JP2003307562A - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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JP2003307562A
JP2003307562A JP2002114938A JP2002114938A JP2003307562A JP 2003307562 A JP2003307562 A JP 2003307562A JP 2002114938 A JP2002114938 A JP 2002114938A JP 2002114938 A JP2002114938 A JP 2002114938A JP 2003307562 A JP2003307562 A JP 2003307562A
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才 中川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近距離に測定対象が複数存在する場合、個々
の距離及び相対速度及び方向を決定することのできるレ
ーダ装置を提供する。 【解決手段】 走査範囲内の走査方向に応じて、周波数
上昇下降変調と周波数定変調を切り換え、ある走査方向
における周波数上昇区間と周波数下降区間のビート信号
の周波数の組み合わせを、別の走査方向における周波数
平行区間のビート信号の周波数から求める。この構成に
よって、距離及び相対速度及び受信強度を取得する周期
を増加させることなく、また距離及び相対速度の精度を
悪化させることなく、近距離に測定対象が複数存在する
場合に、個々の距離及び相対速度及び方向を決定でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波を送信し、そ
の送信した電波が測定対象に反射した反射波を受信する
ことによって測定対象を検出し、検出された測定対象ま
での距離及び相対速度及び方向を算出するレーダ装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、図9に示すように、後続の車両
等に搭載されたレーダ71の送信波に周波数変調を施し
て、走査範囲72内で送信方向を変化させながら送信
し、測定対象73からの反射波を受信波として上記レー
ダ71で受信し、この受信波と送信波のビート信号の周
波数に基づいて、測定対象73との距離R及び相対速度
V(離反方向を正とする)及び方向θを算出するFM−
CWレーダ装置が知られている。
【0003】図10はこのレーダ装置における搬送波周
波数の時間に対する変化を示す。図10において、搬送
波周波数は縦軸に、時間は横軸に示される。図10に示
すように、実線で示す送信波84に、繰返し周波数f
m、変調幅ΔFの三角波の周波数変調が施される。受信
波85は図10に点線で示される。送信波84および受
信波85の周波数はそれぞれ時間的に変化し、各周波数
が時間的に線形に増加する上昇区間81で得られるビー
ト信号の周波数をfu、各周波数が時間的に線形に減少
する下降区間82で得られるビート信号の周波数をfd
とすると、これらは次式(1)(2)により求まる。 fu=fr−fp …(1) fd=fr+fp …(2) ここで、frは測定対象73までの距離Rに比例する
量、fpは測定対象73の相対速度Vに比例する量であ
って、それぞれ次式(3)(4)により求まる。 fr=(4・fm・ΔF/C)・R …(3) fp=(2・f0/C)・V …(4) ここで、Cは光速を、f0は送信波の中心周波数を示
す。
【0004】図11は、測定対象73が1つの場合の送
信波84と受信波85のビート信号のパワースペクトル
例である。図11において、縦軸は受信強度、横軸は搬
送波周波数である。式(1)、(2)の関係を周波数領
域で表すと、図11に示すようになる。式(1)、
(2)、(3)、(4)から、測定対象73の距離R及
び相対速度Vは、fu,fdの加減処理を用いて次式の
ように表される。 fu+fd=2fr …(5) fu−fd=−2fp…(6) R=Cl・fr=Cl・(fu+fd)/2 …(7) V=C2・fp=C2・(fu−fd)/2 …(8) ただし、 Cl=C/(4・fm・ΔF) …(9) C2=C/(2・f0) …(10) 式(7)、(8)、(9)、(10)から、上昇区間8
1のビート信号の周波数fuと下降区間82のビート信
号の周波数fdが分かれば測定対象73の距離R及び相
対速度Vを求めることができる。
【0005】次に測定対象73の方向を算出する方法を
述べる。方向を演算する方法として、モノパルス方式、
シーケンシャルロビング方式、コニカルスキャン方式な
どの方法がある。ここでは、シーケンシャルロビング方
式について説明する。
【0006】図12に示すように距離及び相対速度及び
受信強度M1を所定の走査方向θ1で検出した後、次の
走査方向θ2に移動し、距離及び相対速度及び受信強度
M2を検出する。これら複数の走査方向の検出データに
おいて同一の距離及び相対速度のデータを選出し、基本
的に受信強度M1と受信強度M2の大小関係により測定
対象の方向θを求めることができる。
【0007】具体的には、所定の2走査方向θ1、θ2
におけるアンテナビームパターンB1(θ)、B2
(θ)、から和パターンS(θ)と差パターンD(θ)
を次式(11)(12)により求める。 S(θ)=B1(θ)+B2(θ) …(11) D(θ)=B1(θ)−B2(θ) …(12) 次に、S(θ)で規格化した次式のディスクリDS
(θ)を次式(13)により求める。 DS(θ)=D(θ)/S(θ) …(13) 次に、S(θ)の半値幅θs内ではθに対してDS
(θ)が単調増加、あるいは単調減少の関係になる。
【0008】所定の2走査方向θ1、θ2の中心をθ
0、S(θ)の半値幅をθsとし、θsで規格化した角
度θn、及びθn=0付近のDS(θ)の傾きkを次式
(14)(15)により求める。 θn=(θ−θ0)/θs …(14) k=DS(θ)/θn …(15) また、受信強度M1と受信強度M2から観測で得られる
DSを次式(16)より求める。 DS=(M1−M2)/(M1+M2) …(16) よって、予め計算できるθs、k、θ0と観測で得られ
たDSから次式(17)によりθを求めることができ
る。 θ=(θs/k)・DS+θ0 …(17)
【0009】ところが、上記のFM−CWレーダ装置で
は、測定対象73が単一の場合、その距離R及び相対速
度Vを正確に求めることができるが、路上の他車両を測
定する場合など、測定対象73が複数存在する場合、そ
れぞれの測定対象73の距離R及び相対速度Vを決定す
ることができないという問題がある。
【0010】例えば、図13に示すように、レーダ71
に対して2つの測定対象7a、7bが存在する場合、図
10に示した三角波の周波数変調の上昇区間81、下降
区間82のビート信号は、測定対象7a、7bの数に応
じて、それぞれ2つの周波数成分から構成される。
【0011】上昇区間81における送信波と2つの測定
対象7a、7bからの反射波の各ビート信号の周波数を
fua、fubとし、下降区間82における各ビート信
号の周波数をfda、fdbとした場合、測定対象7
a、7bの距離Ra、Rb及び相対速度Va、Vbを求
めるためには、その測定対象7a、7bの上昇区間8
1、下降区間82におけるビート信号の周波数の組み合
わせを見つけ、式(7)、(8)に代入すればよい。
【0012】しかし、測定対象7a、7bが2つの場
合、上昇区間81と下降区間82のビート信号の周波数
の組み合わせは{fua,fda}{fua,fdb}
{fub,fda}{fub,fdb}の4組が存在す
る。測定対象7a、7bの距離Ra、Rb及び相対速度
Va、Vbは{fua,fda}{fub,fdb}の
組み合わせから求められるが、{fua,fdb}{f
ub,fda}の組み合わせからは、実際の測定対象7
a、7bの距離Ra、Rb及び相対速度Va、Vbとは
異なる値が計算される。
【0013】そこで、特開平7−20233号公報に開
示された技術では、図14に示すように周波数が上昇、
下降する変調を施した区間(上昇区間121、下降区間
122)と周波数が変化しない変調を施した区間(平行
区間123)を有する送信波を用いている。図14にお
いて縦軸は搬送波周波数、横軸は時間である。周波数が
上昇、下降する変調を施した区間の各ビート信号の周波
数の組み合わせを、周波数が変化しない変調を施した区
間のビート信号の周波数に基づいて決定し、距離及び相
対速度の算出を行う。また、複数の測定対象が存在する
場合でも、周波数が上昇、下降する変調を施した区間の
各ビート信号の周波数の組み合わせを決定することがで
きる。
【0014】図14に示す平行区間123のビート信号
の周波数成分を調べると、2つの測定対象7a、7bが
存在する場合、平行区間123のビート信号は2つの周
波数成分fcaとfcb(fca<fcb)から成る。
2つの測定対象7a、7bのうち、速度の遅い方の測定
対象を7a、速度の速い方の測定対象を7bとすると、
それぞれの相対速度Va、Vbは、平行区間のビート信
号の周波数が測定対象の相対速度によるドップラー周波
数に一致するため、次式(18)(19)により求ま
る。 Va=C2・fca …(18) Vb=C2・fcb …(19) 次に、2つの測定対象7a、7bの距離Ra、Rbを上
昇区間121、下降区間122のビート信号の周波数か
ら求める。
【0015】図15は、測定対象7a、7bが2つの場
合の送信波124と受信波125のビート信号のパワー
スペクトル例である。上昇区間121および下降区間1
22におけるビート信号は、それぞれ2つの周波数成分
fua、fubおよびfda、fdbから成る。これら
の周波数の関係を周波数領域で表すと、図15に示すよ
うになり、各周波数成分fua、fub、fda、fd
b、fca、fcbの間には、 fda−fua=2・fca …(20) fdb−fub=2・fcb …(21) の関係が成り立つ。
【0016】すなわち、各区間のビート信号に受信強度
が一定のしきい値を超える複数の周波数成分が含まれる
場合、上昇区間121で得られるビート信号の周波数f
uと、下降区間122で得られるビート信号の周波数f
dと、平行区間123で得られるビート信号の周波数f
cとの間に、fu−fd=−2・fcなる関係が成り立
つ3つのビート信号の周波数が単一の測定対象からの信
号であると認められる。
【0017】よって式(20)を満たす上昇区間12
1、下降区間122におけるビート信号の周波数の組み
合わせを、測定対象7aに関するビート信号の周波数成
分fua、fdaとし、式(21)を満たす上昇区間1
21、下降区間122におけるビート信号の周波数の組
み合わせを、測定対象7bに関するビート信号の周波数
成分fub、fdbと決定することができる。また、測
定対象7a、7bの距離Ra、Rbは、以下の式で求ま
る。 Ra=C1・(fua+fda)/2 …(22) Rb=C1・(fub+fdb)/2 …(23) 以上のようにして測定対象7a、7bが2つの場合に、
それぞれの距離及び相対速度を決定することができる。
なお、測定対象が2つ以上の場合でも、同様な手順によ
ってそれぞれの距離及び相対速度を求めることができ
る。
【0018】ところで、送信波と受信波をミキサー等に
よって検波する際、ビート信号の実数部(以下同相成分
という)のみの周波数を用いる場合、レーダを構成する
ハードウェア要素が少なく、小型化,低価格化に有利で
あるが、ビート信号からたとえばFFT(Fast Fourier
Transform)などによって周波数スペクトル解析を行う
と、周波数スペクトルが周波数0を中心に対称となり、
計測すべき周波数の大きさは求められるが、正負の符号
が分からなくなってしまう。つまり、全て非負の周波数
範囲に折り返したものとしてしまうので、式(1),
(2)は、次式(24)(25)のように表される。 fu=|fr−fp| …(24) fd=|fr+fp| …(25)
【0019】ここで、fuとfdの加減算処理は、次式
のように表される。fp≧0、かつfr≧fpの場合、 fu+fd=2fr …(26) fu−fd=−2fp …(27) fp≧0、かつfr<fpの場合、 fu+fd=2fp …(28) fu−fd=−2fr …(29) fp<0、かつfr≧fpの場合、 fu+fd=2fr …(30) fu−fd=−2fp …(31) fp<0、かつfr<fpの場合、 fu+fd=−2fp …(32) fu−fd=2fr …(33)
【0020】このため、周波数分析で得られた式(2
4),(25)の値について、式(26)〜(33)に
示すように、fuとfdの加減算処理を行うだけでは、
加算結果が距離fpの倍数なのか、相対速度frの倍数
なのかがわからなくなる。
【0021】このように、送信波と受信波をミキサー等
によって検波する際、ビート信号の同相成分のみの周波
数を用いると、従来のFM−CWレーダ装置のように、
測定対象とのfrとfpの大小正負関係により、fuと
fdの加減算処理を行うだけでは、個々の測定対象の距
離及び相対速度を決定するのが困難になるという問題が
あった。
【0022】そこで、特開平10−132925号公報
に開示された技術でも、図14に示すように送信波の周
波数を上昇区間121、平行区間123、下降区間12
2に周波変調し、測定対象の距離R及び相対速度Vを求
めている。送信波の周波数が変化しない平行区間123
では、式(34)に示すようにビート信号の周波数fc
が測定対象の相対速度によるドップラー周波数に一致す
るため、以下の式(34)が得られる。 fc=|2・f0・V/C|=fp …(34) つまり、式(26)〜(33)から分かるように|fu
+fd|、|fu−fd|のどちらか一方が式(34)
の2倍に一致するので、一致しなかった加算あるいは減
算結果がfrの倍数であるとして判定可能になる。
【0023】図16(A)はドップラー周波数成分fc
が正となる接近測定対象の場合における搬送波周波数と
ビート周波数の時間に対する変化を示す。また図16
(B)はドップラー周波数fcが負となる離反測定対象
の場合における搬送波周波数とビート周波数の時間に対
する変化を示す。なお、図16(A)(B)において、
(a)は搬送周波数を、(b)はビート周波数をそれぞ
れ示す。
【0024】この図16から分かるように同相成分のみ
の検波では、ドップラー周波数成分fcが正(接近測定
対象)の場合、 fu<fd …(35) ドップラー周波数成分fcが負(離反測定対象)の場
合、 fu>fd …(36) となるため、fuとfdを比較することでドップラー周
波数成分fcの符号が判別できる。さらに、距離R>0
なので、距離による周波数成分frは、 fr>0 …(37) である。式(34)〜(37)より、fr、fpの大小
正負関係が得られ、式(7)〜(10),式(26)〜
(33)から、測定対象73の距離R及び相対速度Vを
求めることができる。
【0025】さらに、測定対象が複数存在する場合で
も、図17に示すフローチャートのようにして、距離R
mn及び相対速度Vmnを求めることができる。図17
のステップST1では、上昇区間のビート信号の周波数
スペクトルより、例えば受信強度があるしきい値以上の
ピークを測定対象候補として検出する。ステップST2
では、平行区間のビート信号の周波数スペクトルより、
例えば受信強度があるしきい値以上のピークを測定対象
候補として検出する。ステップST3では、下降区間の
ビート信号の周波数スペクトルより、例えば受信強度が
あるしきい値以上のピークを測定対象候補として検出す
る。
【0026】ステップST7では、ステップST1およ
びST3で検出した測定対象候補のスペクトルの周波f
u(i){i=1,2,…,I}とfd(j){j=
1,2,…,J}の全ての組み合わせについて、周波数
和fsum(i,j)と周波数差fdif(i,j)を
式(38),(39)で求める。 fsum(i,j)=(fu(i)+fd(j))/2 …(38) fdif(i,j)=|fu(i)−fd(j)|/2 …(39) ステップST8では、ステップST2で検出した測定対
象候補の周波数fc(k){k=1,2,…,K}と、
ステップST7で求めたfsum(i,j)およびfd
if(i,j)を比較し、fc(l)=fsum(m,
n)あるいはfc(l)=fdif(m,n)となるf
u(m)とfd(n)を正しい組み合わせとして選択す
る。
【0027】ステップST9では、fc(l)とfsu
m(m,n)とが等しいかどうかを判定し、それらが等
しければステップST10へ、またそれらが等しくなけ
ればステップST11へすすむ。ステップST10で
は、距離周波数fr(m,n)=fdif(m,n)と
してステップST12へすすむ。ステップST12で
は、fu(m)とfd(n)の大きさを比較し、fu
(m)≧fd(n)であればステップST13へ、また
fu(m)<fd(n)であればステップST14へす
すむ。ステップST13では、速度周波数fp(m,
n)=fsum(m,n)としてステップST6へすす
む。ステップST14では、速度周波数fp(m,n)
=−fsum(m,n)としてステップST6へすす
む。
【0028】一方、ステップST11では、距離周波数
fr(m,n)=fsum(m,n)としてステップS
T15へすすむ。ステップST15では、fu(m)と
fd(n)の大きさを比較し、fu(m)≧fd(n)
であればステップST16へ、またfu(m)<fd
(n)であればステップST17へすすむ。ステップS
T16では、速度周波数fp(m,n)=fdif
(m,n)としてステップST6へすすむ。ステップS
T17では、速度周波数fp(m,n)=−fdif
(m,n)としてステップST6へすすむ。
【0029】ステップST6では、上記従来例と同様
に、求めたfr(m,n),fv(m,n)から、式
(5),(6)により相対距離Rmn及び相対速度Vm
nを求める。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】測定対象の距離及び相
対速度及び受信強度を求める場合、FFTなどにより、
上昇、下降区間に対して周波数スペクトル解析を行う必
要がある。しかしながら上記2つの従来装置では、図1
4に示した送信波の中に平行区間123を含んでいるた
め、図10に示した送信波よりFFTによる周波数スペ
クトル解析を行う演算量が増えてしまい、距離及び相対
速度及び受信強度を取得する周期も長くなってしまう問
題がある。
【0031】また、図14に示す送受時間126を図1
0に示す送受時間86と等しくしようとする場合、図1
4に示した送信波の中に平行区間123を含んでいるた
め、図10に示した送信波の上昇区間81、下降区間8
2の時間に比べて上昇区間121、下降区間122の時
間が少なくなり、FFTを行うサンプリング数が減少
し、距離及び相対速度の精度が悪化してしまう問題があ
る。
【0032】この発明は上記の問題を解消するためにな
されたもので、 従来装置のように、距離及び相対速度
及び受信強度を取得する周期を増加させることなく、ま
た距離及び相対速度の精度を悪化させることなく、複数
の測定対象の距離R及び相対速度V及び方向θを決定す
ることのできる改良されたレーダ装置を提供することが
できる。
【0033】
【課題を解決するための手段】この発明によるレーダ装
置では、簡単には、従来装置のように、上昇区間と下降
区間のビート信号の周波数の組み合わせを、この上昇区
間、下降区間と同じ走査方向で得た平行区間のビート信
号の周波数から求めるのではなく、ある走査方向で得た
上昇区間と下降区間のビート信号の周波数の組み合わせ
を別の走査方向で得た平行区間のビート信号の周波数か
ら求める。
【0034】この発明の請求項1によるレーダ装置は、
電波を送信波として送信し前記送信波が測定対象で反射
して戻ってきた反射波を受信波として受信する送受信手
段と、前記受信波と送信波から得られるビート信号に基
づいて測定対象の距離及び相対速度及び受信強度を検出
する信号処理手段と、送信波の送信方向及び受信波の受
信方向を走査範囲内で変更する走査手段と、複数方向で
の受信強度から測定対象の方向を算出する信号処理手段
を備えたレーダ装置において、前記送受信手段は、周波
数が上昇、下降する変調を施した第1の送信波と周波数
が変化しない変調を施した第2の送信波とを前記走査範
囲内の走査方向に応じて変更するように構成されてお
り、前記第1の送信波とその受信波から得られるビート
信号の組み合わせに基づいて測定対象の距離及び相対速
度を算出する際に、前記第2の送信波とその受信波から
得られるビート信号に基づいて算出した測定対象の相対
速度を利用することを特徴とする。
【0035】また、この発明の請求項2によるレーダ装
置は、前記送受信手段が、前記走査範囲の両端に対応す
る走査方向以外のいくつかの走査方向において、前記第
2の送信波を送信し、その他の走査方向においては前記
第1の送信波を送信することを特徴とする。また、この
発明の請求項3によるレーダ装置は、前記送受信手段
が、前記走査範囲の両端または一端に対応する走査方向
において、前記第2の送信波を送信し、それ以外の走査
方向においては前記第1の送信波を送信することを特徴
とする。さらに、この発明の請求項4によるレーダ装置
は、前記信号処理手段が、前記第1、第2の送信波とそ
れらの受信波とから得られるビート信号の実数部のみを
用い、測定対象の距離及び相対速度及び受信強度を検出
することを特徴とする。
【0036】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明に
よるレーダ装置の実施の形態1の構成を示すブロック図
である。このレーダ装置113は、発振器11、パワー
デバイダ12、送信アンプ13、サーキュレータ14、
送受共用アンテナ(ホーンアンテナ)15a、送受共用
アンテナ(反射鏡アンテナ)15b、受信アンプ16、
ミキサー17、フィルタ18、アンプ19、AD変換機
110、信号処理装置111、およびアンテナ走査用モ
ータ112を備えている。
【0037】送受共用アンテナ15はホーンアンテナ1
5aと反射鏡アンテナ15bから構成される。ホーンア
ンテナ15aは反射鏡アンテナ15bに対向する開口を
有し、送信波を反射鏡アンテナ15bに向かって放射す
る。送信波は反射鏡アンテナ15bで反射され、所定の
走査範囲に向けて放射される。測定対象で反射された電
波は逆の経路を通ってホーンアンテナ15bで受信され
る。具体的には、測定対象で反射された電波は反射鏡ア
ンテナ15aで集められ、ホーンアンテナ15bで受信
される。
【0038】信号処理手段111は走査信号S1と発振
駆動信号S2を出力する。走査信号S1はアンテナ走査
用モータ112に供給され、このアンテナ走査用モータ
112は走査信号S1に基づき、反射鏡アンテナ15b
を所定の走査範囲で走査する。具体的には、反射鏡アン
テナ15bは図3(a)(b)に示すO個の複数の走査
方向θ(o)を含む走査範囲SRで走査され、図3
(a)(b)では、O=8とされている。走査範囲SR
にはO個の複数の走査方向θ(1)、θ(2)、・・
・、θ(O)が設定されている。走査方向θ(1)は走
査範囲SRの左端に位置し、また走査方向θ(O)はそ
の右端に位置している。この走査方向θ(1)、θ
(O)の間には6つの走査方向θ(2)、θ(3)、θ
(4)、θ(5)、θ(6)、θ(7)が設定されてい
る。
【0039】信号処理手段111からの発振駆動信号S
2は、発振器11に与えられる。この発振駆動信号S2
は走査信号S1に同期して、反射鏡アンテナ15bが走
査方向θ(1)、θ(2)、・・・、θ(O)に達する
毎に、発振器11を駆動する。この発振器11の発振駆
動モードは、この発明によるレーダ装置の特徴とすると
ころである。
【0040】この発振駆動モードには、第1、第2の2
つのモードを有する。第1のモードは図3(a)に、ま
た第2のモードは図3(b)に示される。図3(a)の
第1のモードでは、複数の走査方向θ(1)、θ
(2)、・・・、θ(O)の中のいくつかの走査方向に
おいて周波数が上昇、下降する上昇下降変調モードUD
Mが発振器11に与えられるが、残りの走査方向におい
て周波数が変わらない定変調モードCMとされる。図3
(a)では、具体的には、6つの走査方向θ(1)、θ
(2)、θ(4)、θ(5)、θ(7)、θ(O)にお
いて上昇下降変調モードUDMが発振器11に与えら
れ、残りの走査方向θ(3)、θ(6)で定変調モード
CMとされる。この図3(a)は、ランダムに設定され
る定変調モードを含むものであり、複数の走査方向の中
にランダムに定変調モードCMが与えられる。
【0041】図3(b)の第2のモードは、走査範囲S
Rの両端の走査方向θ(1)、θ(O)で定変調モード
CMとされ、他の走査方向θ(2)θ(3)θ(4)θ
(5)θ(6)θ(7)では全て上昇下降変調モードU
DMが与えられる。この図3(b)の第2のモードで
は、いずれか一方の端に位置する走査方向θ(1)また
はθ(O)のみで、定変調CMを与えるようにすること
もできる。
【0042】上昇下降変調モードUDMにおける発振器
11の発振周波数の変化が図2(a)に示される。定変
調モードCMにおける発振器11の発振周波数が図2
(b)に示される。いずれも縦軸は発振周波数、横軸は
時間である。
【0043】上昇下降変調モードUDMは、図2(a)
に示すように、上昇区間11と下降区間13が交互に与
えられる。上昇区間11では、発振周波数が直線的に上
昇するように発振器11が駆動され、また下降区間13
では、発振周波数が直線的に下降するように発振器11
が駆動される。一方定変調モードCMでは、図2(b)
に示すように、一定周波数の平行区間12のみが与えら
れる。
【0044】次に動作について説明する。信号処理装置
111は、走査信号S1に同期して発振駆動信号S2を
発生する。この発振駆動信号S2は、各走査方向に応じ
て発振器11に、図2(a)の上昇下降変調モードUD
Mと、図2(b)の定変調モードCMを選択的に与え
る。発振器11は、走査方向に応じて、図2(a)また
は(b)に示すような変調を行った送信信号を発生す
る。この発振出力はパワーデバイダ12により2つに分
けられ、一方はミキサー17に入力される。もう一方は
送信アンプ13で増幅された後、サーキュレータ14を
経由し、送受共用アンテナ15から空間に放射される。
空間に放射された電波は測定対象で反射され、送信波に
対して遅延時間Δtを持って送受共用アンテナ15に入
力される。さらに測定対象が相対速度を持つ場合、受信
波は送信波に対して、ドップラーシフトfbを持って送
受共用アンテナ15に入力される。送受共用アンテナ1
5で受信した受信波は、受信アンプ16で増幅された
後、ミキサー17により、上記送信信号とミキシングさ
れ、上記遅延時間と上記ドップラーシフトに対応したビ
ート周波数信号を出力する。得られたビート周波数信号
はフィルタ18を通過し、アンプ19により増幅されて
ADコンバータ110に入力される。そのビート周波数
信号から信号処理装置111は測定対象までの距離(U
DMのみ)及び相対速度及び受信強度を求め、アンテナ
走査用モータ112を動作させ次の走査方向に移動す
る。
【0045】次に測定対象の距離及び相対速度と受信強
度を求める方法ついて図4、図5に示すフローチャート
をもとに説明する。なお図4、図5は連続した1つのフ
ローチャートであるが、図面の大きさとの関係で2つの
図に分けて示している。図4のステップST11が図5
のステップST12につながるものとして理解された
い。
【0046】まず、図4において、ステップST1で
は、走査範囲内で走査方向θ(o){n=1,2,…,
O}を変更し、走査方向に応じて、上昇下降変調モード
UDMと定変調モードCMを切り換える。
【0047】ステップST2では、送信信号が上昇下降
変調モードUDMであればステップST3にすすみ、定
変調モードCMであればST8へすすむ。ステップST
3では、上昇区間11のビート信号の周波数スペクトル
より、例えば受信強度があるしきい値以上のピークを測
定対象候補として検出し、ステップST4では、その受
信強度を求める。ステップST5では、下降区間13の
ビート信号の周波数スペクトルより、例えば受信強度が
あるしきい値以上のピークを測定対象候補として検出
し、ステップST6では、その受信強度を求める。
【0048】ステップST7では、ステップST3およ
びステップST5で検出した測定対象候補のスペクトル
の周波数fu(i){i=1,2,…,I}とfd
(j){j=1,2,…,J}の全ての組み合わせにつ
いて、周波数和fsum(i,j)と周波数差fdif
(i,j)を次の式(40)、(41)で求める。 fsum(i,j)={fu(i)+fd(j)}/2 …(40) fdif(i,j)=|fu(i)―fd(j)|/2 …(41)
【0049】ステップST8では、定変調モードCMの
平行区間12のビート信号の周波数スペクトルより、例
えば受信強度があるしきい値以上のピークを測定対象候
補として検出し、ステップST9では、その受信強度を
求める。ステップST10では、ステップST8で検出
した測定対象候補の周波数fc(k){k=1,2,
…,K}と、ステップST7で求めたfdif(i,
j)を比較し、fc(l)=fdif(m,n){l=
1,2,…,K、m=1,2,…,I、n=1,2,
…,J}となる組み合わせがあればステップST11
へ、組み合わせがなければステップST1に戻る。
【0050】次のステップST11では、fc(l)と
fu(m)とfd(n)を正しい組み合わせとして選択
し、ステップST12にすすむ。なお、ステップST1
2以降は図5に移る。ステップST12ではfr(m、
n)=fsum(m,n)として、ステップST13に
すすむ。ステップST13では、fu(m)とfd
(n)の大きさを比較し、fu(m)≧fd(n)であ
ればステップST14へ、またfu(m)<fd(n)
であればステップST15へすすむ。
【0051】ステップST14では、速度周波数fp
(m,n)=fdif(m,n)として、ステップST
16へすすむ。ステップST15では、速度周波数fp
(m,n)=−fdif(m,n)として、ステップS
T16へすすむ。ステップST16では、求めたfr
(m,n),fp(m,n)から、次式(42)、(4
3)により距離Rmn及び相対速度Vmnを求め、ステ
ップST17へすすむ。 Rmn=(C/4・fm・Δf)・fr(m,n)…(42) Vmn=(C/2・f0)・fp(m,n) …(43)
【0052】ステップST17では、求めたRmnが近
距離、たとえばRmn≦20[m]であれば、ステップS
T18にすすみ、求めた距離Rmn及び相対速度Vmn
を採用する。Rmn>20[m]であれば、ステップST
19にすすみ、求めた距離Rmn及び相対速度Vmnを
採用しない。
【0053】本実施の形態1は、ある走査方向で得た上
昇区間と下降区間のビート信号の周波数の組み合わせを
別の走査方向で得た平行区間のビート信号の周波数から
求めるため、2つの走査方向で送信波が重なる図6の斜
線部161に示す領域に測定対象が存在する場合に適用
できるが、遠距離では、距離及び相対速度が同じ測定対
象が複数存在すると、方向の整合性が取りにくくなるた
め、近距離部162に示す比較的近距離に測定対象が存
在する場合に適用する。近距離部162より遠い遠距離
部では、図14から図17に示した従来方式を採用す
る。なお、図3(b)に示すように走査範囲SRの両端
で、周波数が変化しない定変調CMを施した送信波を送
信した場合、割り込み車両等の測定対象にも適用でき
る。なお、図3(b)において、走査範囲SRのどちら
か一方の端に位置する走査方向θ(1)またはθ(O)
においてのみ定変調CMとしたものも、割り込み車両等
の測定にも適用する。
【0054】本実施の形態1では、誤組み合わせを防止
することができることはもちろんのこと、複数の走査方
向に応じて、上昇下降変調モードUDMと定変調モード
CMを切り換えるので、1つの走査方向において上昇区
間、下降区間、平行区間の変調を行うことがなくなり、
FFTによる周波数スペクトル解析を行う演算量を増加
させることもなく、また距離及び相対速度及び受信強度
を取得する周期を増加させることもない。また1つの走
査方向において、平行区間のために上昇区間、下降区間
が短くなるようなこともないので、距離及び相対速度の
精度を悪化させることもなく、近距離に位置する測定対
象の距離R,相対速度V及び方向θを決定できる。
【0055】加えて図14の従来方式では、上昇区間1
1、平行区間12、下降区間13のそれぞれで走査方向
が異なれば、測定対象の整合性がとりにくくなるため、
すべての区間の送信波を送信してからそれらの受信波を
受信するまでの間、走査方向を一定に保持するか、また
は走査速度を下げることが望ましい。しかし、走査方向
をある期間一定に保持する場合には駆動機構が複雑かつ
高価になり、また走査速度を下げると、走査範囲が狭く
なったり、走査範囲を走査する周期が長くなる不都合が
ある。この実施の形態1では、上昇下降変調モードUD
Mと定変調モードCMとが走査方向に応じて選択される
ので、走査方向をある一定期間保持する必要もなく、ま
た走査速度を下げる必要もなく、前記の従来の不都合を
回避できる。ただし、実施の形態1において、走査方向
を一定に保持する機構を採用することは可能であり、ま
た走査速度を下げることも可能である。
【0056】実施の形態2.この実施の形態2の構成図
及び動作は実施の形態1と同じであるが、送信波と受信
波をミキサー17によって検波する際、ビート信号の同
相成分のみを用い、このビート信号の同相成分のみから
測定対象の距離、相対速度及び受信強度を求める。具体
的には、上昇下降変調UDMにおける上昇区間11およ
び下降区間13と、定変調CMにおける平行区間13に
おいて、いずれもビート信号の同相成分のみを用い、測
定対象の距離、相対速度及び受信強度を求める。この実
施の形態2では、ハードウエアの構成を簡単化でき、装
置の小型化、低価格化を図ることができる。
【0057】次にこの実施の形態2により、測定対象の
距離、相対速度及び受信強度を求める方法ついて図6、
図7に示すフローチャートをもとに説明する。なお、図
7、図8は1つのフローチャートを図の大きさの関係で
2つの図に分けて図示したものである。図7の最後のス
テップST11は図8の最初のステップST12に続く
ものと理解されたい。
【0058】まず、図7において、ステップST1で
は、走査範囲内で走査方向θ(o){o=1,2,…,
O}を変更し、それらの走査方向に応じて、送信波を周
波数が上昇区間と下降区間を有する変調を施した上昇下
降変調モードUDMと一定の周波数に変調する定変調モ
ードCMとを選択する。
【0059】ステップST2では、上昇下降変調モード
UDMの送信波であればステップST3にすすみ、定変
調モードCMの送信波であればステップST8へすす
む。ステップST3では、上昇区間11のビート信号の
周波数スペクトルより、例えば受信強度があるしきい値
以上のピークを測定対象候補として検出し、ステップS
T4では、その受信強度を求める。
【0060】ステップST5では、下降区間13のビー
ト信号の周波数スペクトルより、例えば受信強度がある
しきい値以上のピークを測定対象候補として検出し、ス
テップST6では、その受信強度を求める。ステップS
T7では、ステップST3およびステップST5で検出
した測定対象候補のスペクトルの周波数fu(i){i
=1,2,…,I}とfd(j){j=1,2,…,
J}の全ての組み合わせについて、周波数和fsum
(i,j)と周波数差fdif(i,j)を式(4
4),(45)で求める。 fsum(i,j)={fu(i)+fd(j)}/2 …(44) fdif(i,j)=|fu(i)―fd(j)|/2 …(45)
【0061】ステップST8では、平行区間12のビー
ト信号の周波数スペクトルより、例えば受信強度がある
しきい値以上のピークを測定対象候補として検出し、ス
テップST9では、その受信強度を求める。ステップS
T10では、ステップST8で検出した測定対象候補の
周波数fc(k){k=1,2,…,K}と、ST7で
求めたfsum(i,j)およびfdif(i,j)を
比較し、fc(l)=fsum(m,n)あるいはfc
(l)=fdif(m,n)となるfc(l)、fu
(m)、fd(n)の組み合わせがあればステップST
11へ、組み合わせがなければステップST1に戻る。
【0062】次のステップST11では、fc(l)と
fu(m)とfd(n)を正しい組み合わせとして選択
し、ステップST12にすすむ。なお、ステップST1
2以降は図8に移る。ステップST12ではfc(l)
がfsum(m,n)と等しいかどうかを判定し、等し
ければステップST13へ、等しくなければステップS
T14へすすむ。ステップST13では、距離周波数f
r(m,n)=fdif(m,n)としてステップST
15へすすむ。
【0063】ステップST15では、fu(m)とfd
(n)の大きさを比較し、fu(m)≧fd(n)であ
ればステップST17へ、fu(m)<fd(n)であ
ればステップST18へすすむ。ステップST17で
は、速度周波数fp(m,n)=fsum(m,n)と
してステップST21へすすむ。ステップST18で
は、速度周波数fp(m,n)=−fsum(m,n)
としてST21へすすむ。
【0064】一方、ステップST14では、距離周波数
fr(m,n)=fsum(m,n)としてステップS
T16へすすむ。ST16では、fu(m)とfd
(n)の大きさを比較し、fu(m)≧fd(n)であ
ればステップST19へ、fu(m)<fd(n)であ
ればST20へすすむ。ステップST19では、速度周
波数fp(m,n)=fdif(m,n)としてステッ
プST21へすすむ。ステップST20では、速度周波
数fp(m,n)=−fdif(m,n)としてステッ
プST21へすすむ。
【0065】ステップST21では、上記従来例と同様
に、求めたfr(m,n),fp(m,n)から、次式
(46)、(47)により相対距離Rmn及び相対速度
Vmnを求める。 Rmn=(C/4・fm・Δf)・fr(m,n) …(46) Vmn=(C/2・f0)・fp(m,n) …(47) ステップST22では、求めたRmnが近距離、たとえ
ばRmn≦20[m]であれば、ステップST23にすす
み、求めた距離Rmn及び相対速度Vmnを採用する。
Rmn>20[m]であれば、ステップST24にすす
み、求めた距離Rmn及び相対速度Vmnを採用しな
い。
【0066】図7、8に示す実施の形態2によるフロー
チャートでは、図4、5に示す実施の形態1によるフロ
ーチャートに比べて、ステップST12とステップST
21との間のステップST13からステップST20の
ステップが複雑になるが、各ビート信号の同相成分にみ
を使用するので、ハードウエアが簡単化できる。
【0067】本実施の形態2でも、実施の形態1と同様
に、ビート信号の誤組み合わせを防止することができる
ことはもちろんのこと、複数の走査方向に応じて、上昇
下降変調モードUDMと定変調モードCMを切り換える
ので、1つの走査方向において上昇区間、下降区間、平
行区間の変調を行うことがなくなり、FFTによる周波
数スペクトル解析を行う演算量を増加させることもな
く、また距離及び相対速度及び受信強度を取得する周期
を増加させることもない。また1つの走査方向におい
て、平行区間のために上昇区間、下降区間が短くなるよ
うなこともないので、距離及び相対速度の精度を悪化さ
せることもなく、近距離に位置する測定対象の距離R,
相対速度V及び方向θを決定できる。
【0068】加えてこの実施の形態2でも、図14の従
来方式に比べて、上昇下降変調モードUDMと定変調モ
ードCMとが走査方向に応じて選択されるので、走査方
向をある一定期間保持する必要もなく、また走査速度を
下げる必要もなく、前記の従来の不都合を回避できる。
ただし、実施の形態1において、走査方向を一定に保持
する機構を採用することは可能であり、また走査速度を
下げることも可能である。
【0069】実施の形態2も、ある走査方向で得た上昇
区間と下降区間のビート信号の周波数の組み合わせを別
の走査方向で得た平行区間のビート信号の周波数から求
めるため、2方向の走査で送信波が重なる図6の斜線部
161に示す領域に測定対象が存在する場合に適用でき
るが、遠距離では、距離及び相対速度が同じ測定対象が
複数存在すると、方向の整合性が取りにくくなるため、
近距離部162に示す比較的近距離に測定対象が存在す
る場合に適用する。なお、近距離部162より遠い遠距
離部では、図14から図17に示した従来方式を採用す
る。
【0070】
【発明の効果】この発明によれば、複数の走査方向に応
じて上昇下降変調モードと定変調モードを選択するの
で、ビート信号の誤組み合わせを防止できることはもち
ろんのこと、距離、相対速度及び受信強度を取得する周
期を増加させることなく、また距離及び相対速度の精度
を悪化させることなく、比較的近距離に位置する複数の
測定対象の距離、相対速度及び方向を決定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるレーダ装置の
構成を示すブロック図。
【図2】 図(a)(b)は、実施の形態1によるレー
ダ装置の送受信波形を示す図。
【図3】 図(a)(b)は、実施の形態1によるレー
ダ装置の各走査方向における変調モードを示す。
【図4】 実施の形態1によるレーダ装置の信号処理方
法を示すフローチャート図。
【図5】 実施の形態1によるレーダ装置の信号処理方
法を示すフローチャート図。
【図6】 本発明を適用する範囲例を示す図。
【図7】 実施の形態2によるレーダ装置の信号処理方
法を示すフローチャート図。
【図8】 実施の形態2によるレーダ装置の信号処理方
法を示すフローチャート図。
【図9】 測定対象が1つの場合の従来のレーダ装置の
配置例を示す図。
【図10】 従来のレーダ装置の送受信波形を示す図。
【図11】 測定対象が1つの場合の従来の送信波と受
信波のパワースペクトル例を示す図。
【図12】 測定対象が1つの場合において測定対象の
方向を算出する従来例を示す配置図。
【図13】 測定対象が2つの場合の従来のレーダ装置
の配置例を示す図。
【図14】 従来のレーダ装置の送受信波形を示す図で
ある。
【図15】 測定対象が2つの場合の従来の送信波と受
信波のパワースペクトル例を示す図。
【図16】 図(A)(B)は、従来のレーダ装置の送
受信波形とビート信号を示す図。
【図17】従来のレーダ装置の信号処理方法を示すフロ
ーチャート図。
【符号の説明】
11…発振器、12…パワーデバイダ、13…送信アン
プ、14…サーキュレータ、15…送受共用アンテナ、
15a…送受共用アンテナ(ホーンアンテナ)、15b
…送受共用アンテナ(反射鏡アンテナ)、16…受信ア
ンプ、17…ミキサー、18…フィルタ、19…アン
プ、110…AD変換機、111…信号処理装置、11
2…アンテナ走査用モータ、113…レーダ装置、UD
M…第1の送信波、CM…第2の送信波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J070 AB19 AC02 AC06 AD01 AG07 AH25 AH31 AH33 AK15 AK22 AK32 BA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電波を送信波として送信し前記送信波が
    測定対象で反射して戻ってきた反射波を受信波として受
    信する送受信手段と、前記受信波と送信波から得られる
    ビート信号に基づいて測定対象の距離及び相対速度及び
    受信強度を検出する信号処理手段と、送信波の送信方向
    及び受信波の受信方向を走査範囲内で変更する走査手段
    と、複数方向での受信強度から測定対象の方向を算出す
    る信号処理手段を備えたレーダ装置において、前記送受
    信手段は、周波数が上昇、下降する変調を施した第1の
    送信波と周波数が変化しない変調を施した第2の送信波
    とを前記走査範囲内の走査方向に応じて変更するように
    構成されており、前記第1の送信波とその受信波から得
    られるビート信号の組み合わせに基づいて測定対象の距
    離及び相対速度を算出する際に、前記第2の送信波とそ
    の受信波から得られるビート信号に基づいて算出した測
    定対象の相対速度を利用することを特徴とするレーダ装
    置。
  2. 【請求項2】 前記送受信手段が、前記走査範囲の両端
    に対応する走査方向以外のいくつかの走査方向におい
    て、前記第2の送信波を送信し、その他の走査方向にお
    いては前記第1の送信波を送信することを特徴とする請
    求項1記載のレーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記送受信手段が、前記走査範囲の両端
    または一端に対応する走査方向において、前記第2の送
    信波を送信し、それ以外の走査方向においては前記第1
    の送信波を送信することを特徴とする請求項1記載のレ
    ーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記信号処理手段が、前記第1、第2の
    送信波とそれらの受信波とから得られるビート信号の実
    数部のみを用い、測定対象の距離及び相対速度及び受信
    強度を検出することを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれか一項記載のレーダ装置。
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