JP2003312182A - 回動部材の同期機構。 - Google Patents

回動部材の同期機構。

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JP2003312182A
JP2003312182A JP2002119956A JP2002119956A JP2003312182A JP 2003312182 A JP2003312182 A JP 2003312182A JP 2002119956 A JP2002119956 A JP 2002119956A JP 2002119956 A JP2002119956 A JP 2002119956A JP 2003312182 A JP2003312182 A JP 2003312182A
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Tatsuya Tabata
竜也 田畑
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Kokuyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い同期精度、コンパクト性、構造の簡易性等
を実現する回動部材の同期機構を提供する。 【解決手段】固定基材3に対し、外方端部を少なくとも
回動可能に結合した一対の回動部材4A、4Bを互いに
対称に動かすものであって、各回動部材4A、4Bから
等距離離間した部位に配置した自転部材81と、この自
転部材81を自転可能に支持する支持体84と、この支
持体84を前記固定基材3の面板部と鉛直な方向に沿っ
てのみ移動可能に支持する脚部材85と、基端部を前記
回動部材4A、4Bの回動中心から偏位した部位に回動
可能に取り付けられ、先端側を前記自転部材81の相反
する外周面に接触させ、その進退動作によって該自転部
材81を自転させる一対の移動桿82とを備えるように
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定基材に対し、
外方端部を少なくとも回動可能に結合した一対の回動部
材を互いに対称に動かすための同期機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばファイルにおいて、対向す
る綴り桿が、略全長に亘って重なり合う全閉位置と、先
端側の一部同士が重なり合う半開位置と、先端同士が所
定距離離間する全開位置との間で移動可能に構成した綴
り具が知られている。この種の綴じ具は、綴り桿が部分
円環状をなし、いわゆるリングファイル特有の抜き差し
容易性、閲覧性に優れた性質を有しつつ、書類収容効
率、検索性においても優れた特長を有する。
【0003】そこで本願発明者は、全開位置、半開位
置、全閉位置の3位置に開閉操作可能なこの種のファイ
ルの綴じ具において、さらに操作性を良好にし、使い勝
手に優れたものを提供すべく、背表紙に設けた固定基材
に一対の回動部材を少なくとも回動を含む開閉動作をな
し得るように支持させ、これら回動部材に前記綴り桿を
それぞれ固定するようにしたものを開発しつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
ものにおいて各回動部材が独立に動くと、綴り桿の開閉
や用紙の抜き差しに手間がかかり操作性に難点を生じる
ため、回動部材を対称に同期動作させる同期機構を設け
ることが好ましい。
【0005】しかしながら、この種の綴じ具は、綴り桿
を重ね合わせて移動させなければならないうえ、各回動
部材の内方端同士を正確に突き合わせなければならない
場合もあることから、同期機構に高い同期精度を必要と
する。また、綴じ具に使用される関係上、コンパクト性
や構造の簡易性も必要である。
【0006】一方、かかる要求は綴じ具の回動部材に特
有のものではなく、一般に対をなす回動部材を同期させ
るものに広く共通し得る。
【0007】そこで本発明は、上述した要求を満たし、
高い同期精度、コンパクト性、構造の簡易性等を実現す
る回動部材の同期機構を提供すべく図ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明に係る回
動部材の同期機構は、固定基材に対し、外方端部を少な
くとも回動可能に結合した一対の回動部材を互いに対称
に動かすものであって、各回動部材から等距離離間した
部位に配置した自転部材と、この自転部材を自転可能に
支持する支持体と、この支持体を前記固定基材の面板部
と鉛直な方向に沿ってのみ移動可能に支持する脚部材
と、基端部を前記回動部材の回動中心から偏位した部位
に回動可能に取り付けられ、先端側を前記自転部材の相
反する外周面に接触させ、その進退動作によって該自転
部材を自転させる一対の移動桿とを備えることを特徴と
する。
【0009】かかる同期機構の動作は以下のようなもの
である。すなわち、一方の回動部材の回動に伴って、そ
の回動部材に取り付けられた移動桿が左右に進退移動す
る。しかして、自転部材は左右には移動しないため、前
記一方の移動桿の進退移動によって自転することとなる
が、この自転により他方の移動桿の反対方向の進退移動
が惹起され、その結果他方の回動部材が対称に回動する
こととなる。一方、回動部材の回動に際して前記移動桿
は、回動部材とのなす角度を変え、例えば固定基材と平
行を保ちながら、左右方向のみならず前記固定基材の面
板部と鉛直な方向にも移動するが、この方向には自転部
材は脚部材によって移動可能に支持されているため、移
動桿の動きを阻害することがない。
【0010】したがってこのようなものであれば、自転
部材と移動桿とを転動のみ可能に滑りなく接触させるこ
とにより、非常に精緻な同期動作を実現することができ
る。また、各部材の薄肉化が容易に可能であり、例えば
回動部材同士が面一となる全閉位置において、移動桿を
含む各部材を回動部材に添接させ厚み方向に薄くコンパ
クトなものにすることができる。
【0011】簡単な構成で実現できる具体的実施態様と
しては、前記自転部材がピニオンであり、前記移動桿が
前記ピニオンに歯合するラックであるものを挙げること
ができる。
【0012】コンパクト化や構成簡単化を推し進めるた
めには、前記支持体に、前記移動桿が自転部材外周面か
ら離間するのを防止する離間防止部を形成しているもの
が好ましい。
【0013】具体的には、前記支持体が筐体状をなし、
その頂板と底板とによって自転部材を自転可能に支持す
るとともに、側方にそれぞれ開口を有し、各開口から前
記ラックを進退可能に挿入させているものであり、前記
離間防止部の機能をその側板に担わせているものを挙げ
ることできる。
【0014】本発明の好ましい適用態様としては、ファ
イルの綴じ具を構成するものであって、前記回動部材が
その回動端部に綴り桿を取り付けたものを挙げることが
できる。
【0015】特に前記綴り桿が部分円環状をなすもので
あり、対向する一対の綴り桿を、略全長に亘って重なり
合う全閉位置と、先端側の一部同士が重なり合う半開位
置と、先端同士が所定距離離間する全開位置との間で移
動可能に構成したものが好ましい。より具体的には、前
記一対の回動部材が、外方端部を前記固定基材の両端部
に第1結合機構を介して左右にスライド可能にかつ回動
可能に結合され、内方端部同士を第2結合機構を介して
回動可能にかつ解離可能に結合されたものであり、前記
全閉位置と半開位置との間では、前記各回動部材が第2
結合機構により内方端部同士を結合された状態で回動
し、前記半開位置と全開位置との間では、第2結合機構
による内方端部同士の結合が解除されてそれらが解離し
た状態で回動するように構成しているものが望ましい。
このようなものであると、全開位置から半開位置にすべ
く回動部材の内方端同士を確実に突き合わせる必要があ
り、同期機構の効果が特に顕著に発揮されるからであ
る。
【0016】簡単な構成で回動部材の固定基材に対する
回動動作及びスライド動作を円滑かつ確実なものとする
には、前記第1結合機構を、前記固定基材に設けた長孔
と、前記回動部材に設けられ前記長孔に回動かつスライ
ド可能に嵌合する軸部材とから構成しておくことが好ま
しい。
【0017】全閉状態を保持する一態様としては、前記
全閉位置で各回動部材の回動を解除可能にロックするロ
ック機構を設けたものを挙げることができる。
【0018】部品点数の削減を図るには、前記ロック機
構を、前記第2結合機構の構成部材の少なくとも一部を
共用してなるものとしておくことが望ましい。
【0019】具体的な実施態様としては、前記回動部材
が矩形板状をなし全閉位置において背表紙と平行で互い
に略面一となるものであって、前記ロック機構が、ロッ
ク操作部と、このロック操作部の操作によりロック位置
と非ロック位置との間で移動可能に背表紙に取り付けら
れた係止部材と、一方の回動部材から延伸し、他方の回
動部材に設けた貫通孔を介してその裏側に位置する前記
係止部材に係り止められる被係止部材とを備えたものを
挙げることができる。
【0020】第2結合機構の具体的な実施態様として
は、一方の回動部材の内方端部に設けた軸受部と、他方
の回動部材の内方端部に設けられ前記軸受部に回動可能
に係り合う軸部と、前記軸受部と軸部との係り合い状態
を解除可能に保持する係合保持部とを備えたものを挙げ
ることができる。
【0021】綴じ込んだ書類の保持や検索性に優れたも
のとするには、回動部材の外方端部に設けられ、前記全
閉位置において背表紙に直交して起立する用紙押さえ板
をさらに備えたものが好ましい。
【0022】その場合、前記用紙押さえ板の反背表紙側
端部から綴り桿を延伸させておけばよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態につい
て図を参照して説明する。
【0024】本実施形態に係るファイルは、図1に示す
ように、ファイル本体1と、書類を綴じるための綴じ具
2とを備えたものである。
【0025】ファイル本体1は、例えば、表表紙11、
背表紙12及び裏表紙13を一体に成形してなる樹脂製
のもので、表紙間の接続部分の厚み寸法を他の部分より
小さくし、その部分が屈曲可能なヒンジ機能を有するよ
うにしている。なお、背表紙12と、表表紙11及び裏
表紙13とが別体のものでも構わない。また図1では、
このファイル本体1の一部を省略している。
【0026】綴じ具2は、2穴用紙を綴じ込むためのも
のであって、前記背表紙12に固定した矩形板状をなす
固定基材3と、一対の矩形板状をなす回動部材4A、4
Bと、各回動部材4A、4Bの外方端部と前記固定基材
3の両端部とを結合する第1結合機構5と、各回動部材
4A、4Bの内方端部同士を回動可能にかつ解離可能に
結合する第2結合機構6と、各回動部材4A、4Bにそ
れぞれ固定した部分円環状をなす綴り桿7A、7Bと、
前記全閉位置Cで各回動部材4A、4Bの回動を解除可
能にロックするロック機構9とを備えてなる。そして、
前記各回動部材4A、4Bの回動に伴って、対向する前
記綴り桿7A、7Bが、略全長に亘って重なり合う全閉
位置C(図1に示す)と、先端側の一部同士が重なり合
う半開位置HO(図2に示す)と、先端同士が所定距離
離間する全開位置O(図3に示す)との間で移動するよ
うに構成している。
【0027】各部を説明する。
【0028】固定基材3は、長手方向を背表紙12の縦
方向に一致させて、該背表紙12の内面略中央にリベッ
ト等によって固定した例えば樹脂製のものである。もち
ろん背表紙12と一体に成形しても構わない。
【0029】回動部材4A、4Bは、前記固定基材3の
略半分の幅寸法を有する例えば樹脂製板状体であり、全
閉位置Cにおいては、内方端を突き合わせるようにして
背表紙12と平行でかつ互いに略面一な姿勢となり、全
開位置Oにおいては、内方端同士が解離して、背表紙1
2に略鉛直な姿勢で起立する。
【0030】第1結合機構5は、図1、図4等に示すよ
うに、前記固定基材3に対し、回動部材4A、4Bの外
方端部を前記縦方向に沿った軸を中心に回動可能に、か
つ左右方向にのみスライド移動可能に支持するものであ
る。具体的には固定基材3の各側縁部に設けた左右に延
びる複数の長孔51と、回動部材4A、4Bの外方端部
に縦方向に貫通させた軸部材52とを具備し、この軸部
材52を前記長孔51に嵌合させてなるものである。ま
た軸部材52にはコイルバネ等の図示しない第1弾性付
勢部材が装着してあり、この第1弾性付勢部材により前
記回動部材4A、4Bを全開位置O側に向かって付勢し
ている。
【0031】第2結合機構6は、図7等に示すように、
一方の回動部材4Aの内方端部に一体に設けた軸受部6
1と、他方の回動部材4A、4Bの内方端部に一体に設
けられ前記軸受部61に回動可能に係り合う軸部62
と、前記軸受部61と軸部62との係り合い状態を解除
可能に保持する係合保持部63とを備えたものであり、
この第2結合機構6によって、前記各回動部材4A、4
Bは、前記全閉位置Cと半開位置HOとの間では、内方
端部同士を結合された状態で外方端部をスライドさせつ
つ回動し、前記半開位置HOと全開位置Oとの間では、
この第2結合機構6による内方端部同士の結合が解除さ
れてそれらが解離した状態で回動するように構成してあ
る。
【0032】詳述すると、軸受部61は、回動部材4
A、4Bを背表紙12と平行にした状態、すなわち全閉
位置Cでの状態で、下半分が開口する半円筒状をなすも
ので、縦方向に沿って延伸するように設定してある。
【0033】軸部62は、前記軸受部61の前記開口6
1aから嵌め入れられてその軸受面(内周面)に外周面
を添接させ回動可能に嵌合する円柱状をなすもので、縦
方向に沿って延伸するように設定してある。
【0034】係合保持部63は、金属板状のものであ
り、基端部を他方の回動部材4A、4Bに回動可能に取
り付けられ、先端部を一方の回動部材4A、4Bに向か
って延出させたもので、その先端部下面に形成した係合
面63aを前記軸受部61の外周面に押し当てるように
構成している。この係合面63aは前記軸受部61の外
周面に沿うような円筒内面形状をなし、この係合面63
aと軸部62とによって前記軸受部61を挟み込み、軸
部62から軸受部61が離脱するのを抑止するととも
に、軸受部61と軸部62との係り合い状態を保持す
る。なお、この係合保持部63は図示しない第2弾性付
勢部材によって、その先端部が軸部62方向に動く向き
に付勢してある。一方、この係合保持部63の基端部か
らは係合解除操作部S1が一体に延伸させてあって、図
10に示すように、この係合解除操作部S1を前記第2
弾性付勢部材による付勢力に逆らって操作し、係合保持
部63を回動させることにより、係合面63aを軸受部
61の外周面から解離させ、軸受部61と軸部62との
係り合いを解除可能な状態となるように構成している。
【0035】綴り桿7A、7Bは、図1等に示すよう
に、前記第2結合機構6の軸線、すなわち回動部材4
A、4Bの内方端部を中心にした部分円環状をなす金属
製のもので、前記回動部材4A、4Bの外方端部から直
角に屈曲させて設けた用紙押さえ板10の先端部(反背
表紙側端部)から延伸させてなる。なお用紙孔への挿入
を容易化すべく、綴り桿7A、7Bの先端は徐々に細く
なるように構成してある。
【0036】ロック機構9は、図7、図8等に示すよう
に、前記全閉位置Cで各回動部材4A、4Bの回動を解
除可能にロックするものであり、前記第2結合機構6の
構成部材の少なくとも一部を共用してなる。具体的にこ
のものは、ロック操作部91と、このロック操作部91
の操作によりロック位置Pと非ロック位置Qとの間で移
動可能に設けた係止部材92と、前記他方の回動部材4
A、4Bから延伸し、前記一方の回動部材4A及び固定
基材3に設けた貫通孔4a、3aを介してその裏側に位
置する前記係止部材92に係り止められる被係止部材9
3とを備えている。
【0037】詳述すると、係止部材92は、例えば金属
板状の係止部材本体921と、この係止部材本体921
の先端から背表紙12と鉛直に屈曲延伸させた起立体9
22とからなるもので、この起立体922の基端部に厚
み方向に貫通する係止孔92aが設けてある。そしてこ
の係止部材92を、背表紙12と固定基材3との間に形
成した係止部材挿入空間SAに挿入して左右方向にのみ
移動可能に支持させている。なお、この係止部材92
は、図示しない第3弾性付勢部材によりロック位置P側
に付勢されている。
【0038】また、この係止部材92の基端部からは、
外側方から操作可能なようにロック操作部91が側方に
向かって一体に延伸させてあり、図8に示すように、こ
のロック操作部91を押し込むことにより前記係止部材
92を前記第3弾性付勢部材の付勢力に逆らって非ロッ
ク位置Q側に移動させ得るようにしている。
【0039】被係止部材93は、前記係合保持部63の
先端から側方に向かって一体に延出した舌片状のもの
で、前記全閉位置Cにおいて、前記係止孔92aに挿入
されることにより、他方の回動部材4Bを回動不能にロ
ックし、ひいては一方の回動部材4Aをも回動不能にロ
ックする。
【0040】なお、このロック機構9は、ロック解除に
は前記ロック操作部91の操作が必要であるが、ロック
させる際には、単に被係止部材93または他方の回動部
材4A、4Bを閉止位置に向かって押し込めばよいよう
にしてある。すなわち、前記起立体922の先端部は外
方に傾斜屈曲させてあって、被係止部材93または他方
の回動部材4A、4Bを閉止位置に向かって押し込むこ
とにより、前記被係止部材93が、前記傾斜面を押圧
し、係止部材91を非ロック位置Qに向かって移動させ
得るようにしてある。そしてそこからさらに押し込んで
被係止部材93を前記係止孔92aに臨む位置まで落と
し込むと、前記第3弾性付勢部材の付勢力によって係止
部材92がロック位置Pに移動し、その係止孔92aが
被係止部材93に係り合うようにしてある。
【0041】しかして、本実施形態では、前記各回動部
材4A、4Bを互いに対称に回動させる同期機構8を設
けている。
【0042】この同期機構8は、図3、図10、図12
等に示すように、前記全閉位置Cから全開位置Oに亘っ
て左右の回動部材4A、4B及びこれらに固定した左右
の綴り桿7A、7Bを、互いに対称に同期回動させるも
のである。
【0043】具体的にこのものは、各回動部材4A、4
Bから等距離離間した部位に設けたピニオン81と、こ
のピニオン81を自転可能に支持する支持体たるピニオ
ン支持部材84と、このピニオン支持部材84を前記固
定基材3の面板部と鉛直な方向に沿ってのみ移動可能に
支持する支持脚85と、前記回動部材4A、4Bの内面
であって第1結合機構5による結合軸から偏位した部位
において、縦方向に延びる軸線周りに回動可能に取り付
けたラック82とを具備し、前記各ラック82のラック
歯82aを前記ピニオン81に相反する方向から歯合さ
せてなるものである。
【0044】ピニオン支持部材84は、筐体状をなし左
右に開口84cするもので、その頂板841と底板84
2に設けた軸穴84a、84bにピニオン軸81aを嵌
合させ、ピニオン81を背表紙12に鉛直な軸線周りに
自転可能に支持する。そして、前記各開口84cからは
前記ラック82が挿入されて内部のピニオン81に歯合
させてあり、各側板843が、ラック82のピニオン8
1からの半径方向への離間を防止する離間防止部の役割
を果たすように構成している。また、前記頂板841と
底板842がラック82のピニオン81からの軸方向へ
の離間を防止する役割を果たす。
【0045】支持脚85は、前記ピニオン支持部材84
と固定基材3との間に介在してこれらを連結するもの
で、本実施形態では、くの字型をなす屈曲可能な屈曲板
85a、85bを、対称をなすように一対設けてなるも
のである。そしてこれら屈曲板85a、85bが屈伸す
ることによりピニオン支持部材84を背表紙12に鉛直
な方向に沿ってのみ移動させ得るようにしている。
【0046】ラック82は、帯状をなし一方の側縁部に
ラック歯82aを形成してなるものであり、その基端部
に薄肉部を形成してこの部分を中心にして前記回動部材
4A、4Bに対しヒンジ回動可能に構成してある。
【0047】なお、この同期機構8は、全閉位置Cにお
いては、背表紙12と回動部材4A、4Bとの間に収容
されることとなるが、この同期機構8を収容するための
収容凹部や収容孔を、回動部材4A、4Bの裏面や固定
基材3に設けている。この位置において、ラック82、
ピニオン支持部材84は、回動部材の4A、4Bの内面
に添接する。
【0048】このように構成した綴じ具2の使用方法及
び作用について以下に説明する。
【0049】全閉位置Cにおいては、図1、図4、図7
に示すように、回動部材4A、4B同士はその内方端部
を第2結合機構6により係合された状態で面一となって
おり、対向する前記綴り桿7A、7Bは略全長に亘って
重なり合った状態となっている。また、用紙押さえ板1
0は鉛直姿勢となっており、第1結合機構5を構成する
軸部材52は、長孔51の外方端部に位置している。こ
の状態はロック機構9のロック作用により維持されてお
り、外力が加わらない限り、回動部材4A、4Bや綴り
桿7A、7Bが開くことはない。
【0050】ここで、ロック操作部91を押圧操作する
と、図8に示すように、係止部材92がロック位置Pか
ら非ロック位置Qに移動し、係止孔92aが被係止部材
93から抜脱されてその係り合いが解除される。
【0051】すると弾性付勢部材の付勢力で回動部材4
A、4Bは全開位置O側に自動的に回動移動する。この
とき、回動部材4A、4Bの内方端部同士は第2結合機
構6により分離不能に結合されているため、回動部材4
A、4Bの外方端部は、前記軸部材52が前記長孔51
の内方端にあたってそれ以上のスライドを禁止されるま
で内方にスライド移動する。このスライド移動は、綴り
桿7A、7Bが重なり合い状態を保って全閉位置Cから
半開位置Oまで開くことを可能にする。すなわち、この
ことにより、図示しない所定径を有する紙葉類の綴じ孔
に綴り桿7A、7Bが干渉しない軌跡を保って全閉位置
Cから半開位置Oまで開くことを可能にする。
【0052】内方へのスライドが制限されたその状態
が、図2、図5、図9に示す前記半開位置HOである。
この半開位置HOでは、上述したように、前記綴り桿7
A、7Bの先端側の一部同士が重なり合っている。そし
て回動部材4A、4Bは傾斜姿勢になっているととも
に、用紙押さえ板10も先端が外側に開いた傾斜姿勢と
なっている。したがってこの綴り桿7A、7Bに挟み込
まれている書類は、用紙押さえ板10の傾斜により、左
右いずれかまたは双方に分離して見開き状態となる。
【0053】次に、図10に示すように、この半開位置
HOから係合解除操作部S1を外側に開くように操作
し、係合保持部63の係合面63aを前記軸受部61外
周面から解離させると、軸受部61と軸部62との係り
合い状態が解除され、回動部材4A、4Bの内方端同士
が離間する。そして、前記第1弾性付勢部材の付勢力等
に加え書類の重み等が重畳されて、この回動部材4A、
4Bは、全開位置Oにまで前記軸部材52を中心に自動
的に回動することとなる。
【0054】図3、図6、図11に示す全開位置Oにお
いては、上述したように、綴り桿7A、7Bの先端同士
が所定距離離間した状態となり、書類の抜き差しが可能
となる。
【0055】この間において、回動部材4A、4Bは、
同期機構8の作用により、常に左右対称に回動する。具
体的には、いずれかの回動部材4A(4B)の回動に伴
って、その回動部材4A(4B)に取り付けられたラッ
ク82が左右に進退移動する。しかして、ピニオン81
は左右には移動しないため、前記ラック82の進退移動
によって自転することとなる。この自転により他方のラ
ック82の反対方向の進退移動が惹起され、その結果他
方の回動部材4B(4A)が対称に同期回動することと
なる。一方、回動部材4A、4Bの回動に際しては、前
記ラック82は、回動部材4A、4Bとのなす角度を変
えて固定基材3と平行を保ちながら、左右方向のみなら
ず前記固定基材3の面板部と鉛直な方向にも移動する。
しかしてこの方向にはピニオン81は脚部材85によっ
て移動可能に支持されているためラック82の動きを阻
害することがない。
【0056】一方、この綴じ具2を閉じるには、全開位
置Oからいずれか一方の回動部材4A(4B)を全閉位
置Cに向かって回動させる。このとき同期機構8により
他方の回動部材4B(4A)も対称に全閉位置Cに向か
って回動する。
【0057】半開位置HOに達すると、軸部62と係合
面63aとの間に軸受部61が入り込むとともに軸受部
61の開口61aから軸部62が軸受部61に嵌合し
て、回動部材4A、4Bの内方端部同士が結合する。
【0058】さらに回動部材4A、4Bを全閉位置Cに
向かって回動させ、全閉位置Cに至らせると、ロック機
構9が作動し、その状態が保たれることとなる。
【0059】このように構成した本実施形態によれば、
同期機構8をラック−ピニオン機構を利用して構成して
いるので、回動部材4A、4B及び綴り桿7A、7Bを
正確かつ確実に同期動作させることができる。
【0060】また、全閉位置において、ラック82、ピ
ニオン81、各回動部材4A、4Bを厚み方向に積層で
きるので、ラック82、ピニオン81を薄肉にすること
により、容易にコンパクト化が可能である。
【0061】さらに、この同期機構8においてヒンジ結
合されている部材、例えばラック82と回動部材4A、
4B、屈曲板85a、85b、屈曲板85a、85bと
ピニオン支持部材84、あるいは屈曲板85a、85b
と固定基材3は、薄肉部を利用して一体に成型したもの
であるため、構造が簡単で製造に大きな負荷を与えな
い。
【0062】特に本実施形態では、同期機構8によっ
て、例えば全開位置Oから半開位置HOにすべく、いず
れかの回動部材4A、4Bのみを動かせば、内方端同士
を確実に突き合わせ、結合することができる。したがっ
て開閉操作性、特に閉じる場合の操作性に難点を生じる
ことがない。また、このことにより、例えば開いた状態
から綴じ具2を直接操作せず表表紙11や裏表紙13を
閉じるだけのラフな操作で、綴り桿7A、7Bを確実に
閉じることなどが可能になり、使い勝手が格段に向上す
る。
【0063】また、ピニオン81が左右には移動しない
ように支持されており、このピニオン81を対称中心に
して各回動部材4A、4Bが回動するため、第1結合機
構5によって各回動部材4A、4Bを左右に移動可能に
支持させているにもかかわらず、各回動部材4A、4B
が左右にがたつくことなく、非常に円滑かつ静粛な動き
をすることとなる。
【0064】さらに、回動部材4A、4Bの回動移動に
よってのみ綴り桿7A、7Bの開閉が行われるため、背
表紙12が折れ曲がることがない。したがって、外観を
良好なものにできるうえ、従来のように背表紙が机の天
板等と擦れ合うことがないので、綴り桿7A、7Bの開
閉円滑性を向上させることができる。
【0065】加えて、ロック機構9を構成する被係止部
材93が、前記第2結合機構6を構成する係合保持部6
3と一体であり、部品としてみれば、共用していると言
えるため、部品点数の削減を図ることができる。
【0066】もちろん、綴り桿7A、7Bは、通常のリ
ング綴じ具におけるものと比べ、遙かに径が大きく、直
線に近いため、チューブファイルと近似した書類検索性
や収納効率を実現できるうえに、リングファイルのよう
に、左右の綴り桿7A、7Bが中央で開閉するため、書
類の一部又は全部の抜き差しが容易である。さらに本実
施形態では、用紙押さえ板10も開閉するため、見開き
状態を容易に保て、書類閲覧性にも優れるといった効果
を奏し得る。
【0067】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではない。例えば、この同期機構は、綴じ具に適用
するのみならず、他の種々の機構に適用して同様の作用
効果を奏し得る。
【0068】第1連結機構も、左右に長孔と軸部材とを
設けたもののみならず、いずれか一方にのみ設けたもの
でもよいし、もちろん長孔と軸部材以外の構造でも構わ
ない。
【0069】第2連結機構も他の構成が考えられる。
【0070】その他本発明は上記各図示例に限られず、
その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能であるのは
言うまでもない。
【0071】
【発明の効果】以上に詳述したように、本発明によれ
ば、自転部材と移動桿とを転動のみ可能に滑りなく接触
させることにより、非常に精緻な同期動作を実現するこ
とができる。また、各部材の薄肉化が容易に可能であ
り、例えば回動部材同士が面一となる全閉位置におい
て、移動桿を含む各部材を回動部材に添接させ厚み方向
に薄くコンパクトなものにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における綴じ具の全閉位置
における全体斜視図。
【図2】同実施形態における綴じ具の半開位置における
全体斜視図。
【図3】同実施形態における綴じ具の全開位置における
全体斜視図。
【図4】同実施形態における綴じ具の全閉位置における
正面図。
【図5】同実施形態における綴じ具の半開位置における
正面図。
【図6】同実施形態における綴じ具の全開位置における
正面図。
【図7】同実施形態における綴じ具の綴り桿に沿って切
った全閉位置における構造断面図。
【図8】同実施形態における綴じ具の綴り桿に沿って切
った全閉位置における構造断面図。
【図9】同実施形態における綴じ具の綴り桿に沿って切
った半開位置における構造断面図。
【図10】同実施形態における綴じ具の綴り桿に沿って
切った半開位置における構造断面図。
【図11】同実施形態における綴じ具の綴り桿に沿って
切った全開位置における構造断面図。
【図12】同実施形態における同期機構の中央側断面
図。
【符号の説明】
2・・・綴じ具 3・・・固定基材 4A、4B・・・回動部材 7A、7B・・・綴り桿 81・・・自転部材(ピニオン) 82・・・移動桿(ラック) 84・・・支持体(ピニオン支持部材) 841・・・頂板 842・・・底板 843・・・離間防止部(側板) 84c・・・開口 85・・・脚部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定基材に対し、外方端部を少なくとも回
    動可能に結合した一対の回動部材を互いに対称に動かす
    ものであって、 各回動部材から等距離離間した部位に配置した自転部材
    と、この自転部材を自転可能に支持する支持体と、この
    支持体を前記固定基材の面板部と鉛直な方向に沿っての
    み移動可能に支持する脚部材と、基端部を前記回動部材
    の回動中心から偏位した部位に回動可能に取り付けら
    れ、先端側を前記自転部材の相反する外周面に接触さ
    せ、その進退動作によって該自転部材を自転させる一対
    の移動桿とを備えることを特徴とする回動部材の同期機
    構。
  2. 【請求項2】前記自転部材がピニオンであり、前記移動
    桿が前記ピニオンに歯合するラックである請求項1記載
    の回動部材の同期機構。
  3. 【請求項3】前記支持体に、前記移動桿が自転部材外周
    面から離間するのを防止する離間防止部を形成している
    請求項1又は2記載の回動部材の同期機構。
  4. 【請求項4】前記支持体が筐体状をなし、その頂板と底
    板とによって自転部材を自転可能に支持するとともに、
    側方にそれぞれ開口を有し、各開口から前記ラックを進
    退可能に挿入させているものであり、前記離間防止部の
    機能をその側板に担わせている請求項1又は2記載の回
    動部材の同期機構。
  5. 【請求項5】ファイルの綴じ具を構成するものであっ
    て、前記回動部材がその回動端部に綴り桿を取り付けた
    ものである請求項1、2、3又は4記載の回転部材の同
    期機構。
  6. 【請求項6】前記綴り桿が部分円環状をなすものであ
    り、対向する一対の綴り桿を、略全長に亘って重なり合
    う全閉位置と、先端側の一部同士が重なり合う半開位置
    と、先端同士が所定距離離間する全開位置との間で移動
    可能に構成したものである請求項5記載の回転部材の同
    期機構。
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