解ドラム12に搬送供給し、加熱ガス供給手
段102から熱分解ドラム12に加熱ガスを供給する。
【0046】そして、この加熱ガスで廃棄物を間接的に
加熱しながら、廃棄物を無酸素あるいは低酸素雰囲気で
約450°Cの熱分解ガスと熱分解残渣とに熱分解し、
熱分解ガスを後述の高温燃焼溶融炉13に送り、熱分解
残渣を熱分解残渣選別設備3に送る。
【0047】[熱分解残渣選別設備3]前記熱分解ドラ
ム12からの熱分解残渣を冷却振動コンベア14等を介
してスクリーン55側に送り、磁選機やアルミ選別機5
3を介して選別した鉄・アルミ・ガラス等を回収する。
【0048】そして、鉄やアルミ等が選別された後の熱
分解残渣を粉砕機56で粉砕する(粉砕したものを、以
下「カーボン残渣」と呼ぶ)。カーボン残渣はカーボン
残渣サイロ61に送り、カーボン残渣サイロ61内のカ
ーボン残渣を高温燃焼溶融炉13にその炉頂側から吹き
込む。
【0049】[高温燃焼溶融設備4]熱分解ガス・カー
ボン残渣・集塵ダストを高温燃焼溶融炉13に炉頂側か
ら吹き込み、これらを旋回燃焼する。焼却灰・集塵ダス
トは溶融し、炉底から連続排出する。排出したスラグは
スラグ容器50に収容され、道路舗装材として再利用さ
れる。
【0050】[第1排ガス処理設備6A]高温燃焼溶融
炉13からの1000°Cの排ガスに対する高温ガス用
集塵器40と、高温ガス用集塵器40で捕集したダスト
を貯留するダストサイロ41と、ダストサイロ41内の
ダストを高温燃焼溶融炉13に供給するダスト供給手段
42とを設けてある。
【0051】前記高温ガス用集塵器40はセラミック製
の多孔質フィルタを設けて構成してあり、ダスト供給手
段42は、ダスト供給管路44とダスト供給ファン43
とを設けて構成してある。
【0052】高温ガス用集塵器40に流入する排ガスは
1000°Cの高温で、排ガス中の重金属成分はガス化
しているから、高温ガス用集塵器40を通り抜ける。
【0053】これにより、高温燃焼溶融炉13に供給す
るダストに重金属(カドミウムや鉛等)が含まれるのを
抑制でき、高温燃焼溶融炉13から排出されてスラグ容
器50に収容されるスラグの重金属成分の濃度が高くな
るのを抑制することができる。
【0054】[ボイラ発電設備5]高温ガス用集塵器4
0から排出される排ガスをボイラ輻射ゾーンで冷却し、
蒸発管群で均一な温度にした後、過熱蒸気管群に送る。
ボイラ18で蒸気を熱回収し、タービン・発電機(図示
せず)で電気として回収する。
【0055】[第2排ガス処理設備6B]ボイラ18か
ら排出される排ガスを減温塔21・バグフィルタ17
(低温側集塵器に相当)・脱硝装置58等で処理して煙
突25から排気する。
【0056】前記バグフィルタ17は、高温ガス用集塵
器40から排出される排ガス中の重金属成分が固体化す
る温度、及び消石灰の反応が良好な温度(160°C)
の排ガス流路に設けてある。
【0057】これにより、重金属成分が固体化して成る
重金属のダストをバグフィルタ17で捕集することがで
きる。
【0058】この場合、高温ガス用集塵器40で重金属
等以外のダスト(灰分)が捕集されているから、バグフ
ィルタ17で重金属の濃度が高いダストを得ることがで
きる。
【0059】前記ボイラ18と減温塔21とバグフィル
タ17からのダストは重金属処理する(重金属処理する
代りに山元還元してもよい)。
【0060】前記バグフィルタ17に流入する排ガスに
対する中和剤供給部としての消石灰供給部45を設け
て、排ガスに消石灰を供給するよう構成してある。
【0061】上記のように、熱分解ガス化溶融プラント
で排ガスを処理する方法は、高温燃焼溶融炉13からの
1000°Cの排ガスを高温ガス用集塵器40で処理
し、高温ガス用集塵器40で捕集したダストを高温燃焼
溶融炉13に供給して燃焼溶融させる方法である。
【0062】[別実施形態]図2に示すように、バグフ
ィルタ17の下流側に第2のバグフィルタ22(補助低
温側集塵器に相当)を設けるとともに、第2のバグフィ
ルタ22に流入する排ガスに対する中和剤補助供給部と
しての第2の消石灰供給部46を設けてあってもよい。
【0063】上記の実施形態で上げた数値は一例であ
り、別の数値であってもよい。
【0064】例えば、前記高温ガス用集塵器40で処理
する排ガスは800°C〜1200°C未満の排ガスで
あってもよい。
【0065】前記高温ガス用集塵器40から排出される
排ガス中の重金属成分が固体化する温度域は800℃以
下である。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱分解ガス化溶融プラントの概略図
【図2】別実施形態を示す図
【符号の説明】
12 熱分解ドラム 13 燃焼溶融炉 17 低温側集塵器 22 補助低温側集塵器 40 高温ガス用集塵器 42 ダスト供給手段 45 中和剤供給部 46 中和剤補助供給部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F23J 15/00 F23J 15/00 Z Fターム(参考) 3K061 AA07 AA16 AB01 AB02 AB03 AC01 AC03 AC19 AC20 BA05 BA08 DA15 DA17 DA18 DA19 FA10 FA21 GA05 KA02 KA13 KA21 3K065 AA07 AA16 AB01 AB02 AB03 AC01 AC19 AC20 BA05 BA08 HA01 HA02 HA03 3K070 DA07 DA09 DA16 DA22 DA32 DA35 DA49 DA64 3K078 AA05 AA08 BA03 CA02 CA21 CA24

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼溶融炉と、前記燃焼溶融炉からの8
    00°C〜1200°Cの排ガスに対する高温ガス用集
    塵器と、前記高温ガス用集塵器で捕集したダストを前記
    燃焼溶融炉に供給するダスト供給手段とを設けてある燃
    焼設備。
  2. 【請求項2】 前記高温ガス用集塵器から排出される排
    ガス中の重金属成分が固体化する温度域の排ガス流路に
    低温側集塵器を設けてある請求項1記載の燃焼設備。
  3. 【請求項3】 前記低温側集塵器に流入する排ガスに対
    する中和剤供給部を設けてある請求項2記載の燃焼設
    備。
  4. 【請求項4】 前記低温側集塵器の下流側に補助低温側
    集塵器を設けるとともに、前記補助低温側集塵器に流入
    する排ガスに対する中和剤補助供給部を設けてある請求
    項3記載の燃焼設備。
  5. 【請求項5】 前記高温ガス用集塵器はセラミック製の
    多孔質フィルタを設けて構成してある請求項1,2,
    3,4のいずれか一つに記載の燃焼設備。
  6. 【請求項6】 前記燃焼溶融炉は、廃棄物を熱分解ドラ
    ムで熱分解して得られる熱分解ガスと熱分解残渣のう
    ち、前記熱分解ガスと、前記熱分解残渣から選別された
    カーボン残渣とを受けれて燃焼させる廃棄物処理用の炉
    である請求項1,2,3,4,5のいずれか一つに記載
    の燃焼設備。
  7. 【請求項7】 燃焼溶融炉からの800°C〜1200
    °Cの排ガスを高温ガス用集塵器で処理し、前記高温ガ
    ス用集塵器で捕集したダストを前記燃焼溶融炉に供給し
    て燃焼溶融させる排ガス処理方法。
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