JP2003313662A - スパッタリング装置 - Google Patents

スパッタリング装置

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JP2003313662A JP2002124228A JP2002124228A JP2003313662A JP 2003313662 A JP2003313662 A JP 2003313662A JP 2002124228 A JP2002124228 A JP 2002124228A JP 2002124228 A JP2002124228 A JP 2002124228A JP 2003313662 A JP2003313662 A JP 2003313662A
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Mutsuo Yamashita
睦雄 山下
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
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    • C23C14/35Sputtering by application of a magnetic field, e.g. magnetron sputtering
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    • H01J37/3411Constructional aspects of the reactor

Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導結合型高周波プラズマスパッタ装置にお
いて、成膜速度を高めて生産性を向上させる。 【解決手段】 真空室1内に、直流電力または高周波電
力が供給されるターゲット2と、高周波電力が供給され
る高周波コイル3とを備え、前記ターゲット2のスパッ
タ面を、プラズマ密度の高い高周波コイル3の内側に配
置して高密度のプラズマを効率よく利用している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超微細加工技術や
表面処理技術の分野で特に必要とされる各種の高品質、
高機能薄膜を効率よく創成するのに好適なスパッタリン
グ装置に関し、さらに詳しくは、誘導結合型高周波放電
によって高密度プラズマを得るようにしたスパッタリン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄膜形成法の一つであるスパッタ法は、
薄膜化材料の種類を広範囲に選ぶことができることや形
成膜の基板への付着強度が高いことなど数多くの特長を
有している。また、スパッタ成膜速度についても、初期
の直流平板二極スパッタ法や高周波二極スパッタ法で
は、成膜速度が遅く、生産装置への応用に限界があった
が、マグネトロンスパッタ装置や対向ターゲット型スパ
ッタ装置の開発によってこの問題は大いに改善されてい
る。このため、現在では、これらのスパッタ法は、各種
の薄膜形成法の中では、中心的な地位を占めている。
【0003】一方、これらのスパッタ法では、スパッタ
粒子の殆どが電気的に中性状態にあり、またスパッタ粒
子が基板に向かって飛翔中にアルゴン等の放電サポート
ガス粒子との衝突によって散乱するため、基板表面に入
射する堆積スパッタ粒子のエネルギーやその軌道を制御
するのは、非常に困難である。従って、目覚しい発展を
遂げている応用分野、例えば、高品質薄膜を必要とする
超小型、超高密度電子回路の製作や新しい高機能素子の
開発には対応が困難になってきている。
【0004】これらの問題を解決する手段の一つとし
て、近年、従来型のマグネトロンスパッタ装置のターゲ
ットの前方にヘリカルアンテナコイルを設置し、これに
高周波電力を供給するようにした高周波放電プラズマ支
援型マグネトロンスパッタ装置が開発されている。この
装置では、高速スパッタに必要な高密度度プラズマは、
主としてターゲットに供給する直流電力または高周波電
力によるマグネトロン放電によって発生しており、ヘリ
カルアンテナコイルは、専ら放電サポートガスやスパッ
タ粒子のイオン化の役目を担うようになっている。
【0005】この方法では、ターゲット材料の裏側に磁
石を設置して、これの表面近傍にマグネトロン放電に必
要な磁界を発生させる必要がある。このため、ターゲッ
トを保持する陰極電極の構造が複雑になるだけでなく、
ターゲットの厚みに制約がある。特に鉄のような強磁性
体材料では、これの厚みが数mm以下に制限される。ま
た、スパッタ材料が、局部的に消耗して、材料の利用効
率を非常に悪くしている。
【0006】この強磁性体材料の高速スパッタを可能に
したものとして、誘導結合型高周波プラズマスパッタ装
置が当該特許出願人によって考案され、文献、例えば、
M.Yamashita:J.Vac.Sci.Technol.,A7,(1989)15
1.Mutsuo Yamashita:J.Vac.Sci.Jpn(真空),
Vol.44,No5,(2001)32で、既に公開されている。
【0007】この誘導結合型高周波プラズマスパッタ装
置は、図4に示すように、平板状のターゲット2と、基
板5を保持する基板保持台6との間に、高周波アンテナ
コイル3を設置し、この高周波アンテナコイル3に対し
て、高周波電源装置8からインピーダンス整合回路(マ
ッチングボックス)7を介して高周波電力を供給するこ
とによってスパッタ空間9に予め高密度のプラズマを発
生させた後、ターゲット2に、直流電源11から直流電
力を供給して高速スパッタを行なうようにしている。な
お、4はプラズマ遮蔽格子、24は真空室1内を真空に
排気するための排気口、25はアルゴンガスなどのスパ
ッタガスを導入するガス導入口である。
【0008】このスパッタ装置は、マグネトロン型スパ
ッタ装置や高周波放電プラズマ支援型マグネトロンスパ
ッタ装置に比べて次のような特長を持っている。 (1)高速スパッタとスパッタ粒子のイオン化に必要な
プラズマは、専ら高周波アンテナコイル3に供給する高
周波電力によって発生し、発生したプラズマは、このコ
イル3の中に閉じ込められる。このためターゲット2周
辺に特別な磁気回路を構成しなくてもスパッタ空間のプ
ラズマ密度は、例えば、1012/cm2以上の高密度に
なる。 (2)上記(1)のことからターゲット2を保持する陰
極電極の構造が簡単になり、10mm以上の厚みをもつ
強磁性体材料に対しても非磁性体と同様に高速スパッタ
が可能になるので、ターゲット材料の種類や形状に対す
る制約が大幅に緩和される。 (3)ターゲット2の材料がスパッタ面全域でほぼ均一
に消耗するので、材料の利用効率が非常によく、長時間
運転した後でも放電特性やスパッタ特性(スパッタ速
度、スパッタ粒子の方向性等)が殆ど変わらない。 (4)スパッタ速度は、ターゲット2の電圧と高周波電
力の何れに対しても直線的に増加するので、スパッタ速
度の制御性が非常によい。また放電ガス圧力、ターゲッ
ト電圧等の変動に対する安定性も非常に優れている。 (5)スパッタ粒子のイオン化率が、通常のスパッタ装
置のそれに比べて格段に高く、且つイオンのエネルギー
が揃っているので、電界や磁界によって形成膜質を大幅
に制御することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のスパッタ装置では、以下のような課題があ
る。 (1)スパッタ速度とスパッタ粒子のイオン化に直接関
係するプラズマ密度は、高周波アンテナコイル3の中心
部で高くなる。しかしながら、ターゲット2のスパッタ
面が図4に示されるように、このプラズマ密度の高い領
域から外れた高周波アンテナコイル3の外側にあるため
に、発生した高密度プラズマがスパッタのために効率よ
く利用されていない。 (2)スパッタ条件によっては、僅かではあるが高周波
アンテナコイル材料の一部がスパッタし、特に、高周波
アンテナコイル3のターゲット2に臨んでいない側の部
分は、スパッタされたターゲット材料が付着しないため
に、高周波アンテナコイル材料がスパッタされ、これが
形成膜中に混入して形成膜の純度を低下させることがあ
る。 (3)ターゲット2に供給する電力が直流電力だけであ
るので、石英やアルミナといった誘電体材料をスパッタ
することができない。 (4)スパッタ特性が放電ガス圧力の減少とともに悪化
し、10-1Pa以下の低ガス圧力領域では、放電が停止
してスパッタ成膜ができなくなる。 (5)ターゲット2は、高速スパッタによって急速に浸
食、消耗するので、長時間に亘って連続運転するときに
は、これの寿命が大いに問題とになる。
【0010】本発明は、以上のような点に鑑みて為され
たものであって、誘導結合型高周波プラズマスパッタ装
置がもつ数多くの優れた特長を活かしながら、上記の諸
問題点を解決することによって本装置の飛躍的な性能の
向上と応用範囲の拡大を図るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明では、上述の目的
を達成するために、次のように構成している。
【0012】すなわち、本発明のスパッタリング装置
は、真空室内に、直流電力が供給されるターゲットと、
高周波電力が供給される高周波コイルとを備え、前記タ
ーゲットのスパッタ面を、前記高周波コイルの内側に配
置している。
【0013】本発明によると、ターゲットのスパッタ面
を、プラズマ密度の高い高周波コイルの内側に配置した
ので、発生した高密度のプラズマがスパッタのために効
率よく利用されることになり、成膜速度が高まり、生産
性が向上する。
【0014】本発明の一つの実施態様においては、前記
ターゲットには、前記直流電力に代えて、高周波電力を
供給可能としている。
【0015】本発明によると、ターゲットには、直流電
力に代えて、高周波電力を供給することもできるので、
石英やアルミナといった誘電体材料をスパッタすること
も可能となる。
【0016】本発明の他の実施態様においては、前記タ
ーゲットを、長手方向に延びる棒状体とし、その長手方
向の一端側を、前記高周波コイルの内側に挿入して前記
スパッタ面とするとともに、前記一端側のターゲット材
料の消耗に応じて、該一端側のスパッタ面が、前記高周
波コイルの内側に位置するように前記ターゲットを長手
方向に移動させて補給するものである。
【0017】ここで、棒状体は、長手方向に棒状に延び
るものであれば、必ずしも直線状に限らず、また、その
太さは限定されず、細い線状体や柱状体などを含むもの
である。
【0018】本発明によると、ターゲットが高速スパッ
タによって急速に浸食、消耗しても長手方向に延びる棒
状体のターゲットを移動させることによって、ターゲッ
ト材料を補給できることになり、これによって、長時間
に亘る連続運転が可能となる。
【0019】本発明の好ましい実施態様においては、前
記ターゲットを主ターゲットとし、該主ターゲットは、
前記高周波コイルの一端寄りに配置され、前記真空室内
に、直流電力が供給される環状の補助ターゲットを、前
記高周波コイルの他端側に配置している。
【0020】ここで、主ターゲットと補助ターゲットの
材料は、同一であってもよいし、異なるものであってよ
く、異なる材料としたときには、異なる材料が混合した
成膜を行なうことができる。
【0021】本発明によると、高周波コイルの一端寄り
に主ターゲットを、他端側の補助ターゲットを配置した
ので、高周波コイルには、ターゲット材料が、両ターゲ
ットから付着し、これによって、高周波コイル材料のス
パッタを防止して形成膜の純度低下を防止することがで
きるとともに、二つのターゲットを同時にスパッタする
ので成膜速度を高めることができる。
【0022】本発明の他の実施態様においては、前記補
助ターゲットには、前記直流電力に代えて、高周波電力
を供給可能としている。
【0023】本発明によると、直流電力に代えて、高周
波電力を供給することもできるので、石英やアルミナと
いった誘電体材料をスパッタすることも可能となる。
【0024】本発明の更に他の実施態様においては、ス
パッタ空間に、前記高周波コイルの内側の中心軸に対し
て垂直方向の直流磁界を加える磁界印加手段を備えてい
る。
【0025】本発明によると、例えば、10-2Pa台の
低ガス圧力領域でも安定した高速スパッタが可能とな
り、スパッタ粒子の直進性を大幅に高めることができ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1は、本発明
の一つの実施の形態に係るスパッタリング装置の概略構
成図である。
【0027】真空室1は、例えば、直径160mm、高
さ100mmの円筒状をしており、金属、例えば、ステ
ンレス鋼からなり、接地されている。この真空室1の内
部には、平板状の主ターゲット2、螺旋状の高周波アン
テナコイル3、プラズマ遮蔽格子4が設置されるととも
に、主ターゲット2に対向して、基板5が、基板保持台
6に保持されている。なお、24は真空室1内を真空に
排気するための排気口、25はアルゴンガスなどのスパ
ッタガスを導入するガス導入口である。
【0028】主ターゲット2は、例えば、直径40mm
から100mm、厚さ5mmの円盤状をしており、背面
から水冷が施されている。
【0029】プラズマ励起用の高周波アンテナコイル3
は、例えば、直径6mmの銅パイプを用いて、直径60
mm〜120mm、巻き数4〜6回になるように螺旋状
に曲げ加工し、この銅パイプの中に冷却水を通すように
している。この高周波アンテナコイル3は、インピーダ
ンス整合回路7を介して、周波数13.56MHzの高
周波電源装置8に接続されている。
【0030】ステンレス鋼などからなる24メッシュ程
度のプラズマ遮蔽格子(メッシュグリッド電極)4は、
高周波エネルギーによって発生するプラズマを高周波ア
ンテナコイル3の中に閉じ込めてスパッタ空間9のプラ
ズマ密度を高めると同時に、成膜時にプラズマが基板5
に接触するのを防ぎ、さらに、図示しない整合回路に接
続された自己バイアス抵抗によって制御できるプラズマ
電位を利用して基板5に入射するイオン化スパッタ粒子
のエネルギーを制御するときに重要な働きをする。
【0031】この実施の形態では、主ターゲット2は、
スパッタ面が、高周波アンテナコイル3の一端から、例
えば、10mm程度中にくるように、すなわち、螺旋の
内側に位置するように設置される。
【0032】さらに、高周波アンテナコイル3の他端側
には、例えば、外径100mm、内径60mmの円環状
の補助ターゲット10が、配置されており、この補助タ
ーゲット10は、水冷されている。
【0033】これら二つのターゲット2,10には、直
流電源11,12からの直流電力または高周波電源装置
13,14からインピーダンス整合回路15,16を介
して13.56MHzの高周波電力を、切換えて供給で
きるように切換回路17,18が設けられている。
【0034】基板保持台6は、図に示されるように、必
要に応じて基板バイアス用の直流電圧、例えば、0〜−
300Vまたは周波数13.56MHzの高周波電圧を
印加できるようになっている。
【0035】次に、この実施の形態の装置の作動につい
て説明する。
【0036】先ず、真空室1内を排気した後、真空室1
内に高純度のアルゴンガスを導入してそのガス圧力を所
定の圧力、例えば、5Paにし、周波数13.56MH
zの所定の高周波電力、例えば、300Wを高周波アン
テナコイル3に加える。このときアルゴンガスの放電が
始まり、発生したプラズマは、高周波アンテナコイル3
の中にほぼ完全に閉じ込められて、例えば、1012/c
3台の高密度となり、アルゴンガス特有の赤紫色で強
烈に発光する。
【0037】次に、主ターゲット2と補助ターゲット1
0とにそれぞれ−200V〜−1000Vのスパッタ用
直流電圧を加えると、800mA以上の多量の衝撃イオ
ン電流が流れて高速スパッタが始まる。このようにして
発生した高密度のスパッタ粒子は、基板5に向かって飛
翔中にさらにイオン化に必要なエネルギーを高周波電磁
界やアルゴンイオンあるいは準安定準位に励起したアル
ゴン原子から受け取って非常に高い割合でイオン化す
る。このときのスパッタ空間の色は、ターゲット材料特
有のものに変わる。例えば、鉄の場合には青色に、銅の
場合には緑色になる。
【0038】この実施の形態では、高密度プラズマの発
生は専ら高周波アンテナコイル3に加えられる高周波エ
ネルギーによって行なわれており、両ターゲット2,1
0に加える直流または高周波エネルギーは、プラズマ中
の正イオンをこれの表面に衝突させてスパッタさせるこ
とに使われ、プラズマの発生には殆ど寄与していない。
したがって、種々の形状、例えば、棒状や細線状などの
薄膜化材料をターゲットとして使用できる。
【0039】(実施の形態2)図2は、本発明の他の実
施の形態に係るスパッタリング装置の概略構成図であ
り、上述の実施の形態に対応する部分には、同一の参照
符号を付す。
【0040】この実施の形態では、平板状の主ターゲッ
ト2に代えて、例えば、直径15mmの棒状の主ターゲ
ット2−1を使用しており、この主ターゲット2−1の
一端側である先端部2−1aが、高周波アンテナコイル
3の中心部にくるように設置するとともに、これの先端
部、例えば、10mm〜15mmを残して他の部分を接
地電位に保った、例えば、直径20mmの銅パイプ19
で覆っている。これによって、イオンが主ターゲット2
−1の先端部2−1aのみを衝撃するようになる。した
がって、この先端部2−1aは、高速でスパッタされる
と同時に局部的に温度が上昇する。この温度上昇によっ
てスパッタ量が増すだけではなく、材料によっては昇華
あるいは蒸発を伴うようになり、成膜速度が急速に増す
ことになる。
【0041】この実施の形態では、銅パイプ19の基部
の外側には、環状の磁石20を配置するとともに、銅パ
イプ19内の主ターゲット2−1の他端2−1bには、
ニッケル等の強磁性体21が装着されるとともに、支持
部材22によって主ターゲット2−1が長手方向(軸方
法)に摺動可能に支持されている。
【0042】これによって、多量のスパッタ材料を蓄え
ておき、運転中に消耗する分量を、磁石20を移動させ
て主ターゲット2−1を移動させることによって、ター
ゲット材料を、連続的に補給することができる。
【0043】なお、長尺のベローズなどを用いたトラン
スファーロッド等によって主ターゲット2−1の移動機
構を構成してもよい。また、ウィルソンシールなどによ
って、ターゲット材料を、真空室外から補給できるよう
にしてもよい。
【0044】この実施の形態のスパッタリング装置は、
このように長時間に亘る連続した高速スパッタ成膜に適
するだけでなく、細線状の希少材料に対しても適用する
ことができる。
【0045】その他の構成は、上述の実施の形態1と同
様である。
【0046】(実施の形態3)図3は、本発明の更に他
の実施の形態に係るスパッタリング装置の概略構成図で
あり、上述の実施の形態1に対応する部分には、同一の
参照符号を付す。
【0047】この実施の形態では、真空室1の外側に
は、スパッタ空間9に対して、高周波アンテナコイル3
の内側の仮想線で示される螺旋の中心軸26に対して垂
直方向の直流磁界を加える磁界印加手段としての一対の
磁石23を、真空室1を挟んで対向配置している。
【0048】この実施の形態では、これら磁石23によ
って、例えば、数十ガウス、好ましくは、10〜30ガ
ウスの直流磁界を加えることによって、一種のECR放
電の状態となり、例えば、10-1Pa〜10-2Pa台の
低ガス圧力領域でも安定した高速スパッタができるよう
になった。
【0049】なお、磁石23は、一対に限らず、1個あ
るいは3個以上であってもよい。
【0050】その他の構成は、上述の実施の形態1と同
様である。
【0051】(その他の実施の形態)上述の実施の形態
2において、実施の形態3の磁石23を設けて直流磁界
を印加するように構成してもよい。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ターゲッ
トのスパッタ面を、プラズマ密度の高い高周波コイルの
内側に配置したので、発生した高密度のプラズマがスパ
ッタのために効率よく利用されることになり、成膜速度
が向上して生産性が向上する。
【0053】また、高周波コイルの一端寄りに主ターゲ
ットを、他端側に補助ターゲットを配置したので、高周
波コイル材料のスパッタを防止して形成膜の純度低下を
防止することができるとともに、二つのターゲットを同
時にスパッタするので成膜速度を一層高めることができ
る。
【0054】さらに、ターゲットが高速スパッタによっ
て急速に浸食、消耗しても長手方向に延びる棒状体のタ
ーゲットを移動させることによって、ターゲット材料を
補給することができ、これによって、長時間に亘る連続
運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態の概略構成図であ
る。
【図2】本発明の他の実施の形態の概略構成図である。
【図3】本発明の更に他の実施の形態の概略構成図であ
る。
【図4】従来例の概略構成図である。
【符号の説明】
1 真空室 2,2−1 主ターゲット 3 高周波アンテナコイル 4 プラズマ遮蔽格子 5 基板 9 スパッタ空間 10 補助ターゲット 23 磁石

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空室内に、直流電力が供給されるター
    ゲットと、高周波電力が供給される高周波コイルとを備
    え、 前記ターゲットのスパッタ面を、前記高周波コイルの内
    側に配置したことを特徴とするスパッタリング装置。
  2. 【請求項2】 前記ターゲットには、前記直流電力に代
    えて、高周波電力を供給可能とした請求項1記載のスパ
    ッタリング装置。
  3. 【請求項3】 前記ターゲットを、長手方向に延びる棒
    状体とし、その長手方向の一端側を、前記高周波コイル
    の内側に挿入にして前記スパッタ面とするとともに、前
    記一端側のターゲット材料の消耗に応じて、該一端側の
    スパッタ面が、前記高周波コイルの内側に位置するよう
    に前記ターゲットを長手方向に移動させて補給する請求
    項1または2記載のスパッタリング装置。
  4. 【請求項4】 前記ターゲットを主ターゲットとし、該
    主ターゲットは、前記高周波コイルの一端寄りに配置さ
    れ、 前記真空室内に、直流電力が供給される環状の補助ター
    ゲットを、前記高周波コイルの他端側に配置した請求項
    1〜3のいずれかに記載のスパッタリング装置。
  5. 【請求項5】 前記補助ターゲットには、前記直流電力
    に代えて、高周波電力を供給可能とした請求項4記載の
    スパッタリング装置。
  6. 【請求項6】 スパッタ空間に、前記高周波コイルの内
    側の中心軸に対して垂直方向の直流磁界を加える磁界印
    加手段を備える請求項1〜5のいずれかに記載のスパッ
    タリング装置。
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