JP2003313683A - 機能材料の固定化方法 - Google Patents
機能材料の固定化方法Info
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Abstract
は、固定化する領域をフォトリソグラフィプロセスによ
って特定し、接着剤や粘着剤を使用したり、機能材料と
基板を直接化学結合させたり、あるいは静電的な吸着で
固定化する方法が用いられていたが、適用可能な材料が
限定される、保持力が大きくないなどの課題があり、こ
れを解決すること。 【解決手段】 まず、固定化しようとする材料を表面が
親水性を有するカプセル中に封入し、シラノール基とカ
プセル表面との-OH基の結合によりカプセルの表面にチ
オール基(-SH基)を導入する。その後、基板上の材料を
固定化したい領域のみを、金、銀等の金属でチオール基
が化学結合しやすい材料で被覆することで、金属で被覆
された領域のみに選択的にカプセルを結合させるとい
う、機能材料の固定化方法とする。
Description
業、電子工業、機械工業、ならびに微小電気機械技術分
野、精密加工技術分野等において、機能性材料を特定の
領域に選択的に固定化する方法に関する。
のみに選択的に固定化する方法としてはいくつかの方法
が用いられてきた。まず、特定の領域のみに選択的に固
定化する方法としては、フォトリソグラフィによりフォ
トレジストでマスクを形成しておき、その後、固定化し
たい機能材料をレジストパターンのない部分のみを選択
的に付着させ、その後レジストを除去するリフトオフと
いう方法が用いられる。また、基材の全面に機能性材料
を付着させた後、その上面にフォトリソグラフィプロセ
スでフォトレジストをパターニングし、マスクでパター
ン形成をした後、不要な領域にある機能性材料を選択的
に除去するという方法もよく用いられる。
剤を使用する方法や、機能材料と固定化する領域と直接
化学結合させることにより固定化する方法がよく用いら
れる。また、化学結合ではなく静電的な吸着によって材
料を固定化する方法が用いられることもある。
料の固定化方法にはいくつかの課題がある。まず、特定
の領域のみに選択的に固定化する方法として、フォトリ
ソグラフィプロセスを用いる場合は、レジストの現像や
リムーブをするために一般的には有機溶剤が用いられる
ため、有機溶剤によって化学的に変性する材料の固定化
に用いることができないという課題がある。
を使用する場合は、材料を固定化したい領域が微小な領
域であった場合には、精度よく固定化を行うことが困難
である、材料の厚み等や分布を均一に固定化を行うこと
が困難であるという課題がある。機能材料と基材とを直
接、化学結合によって固定化する場合には、基材および
機能材料の種類によって、化学結合させることが不可能
な場合があるなど、使用できる範囲が限定されるという
課題がある。さらに、静電的な吸着によって固定化する
場合には、その保持力がそれほど大きくないという課題
もある。
めに、本発明の機能材料の固定化方法では、次のような
方法を用いる。まず、固定化しようとする材料を表面が
親水性を有するカプセル中に封入する。続いて、基板上
の材料を固定化したい領域のみを、金、銀等のチオール
基が化学結合しやすい材料で被覆する。次に先ほどの機
能材料を封入したカプセルの表面に、チオール基(-SH
基)と、シラノール基(-Si(O-R2)nH3-n基、0≦n≦3)の両
方を含む材料を化学結合させる。ここでは、カプセル表
面が親水性であるために、-OH基とシラノール基が化学
反応することで結合が生成される。
のみに化学結合させる。カプセルの表面には、この前の
工程により、チオール基が存在しているため、金属とチ
オール基が化学結合することでカプセルが固定化され
る。金、銀等のチオール基との化学結合を形成しやすい
金属材料が存在しない領域には、カプセルは固定されな
いため、金属材料の有無で選択性をもたせることが可能
である。
に基づいて説明する。 (実施の形態1)本実施の形態では、シリカカプセルを使
用して表面に金層を形成した基板材料に固定化する方法
について図1に基づいて説明する。
02をシリカカプセル101中に内包させる。この機能材料1
02をシリカカプセル101に内包させる方法としては、機
能材料102を含む溶液中で、シリカカプセル101を形成す
ることにより、カプセル形成時に機能材料102が含まれ
るようにする方法と、シリカカプセル101を多孔質にし
ておき、カプセル形成後に機能材料102を含浸させる方
法があるが、そのいずれの方法を用いてもかまわない。
プトプロピルトリメトキシシランを含む適切な溶媒中に
浸漬し、適切な温度で一定時間放置することにより、シ
リカカプセル101の表面に結合している-OH基と3-メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン中のシラノール基を反
応させて両者を化学的に結合させ、シリカカプセル101
の表面にチオール基を導入する(図1(1))。この反応を起
こさせる溶媒としては、トルエン、エタノール、アセト
ンなどを使用することができるが、これ以外の溶媒でも
使用可能である。また、温度は室温〜80℃の範囲で行わ
れるのが一般的であるが、この範囲に限定されるもので
はない。
固定化したい領域のみに選択的に金層105を形成してお
く(図1(2))。金層105を選択的に形成する方法として
は、真空蒸着、スパッタリング、CVD、メッキなどの薄
膜形成技術により、基板104の全体に金層105を形成した
後、フォトリソグラフィーによりフォトレジストで金層
105を残したい部分のみを被覆して、不要な金層105をエ
ッチングする工程を利用することができる。また、これ
とは逆に、基板104の表面を、あらかじめフォトリソグ
ラフィーによりフォトレジストで金層105を形成したく
ない部分のみを被覆しておき、その後、真空蒸着、スパ
ッタリング、CVD、メッキなどの薄膜形成技術により金
を堆積させ、最後にフォトレジストを除去するという工
程を用いることもできる。
を、チオール基を導入したシリカカプセル103を含む適
切な溶媒中に浸漬し、適切な温度で一定時間放置するこ
とにより、基板104上の金層105にチオール基を導入した
シリカカプセル103の表面に存在するチオール基を化学
結合させる。その後、基板104を取り出し洗浄すること
で結合していないカプセルを除去する。
みに選択的に、シリカカプセル101に含まれる機能性材
料102を固定化することが可能となる。なお、本実施の
形態では、カプセルの材料としては酸化シリコンを使用
しているが、親水性で表面に-OH基が結合している状態
にある材料であれば、酸化シリコン以外の材料を用いる
ことも可能である。また、カプセル上に化学結合させる
材料としては、 化学式1 HS-R1-Si(O-R2)nH3-n ただし R1は、(CH2)m (m≧1) R2はCH3、あるいは、CH3(CH2)l (l≧1) 0≦n≦3 を満たすものであれば、3-メルカプトトリメトキシシラ
ン以外の材料を用いてもかまわない。さらに、基板上の
固定化したい領域を被覆する材料としては、チオール基
と化学結合しやすい材料であれば、金以外の材料を用い
ることも可能である。
ことにより、あらかじめ基板上の固定化したい領域にあ
らかじめ金属材料のパターニングしておくことで、機能
材料を直接フォトリソグラフィプロセスによりパターニ
ングする必要がなくなる。これにより、有機溶剤によっ
て化学的に変性する材料の固定化も行えるようになる。
カプセルと基板とを化学的に結合させるため、固定化可
能であるかどうかは、材料の種類に依存しない。また、
静電的な結合と異なり、化学的結合により固定化するた
め、保持力を大きくすることが可能となる。
化方法の手順を示す模式図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 特定の材料をある特定の領域に選択的に
固定化する工程であって、 前記特定の材料を表面が親水性を有するカプセル中に封
入する工程と、 基板上の材料を固定化したい領域のみに、金属材料で被
覆する工程と、 前記カプセルの表面に、 化学式1 HS-R1-Si(O-R2)nH3-n ただし R1は、(CH2)m (m≧1) R2はCH3、あるいは、CH3(CH2)l (l≧1) 0≦n≦3 であらわされる材料を化学結合させる工程と、 前記化学式1であらわされる材料を化学結合した前記カ
プセルを、前記金属材料で被覆した領域のみに選択的に
化学結合させる工程を含むことを特徴とする機能材料の
固定化方法。 - 【請求項2】 前記カプセルの表面に、前記化学式1で
あらわされる材料を化学結合させる工程が、前記カプセ
ル表面に結合している-OH基と、前記化学式1であらわ
される材料中の-Si(O-R2)nH3-n基との反応による化学結
合を利用した工程である請求項1記載の機能材料の固定
化方法。 - 【請求項3】 前記化学式1であらわされる材料を化学
結合した前記カプセルを、前記金属材料で被覆した領域
のみに選択的に化学結合させる工程が、前記金属材料表
面の金属原子と、前記化学式1であらわされる材料に含
まれる-SH基との化学結合による請求項2記載の機能材
料の固定化方法。 - 【請求項4】 前記表面が親水性を有するカプセルが酸
化シリコン、酸化チタンのいずれかで形成されている請
求項3記載の機能材料の固定化方法。 - 【請求項5】 前記金属材料が金、銀等のチオール基と
化学結合する材料である請求項4記載の機能材料の固定
化方法。
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