JP2003311572A - 自動位置決め装置 - Google Patents

自動位置決め装置

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JP2003311572A
JP2003311572A JP2003000775A JP2003000775A JP2003311572A JP 2003311572 A JP2003311572 A JP 2003311572A JP 2003000775 A JP2003000775 A JP 2003000775A JP 2003000775 A JP2003000775 A JP 2003000775A JP 2003311572 A JP2003311572 A JP 2003311572A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ワークパレットをテーブル上に高精度かつ自
動的に位置決めする自動位置決め装置を提供する。 【解決手段】 ワークパレット3に円形の位置決め孔5
を開口する。その位置決め孔5内へ挿入されるプラグ部
材12をベースプレート2から突出させ、そのプラグ部
材12に上向きにすぼまる傾斜外面13を設ける。プラ
グ部材12の外周に薄肉シリンダ状の中間部材15を配
置する。その中間部材15に、上記の位置決め孔5に嵌
入されるストレート外面16と、上記プラグ部材12の
上記の傾斜外面13に対面する傾斜内面17とを設け
る。これら両傾斜面13・17の間に複数のボール18
を挿入する。皿バネ34によってプル部材21を介して
中間部材15を下向きにロック移動させ、これに対し
て、油圧室35の圧油によってプル部材21を介して中
間部材15を上向きにリリース移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、工作機械のテー
ブル等の基準部材にワークパレット等の可動部材を自動
的に位置決めする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の位置決め装置は、一般的には、
可動部材の被支持面に開口させた円形の位置決め孔を基
準部材の支持面から突出させたプラグに嵌合させるよう
にしてある(例えば、日本国・特開昭57−27640
号公報を参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術では、
上記の位置決め孔とプラグとの両者をスムーズに嵌合さ
せるため上記の両者間に所定の嵌合隙間を設ける必要が
ある。このため、その嵌合隙間によって位置決め精度が
低下する。本発明の目的は、高精度かつ自動的に位置決
めできる装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1の発明は、例えば、図1Aと図1B、又は
図4Aと図4B、もしくは図5に示すように、自動位置
決め装置を次のように構成した。基準部材2の支持面2
aに可動部材3の被支持面3aを受け止めるようにした
位置決め装置であって、上記の可動部材3の上記の被支
持面3aに、ほぼ円形に形成した位置決め孔5を開口す
る。上記の基準部材2から先端方向へ突出させたプラグ
部材12を同上の基準部材2に固定する。そのプラグ部
材12に、上記の先端方向へ向うにつれて軸心へ近づく
傾斜外面13を設ける。上記の傾斜外面13の外側に、
周方向の少なくとも一部分が半径方向へ拡大および縮小
する環状の中間部材15を配置する。その中間部材15
に、上記の位置決め孔5に嵌入されるストレート外面1
6と、上記の傾斜外面13に対面する傾斜内面17とを
設ける。上記プラグ部材12内にプル部材21を軸心方
向へ移動自在に挿入して、そのプル部材21の先端部を
上記の中間部材15に連結する。上記の基準部材2内に
ロック手段31とリリース手段32とを設ける。上記ロ
ック手段31が上記プル部材21を介して上記の中間部
材15を基端方向へロック移動させ、上記リリース手段
32が上記プル部材21を介して上記の中間部材15を
先端方向へリリース移動させる。
【0005】上記の請求項1の発明は、次の作用効果を
奏する。基準部材に可動部材を位置決めするときには、
まず、その基準部材のプラグ部材に上記の可動部材の位
置決め孔を嵌合させ、その後、前記ロック手段によって
前記プル部材を介して前記の中間部材を基端方向へ駆動
する。すると、その中間部材の前記の傾斜内面が上記の
プラグ部材の傾斜外面に直接または間接的に楔係合して
いき、上記の中間部材の少なくとも一部分が半径方向の
外方へ拡大する。これにより、その中間部材のストレー
ト外面が上記の位置決め孔に密着する。これと同時に、
上記プル部材が上記の密着した中間部材を介して上記の
可動部材を上記の基準部材に押圧する。これに対して、
上記ロック状態の可動部材をリリースさせるときには、
前記リリース手段によって前記プル部材を介して前記の
中間部材を先端方向へ駆動すればよい。すると前記の傾
斜外面と傾斜内面との楔係合が解除されて、上記の中間
部材の少なくとも一部分が半径方向の内方へ縮小する。
これにより、その中間部材のストレート外面と上記の位
置決め孔との密着状態が解除される。その後、上記の基
準部材から上記の可動部材を離間させればよい。
【0006】上記の請求項1の発明は、位置決め孔と中
間部材とを嵌合させた後にその嵌合隙間を無くすことが
できる。従って、これら位置決め孔と中間部材とをスム
ーズに嵌合させることと高精度に位置決めすることとを
両立できる。そのうえ、上記の基準部材内に上記ロック
手段とリリース手段とを設けたので、位置決め及び位置
決め解除を自動的に行えるうえ切粉や塵埃等の異物が上
記ロック手段とリリース手段の内部へ侵入することを防
止できる。また、前記ロック駆動時には、上記プル部材
が中間部材を介して上記の可動部材を上記の基準部材に
押圧するので、必要に応じて、専用のクランプ手段を省
略することも可能である。
【0007】請求項2の発明に示すように(図1A及び
図1Bを参照)、上記の請求項1の発明には次の構成を
加えることが好ましい。前記の中間部材15は、薄肉シ
リンダによって構成して、その環状壁15aの少なくと
も一部分を半径方向の外方へ弾性変形可能かつ自己の弾
性復元力によって半径方向の内方へ復帰可能に構成し、
上記の中間部材15の内周に前記の傾斜内面17を周方
向へ間隔をあけて複数設ける。その請求項2の発明は、
上記の中間部材の外面を隙間なしに造れるので、切粉や
塵埃等の異物が中間部材の内側空間へ侵入するのを防止
できる。このため、位置決め装置を長期間にわたってメ
ンテナンスフリーで使用できる。
【0008】請求項3の発明に示すように(図1A及び
図1Bを参照)、上記の請求項2の発明においては、前
記の傾斜外面13を周方向へ所定の間隔をあけて複数設
け、各傾斜外面13と前記の各傾斜内面17との間に転
動体18を挿入することが好ましい。その請求項3の発
明は、上記の傾斜外面と傾斜内面とを上記の転動体によ
って円滑に係合および係合解除できる。
【0009】請求項4の発明に示すように(図4A及び
図4Bを参照)、前記の請求項1の発明においては、前
記の中間部材15の環状壁15aに、軸心方向へ延びる
少なくとも一つのスリット51を設けて、その環状壁1
5aを半径方向の外方へ弾性変形可能かつ自己の弾性復
元力によって半径方向の内方へ復帰可能に構成すること
が好ましい。その請求項4の発明は、上記の中間部材を
簡素かつ精密に加工することが容易であるうえ、その中
間部材の半径方向の弾性変形量を大きくできる。
【0010】請求項5の発明に示すように(図4A及び
図4Bを参照)、上記スリット51にゴム等の弾性シー
ル部材52を装着してもよい。この場合、その中間部材
の内側空間へ異物が侵入するのを上記の弾性シール部材
によって防止できる。
【0011】請求項6の発明に示すように、前記の中間
部材15に前記のストレート外面16をほぼ全周にわた
って形成した場合には、その中間部材と位置決め孔との
密着面積を大きくできるので、より高精度に位置決めで
きる。
【0012】請求項7の発明に示すように(図6を参
照)、前記の中間部材15に前記ストレート外面16を
周方向へ間隔をあけて設けた場合には、上記ストレート
外面の密着面積を小さくして大きな面圧を確保できる。
【0013】請求項8の発明に示すように(図6を参
照)、上記の請求項7の発明には次の構成を加えること
が好ましい。前記プラグ部材12に前記の中間部材15
を軸心回りの回転を阻止した状態で取り付け、その中間
部材15に、互いに向かい合う一対の前記ストレート外
面16・16を設けると共に、これら一対のストレート
外面16・16の間に逃がし面71・71を凹入形成す
る。この場合、上記の一対の逃がし面によって上記の中
間部材と前記の位置決め孔とを円滑に嵌合できるので、
その嵌合操作が容易かつ確実になる。
【0014】請求項9の発明に示すように(図5を参
照)、前記プラグ部材12と前記の中間部材15と前記
プル部材21のうちの少なくとも一つの部材に、クリー
ニング用の圧力流体の吐出口64,65,66を開口す
ることが好ましい。この場合、位置決め装置に付着した
異物を上記の圧力流体によって吹き飛ばすことができる
ので、位置決めを確実かつ高精度に行える。
【0015】請求項10の発明に示すように(図4Aを
参照)、前記の請求項1又は2もしくは4の発明におい
ては、前記の傾斜外面13に前記の傾斜内面17を直接
に係合させることが好ましい。この場合、簡素かつコン
パクトな位置決め装置を提供できる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1Aと図1Bおよび図2は、本
発明の第1実施形態を示している。まず、図1Aと図1
Bとによって、本発明の自動位置決め装置の全体構成を
説明する。図1Aは、その自動位置決め装置の立面視の
断面図である。図1Bは、上記の図1A中の1B−1B
線矢視断面図に相当する図である。
【0017】この実施形態では、工作機械のテーブル1
に基準部材であるベースプレート2を載置し、そのベー
スプレート2の支持面2aに、可動部材であるワークパ
レット3の被支持面3aを受け止めると共に、上記ベー
スプレート2に上記のワークパレット3を心合わせする
ように構成してある。
【0018】上記ワークパレット3の上記の被支持面3
aには、精密に加工した円形の位置決め孔5が複数開口
される。各位置決め孔5に対応させて、上記ベースプレ
ート2にプラグ手段6が設けられる。なお、ここでは、
複数セットの位置決め孔5およびプラグ手段6のうちの
1セットだけを図示してある。
【0019】上記プラグ手段6は次のように構成されて
いる。上記ベースプレート2の前記の支持面2aに段付
きの装着穴8が形成され、その装着穴8にデータムブロ
ック9が精密に嵌入され、そのブロック9のフランジ9
aが4本の締付けボルト10によって上記の装着穴8の
段部分8aに固定される。前記の位置決め孔5内へ挿入
されるプラグ部材12が上記ブロック9から上向きに突
出される。そのプラグ部材12の軸心は、前記の装着穴
8の軸心とほぼ同一になっている。上記プラグ部材12
の外周には、上方(先端方向)へ向うにつれて上記の軸心
へ近づく傾斜外面13が周方向へほぼ等間隔で3つ設け
られている。
【0020】また、上記プラグ部材12の外周に環状の
中間部材15が配置される。その中間部材15は、この
実施形態では薄肉シリンダからなり、半径方向の外方へ
弾性変形可能かつ自己の弾性復元力によって半径方向の
内方へ復帰可能となるように構成されている。その中間
部材15の外周の全体にわたって、前記の位置決め孔5
に嵌入されるストレート外面16が形成される。ちなみ
に、上記の中間部材15の縮径状態では、前記の位置決
め孔5と上記ストレート外面16との間の嵌合隙間G
は、その位置決め孔5の直径が例えば約30mmの場合に
は、約 0.05mm 程度の小さな値である。
【0021】また、上記の中間部材15の内周には、前
記プラグ部材12の前記の傾斜外面13に対面する傾斜
内面17が周方向へほぼ等間隔で3つ設けられる。そし
て、上記の各傾斜外面13と上記の各傾斜内面17との
間に3つの金属ボール(転動体)18が挿入される。な
お、上記の複数のボール18の間には保持リング(図示
せず)を装着してもよい。
【0022】上記プラグ部材12内にプル部材21が上
下移動自在に挿入される。そのプル部材21は、前記ブ
ロック9の下部に保密状に挿入したピストン22と、そ
のピストン22から上向きに突出したピストンロッド2
3と、そのピストンロッド23の上部にネジ止めしたプ
ルボルト24と、そのプルボルト24の頭部25によっ
て上記ピストンロッド23の上端面に押圧されるリング
26とを備える。上記ボルト頭部25と上記リング26
との間に前記の中間部材15の上フランジ27が嵌入さ
れている。
【0023】上記ブロック9内にロック手段31とリリ
ース手段32とが設けられる。そのロック手段31は、
上記ピストン22の上側に積層させた複数枚の皿バネ3
4と上記ピストン22とによって構成される。また、上
記リリース手段32は、上記ピストン22の下側に形成
したリリース用の油圧室35と同上ピストン22とによ
って構成される。なお、前記プルボルト頭部25には、
ネジ回し用のニつの小穴37が形成されている。各穴3
7には、シリコンゴム等のシーラント38が充填されて
いる。また、前記の締付けボルト10の頭部10aの周
囲にもシリコンゴム等のシーラント(図示せず)を充填し
ている。これにより、切粉や塵埃等の異物が凹所に溜ま
るのを防止してある。
【0024】上記の自動位置決め装置は次のように作動
する。上記の図1Aと上記の図1Bのリリース状態で
は、前記の油圧室35に圧油を供給している。これによ
り、前記のピストン22が皿バネ34の付勢力に抗して
前記ピストンロッド23を上昇させ、そのピストンロッ
ド23が前記プルボルト24および前記リング26を介
して前記の中間部材15を上昇させて、その中間部材1
5が縮径状態へ切り換えられている。この場合、前記の
プラグ部材12の上端面と上記リング26の下面との間
には、接当隙間が形成されている。
【0025】前記ベースプレート2に前記ワークパレッ
ト3を位置決めするときには、まず、図1Aに示すよう
に、上記リリース状態で上記ワークパレット3を下降さ
せて前記の位置決め孔5を上記の中間部材15の前記ス
トレート外面16に嵌合させる。
【0026】次いで、上記の油圧室35の圧油を排出す
る。すると、上記の皿バネ34の付勢力によって前記ピ
ストン22が前記プルボルト24および前記リング26
を介して前記の中間部材15を強力に下降させる。する
と、その中間部材15の前記の傾斜内面17が前記の複
数のボール18を介して前記プラグ部材12の傾斜外面
13に楔係合していく。これにより、図2の模式図に示
すように、上記の複数のボール18を介して上記の中間
部材15の環状壁15aの3つの部分が弾性的に拡径す
ると共に、これらの拡径部分41・41・41が前記の
位置決め孔5に密着する。これと同時に、上記プルボル
ト24が上記の中間部材15を介して上記ワークパレッ
ト3を引き下げるので、そのワークパレット3の前記の
被支持面3aが前記のベースプレート2の前記の支持面
2aに押圧される。その後、クランプ手段(図示せず)に
よって上記ベースプレート2に上記ワークパレット3を
強力に押圧するのである。
【0027】上記のロック状態から前記リリース状態へ
切り換えるときには、まず、上記クランプ手段(図示せ
ず)のクランプ状態を解除し、次いで、前述したように
前記の油圧室35へ圧油を供給すればよい。これによ
り、前記プルボルト24および前記リング26によって
上記の中間部材15が上昇して、その中間部材15が自
己の弾性復元力によって縮径するので、前記ロック状態
が解除される。その後、前記ワークパレット3を上昇さ
せるのである。
【0028】なお、上記ロック駆動時には、前記リング
26の下面が前記プラグ部材12の上端面に接当するこ
とにより、上記の中間部材15の所定量以上の下降が阻
止される。また、そのロック駆動時における中間部材1
5の引き下げ力を十分に大きい値に設定した場合には、
前記クランプ手段(図示せず)を省略可能である。
【0029】図3Aと図3Bは、上記の中間部材15の
変形例を示している。この変形例が上記の第1実施形態
と異なる点は、前記プラグ部材12の前記の傾斜外面1
3と上記の中間部材15の傾斜内面17とを向かい合わ
せに二組設けたことにある。図3Aは、上記の中間部材
15の縮径状態の模式図を示し、前記の図1Bに類似す
る図である。図3Bは、上記の中間部材15の拡径状態
の模式図を示し、前記の図2に類似する図である。上記
の図3A中の参照符号45は、前記の位置決め孔5と前
記の中間部材15とのセンタリング誤差に起因する隙間
を示している。また、上記の図3B中の参照符合46・
47は、それぞれ、第1逃しスペースと第2逃しスペー
スとを示している。
【0030】そして、前記の図1Bおよび図2のタイプ
の位置決め装置と上記の図3Aおよび図3Bのタイプの
位置決め装置とを用いると、上記の第1と第2の逃しス
ペース46・47の作用により、前記ベースプレート2
と前記ワークパレット3とをスムーズに嵌合させること
と精密に位置決めすることを両立できる。
【0031】上記の第1実施形態や変形例は次のように
変更可能である。前記の傾斜外面13と前記の傾斜内面
17とは、3組または2組設けることに代えて、4組以
上設けてもよく、1組であっても差し支えない。また、
前記ボール18に代えて、円筒コロや球面コロを利用し
てもよい。さらには、上記ボール18を省略して、前記
の傾斜外面13と前記の傾斜内面17とを直接に接当さ
せてもよい。前記の支持面2aは、前記ベースプレート
2に設けることに代えて、前記データムブロック9の前
記フランジ9aの上面に設けてもよい。
【0032】図4Aと図4B、図5、図6は、それぞ
れ、第2実施形態・第3実施形態・第4実施形態を示し
ている。これらの別の実施形態においては、上記の第1
実施形態の構成部材と類似する部材には原則として同一
の符号を付けて説明する。
【0033】図4Aと図4Bの第2実施形態の発明は、
次の点で前記の第1実施形態とは異なる。なお、図4A
は、自動位置決め装置の立面視の断面図であって、前記
の図1Aに類似する図である。図4Bは、上記の図4A
中の4B−4B線矢視断面図に相当する図であって、前
記の図1Bに類似する図である。
【0034】この場合、前記の中間部材15がコレット
状に形成される。即ち、その中間部材15の環状壁15
aには、軸心方向へ延びて上下の両端に開口する一つの
スリット51が設けられる。これにより、上記の環状壁
15aの周方向のほぼ全部が、半径方向の外方へ弾性変
形可能かつ自己の弾性復元力によって半径方向の内方へ
復帰可能に構成されると共に、上記の中間部材15の外
周に前記ストレート外面16がほぼ全周にわたって形成
される。また、その中間部材15の傾斜内面17が、前
記プラグ部材12のテーパ形の傾斜外面13に直接に接
当している。
【0035】上記スリット51は、軸心方向へ延びてお
ればよく、軸心に沿って真っ直ぐに延びる場合と、その
軸心に対して傾斜している場合とが考えられる。また、
そのスリット51は、一つに限定されるものではなく複
数であっても差し支えない。この場合、上記スリット5
1は、上記の中間部材15の上面と下面とに周方向へ交
互に開口することが考えられる。なお、ここでは、上記
スリット51に、ゴム等の弾性シール部材52を、接着
または充填などによって装着している。しかし、その弾
性シール部材52は、位置決め装置の用途に応じて省略
してよい。
【0036】また、前記ベースプレート2の前記の装着
穴8には前記データムブロック9が圧入され、そのブロ
ック9の前記フランジ9aには2つのジャッキ用ボルト
54がネジ止めされる。そして、上記ベースプレート2
から上記ブロック9を取り外すときには、上記の2つの
ボルト54を下向きに螺進させて、各ボルト54の下面
を上記の装着穴8の前記の段部分8aに押し当てればよ
い。なお、この第2実施形態では、前記の図1Aの複数
の皿バネ34に代えて圧縮コイルバネ56が装着されて
いる。
【0037】図5は、第3実施形態を示し、前記の図4
Aに類似する図である。この場合、前記リリース手段3
2が前記のリリース用の油圧室35を備えると共に、前
記ロック手段31もロック用の油圧室59を備える。ま
た、クリーニング用の圧縮空気の供給手段が設けられ
る。その供給手段は、前記のベースプレート2内の第1
流路61と、前記プラグ部材12内の第2流路62とを
備える。その第2流路62に複数の吐出口64・65・
66が連通される。第1吐出口64は、前記のプルボル
ト24の前記の頭部25の下面に形成した溝によって構
成されている。第2吐出口65は、上記プラグ部材12
の前記の傾斜外面13に開口される。第3吐出口66
は、上記プラグ部材12の下部の外面に開口されてい
る。
【0038】なお、上記の各吐出口64・65・66
は、斜め向きに形成してもよい。また、圧縮空気の流路
は、前記プラグ部材12の内周面と前記ピストンロッド
23の外周面との間の隙間によって形成してもよい。ま
た、上記クリーニング用の圧縮空気の吐出口は、上記プ
ラグ部材12と前記の中間部材15と前記プルボルト2
4のうちの少なくとも一つの部材に開口させればよい。
上記クリーニング手段は、前記の第1実施形態や第2実
施形態にも適用できることは勿論である。
【0039】図6は、第4実施形態を示し、前記の図4
Bに類似する図である。この場合、前記のコレット状の
中間部材15をピン70を介して前記プラグ部材12に
軸心回りの回転を阻止した状態で取り付けてある。ま
た、その中間部材15の外周の一部分に、2つのストレ
ート外面16・16を互いに向かい合わせに設けると共
に、これら一対のストレート外面16・16の間に逃が
し面71・71を凹入形成してある(前記の図4A中の
二点鎖線図を参照)。そして、前記の図4Bのタイプの
位置決め装置と上記の図6のタイプの位置決め装置とを
用いると、上記の逃がし面71・71の作用により、前
記ベースプレートと前記ワークパレットとをスムーズに
嵌合させることと精密に位置決めすることを両立でき
る。
【0040】なお、上記の図6の実施形態に代えて、前
記の図5(又は図4A)の実施形態を次の構造に変更して
もよい。前記のプラグ部材12の外周に2つの拡径用の
突起(図示せず)を互いに向い合わせに設けると共に、こ
れら突起の間に凹所を設け、上記の各突起に前記の傾斜
外面を設けるのである。また、上記の拡径用の突起また
は前記の図6の突起状のストレート外面16からなる突
起部分は、2つ設けることに代えて、周方向へ間隔をあ
けて3つ以上設けてもよい。これらの突起部分は、図6
の装置のみならず、図1Aと図1B、図4Aと図4B、
又は図5の各装置にも適用可能である。
【0041】上記の各実施形態は、さらに次のように変
更可能である。前記プラグ部材12と前記データムブロ
ック9とは、一体に形成することに代えて、別体に形成
してもよい。この場合、上記プラグ部材12をボルト締
め又はネジ止め等によってデータムブロック9に強固に
固定すればよい。また、上記データムブロック9と前記
ベースプレート2とは、別体に形成することに代えて、
一体に形成してもよい。ロック又はリリースに使用する
圧力流体は、例示の圧油に代えて、圧縮空気等のガスで
あってもよい。また、クリーニング用の圧力流体は、例
示の圧縮空気に代えて、窒素等のガスや液体であっても
よい。
【0042】本発明の位置決め装置には着座確認手段を
設けてもよい。例えば、前記ベースプレート2の前記の
支持面2aに検出ノズル孔(図示せず)を開口し、その検
出ノズル孔に検出用の圧縮空気を供給する。そして、前
記ワークパレット3の前記の被支持面3aが上記の支持
面2aに接当すると、上記の検出ノズル孔内の圧力が上
昇する。その圧力上昇を圧力スイッチ等で検出すること
によって、上記ワークパレット3が上記ベースプレート
2に着座したことを確認できる。なお、上記の着座確認
用の流路と前述のクリーニング用の流路の両者は、互い
に独立して設けることに代えて、兼用することも可能で
ある。
【0043】前記の基準部材と可動部材との組み合わせ
は、例示したベースプレート2とワークパレット3の組
み合わせに代えて、工作機械のテーブルとワークパレッ
トの組み合わせ、ワークパレットと治具ベースの組み合
わせ、治具ベースとワークピースの組み合わせ、溶接治
具等の作業用治具とワークピース等の作業物の組み合わ
せであってもよい。また、本発明は、レーザー加工機や
放電加工機などの各種の加工機械のワークピース・ツー
ル等の位置決めにも適用可能である。なお、本発明の位
置決め装置は、複数セットで使用することに代えて、1
セットだけで使用できることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1Aは、本発明の第1実施形態を示し、自動
位置決め装置の立面視の断面図である。図1Bは、その
位置決め装置に設けたプラグ手段の平面視の断面図であ
って、上記の図1A中の1B−1B線矢視断面図に相当
する図である。
【図2】上記の自動位置決め装置に設けた中間部材の拡
径状態の模式図であって、上記の図1Bに類似する部分
図である。
【図3】図3Aは、上記の中間部材の変形例の縮径状態
を示し、上記の図2に類似する図である。図3Bは、上
記の変形例の中間部材の拡径状態を示し、同上の図2に
類似する図である。
【図4】図4Aは、本発明の第2実施形態を示し、自動
位置決め装置の立面視の断面図である。図4Bは、上記
の図4A中の4B−4B線矢視断面図に相当する図であ
る。
【図5】本発明の第3実施形態を示し、前記の図4Aに
類似する図である。
【図6】本発明の第4実施形態を示し、前記の図4Bに
類似する図である。
【符号の説明】
2…基準部材(ベースプレート)、2a…支持面、3…可
動部材(ワークパレット)、3a…被支持面、5…位置決
め孔、12…プラグ部材、13…傾斜外面、15…中間
部材、15a…環状壁、16…ストレート外面、17…
傾斜内面、18…転動体(ボール)、21…プル部材、3
1…ロック手段、32…リリース手段、51…スリッ
ト、52…弾性シール部材、64・65・66…クリー
ニング用の圧力流体の吐出口、71…逃がし面。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準部材(2)の支持面(2a)に可動部材
    (3)の被支持面(3a)を受け止めるようにした位置決め
    装置であって、 上記の可動部材(3)の上記の被支持面(3a)に、ほぼ円
    形に形成した位置決め孔(5)を開口し、 上記の基準部材(2)から先端方向へ突出させたプラグ部
    材(12)を同上の基準部材(2)に固定し、そのプラグ部
    材(12)に、上記の先端方向へ向うにつれて軸心へ近づ
    く傾斜外面(13)を設け、 上記の傾斜外面(13)の外側に、周方向の少なくとも一
    部分が半径方向へ拡大および縮小する環状の中間部材
    (15)を配置し、その中間部材(15)に、上記の位置決
    め孔(5)に嵌入されるストレート外面(16)と、上記の
    傾斜外面(13)に対面する傾斜内面(17)とを設け、 上記プラグ部材(12)内にプル部材(21)を軸心方向へ
    移動自在に挿入して、そのプル部材(21)の先端部を上
    記の中間部材(15)に連結し、 上記の基準部材(2)内にロック手段(31)とリリース手
    段(32)とを設け、上記ロック手段(31)が上記プル部
    材(21)を介して上記の中間部材(15)を基端方向へロ
    ック移動させ、上記リリース手段(32)が上記プル部材
    (21)を介して上記の中間部材(15)を先端方向へリリ
    ース移動させる、ことを特徴とする自動位置決め装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の自動位置決め装置において、 前記の中間部材(15)は、薄肉シリンダによって構成し
    て、その環状壁(15a)の少なくとも一部分を半径方向
    の外方へ弾性変形可能かつ自己の弾性復元力によって半
    径方向の内方へ復帰可能に構成し、 上記の中間部材(15)の内周に前記の傾斜内面(17)を
    周方向へ間隔をあけて複数設けた、ことを特徴とする自
    動位置決め装置。
  3. 【請求項3】 請求項2の自動位置決め装置において、 前記の傾斜外面(13)を周方向へ所定の間隔をあけて複
    数設け、各傾斜外面(13)と前記の各傾斜内面(17)と
    の間に転動体(18)を挿入した、ことを特徴とする自動
    位置決め装置。
  4. 【請求項4】 請求項1の自動位置決め装置において、 前記の中間部材(15)の環状壁(15a)に、軸心方向へ
    延びる少なくとも一つのスリット(51)を設け、これに
    より、上記の環状壁(15a)を半径方向の外方へ弾性変
    形可能かつ自己の弾性復元力によって半径方向の内方へ
    復帰可能に構成した、ことを特徴とする自動位置決め装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項4の自動位置決め装置において、 前記スリット(51)にゴム等の弾性シール部材(52)を
    装着した、ことを特徴とする自動位置決め装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれかの自動位置決
    め装置において、 前記の中間部材(15)に前記ストレート外面(16)をほ
    ぼ全周にわたって形成した、ことを特徴とする自動位置
    決め装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から5のいずれかの自動位置決
    め装置において、前記の中間部材(15)に前記ストレー
    ト外面(16)を周方向へ間隔をあけて設けた、ことを特
    徴とする自動位置決め装置。
  8. 【請求項8】 請求項7の自動位置決め装置において、 前記プラグ部材(12)に前記の中間部材(15)を軸心回
    りの回転を阻止した状態で取り付け、その中間部材(1
    5)に、互いに向かい合う一対のストレート外面(16)
    (16)を設けると共に、これら一対のストレート外面
    (16)(16)の間に逃がし面(71)(71)を凹入形成し
    た、ことを特徴とする自動位置決め装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から8のいずれかの自動位置決
    め装置において、 前記プラグ部材(12)と前記の中間部材(15)と前記プ
    ル部材(21)のうちの少なくとも一つの部材に、クリー
    ニング用の圧力流体の吐出口(64,65,66)を開口
    した、ことを特徴とする自動位置決め装置。
  10. 【請求項10】 請求項1又は2もしくは4の自動位置
    決め装置において、 前記の傾斜外面(13)に前記の傾斜内面(17)を直接に
    係合させた、ことを特徴とする自動位置決め装置。
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