JP2003308799A - リブ・グリッド型蛍光表示管及びその駆動方法並びに蛍光表示装置 - Google Patents
リブ・グリッド型蛍光表示管及びその駆動方法並びに蛍光表示装置Info
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- JP2003308799A JP2003308799A JP2002114436A JP2002114436A JP2003308799A JP 2003308799 A JP2003308799 A JP 2003308799A JP 2002114436 A JP2002114436 A JP 2002114436A JP 2002114436 A JP2002114436 A JP 2002114436A JP 2003308799 A JP2003308799 A JP 2003308799A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 リブ・グリッド型蛍光表示管において、フィ
ラメントの近くに配置された蛍光体と遠くに配置された
蛍光体の輝度差を小さくする。 【解決手段】 本発明のリブ・グリッド型蛍光表示管1
00は、フィラメント130に平行してフロントガラス
103の内面に配置した第1透明電極140と、第1透
明電極140の両側に配置した第2透明電極141とを
有しており、第1透明電極140と第2透明電極141
はそれぞれ第1透明電極用リードピン107と第2透明
電極用リードピン108を介して外部電源に接続可能に
構成され、第2透明電極141の電位が第1透明電極1
40の電位よりも高くなるように電位差を設けて駆動さ
せる。
ラメントの近くに配置された蛍光体と遠くに配置された
蛍光体の輝度差を小さくする。 【解決手段】 本発明のリブ・グリッド型蛍光表示管1
00は、フィラメント130に平行してフロントガラス
103の内面に配置した第1透明電極140と、第1透
明電極140の両側に配置した第2透明電極141とを
有しており、第1透明電極140と第2透明電極141
はそれぞれ第1透明電極用リードピン107と第2透明
電極用リードピン108を介して外部電源に接続可能に
構成され、第2透明電極141の電位が第1透明電極1
40の電位よりも高くなるように電位差を設けて駆動さ
せる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蛍光表示管に関し、
特に制御電極をリブ状壁の頂部に備えたいわゆるリブ・
グリッド構造の蛍光表示管に関する。
特に制御電極をリブ状壁の頂部に備えたいわゆるリブ・
グリッド構造の蛍光表示管に関する。
【0002】
【従来の技術】蛍光表示管は、真空容器の中でフィラメ
ントと呼ばれる陰極から放出される熱電子を蛍光体に衝
突させて発光させ、所望のパターンを表示する電子管で
あり、一般的な蛍光表示管は、蛍光体を被着した陽極
と、この陽極上に張架されたフィラメントと、陽極とフ
ィラメントの間に配置されたグリッドと呼ばれるメッシ
ュ状の制御電極とを備えた3極管構造を有する。
ントと呼ばれる陰極から放出される熱電子を蛍光体に衝
突させて発光させ、所望のパターンを表示する電子管で
あり、一般的な蛍光表示管は、蛍光体を被着した陽極
と、この陽極上に張架されたフィラメントと、陽極とフ
ィラメントの間に配置されたグリッドと呼ばれるメッシ
ュ状の制御電極とを備えた3極管構造を有する。
【0003】このような蛍光表示管の一種として、メッ
シュ状の制御電極に代えて陽極の近傍に突設したリブ状
壁の頂部に配置した制御電極で、陽極上に張架されたフ
ィラメントから放射される熱電子の動きを制御し、陽極
に被着された蛍光体を選択的に発光させる形式のいわゆ
るリブ・グリッド型蛍光表示管が知られている。図4
は、従来のリブ・グリッド型蛍光表示管の一例を示して
おり、同図において、(a)は、リブ・グリッド型蛍光
表示管の一部を切り欠いて全体の構成を示す斜視図、
(b)は(a)のフィラメント330と直交する方向の
部分断面図、(c)は(a)のリブ・グリッド320と
直交する方向の部分断面図である。
シュ状の制御電極に代えて陽極の近傍に突設したリブ状
壁の頂部に配置した制御電極で、陽極上に張架されたフ
ィラメントから放射される熱電子の動きを制御し、陽極
に被着された蛍光体を選択的に発光させる形式のいわゆ
るリブ・グリッド型蛍光表示管が知られている。図4
は、従来のリブ・グリッド型蛍光表示管の一例を示して
おり、同図において、(a)は、リブ・グリッド型蛍光
表示管の一部を切り欠いて全体の構成を示す斜視図、
(b)は(a)のフィラメント330と直交する方向の
部分断面図、(c)は(a)のリブ・グリッド320と
直交する方向の部分断面図である。
【0004】図4(a)に示すように、従来のリブ・グ
リッド型蛍光表示管300は、陽極基板301と、陽極
基板301の周縁部に配置した枠状のスペーサガラス3
02と、スペーサガラス302を介して陽極基板301
に対向配置した透明なフロントガラス303とから構成
された気密構造の外囲器を有しており、外囲器内は10
-3〜10-5Pa程度の真空に保持されている。また、こ
の外囲器には陽極基板301とスペーサガラス302の
間を貫通し、複数の陽極用リードピン304と、複数の
制御電極用リードピン305と、複数の陰極用リードピ
ン306と、透明電極用リードピン307とが設けられ
ている。
リッド型蛍光表示管300は、陽極基板301と、陽極
基板301の周縁部に配置した枠状のスペーサガラス3
02と、スペーサガラス302を介して陽極基板301
に対向配置した透明なフロントガラス303とから構成
された気密構造の外囲器を有しており、外囲器内は10
-3〜10-5Pa程度の真空に保持されている。また、こ
の外囲器には陽極基板301とスペーサガラス302の
間を貫通し、複数の陽極用リードピン304と、複数の
制御電極用リードピン305と、複数の陰極用リードピ
ン306と、透明電極用リードピン307とが設けられ
ている。
【0005】外囲器内には、陽極基板301の内面に所
定の表示パターンに対応した平面形状の発光部310
と、発光部310を所定間隔で分割するように互いに平
行に突設された複数のリブ・グリッド320とが形成さ
れており、リブ・グリッド320の長さ方向と直交する
方向にはリブ・グリッド320から離間した所定の高さ
に張り渡された複数のフィラメント330が設けられて
いる。また、フロントガラス303には内面を被覆する
透明電極340が設けられている。
定の表示パターンに対応した平面形状の発光部310
と、発光部310を所定間隔で分割するように互いに平
行に突設された複数のリブ・グリッド320とが形成さ
れており、リブ・グリッド320の長さ方向と直交する
方向にはリブ・グリッド320から離間した所定の高さ
に張り渡された複数のフィラメント330が設けられて
いる。また、フロントガラス303には内面を被覆する
透明電極340が設けられている。
【0006】ここで、図4の(b)と(c)に示すよう
に、発光部310は陽極基板301の内面に形成された
陽極311と、この陽極311の表面に被着形成された
蛍光体層312とから構成されており、陽極311と蛍
光体層312は、陽極基板301の内面上に突設された
リブ・グリッド320を構成する複数のリブ状壁321
により分割されている。分割された個々の陽極311
は、図示しない陽極配線層を介して陽極用リードピン3
04と接続されている。また、リブ・グリッド320
は、絶縁性のリブ状壁321と、リブ状壁321の頂部
に形成された制御電極322となる導電膜とから構成さ
れており、制御電極322は、図示しない制御電極配線
層を介して制御電極用リードピン305と接続されてい
る。
に、発光部310は陽極基板301の内面に形成された
陽極311と、この陽極311の表面に被着形成された
蛍光体層312とから構成されており、陽極311と蛍
光体層312は、陽極基板301の内面上に突設された
リブ・グリッド320を構成する複数のリブ状壁321
により分割されている。分割された個々の陽極311
は、図示しない陽極配線層を介して陽極用リードピン3
04と接続されている。また、リブ・グリッド320
は、絶縁性のリブ状壁321と、リブ状壁321の頂部
に形成された制御電極322となる導電膜とから構成さ
れており、制御電極322は、図示しない制御電極配線
層を介して制御電極用リードピン305と接続されてい
る。
【0007】フィラメント330は、1対のアンカー3
31の間に張り渡されており、アンカー331に溶接で
取り付けられている。これらのアンカー331は、リブ
・グリッド320の長さ方向と直交する方向に、これら
のリブ・グリッド320を挟んで対向配置され、陰極用
リードピン306を兼ねた脚部を有するフィラメントサ
ポート332に溶接で取り付けられている。透明電極3
40は、陽極基板301の内面に固着された弾性を有す
る導電性部材342を介して透明電極用リードピン30
7と接続されている。
31の間に張り渡されており、アンカー331に溶接で
取り付けられている。これらのアンカー331は、リブ
・グリッド320の長さ方向と直交する方向に、これら
のリブ・グリッド320を挟んで対向配置され、陰極用
リードピン306を兼ねた脚部を有するフィラメントサ
ポート332に溶接で取り付けられている。透明電極3
40は、陽極基板301の内面に固着された弾性を有す
る導電性部材342を介して透明電極用リードピン30
7と接続されている。
【0008】次に、このリブ・グリッド型蛍光表示管3
00の駆動方法を説明する。図5は、このリブ・グリッ
ド型蛍光表示管300を用いた蛍光表示装置の各電極と
それらの駆動電源との接続を示す回路図である。なお、
図5における各電極は、制御電極322とフィラメント
330の間からフィラメント330方向を見たときの電
極配置を示しており、視線方向となるフィラメント33
0と透明電極340を実線で示し、背後となる陽極31
1と制御電極322を2点鎖線で示している。
00の駆動方法を説明する。図5は、このリブ・グリッ
ド型蛍光表示管300を用いた蛍光表示装置の各電極と
それらの駆動電源との接続を示す回路図である。なお、
図5における各電極は、制御電極322とフィラメント
330の間からフィラメント330方向を見たときの電
極配置を示しており、視線方向となるフィラメント33
0と透明電極340を実線で示し、背後となる陽極31
1と制御電極322を2点鎖線で示している。
【0009】図5において、複数の陽極311が陽極電
源410に接続されており、陽極311の近傍に配置さ
れた複数の制御電極322が制御電極電源420に接続
されている。また、フィラメント330の両端が陰極電
源430のセンタータップ付きトランス431を介して
交流電源432に接続されるとともに、トランス431
のセンタータップを通してグランドに接続されている。
さらに、フロントガラス303の内面に配置された透明
電極340が陰極電源430のトランス431のセンタ
ータップに接続されている。
源410に接続されており、陽極311の近傍に配置さ
れた複数の制御電極322が制御電極電源420に接続
されている。また、フィラメント330の両端が陰極電
源430のセンタータップ付きトランス431を介して
交流電源432に接続されるとともに、トランス431
のセンタータップを通してグランドに接続されている。
さらに、フロントガラス303の内面に配置された透明
電極340が陰極電源430のトランス431のセンタ
ータップに接続されている。
【0010】このような構成において、陽極電源410
が各陽極311に所定の正電圧を印加し、制御電極電源
420が各制御電極322に所定の正電圧を印加した状
態で、各フィラメント330に陰極電源430から所定
の交流電流を通電する。これにより、通電加熱された各
フィラメント330から熱電子が放出される。放出され
た熱電子は、各制御電極322に印加された正電圧によ
り陽極311方向に引き出され、陽極311に印加され
た正電圧によって陽極311に向かって加速され、蛍光
体層312に衝突して発光させる。この場合、表示パタ
ーンの点灯や消灯は、制御電極電源420が各制御電極
322に印加する電圧により制御する。点灯は上述した
ように所定の正電圧を各制御電極322に印加すること
により行い、消灯は所定の負電圧を各制御電極322に
印加することにより行う。
が各陽極311に所定の正電圧を印加し、制御電極電源
420が各制御電極322に所定の正電圧を印加した状
態で、各フィラメント330に陰極電源430から所定
の交流電流を通電する。これにより、通電加熱された各
フィラメント330から熱電子が放出される。放出され
た熱電子は、各制御電極322に印加された正電圧によ
り陽極311方向に引き出され、陽極311に印加され
た正電圧によって陽極311に向かって加速され、蛍光
体層312に衝突して発光させる。この場合、表示パタ
ーンの点灯や消灯は、制御電極電源420が各制御電極
322に印加する電圧により制御する。点灯は上述した
ように所定の正電圧を各制御電極322に印加すること
により行い、消灯は所定の負電圧を各制御電極322に
印加することにより行う。
【0011】このようにリブ・グリッド型蛍光表示管
は、制御電極がリブ状壁の頂部に設けられた導電膜で構
成されていることから、一般的な蛍光表示管のような蛍
光体層を覆うメッシュ状の制御電極を必要としないの
で、表示パターンの大型化が容易であるという利点があ
る。また、メッシュ状の制御電極を大型化したときに発
生する、熱変形に起因する輝度むらや短絡などによる表
示不良の問題が解消される利点がある。さらに、メッシ
ュ状の制御電極が蛍光体層を覆うことによる輝度の低下
という問題が解消される利点もある。
は、制御電極がリブ状壁の頂部に設けられた導電膜で構
成されていることから、一般的な蛍光表示管のような蛍
光体層を覆うメッシュ状の制御電極を必要としないの
で、表示パターンの大型化が容易であるという利点があ
る。また、メッシュ状の制御電極を大型化したときに発
生する、熱変形に起因する輝度むらや短絡などによる表
示不良の問題が解消される利点がある。さらに、メッシ
ュ状の制御電極が蛍光体層を覆うことによる輝度の低下
という問題が解消される利点もある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リブ・
グリッド構造では、フィラメントから放出される電子が
拡散されにくいため、フィラメントの近くに位置する蛍
光体層に入射する電子の数と、フィラメントから離れた
所に位置する蛍光体層に入射する電子の数の差が大き
く、フィラメントからの距離による輝度差が大きいとい
う問題があった。本発明は、フィラメントからの距離に
よる輝度差を抑制可能なリブ・グリッド型蛍光表示管と
その駆動方法並びに蛍光表示装置を提供することを目的
とする。
グリッド構造では、フィラメントから放出される電子が
拡散されにくいため、フィラメントの近くに位置する蛍
光体層に入射する電子の数と、フィラメントから離れた
所に位置する蛍光体層に入射する電子の数の差が大き
く、フィラメントからの距離による輝度差が大きいとい
う問題があった。本発明は、フィラメントからの距離に
よる輝度差を抑制可能なリブ・グリッド型蛍光表示管と
その駆動方法並びに蛍光表示装置を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は、蛍光体を被着した陽極が形成された陽
極基板と、この陽極の近傍に突設されたリブ状壁と、こ
のリブ状壁の頂部に設けられた制御電極と、陽極および
制御電極から離間して配置された線状電子放出源と、陽
極基板と対向し陽極と制御電極と線状電子放出源とを収
容する外囲器を構成する透明なフロントガラスとからな
るリブ・グリッド型蛍光表示管において、フロントガラ
ス上に線状電子放出源からの距離に関係づけられた複数
の透明電極を設けたことによって特徴づけられる。
ため、本発明は、蛍光体を被着した陽極が形成された陽
極基板と、この陽極の近傍に突設されたリブ状壁と、こ
のリブ状壁の頂部に設けられた制御電極と、陽極および
制御電極から離間して配置された線状電子放出源と、陽
極基板と対向し陽極と制御電極と線状電子放出源とを収
容する外囲器を構成する透明なフロントガラスとからな
るリブ・グリッド型蛍光表示管において、フロントガラ
ス上に線状電子放出源からの距離に関係づけられた複数
の透明電極を設けたことによって特徴づけられる。
【0014】上述したリブ・グリッド型蛍光表示管の一
構成例は、透明電極が線状電子放出源と平行に配置され
た平面視帯状の第1透明電極と、この第1透明電極の両
側にそれぞれ配置された平面視帯状の第2透明電極とか
らなる。また、別の構成例は、複数の線状電子放出源が
互いに平行に所定間隔で配置され、複数の第1透明電極
が線状電子放出源ごとに配置され、少なくとも1つの第
2透明電極がこれらの第1透明電極間に配置されてい
る。
構成例は、透明電極が線状電子放出源と平行に配置され
た平面視帯状の第1透明電極と、この第1透明電極の両
側にそれぞれ配置された平面視帯状の第2透明電極とか
らなる。また、別の構成例は、複数の線状電子放出源が
互いに平行に所定間隔で配置され、複数の第1透明電極
が線状電子放出源ごとに配置され、少なくとも1つの第
2透明電極がこれらの第1透明電極間に配置されてい
る。
【0015】また、本発明は、蛍光体を被着した陽極が
形成された陽極基板と、この陽極の近傍に突設されたリ
ブ状壁と、このリブ状壁の頂部に設けられた制御電極
と、陽極および制御電極から離間して配置された線状電
子放出源と、陽極基板と対向し陽極と制御電極と線状電
子放出源とを収容する外囲器を構成する透明なフロント
ガラスと、このフロントガラス上に線状電子放出源から
の距離に関係づけて配置された複数の透明電極とからな
るリブ・グリッド型蛍光表示管の駆動方法であって、線
状電子放出源の近くに配置された透明電極に対し、遠く
に配置された透明電極の電位が高くなるように電圧を印
加することによって特徴づけられる。これにより、線状
電子放出源から放出された電子が遠くに配置された透明
電極の方向に向かう力を受けて拡散し、線状電子放出源
の近くに位置する蛍光体層に入射する電子の数と、線状
電子放出源から離れた所に位置する蛍光体層に入射する
電子の数の差が少なくなる。
形成された陽極基板と、この陽極の近傍に突設されたリ
ブ状壁と、このリブ状壁の頂部に設けられた制御電極
と、陽極および制御電極から離間して配置された線状電
子放出源と、陽極基板と対向し陽極と制御電極と線状電
子放出源とを収容する外囲器を構成する透明なフロント
ガラスと、このフロントガラス上に線状電子放出源から
の距離に関係づけて配置された複数の透明電極とからな
るリブ・グリッド型蛍光表示管の駆動方法であって、線
状電子放出源の近くに配置された透明電極に対し、遠く
に配置された透明電極の電位が高くなるように電圧を印
加することによって特徴づけられる。これにより、線状
電子放出源から放出された電子が遠くに配置された透明
電極の方向に向かう力を受けて拡散し、線状電子放出源
の近くに位置する蛍光体層に入射する電子の数と、線状
電子放出源から離れた所に位置する蛍光体層に入射する
電子の数の差が少なくなる。
【0016】また、本発明は、蛍光体を被着した陽極が
形成された陽極基板と、この陽極の近傍に突設されたリ
ブ状壁と、このリブ状壁の頂部に設けられた制御電極
と、陽極および制御電極から離間して配置された線状電
子放出源と、陽極基板と対向し陽極と制御電極と線状電
子放出源とを収容する外囲器を構成する透明なフロント
ガラスと、このフロントガラス上に線状電子放出源と平
行に配置された平面視帯状の第1透明電極と、この第1
透明電極の両側にそれぞれ配置された平面視帯状の第2
透明電極とからなるリブ・グリッド型蛍光表示管の駆動
方法であって、第1透明電極に対し、第2透明電極の電
位が高くなるように電圧を印加することによって特徴づ
けられる。これにより、線状電子放出源から放出された
電子が第2透明電極の方向に向かう力を受けて線状電子
放出源と直交する方向に拡散し、線状電子放出源と平行
に配置された蛍光体層に入射する電子の数と、この蛍光
体層の両側に配置された蛍光体層に入射する電子の数の
差が少なくなる。
形成された陽極基板と、この陽極の近傍に突設されたリ
ブ状壁と、このリブ状壁の頂部に設けられた制御電極
と、陽極および制御電極から離間して配置された線状電
子放出源と、陽極基板と対向し陽極と制御電極と線状電
子放出源とを収容する外囲器を構成する透明なフロント
ガラスと、このフロントガラス上に線状電子放出源と平
行に配置された平面視帯状の第1透明電極と、この第1
透明電極の両側にそれぞれ配置された平面視帯状の第2
透明電極とからなるリブ・グリッド型蛍光表示管の駆動
方法であって、第1透明電極に対し、第2透明電極の電
位が高くなるように電圧を印加することによって特徴づ
けられる。これにより、線状電子放出源から放出された
電子が第2透明電極の方向に向かう力を受けて線状電子
放出源と直交する方向に拡散し、線状電子放出源と平行
に配置された蛍光体層に入射する電子の数と、この蛍光
体層の両側に配置された蛍光体層に入射する電子の数の
差が少なくなる。
【0017】また、これらの駆動方法の一構成例は、透
明電極に印加する電圧が直流電圧若しくはパルス電圧で
ある。透明電極に直流電圧を印加することにより、線状
電子放出源から放出された電子を絶えず拡散させること
ができ、線状電子放出源からの距離による表示パターン
の輝度差が少なくなる。また、複数の蛍光体層をダイナ
ミック駆動によって選択的に発光表示させる場合は、ダ
イナミック駆動の駆動周期に対応したパルス電圧を用い
ることにより、直流電圧を印加するときと同様に線状電
子放出源からの距離による表示パターンの輝度差を少な
くすることができる。
明電極に印加する電圧が直流電圧若しくはパルス電圧で
ある。透明電極に直流電圧を印加することにより、線状
電子放出源から放出された電子を絶えず拡散させること
ができ、線状電子放出源からの距離による表示パターン
の輝度差が少なくなる。また、複数の蛍光体層をダイナ
ミック駆動によって選択的に発光表示させる場合は、ダ
イナミック駆動の駆動周期に対応したパルス電圧を用い
ることにより、直流電圧を印加するときと同様に線状電
子放出源からの距離による表示パターンの輝度差を少な
くすることができる。
【0018】また、本発明の蛍光表示装置は、蛍光体を
被着した陽極が形成された陽極基板と、この陽極の近傍
に突設されたリブ状壁と、このリブ状壁の頂部に設けら
れた制御電極と、陽極および制御電極から離間して配置
された線状電子放出源と、陽極基板と対向し陽極と制御
電極と線状電子放出源とを収容する外囲器を構成する透
明なフロントガラスと、このフロントガラス上に線状電
子放出源と平行に配置された平面視帯状の第1透明電極
と、この第1透明電極の両側にそれぞれ配置された平面
視帯状の第2透明電極と、第1透明電極と第2透明電極
とに接続され、第1透明電極に対し第2透明電極の電位
が高くなるように電圧を印加する駆動回路とを有するこ
とによって特徴づけられる。
被着した陽極が形成された陽極基板と、この陽極の近傍
に突設されたリブ状壁と、このリブ状壁の頂部に設けら
れた制御電極と、陽極および制御電極から離間して配置
された線状電子放出源と、陽極基板と対向し陽極と制御
電極と線状電子放出源とを収容する外囲器を構成する透
明なフロントガラスと、このフロントガラス上に線状電
子放出源と平行に配置された平面視帯状の第1透明電極
と、この第1透明電極の両側にそれぞれ配置された平面
視帯状の第2透明電極と、第1透明電極と第2透明電極
とに接続され、第1透明電極に対し第2透明電極の電位
が高くなるように電圧を印加する駆動回路とを有するこ
とによって特徴づけられる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明の実施
の形態を説明する。図1は、本発明にかかるリブ・グリ
ッド型蛍光表示管の実施の形態を示しており、同図にお
いて、(a)はリブ・グリッド型蛍光表示管の一部を切
り欠いて全体の構成を示す斜視図、(b)は(a)のフ
ィラメント130と直交する方向の部分断面図、(c)
は(a)のリブ・グリッド120と直交する方向の部分
断面図である。
の形態を説明する。図1は、本発明にかかるリブ・グリ
ッド型蛍光表示管の実施の形態を示しており、同図にお
いて、(a)はリブ・グリッド型蛍光表示管の一部を切
り欠いて全体の構成を示す斜視図、(b)は(a)のフ
ィラメント130と直交する方向の部分断面図、(c)
は(a)のリブ・グリッド120と直交する方向の部分
断面図である。
【0020】図1(a)に示すように、この実施の形態
のリブ・グリッド型蛍光表示管100は、平面視矩形の
陽極基板101と、陽極基板101の周縁部に配置した
枠状のスペーサガラス102と、スペーサガラス102
を介して陽極基板101に対向配置した透明なフロント
ガラス103とから構成された気密構造の外囲器を有し
ており、外囲器内は10-3〜10-5Pa程度の真空度に
保持されている。また、この外囲器には陽極基板101
とスペーサガラス102の間を貫通し、陽極用リードピ
ン104と制御電極用リードピン105と、1対の陰極
用リードピン106と、第1透明電極用リードピン10
7と、第2透明電極用リードピン108が設けられてい
る。
のリブ・グリッド型蛍光表示管100は、平面視矩形の
陽極基板101と、陽極基板101の周縁部に配置した
枠状のスペーサガラス102と、スペーサガラス102
を介して陽極基板101に対向配置した透明なフロント
ガラス103とから構成された気密構造の外囲器を有し
ており、外囲器内は10-3〜10-5Pa程度の真空度に
保持されている。また、この外囲器には陽極基板101
とスペーサガラス102の間を貫通し、陽極用リードピ
ン104と制御電極用リードピン105と、1対の陰極
用リードピン106と、第1透明電極用リードピン10
7と、第2透明電極用リードピン108が設けられてい
る。
【0021】陽極基板101は、例えばソーダライムガ
ラスなどの絶縁性基板からなり、外囲器内となる面(以
後、内面と記す)上には、所定の表示パターンに対応し
た平面形状の発光部110と、発光部110を所定間隔
で分割するように互いに平行に突設された複数のリブ・
グリッド120とが形成されている。ここで、図1の
(b)と(c)に示すように、発光部110は陽極基板
101の内面に形成された陽極111と、この陽極11
1の表面に被着形成された蛍光体層112とから構成さ
れており、陽極111と蛍光体層112は、陽極基板1
01の内面上に突設された後述するリブ・グリッド12
0を構成する複数のリブ状壁121により分割されてい
る。分割された個々の陽極111は、図示しない陽極配
線層を介して陽極用リードピン104と接続されてい
る。また、リブ・グリッド120は、絶縁性のリブ状壁
121と、リブ状壁121の頂部に形成された制御電極
122となる導電膜とから構成されており、制御電極1
22は、図示しない制御電極配線層を介して制御電極用
リードピン105と接続されている。
ラスなどの絶縁性基板からなり、外囲器内となる面(以
後、内面と記す)上には、所定の表示パターンに対応し
た平面形状の発光部110と、発光部110を所定間隔
で分割するように互いに平行に突設された複数のリブ・
グリッド120とが形成されている。ここで、図1の
(b)と(c)に示すように、発光部110は陽極基板
101の内面に形成された陽極111と、この陽極11
1の表面に被着形成された蛍光体層112とから構成さ
れており、陽極111と蛍光体層112は、陽極基板1
01の内面上に突設された後述するリブ・グリッド12
0を構成する複数のリブ状壁121により分割されてい
る。分割された個々の陽極111は、図示しない陽極配
線層を介して陽極用リードピン104と接続されてい
る。また、リブ・グリッド120は、絶縁性のリブ状壁
121と、リブ状壁121の頂部に形成された制御電極
122となる導電膜とから構成されており、制御電極1
22は、図示しない制御電極配線層を介して制御電極用
リードピン105と接続されている。
【0022】この場合、陽極111は例えばカーボンを
主成分とする周知の導電性ペーストを所定の電極パター
ンにスクリーン印刷した後、焼成して形成する厚さ40
μm程度の導電膜で構成され、蛍光体層112は例えば
ZnO:Zn蛍光体などの周知の低速電子線励起蛍光体
を含む周知の蛍光体ペーストを陽極111の表面に所定
パターンでスクリーン印刷した後、焼成して形成する厚
さ10〜20μm程度の蛍光体膜で構成されている。ま
た、リブ状壁121は例えば低融点のフリットガラスを
含む周知の絶縁ペーストを所定パターンで繰り返しスク
リーン印刷した後、焼成して蛍光体層112の表面から
の高さが100μm程度となるように形成した絶縁壁で
構成され、制御電極122は例えば銀などの金属材料若
しくはカーボンを含む周知の導電性ペーストをリブ状壁
121の頂部にスクリーン印刷した後、焼成して形成す
る厚さ10〜50μm程度の導電膜で構成されている。
主成分とする周知の導電性ペーストを所定の電極パター
ンにスクリーン印刷した後、焼成して形成する厚さ40
μm程度の導電膜で構成され、蛍光体層112は例えば
ZnO:Zn蛍光体などの周知の低速電子線励起蛍光体
を含む周知の蛍光体ペーストを陽極111の表面に所定
パターンでスクリーン印刷した後、焼成して形成する厚
さ10〜20μm程度の蛍光体膜で構成されている。ま
た、リブ状壁121は例えば低融点のフリットガラスを
含む周知の絶縁ペーストを所定パターンで繰り返しスク
リーン印刷した後、焼成して蛍光体層112の表面から
の高さが100μm程度となるように形成した絶縁壁で
構成され、制御電極122は例えば銀などの金属材料若
しくはカーボンを含む周知の導電性ペーストをリブ状壁
121の頂部にスクリーン印刷した後、焼成して形成す
る厚さ10〜50μm程度の導電膜で構成されている。
【0023】また、陽極111および制御電極122か
らスペーサガラス102側に離間して線状電子放出源と
なるフィラメント130が互いに平行に所定間隔で複数
配置されている。各フィラメント130は、1対のアン
カー131の間に張り渡されており、アンカー131に
溶接で取り付けられている。この場合、アンカー131
は、リブ・グリッド120の長さ方向と直交する方向
に、これらのリブ・グリッド120を挟んで対向配置さ
れており、陰極用リードピン106を兼ねた脚部を有す
る1対のフィラメントサポート132にそれぞれ溶接で
取り付けられている。アンカー131とフィラメントサ
ポート132は金属部材で構成されているので、2つの
陰極用リードピン106間に陰極電圧を印加することに
より各フィラメント130を通電加熱し、熱電子を放出
させることができる。
らスペーサガラス102側に離間して線状電子放出源と
なるフィラメント130が互いに平行に所定間隔で複数
配置されている。各フィラメント130は、1対のアン
カー131の間に張り渡されており、アンカー131に
溶接で取り付けられている。この場合、アンカー131
は、リブ・グリッド120の長さ方向と直交する方向
に、これらのリブ・グリッド120を挟んで対向配置さ
れており、陰極用リードピン106を兼ねた脚部を有す
る1対のフィラメントサポート132にそれぞれ溶接で
取り付けられている。アンカー131とフィラメントサ
ポート132は金属部材で構成されているので、2つの
陰極用リードピン106間に陰極電圧を印加することに
より各フィラメント130を通電加熱し、熱電子を放出
させることができる。
【0024】また、フロントガラス103の内面には、
フィラメント130と平行に配置された平面視帯状の第
1透明電極140と、第1透明電極140の両側にそれ
ぞれ所定間隔をあけて配置された平面視帯状の第2透明
電極141とが設けられている。このようにして第1透
明電極140と第2透明電極141とを設けることによ
り、線状電子放出源となるフィラメント130からの距
離が第1透明電極140と第2透明電極141とで異な
るように配置することができる。第1透明電極140は
陽極基板101の内面に固着された弾性を有する導電性
部材142を介して第1透明電極用リードピン107に
接続され、第2透明電極141は、同様に図示されない
導電性部材を介して第2透明電極用リードピン108と
接続されている。
フィラメント130と平行に配置された平面視帯状の第
1透明電極140と、第1透明電極140の両側にそれ
ぞれ所定間隔をあけて配置された平面視帯状の第2透明
電極141とが設けられている。このようにして第1透
明電極140と第2透明電極141とを設けることによ
り、線状電子放出源となるフィラメント130からの距
離が第1透明電極140と第2透明電極141とで異な
るように配置することができる。第1透明電極140は
陽極基板101の内面に固着された弾性を有する導電性
部材142を介して第1透明電極用リードピン107に
接続され、第2透明電極141は、同様に図示されない
導電性部材を介して第2透明電極用リードピン108と
接続されている。
【0025】この場合、第1透明電極140と第2透明
電極141は、例えばITO(Indium Tin
Oxide)などの透明導電膜からなり、蛍光体層11
2の発する光を透過するように構成されている。ITO
膜で構成された第1透明電極140と第2透明電極14
1は、インジウムとスズを含む有機金属化合物と有機高
分子化合物のバインダーと溶剤とを含むペーストをフロ
ントガラス103の一面に所定のパターンでスクリーン
印刷し、130℃程度に加熱して乾燥した後、500℃
程度で焼成することにより形成する。なお、透明導電膜
を形成する方法は、上述した印刷法に限られるものでは
なく、例えば周知の蒸着法とリフトオフ法を組み合わせ
て、所定パターンを形成するようにしてもよい。
電極141は、例えばITO(Indium Tin
Oxide)などの透明導電膜からなり、蛍光体層11
2の発する光を透過するように構成されている。ITO
膜で構成された第1透明電極140と第2透明電極14
1は、インジウムとスズを含む有機金属化合物と有機高
分子化合物のバインダーと溶剤とを含むペーストをフロ
ントガラス103の一面に所定のパターンでスクリーン
印刷し、130℃程度に加熱して乾燥した後、500℃
程度で焼成することにより形成する。なお、透明導電膜
を形成する方法は、上述した印刷法に限られるものでは
なく、例えば周知の蒸着法とリフトオフ法を組み合わせ
て、所定パターンを形成するようにしてもよい。
【0026】次に、このリブ・グリッド型蛍光表示管1
00の駆動方法を説明する。図2は、この実施の形態の
リブ・グリッド型蛍光表示管100を用いた蛍光表示装
置の各電極とそれらの駆動電源との接続を示す回路図で
ある。なお、図2における各電極は、制御電極122と
フィラメント130の間からフィラメント130方向を
見たときの電極配置を示しており、視線方向となるフィ
ラメント130、第1透明電極140および第2透明電
極141を実線で示し、背後となる陽極111と制御電
極122を2点鎖線で示している。
00の駆動方法を説明する。図2は、この実施の形態の
リブ・グリッド型蛍光表示管100を用いた蛍光表示装
置の各電極とそれらの駆動電源との接続を示す回路図で
ある。なお、図2における各電極は、制御電極122と
フィラメント130の間からフィラメント130方向を
見たときの電極配置を示しており、視線方向となるフィ
ラメント130、第1透明電極140および第2透明電
極141を実線で示し、背後となる陽極111と制御電
極122を2点鎖線で示している。
【0027】図2において、複数の陽極111が陽極電
源210に接続されており、陽極111の近傍に配置さ
れた複数の制御電極122が制御電極電源220に接続
されている。また、フィラメント130の両端が陰極電
源230のセンタータップ付きトランス231を介して
交流電源232に接続されるとともに、トランス231
のセンタータップを通してグランドに接続されている。
さらに、各フィラメント130に対向してフィラメント
130の長さ方向に平行に配置された複数の第1透明電
極140が透明電極電源240の出力端子のマイナス側
と陰極電源230のトランス231のセンタータップと
に接続されており、各第1透明電極140の両側に配置
された複数の第2透明電極141が透明電極電源240
の出力端子のプラス側に接続されている。
源210に接続されており、陽極111の近傍に配置さ
れた複数の制御電極122が制御電極電源220に接続
されている。また、フィラメント130の両端が陰極電
源230のセンタータップ付きトランス231を介して
交流電源232に接続されるとともに、トランス231
のセンタータップを通してグランドに接続されている。
さらに、各フィラメント130に対向してフィラメント
130の長さ方向に平行に配置された複数の第1透明電
極140が透明電極電源240の出力端子のマイナス側
と陰極電源230のトランス231のセンタータップと
に接続されており、各第1透明電極140の両側に配置
された複数の第2透明電極141が透明電極電源240
の出力端子のプラス側に接続されている。
【0028】このような構成において、陽極電源210
が各陽極111に所定の正電圧を印加し、透明電極電源
240が第1透明電極140と第2透明電極141の間
に第2透明電極141側を高電位とするように直流電圧
を印加し、制御電極電源220が各制御電極122に所
定の正電圧を印加した状態で、各フィラメント130に
陰極電源230から所定の交流電流を通電する。これに
より、通電加熱された各フィラメント130から熱電子
が放出される。放出された熱電子は、第1透明電極14
0と第2透明電極141の間に生じた電界により拡散さ
れるとともに、各制御電極122に印加された正電圧に
より陽極111方向に引き出され、陽極111に印加さ
れた正電圧によって陽極111に向かって加速され、蛍
光体層112に衝突して発光させる。この場合、表示パ
ターンの点灯や消灯は、制御電極電源220が各制御電
極122に印加する電圧により制御する。点灯は上述し
たように所定の正電圧を各制御電極122に印加するこ
とにより行い、消灯は所定の負電圧を各制御電極122
に印加することにより行う。
が各陽極111に所定の正電圧を印加し、透明電極電源
240が第1透明電極140と第2透明電極141の間
に第2透明電極141側を高電位とするように直流電圧
を印加し、制御電極電源220が各制御電極122に所
定の正電圧を印加した状態で、各フィラメント130に
陰極電源230から所定の交流電流を通電する。これに
より、通電加熱された各フィラメント130から熱電子
が放出される。放出された熱電子は、第1透明電極14
0と第2透明電極141の間に生じた電界により拡散さ
れるとともに、各制御電極122に印加された正電圧に
より陽極111方向に引き出され、陽極111に印加さ
れた正電圧によって陽極111に向かって加速され、蛍
光体層112に衝突して発光させる。この場合、表示パ
ターンの点灯や消灯は、制御電極電源220が各制御電
極122に印加する電圧により制御する。点灯は上述し
たように所定の正電圧を各制御電極122に印加するこ
とにより行い、消灯は所定の負電圧を各制御電極122
に印加することにより行う。
【0029】次に、図3を参照してこの実施の形態のリ
ブ・グリッド型蛍光表示管を用いた蛍光表示装置のフィ
ラメントからの距離による輝度差の測定結果を説明す
る。この測定に用いたリブ・グリッド型蛍光表示管は、
蛍光体層112の表面から制御電極122までの高さを
0.1mm、制御電極122からフィラメント130ま
での高さを1.0mm、フィラメント130から第1透
明電極140までの高さを0.5mmとし、フィラメン
ト130間の間隔を2mmとした。また、第1透明電極
140の幅を0.5mm、第2透明電極141の幅を1
mmとし、第1透明電極140間にはこれらからそれぞ
れ0.25mmの距離をあけて1つの第2透明電極14
1を配置した。
ブ・グリッド型蛍光表示管を用いた蛍光表示装置のフィ
ラメントからの距離による輝度差の測定結果を説明す
る。この測定に用いたリブ・グリッド型蛍光表示管は、
蛍光体層112の表面から制御電極122までの高さを
0.1mm、制御電極122からフィラメント130ま
での高さを1.0mm、フィラメント130から第1透
明電極140までの高さを0.5mmとし、フィラメン
ト130間の間隔を2mmとした。また、第1透明電極
140の幅を0.5mm、第2透明電極141の幅を1
mmとし、第1透明電極140間にはこれらからそれぞ
れ0.25mmの距離をあけて1つの第2透明電極14
1を配置した。
【0030】このように構成したリブ・グリッド型蛍光
表示管の陽極111と制御電極122とフィラメント1
30にそれぞれ所定の電圧を印加した状態で、第1透明
電極140と第2透明電極141の間に印加する電圧を
変化させて、フィラメント130直下の蛍光体層112
の輝度と、フィラメント130から最も離れた蛍光体層
112の輝度とを比較した。図3は、第1透明電極14
0と第2透明電極141の電位差と、フィラメント13
0直下の蛍光体層112の輝度を100%としたときの
フィラメント130から最も離れた蛍光体層112の相
対輝度との関係を示すグラフである。
表示管の陽極111と制御電極122とフィラメント1
30にそれぞれ所定の電圧を印加した状態で、第1透明
電極140と第2透明電極141の間に印加する電圧を
変化させて、フィラメント130直下の蛍光体層112
の輝度と、フィラメント130から最も離れた蛍光体層
112の輝度とを比較した。図3は、第1透明電極14
0と第2透明電極141の電位差と、フィラメント13
0直下の蛍光体層112の輝度を100%としたときの
フィラメント130から最も離れた蛍光体層112の相
対輝度との関係を示すグラフである。
【0031】図3によれば、従来のリブ・グリッド型蛍
光表示管を模擬した測定結果である第1透明電極140
と第2透明電極141の電位差が0Vのときの相対輝度
が30%であるのに対し、電位差5Vのときの相対輝度
が80%、電位差10Vのときの相対輝度が95%、電
位差20Vのときの相対輝度が95%という測定結果が
得られた。この測定結果が示すように、この実施の形態
のリブ・グリッド型蛍光表示管によれば、第1透明電極
140と第2透明電極141の間に第2透明電極141
側が高電位となるように電位差を設けることにより、フ
ィラメント130からの距離による輝度差を抑制するこ
とが可能である。
光表示管を模擬した測定結果である第1透明電極140
と第2透明電極141の電位差が0Vのときの相対輝度
が30%であるのに対し、電位差5Vのときの相対輝度
が80%、電位差10Vのときの相対輝度が95%、電
位差20Vのときの相対輝度が95%という測定結果が
得られた。この測定結果が示すように、この実施の形態
のリブ・グリッド型蛍光表示管によれば、第1透明電極
140と第2透明電極141の間に第2透明電極141
側が高電位となるように電位差を設けることにより、フ
ィラメント130からの距離による輝度差を抑制するこ
とが可能である。
【0032】この実施の形態では、発光部110を矩形
の表示パターンとして説明したが、これに限られるもの
ではなく、リブ・グリッド構造を用いた発光部を有する
ものすべてに適用可能である。また、蛍光体層112の
表面から制御電極122までの高さ、制御電極122か
らフィラメント130までの高さ、フィラメント130
から第1透明電極140までの高さ、フィラメント13
0間の間隔、第1透明電極140の幅、第2透明電極1
41の幅などの数値や、各電極に印加する電圧は、それ
ぞれの構成により変更可能である。
の表示パターンとして説明したが、これに限られるもの
ではなく、リブ・グリッド構造を用いた発光部を有する
ものすべてに適用可能である。また、蛍光体層112の
表面から制御電極122までの高さ、制御電極122か
らフィラメント130までの高さ、フィラメント130
から第1透明電極140までの高さ、フィラメント13
0間の間隔、第1透明電極140の幅、第2透明電極1
41の幅などの数値や、各電極に印加する電圧は、それ
ぞれの構成により変更可能である。
【0033】また、第1透明電極140間に1つの第2
透明電極141を配置した構成を例に説明したが、第1
透明電極140間に配置する第2透明電極141の数は
1つに限られるものではなく、複数の第2透明電極14
1を配置してもよい。この場合、第2透明電極141間
にもフィラメント130から遠いものほど高電位となる
ような電位差を設けるようにする。また、第1透明電極
140と第2透明電極141の間に印加する電圧を直流
電圧としたが、複数の発光部110をダイナミック駆動
によって選択的に発光表示させる場合は、ダイナミック
駆動の駆動周期に対応したパルス電圧を用いてもよい。
透明電極141を配置した構成を例に説明したが、第1
透明電極140間に配置する第2透明電極141の数は
1つに限られるものではなく、複数の第2透明電極14
1を配置してもよい。この場合、第2透明電極141間
にもフィラメント130から遠いものほど高電位となる
ような電位差を設けるようにする。また、第1透明電極
140と第2透明電極141の間に印加する電圧を直流
電圧としたが、複数の発光部110をダイナミック駆動
によって選択的に発光表示させる場合は、ダイナミック
駆動の駆動周期に対応したパルス電圧を用いてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかるリ
ブ・グリッド型蛍光表示管は、フロントガラス上に線状
電子放出源からの距離に関係づけられた複数の透明電極
を設けたので、これらの透明電極間に線状電子放出源か
ら遠いものほど高電位となるような電位差を与えること
により、線状電子放出源からの距離による輝度差を抑制
する効果が得られる。
ブ・グリッド型蛍光表示管は、フロントガラス上に線状
電子放出源からの距離に関係づけられた複数の透明電極
を設けたので、これらの透明電極間に線状電子放出源か
ら遠いものほど高電位となるような電位差を与えること
により、線状電子放出源からの距離による輝度差を抑制
する効果が得られる。
【0035】また、本発明にかかるリブ・グリッド型蛍
光表示管の駆動方法は、線状電子放出源の近くに配置さ
れた透明電極に対し、遠くに配置された透明電極の電位
が高くなるように電圧を印加するので、線状電子放出源
から放出される電子が拡散され、線状電子放出源から離
れた蛍光体層に到達する電子の数を増やすことができ
る。これにより、線状電子放出源からの距離による輝度
差を抑制する効果が得られる。
光表示管の駆動方法は、線状電子放出源の近くに配置さ
れた透明電極に対し、遠くに配置された透明電極の電位
が高くなるように電圧を印加するので、線状電子放出源
から放出される電子が拡散され、線状電子放出源から離
れた蛍光体層に到達する電子の数を増やすことができ
る。これにより、線状電子放出源からの距離による輝度
差を抑制する効果が得られる。
【0036】また、本発明にかかる蛍光表示装置は、蛍
光体を被着した陽極が形成された陽極基板と、この陽極
の近傍に突設されたリブ状壁と、このリブ状壁の頂部に
設けられた制御電極と、陽極および制御電極から離間し
て配置された線状電子放出源と、陽極基板と対向し陽極
と制御電極と線状電子放出源とを収容する外囲器を構成
する透明なフロントガラスと、このフロントガラス上に
線状電子放出源と平行に配置された平面視帯状の第1透
明電極と、この第1透明電極の両側にそれぞれ配置され
た平面視帯状の第2透明電極と、第1透明電極と第2透
明電極とに接続され、第1透明電極に対し第2透明電極
の電位が高くなるように電圧を印加する駆動回路とを有
するので、線状電子放出源から放出される電子が拡散さ
れ、線状電子放出源から離れた蛍光体層に到達する電子
の数を増やすことができる。これにより、リブ・グリッ
ド型蛍光表示管を用いて線状電子放出源からの距離によ
る輝度差の少ない蛍光表示装置を実現することができ
る。
光体を被着した陽極が形成された陽極基板と、この陽極
の近傍に突設されたリブ状壁と、このリブ状壁の頂部に
設けられた制御電極と、陽極および制御電極から離間し
て配置された線状電子放出源と、陽極基板と対向し陽極
と制御電極と線状電子放出源とを収容する外囲器を構成
する透明なフロントガラスと、このフロントガラス上に
線状電子放出源と平行に配置された平面視帯状の第1透
明電極と、この第1透明電極の両側にそれぞれ配置され
た平面視帯状の第2透明電極と、第1透明電極と第2透
明電極とに接続され、第1透明電極に対し第2透明電極
の電位が高くなるように電圧を印加する駆動回路とを有
するので、線状電子放出源から放出される電子が拡散さ
れ、線状電子放出源から離れた蛍光体層に到達する電子
の数を増やすことができる。これにより、リブ・グリッ
ド型蛍光表示管を用いて線状電子放出源からの距離によ
る輝度差の少ない蛍光表示装置を実現することができ
る。
【図1】 本発明にかかるリブ・グリッド型蛍光表示管
の実施の形態を示す構成図である。
の実施の形態を示す構成図である。
【図2】 図1のリブ・グリッド型蛍光表示管を用いた
蛍光表示装置の各電極とそれらの駆動電源との接続を示
す回路図である。
蛍光表示装置の各電極とそれらの駆動電源との接続を示
す回路図である。
【図3】 図1のリブ・グリッド型蛍光表示管における
第1透明電極と第2透明電極の電位差と、フィラメント
直下の蛍光体層の輝度を100%としたときのフィラメ
ントから最も離れた蛍光体層の相対輝度との関係を示す
グラフである。
第1透明電極と第2透明電極の電位差と、フィラメント
直下の蛍光体層の輝度を100%としたときのフィラメ
ントから最も離れた蛍光体層の相対輝度との関係を示す
グラフである。
【図4】 従来のリブ・グリッド型蛍光表示管の構成図
である。
である。
【図5】 図4のリブ・グリッド型蛍光表示管を用いた
蛍光表示装置の各電極とそれらの駆動電源との接続を示
す回路図である。
蛍光表示装置の各電極とそれらの駆動電源との接続を示
す回路図である。
100…リブ・グリッド型蛍光表示管、101…陽極基
板、102…スペーサガラス、103…フロントガラ
ス、104…陽極用リードピン、105…制御電極用リ
ードピン、106…陰極用リードピン、107…第1透
明電極用リードピン、108…第2透明電極用リードピ
ン、110…発光部、111…陽極、112…蛍光体
層、120…リブ・グリッド、121…リブ状壁、12
2…制御電極、130…フィラメント、131…アンカ
ー、132…フィラメントサポート、140…第1透明
電極、141…第2透明電極、142…導電性部材、2
10…陽極電源、220…制御電極電源、230…陰極
電源、231…トランス、232…交流電源、240…
透明電極電源。
板、102…スペーサガラス、103…フロントガラ
ス、104…陽極用リードピン、105…制御電極用リ
ードピン、106…陰極用リードピン、107…第1透
明電極用リードピン、108…第2透明電極用リードピ
ン、110…発光部、111…陽極、112…蛍光体
層、120…リブ・グリッド、121…リブ状壁、12
2…制御電極、130…フィラメント、131…アンカ
ー、132…フィラメントサポート、140…第1透明
電極、141…第2透明電極、142…導電性部材、2
10…陽極電源、220…制御電極電源、230…陰極
電源、231…トランス、232…交流電源、240…
透明電極電源。
Claims (7)
- 【請求項1】 蛍光体を被着した陽極が形成された陽極
基板と、この陽極の近傍に突設されたリブ状壁と、この
リブ状壁の頂部に設けられた制御電極と、前記陽極およ
び前記制御電極から離間して配置された線状電子放出源
と、前記陽極基板と対向し前記陽極と前記制御電極と前
記線状電子放出源とを収容する外囲器を構成する透明な
フロントガラスとからなるリブ・グリッド型蛍光表示管
において、 前記フロントガラス上に前記線状電子放出源からの距離
が異なる複数の透明電極を設けたことを特徴とするリブ
・グリッド型蛍光表示管。 - 【請求項2】 前記透明電極は、 前記線状電子放出源と平行に配置された平面視帯状の第
1透明電極と、 この第1透明電極の両側にそれぞれ配置された平面視帯
状の第2透明電極とからなることを特徴とする請求項1
記載のリブ・グリッド型蛍光表示管。 - 【請求項3】 複数の前記線状電子放出源が互いに平行
に所定間隔で配置され、複数の前記第1透明電極が前記
線状電子放出源ごとに配置され、少なくとも1つの前記
第2透明電極がこれらの第1透明電極間に配置されてい
ることを特徴とする請求項2記載のリブ・グリッド型蛍
光表示管。 - 【請求項4】 蛍光体を被着した陽極が形成された陽極
基板と、この陽極の近傍に突設されたリブ状壁と、この
リブ状壁の頂部に設けられた制御電極と、前記陽極およ
び前記制御電極から離間して配置された線状電子放出源
と、前記陽極基板と対向し前記陽極と前記制御電極と前
記線状電子放出源とを収容する外囲器を構成する透明な
フロントガラスと、このフロントガラス上に前記線状電
子放出源からの距離に関係づけて配置された複数の透明
電極とからなるリブ・グリッド型蛍光表示管の駆動方法
であって、 前記線状電子放出源の近くに配置された前記透明電極に
対し、遠くに配置された前記透明電極の電位が高くなる
ように電圧を印加することを特徴とするリブ・グリッド
型蛍光表示管の駆動方法。 - 【請求項5】 蛍光体を被着した陽極が形成された陽極
基板と、この陽極の近傍に突設されたリブ状壁と、この
リブ状壁の頂部に設けられた制御電極と、前記陽極およ
び前記制御電極から離間して配置された線状電子放出源
と、前記陽極基板と対向し前記陽極と前記制御電極と前
記線状電子放出源とを収容する外囲器を構成する透明な
フロントガラスと、このフロントガラス上に前記線状電
子放出源と平行に配置された平面視帯状の第1透明電極
と、この第1透明電極の両側にそれぞれ配置された平面
視帯状の第2透明電極とからなるリブ・グリッド型蛍光
表示管の駆動方法であって、 前記第1透明電極に対し、前記第2透明電極の電位が高
くなるように電圧を印加することを特徴とするリブ・グ
リッド型蛍光表示管の駆動方法。 - 【請求項6】 前記透明電極に印加する電圧は、 直流電圧若しくはパルス電圧であることを特徴とする請
求項4又は請求項5記載のリブ・グリッド型蛍光表示管
の駆動方法。 - 【請求項7】 蛍光体を被着した陽極が形成された陽極
基板と、 この陽極の近傍に突設されたリブ状壁と、 このリブ状壁の頂部に設けられた制御電極と、 前記陽極および前記制御電極から離間して配置された線
状電子放出源と、 前記陽極基板と対向し前記陽極と前記制御電極と前記線
状電子放出源とを収容する外囲器を構成する透明なフロ
ントガラスと、 このフロントガラス上に前記線状電子放出源と平行に配
置された平面視帯状の第1透明電極と、 この第1透明電極の両側にそれぞれ配置された平面視帯
状の第2透明電極と、 前記第1透明電極と前記第2透明電極とに接続され、前
記第1透明電極に対し前記第2透明電極の電位が高くな
るように電圧を印加する駆動回路とを有することを特徴
とする蛍光表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002114436A JP2003308799A (ja) | 2002-04-17 | 2002-04-17 | リブ・グリッド型蛍光表示管及びその駆動方法並びに蛍光表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002114436A JP2003308799A (ja) | 2002-04-17 | 2002-04-17 | リブ・グリッド型蛍光表示管及びその駆動方法並びに蛍光表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003308799A true JP2003308799A (ja) | 2003-10-31 |
Family
ID=29396246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002114436A Pending JP2003308799A (ja) | 2002-04-17 | 2002-04-17 | リブ・グリッド型蛍光表示管及びその駆動方法並びに蛍光表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003308799A (ja) |
-
2002
- 2002-04-17 JP JP2002114436A patent/JP2003308799A/ja active Pending
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