JP2003311768A - 熱プレスのクッション材用ゴムの製造方法 - Google Patents
熱プレスのクッション材用ゴムの製造方法Info
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Abstract
ス対象物中にボイドを発生させることがなく、さらには
低分子ガスやブリード物を発生しない熱プレスのクッシ
ョン材用ゴムの製造方法を提供する。 【解決手段】 熱プレスのクッション材用ゴムの製造方
法は、原料ゴムと、加硫剤、加硫促進剤、受酸剤および
可塑剤を混練して練り生地を作成する工程と、練り生地
をシート状に加工して未加硫ゴムシートを作成する工程
と、未加硫ゴムシートを1次加硫して加硫ゴムシートと
する工程と、加硫ゴムシートを可塑剤の沸点以上の温度
で2次加硫することにより可塑剤を揮散させる工程とを
備える。
Description
用いられるクッション材用ゴムの製造方法に関する。
合、プレス対象物を熱盤間に挟み込み一定の圧力と熱を
かける方法が用いられる。このようなプレス成形は、プ
レス対象物の全面に均等な圧力と熱を加えるために、熱
盤とプレス対象物との間に平板状のクッション材を介在
させた状態で行なわれる。
リコーンゴムやフッ素ゴムが使用されていた。ところが
シリコーンゴムは、ゴム中に含まれるシロキサンの低分
子ガスやブリード物を発生し、プレス対象物であるプリ
ント基板等を汚染するという問題があった。この汚染に
よって、たとえばプリント基板への印刷特性が悪化した
り、プリント基板と補強板等の他部材との接着性が悪化
したりする。これらの傾向は、クッション材の使用時間
が長期化するに従って加速される。特に、プレス対象物
が精密機器部品(たとえばハードディスク用のフレキシ
ブルプリント基板やビルドアップ多層配線板等)の場
合、このような汚染が重大な欠陥となっていた。また、
シリコーンゴムは、機械的強度の点でも不十分であっ
た。
の一例として、特公平7−12617号(特開平6−2
78153号)に開示されたものがある。この公報に開
示されたクッション材の配合を後に記載する表1に比較
例1,2として示す。
ゴムを用いているため、クッション材の耐熱性が向上す
る。それに加え、クッション性、熱伝導性、耐久性等に
おいても優れた特性を有する。
ッション材と、表面に凹凸のあるプレス対象物(たとえ
ばFPC)とを、直接接触させるか、フィルム等を介し
てプレスした場合、クッション材の表面に凹凸が残りや
すくなる。すなわち、上記クッション材の歪回復性が不
十分であるという問題があった。
う場合、中でもフレキシブルプリント基板(FPC)の
製造におけるベースフィルムと表面フィルムとの接着剤
による貼り合わせに上記クッション材を用いた場合、プ
レス対象物であるFPC中にボイドが残りやすいという
問題があった。
なされたものである。この発明の目的は、歪回復性およ
び凹凸への追従性に優れ、プレス対象物中にボイドを発
生させることがなく、さらには低分子ガスやブリード物
を発生しない熱プレスのクッション材用ゴムの製造方法
を提供することにある。
レスのクッション材用ゴムの歪回復性を、熱プレスのプ
レス温度、プレス周期、プレス対象物内部の接着剤の流
動挙動等との関係で研究し、熱プレスの使用条件におけ
るクッション材用ゴムのtanδが0.04以下である
場合に、ゴムが良好な歪回復性を示すことを知得した。
度条件を熱プレスのプレス温度とし、周波数条件を熱プ
レスの1プレスサイクルに相当する時間としたときの動
的粘弾性測定による損失正接(tanδ)の値が、0.
04以下のものである。なお、上記熱プレスのプレス温
度とは、1プレスサイクル中の熱盤の最高温度のことを
称する。
て用いることにより、表面に凹凸のあるプレス対象物
(たとえばFPC)を熱プレスした場合でも、クッショ
ン材の表面に凹凸が残ることを阻止できる。その結果、
良好なクッション性を長期間維持することが可能とな
る。
あり、1プレスサイクルに相当する時間は、1秒〜2×
104 秒である。
〜250℃であり、周波数条件は、好ましくは、1秒〜
1×103 秒である。
イクルで行なわれるフレキシブルプリント基板の製造に
おけるベースフィルムと表面フィルムとの貼り合わせが
行なえる。よって、上記の条件下におけるtanδの値
が0.04以下であるゴムをクッション材として使用す
ることにより、フレキシブルプリント基板の製造におけ
る表面フィルムの貼り合わせ工程においてクッション材
の優れた歪回復性を発揮させることができる。
レスによる接着剤の流動−固化によってプレス対象物を
積層一体化する際に使用されるクッション材用ゴムであ
って、温度条件を熱プレスのプレス温度とし、周波数条
件を接着剤の流動開始から固化完了までの時間としたと
きの、動的粘弾性測定による損失正接(tanδ)の値
が0.04以下のものである。
て用いることにより、接着剤の流動−固化によって積層
一体化するプレス対象物(たとえばFPC)を熱プレス
した場合、接着剤の流動時に生じる不均一な圧力を速や
かに均一化することができる。その結果、ボイドの発生
を効果的に防止できる。
−固化の状態変化を経て2層を接合するものの他、流動
−固化の後にそれ自体が層を形成しているものも含まれ
る。これらは、熱可塑性材料または熱硬化性材料であ
る。より具体的には、ホットメルト型の接着剤やプリプ
レグ等が挙げられる。
00℃であり、接着剤の流動開始から固化完了までの時
間は1秒〜2×103 秒の間である。
メータ硬さは、好ましくは、A75以下である。それに
より、表2に示すようにデュロメータ硬さを従来例より
も小さくすることができ、凹凸への追従性を向上するこ
とができる。その結果、前述の優れた歪回復性との相乗
作用によって、たとえば表面に凹凸のあるフレキシブル
プリント基板に表面フィルムを貼り合わせる際に、表面
フィルムとベースフィルムとの間にボイドが発生するこ
とを効果的に抑制できる。
フッ素ゴムを主成分とする。それにより、耐熱性が優
れ、機械的強度が高く、かつ配合された材料のしみだし
の少ないクッション材が得られる。
系のフッ素ゴム成分、加硫剤、加硫促進剤および受酸剤
を含むフッ素ゴム組成物である。そして、フッ素ゴム成
分、加硫剤および加硫促進剤の合計は、好ましくは、フ
ッ素ゴム組成物全体の80体積%以上である。
ムを使用することにより、クッション材の圧縮永久歪み
を小さくすることができ、クッション材の寿命が長くな
る。特に、ポリオール加硫剤としてビスフェノールAF
を用いた場合には、より効果的に耐熱性を向上させるこ
とができる。
オール加硫系のフッ素ゴム成分、加硫剤、加硫促進剤お
よび受酸剤を含むフッ素ゴム組成物である。そして、フ
ッ素ゴム成分、加硫剤および加硫促進剤の合計が、フッ
素ゴム組成物全体の80体積%以上である。
より、tanδの値が0.04以下であるゴムが得られ
ることを知得した。かかるゴムを熱プレスのクッション
材として用いることにより、前述のように歪回復性の優
れたクッション材が得られる。
1つの局面では、温度条件を熱プレスのプレス温度と
し、周波数条件を熱プレスの1プレスサイクルに相当す
る時間としたときのtanδの値が0.04以下である
ゴムを備える。
きでも極めて良好な歪回復性が得られ、良好なクッショ
ン性を長期間維持することができる。
他の局面では、熱プレスによる接着剤の流動−固化によ
ってプレス対象物を積層一体化する際に使用されるクッ
ション材であって、温度条件を熱プレスのプレス温度と
し、周波数条件を接着剤の流動開始から固化完了までの
時間としたときの、動的粘弾性測定による損失正接(t
anδ)の値が0.04以下であるゴムを備える。
接着剤の流動−固化によって積層一体化するプレス対象
物(たとえばFPC)を熱プレスした場合、接着剤の流
動時に生じる不均一な圧力を速やかに均一化することが
できる。その結果、ボイドの発生を効果的に抑制でき
る。
さらに他の局面では、ポリオール加硫系のフッ素ゴム成
分、加硫剤、加硫促進剤および受酸剤を含むフッ素ゴム
組成物であり、フッ素ゴム成分、加硫剤および加硫促進
剤の合計が、フッ素ゴム組成物全体の80体積%以上で
あるゴムを備える。
を備えることにより、歪回復性が向上する。
理が施される。また、上記ゴムからなる層を1層以上
と、織布、不織布、紙、フィルム、箔、シートおよび板
の中から選ばれた1種以上からなる1層以上とを積層一
体化してもよい。上記織布、不織布、紙、フィルム、
箔、シートおよび板は、好ましくは、合成樹脂、天然ゴ
ム、合成ゴム、金属およびセラミックスの中から選ばれ
た単独または複合材である。
面層が、上記ゴムで構成されることが好ましい。より好
ましくは、該ゴムの表面に、離型性処理が施される。
ムの製造方法は、下記の各工程を備える。原料ゴム、加
硫剤、加硫促進剤、受酸剤および可塑剤を混練して練り
生地を作成する。該練り生地をシート状に加工して未加
硫ゴムシートを作成する。未加硫ゴムシートを1次加硫
して加硫ゴムシートとする。この加硫ゴムシートを可塑
剤の沸点以上の温度で2次加硫することにより可塑剤を
揮散させる。
の加硫剤の分解、加硫時に発生したガスの放散および残
留歪みの除去を行なうことができることに加え、歪回復
性を向上させることができる。それに加え、上記2次加
硫により可塑剤を揮散させることができるので、クッシ
ョン材の使用時に可塑剤がしみだすのを防止することが
できる。
δの値を0.04以下とする。本発明に係るプリント基
板の製造方法は、1つの局面では、プリント基板材料
と、クッション材とを積層した状態で熱盤間に配置して
加熱・加圧成形するプリント基板の製造方法であって、
クッション材は、温度条件を熱プレスのプレス温度と
し、周波数条件を熱プレスの1プレスサイクルに相当す
る時間としたときのtanδの値が0.04以下のゴム
を含む。
他の局面では、積層構造を持つプリント基板材料と、ク
ッション材とを積層した状態で熱盤間に配置して、熱プ
レスによる接着剤の流動−固化によってプリント基板材
料を積層一体化するプリント基板の製造方法であって、
クッション材は、温度条件を熱プレスのプレス温度と
し、周波数条件を接着剤の流動開始から固化完了までの
時間としたときの、動的粘弾性測定による損失正接(t
anδ)の値が0.04以下のゴムを含む。
さらに他の局面では、次のような配合のクッション材を
用いる。クッション材は、ポリオール加硫系のフッ素ゴ
ム成分、加硫剤、加硫促進剤および受酸剤を含むフッ素
ゴム組成物を有し、フッ素ゴム成分、加硫剤および加硫
促進剤の合計がフッ素ゴム組成物全体の80体積%以上
である。
イドやしわが発生せず、平滑性に優れ、汚染されること
もない、高品質なプリント基板を製造できる。
を有する。また、上記プリント基板は、たとえばフレキ
シブルプリント基板あるいはビルドアップ多層配線板で
ある。
は、かかるプリント基板の熱プレスに際し有効である。
て説明する。
2(特公平7−12617号におけるサンプル1,2に
対応)における配合割合を示す表である。
フッ素ゴム組成物を製造し、2本のロールを用いて実施
例および比較例1,2の未加硫フッ素ゴムシートを作製
した。その後、金型で170℃×30分のプレス加硫
(1次加硫)を行ない、厚み2mmの加硫フッ素ゴムシ
ートを作製した。実施例の加硫フッ素ゴムシートについ
ては、さらにオーブンで230℃×24時間の2次加硫
を行なった。この2次加硫は、可塑剤の沸点以上の温度
で行なう。それにより、可塑剤を揮散させることがで
き、本発明に係るゴムシートを熱プレスのクッション材
として使用した場合に、可塑剤のしみだしを阻止するこ
とができる。
合には、未加硫のままでそれらを積層し、1次加硫で互
いに接着する。また1次加硫は、160℃〜200℃,
5分〜120分,1kg/cm2 〜20kg/cm2 の
条件で行なえばよい。
以上の温度で、かつプレスの使用温度以上の温度で行な
うことが好ましい。2次加硫の温度が低すぎると2次加
硫の効果が上がらず、高すぎるとゴムが劣化する。よっ
て好適な2次加硫温度は、200℃〜260℃である。
4〜30時間)である。時間が短いと2次加硫の効果が
上がらず、長すぎても一定以上の効果を期待できない。
逆にゴムが劣化する場合がある上、時間の浪費となる。
る。また、2次加硫は、ゴムの少なくとも片面が通気性
のある状態で行なうのが好ましい。それにより、可塑剤
を効果的に揮散させることができる。
れていないか、あるいは織布、不織布、紙等の通気性素
材が積層された状態のことである。
失正接(tanδ)の値を、次の装置および測定方法に
より測定した。すなわち、粘弾性スペクトロメータ(岩
本製作所(株)製:TYPE VES−FIII)を用
い、強制振動非共振法(位相差法)により測定した。そ
の結果を図1〜図4に示す。
(150℃)の比較結果を示す。このマスターカーブ
は、公知の時間−温度換算則に基づいて周期1秒〜1×
105秒の範囲で作成した。
トのtanδの値が0.04以下であるのに対し、比較
例1,2のtanδの値が0.04より大きくなってい
るのがわかる。このようにtanδの値を従来より小さ
くすることにより、歪回復性を従来よりも向上させるこ
とができる。かかる特性のゴムシートは、特に、表面に
凹凸のある製品を熱プレスする際のクッション材として
有効である。なお、tanδの値は、0に近い程好まし
い。
℃,200℃,250℃とした場合の実施例および比較
例1,2のtanδの周期分散について説明する。な
お、図2〜図4では、周期を1秒〜2×103 秒の範囲
内としている。この周期は、プレス対象物内で接着剤が
流動を開始してから固化を完了するまでの時間に基づい
ている。また、この周期範囲の熱プレスの典型例とし
て、フレキシブルプリント基板の製造における表面フィ
ルムの貼り合わせ工程を挙げることができる。
も、実施例のゴムシートのtanδの値は0.04以下
となっていることがわかる。それに対し、図3および図
4に示すように、比較例のtanδの値は、いずれの温
度においても0.04より大きくなっていることがわか
る。
は、プレス対象物中の接着剤が流動を開始してから固化
を完了するまでの時間(1秒〜2×103 秒)に相当す
る周期において、優れた弾性を示すといえる。このた
め、本発明に係るゴムシートを熱プレス用のクッション
材に用いることにより、プレス対象物中の接着剤の流動
時に生じる不均一な内部応力を速やかに均一化すること
ができ、ボイドの発生を効果的に抑制することができ
る。
JISK6253によるデュロメータ硬さの比較を行な
う。
デュロメータ硬さが、比較例1,2のそれよりも小さい
のがわかる。このように、デュロメータ硬さを小さくす
ることにより、凹凸への追従性を向上させることができ
る。それに加え、図2〜図4に示したような優れた歪回
復性との相乗効果によって、凹凸のある製品を熱プレス
した際に、ボイドが発生することを効果的に抑制するこ
とができる。
り、A75以下であれば少なくとも比較例の場合より凹
凸への追従性を向上させることができるものと考えられ
る。好ましくは、デュロメータ硬さは、A70以下であ
り、さらに好ましくは、A65以下である。ただし、デ
ュロメータ硬さはA10以上である必要がある。
発泡体であってもよい。次に、表1に示す実施例の配合
についてより詳しく説明する。まず、主成分であるフッ
素ゴムについては、ポリアミン加硫系、ポリオール加硫
系および有機過酸化物加硫系のいずれを用いてもよい。
このようにフッ素ゴムを主成分とすることにより、耐熱
性が良好でありかつ強度が大きくなることに加え、配合
された材料のしみだしも少なくすることができる。
用した場合には、圧縮永久歪みを小さくすることがで
き、ゴムの寿命が長くなる。ポリオール加硫剤として
は、下記の化学式1の(a)〜(d)の4種類を挙げる
ことができる。この中で、(a)のビスフェノールAF
が最も耐熱性に優れている。
よび加硫促進剤の合計が、フッ素ゴム組成物全体に対し
80体積%以上であることが好ましい。より好ましく
は、上記合計が、85体積%以上である。このような配
合とすることにより、tanδの値を低減することがで
き、歪回復性の優れたゴムが得られた。
促進剤としては、構造式R4 P+ X - で示される有機フ
ォスフォニウム塩、R4 N+ X- で示される第4級アン
モニウム塩などが好ましい。
ば熱プレスを行なう場合にはプレスの使用温度以下の沸
点を有するものを使用することが好ましい。可塑剤の使
用量は、ゴム100重量部に対して0.5〜5(好まし
くは1〜2)重量部である。0.5重量部より少な過ぎ
ると加工性を改善する効果が小さくなり、多すぎると可
塑剤を揮散させた後のゴムの寸法安定性が悪くなる。
レート、ジイソオクチル・フタレート、ジイソノニル・
フタレート、ジメチル・イソフタレート、ジ−(2−エ
チルヘキシル)アジペート、ジイソデシル・アジペー
ト、ジ(n−オクチル,n−デシル)アジペート、ベン
ジルオクチル・アジペート、ジブチルジグリコール・ア
ジペート、ジ−n−アルキル・アジペート、ジ−n−ア
ルキル(C6,8,10)アジペート、ジ−(2−エチルヘキ
シル)アゼレート、ジ−n−ヘキシル・アゼレート、ジ
−2−エチルヘキシル・ドデカネジオエート、ジメチル
・マレート、ジエチル・マレート、ジ−(2−エチルヘ
キシル)マレート、ジ−(2−エチルヘキシル)フマレ
ート、トリエチル・シトレート、トリ−n−ブチル・シ
トレート、アセチル・トリエチル・シトレート、モノメ
チル・イタコネート、ジメチル・イタコネート、ブチル
・オレート、メチル・アセチル・リシノレート、n−ブ
チル・ステアレート等を挙げることができる。
用クッション材として使用する場合には、ゴムの表面に
離型性処理が施されることが好ましい。離型性処理とし
ては、ゴムの特性を損なわないものが好ましい。具体的
には、合成樹脂フィルムをゴムの表面に張りつけたも
の、ゴムの表面を均一に粗面化したもの、紫外線または
電子線照射を施したものなどが挙げられる。
ルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂、およびポリイ
ミド樹脂からなるフィルムが好ましい。
下であることが好ましい。より好ましくは、合成樹脂フ
ィルムの厚みは、10μm〜50μmである。
面に予めコロナ放電や酸等による処理が施されることが
好ましい。それにより、合成樹脂フィルムとゴムとの接
着性が良好となり、特に接着剤を使用しなくてもゴムの
1次加硫時に合成樹脂フィルムとゴムとを接着すること
ができる。接着剤を使用しないことにより、クッション
材の表面にゴムの弾性を生かすことができ、凹凸への追
従性が良好なクッション材が得られる。
した合成樹脂フィルムを使用してもよい。この場合、ゴ
ムを2次加硫した後に合成樹脂フィルムを接着すること
が可能となる。それにより、合成樹脂フィルムを貼り合
わせてない状態でゴムを2次加硫できるため、2次加硫
の効率が向上する。
としては、均一な凹凸面を有する金型、金属板、織布等
の転写材から転写する方法が挙げられる。また、その他
の物理的処理、化学的処理などによって行なってもよ
い。ゴムの表面を粗面化する場合、表面粗さは、JIS
B0601に定義される算術平均粗さ(Ra)で5μm
〜100μmとするのが好ましい。
ゴムからなる層を1層以上と、織布、不織布、紙、フィ
ルム、箔、シートおよび板の中から選ばれた1種以上か
らなる1層以上の層とを組合わせて積層一体化してもよ
い。上記織布、不織布、紙、フィルム、箔、シートおよ
び板は、好ましくは、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴム、
金属およびセラミックスの中から選ばれた単独または複
合材である。
を示す。図6(a)に示すように、フッ素ゴム7単体で
クッション材3として使用してもよいが、図6(b)〜
(l)に示すように、フッ素ゴム7と、ガラスクロス
8、フッ素樹脂フィルム9、芳香族ポリアミド不織布1
0、ガラスクロスの両面にフッ素ゴムをコーティングし
さらにその表面にポリイミド樹脂をコーティングした表
層材11、芳香族ポリアミドクロス12、ガラスクロス
にフッ素樹脂をコーティングした層13、ポリイミドフ
ィルム14あるいはアルミニウム板15とを積層一体化
してもよい。上記フッ素ゴム7の厚みは、たとえば0.
5mmである。また、フッ素樹脂フィルム9の厚みは、
たとえば25μmである。
る場合を考慮して、上記積層体の少なくとも一方の表面
層は、好ましくは、ゴムで構成される。表面ゴム層の厚
みは、たとえば0.1mm〜3.0mmである。より好
ましくは、表面ゴム層の厚みは、0.3mm〜1.0m
mである。表面ゴム層の厚みが小さ過ぎると、均一なシ
ート状に成形するのが難しくなる。また、表面ゴム層の
厚みが大き過ぎると、プレスの圧力によるゴムの変形量
が大きくなるため、ゴムの破壊が生じやすくなって耐久
性が低くなる。よって、表面ゴム層の厚みを上述の範囲
とすることにより、均一なシート状に成形しやすくかつ
耐久性の高い表面ゴム層が得られる。
面ゴム層の表面に前述の離型性処理を施すことが好まし
い。図6におけるフッ素樹脂フィルム9は、離型性処理
の一例である。
熱プレス用クッション材として用いた場合の熱プレス方
法の一例について説明する。
ンレス製の当て板4,4′、クッション材3,3′、離
型フィルム5、フレキシブルプリント基板1およびカバ
ーレイフィルム2を配置し、フレキシブルプリント基板
1およびカバーレイフィルム2(プリント基板材料)を
加熱・加圧成形する。
本発明に係るゴムを用いることにより、前述のように、
クッション材3,3′の歪回復性および凹凸追従性を向
上することができる。それにより、クッション材3,
3′の良好なクッション性を長期間維持できるととも
に、フレキシブルプリント基板1におけるボイドの発生
をも効果的に抑制できる。また、プレス時のガスの発
生、分解分子の揮散およびブリード等をも回避でき、フ
レキシブルプリント基板1やその周辺機器の汚染等を防
止できる。さらに、フッ素ゴムを主成分とするゴムを用
いることにより、耐熱性に優れかつ高強度なクッション
材3,3′が得られる。それにより、クッション材3,
3′の耐久性をも向上させることができる。
ョン材3,3′は、上記のフレキシブルプリント基板1
以外にビルドアップ多層配線板やその他のプリント基
板、さらにはすべての熱プレスにおいて広く使用可能で
ある。
て説明を行なったが、今回開示した実施の形態は全ての
点で例示であって制限的なものではないと考えられるべ
きである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示さ
れ、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべ
ての変更を含む。
2のtanδの値とを併記したグラフである。
ラフである。
ある。
ある。
法の一例を示す図である。
造例を示す断面図である。
ム、3,3′ クッション材、4,4′ 当て板、6,
6′ 熱盤、7 フッ素ゴム、8 ガラスクロス、9
フッ素樹脂フィルム、10 芳香族ポリアミド不織布、
11 表層材、12 芳香族ポリアミドクロス、13
ガラスクロスにフッ素樹脂コーティングした層、14
ポリイミドフィルム、15 アルミニウム板。
Claims (8)
- 【請求項1】 原料ゴムと、加硫剤、加硫促進剤、受酸
剤および可塑剤を混練して練り生地を作成する工程と、 前記練り生地をシート状に加工して未加硫ゴムシートを
作成する工程と、 前記未加硫ゴムシートを1次加硫して加硫ゴムシートと
する工程と、 前記加硫ゴムシートを前記可塑剤の沸点以上の温度で2
次加硫することにより前記可塑剤を揮散させる工程と、
を備えた、熱プレスのクッション材用ゴムの製造方法。 - 【請求項2】 前記2次加硫により、温度条件を150
℃〜250℃とし、周波数条件を1秒〜1×103 秒
としたときの動的粘弾性測定による損失正接(tan
δ)の値を0.04以下とする、請求項1に記載の熱プ
レスのクッション材用ゴムの製造方法。 - 【請求項3】 前記ゴムは、フッ素ゴムを主成分とす
る、請求項1または2に記載の熱プレスのクッション材
用ゴムの製造方法。 - 【請求項4】 前記ゴムは、ポリオール加硫系のフッ素
ゴム成分、加硫剤、加硫促進剤および受酸剤を含むフッ
素ゴム組成物であり、 前記フッ素ゴム成分、加硫剤および加硫促進剤の合計
が、前記フッ素ゴム組成物全体の80体積%以上であ
る、請求項3に記載の熱プレスのクッション材用ゴムの
製造方法。 - 【請求項5】 前記ゴムの表面に、離型性処理が施され
た、請求項1〜4のいずれかに記載の熱プレスのクッシ
ョン材用ゴムの製造方法。 - 【請求項6】 前記ゴムからなる層を1層以上と、織
布、不織布、紙、フィルム、箔、シートおよび板の中か
ら選ばれた1種以上からなる1層以上とを積層一体化し
た、請求項1〜5のいずれかに記載の熱プレスのクッシ
ョン材用ゴムの製造方法。 - 【請求項7】 前記織布、不織布、紙、フィルム、箔、
シートおよび板は、合成樹脂、天然ゴム、合成ゴム、金
属およびセラミックスの中から選ばれた単独または複合
材である、請求項6に記載の熱プレスのクッション材用
ゴムの製造方法。 - 【請求項8】 前記熱プレス用クッション材の少なくと
も一方の表面層が、前記ゴムで構成される、請求項1〜
7のいずれかに記載の熱プレスのクッション材用ゴムの
製造方法。
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JP2003128024A JP3860136B2 (ja) | 2003-05-06 | 2003-05-06 | 熱プレスのクッション材用ゴムの製造方法 |
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JP3860136B2 JP3860136B2 (ja) | 2006-12-20 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008023749A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Yamauchi Corp | 熱プレス用クッション材およびその製造方法 |
JP2013132889A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Okuda Corp | 熱プレス用クッション材 |
JP2014019015A (ja) * | 2012-07-17 | 2014-02-03 | Sato Holdings Corp | 熱転写インクリボンの保存試験方法およびその保存試験装置 |
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2003
- 2003-05-06 JP JP2003128024A patent/JP3860136B2/ja not_active Expired - Fee Related
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