JP2003314552A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JP2003314552A
JP2003314552A JP2002123168A JP2002123168A JP2003314552A JP 2003314552 A JP2003314552 A JP 2003314552A JP 2002123168 A JP2002123168 A JP 2002123168A JP 2002123168 A JP2002123168 A JP 2002123168A JP 2003314552 A JP2003314552 A JP 2003314552A
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bearing
pressurized fluid
pressure
gap
outer peripheral
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JP2002123168A
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Seiichi Itabashi
聖一 板橋
Yasuhiro Ito
康弘 伊藤
Norio Sato
紀夫 佐藤
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NTT Advanced Technology Corp
Original Assignee
NTT Advanced Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加圧流体の圧力が急峻に低下した場合であっ
ても、軸受面と回転中の回転部材の表面との接触を回避
することができること。 【解決手段】 絞り部46が、ラジアルパッド26の軸
受面26aの一部を形成する多孔質部26Pの表面にの
み開口する空孔42Ciの開口部分に形成されたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質材料で形成
される軸受面を有し、軸受面に多孔質材料を介して供給
される加圧流体の圧力により回転部材を支持する軸受装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】静圧軸受装置において、軸受部材を多孔
質材料で作られたものが実用に供されている。このよう
な静圧軸受装置は、例えば、特許第3180992号公
報、および、図8にも示されるように、回転軸部材2を
回動可能に支持する軸受部材6および8を備えるベアリ
ングハウジング4と、ベアリングハウジング4の内部に
形成され軸受部材6および8にそれぞれ加圧流体を供給
する内部導入路14と、を含んで構成されている。
【0003】回転軸部材2の一端には、従動側連結部2
Cが設けられている。従動側連結部2Cには、例えば、
斯かる軸受装置が工作機械に用いられる場合、工具とし
ての砥石が固定され、あるいは、斯かる軸受装置が測定
機械に用いられる場合にあっては被測定物が載置される
テーブルが固定されるものとされる。
【0004】回転軸部材2の他端には、回転軸部材2を
回動させるモータ10の出力軸に連結される駆動側連結
部2Dが設けられている。
【0005】回転軸部材2における従動側連結部2Cと
駆動側連結部2Dとの間には、回転軸部材2の軸線に対
し直交するように相対向して形成されるフランジ部2F
Aおよび2FBが所定の間隔で設けられている。回転軸
部材2の外周面におけるフランジ部2FAとフランジ部
2FBとの間の部分は、ベアリングハウジング4の内周
面4aに対し所定の隙間をもって挿入されている。
【0006】ベアリングハウジング4の内周面4aに連
通する開口端部には、それぞれ、軸受部材6および8が
設けられている。環状の軸受部材6および8は、それぞ
れ、所定の空孔径および空孔率を有する多孔質材料で作
られている。軸受部材6および8における互いに直交す
る二つの外周面は、それぞれ、フランジ部2FAおよび
フランジ部2FBの表面に対し、また、回転軸部材2の
外周面におけるフランジ部2FAとフランジ部2FBと
の間の部分に対し所定の隙間をもって対向している。ま
た、軸受部材6および8の内部は、内部導入路14の分
岐路にそれぞれ連通している。内部導入路14の一端
は、加圧流体供給源に接続される供給路12に連通して
いる。
【0007】斯かる構成において、加圧流体供給源から
の加圧流体が供給路12および内部導入路14を通じて
軸受部材6および8に圧送されるとともに、モータ10
が作動状態とされる場合、回転軸部材2におけるフラン
ジ部2FAおよびフランジ部2FB、または、回転軸部
材2の外周面におけるフランジ部2FAとフランジ部2
FBとの間の部分が各隙間に流入される加圧流体により
半径方向および軸線方向に対し浮揚され支持されること
となる。従って、このモータ10の回転力が回転軸部材
2を介して従動側連結部2C側に伝達されることによ
り、砥石あるいはテーブルが回転されることとなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一般に、上述のような
軸受部材6および8に用いられる多孔質材料の空孔径
は、例えば、少なくとも約100μm以上程度とされ、
多孔質材料のコンダクタンス(流量を二つの断面におけ
る圧力差で除した値)が大となるので必要とされる加圧
流体の流量も比較的大となることが要求される。
【0009】しかし、上述のような加圧流体供給源から
供給される加圧流体の圧力が何らかの原因により急峻に
減少した場合、あるいは、加圧流体供給源の故障により
加圧流体の供給が停止せしめられた場合、加圧流体の十
分な量が確保されないこととなる。その結果として、回
転軸部材2の外周面、フランジ部2FAおよびフランジ
部2FBの表面と軸受部材6および8の外周面との間の
隙間内の圧力が所定値以下に急激に減少するので回転軸
部材2の外周面と軸受部材6および8の外周面とが接触
し、軸受部材6および8の軸受面および回転軸部材2の
外周面が損傷する虞がある。
【0010】以上の問題点を考慮し、本発明は、多孔質
材料で形成される軸受面を有し軸受面に多孔質材料を介
して供給される加圧流体の圧力により回転部材を支持す
る軸受装置であって、加圧流体の圧力が急峻に低下した
場合であっても、軸受面と回転中の回転部材の表面との
接触を回避することができる軸受装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る軸受装置は、回転軸の外周面に対し
所定の隙間を介して配され、多孔質材料で形成される軸
受面を有する軸受部材と、軸受部材の空孔を含んで形成
され、隙間に回転軸の外周面を支持する加圧流体を供給
する加圧流体供給路と、を備え、軸受部材の軸受面にお
ける表層部近傍に開口する各空孔の開口端に、絞り部が
それぞれ形成されることを特徴とする。
【0012】また、軸受面がセラミック材料で形成さ
れ、かつ、隙間が比較的狭く形成されてもよい。隙間の
容積に比して大なる容積を有し加圧流体を蓄圧する蓄圧
器が、加圧流体供給路に設けられてもよい。
【0013】さらに、加圧流体を加圧流体供給路を通じ
て供給する加圧流体供給源と軸受部材の軸受面との間
に、加圧流体供給源側からの加圧流体を軸受部材の軸受
面側への方向にのみ加圧流体を通過させる逆流防止手段
が設けられてもよい。
【0014】さらにまた、加圧流体供給路内の加圧流体
の圧力を検出し検出出力を送出する圧力検出器と、回転
軸を回動させる駆動手段に、回動動作を行なわせるとと
もに、圧力検出器からの検出出力に基づいて加圧流体の
圧力が所定値以下となるとき、駆動手段に、回動動作を
禁止させる制御手段とを備えるものであってもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る軸受装置の
第1実施例の全体構成を、それに支持される磁気記録媒
体とともに概略的に示す。
【0016】図1に示される軸受装置は、例えば、円盤
状の磁気記録媒体の特性を検査する検査装置内に静圧軸
受装置として内蔵されている。
【0017】軸受装置は、後述するラジアルパッドおよ
びスラストパッドを収容するベアリングハウジング20
と、金属製のベアリングハウジング20の一端に結合さ
れ後述する駆動用モータを支持する金属製のモータハウ
ジング22と、ベアリングハウジング20内における小
径部20aに焼きばめにより固定され回転軸24を回動
可能に支持すべくその半径方向側から後述する加圧流体
を回転軸24に向けて噴出するラジアルパッド26と、
ラジアルパッド26に隣接して大径部20bに配され回
転軸24を回動可能に支持すべく、その軸線方向側から
加圧流体を回転軸24に向けて噴出する一対のスラスト
パッド28および30と、スラストパッド28とスラス
トパッド30との間に配されスラストパッド28とスラ
ストパッド30との間の相互間距離を所定の値に設定す
るスペーサ32と、を主な要素として構成されている。
回転軸24は、加圧流体が供給されるとき、加圧流体の
圧力により回動可能に支持され吸着盤31を介して磁気
記録媒体DIを保持するものとされる。
【0018】回転軸24は、一端に吸着盤31が固定さ
れる長軸部24aと、一端に駆動用モータ34の出力軸
に連結される短軸部24sと、長軸部24aの他端と短
軸部24sの他端との間の同一軸線上に形成されるフラ
ンジ部24fとからなる。
【0019】磁気記録媒体DIを軸心が一致するように
その平坦面を保持する吸着盤31は、軸心が互いに一致
するように長軸部24aの一端に固定されている。
【0020】フランジ部24fは、その両端面が長軸部
24aおよび短軸部24sの軸線に対し略直交するよう
に形成されている。フランジ部24fの両端面は、それ
ぞれ、互いに平行な平坦面を有している。
【0021】モータハウジング22は、内部に駆動用モ
ータ34を収容する収容部を内側に有している。モータ
ハウジング22の開口端は、ベアリングハウジング20
の一端に結合されている。
【0022】駆動用モータ34の出力軸は、その軸心を
回転軸24の中心軸線に一致させるように短軸部24s
に連結されている。駆動用モータ34は、図示が省略さ
れる駆動回路部からの駆動制御信号に基づいて制御され
る。駆動用モータ34の出力軸の回転は、例えば、その
回転軸24の回転数が一分間あたり10000〜200
00回転の領域となるように制御される。
【0023】ベアリングハウジング20は、一方の端部
に開口する小径部20aと、小径部20aに連通し他方
の端部に開口する大径部20bとを内部に有している。
大径部20bの直径は、小径部20aの直径に比して大
に設定されている。
【0024】小径部20aの周縁には、ラジアルパッド
26の各分岐路に連通する共通通路20Raがラジアル
パッド26に対応して形成されている。共通通路20R
aの一方の端部は、加圧流体供給源としてのコンプレッ
サ40からの調圧された加圧流体を導く供給路38の一
端に接続されている。コンプレッサ40は、例えば、所
定の調圧された空気を加圧流体として供給路38を通じ
て供給する。
【0025】共通通路20Raには、供給される空気の
一部をスラストパッド28に供給する分岐路20Rbの
一端が接続されている。
【0026】ラジアルパッド26は、図3(A)および
(B)に示されるように、セラミック材料で円筒状に形
成されており、回転軸24の長軸部24aが挿入される
内側に軸受面26aを有している。軸受面26aの直径
は、回転軸24の長軸部24aの外周面との間に約10
μm以下の隙間が生じるように設定されている。ラジア
ルパッド26の両端部近傍における軸受面26aには、
それぞれ、環状に多孔質材料でスポンジ状に形成された
多孔質部26Pが形成されている。多孔質部26Pを形
成するにあたっては、例えば、特開昭6−116058
号公報にも示されるような方法により形成されてもよ
い。また、ラジアルパッド26における多孔質部26P
に対応する部分には、それぞれ、多孔質部26Pに開口
する貫通孔26hが複数個、均等に円周方向に沿って配
されている。これにより、上述の共通通路20Raに供
給された加圧流体が複数の貫通孔26hおよび多孔質部
26Pを通じて軸受面26aに供給されることとなる。
【0027】さらに、軸受面26aの一部を形成する多
孔質部26Pの表層部は、図4に拡大されて示されるよ
うに、所定の隙間CLをもって長軸部24aの外周面に
対向している。表層部近傍には、所定の空孔率をもって
多孔質部26Pの内部に形成される複数の空孔42ci
(i=1〜n、nは正の整数)が開口している。空孔4
2ciが開口する表面だけには、所定の表面処理が施さ
れ、比較的薄い膜厚の層44が形成されている。層44
には、各空孔42ciに対応して絞り部46がそれぞれ
形成されている。
【0028】各々の絞り部46を形成する方法として
は、例えば、特許第3180992号公報にも示される
方法が適用されてもよい。即ち、その表面の空孔42c
iだけに微細な粒をすりこんで焼き固める刷り込み方
法、または、その表面の空孔42ci周辺のみにメッキ
処理が行なわれることにより、空孔42ci周辺にのみ
絞り部46を形成する方法などが採用されてもよい。
【0029】スラストパッド28および30は、互いに
同一の構造とされるのでスラストパッド28のみについ
て説明し、スラストパッド30についての説明は省略す
る。
【0030】スラストパッド28は、セラミック材料で
円盤状に作られ、その中央部に長軸部24aが挿入され
る貫通孔28dを有している。貫通孔28dの周囲にお
ける所定の位置には、図2(C)に示されるように、半
径方向に延びる導入通路28Rbが内部に形成されてい
る。各導入通路28Rbの一端は、貫通孔28dを包囲
するように形成される環状の通路(図示は省略される)
に連通している。その共通の通路は、他の導入通路28
Rbの一端に連通している。
【0031】各導入通路28Rbの他端は、プラグ28
sにより閉塞されている。また、各導入通路28Rbの
他端近傍には、スラストパッド28の厚さ方向に沿って
直交する連通路28Raが複数形成されている。その複
数の連通路28Raのうちのひとつの連通路28Raの
一端は、上述の分岐路20Rbに連通している。スラス
トパッド28において円周方向に沿った連通路28Ra
の相互間には、それぞれ、締結用のボルトBoが挿入さ
れる貫通孔28bが設けられている。
【0032】スラストパッド28における回転軸24の
フランジ部24fに対向する軸受面28aの一部には、
上述の共通の通路に対応して環状の多孔質部28Pが多
孔質材料でスポンジ状に形成されている。
【0033】多孔質部28Pにおける軸受面28aの一
部を形成する表層部には、図4に拡大して示されるよう
な、上述したような所定の隙間CLをもって長軸部24
aの外周面に対向している。表層部近傍には、所定の空
孔率をもって多孔質部26Pの内部に形成される複数の
空孔42ci(i=1〜n、nは整数)が開口してい
る。空孔42ciが開口する表面だけには、所定の表面
処理が施され、比較的薄い膜厚の層44が形成されてい
る。層44には、各空孔42ciに対応して絞り部46
がそれぞれ形成されている。
【0034】従って、加圧流体の一部が分岐路20Rb
を通じて供給されるとき、図2(C)に示される矢印の
示す方向に沿って加圧空気が、連通路28Raおよび導
入通路28Rb、共通の通路、多孔質部28Pを通じて
軸受面28aの近傍に形成される隙間内に供給されるこ
ととなる。
【0035】その際、加圧空気の一部は、連通路28R
aを通じて図示が省略されるスペーサ32の連通孔を介
してスラストパッド30の連通路28Raに供給される
こととなる。
【0036】円筒状のスペーサ32は、フランジ部24
fを所定の隙間をもって包囲するような内周面を有する
とともに、スラストパッド28および30の貫通孔28
bに対応してボルトBoが挿入される孔を内周面に沿っ
て複数有している。
【0037】スペーサ32の厚さは、スラストパッド2
8および30相互間とフランジ部24fとの間に所定の
隙間が形成されるように、フランジ部24fの厚さに比
して約数10μm程度大に設定されている。
【0038】従って、スラストパッド28および30に
より挟持されるスペーサ32は、複数のボルトBoが上
述の各孔を介してベアリングハウジング20に設けられ
る雌孔にねじ込まれることにより、ベアリングハウジン
グ20にスラストパッド28および30とともに固定さ
れることとなる。その際、スラストパッド30の端面と
モータハウジング22の内面との間に空間36が形成さ
れる。
【0039】このような構成において、磁気記録媒体D
Iを吸着盤31を介して保持する回転軸24が駆動用モ
ータ34が作動状態とされるとき、回転せしめられる。
【0040】その際、コンプレッサ40が作動状態とさ
れるので所定の圧力の加圧空気が供給路38、共通通路
20Ra、分岐路20Rbを通じてラジアルパッド26
の多孔質部26P、スラストパッド28および30の多
孔質部28Pおよび30Pにそれぞれ、供給されること
となる。従って、調圧された空気が軸受面26aと長軸
部24aの外周面との隙間,および、軸受面28a,3
0aとフランジ部24fの表面との間の隙間に供給され
るので回転軸24が軸受面28a,30aに接触するこ
となく回動可能に加圧空気により支持されることとな
る。スラストパッド28および30における各隙間に供
給された空気は、図示が省略される排気通路を介して外
部に排出され、また、ラジアルパッド26の隙間に供給
された空気は、開口端を通じて外部に排出される。
【0041】仮に、例えば、何らかの原因によりコンプ
レッサ40から所定の圧力の空気の供給が停止した場合
であっても、多孔質部26P、多孔質部28Pおよび3
0Pにおいて、絞り部46が形成されているので急峻に
各隙間内の圧力が急激に減少する事態が回避されること
となる。
【0042】さらに、従来の装置では、軸受面に開口し
た空孔を、絞りを設けることなく開放したままの状態で
使用していたため、空孔を通過する流量が多く、圧力差
が生じにくいため軸受剛性(負荷容量および軸受隙間の
関数に基づいて算出される値)が上がらなかった。
【0043】一方、本発明においては、軸受面の表面に
開口した空孔の孔径を紋ることにより、コンダクタンス
が小さくなり、空孔を通過する流量が減少し、空孔の内
側と外側との間で圧力差が形成されやすくなる。また、
表面絞りを施したセラミックの軸受面と回転軸24の外
周面との間の隙間に高い圧力差を発生することが可能に
なるので軸受剛性(負荷容量および軸受隙間の関数に基
づいて算出される値)が向上される。
【0044】軸受けとして機能するためには、回転軸2
4の外周面と軸受面との隙間に、一定の圧力を保った加
圧流体が充填されている必要がある。本発明では、回転
軸の外周面と軸受面との片側隙間が10μm以下と狭く、
また、軸受面に開口する空孔の孔径を絞った多孔質セラ
ミックが使用されているので狭い軸受け面積でも上述の
軸受剛性があがることとなる。その結果、軸受けとして
機能するための必要な加圧流体が非常に少ない。
【0045】例えば、10μmの隙間で、直径および軸方
向の長さがそれぞれ15mm、40mmの回転軸をのセラ
ミック軸受けで支持する場合、軸受けとして機能するた
めに必要な加圧流体の体積は、π×15×0・01×40=18
・85{mm}と非常に小さい。従って、この空間に加
圧流体を供給するのは、容易である。
【0046】仮に、加圧流体の供給源からの供給量が減
少あるいは停止した場合であっても、上述の供給路内に
蓄積された量が軸受け隙間に比較して多いので軸受けと
して機能できなくなるまで隙間の圧力が低下するまでに
は、数10秒から数分の時間を要することとなる。その結
果、その低下するまでの間に、回転軸の回転数を安全な
回転数まで低下させることにより、高速回転する回転軸
と軸受けとの接触に起因した破損の危険性を下げること
ができることとなる。
【0047】図5は、本発明に係る軸受装置の第2実施
例の全体構成を、それに支持される磁気記録媒体ととも
に概略的に示す。
【0048】図5に示される例は、図1に示される例で
はコンプレッサ40からの調圧された空気が供給路38
を通じて直接的に共通通路20Raに供給される構成と
されるが、加えて、空気を蓄圧する蓄圧器50が供給路
38に設けられるものとされる。なお、図5に示される
例および後述する他の実施例においては、図1に示され
る例において同一とされる構成要素について同一の符号
を付して示しその重複説明を省略する。
【0049】図5において、蓄圧器50の内容量は、例
えば、約10cmに設定されている。従って、コンプ
レッサ40からの調圧された空気が一時的に蓄圧される
こととなる。軸受けとして機能するために必要な空気
量、約19[mm3]の約5万倍以上の容積を有しているの
で充分な補給機能を発揮することとなる。
【0050】その結果、コンプレッサ40が何らかの原
因で、連続して新たな空気を供給できない場合でも、上
述の軸受面と回転軸の外周面との隙間に、蓄圧器50か
ら徐々に軸受けとして機能するために必要な量の空気が
供給されることとなるので回転軸の外周面と軸受面とが
接触するまでに数分の期間が確保される。
【0051】例えば、その期間に回転軸24の回転を停
止させることにより、回転軸24の破損が回避される。
【0052】図6は、本発明に係る軸受装置の第3実施
例の全体構成を、それに支持される磁気記録媒体ととも
に概略的に示す。
【0053】図6に示される例は、図1に示される例で
はコンプレッサ40からの調圧された空気が供給路38
を通じて直接的に共通通路20Raに供給される構成と
されるが、加えて、空気を蓄圧する蓄圧器50、およ
び、上流側から下流側への一方向のみ空気を通過させる
逆止弁52が供給路38に設けられるものとされる。
【0054】図6に示される例において、逆止弁52が
設けられることにより、コンプレッサ40の圧力が何ら
かの原因で低下した場合でも、蓄圧器50から空気がコ
ンプレッサ40側に逆流する事態が回避される。従っ
て、上述の回転軸24の外周面と軸受面との間の隙間の
圧力が低下し、回転軸24と軸受面とが急激に接触する
事態が回避されることとなる。
【0055】図7は、本発明に係る軸受装置の第4実施
例の全体構成を、それに支持される磁気記録媒体ととも
に概略的に示す。
【0056】図7に示される例は、図1に示される例で
はコンプレッサ40からの調圧された空気が供給路38
を通じて直接的に共通通路20Raに供給される構成と
されるが、加えて、空気を蓄圧する蓄圧器50および、
上述の逆止弁52と、蓄圧器50内の圧力を検出し検出
出力信号Spを送出する圧力センサ58とが供給路38
に設けられるものとされる。
【0057】図7に示される例においては、さらに、制
御ユニット54を備えている。制御ユニット54には、
圧力センサ58からの検出出力信号Spが供給される。
【0058】制御ユニット54は、検出出力信号Spに
基づいて蓄圧器50内の圧力が所定の許容範囲内にある
場合、制御信号Cdを形成しそれをモータ駆動回路部5
6に供給する。モータ駆動回路部56は、制御信号Cd
に基づいて駆動信号Cdsを形成しそれを駆動用モータ
34に供給する。これにより、駆動用モータ34が作動
状態とされる。
【0059】一方、制御ユニット54は、検出出力信号
Spに基づいて蓄圧器50内の圧力が、所定の許容範囲
内の最小値未満となる場合、即ち、何らかの原因でコン
プレッサ40からの空気の圧力が低下した場合、回転軸
24の回転を緊急停止させるべく、制御信号Csを形成
しそれをモータ駆動回路部56に供給する。これによ
り、モータ駆動回路部56は、制御信号Csに基づいて
駆動信号Cdsの供給を停止する。その結果、回転軸2
4は、上述したような回転軸の外周面と軸受面とが接触
するまでの期間内に停止せしめられることとなる。
【0060】従って、隙間に供給される空気の供給圧力
が低下しても、高速回転する回転軸24の外周面が、ラ
ジアルパッド26、スラストパッド28、および30の
軸受面26a,28a,30aに急激に接触し、破損す
ることを回避することができる。
【0061】なお、上述の例においては、制御ユニット
54は、蓄圧器50内の圧力に基づいて駆動用モータ3
4の作動を制御しているが、かかる例に限られることな
く、例えば、制御ユニット54は、供給路38内の圧
力、または、ベアリングハウジング20内の共通通路2
0Ra内の圧力に基づいて駆動用モータ34の作動を制
御してもよいことは勿論である。また、加圧流体は、空
気のような気体に限られることなく、オイル等の他の加
圧流体であってもよい。
【0062】上述の各実施例によれば、軸受けとして使
用するセラミックの多孔体部分の表面に開口した空孔が
絞られ、回転軸の外周面と軸受面との隙間が狭められる
ことにより、軸受けとして機能するために必要とされる
空気量が少なくされるので、空気の供給が減少しても、
高速回転する回転軸の外周面と軸受面が接触するまでの
期間に、数10秒から数分の時間が要される。
【0063】従って、この期間に回転軸(以下、スピン
ドルともいう)を停止させることにより、スピンドルの
破損を防止することができる。しかも、スピンドルに給
気するための設備を小さくしたエアスピンドルユニット
を構成することができる。
【0064】さらに、回転軸の外周面と軸受面との間の
隙間の容積に比して大きな容積を有する蓄圧器50が供
給路38に備えられるので、回転軸の外周面と軸受面と
の間の隙間への空気の供給量が低下しても回転軸の外周
面と軸受面との間の狭い隙間に供給される気体量が急激
に減少しない。従って、回転軸の外周面と軸受面とが急
激に接触して回転軸の外周面が破損することを防止する
ことができる。
【0065】空気の供給圧力が低下しても、逆止弁52
により、蓄圧器50および供給ライン内に残存する空気
が空気供給源側には逆流せずに、空気が上述の隙間の緩
やかな圧力低下に応じて排出される。
【0066】これによって、スピンドルの外周面と軸受
面と間の狭い隙間の圧力が急激に低下しないのでスピン
ドルの外周面と軸受面とが急激に接触し、スピンドルの
外周面が破損することを防止することができる。
【0067】隙間への空気の供給圧力が低下しても、蓄
圧器50内の圧力低下が始まると同時に、制御ユニット
54が制御信号を駆動回路に発し、スピンドルの駆動装
置である駆動用モータを停止させることができるのでス
ピンドルの回転が抑制される。その結果、スピンドルが
高速回転しつつ、その外周面が軸受面に接触して破損す
ることを防止することができる。
【0068】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る軸受装置によれば、軸受部材の軸受面における表
層部近傍に開口する各空孔の開口端に、絞り部がそれぞ
れ形成されるので隙間内の圧力の低下が抑制され、従っ
て、隙間に供給される加圧流体の圧力が急峻に低下した
場合であっても、軸受面と回転中の回転部材の表面との
接触を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軸受装置の第1実施例の全体構成
を概略的に示す構成図である。
【図2】(A)は、図1に示される例において用いられ
るスラストパッドを示す正面図であり、(B)は、
(A)に示されるスラストパッドの側面図であり、
(C)は、(A)におけるC−C線に沿って示される部
分断面図である。
【図3】(A)は、図1に示される例において用いられ
るラジアルパッドを一部を破断して示す正面図であり、
(B)は、(A)に示されるラジアルパッドの側面図で
ある。
【図4】図1に示される例において用いられる回転軸の
外周面と軸受面との間の部分を拡大して示す部分断面図
である。
【図5】本発明に係る軸受装置の第2実施例の全体構成
を概略的に示す構成図である。
【図6】本発明に係る軸受装置の第3実施例の全体構成
を概略的に示す構成図である。
【図7】本発明に係る軸受装置の第4実施例の全体構成
を概略的に示す構成図である。
【図8】従来の軸受装置の要部の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
20Ra 共通通路 20Rb 分岐路 24 回転軸 26 ラジアルパッド 26a 軸受面 26P 多孔質部 28 スラストパッド 28a 軸受面 28P 多孔質部 30 スラストパッド 34 駆動用モータ 38 供給路 40 コンプレッサ 50 蓄圧器 52 逆止弁 54 制御ユニット 58 圧力センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 康弘 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 (72)発明者 佐藤 紀夫 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内 Fターム(参考) 3J102 AA02 BA03 BA17 BA18 CA13 EA02 EA06 EA09 EA18 EB02 EB14 FA06 FA08 GA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸の外周面に対し所定の隙間を介し
    て配され、多孔質材料で形成される軸受面を有する軸受
    部材と、 前記軸受部材の空孔を含んで形成され、前記隙間に前記
    回転軸の外周面を支持する加圧流体を供給する加圧流体
    供給路と、を備え、 前記軸受部材の軸受面における表層部近傍に開口する各
    空孔の開口端に、絞り部がそれぞれ形成されることを特
    徴とする軸受装置。
  2. 【請求項2】 前記軸受面がセラミック材料で形成さ
    れ、かつ、前記隙間が比較的狭く形成されることを特徴
    とする請求項1記載の軸受装置。
  3. 【請求項3】 前記隙間の容積に比して大なる容積を有
    し前記加圧流体を蓄圧する蓄圧器が前記加圧流体供給路
    に設けられることを特徴とする請求項1記載の軸受装
    置。
  4. 【請求項4】 前記加圧流体を前記加圧流体供給路を通
    じて供給する加圧流体供給源と前記軸受部材の軸受面と
    の間に、該加圧流体供給源からの前記加圧流体を前記軸
    受部材の軸受面側への方向にのみ該加圧流体を通過させ
    る逆流防止手段が設けられることを特徴とする請求項1
    記載の軸受装置。
  5. 【請求項5】 前記加圧流体供給路内の加圧流体の圧力
    を検出し検出出力を送出する圧力検出器と、 前記回転軸を回動させる駆動手段に、回動動作を行なわ
    せるとともに、前記圧力検出器からの検出出力に基づい
    て前記加圧流体の圧力が所定値以下となるとき、該駆動
    手段に、回動動作を禁止させる制御手段とを備えること
    を特徴とする請求項3記載の軸受装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005282710A (ja) * 2004-03-29 2005-10-13 Oiles Ind Co Ltd 多孔質静圧気体軸受及びその製造方法
JP2017210991A (ja) * 2016-05-24 2017-11-30 ユニバーサル製缶株式会社 流体軸受の異常検知装置及び異常検知方法
WO2022025016A1 (ja) * 2020-07-30 2022-02-03 ファナック株式会社 加圧流体供給システム

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