JP2003313658A - 成膜装置 - Google Patents

成膜装置

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JP2003313658A
JP2003313658A JP2002121198A JP2002121198A JP2003313658A JP 2003313658 A JP2003313658 A JP 2003313658A JP 2002121198 A JP2002121198 A JP 2002121198A JP 2002121198 A JP2002121198 A JP 2002121198A JP 2003313658 A JP2003313658 A JP 2003313658A
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film
film forming
chamber
ito
substrate
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JP2002121198A
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English (en)
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Shunji Wada
俊司 和田
Shiyougo Kiyota
正悟 清田
Yukihiro Katou
之啓 加藤
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた生産性を発揮し、且つ、製造コストの
低い成膜装置を提供する。 【解決手段】 成膜装置10は成膜する基板の移動方向
に沿って順に並設されたロード室11、バッファー室1
2、成膜室13、バッファー室15、及びアンロード室
16を備える。各室と室とはゲート17aによって仕切
られている。ロード室11の端部にはゲート17bが配
設され、アンロード室16の端部にはゲート17cが配
設されているので、ロード室11及びアンロード室16
は外部環境から隔離できる。成膜室13は、パッタ法に
よって基板に酸化膜であるSiO2膜を成膜するSiO2
膜成膜部13aとイオンプレーティング法によって基板
にITO膜を成膜するITO膜成膜部13bとから構成
される。SiO2膜成膜部13aとITO膜成膜部13
bとはゲートによって仕切られることなく開通してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板に導電膜を成
膜する成膜装置に関し、詳しくは、フラットパネルディ
スプレイに使用される基板に透明導電膜を成膜する成膜
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フラットパネルディスプレイとして有機
ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディス
プレイ、及びフィールドエミッション型ディスプレイな
どが使用されている。これらディスプレイのための透明
導電膜としてはITO(IndiumTin Oxide:インジウム
錫酸化物)膜がすぐれている。このITO膜はガラス基
板にばかりでなく、樹脂基板にも導電膜として成膜され
る。
【0003】斯かるITO膜の成膜方法としては、従来
から、真空蒸着法、スパッタリング法、RF(高周波)
イオンプレーティング法が知られている。これらの成膜
方法の何れを実行する場合であっても、基板にソーダラ
イムガラス基板を用いるときには、このガラス基板中か
らのアルカリイオンの溶出を防止するために基板上に中
間層としてSiO2膜、SiON膜、Si34膜等を成
膜し、その後、ITO膜を成膜することによって透明導
電膜付き基板が形成されていた。また、カラー液晶ディ
スプレイ用のカラーフィルター基板や樹脂基板の上に成
膜する場合には、基板とITO膜との密着性を高めるた
めにITO膜の成膜以前に中間層としてSiO2膜、S
iON膜、Si34膜、Ta25膜等を成膜し、この中
間膜の上にITO膜を成膜する必要がある。
【0004】これら中間膜とITO膜とは連続して成膜
されるので、成膜装置にはITO膜を成膜するためのI
TO膜成膜室の前段に中間膜を成膜するための中間膜成
膜室が並設されている。これら中間膜成膜室とITO膜
成膜室とでは夫々の成膜室内の成膜雰囲気の種類が異な
るので、それらを分離しておくために中間膜成膜室とI
TO膜成膜室との間にはゲートと呼ばれる弁が設けられ
ている。或いは、中間膜成膜室とITO膜成膜室との間
にバッファー室と呼ばれる真空室が配設されている。
【0005】上記の中間膜の成膜には、一般に、高周波
スパッタリング法が用いられている。この方法では、成
膜中の成膜雰囲気の圧力は2mTorr(2.66×1
-1Pa)以上に維持される。これは、2mTorr
(2.66×10-1Pa)未満の圧力下では、アーキン
グと呼ばれる異常放電が発生することがあり、このアー
キングの発生によってターゲット周辺の部材が溶けて基
板上に飛散し、基板に付着するので、生産の歩留まりが
悪くなるからである。
【0006】なお、成膜雰囲気中の放電ガスにはArガ
スのみが使用される。これは、図4に示すように、中間
膜としてSiO2膜を成膜する場合に、成膜中の放電ガ
スに酸素を添加すると、中間膜の成膜速度が急激に低下
して生産性が悪くなるからである。この酸素の添加によ
る成膜速度の減少は、SiO2膜の代わりにTa25
を成膜する場合も同様に起こる。
【0007】ITO膜の成膜方法としては、真空蒸着
法、スパッタリング法、高周波イオンプレーティング法
等が知られている。これらのうち、真空蒸着法及び高周
波イオンプレーティング法では、成膜中の成膜雰囲気の
圧力は1mTorr(1.33×10-1Pa)以下に維
持される。これは、1mTorr(1.33×10-1
a)以上の圧力下では蒸発機構である電子ビーム発生源
のフィラメントが消失してしまうからである。
【0008】これに対してスパッタリング法では、成膜
中の成膜雰囲気の圧力は2mTorr(2.66×10
-1Pa)以上に維持される。また、成膜されるITO膜
の酸素欠損を補うために、放電ガス中に微量の酸素ガス
が添加される。添加する酸素ガスの量は、Arに対して
0.1〜0.2at.%の濃度範囲になる量である。放
電ガス中に酸素ガスを添加しない場合は、成膜されたI
TO膜には多くの酸素欠損が存在するのでディスプレイ
のための透明導電膜として使用することができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のことから、中間
膜とITO膜とを連続して成膜する際は、中間膜の成膜
時の中間膜成膜室の雰囲気をITO膜成膜室に流入させ
ないこと、及びITO膜の成膜の際にITO膜成膜室内
の雰囲気を中間膜成膜室内に流入させないことが必要で
ある。このために、中間膜成膜室及びITO膜成膜室そ
れぞれの成膜雰囲気の圧力を等しくすれば良いが、この
場合、成膜キャリア等の移動が生じてガスの流れやガス
の混入が起こってしまう。すると、酸素濃度に微少な変
化が生じ、この変化に起因してITO膜の特性も変化し
てしまう。即ち、一定の特性を有するITO膜の安定し
た成膜ができないという問題がある。但し、中間膜を成
膜した後に雰囲気を調整し、その後、ITO膜を成膜す
るようにすればこの問題点は解決可能であるが、この方
法では雰囲気の圧力の調整等に時間がかかり過ぎるので
生産性が悪いという新たな問題が生じる。これらの問題
を解決するために、中間膜成膜室とITO膜成膜室とを
隔離できる手段(例えば、バッファー室)を設けること
が考えられる。
【0010】図5は、内部を真空にできるバッファー室
を中間膜成膜室とITO膜成膜室との間に配設した成膜
装置の構成を示す模式図である。
【0011】成膜装置60は、成膜される基板の移動方
向(矢印B方向)に沿って順に並設されたロード室6
1、バッファー室62、SiO2成膜室(中間膜成膜
室)63、バッファー室68、ITO膜成膜室64、バ
ッファー室65、及びアンロード室66を備えている。
これらの各室と室とはそれらの間に配設されたゲート6
7aによって仕切られている。また、ロード室61の端
部にはゲート67bが配設されており、アンロード室6
6の端部にはゲート67cが配設されている。
【0012】成膜装置60は、SiO2膜成膜室(中間
膜成膜室)63とITO膜成膜室64との間にバッファ
ー室68が配設されている。この場合、基板が導入され
たバッファー室68内で放電ガスの切り替えが成される
ので、成膜装置50の場合のように中間膜成膜室とIT
O膜成膜室との間で成膜雰囲気を調整する必要がない。
従って、生産性の問題は生じない。しかしながら、Si
2膜成膜室63とITO膜成膜室64との間にバッフ
ァー室68を設ける必要があるので、バッファー室68
を真空にするための真空装置が必要になり、その分、成
膜装置の製造コストが余計にかかるという問題点があ
る。
【0013】本発明の目的は優れた生産性を発揮し、且
つ、製造コストの低い成膜装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の成膜装置は、基板に導電膜を成膜す
る成膜装置において、金属酸化膜及び金属窒化膜のいず
れか一方の金属膜を基板に成膜する金属膜成膜部と、ア
ーク放電プラズマを発生させるプラズマ発生手段を有
し、該プラズマ発生手段により、前記金属膜の上にイオ
ンプレーティング法によるITO(インジウム錫酸化
物)膜の成膜を行うITO膜成膜部とを備え、前記金属
膜成膜部とITO膜成膜部とを開通して並設したことを
特徴とする。
【0015】請求項2記載の成膜装置は、前記プラズマ
発生手段が圧力勾配型プラズマガンであることを特徴と
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の実施の形態にかかる成膜装
置の構成を示す模式図である。
【0018】成膜装置10は成膜する基板(図示せず)
の移動方向(矢印C方向)に沿って順に並設されたロー
ド室11、バッファー室12、成膜室13、バッファー
室15、及びアンロード室16を備えている。これらの
各室と室とはそれらの間に配設されたゲート17aによ
って仕切られている。また、ロード室11の端部にはゲ
ート17bが配設されており、アンロード室16の端部
にはゲート17cが配設されているので、ロード室11
及びアンロード室16は外部環境から隔離できる。
【0019】ロード室11は成膜処理する基板を成膜装
置10内に導入するための部屋である。端部のゲート1
7bが開いて基板が導入されるとゲート17bが閉ま
り、室内の気圧が大気圧から5mTorr(6.65×
10-1Pa)まで減圧される。次に、バッファー室12
との間を仕切っているゲート17aが開いて、基板がバ
ッファー室12に導入される。
【0020】バッファー室12は次の成膜室13に基板
を導入する際の環境条件を整えるための部屋である。ゲ
ート17aが閉じるとバッファー室12では排気が行わ
れ、ロード室11で5mTorr(6.65×10-1
a)まで減圧された気圧がさらに0.01mTorr
(1.33×10-3Pa)まで減圧される。これによ
り、成膜に悪影響を及ぼす不純物ガスが除去される。こ
の後、室内にArガスが注入され、室内の気圧が3mT
orr(3.99×10-1Pa)にまで上げられる。次
に、成膜室13との間を仕切っているゲート17aが開
いて、基板が成膜室13に搬送される。
【0021】成膜室13は、スパッタ法によって基板に
酸化膜であるSiO2膜を成膜するSiO2膜成膜部13
a(金属膜成膜部)とイオンプレーティング法によって
基板にITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化
物)膜を成膜するITO膜成膜部13bとから構成され
る。SiO2膜成膜部13aとITO膜成膜部13bと
は矢印C方向にこの順に配設されており、両成膜部はゲ
ート等によって仕切られることなく開通している。ゲー
ト17aが閉じて成膜室13が密閉されると、SiO2
膜成膜部13aでは、放電ガスとしてArガスのみを使
用してスパッタ法によって基板にSiO2膜が成膜され
る。なお、このSiO2膜に代えてTa25膜のような
酸化膜を基板に成膜してもよい。
【0022】SiO2膜成膜部13aでSiO2膜が成膜
された基板はITO膜成膜部13bに搬送されてITO
膜の成膜処理を受ける。ITO膜成膜部13bは圧力勾
配型プラズマガンを備えたイオンプレーティング装置で
ある。
【0023】以下、イオンプレーティング装置について
説明する。
【0024】図2は、図1のITO膜成膜部13bであ
るイオンプレーティング装置の全体構成を示す図であ
る。
【0025】図2において、イオンプレーティング装置
100はSiO2膜成膜部13a側から観たときの構成
が示されている。真空容器118内でガラス基板にIT
O膜を成膜する。この真空容器118の側壁118aに
は排気口119が設けられ、これと略対向する側壁11
8bには外部に突出した筒状部120が設けられてい
る。この筒状部120には圧力勾配型のプラズマガン1
22が装着されると共に筒状部120を囲繞して収束コ
イル121が配設されている。真空容器118の内側天
井近傍には、SiO2膜成膜部13aでSiO2膜が成膜
されたガラス基板111がSiO2膜成膜部13aから
移され、配置されている。
【0026】プラズマガン122は、電磁石コイル12
3が内蔵されて筒状部120に接続された第1の中間電
極124と、環状永久磁石125が内蔵されて第1の中
間電極124と並設された第2の中間電極126と、陰
極127と、該陰極127と第2の中間電極126との
間に介在する円筒状のガラス管128とを備えている。
【0027】電磁石コイル123は可変電源129によ
って励磁され、収束コイル121は可変電源130によ
って励磁される。
【0028】第1及び第2の中間電極124、126の
夫々は垂下抵抗器131、132を介して可変電圧型の
主電源133の一端(正側)に接続されている。この主
電源133の他端(負側)は陰極127に接続されてい
る。また、主電源133はスイッチ136、補助放電電
源134、及び垂下抵抗器135と並列に接続されてい
る。
【0029】また、ガラス管128の内部には陰極12
7に固着されたMo(モリブデン)からなる円筒部材1
37と、Ta(タンタル)からなるパイプ138と、こ
のパイプ138の先方であって円筒部材137に固着さ
れたLaB6からなる円盤状部材139とが設けられ、
外部からの放電ガス(例えば、所定量の酸素を添加した
Arガス)が矢印D方向にパイプ138を通されてプラ
ズマガン122の内部に供給される。
【0030】真空容器118の底部には、タブレット
(被蒸発物質)としてのITO焼結体140を収容する
主ハース141が配設されており、この主ハース141
を囲繞して補助ハース142が配設されている。
【0031】主ハース141は熱伝導率の良好な導電性
材料、例えば、銅で形成されており、プラズマガン12
2から発射されたプラズマビームが入射する凹部を有し
ている。この主ハース141は主電源133の正側に接
続されて陽極となるので、プラズマビームを吸引する。
【0032】補助ハース142は主ハース141と同様
に熱伝導率の良好な銅等の導電性材料で形成された環状
の容器であり、内部には永久磁石143及び電磁石14
4が同軸に積層して収容されている。電磁石144は可
変電源であるハースコイル電源145によって励磁され
る。これにより、電磁石144によって形成される磁界
と永久磁石143によって形成される磁界とが重畳す
る。この場合、永久磁石143によって発生する磁界と
電磁石144によって発生する磁界双方の向きとが補助
ハース142の中心側で同一になるので、ハースコイル
電源145の電圧を変化させることにより、電磁石14
4に供給される電流を変化させることができる。
【0033】また、補助ハース142は垂下抵抗器14
6を介して主電源133の正側に接続されているので、
主ハース141と同様に陽極となる。
【0034】なお、真空容器118の内側天井近傍には
ガラス基板111を所定温度に加熱するための加熱ヒー
タ147が配設されている。
【0035】このように構成されたイオンプレーティン
グ装置100においては、酸化スズ(SnO2)の含有
率が4〜6質量%とされたITO焼結体140を主ハー
ス141の凹部に収容し、プラズマガン122の陰極1
27側から放電ガスがパイプ138に供給されると、主
ハース141との間で放電が生じ、これによりプラズマ
ビームが生成される。このプラズマビームは環状永久磁
石125及び電磁石コイル123により収束され、収束
コイル121と補助ハース142内の永久磁石143及
び電磁石144によって生じる磁界に案内されて主ハー
ス141に到達する。
【0036】主ハース141に収容されているITO焼
結体140はプラズマビームにより加熱されて蒸発し、
蒸発粒子はプラズマビームによりイオン化され、加熱ヒ
ータ147により加熱されているガラス基板111にI
TO膜が成膜される。
【0037】以上のようにイオンプレーティング装置1
00から成るITO膜成膜部13bは、放電ガスとして
Arガスに酸素を添加したガスを使用する。酸素を添加
するのは、ITO膜に生じる酸素欠損の一部を補うため
である。添加する酸素濃度は9〜12%である。このよ
うな酸素を添加した放電ガスの圧力はSiO2膜成膜部
13a内の放電ガスの圧力よりも低く維持される。この
圧力は、パイプ138から真空容器118内に供給する
放電ガスの供給量あるいは排気口119から排出する排
出量を調整することによって維持される。ITO膜成膜
部13b内の放電ガスの圧力をSiO2膜成膜部13a
内の放電ガスの圧力よりも低く維持するのは、SiO2
膜成膜部13a内の放電ガスはArガスのみでなければ
ならないので、ITO膜成膜部13b内の酸素を含む放
電ガスがSiO2膜成膜部13a内に流入することを防
止するためである。なお、逆に、ガラス基板111の移
動等に伴ってSiO2膜成膜部13a内のArガスがI
TO膜成膜部13b内に流入しても、ITO膜を成膜す
る際のITO膜成膜部13b内の酸素濃度は高いのでI
TO膜の品質に支障は生じない。このため、SiO2
成膜部13aでガラス基板にSiO2膜の成膜が行われ
ているときに、同時に、ITO膜成膜部13bで他のガ
ラス基板にITO膜の成膜を行うことができるので、高
い生産性が得られる。
【0038】ITO膜を成膜の成膜が終了するとゲート
17aが開いてガラス基板111はバッファー室15に
移される。ガラス基板111の移動が完了するとゲート
17aが閉じてバッファー室15の圧力は3mTorr
(3.99×10-1Pa)から5mTorr(6.65
×10-1Pa)まで上げられる。
【0039】次に、バッファー室15とアンロード室1
6との間に設けられたゲート17aが開いてガラス基板
111がアンロード室16に移される。ゲート17aが
閉じられた後にアンロード室16内の圧力が5mTor
r(6.65×10-1Pa)から大気圧まで上げられ
る。この後、ゲート17cが開いてガラス基板111は
成膜装置10の外に搬送される。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0041】実施例で使用した成膜装置は図1に示した
成膜装置10と同じものである。
【0042】SiO2膜成膜部13aにおけるSiO2
の成膜条件及びITO膜成膜部13bにおけるITO膜
の成膜条件は下記の通りである。 SiO2膜の成膜条件 ・成膜法 :スパッタリング法 ・SiO2膜成膜部内圧力 :3mTorr(3.99
×10-1Pa) ・放電ガス :Arのみ ・投入電力 :2000W ITO膜の成膜条件 ・成膜法 :圧力勾配型プラズマガンを用いるイオンプ
レーティング法 ・ITO膜成膜部内圧力 :2.9mTorr(3.8
6×10-1Pa) ・放電ガス :Ar+酸素(酸素濃度 10at.%) ・放電電流 :150A 上記の条件の下で100枚のガラス基板を順次に成膜装
置で成膜した。この結果、成膜されたガラス基板には下
記の表1に示す特性が得られた。
【0043】
【表1】
【0044】SiO2膜厚の平均値は21nmであり、
最大値が22nm、最小値が19nmであった。また、
最大バラツキは+4.8%及び−9.5%であり、±10
%以内であった。
【0045】ITO膜比抵抗の平均値は150μΩ・c
mであり、最大値が155μΩ・cm、最小値が146
μΩ・cmであった。また、最大バラツキは+1.3%
及び−2.7%であり、±3%以内であった。
【0046】次に、比較例を説明する。
【0047】比較例で使用した成膜装置は図3に示す成
膜装置30である。成膜装置30は図1に示す成膜装置
10と同様にロード室31、バッファー室32、成膜室
33、バッファー室35、アンロード室36、及びゲー
ト37a,37b,37cを備えている。成膜室33はS
iO2膜成膜部33aとITO膜成膜部33bとから構
成される。成膜装置10と異なる点は、成膜装置10の
ITO膜成膜部13bがイオンプレーティング法によっ
て基板にITO膜を成膜するのに対して成膜装置30の
ITO膜成膜部33bはスパッタリング法によって基板
にITO膜を成膜する点である。
【0048】SiO2膜成膜部33aにおけるSiO2
の成膜条件及びITO膜成膜部33bにおけるITO膜
の成膜条件は下記の通りである。 SiO2膜の成膜条件 ・成膜法 :スパッタリング法 ・SiO2膜成膜部内圧力 :3mTorr(3.99
×10-1Pa) ・放電ガス :Arのみ ・投入電力 :2000W ITO膜の成膜条件 ・成膜法 :スパッタリング法 ・ITO膜成膜部内圧力 :3mTorr(3.99×
10-1Pa) ・放電ガス :Ar+酸素(酸素濃度 2at.%) ・投入電力 :1800W 上記の条件の下で100枚のガラス基板を順次に成膜装
置で成膜した。この結果、成膜されたガラス基板には下
記の表2に示す特性が得られた。
【0049】
【表2】
【0050】SiO2膜厚の平均値は19nmであり、
最大値が21nm、最小値が16nmであった。また、
最大バラツキは+15.8%及び−15.8%であり、±
16%に近いものであった。
【0051】ITO膜比抵抗の平均値は170μΩ・c
mであり、最大値が193μΩ・cm、最小値が167
μΩ・cmであった。また、最大バラツキは+13.5
%及び−1.8%であり、最大バラつきのうち−側は2
%以内で良い結果であるものの、プラス側が10%を大
きく超えて13%以上であった。
【0052】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記
載の成膜装置によれば、ITO膜成膜部はアーク放電プ
ラズマを発生させ、イオンプレーティング法によるIT
O膜の成膜を行うので、ITO膜成膜部が金属膜成膜部
と開通して並設されていてもITO膜の成膜に影響を受
けない。このため、ITO膜成膜部と金属膜成膜部との
成膜を同時に行えるので優れた生産性を発揮する。ま
た、ITO膜成膜部と金属膜成膜部との間にバッファー
室が無いのでバッファー室を真空にするための真空装置
が不要であり、製造コストの低い成膜装置となる。
【0053】請求項2記載の成膜装置によれば、前記プ
ラズマ発生手段は圧力勾配型プラズマガンであるので、
ITO膜成膜部が金属膜成膜部と開通して並設されてい
ることによるITO膜の成膜への影響をより確実に受け
ないこととなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる成膜装置の構成を
示す模式図である。
【図2】図1のITO膜成膜部13bであるイオンプレ
ーティング装置の全体構成を示す図である。
【図3】実施例の比較例に使用した成膜装置の構成を示
す模式図である。
【図4】SiO2膜の成膜速度と成膜中の酸素濃度との
関係を示す図である。
【図5】内部を真空にできるバッファー室を中間膜成膜
室とITO膜成膜室との間に配設した成膜装置の構成を
示す模式図である。
【符号の説明】
10 成膜装置 13a SiO2膜成膜部 13b ITO膜成膜部とを備え、 100 イオンプレーティング装置 111 ガラス基板 122 圧力勾配型プラズマガン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 之啓 大阪府大阪市中央区北浜四丁目7番28号 日本板硝子株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA09 AA24 BA45 BA46 BA58 BC09 CA04 DD05 5G323 BA02 BB06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に導電膜を成膜する成膜装置におい
    て、 金属酸化膜及び金属窒化膜のいずれか一方の金属膜を基
    板に成膜する金属膜成膜部と、 アーク放電プラズマを発生させるプラズマ発生手段を有
    し、該プラズマ発生手段により、前記金属膜の上にイオ
    ンプレーティング法によるITO(インジウム錫酸化
    物)膜の成膜を行うITO膜成膜部とを備え、 前記金属膜成膜部とITO膜成膜部とを開通して並設し
    たことを特徴とする成膜装置。
  2. 【請求項2】 前記プラズマ発生手段は圧力勾配型プラ
    ズマガンであることを特徴とする成膜装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006344542A (ja) * 2005-06-10 2006-12-21 Toppan Printing Co Ltd 透明導電性の薄膜形成方法及びその薄膜形成装置
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JP2015183231A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 住友重機械工業株式会社 成膜装置及び成膜方法
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WO2020034967A1 (zh) * 2018-08-13 2020-02-20 中兴通讯股份有限公司 真空镀膜设备、方法及滤波器腔体膜层的制备方法

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