JP2003309117A - 半導体装置及びその製造方法並びに薄膜トランジスタ - Google Patents

半導体装置及びその製造方法並びに薄膜トランジスタ

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JP2003309117A
JP2003309117A JP2002111248A JP2002111248A JP2003309117A JP 2003309117 A JP2003309117 A JP 2003309117A JP 2002111248 A JP2002111248 A JP 2002111248A JP 2002111248 A JP2002111248 A JP 2002111248A JP 2003309117 A JP2003309117 A JP 2003309117A
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semiconductor device
substrate
film
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Tadahiro Omi
忠弘 大見
Shigetoshi Sugawa
成利 須川
Yoshifumi Tsunekawa
吉文 恒川
Tomohiko Hayashi
朋彦 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜トランジスタ等を備える半導体装置にお
いて、該トランジスタを構成するゲート絶縁膜を、その
厚さが薄くても絶縁性等に優れたものとする。 【解決手段】 基板(10)上に形成された下地絶縁膜
(12)上に、半導体層(1)と、この上に設けられ、
その少なくとも一部に希ガスが含まれるとともに熱処理
が施された絶縁膜(200)と、この上にゲート電極
(3a)を備える。半導体層、絶縁膜及びゲート電極
は、TFT(30)を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上に形成され
た絶縁膜を含む半導体装置の技術分野に属し、特に、薄
膜トランジスタを構成する絶縁膜の技術分野に属する。
また、本発明は、当該薄膜トランジスタそのもの、ある
いは上述のような半導体装置の製造方法の技術分野にも
属する。
【0002】
【背景技術】薄膜トランジスタ(以下、適宜「TFT;T
hin Film Transistor」と称す。)を構成するゲート絶
縁膜には、低リーク電流特性、低界面準位密度、高ホッ
トキャリア耐性等の高性能電気特性、高信頼性が要求さ
れている。これらの要求を満たすゲート絶縁膜形成技術
として、従来は、800℃以上の熱酸化技術が用いられ
てきた。
【0003】この熱酸化技術によれば、界面特性、酸化
膜の耐圧特性、リーク電流特性等について、実用に耐え
られる性能を有するゲート絶縁膜を形成することができ
る。ただし、そのような絶縁膜が得られるのは、一般
に、該ゲート絶縁膜を(100)面に配向した半導体層
上に形成する場合に限られている。すなわち、(10
0)面以外の他の面に配向した半導体層に熱酸化技術を
使用したゲート絶縁膜を形成しても、十分な性能を発揮
させることはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例え
ば、絶縁性の基板上、あるいは絶縁膜上に形成された、
半導体層の一例たるポリシリコン膜は、一般に、(11
1)面に主として配向する性質をもつことが知られてい
る。したがって、このようなポリシリコン膜に対して、
ゲート絶縁膜を形成しても、上述したような背景から、
完全に良好な特性を有するものを形成することが困難で
あった。すなわち、ポリシリコンのシリコン粒の面によ
り、絶縁膜の厚さが不均一になり、またその密度が小さ
くなり、その耐性・耐圧が劣化するのである。
【0005】といって、このような絶縁膜の膜厚の不均
一さを補うように、絶縁膜全体の厚みを増大させると、
トランジスタ特性に影響を与える結果となる。具体的に
は、トランジスタのOFFからONの立ち上がりが遅く
なる(立ち上がり特性が劣化する。)等の不都合が生じ
る。
【0006】また、ポリシリコン膜上に絶縁膜を形成す
ることについては、絶縁膜とポリシリコン膜との界面に
も、好ましくない影響を与える。すなわち、この場合、
当該界面、かつ、ポリシリコン膜表面において、突起が
形成されることがある。これは、時に絶縁膜を突き抜け
る場合があり、悪い場合には、絶縁性そのものの破壊を
もたらしたり、そこまでは達しなくても、該突起に電界
集中が生じ絶縁膜の特性劣化の原因となる。
【0007】本発明は、上述した問題点に鑑みてなされ
たものであり、その厚さが薄くても絶縁性に優れた絶縁
膜を備えた半導体装置及びその製造方法並びに薄膜トラ
ンジスタを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の半導体装
置は、基板上に、半導体層と、該半導体層上に設けら
れ、その少なくとも一部に希ガスが含まれるとともに熱
処理が施された絶縁膜とを備える。
【0009】本発明の第1の半導体装置によれば、絶縁
膜は、例えば、主に酸素ラジカル(OHラジカルを含
む)や窒素ラジカル(NHラジカルを含む)によって形
成される。このような絶縁膜は、希ガスと酸素、アンモ
ニア、窒素、水素などの混合ガスを導入したプラズマ処
理で形成できる。ここで希ガスとしては、例えば、Kr
やAr等が好ましい。このような絶縁膜は、従来広く行
われている高温熱酸化処理により得られる絶縁膜と、同
等ないしはそれ以上の耐性・耐圧等その他の電気的特性
等を発揮することになる。
【0010】そして、本発明においては、このような絶
縁膜形成後に、熱処理を施すことにより、半導体層の結
晶性を向上させることが可能となる。さらに、絶縁膜中
や絶縁膜及び半導体層間の界面でのストレスが緩和さ
れ、膜中電荷や界面準位密度が低減され電気特性の向上
が期待できる。
【0011】また、本発明によれば、該絶縁膜を、例え
ば(111)面に配向をもつシリコン(ポリシリコンを
含む。)上に緻密に形成することが可能となる。
【0012】このことは、絶縁膜上に半導体層の一例た
るポリシリコン膜を形成する場合、該ポリシリコン膜が
主として(111)面に配向することから、本発明によ
れば、そのようなポリシリコン膜上に対しても高特性・
高品質の絶縁膜が形成可能であることを意味する。ま
た、この他、いわゆるシャロートレンチアイソレーショ
ン等の素子分離構造が(100)面に配向したシリコン
に形成された場合、該構造の角部は、主に(111)面
に配向したシリコンを有することになるから、本発明に
よれば、そのような角部にも高特性・高品質な絶縁膜を
形成することが可能であることを意味し、該膜における
漏れ電流や耐圧等の特性を向上させることが可能とな
る。また、このことは、素子分離幅を狭くした高密度な
素子集積化を可能とする。
【0013】さらに、本発明においては、絶縁膜に対し
て、上述のプラズマ処理を施すことにより、該絶縁膜と
半導体層との界面を平坦に形成することが可能となる。
すなわち、従来問題となっていた、半導体層表面に見ら
れた突起が殆ど発生しない。したがって、本発明によれ
ば、突起が絶縁膜を貫通することにより生じていた絶縁
破壊のおそれを殆どなくし、突起に生ずる電界集中によ
って被る不都合等を回避することが可能となる。また、
このことは、本発明における絶縁膜を、上述したように
(111)面に配向をもつシリコン上に緻密に形成する
ことが可能であるだけでなく、面方位に依存することな
く均一な膜厚を有するものとして、かつ緻密なものとし
て形成しうることを意味する。
【0014】なお、前記プラズマ処理としては、プラズ
マ酸化処理、プラズマ窒化処理又はプラズマ酸窒化処理
を行うことが好ましく、更に言えば、プラズマ酸化処理
は希ガスに酸素を含む混合ガスで酸素プラズマ処理(O
Hプラズマを含む)を施すことが好ましく、プラズマ窒
化処理は希ガスにアンモニアまたは窒素を含む混合ガス
で窒化プラズマ(NHプラズマを含む)処理を施すこと
が好ましく、プラズマ酸窒化処理は希ガスに酸素、アン
モニアまたは窒素を含む混合ガスで酸窒化プラズマ処理
を施すことが好ましい。
【0015】そして、本発明では、熱処理を実施するこ
とによって、例えば、半導体層がポリシリコン膜を含む
場合にあっては、その結晶性を向上させることが可能と
なる。これにより、本発明を、例えば薄膜トランジスタ
を有する半導体装置に適用する場合には、半導体層とし
て単結晶シリコンを用いた場合と同様の性能を獲得する
ことが可能となる。例えば、該トランジスタの立ち上が
り特性は、目覚ましく向上する。
【0016】さらには、本発明では、上述のプラズマ処
理と熱処理とを実施することによって、絶縁膜の膜厚を
一般に薄く形成することが可能となる。別の観点から言
うと、本発明における絶縁膜は、その膜厚を薄くして
も、従来のより厚い膜厚を有する絶縁膜と比較して、同
等ないしはそれ以上の性能を発揮することができるとい
うことである。より具体的には、絶縁膜の形成条件等に
も依存するが、従来必要とされていた絶縁膜(例えば、
シリコン酸化膜の場合、80nm)に比べて、概ねその
半分程度(例えば、シリコン酸化膜の場合、30nm)
にまですることが可能なことを、本願発明者は確認して
いる。このことは、例えば本発明を薄膜トランジスタに
適用する場合を考えると、その低電力駆動等を可能と
し、その特性向上にも大きく貢献することになる。
【0017】なお、本発明にいう「基板」とは、シリコ
ン基板等の半導体基板、ガラス基板等の絶縁性基板等を
含む。また、本発明にいう「絶縁膜」の例としては、シ
リコン窒化膜、シリコン酸化膜、シリコン酸窒化膜等を
挙げることができる。さらに、本発明にいう「半導体
層」とは、典型的にはポリシリコン膜を含む層とする
と、本発明の効果を最大限享受し得るという点で好まし
いが、場合によっては、アモルファスシリコン膜を含む
層であってもよい。更に、ポリシリコン膜を含む場合に
あっては、例えば400℃程度の低温プロセスで形成さ
れる低温ポリシリコン膜であっても、例えば1000℃
程度の高温プロセスで形成される高温ポリシリコン膜で
あってもよい。
【0018】本発明の第2の半導体装置は、基板上に、
半導体層と、該半導体層上に設けられ、その少なくとも
一部に希ガスが含まれる絶縁膜と、前記半導体層下に前
記希ガスが含まれる下層とを備える。
【0019】本発明の第2の半導体装置によれば、半導
体層下に、絶縁膜において含ましめた希ガスと同一の希
ガスが含まれる下層が存在する。このような構造は、例
えば、第1の半導体装置に関して述べた、絶縁膜に対す
る熱処理を施すことによって得られる。すなわち、本発
明の第2の半導体装置は、上述した第1の半導体装置を
別の観点から捕らえ直した一例であり、更に換言すれ
ば、当該第2の半導体装置は、希ガスを含ましめた絶縁
膜に対し熱処理を施すと、外形的には、半導体層下に存
在する何らかの下層において、前記希ガスが含まれるも
のになりうるということを示唆する。
【0020】したがって、その作用効果は、上述した本
発明の第1の半導体装置の作用効果と殆ど同様であり、
大きく変わるところはない。
【0021】本発明の第1の半導体装置の一態様では、
前記半導体層下に前記希ガスが含まれる下層を更に備え
る。
【0022】この態様によれば、上述した本発明の第2
の半導体装置と略同様な構成となる。したがって、その
作用効果は、当該第2の半導体装置、ひいては上記第1
の半導体装置に関して述べたのと殆ど同様であり、大き
く変わるところはない。
【0023】本発明の第1の半導体装置の他の態様、又
は第2の半導体装置の一態様では、前記基板上に、前記
半導体層及び前記絶縁膜上に形成されたゲート電極を含
む薄膜トランジスタを更に備え、前記半導体層は前記薄
膜トランジスタのチャネル領域を含む。
【0024】この態様によれば、電極に所定の電圧を印
加することで、絶縁膜を介し、チャネル領域に所定の電
圧を付与することが可能となり、ここに記した構成のほ
か、例えば該チャネル領域を挟むソース領域及びドレイ
ン領域、並びにこれらそれぞれに接続されるソース電極
及びドレイン電極等その他必要な構成を備えれば、スイ
ッチング動作等が可能な薄膜トランジスタを形成するこ
とが可能となる。
【0025】そして、本発明においては、このような薄
膜トランジスタを構成する絶縁膜は、例えば、主に酸素
ラジカル(OHラジカルを含む)や窒素ラジカル(NH
ラジカル含む)によって形成されることによりに、該絶
縁膜は、従来広く行われている高温熱酸化処理により得
られる絶縁膜と、同等ないしはそれ以上の耐性・耐圧等
その他の電気的特性等を発揮することになる。そして、
これに熱処理を施すことにより、半導体層の結晶性を向
上させることができ、絶縁膜中や絶縁膜及び半導体層の
界面でのストレスを緩和でき、電気特性が向上する。
【0026】また、本発明に係る薄膜トランジスタで
は、半導体層及び絶縁膜間に突起が発生しないことによ
り、良好な絶縁性を維持することが可能であるから、そ
の動作の安定が図られる。また、半導体層の結晶性が向
上することから、本発明の薄膜トランジスタにおいて
は、半導体層に単結晶シリコンを用いた場合に比しても
遜色ない性能を得ることができ、例えば、その立ち上が
り特性等が目覚ましく向上する。さらに、絶縁膜の厚さ
を薄くすることが可能であるから、本発明の薄膜トラン
ジスタにおいては、低電力駆動が可能となるなど、その
特性が大きく向上する。
【0027】本発明の第1又は第2の半導体装置の他の
態様では、前記下層は、前記基板である。
【0028】この態様によれば、例えば、基板と半導体
層との間に何らの層も設けられない形態、すなわち半導
体層が基板上に直接に設けられるような形態等が想定さ
れることになる。
【0029】また、本態様では更に、下層が基板である
にとどまらず、半導体層もまた基板の一部であるような
形態等をも考えることができる。この場合において、絶
縁膜は、基板上に直接に形成されることになる。より具
体的には、基板が、例えば単結晶シリコンからなるもの
であって、該基板に対してソース領域及びドレイン領域
等が形成され、これらの上層として絶縁膜及び電極が形
成されるような構造をとるものが考えられる。要する
に、本発明にいう「基板上に(存在する)半導体層」
(かっこ内は付記)とは、そのような形態をも含む概念
である。
【0030】いずれにしても、本発明は、このような形
態についてもまた、その範囲内に収めるものである。
【0031】本発明の第1又は第2の半導体装置の他の
態様では、前記下層は、前記基板上に形成された絶縁性
薄膜である。
【0032】この態様によれば、例えば、基板の一例た
るガラス基板上に形成された絶縁性薄膜の上に、半導体
層の一例たるポリシリコン膜を含む層が形成されるよう
な形態等が想定されることになる。この場合、当該絶縁
性薄膜の存在により、基板の表面研磨、あるいは洗浄後
に残存する汚れ等によって、薄膜トランジスタが悪影響
を受けること、等を回避することが可能となる。
【0033】本発明の第1又は第2の半導体装置の他の
態様では、前記半導体層は、ポリシリコン膜又はアモル
ファスシリコン膜を含む。
【0034】この態様によれば、例えば、半導体層がポ
リシリコン膜を含む場合にあっては、上述した第1の半
導体装置に関する記述からも明らかな通り、本発明に係
る効果がより顕著になる。また、半導体層がアモルファ
スシリコン膜を含む場合にあっても、略同様な作用効果
を得ることができる。
【0035】この場合特に、前記ポリシリコン膜は、そ
の表面に少なくとも(111)面のシリコンを有するよ
うにすれば、本発明に係る効果が更に顕著になる。
【0036】本発明の第1又は第2の半導体装置の他の
態様では、前記希ガスは、Kr(クリプトン)又はAr
(アルゴン)を含む。
【0037】この態様によれば、希ガスの成分が最適と
なり、上述した第1又は第2の半導体装置について奏さ
れた作用効果を、より確実に享受することが可能とな
る。
【0038】本発明の第1又は第2の半導体装置の他の
態様では、前記絶縁膜及び前記下層に含まれる希ガスの
密度は、それぞれ5×1011cm−2以下である。
【0039】この態様によれば、希ガスの密度が最適と
なることにより、上述した第1又は第2の半導体装置に
ついて奏された作用効果を、より確実に享受することが
可能となる。
【0040】本発明の第1又は第2の半導体装置の他の
態様では、前記絶縁膜の表面の最大表面粗さRmax
は、20nm以下である。
【0041】この態様によれば、上述した第1又は第2
の半導体装置について奏された作用効果を、より確実に
享受することが可能となる。特に、本態様のように、最
大表面粗さがRmaxで20nm以下とされれば、上述
した、半導体層表面に形成される突起に起因した弊害を
殆ど被ることがない。
【0042】本発明の第1の薄膜トランジスタは、上記
課題を解決するために、チャネル領域を含む半導体層
と、該半導体層上に設けられ、その少なくとも一部に希
ガスが含まれるとともに熱処理が施された絶縁膜と、該
絶縁膜上に形成されたゲート電極とを備える。また、本
発明の第2の薄膜トランジスタは、チャネル領域を含む
半導体層と、該半導体層上に設けられ、その少なくとも
一部に希ガスが含まれる絶縁膜と、該絶縁膜上に形成さ
れたゲート電極と、前記半導体層下に前記希ガスが含ま
れる下層とを備える。さらに、前記第1の薄膜トランジ
スタの一態様では、前記半導体層下に前記希ガスが含ま
れる下層を更に備える。
【0043】これら本発明の第1の薄膜トランジスタ及
び該トランジスタの一態様並びに本発明の第2の薄膜ト
ランジスタは、その構成からも明らかな通り、上述の第
1の半導体装置の他の態様又は第2の半導体装置の一態
様を構成する薄膜トランジスタと略同様な構成をとる。
したがって、これらの発明等によれば、上述の半導体装
置を構成する薄膜トランジスタに関して述べた作用効果
を同様に享受することが可能となる。なお、以上述べ
た、本発明に係る半導体装置、あるいは薄膜トランジス
タ(ただし、これらの各種態様を含む。)、を構成する
絶縁膜は、強誘電メモリ素子、フラッシュメモリ素子等
の構成要素となる絶縁膜に該当すると考え、これら素子
等について、本発明を適用すると好適である。また、当
該絶縁膜は、液晶表示装置又は有機EL(Electro Lumi
nescence)表示装置において、液晶又はELの駆動回路
等として使用されるポリシリコンTFTを構成する絶縁
膜に該当すると考え、これら装置について、本発明を適
用すると好適である。
【0044】本発明の第1の半導体装置の製造方法は、
上記課題を解決するために、基板上に半導体層を形成す
る工程と、該半導体層上に酸素、窒素又は窒素原子を含
むガスを含むガス及び希ガスを主体とするガスからなる
混合ガスを供給するとともにプラズマを励起して該半導
体層の表面を酸化処理又は窒化処理し、絶縁膜を形成す
る工程と、該絶縁膜に対して熱処理を施す工程とを含
む。
【0045】本発明の第1の半導体装置の製造方法によ
れば、基板上に形成された半導体層上に、酸素又は窒素
を含むガス及び希ガスを主体とするガスからなる混合ガ
スが供給され、かつプラズマが励起されることによっ
て、該半導体層上に絶縁膜、具体的には、シリコン酸化
膜(酸素供給の場合)又はシリコン窒化膜(窒素供給の
場合)であって、これらにつき前記希ガスが含まれる膜
が形成されることになる。
【0046】このように、絶縁膜は主に酸素ラジカル
(OHラジカルを含む)や窒素ラジカル(NHラジカル
を含む)によって形成されることにより、該絶縁膜は、
従来広く行われている高温熱酸化処理により得られる絶
縁膜と、同等ないしはそれ以上の耐性・耐圧等その他の
電気的特性等を発揮することになる。そして、本発明で
は、このように形成された絶縁膜に熱処理を施すことに
より、膜中や絶縁膜及び半導体層間の界面でのストレス
が緩和され、膜中電荷や界面準位密度が低減されるた
め、電気特性の向上が期待できる。
【0047】また、本発明によれば、該絶縁膜を、例え
ば(111)面に配向をもつシリコン(ポリシリコンを
含む。)上に緻密に形成することが可能となる。
【0048】さらに、本発明においては、絶縁膜に対し
て、上述のプラズマ処理を施すことにより、該絶縁膜と
半導体層との界面を平坦に形成することが可能となる。
すなわち、従来問題となっていた、半導体層表面に見ら
れた突起が殆ど発生しない。したがって、本発明によれ
ば、突起が絶縁膜を貫通することにより生じていた絶縁
破壊のおそれを殆どなくし、突起に生ずる電界集中によ
って被る不都合等を回避することが可能となる。また、
このことは、本発明における絶縁膜を、上述したように
(111)面に配向をもつシリコン上に緻密に形成する
ことが可能であるだけでなく、面方位に依存することな
く均一な膜厚を有するものとして、かつ緻密なものとし
て形成しうることを意味する。
【0049】そして、本発明では、熱処理を実施するこ
とによって、例えば、半導体層がポリシリコン膜を含む
場合にあっては、その結晶性を向上させることが可能と
なる。これにより、本発明を、例えば薄膜トランジスタ
を有する半導体装置に適用する場合には、半導体層とし
て単結晶シリコンを用いた場合と同様の性能を獲得する
ことが可能となる。例えば、該トランジスタの立ち上が
り特性は、目覚ましく向上する。
【0050】さらには、上述のプラズマ酸化処理と熱処
理とを実施することによって、絶縁膜の膜厚を一般に薄
く形成することが可能となる。別の観点から言うと、本
発明における絶縁膜は、その膜厚を薄くしても、従来の
より厚い膜厚を有する絶縁膜と比較して、同等ないしは
それ以上の性能を発揮することができるということであ
る。より具体的には、絶縁膜の形成条件等にも依存する
が、従来必要とされていた絶縁膜の膜厚(例えば、シリ
コン酸化膜の場合、80nm)に比べて、概ねその半分
程度(例えば、シリコン酸化膜の場合、30nm)にま
ですることが可能なことを、本願発明者は確認してい
る。このことは、例えば本発明を薄膜トランジスタに適
用する場合を考えると、その低電力駆動等を可能とし、
その特性向上にも大きく貢献することになる。
【0051】本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
上記課題を解決するために、基板上に薄膜トランジスタ
が形成される半導体装置の製造方法であって、前記基板
上に半導体層を形成する工程と、該半導体層上に酸素、
窒素又は窒素原子を含むガスを含むガスを含むガス及び
希ガスを主体とするガスからなる混合ガスを供給すると
ともにプラズマを励起して該半導体層の表面を酸化処理
又は窒化処理し、前記薄膜トランジスタを構成する絶縁
膜を形成する工程と、該絶縁膜に対して熱処理を施す工
程と、前記絶縁膜上に前記薄膜トランジスタを構成する
ゲート電極を形成する工程と、前記半導体層に対して所
定種類のイオンを注入する工程とを含む。
【0052】本発明の第2の半導体装置の製造方法によ
れば、上述した第1の半導体装置の製造方法において形
成される絶縁膜が、薄膜トランジスタの一部を構成する
ことになる。したがって、本発明に係る方法で製造され
た薄膜トランジスタにおいて、その一部を構成する絶縁
膜は、従来広く行われている高温熱酸化処理により得ら
れる絶縁膜と、同等ないしはそれ以上の耐性・耐圧等そ
の他の電気的特性等を発揮することになる。
【0053】また、本発明に係る方法で製造された薄膜
トランジスタでは、半導体層及び絶縁膜間に突起が発生
しないことにより、良好な絶縁性を維持することが可能
であるから、その動作の安定が図られる。また、半導体
層の結晶性が向上することから、本発明の薄膜トランジ
スタにおいては、半導体層に単結晶シリコンを用いた場
合に比しても遜色ない性能を得ることができ、例えば、
その立ち上がり特性等が目覚ましく向上する。さらに、
絶縁膜の厚さを薄くすることが可能であるから、本発明
の薄膜トランジスタにおいては、低電力駆動が可能とな
るなど、その特性向上に大きく貢献する。
【0054】本発明の半導体装置の製造方法の他の態様
では、前記プラズマの励起は、マイクロ波の導入により
なされる。
【0055】この態様によれば、低電子温度の高密度プ
ラズマが励起でき、酸化・窒化等に必要な大量のラジカ
ルを形成することができる。
【0056】本発明の半導体装置の製造方法の他の態様
では、前記熱処理の温度は、前記酸化処理又は窒化処理
の温度よりも高い。
【0057】この態様によれば、上述した熱処理が最適
に実施されうることにより、該処理を実施することによ
って得られる作用効果を、より確実に享受することが可
能となる。
【0058】本発明の半導体装置の製造方法の他の態様
では、前記混合ガス中における前記酸素の分圧は、全圧
に対して2〜4パーセントである。
【0059】この態様によれば、原理的に、0パーセン
トを超え100パーセントに至らない範囲で考え得る酸
素分圧において、上述のような限界を設けると、絶縁膜
の成膜速度を最大にすること、界面準位密度を最低にす
ること、絶縁耐圧を最大にすること等が可能となる。
【0060】本発明の半導体装置の製造方法の他の態様
では、前記混合ガス中における前記窒素の分圧は、全圧
に対して1〜10パーセントである。
【0061】この態様によれば、原理的に、高密度プラ
ズマ中で、中間励起状態にある希ガスとO分子が衝突
し、原子状酸素Oが効率よく発生する酸素分圧を選択
することが重要であり、上述のような限界を設けると、
絶縁膜の成膜速度を最大にすること、界面準位密度を最
低にすること、絶縁耐圧を最大にすること等が可能とな
る。
【0062】本発明の半導体装置の製造方法の他の態様
では、前記絶縁膜を形成する工程は、前記混合ガスに前
記酸素が含まれる場合において、800〜1200mT
orrの真空環境下で実施される。
【0063】この態様によれば、形成される絶縁膜につ
いて、その成膜速度を大きくすることが可能であるとと
もに、より好ましい界面準位密度及び絶縁耐性に係る性
能を達成することができる。この場合特に、上述の酸素
分圧に係る限界を更に設けた上で、該絶縁膜を形成する
と、更に好ましい界面準位密度及び絶縁耐性を得られる
ことになる。
【0064】本発明の半導体装置の製造方法の他の態様
では、前記絶縁膜を形成する工程は、前記混合ガスに前
記窒素が含まれる場合において、50〜1200mTo
rrの真空環境下で実施される。
【0065】この態様によれば、形成される絶縁膜につ
いて、その成膜速度を大きくすることが可能であるとと
もに、より好ましい界面準位密度及び絶縁耐性に係る性
能を達成することができる。この場合特に、上述の窒素
分圧に係る限界を更に設けた上で、該絶縁膜を形成する
と、更に好ましい界面準位密度及び絶縁耐性を得られる
ことになる。
【0066】本発明のこのような作用及び他の利得は次
に説明する実施の形態から明らかにされる。
【0067】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態に
ついて図を参照しつつ説明する。
【0068】(第1実施形態)まず、第1実施形態に係
る半導体装置の構成について、図1乃至図4を参照して
説明する。図1は、第1実施形態に係る半導体装置の要
部断面図である。また、図2は、図1に示す下地絶縁膜
12に含まれる希ガスの含有量の例、図3は、半導体層
がもつ面の別に応じて、該半導体層と絶縁膜との界面に
おける界面準位密度がどのように変化するかを示すグラ
フ、図4は、図1に示す半導体層1について、その結晶
性の程度をラマン分光分析により計測した結果を示すグ
ラフである。
【0069】図1において、半導体装置は、基板10、
下地絶縁膜12、半導体層1、絶縁膜200及びゲート
電極3aを備えている。このうち、半導体層1、ゲート
絶縁膜200及びゲート電極3aは、TFT30を構成
する。
【0070】基板10は、例えば、石英基板、ガラス基
板、シリコン基板からなる。下地絶縁膜12は、例え
ば、NSG(ノンシリケートガラス)、PSG(リンシ
リケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラ
ス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)等のシ
リケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜か
らなる。この下地絶縁膜12は、それが基板10の全面
に形成されることにより、基板10の表面研磨時におけ
る荒れや、洗浄後に残る汚れ等で画素スイッチング用の
TFT30の特性変化を防止する機能を有する。
【0071】そして、この下地絶縁膜12は、本発明に
いう「下層」の一例に該当し、後述の絶縁膜200中に
含ましめられるKr、Ar等の希ガスと同一の成分とな
る希ガスを含んだ構成となっている。これは、絶縁膜2
00に対して施される後記熱処理(アニール処理)によ
って、下地絶縁膜12に対して当該希ガス等が拡散され
た結果によるものと考えられる。より具体的には、図2
に示すように、例えば、下地絶縁膜12の厚さを800
nmとする場合には、その表面から概ね100nm程度
に至る深さまで希ガスが含有されている。なお、図2に
おいては、横軸が希ガス含有量、縦軸が厚さ方向を表し
ている。
【0072】図1に戻り、半導体層1は、例えば、CV
D法等によりアモルファスシリコン膜を形成した後、こ
れに適当なアニール処理を施すことで固相成長させる等
して得られる、ポリシリコン膜を含む。その厚さは、例
えば、0.2μm程度とするとよい。なお、ここにいう
アニール処理としては、この他、レーザアニール等を実
施してもよい。
【0073】このように形成された半導体層1は、下地
絶縁膜12上に形成されることにより、該絶縁膜12に
対して垂直方向に(111)面方位を向くときが安定で
あり、かつ緻密で結晶性がよく高品質なものとなる。ち
なみに、この半導体層1aについては、通常、平面的に
見て所定のパターンを有するように、フォトリソグラフ
ィ及びエッチングによってパターニングされる。
【0074】また、この半導体層1中には、図1に示す
ように、チャネル領域1a、ソース領域1b及びドレイ
ン領域1cが形成されており、後二者については、図示
しない適当な電極が電気的に接続される。
【0075】絶縁膜200は、TFT30を構成するゲ
ート絶縁膜を含み、例えば、シリコン酸化膜、シリコン
窒化膜等からなる。そして、第1実施形態において、こ
の絶縁膜200は、その少なくとも一部においてKr、
Ar等の希ガスの成分を含むとともに、熱処理(アニー
ル処理)が施されている。より具体的には、絶縁膜20
0はKr、Ar等の希ガスと酸素の混合ガスで酸素プラ
ズマ処理を施しプラズマ酸化処理をした後、アニール処
理を施すことで形成される。
【0076】第1実施形態における絶縁膜200は、上
述のように、希ガスと酸素の混合ガスによるプラズマ酸
化で形成すると共に、熱処理を施すことで、従来の高温
熱酸化処理により得られる絶縁膜と同等ないしそれ以上
の耐性・耐圧等その他の電気的特性等を発揮する。特
に、熱処理を施すことにより、ポリシリコン膜の結晶性
が向上し、膜中や絶縁膜及び半導体層間の界面でのスト
レスが緩和され、膜中電荷や界面準位密度が低減され
る。
【0077】また、絶縁膜200が希ガスと混合ガスに
よるプラズマ酸化で形成されることにより、該絶縁膜2
00を、上述した(111)面をもつ半導体層1上に安
定に、かつ緻密に形成することが可能となる。
【0078】これを証左する事実として図3を示す。こ
こに、図3は、横軸に面方位、縦軸に界面準位密度をと
り、該界面準位密度を低周波C−V測定から求めた結果
である。また、図3においては、比較のため、900℃
酸素100パーセントの雰囲気で成膜した熱酸化膜の界
面準位密度も同時に示す。希ガスと酸素の混合ガスによ
るプラズマ酸化で成膜した酸化膜の界面準位密度は、
(100)面、(111)面とも低く、900℃のドラ
イ酸化雰囲気で成膜した(100)面に形成した熱酸化
膜の界面準位密度と同等である。(111)面に形成し
た熱酸化膜の界面準位密度は、これらに比べて一桁以上
大きい。
【0079】これは、次のような機構によると考えられ
る。酸化中には、酸化膜側から見ると、(100)面で
はシリコンの結合手が2本、(111)面ではシリコン
の結合手が1本と3本交互に現れる。従来の熱酸化で
は、(111)面において3本のシリコンの結合手に酸
素が結合すると、そのシリコンの後ろ側の結合手が伸び
てウイークボンドになったり、切れてダングリングボン
ドになったりして界面準位が増加してしまう。一方、希
ガス及び酸素の混合ガスの高密度励起プラズマ酸化で
は、中間励起状態にある希ガスと酸素分子が衝突して、
原子状酸素が効率よく発生し(後の製造方法でも述べ
る。)、この原子状酸素がウイークボンドやダングリン
グボンドのところに効率よく達してシリコン−酸素の新
たな結合をつくることで、(111)面においても界面
準位を低減すると考えられる。
【0080】図1に戻り、ゲート電極3aは、導電化さ
れたポリシリコン膜等からなる。この導電化は、絶縁膜
200上にポリシリコン膜を堆積後、リンを熱拡散させ
ること等によって実現される。また、この他、ポリシリ
コン膜の成膜と同時に、Pリオンを導入する等の手段に
よってもよい(いわゆる「ドープドシリコン膜」とな
る。)。このゲート電極3aにより、絶縁膜200を介
し、チャネル領域1aに対して所定の電圧を印加するこ
とが可能となり、TFT30においてスイッチング動作
等を行うことが可能となる。
【0081】ちなみに、このゲート電極3aについて
も、上述した半導体1と同様にして、通常、平面的に見
て所定のパターンを有するように、フォトリソグラフィ
及びエッチングによってパターニングされる。
【0082】このような構成となる半導体装置において
は、特に上記絶縁膜200に対して希ガスと酸素の混合
ガスでプラズマ処理を施して、プラズマ酸化処理した結
果、次のような作用効果が得られる。
【0083】まず、該絶縁膜200と半導体層1との界
面を平坦に形成することが可能となる。すなわち、第1
実施形態によれば、従来問題となっていた、半導体層1
表面に見られた突起が殆ど発生しない。したがって、本
発明によれば、突起が絶縁膜200を貫通することによ
り生じていた絶縁破壊のおそれを殆どなくし、突起に生
ずる電界集中によって被る不都合等を回避することが可
能となる。また、このことは、第1実施形態における絶
縁膜200を、上述したように(111)面に配向をも
つ半導体層1上に緻密に形成することが可能であるだけ
でなく、面方位に依存することなく均一な膜厚を有する
ものとして、かつ緻密なものとして形成しうることを意
味する。
【0084】これを証左する事実として、表1に、絶縁
膜200上の表面粗さを計測した結果を示す。この表1
において、希ガスが含まれかつ熱処理が施された絶縁膜
200上の表面粗さの計測結果は、最右欄に示されてい
る。ただし、この場合、前記希ガスとしてKrを用いて
いる。また、表1においては、これと比較するため、何
らの処理を施していないポリシリコン膜を含む半導体層
1の表面粗さの計測結果が最左欄に、従来用いられてき
た通常のドライ酸化を施した絶縁膜上の表面粗さの計測
結果が中欄に、それぞれ示されている。
【0085】なお、表面粗さとしては、Ra、すなわち
根二乗平均粗さと、Rmax、すなわち最大表面粗さと
を計測した。また、単位は、Ra及びRmaxのいずれ
についても「nm(ナノメートル)」である。
【0086】
【表1】
【0087】この表1によれば、第1実施形態における
絶縁膜200上は、ポリシリコン膜のみ、通常のドライ
酸化を実施した絶縁膜、と対比して、Ra及びRmax
の値が相当小さくなっており、その平坦性が明らかに向
上していることがわかる。このことはつまり、絶縁膜2
00と半導体層1との界面における突起が、第1実施形
態においては殆ど生じてないことを意味するものであ
る。
【0088】なお、Rmaxについては、これを20n
m以下程度とするとよい。このようにすると、上述の結
果から推察される通り、耐性・耐圧等の電気的特性の向
上を十分満足に享受することが可能となる。
【0089】他方、第1実施形態における熱処理を実施
することによって、例えば、半導体層1に含まれるポリ
シリコン膜の結晶性を向上させることが可能となる。こ
れにより、本発明のTFT30では、半導体層1として
単結晶シリコンを用いた場合と同様の性能を獲得するこ
とが可能となる。例えば、該TFT30の立ち上がり特
性は、目覚ましく向上する。
【0090】これを証左する事実として、図4に、半導
体層1に含まれるポリシリコン膜の結晶性がどの程度向
上しているかを示すグラフを掲げる。なお、図4は、何
らかの処理を施さないポリシリコン膜、ドライ酸化処理
を施したポリシリコン膜、Krガスを用いたプラズマ酸
化処理を施したポリシリコン膜、及び第1実施形態に係
る半導体層1(すなわち、プラズマ酸化処理及び熱処理
を施したポリシリコン膜)のそれぞれについて、ラマン
分光分析により計測されたピークにおける半値幅(FW
HM;Full Width Half Maximum;単位〔cm−1〕)
を示している。
【0091】この図において、第1実施形態に係る半導
体層1以外のポリシリコン膜については、そのすべてが
半値幅約5.5〔cm−1〕程度の値を示している一
方、第1実施形態における半導体層1においては、その
半値幅が約4.1〔cm−1〕となっており、該半値幅
は小さくなっていることがわかる。ちなみに、単結晶シ
リコンの半値幅は、約3.2〔cm−1〕であることが
知られており、第1実施形態の半導体層1に係る半値幅
は、それに近づいている。つまり、第1実施形態におけ
る半導体層1においては、その結晶性が向上しているこ
とがわかる。
【0092】さらには、第1実施形態におけるプラズマ
酸化処理とアニール処理を実施することによって、絶縁
膜200の膜厚を一般に薄く形成することが可能とな
る。別の観点から言うと、第1実施形態における絶縁膜
200は、その膜厚を薄くしても、従来の、より大きな
膜厚を有する絶縁膜と比較して、同等ないしはそれ以上
の性能を発揮することができるということである。本願
発明者の確認するところでは、概ね従来の膜厚の半分程
度でも、同等以上の性能が発揮されることが判明してい
る。このことは、TFT30の低電力駆動等を可能と
し、その特性向上にも大きく貢献することになる。
【0093】より具体的には、例えば、条件ドライ酸化
で成膜する場合、従来においては、絶縁膜の厚さは80
nm程度以上とすることによって、要求される性能を発
揮しうることになっていたところ、第1実施形態によれ
ば、30nm程度、すなわち概ね従来の半分程度の膜厚
で、当該性能を満足することが可能となる。
【0094】なお、第1実施形態では、基板10と半導
体層1との間に、下地絶縁膜12のみが設けられる形態
について説明したが、当該半導体装置を、例えば、液晶
表示装置の一構成要素として組み込む場合等には、TF
T30に光が入射することを防止する遮光膜を、基板1
0と下地絶縁膜12との間に更に設けるような形態とし
てもよい。
【0095】(第2実施形態)次に、第2実施形態に係
る半導体装置の構成について、図5及び図6を参照しな
がら説明する。ここに、図5は、第1実施形態に係る半
導体装置の要部断面図である。また、図6は、図5に示
す基板10に含まれる希ガスの含有量の例を表す図であ
る。
【0096】図5において、半導体装置は、上記第1実
施形態と比較して、下地絶縁膜12が存在しない点のみ
異なるだけで、残余の点は全く同様である。したがっ
て、上記第1実施形態において述べた作用効果は、第2
実施形態における半導体装置においても、同様に享受す
ることが可能である。本発明は、このように下地絶縁膜
12が存在しない形態であっても、その範囲内に収め
る。
【0097】ちなみに、この第2実施形態においては、
本発明にいう「下層」は、基板10に該当することとな
り、したがって、上述の図2に対応する希ガス分布は、
図6に示すようなものとなる。すなわち、図2において
は、下地絶縁膜12に希ガスが存在していたところ、図
6においては、基板10の表層側に希ガスが存在するよ
うな形となる。
【0098】(第3実施形態)次に、第3実施形態に係
る半導体装置の構成について、図7を参照しながら説明
する。ここに、図7は、第3実施形態に係る半導体装置
の要部断面図である。
【0099】第3実施形態における半導体装置は、図7
に示すように、強誘電体メモリ素子として構成されてい
る。より詳しくは、図7において、半導体装置は、シリ
コン基板内に形成されたPウェル1101、該シリコン
基板内に図中左右それぞれに形成されたn型トランジス
タのソース1102及びドレイン1102´、これらP
ウェル1101並びにソース1102及びドレイン11
02´上に形成された、本発明に係る絶縁膜1103、
該絶縁膜1103上に形成されたn型トランジスタのポ
リシリコンゲート1104、該ポリシリコンゲート11
04上に形成された、本発明に係る絶縁膜1105、該
絶縁膜1105上に形成された強誘電体膜1106、そ
して該強誘電体膜1106上に形成された電極1107
を備えている。
【0100】なお、第3実施形態において、絶縁膜11
03及び1105は、Ar/NHプラズマにより形成
されたシリコン窒化膜とされている。また、強誘電体膜
1106は、SrTaNbOからなり、その製造は、S
r:Ta:Nbが1:0.7:0.3になるようにスパ
ッタ成膜した後、Kr及びOプラズマ酸化を実施し
て、Sr(Ta0.7Nb0.3の組成とな
るように形成されている。さらに、電極1107はPt
(白金)により形成されている。
【0101】このような形態にあっても、上記第1実施
形態と略同様な作用効果を享受することが可能である。
【0102】なお、この第3実施形態において、本発明
にいう「下層」は、シリコン基板に該当することとな
り、かつ、本発明にいう「半導体層」は当該シリコン基
板内に形成されたPウェル1101が該当することにな
る。要するに、本発明にいう「基板上に(存在する)半
導体層」(かっこ内は付記)とは、図7に示すような形
態をも含む概念である。
【0103】(第4実施形態)次に、第4実施形態に係
る半導体装置の構成について、図8を参照しながら説明
する。ここに、図8は、第4実施形態に係る半導体装置
の要部断面図である。
【0104】第4実施形態における半導体装置は、図8
に示すように、フラッシュメモリ素子として構成されて
いる。より詳しくは、図8において、半導体装置は、シ
リコン基板内に形成されたPウェル1201、該シリコ
ン基板内に図中左右それぞれに形成されたn型トランジ
スタのソース1202及びドレイン1202´、これら
Pウェル1201並びにソース1202及びドレイン1
202´上に形成された、本発明に係る絶縁膜120
3、該絶縁膜1203上に形成されたフローティングポ
リシリコンゲート1204、該ゲート1204上に形成
された、本発明に係る絶縁膜1205、そして該絶縁膜
1205上に形成された制御用ポリシリコンゲート12
06を備えている。
【0105】なお、第4実施形態において、絶縁膜12
03及び1205は、Ar/NHプラズマにより形成
されたシリコン窒化膜とされている。
【0106】本発明は、このような形態にあっても適用
することが可能である。
【0107】なお、この第4実施形態においても、本発
明にいう「下層」は、シリコン基板に該当することとな
り、かつ、本発明にいう「半導体層」は当該シリコン基
板内に形成されたPウェル1201が該当することにな
る。
【0108】(製造方法)以下では、上述した第1実施
形態における半導体装置の製造方法について、図9を参
照しながら説明する。ここに、図9は、第1実施形態に
おける半導体装置の製造プロセスをその工程順に沿って
示したフローチャートである。
【0109】なお、本実施形態においては、絶縁膜20
0としてシリコン酸化膜を形成する方法について説明す
る(したがって、ここでは「シリコン酸化膜200」と
称する。)とともに、それに含まれる希ガスはKrであ
る場合について説明する。
【0110】まず、石英基板、ハードガラス、シリコン
基板等の基板10を用意する(ステップS11)。ここ
で、好ましくはN(窒素)等の不活性ガス雰囲気で約
900〜1300℃の高温で熱処理し、後に実施される
高温プロセスで基板10に生じる歪が少なくなるように
前処理しておく。
【0111】次に、基板10上に、例えば、常圧又は減
圧CVD法等によりTEOS(テトラ・エチル・オルソ
・シリケート)ガス、TEB(テトラ・エチル・ボート
レート)ガス、TMOP(テトラ・メチル・オキシ・フ
ォスレート)ガス等を用いて、NSG、PSG、BS
G、BPSG等のシリケートガラス膜、窒化シリコン膜
や酸化シリコン膜等からなる下地絶縁膜12を形成する
(ステップS12)。この下地絶縁膜12の膜厚は、例
えば約500〜2000nm程度とする。
【0112】続いて、下地絶縁膜12上に、約450〜
550℃、好ましくは約500℃の比較的低温環境中
で、流量約400〜600cc/minのモノシランガ
ス、ジシランガス等を用いた減圧CVD(例えば、圧力
約20〜40PaのCVD)により、アモルファスシリ
コン膜を形成する。その後、窒素雰囲気中で、約600
〜700℃にて約1〜10時間、好ましくは4〜6時間
の熱処理を施すことにより固相成長させる。p−Si
(ポリシリコン)膜の膜厚は、約10〜200nmの厚
さ、好ましくは約100nmの厚さとする。固相成長さ
せる方法としては、RTAを使った熱処理でもよいし、
エキシマレーザ等を用いたレーザアニールでもよい。こ
の際、画素スイッチング用のTFT30を、nチャネル
型とするかpチャネル型とするかに応じて、V族元素や
III族元素のドーパントを僅かにイオン注入等により
ドープしてもよい。そして、フォトリソグラフィ及びエ
ッチングにより、所定パターンを有する半導体層1を形
成する(ステップS13)。
【0113】ここで本実施形態においては、半導体層1
上に、Krを含むシリコン酸化膜200を形成する(ス
テップS14)。このシリコン酸化膜200の形成に際
しては、図10に示すような装置を利用するとよい。こ
こに、図10は、本実施形態における半導体装置の製造
を実現するための製造装置の一例を示す断面図である。
この図10において、該製造装置は、真空容器140
7、シャワープレート1401、試料台1404、方形
導波管1405及び誘電体板1406を備えている。こ
のような製造装置を用いてシリコン酸化膜200は次の
ようにして形成される。
【0114】まず、真空容器1407内を所定の真空度
(例えば、1×10−5Torr)となるように排気す
るとともに、シャワープレート1401からKrガス、
ガスを導入し、該真空容器1407内の圧力を1T
orr程度に設定する。
【0115】次に、シリコンウェハ等の基板1403
を、加熱機構を備えた試料台1404に置き、試料の温
度が300℃になるように設定する。ただし、この温度
設定は、室温〜600℃の範囲内で設定可能であり、該
範囲内であれば、本実施形態に係る所望のシリコン酸化
膜200を形成することが可能である。
【0116】なお、ここにいう基板1403は、上述し
た基板10上に下地絶縁膜12を形成したもの又はしな
いものや、基板10上かつ下地絶縁膜12下に遮光膜を
更に形成するもの等に応じて、適宜好適な形態となる基
板を意味する。また、基板1403としては、すでに述
べたように、基板10内において半導体層が存在する場
合等も想定されることになる。
【0117】次に、方形導波管1405のスリットか
ら、誘電体板1406を通して、真空容器1407内
に、例えば、2.45GHzのマイクロ波を供給し、真
空容器1407内に高密度のプラズマを生成する。ただ
し、供給するマイクロ波の周波数は、900MHz以上
10GHz以下の範囲内で設定可能であり、該範囲内で
あれば、本実施形態に係る所望のシリコン酸化膜200
を形成することが可能である。
【0118】ここで、シャワープレート1401と基板
1403との間隔は、本実施形態では6cmとされてい
る。ただし、本発明はこの間隔を特に限定する意図を有
さない。ただ、狭ければ狭い程、高速な成膜が可能とな
るから、その点を勘案して、適宜、適当な間隔を設定す
ることが可能である。
【0119】このように真空容器1407内にマイクロ
波を供給し、供給されたKrガスをプラズマ励起する
と、KrガスとOガスが混合された高密度励起プラズ
マ中で、中間励起状態にあるKrとO分子が衝突
し、原子状酸素Oが効率よく発生する。この原子状酸
素により、基板1403の表面は酸化される。ちなみ
に、従来の、シリコン表面の酸化は、HO分子、O
分子により行われ、処理温度は、800℃以上と極めて
高いものであったが、本実施形態の原子状酸素による酸
化は、550℃以下と十分に低い温度で可能である。
【0120】なお、KrとOの衝突機会を大きくす
るには、真空容器1407内の圧力は高い方が好ましい
が、あまり高くすると、発生したO同士が衝突しO
分子に戻ってしまう。このようなことから最適ガス圧力
が決まるが、これは例えば図11に示すようなものとな
る。図11は、横軸に真空容器1407内の圧力、縦軸
に該圧力環境下で10分間、かつ、KrとOの両者の
圧力比をKr:O=97:3に保って酸化膜の形成を
行った後の該酸化膜の厚さをとったグラフである。この
図11から、真空容器1407の圧力は800〜120
0mTorr、より好ましくは1Torr程度とするの
が最も好ましい。このとき、シリコン酸化膜200の成
膜速度を最大にすることができることがわかる。
【0121】また、シャワープレート1401から供給
されるKrとOの混合ガスについて、そのOの分圧
は、真空容器1407内の圧力を1Torrとする場合
を考えると、全体の2〜4パーセント、より好ましくは
3パーセント付近とするとよい。このようにすると、シ
リコン酸化膜200の成膜速度を最大にすることが可能
となる。また、成膜されたシリコン酸化膜200につい
て、界面準位密度を最低にすることが可能となるととも
に、絶縁耐性をも最大にすることが可能となる。
【0122】以上のようにして、Krを含むシリコン酸
化膜200が形成されたら、図9に戻って次に、該シリ
コン酸化膜200に対して熱処理を施す(ステップS1
5)。この熱処理は、好ましくは上述のシリコン酸化膜
200形成時における温度よりも高い温度で実施すると
よい。具体的には例えば、1000℃程度とするとよ
い。そして、このとき、シリコン酸化膜200下におけ
る下地絶縁膜12には、Krが含まれることになる(図
2参照)。この下地絶縁膜12中におけるKrの含有
は、上述したように、熱処理の実施による熱拡散が原因
であると考えられる。
【0123】以上のような工程を経ると、上記第1実施
形態に係る半導体装置は、その完成をみる。
【0124】なお、上記においては、絶縁膜としてシリ
コン酸化膜を形成する製造方法について説明したが、本
発明においては、それに代えて、シリコン窒化膜を形成
するようにしてよい。
【0125】この場合においては、シャワープレート1
401から送り込む混合ガスを、例えば、Ar又はKr
及びNHの組み合わせとするか、あるいは、Ar又は
Kr並びにN及びH等とする。また、真空容器14
07内の圧力は50〜1200mTorrの範囲とし、
混合ガス中に含まれるNH又はNの分圧は全体の1
〜10パーセント、より好ましくは2〜6パーセントす
るとよい。
【0126】なお、いま述べたことからもわかるよう
に、本発明にいう「窒素の分圧」における「窒素」と
は、混合ガス中にNHを使用する場合において該NH
をも意味し、したがって、「窒素の分圧」とは「NH
の分圧」ということをも意味する概念である。
【0127】ちなみに、これら真空容器1407内の圧
力及び窒素分圧の好ましい範囲が画される理由は、上述
したシリコン酸化膜の形成について好ましい範囲が画さ
れた理由と同じである。すなわち、上述のような範囲内
によるシリコン窒化膜の製造を実施すれば、その成膜速
度を大きくとることが可能となり、また、形成されたシ
リコン窒化膜についての界面準位密度を小さく、かつ、
絶縁耐性を大きくすること等が可能となる。
【0128】本発明は、上述した実施形態に限られるも
のではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる
発明の要旨、あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可
能であり、そのような変更を伴う半導体装置及びその製
造方法並びに薄膜トランジスタもまた、本発明の技術的
範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の構成
を示す概要図である。
【図2】図1に示す下地絶縁膜中における希ガスの含有
量を示す図である。
【図3】半導体層がもつ面方位の別に応じて、該半導体
層と絶縁膜との界面における界面準位密度がどのように
変化するかを示すグラフである。
【図4】図1に示す半導体層の結晶性の程度をラマン分
光分析によって計測した結果を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る半導体装置の構成
を示す概要図である。
【図6】図5に示す基板中における希ガスの含有量を示
す図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る半導体装置(強誘
電体メモリ素子)の構成を示す概要図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る半導体装置(フラ
ッシュメモリ素子)の構成を示す概要図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る半導体装置の製造
方法をその工程順に沿って示すフローチャートである。
【図10】本発明に係る絶縁膜を形成するのに好適な製
造装置の一例を示す概要図である。
【図11】図10に示す製造装置を構成する真空容器内
の圧力と、該製造装置によって成膜された酸化膜の厚さ
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…半導体層 1a…チャネル領域 1b…ソース領域 1c…ドレイン領域 3a…電極 10…基板 12…下地絶縁膜 30…TFT 200…絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/786 H01L 27/10 434 29/788 444A 29/792 (72)発明者 須川 成利 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35−2− 102 (72)発明者 恒川 吉文 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 (72)発明者 林 朋彦 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内 Fターム(参考) 5F058 BA09 BB04 BC02 BC08 BF73 BF74 BJ10 5F083 EP02 EP23 EP42 EP53 FR07 JA12 JA19 JA38 5F101 BA02 BA29 BA35 BA36 BB05 5F110 AA09 AA12 AA14 BB05 CC02 DD02 DD03 DD05 DD12 DD13 DD14 DD15 DD25 EE09 FF02 FF03 FF07 FF09 FF25 FF36 GG02 GG06 GG13 GG15 GG17 GG24 GG25 GG44 NN41 PP01 PP03 QQ19

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、 半導体層と、 該半導体層上に設けられ、その少なくとも一部に希ガス
    が含まれるとともに熱処理が施された絶縁膜とを備えた
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 基板上に、 半導体層と、 該半導体層上に設けられ、その少なくとも一部に希ガス
    が含まれる絶縁膜と、 前記半導体層下に前記希ガスが含まれる下層とを備えた
    ことを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体層下に前記希ガスが含まれる
    下層を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の半
    導体装置。
  4. 【請求項4】 前記基板上に、 前記半導体層及び前記絶縁膜上に形成されたゲート電極
    を含む薄膜トランジスタを更に備え、 前記半導体層は前記薄膜トランジスタのチャネル領域を
    含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に
    記載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記下層は、前記基板であることを特徴
    とする請求項2から4のいずれか一項に記載の半導体装
    置。
  6. 【請求項6】 前記下層は、前記基板上に形成された絶
    縁性薄膜であることを特徴とする請求項2から4のいず
    れか一項に記載の半導体装置。
  7. 【請求項7】 前記半導体層は、ポリシリコン膜又はア
    モルファスシリコン膜を含むことを特徴とする請求項1
    から6のいずれかに記載の半導体装置。
  8. 【請求項8】 前記ポリシリコン膜は、その表面に少な
    くとも(111)面のシリコンを有することを特徴とす
    る請求項7に記載の半導体装置。
  9. 【請求項9】 前記希ガスは、Kr(クリプトン)又は
    Ar(アルゴン)を含むことを特徴とする請求項1から
    8のいずれか一項に記載の半導体装置。
  10. 【請求項10】 前記絶縁膜及び前記下層に含まれる希
    ガスの密度は、それぞれ5×1011cm−2以下であ
    ることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記
    載の半導体装置。
  11. 【請求項11】 前記絶縁膜の表面の最大表面粗さRm
    axは、20nm以下であることを特徴とする請求項1
    から10のいずれか一項に記載の半導体装置。
  12. 【請求項12】 チャネル領域を含む半導体層と、 該半導体層上に設けられ、その少なくとも一部に希ガス
    が含まれるとともに熱処理が施された絶縁膜と、 該絶縁膜上に形成されたゲート電極と、 を備えたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  13. 【請求項13】 チャネル領域を含む半導体層と、 該半導体層上に設けられ、その少なくとも一部に希ガス
    が含まれる絶縁膜と、 該絶縁膜上に形成されたゲート電極と、 前記半導体層下に前記希ガスが含まれる下層と、 を備えたことを特徴とする薄膜トランジスタ。
  14. 【請求項14】 前記半導体層下に前記希ガスが含まれ
    る下層を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載
    の薄膜トランジスタ。
  15. 【請求項15】 基板上に半導体層を形成する工程と、 該半導体層上に酸素、窒素又は窒素原子を含むガスを含
    むガス及び希ガスを主体とするガスからなる混合ガスを
    供給するとともにプラズマを励起して該半導体層の表面
    を酸化処理又は窒化処理し、絶縁膜を形成する工程と、 該絶縁膜に対して熱処理を施す工程と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  16. 【請求項16】 基板上に薄膜トランジスタが形成され
    る半導体装置の製造方法であって、 前記基板上に半導体層を形成する工程と、 該半導体層上に酸素、窒素又は窒素原子を含むガスを含
    むガス及び希ガスを主体とするガスからなる混合ガスを
    供給するとともにプラズマを励起して該半導体層の表面
    を酸化処理又は窒化処理し、前記薄膜トランジスタを構
    成する絶縁膜を形成する工程と、 該絶縁膜に対して熱処理を施す工程と、 前記絶縁膜上に前記薄膜トランジスタを構成するゲート
    電極を形成する工程と、 前記半導体層に対して所定種類のイオンを注入する工程
    と、 を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記プラズマの励起は、マイクロ波の
    導入によりなされることを特徴とする請求項15又は1
    6に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記熱処理の温度は、前記酸化処理又
    は前記窒化処理の温度よりも高いことを特徴とする請求
    項15乃至17のいずれか一項に記載の半導体装置の製
    造方法。
  19. 【請求項19】 前記混合ガス中における前記酸素の分
    圧は、全圧に対して2〜4パーセントであることを特徴
    とする請求項15乃至18のいずれか一項に記載の半導
    体装置の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記混合ガス中における前記窒素の分
    圧は、全圧に対して1〜10パーセントであることを特
    徴とする請求項15乃至18のいずれか一項に記載の半
    導体装置の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記絶縁膜を形成する工程は、前記混
    合ガスに前記酸素が含まれる場合において、800〜1
    200mTorrの真空環境下で実施されることを特徴
    とする請求項15乃至19のいずれか一項に記載の半導
    体装置の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記絶縁膜を形成する工程は、前記混
    合ガスに前記窒素が含まれる場合において、50〜12
    00mTorrの真空環境下で実施されることを特徴と
    する請求項15乃至18又は20のいずれか一項に記載
    の半導体装置の製造方法。
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