JP2003314317A - 燃料切替内燃機関制御方法及び装置 - Google Patents

燃料切替内燃機関制御方法及び装置

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JP2003314317A
JP2003314317A JP2002120492A JP2002120492A JP2003314317A JP 2003314317 A JP2003314317 A JP 2003314317A JP 2002120492 A JP2002120492 A JP 2002120492A JP 2002120492 A JP2002120492 A JP 2002120492A JP 2003314317 A JP2003314317 A JP 2003314317A
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pressure
injection valve
valve
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】燃料として複数種類を切り替えて用いる内燃機
関において、燃料噴射しない側の燃料噴射弁に生じる異
常を防止する。 【解決手段】燃料をガソリンからCNGへ切り替える際
(S100で「YES」、S108で「YES」)に、
第1燃料噴射弁における噴射圧力Pfgを抜くこと(S
112)により、第1燃料噴射弁の駆動停止期間に第1
燃料噴射弁に働く噴射圧力を低減あるいは消去すること
ができる。このため第1燃料噴射弁の固着や燃料リーク
と言った異常を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数種類の各燃料
毎に燃料噴射弁を設けて、噴射が要求される燃料に対応
する燃料噴射弁から燃料を噴射させて燃焼させる内燃機
関における燃料切替内燃機関制御方法及び燃料切替内燃
機関制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料として複数種類を切り替えて用いる
内燃機関、例えば、車両用として用いられるバイフュー
エルエンジンが知られている。このバイフューエルエン
ジンは例えばガソリンとCNG(圧縮天然ガス)との2
種類を燃料として使用している。このことにより、例え
ば、通常走行ではNOx等の排気有害成分低減の観点か
らCNGを燃料として内燃機関の運転を行い、一時的に
高出力が必要な場合にCNGより高出力となるガソリン
を燃料として内燃機関を運転することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、CNGを燃料
として用いている場合には、他方のガソリンを噴射する
ための燃料噴射弁は内部に噴射圧力を維持したまま全く
開弁しない状態が継続することになる。このような状態
が長期間継続すると、燃料噴射弁が内開弁タイプの場合
には固着し易くなり、ガソリンに切り替えようとしても
ガソリンが噴射されずに内燃機関の運転が継続できなく
なるおそれがある。更に、弁シート部の摩耗が生じてシ
ール性が悪化していた場合には、噴射停止中に燃料リー
クが生じるおそれがある。
【0004】又、外開弁タイプの燃料噴射弁でも、噴射
圧力を維持したまま閉弁状態が継続すると燃料噴射弁か
ら燃料リークが生じるおそれがある。本発明は、燃料と
して複数種類を切り替えて用いる内燃機関において、燃
料噴射しない側の燃料噴射弁に生じる異常を防止するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】以下、上記目的を達成す
るための手段及びその作用効果について記載する。請求
項1に記載の燃料切替内燃機関制御方法は、複数種類の
各燃料毎に燃料噴射弁を設けて、噴射が要求される燃料
に対応する燃料噴射弁から燃料を噴射させて燃焼させる
内燃機関における制御方法であって、燃料を切り替える
場合には、噴射停止側燃料噴射弁における噴射圧力を抜
くことを特徴とする。
【0006】噴射停止側燃料噴射弁における噴射圧力を
抜くことにより、噴射停止側燃料噴射弁に働く噴射圧力
を低減あるいは消去することができる。このため噴射停
止側燃料噴射弁の固着や燃料リークと言った異常を防止
することができる。
【0007】請求項2に記載の燃料切替内燃機関制御方
法では、請求項1において、燃料の切り替え時に、前記
噴射停止側燃料噴射弁への燃料圧送を停止すると共に、
該噴射停止側燃料噴射弁における噴射圧力を抜くことを
特徴とする。
【0008】このように更に噴射停止側燃料噴射弁への
燃料圧送を停止することにより、噴射圧力の低減あるい
は消去を確実なものとすることができる。このため噴射
停止側燃料噴射弁の固着や燃料リークと言った異常を一
層効果的に防止することができる。
【0009】請求項3に記載の燃料切替内燃機関制御方
法では、請求項2において、燃料の切り替え時に、前記
噴射停止側燃料噴射弁から燃料を噴射させることで該噴
射停止側燃料噴射弁における噴射圧力を抜くことを特徴
とする。
【0010】噴射圧力を抜く手法としては、燃料の圧送
が停止された状態で噴射停止側燃料噴射弁から燃料を噴
射させることで可能であり、特別な機構を設けなくても
噴射圧力の低減あるいは消去が可能となる。このため製
造コストを抑制できる。
【0011】請求項4に記載の燃料切替内燃機関制御方
法では、請求項3において、燃料の切り替え後におい
て、前記噴射停止側燃料噴射弁から噴射される燃料量に
対応して、新たに噴射される燃料の噴射量を減少するこ
とを特徴とする。
【0012】噴射停止側燃料噴射弁からの燃料噴射によ
り噴射圧力を抜く場合には、噴射開始した燃料噴射弁か
ら噴射される別種の燃料に対して、噴射停止側燃料噴射
弁から噴射される燃料が加わることになる。したがっ
て、過剰な燃料濃度状態を防止するために、噴射停止側
燃料噴射弁からの噴射量に対応して、新たに噴射される
燃料の噴射量を減少する。このことにより燃料濃度を適
切な状態に維持することができる。
【0013】請求項5に記載の燃料切替内燃機関制御方
法では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記複数種
類の燃料とは、ガソリンと、ガス燃料との組み合わせで
あることを特徴とする。
【0014】より具体的には、複数種類の燃料として
は、ガソリンとガス燃料(例えば、CNG、LPG、水
素、ジメチルエーテル等)との組み合わせを挙げること
ができ、前述したごとく噴射停止側燃料噴射弁の固着や
燃料リークと言った異常を防止することができる。
【0015】請求項6に記載の燃料切替内燃機関制御方
法では、請求項1〜5のいずれかにおいて、一時的に用
いる燃料から定常的に用いる燃料への切り替えが有った
場合に噴射停止側燃料噴射弁における噴射圧力を抜き、
定常的に用いる燃料から一時的に用いる燃料への切り替
えが有った場合に噴射停止側燃料噴射弁における噴射圧
力を抜くのを禁止することを特徴とする。
【0016】特に、一時的に用いる方の燃料噴射弁が噴
射停止側燃料噴射弁となった場合に、噴射停止の期間が
長期にわたり、燃料噴射弁の固着や燃料リークと言った
異常を生じやすい。このため一時的に用いる燃料から定
常的に用いる燃料への切り替えが有った場合に噴射停止
側燃料噴射弁における噴射圧力を抜いて、一時的に用い
る方の燃料噴射弁にて固着や燃料リークと言った異常を
防止する。そして、逆の場合、すなわち定常的に用いる
燃料から一時的に用いる燃料への切り替えが有った場合
に噴射停止側燃料噴射弁における噴射圧力を抜くのを禁
止する。このことにより短期間後に定常的に用いる側の
燃料が再度噴射対象になった場合に、維持されていた噴
射圧力にて初期から十分良好な燃料噴射が可能となるの
で、定常的に用いる燃料による燃焼に迅速に戻すことが
できる。
【0017】請求項7に記載の燃料切替内燃機関制御装
置は、複数種類の各燃料毎に燃料噴射弁を設けて、噴射
が要求される燃料に対応する燃料噴射弁から燃料を噴射
させて燃焼させる内燃機関における制御装置であって、
燃料の切り替え要求を検出する切替要求検出手段と、前
記切替要求検出手段にて検出された要求に応じて燃料を
切り替える燃料切替手段と、前記燃料切替手段にて燃料
を切り替える際に、噴射停止側燃料噴射弁における噴射
圧力を抜く噴射圧力除去手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0018】噴射圧力除去手段は、燃料切替手段が燃料
を切り替える際に、噴射停止側燃料噴射弁における噴射
圧力を抜くことにより、噴射停止側燃料噴射弁に働く噴
射圧力を低減あるいは消去することができる。このため
噴射停止側燃料噴射弁の固着や燃料リークと言った異常
を防止することができる。
【0019】請求項8に記載の燃料切替内燃機関制御装
置では、請求項7において、前記噴射圧力除去手段は、
燃料の切り替え時に、前記噴射停止側燃料噴射弁への燃
料圧送を停止すると共に、該噴射停止側燃料噴射弁にお
ける噴射圧力を抜くことを特徴とする。
【0020】このように更に噴射圧力除去手段は、噴射
停止側燃料噴射弁への燃料圧送を停止することにより、
噴射圧力の低減あるいは消去を確実なものとすることが
できる。このため噴射停止側燃料噴射弁の固着や燃料リ
ークと言った異常を一層効果的に防止することができ
る。
【0021】請求項9に記載の燃料切替内燃機関制御装
置では、請求項8において、前記噴射圧力除去手段は、
燃料の切り替え時に、前記噴射停止側燃料噴射弁から燃
料を噴射させることで該噴射停止側燃料噴射弁における
噴射圧力を抜くことを特徴とする。
【0022】噴射圧力除去手段は、例えば、燃料の圧送
が停止された状態で噴射停止側燃料噴射弁から燃料を噴
射させることで噴射圧力の低減あるいは消去が可能とな
る。このことにより特別に噴射圧力を抜く機構を設ける
必要が無く、製造コストを抑制できる。
【0023】請求項10に記載の燃料切替内燃機関制御
装置では、請求項9において、燃料の切り替え後におい
て、前記噴射停止側燃料噴射弁から噴射される燃料量に
対応して、新たに噴射される燃料の噴射量を減少する噴
射開始側燃料噴射量制御手段を備えたことを特徴とす
る。
【0024】噴射圧力除去手段が噴射停止側燃料噴射弁
からの燃料噴射により噴射圧力を抜く場合には、新たに
噴射開始した燃料噴射弁から噴射される別種の燃料に対
して、噴射停止側燃料噴射弁から噴射される燃料が加わ
ることになる。このため噴射開始側燃料噴射量制御手段
を設けて、噴射停止側燃料噴射弁からの噴射量に対応し
て、新たに噴射される燃料の噴射量を減少する。このこ
とにより燃料の過濃な状態を防止し、燃料濃度を適切な
状態に維持することができる。
【0025】請求項11に記載の燃料切替内燃機関制御
装置では、請求項7〜10のいずれかにおいて、前記複
数種類の燃料とは、ガソリンと、ガス燃料との組み合わ
せであることを特徴とする。
【0026】より具体的には、複数種類の燃料として
は、ガソリンとガス燃料(例えば、CNG、LPG、水
素、ジメチルエーテル等)との組み合わせを挙げること
ができ、前述したごとく噴射停止側燃料噴射弁の固着や
燃料リークと言った異常を防止することができる。
【0027】請求項12に記載の燃料切替内燃機関制御
装置では、請求項7〜11のいずれかにおいて、前記噴
射圧力除去手段は、一時的に用いる燃料から定常的に用
いる燃料への切り替えが有った場合に噴射停止側燃料噴
射弁における噴射圧力を抜き、定常的に用いる燃料から
一時的に用いる燃料への切り替えが有った場合に噴射停
止側燃料噴射弁における噴射圧力を抜くのを禁止するこ
とを特徴とする。
【0028】前記請求項6の部分にて述べたごとく、特
に、一時的に用いる方の燃料噴射弁が噴射停止側燃料噴
射弁となった場合に異常を生じやすい。このため噴射圧
力除去手段は、一時的に用いる燃料から定常的に用いる
燃料への切り替えが有った場合に噴射停止側燃料噴射弁
における噴射圧力を抜いて、燃料噴射弁の異常を防止す
る。そして、燃料の切り替えが逆の場合には噴射停止側
燃料噴射弁における噴射圧力を抜くのを禁止する。この
ことにより短時間後に定常的に用いる側の燃料が再度噴
射対象になった場合に、維持されていた噴射圧力にて初
期から十分良好な燃料噴射が可能となるので、定常的に
用いる燃料による燃焼に迅速に戻すことができる。
【0029】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用された車両用のバイフューエルエンジンの
概略構成を表すブロック図である。ここでエンジン2は
内部の燃焼室(図示略)に吸気経路4及び吸気バルブ
(図示略)を介して空気を導入している。吸気経路4の
途中にはモータにて駆動されるスロットルバルブ6が設
けられて、吸気経路4を流れる吸入空気の調量を実行し
ている。吸気経路4を流れる吸入空気量GAは吸入空気
量センサ8にて検出されている。
【0030】燃焼室手前の吸気ポート(図示略)には各
気筒につき2つの燃料噴射弁10,12が設けられてい
る。これら燃料噴射弁10,12はそれぞれ専用のデリ
バリパイプ10a,12aから、異なる種類の燃料を供
給され、燃料噴射タイミングにていずれかの燃料噴射弁
10,12から吸気ポートへ燃料が噴射される。この
内、第1燃料噴射弁10は、ガソリンタンク14からの
ガソリンが、ガソリン供給経路15を介して圧送装置1
6により加圧されて圧送されてくる。ガソリンタンク1
4には燃料レベルセンサ14aが設けられてガソリン残
量を検出している。尚、図示していないが噴射量以上に
デリバリパイプ10aに過剰に供給されたガソリンはリ
ターン経路によりガソリンタンク14や圧送装置16に
戻される。
【0031】又、第2燃料噴射弁12はCNGタンク1
8からCNG供給経路19により調圧装置20を介して
CNGが送られてくる。したがってエンジン2ではガソ
リン又はCNGのいずれかが燃焼室に導入されて、点火
プラグ22により点火されて燃焼がなされることにな
る。
【0032】尚、ガソリン供給経路15の内、圧送装置
16の下流には第1燃料圧力センサ15aが配置され、
ガソリンの噴射圧力Pfgを検出している。又、CNG
供給経路19の内、調圧装置20の上流側にはCNG圧
力センサ19aが配置されてCNG残量を検出し、調圧
装置20の下流には第2燃料圧力センサ19bが配置さ
れてCNGの噴射圧力Pfcを検出している。又、デリ
バリパイプ10a,12aには、それぞれ燃料温度セン
サ10b,12bが設けられて、噴射される各燃料の温
度THg,THcを検出している。
【0033】そして燃焼により燃焼室内に生じた排気
は、排気バルブ(図示略)を介して排気経路24に排出
される。この排気経路24には空燃比センサ26が設け
られており、排気成分に基づいて空燃比AFを検出して
いる。
【0034】ECU(電子制御ユニット)28はマイク
ロコンピュータを中心として構成されたエンジン制御回
路である。このECU28は、吸入空気量センサ8、燃
料温度センサ10b,12b、燃料レベルセンサ14
a、燃料圧力センサ15a,19b、CNG圧力センサ
19a、空燃比センサ26、スロットルバルブ6に内蔵
されているスロットル開度センサ6a、エンジン2のク
ランク軸の回転を検出するエンジン回転数センサ30、
ノッキングを検出するノックセンサ31、アクセルペダ
ル32の操作量を検出するアクセル開度センサ32a、
燃料切り替えスイッチ34、及び冷却水温センサなどの
他のセンサ類から必要な信号を受けている。又、ECU
28は、変速シフト等の処理を実行する他のECU36
とも信号的に接続されて相互に情報を交換している。
【0035】そしてこれらの情報に基づいて、ECU2
8は、スロットルバルブ6の開度(スロットル開度T
A)や燃料噴射弁10,12から吸気ポートへ噴射され
る燃料量を調整している。具体的には、アクセル開度セ
ンサ32aにて検出されるアクセルペダル32の操作量
(アクセル開度ACCP)に基づいて、エンジン2が要
求されている出力トルク算出し、この出力トルクが実現
されるスロットル開度TAとなるようにスロットルバル
ブ6を操作している。又、アイドルフィードバック制御
時においては、エンジン回転数NEが目標アイドル回転
数となるようにスロットルバルブ6を操作している。
【0036】そして、アイドル安定時や定常走行の場合
には、吸入空気量センサ8から検出される吸入空気量G
A及びエンジン回転数NEに基づいて理論空燃比での燃
焼が実現されるように、燃料噴射弁10,12のいずれ
かから噴射される燃料を、燃料噴射弁10,12の開弁
時間の長さで調量している。尚、この開弁時間は燃料圧
力センサ15a,19b及び燃料温度センサ12bの検
出値を考慮して算出される。更に、この開弁時間は、空
燃比センサ26にて検出される空燃比AFに基づいて高
精度に理論空燃比となるようにフィードバック制御され
ている。
【0037】次にECU28により実行される処理の内
で、ガソリンとCNGとの間での燃料切り替え時の燃料
噴射処理について説明する。図2は燃料噴射量制御処理
のフローチャートを示している。本処理はクランク軸が
エンジン2の気筒数に対応して予め定めたクランク角
(例えば4気筒なら180°、6気筒ならば120°)
を回転する毎に繰り返し実行される処理である。
【0038】本処理が開始されると、まず燃料噴射要求
がCNGか否かが判定される(S100)。CNGでな
ければ(S100で「NO」)、すなわちガソリンの燃
料噴射要求されていれば、圧送装置16によるガソリン
の圧送が実行される(S101)。尚、既に圧送装置1
6による圧送が実行されていれば、ここでは圧送状態が
継続される。
【0039】そしてガソリンの噴射圧力Pfgが、第1
燃料噴射弁10から良好に噴射できる圧力B以上となっ
ているか否かが判定される(S102)。ここで既にP
fg≧Bであれば(S102で「YES」)、次式1の
ごとく第1燃料噴射弁10による噴射時間TAUgが算
出される(S103)。
【0040】
【数1】 TAUg ← h(NE,GA,Pfg,AF,…) … [式1] ここで、h()は噴射時間TAUgを求めるための演算
式を表し、パラメータとしてエンジン回転数NE、吸入
空気量GA、ガソリンの噴射圧力Pfg及び空燃比AF
を用いて噴射時間TAUgを算出することを表してい
る。尚、パラメータとしては、NE,GA,Pfg,A
Fに限らず、他の検出値や情報を含めても良い。
【0041】そして、CNG用の第2燃料噴射弁12に
よる噴射時間TAUcに「0」を設定する(S10
4)。更に後述するCNG噴射要求継続カウンタCcに
「0」を設定して(S105)、一旦本処理を終了す
る。
【0042】このように第1燃料噴射弁10の噴射時間
TAUgが算出されることにより、噴射時間TAUgに
基づいて第1燃料噴射弁10の開弁時間が調整される。
このことで、エンジン運転状態に対応した量のガソリン
が噴射タイミングとなった気筒の吸気ポートに噴射され
る。尚、噴射時間TAUc=0であるので、第2燃料噴
射弁12からのCNGの噴射は停止されている。
【0043】以後も、燃料噴射要求がガソリンである限
り(S100で「NO」)、第1燃料噴射弁10の噴射
時間TAUgが算出され(S103)、第2燃料噴射弁
12の噴射時間TAUcに「0」が設定される(S10
4)ことにより、燃料としてはガソリンのみがエンジン
2に供給されることになる。
【0044】そして、ECU28による自動判定あるい
は燃料切り替えスイッチ34から運転者が指示すること
により、燃料噴射要求がCNGに切り替わった場合には
(S100で「YES」)、次の処理が行われる。
【0045】まず圧送装置16に対して停止指示信号を
出力して、ガソリンタンク14内のガソリンを、ガソリ
ン専用のデリバリパイプ10aに圧送することを停止す
る(S106)。次にCNG噴射要求継続カウンタCc
がガソリン燃料圧力消滅基準カウント値A以下か否かが
判定される(S108)。
【0046】CNG噴射要求継続カウンタCcは、CN
Gに燃料噴射要求が切り替わってからの噴射回数をカウ
ントするものである。ガソリン燃料圧力消滅基準カウン
ト値Aは、CNGに燃料噴射要求が切り替わってから後
述する第1燃料噴射弁10の開弁処理にて第1燃料噴射
弁10におけるガソリンの燃料圧力が消滅するまでの噴
射回数を表す値である。
【0047】CNGへの燃料噴射要求の切り替わり初期
においては、CNG噴射要求継続カウンタCc=0であ
るため、Cc<Aである。このためステップS108で
「YES」と判定されて、次式2のごとく、圧送装置1
6が停止した状態で、開弁時間αにより、第1燃料噴射
弁10から吸気ポートへ噴射されるガソリン噴射量dT
AUgが算出される(S110)。すなわち第1燃料噴
射弁10における残圧によるガソリン噴射量が算出され
る。
【0048】
【数2】 dTAUg ← gc(α,Cc) … [式2] gc()は、第1燃料噴射弁10の開弁時間αとCNG
噴射要求継続カウンタCcとに基づいて、開弁時間αの
間に、第1燃料噴射弁10が吸気ポートに噴射するガソ
リン燃料量を、CNG量に換算して求める演算式であ
る。すなわち、この演算式は、CNGへ燃料噴射要求の
切り替わる直前におけるガソリンが標準の燃料圧力にあ
るものとして、第1燃料噴射弁10の開弁時間α分の開
弁毎に、第1燃料噴射弁10から吸気ポートに噴射され
るガソリンの量をCNGに換算して求めるものである。
【0049】演算式gc()は例えば、図3に示すごと
く表すことができる。圧送装置16からのガソリン圧送
は停止されているので、噴射回数を表すCNG噴射要求
継続カウンタCcの増加と共に、第1燃料噴射弁10に
おけるガソリンの燃料圧力は低下する。したがってCN
G噴射要求継続カウンタCcの増加と共に、gc(α,
Cc)により算出されるガソリン噴射量dTAUgは減
少する。そして、最終的にガソリンの噴射圧力は消滅し
て、dTAUg=0となる。そしてこのようにガソリン
の噴射圧力が消滅した時のCNG噴射要求継続カウンタ
Ccがガソリン燃料圧力消滅基準カウント値Aに一致す
るように、ガソリン燃料圧力消滅基準カウント値Aの値
が予め設定されている。
【0050】次に第1燃料噴射弁10の噴射時間TAU
gに前記開弁時間αが設定される(S112)。このこ
とにより第1燃料噴射弁10には圧送装置16からの燃
料供給は無いが、ステップS108にて「YES」と判
定されている限り、第1燃料噴射弁10は繰り返し、開
弁時間αにて開弁することになる。
【0051】次に次式3に示すごとくCNG用の第2燃
料噴射弁12による噴射時間TAUcが算出される(S
114)。
【0052】
【数3】 TAUc ← f(NE,GA,Pfc,THc,AF,…) − fc(dTAUg,Pfc,THc) … [式3] ここでf()は、エンジン運転状態から噴射時間TAU
cを求めるための演算式を表し、パラメータとしてエン
ジン回転数NE、吸入空気量GA、CNGの噴射圧力P
fc、CNG温度THc及び空燃比AFを用いて噴射時
間TAUcを算出することを表している。尚、パラメー
タとしては、NE,GA,Pfc,THc,AFに限ら
ず、他の検出値や情報を含めても良い。
【0053】又、fc()は、前記ステップS110に
て求めたガソリン噴射量dTAUg(既にCNG量とし
て換算されている)を、CNGの現在の噴射圧力Pfc
及びCNG温度THcに基づいて第2燃料噴射弁12の
開弁時間として換算する演算式である。
【0054】このように、ガソリン噴射量dTAUgに
対応する開弁時間を減算しているのは、第1燃料噴射弁
10から同時に噴射されるガソリン分を、第2燃料噴射
弁12から噴射されるCNG量から削除することによ
り、混合気が過剰な燃料濃度となるのを未然に防止する
ためである。
【0055】そしてCNG噴射要求継続カウンタCcを
インクリメントして(S116)、本処理を一旦終了す
る。このようにCc≦Aである時には、第1燃料噴射弁
10の噴射時間TAUgと第2燃料噴射弁12の噴射時
間TAUcとが算出されることにより、第1燃料噴射弁
10と第2燃料噴射弁12とから燃料噴射が実行され
る。このことで、ガソリンとCNGとの混合燃料が吸入
タイミングとなった気筒に対して、適切な燃料濃度にて
供給される。
【0056】そして、この間にCNG噴射要求継続カウ
ンタCcはインクリメント(S116)を繰り返すこと
により次第に増加する。このことにより、ステップS1
10にて算出されるガソリン噴射量dTAUgは次第に
小さくなり、ステップS114にて算出されるCNGの
噴射時間TAUcは本来の噴射時間に戻ってゆく。
【0057】そして第1燃料噴射弁10における噴射圧
力が燃料噴射により抜けることにより噴射圧力がほぼ
「0」となることに対応してガソリン噴射量dTAUg
がほぼ「0」となる。この時に、Cc>Aとなるので
(S108で「NO」)、次式4に示すごとく第2燃料
噴射弁12による噴射時間TAUcが算出される(S1
18)。
【0058】
【数4】 TAUc ← f(NE,GA,Pfc,THc,AF,…) … [式4] この式4は、前記式3にて説明した演算式f()により
噴射時間TAUcを求めるものである。
【0059】そして次に第1燃料噴射弁10の噴射時間
TAUgに「0」を設定して(S119)、本処理を一
旦終了する。したがって、以後は、噴射時間TAUcに
より、第2燃料噴射弁12からCNGのみが吸気ポート
に噴射されることになる。この時、第1燃料噴射弁10
におけるガソリンの噴射圧力は、ほぼ「0」に維持され
ている。
【0060】そしてECU28による自動判定あるいは
燃料切り替えスイッチ34から運転者が指示することに
より、燃料噴射要求がガソリンに切り替わった場合には
(S100で「NO」)、まず圧送装置16を駆動して
ガソリンタンク14内のガソリンをデリバリパイプ10
aに対して圧送することを開始する(S101)。
【0061】次に第1燃料圧力センサ15aにより検出
されたガソリンの噴射圧力Pfgが第1燃料噴射弁10
から良好に噴射できる圧力B以上となっているか否かが
判定される(S102)。初期にはPfg<Bである場
合があるので、この場合には(S102で「NO」)、
ステップS118に移行して、前記式4に示したごとく
第2燃料噴射弁12によるCNGの噴射時間TAUcを
算出する。そしてガソリンの噴射時間TAUgには
「0」を設定して(S119)、本処理を一旦終了す
る。したがって、Pfg<Bである(S102で「N
O」)間は、CNGの噴射が継続される。
【0062】圧送装置16による圧送により、第1燃料
噴射弁10における噴射圧力が圧力B以上となれば(S
102で「YES」)、前記式1のごとく第1燃料噴射
弁10の噴射時間TAUgが算出され(S103)、第
2燃料噴射弁12の噴射時間TAUcに「0」が設定さ
れる(S104)。そして、CNG噴射要求継続カウン
タCcに「0」が設定されて(S105)、一旦本処理
を終了する。このことによりエンジン2は第1燃料噴射
弁10から噴射されるガソリンのみによる燃焼に移行す
る。
【0063】本実施の形態における処理の一例を図4の
タイミングチャートに示す。燃料噴射要求がガソリンか
らCNGに切り替わると(t0)、ガソリンの圧送が停
止されると共に、ガソリンの噴射時間TAUgは予め設
定されている開弁時間αに固定される。このことにより
ガソリンの残圧により第1燃料噴射弁10から噴射され
るガソリン(dTAUg)は、残圧(Pfg)が低下す
るにしたがって小さくなる。又、CNGの噴射時間TA
UcはdTAUgの低下に伴い、増加して通常のレベル
に近づく。
【0064】そしてガソリンの噴射圧力Pfgがほぼ
「0」となる時には、Cc>Aとなるので(t1)。ガ
ソリンの噴射時間TAUgは「0」となり、CNGの噴
射時間TAUcは通常のレベルとなる。このことによ
り、以後、CNGのみの燃料噴射となる。
【0065】そして燃料噴射要求がCNGからガソリン
に切り替わると(t2)、圧送装置16から第1燃料噴
射弁10へのガソリン圧送が直ちに開始される。圧送初
期においてはガソリンの噴射圧力Pfgが不十分である
ので、第2燃料噴射弁12によるCNGの噴射は維持さ
れる。噴射圧力Pfgが、良好なガソリン噴射が可能な
圧力Bまで上昇すれば(t3)、直ちにCNGからガソ
リンの噴射へ切り替わる。
【0066】上述した構成において、ステップS100
が切替要求検出手段としての処理に、ステップS10
3,S104,S118,S119が燃料切替手段とし
ての処理に相当する。また、ステップS105,S10
6,S108,S112,S116が噴射圧力除去手段
としての処理に、ステップS110,S114が噴射開
始側燃料噴射量制御手段としての処理に相当する。
【0067】以上説明した本実施の形態1によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).燃料をガソリンからCNGへ切り替える際に、
第1燃料噴射弁10における噴射圧力Pfgを抜くこと
により、第1燃料噴射弁10に働く噴射圧力を低減ある
いは消去することができる。このため第1燃料噴射弁1
0の固着や燃料リークと言った異常を防止することがで
きる。
【0068】(ロ).噴射圧力Pfgを抜く処理は、圧
送装置16を停止させて、第1燃料噴射弁10にてガソ
リンを噴射させることにより実行している。このことに
より特別に噴射圧力を抜く機構を設ける必要が無く、製
造コストを抑制できる。
【0069】(ハ).噴射圧力Pfgを抜くために第1
燃料噴射弁10からガソリンを吸気ポートに噴射させる
時は、既に第2燃料噴射弁12からCNGが噴射されて
いるが、この時のCNGの噴射量は、ガソリン噴射量に
相当する分が減少されている。このことにより燃料の過
濃な状態を防止し、燃料濃度を適切な状態に維持するこ
とができる。
【0070】(ニ).本実施の形態では、CNGが定常
的に用いられ、ガソリンは高出力の必要に応じて一時的
に用いられるものである。このような場合には、一時的
に用いる方の第1燃料噴射弁10の方が、噴射停止期間
中に固着や燃料リークの異常を生じやすい。このため本
実施の形態では、ガソリンからCNGに燃料切り替えが
有った場合に、第1燃料噴射弁10側のガソリンの噴射
圧力を抜いて、第1燃料噴射弁10の異常を防止してい
る。
【0071】そしてCNGからガソリンに燃料切り替え
が有った場合には、第2燃料噴射弁12側のCNGの噴
射圧力を抜くのを禁止している。このことにより短時間
後に定常的に用いるCNGの噴射に戻った場合には、維
持されていたCNGの噴射圧力にて初期から十分良好な
燃料噴射が可能となるので、定常的な燃料による燃焼に
迅速に戻すことができる。
【0072】尚、CNGからガソリンに燃料が切り替わ
った場合においては、ガソリン燃料圧力が十分に上昇し
た後に、第1燃料噴射弁10によるガソリン噴射に切り
替えているので、機関運転の安定性を阻害することはな
い。
【0073】[実施の形態2]本実施の形態では、図5
に示す燃料噴射量制御処理が実行され、第1燃料噴射弁
10における噴射圧力Pfgに基づいてガソリンの噴射
圧力Pfgを抜くための第1燃料噴射弁10の開弁を実
行している。他の構成は前記実施の形態1と同じであ
る。燃料噴射量制御処理(図5)について説明する。本
処理は前記実施の形態1の燃料噴射量制御処理(図2)
と同じタイミングで繰り返し実行される処理である。
【0074】本処理が開始されると、まず燃料噴射要求
がCNGか否かが判定される(S200)。CNGでな
ければ(S200で「NO」)、以下、ステップS20
1〜S204の処理が実行されて、一旦本処理を終了す
る。これらの処理は前記実施の形態1の燃料噴射量制御
処理(図2)のステップS101〜S104と同じ処理
である。
【0075】したがってガソリンの噴射時間TAUgが
算出されることにより、噴射時間TAUgに基づいて第
1燃料噴射弁10の開弁時間が調整される。このこと
で、エンジン運転状態に対応した量のガソリンが噴射タ
イミングとなった気筒の吸気ポートに噴射される。
【0076】燃料噴射要求がCNGに切り替わった場合
には(S200で「YES」)、まず圧送装置16によ
るガソリンの圧送を停止する(S206)。次に第1燃
料圧力センサ15aにて検出される第1燃料噴射弁10
における噴射圧力Pfgが基準圧力Pa以上か否かが判
定される(S208)。この基準圧力Paは噴射圧力P
fgが、第1燃料噴射弁10の駆動停止期間において燃
料リークや弁固着などを生じさせない圧力の上限値を示
しており、例えば「0(kg/cm2)」が設定されている。
【0077】CNGへの燃料噴射要求の切り替わり初期
においては、Pfg>Paであるため(S208で「Y
ES」)、次式5のごとく、圧送装置16が停止した状
態で、第1燃料噴射弁10から吸気ポートへ噴射される
ガソリン噴射量dTAUgが算出される(S210)。
【0078】
【数5】 dTAUg ← gp(α,Pfg) … [式5] gp()は、第1燃料噴射弁10の開弁時間αと噴射圧
力Pfgとに基づいて、開弁時間αの間に、第1燃料噴
射弁10が吸気ポートに噴射するガソリン燃料量を、C
NG量に換算して求める演算式である。
【0079】演算式gp()は例えば、図6に示すごと
く表すことができる。圧送装置16からのガソリン圧送
は停止されているので、噴射時間αの噴射を繰り返す毎
に第1燃料噴射弁10における噴射圧力Pfgは低下す
る。このため周期毎に算出されるガソリン噴射量dTA
Ugは次第に低下することになる。そして、最終的に噴
射圧力Pfgは基準圧力Paまで低下する。ここではP
a=0であり、dTAUg=0となる。
【0080】次に第1燃料噴射弁10の噴射時間TAU
gに前記開弁時間αが設定される(S212)。このこ
とにより第1燃料噴射弁10には圧送装置16からの燃
料供給は無いが、ステップS208にて「YES」と判
定されている限り、第1燃料噴射弁10は繰り返し、開
弁時間αにて開弁することになる。
【0081】次に前記式3と同じ式にて、CNG用の第
2燃料噴射弁12による噴射時間TAUcが算出される
(S214)。こうして本処理を一旦終了する。このよ
うにPfg>Paである時には、第1燃料噴射弁10の
噴射時間TAUgと第2燃料噴射弁12の噴射時間TA
Ucとが算出されることにより、第1燃料噴射弁10と
第2燃料噴射弁12とから燃料噴射が実行される。この
ことで、ガソリンとCNGとの混合燃料が吸入タイミン
グとなった気筒に対して、適切な燃料濃度にて供給され
る。
【0082】そして、この間に、噴射圧力Pfgは低下
する。このことによりステップS210にて算出される
ガソリン噴射量dTAUgは次第に小さくなり、ステッ
プS214にて算出されるCNGの噴射時間TAUcは
本来の噴射時間に戻ってゆく。
【0083】そしてPfg≦Paとなると(S208で
「NO」)、次に前記式4と同じ式にて第2燃料噴射弁
12による噴射時間TAUcが算出される(S21
8)。そして次に第1燃料噴射弁10の噴射時間TAU
gに「0」を設定して(S219)、本処理を一旦終了
する。したがって、以後は、CNGの噴射時間TAUc
により、CNGのみが吸気ポートに噴射されることにな
る。この時、第1燃料噴射弁10におけるガソリンの噴
射圧力は、Pa(ここでは「0」)以下に維持されてい
る。
【0084】そして、ECU28による自動判定あるい
は燃料切り替えスイッチ34から運転者が指示すること
により、燃料噴射要求がガソリンに切り替わった場合に
は(S200で「NO」)、まず圧送装置16を駆動し
てガソリンの圧送を開始する(S201)。そしてガソ
リンの噴射圧力Pfgが圧力B以上となっているか否か
が判定される(S202)。切り替え初期においてPf
g<Bであれば(S202で「NO」)、ステップS2
18に移行して、前記式4に示したごとくCNGの噴射
時間TAUcを算出する。そしてガソリンの噴射時間T
AUgに「0」を設定して(S219)、本処理を一旦
終了する。したがって、Pfg<Bである(S202で
「NO」)間は、CNGの噴射が継続される。
【0085】圧送装置16による圧送によりガソリンの
噴射圧力Pfgが圧力B以上となれば(S202で「Y
ES」)、前記式1のごとくガソリンの噴射時間TAU
gが算出され(S203)、CNGの噴射時間TAUc
に「0」が設定される(S204)。そして一旦本処理
を終了する。このことによりエンジン2はガソリンのみ
による燃焼に移行する。
【0086】このような処理が行われることにより、噴
射圧力Pfg、噴射時間TAUg,TAUc、噴射量d
TAUgが前記図4に示した状態とほぼ同様な推移を示
す。上述した構成において、ステップS200が切替要
求検出手段としての処理に、ステップS203,S20
4,S218,S219が燃料切替手段としての処理に
相当する。また、ステップS206,S208,S21
2が噴射圧力除去手段としての処理に、ステップS21
0,S214が噴射開始側燃料噴射量制御手段としての
処理に相当する。
【0087】以上説明した本実施の形態2によれば、以
下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態1の(イ)〜(ニ)の効果を生
じる。 (ロ).噴射圧力Pfgが基準圧力Pa以下となるまで
第1燃料噴射弁10の開弁を繰り返しているので、第1
燃料噴射弁10に対する圧力抜きを高精度に制御でき
る。
【0088】[その他の実施の形態] (a).前記各実施の形態において、演算式gc(),
gp()の代わりに、CNG噴射要求継続カウンタCc
や噴射圧力Pfgをパラメータとするマップを用いても
良い。
【0089】(b).CNG用の第2燃料噴射弁12に
ついてもCNGからガソリンに燃料を切り替えた際に、
調圧装置20の出口に設けた開閉バルブを閉じて、第2
燃料噴射弁12から燃料を噴射することにより、第2燃
料噴射弁12における噴射圧力を抜いても良い。このこ
とにより、ガソリンが定常的に用いられるエンジンの場
合、あるいはCNG及びガソリンのいずれが定常的に用
いられるとは言えない場合においても第2燃料噴射弁1
2の固着やCNGリークを防止できる。
【0090】(c).第1燃料噴射弁10における噴射
圧力は、燃料噴射することにより与圧抜きを実行した
が、圧送装置16から第1燃料噴射弁10まで間のガソ
リンを、圧送装置16の上流側あるいはガソリンタンク
14に戻すようにしても良い。すなわち、圧送装置16
から第1燃料噴射弁10まで間のガソリンを、圧送装置
16の上流側あるいはガソリンタンク14に戻す燃料経
路を設け、この燃料経路に設けた開閉弁を、ガソリンか
らCNGに燃料が切り替わった時に開くことにより、第
1燃料噴射弁10における燃料圧力を抜いても良い。こ
のことにより、燃料切り替え直後に、前記式3に示した
ごとくのCNGの噴射時間TAUcに対する減量補正は
不要となり、直ちに前記式4の処理に移行できる。又、
この場合は、前記開閉弁からのガソリン流出量が十分で
有れば、圧送装置16による圧送を止めなくても第1燃
料噴射弁10における圧力を十分に低下できる。更に圧
送装置16による圧送を停止すれば、第1燃料噴射弁1
0における圧力低下をより確実にすることができる。
【0091】(d).前記各実施の形態ではガス燃料と
してCNGを用いたが、これ以外のガス燃料、例えば、
LPG、水素、DME(ジメチルエーテル)等を用いて
も良い。又、ガソリンと前記ガス燃料との組み合わせ以
外の複数燃料の組み合わせにおいても本発明を適用でき
る。
【0092】(e).前記各実施の形態のエンジン2
(図1)におけるスロットルバルブ6はECU28にて
開度が制御されていたが、アクセルペダルにて運転者が
操作するタイプのスロットルバルブでも良い。
【0093】(f).燃料噴射量制御処理(図2)のス
テップS102、及び燃料噴射量制御処理(図5)のス
テップS202においては、ガソリンの噴射圧力Pfg
の値により、ガソリン噴射が可能か否かを判定していた
が、これ以外に圧送装置16による圧送開始からの経過
時間により判定しても良い。すなわち、ステップS10
0,S200にて「YES」から「NO」に切り替わる
ことにより圧送装置16による圧送(S101,S20
1)が開始されてから、一定の待機時間、あるいはエン
ジン回転数NE等に基づいて設定された待機時間の経過
があったか否かを判定する。待機時間が経過していれ
ば、噴射圧力Pfgはガソリン噴射が可能な圧力まで上
昇したことが推定できるので、ガス燃料に代わってガソ
リン噴射を開始する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1としての車両用バイフューエルエ
ンジンの概略構成を表すブロック図。
【図2】実施の形態1のECUが実行する燃料噴射量制
御処理のフローチャート。
【図3】上記燃料噴射量制御処理におけるCNG噴射要
求継続カウンタCcとガソリン噴射量dTAUgとの関
係を示すグラフ。
【図4】実施の形態1の処理の一例を示すタイミングチ
ャート。
【図5】実施の形態2の燃料噴射量制御処理のフローチ
ャート。
【図6】上記燃料噴射量制御処理におけるガソリンの噴
射圧力Pfgとガソリン噴射量dTAUgとの関係を示
すグラフ。
【符号の説明】
2…エンジン、4…吸気経路、6…スロットルバルブ、
6a…スロットル開度センサ、8…吸入空気量センサ、
10…第1燃料噴射弁、10a,12a…デリバリパイ
プ、10b,12b…燃料温度センサ、12…第2燃料
噴射弁、14…ガソリンタンク、14a…燃料レベルセ
ンサ、15…ガソリン供給経路、15a…第1燃料圧力
センサ、16…圧送装置、18…CNGタンク、19…
CNG供給経路、19a…CNG圧力センサ、19b…
第2燃料圧力センサ、20…調圧装置、22…点火プラ
グ、24…排気経路、26…空燃比センサ、28…EC
U、30…エンジン回転数センサ、31…ノックセン
サ、32…アクセルペダル、32a…アクセル開度セン
サ、34…スイッチ、36…他のECU。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02M 21/02 F02M 21/02 301R 37/00 341 37/00 341D 69/00 69/00 320F 69/28 320K Fターム(参考) 3G092 AA05 AB02 AB08 AB12 BB20 FA06 GA03 HA01Z HB01X HB03Z HB04Z HC05Z HD05Z 3G301 HA22 KA06 LB06 MA11 MA28 PA01Z PB01Z PB08Z PC08Z PD03Z PE08Z PF03Z

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数種類の各燃料毎に燃料噴射弁を設け
    て、噴射が要求される燃料に対応する燃料噴射弁から燃
    料を噴射させて燃焼させる内燃機関における制御方法で
    あって、 燃料を切り替える場合には、噴射停止側燃料噴射弁にお
    ける噴射圧力を抜くことを特徴とする燃料切替内燃機関
    制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、燃料の切り替え時に、
    前記噴射停止側燃料噴射弁への燃料圧送を停止すると共
    に、該噴射停止側燃料噴射弁における噴射圧力を抜くこ
    とを特徴とする燃料切替内燃機関制御方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、燃料の切り替え時に、
    前記噴射停止側燃料噴射弁から燃料を噴射させることで
    該噴射停止側燃料噴射弁における噴射圧力を抜くことを
    特徴とする燃料切替内燃機関制御方法。
  4. 【請求項4】請求項3において、燃料の切り替え後にお
    いて、前記噴射停止側燃料噴射弁から噴射される燃料量
    に対応して、新たに噴射される燃料の噴射量を減少する
    ことを特徴とする燃料切替内燃機関制御方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれかにおいて、前記複
    数種類の燃料とは、ガソリンと、ガス燃料との組み合わ
    せであることを特徴とする燃料切替内燃機関制御方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、一時的
    に用いる燃料から定常的に用いる燃料への切り替えが有
    った場合に噴射停止側燃料噴射弁における噴射圧力を抜
    き、定常的に用いる燃料から一時的に用いる燃料への切
    り替えが有った場合に噴射停止側燃料噴射弁における噴
    射圧力を抜くのを禁止することを特徴とする燃料切替内
    燃機関制御方法。
  7. 【請求項7】複数種類の各燃料毎に燃料噴射弁を設け
    て、噴射が要求される燃料に対応する燃料噴射弁から燃
    料を噴射させて燃焼させる内燃機関における制御装置で
    あって、 燃料の切り替え要求を検出する切替要求検出手段と、 前記切替要求検出手段にて検出された要求に応じて燃料
    を切り替える燃料切替手段と、 前記燃料切替手段にて燃料を切り替える際に、噴射停止
    側燃料噴射弁における噴射圧力を抜く噴射圧力除去手段
    と、 を備えたことを特徴とする燃料切替内燃機関制御装置。
  8. 【請求項8】請求項7において、前記噴射圧力除去手段
    は、燃料の切り替え時に、前記噴射停止側燃料噴射弁へ
    の燃料圧送を停止すると共に、該噴射停止側燃料噴射弁
    における噴射圧力を抜くことを特徴とする燃料切替内燃
    機関制御装置。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記噴射圧力除去手段
    は、燃料の切り替え時に、前記噴射停止側燃料噴射弁か
    ら燃料を噴射させることで該噴射停止側燃料噴射弁にお
    ける噴射圧力を抜くことを特徴とする燃料切替内燃機関
    制御装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、燃料の切り替え後に
    おいて、前記噴射停止側燃料噴射弁から噴射される燃料
    量に対応して、新たに噴射される燃料の噴射量を減少す
    る噴射開始側燃料噴射量制御手段を備えたことを特徴と
    する燃料切替内燃機関制御装置。
  11. 【請求項11】請求項7〜10のいずれかにおいて、前
    記複数種類の燃料とは、ガソリンと、ガス燃料との組み
    合わせであることを特徴とする燃料切替内燃機関制御装
    置。
  12. 【請求項12】請求項7〜11のいずれかにおいて、前
    記噴射圧力除去手段は、一時的に用いる燃料から定常的
    に用いる燃料への切り替えが有った場合に噴射停止側燃
    料噴射弁における噴射圧力を抜き、定常的に用いる燃料
    から一時的に用いる燃料への切り替えが有った場合に噴
    射停止側燃料噴射弁における噴射圧力を抜くのを禁止す
    ることを特徴とする燃料切替内燃機関制御装置。
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