JP2003306783A - 金属薄板のエッチング加工方法及びエッチング加工品 - Google Patents

金属薄板のエッチング加工方法及びエッチング加工品

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JP2003306783A
JP2003306783A JP2002151565A JP2002151565A JP2003306783A JP 2003306783 A JP2003306783 A JP 2003306783A JP 2002151565 A JP2002151565 A JP 2002151565A JP 2002151565 A JP2002151565 A JP 2002151565A JP 2003306783 A JP2003306783 A JP 2003306783A
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貴泰 大久保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来は板厚Tより小さな開口は開けられないと
されていたエッチング技術において、板厚Tより充分小
さな開口寸法dの孔や溝などの貫通部を形成することが
できるエッチング加工方法及びエッチング加工品を提供
する。 【解決手段】 板厚Tの金属薄板1の一方の面に、目的
とする開口寸法d以下の肉厚t(t≦d)を残して第1
のエッチング凹部3を形成し、上記金属薄板1の他方の
面に第2のエッチング凹部4を形成し、これら第1のエ
ッチング凹部3と第2のエッチング凹部4が連通した後
サイドエッチング処理をすることにより上記連通部分
に、板厚Tより充分小さな開口寸法dを有する貫通部5
を形成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属薄板にこの金
属薄板の板厚Tより小さな寸法dの孔径又は溝幅を有す
る貫通部を形成するエッチング加工方法及びこの方法に
より得られたエッチング加工品に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の一部であるリードフレーム
やプリント配線基板、ブラウン管のシャドウマスク、そ
の他の電子部品などにあっては、被エッチング材として
の金属薄板に微細な孔又は溝を加工するために、電気化
学的腐食加工方法、すなわちフォトエッチング加工法が
用いられている。通常、被エッチング材としては、鉄、
ステンレス、銅、銀、アルミ、モリブデン、チタン、ケ
イ素などの薄板が知られており、又エッチング溶液とし
ては対象材料に応じて塩化第二鉄、アルカリ溶液、硫酸
+過酸化水素、塩化第二銅などが用いられている。フォ
トエッチング加工法の概略的な工程を図7に示す。図7
において、被エッチング材としての金属薄板1の表面を
脱脂、酸洗などで前処理した後、この金属薄板1の表面
をレジスト膜71で覆う。レジスト膜71はシート状の
ものを金属薄板に貼着したり、レジスト液を塗布・乾燥
することで被覆可能である。図7の場合は両面エッチン
グの場合を示す。このレジスト膜71の上に製品パター
ンが描画されたマスク原版72を重ねる。このマスク原
版72の上から紫外線を照射すると、レジスト膜71に
マスク原版72に描画された製品パターンが露光され
る。次ぎにマスク原版72を剥がして金属薄板1を現像
液に漬けると、紫外線が照射されなかった部分のレジス
ト膜が溶けて除去され、これによりこの部分の金属薄板
1の表面が露出されるとともに、紫外線が届かなかった
部分のレジスト膜71は残る。この状態の金属薄板1に
エッチング液を接触させる。エッチング液を接触させる
方法として、エッチング液に浸漬する方法や噴射する方
法がある。すると、レジスト膜71で覆われていない上
記表面が露出している金属薄板1の部分が、エッチング
液と接触し、この部分が腐食されて溶解する。この腐食
は板厚方向に進み、このため金属薄板に貫通したエッチ
ング孔2又は溝が形成される。この後、残ったレジスト
膜71を剥離して除去すると、前記マスク原版72に描
画されたパターンと同じパターンの開口をもつ製品が得
られる。ところで、このようなフォトエッチング加工で
は、エッチング液による腐食が金属薄板の板厚方向のみ
ならず、エッチング液がレジスト膜の下にも回り込む性
質があるため、金属薄板の側方(板厚方向と直角方向)
にも進行する(サイドエッチング)。このため、通常、
エッチング加工においては、原則として加工される貫通
部の大きさ(孔の場合は直径D)は、金属薄板の板厚T
より小さくすることができないとされている。つまり、
図8に示す通り、金属薄板1の板厚をTとし、エッチン
グによって開けたいエッチング孔2の目標孔径をDとす
ると、孔径Dは板厚寸法Tとほぼ同じになる。なお、金
属薄板1の両面からエッチングする両面エッチングの場
合は、目標とする孔の最小寸法Dを板厚Tの70%程度
まで小さくすることはできるが、これよりも小さな孔は
開けられないとされている。又、金属薄板1の片面のみ
からエッチングする片面エッチングの場合は、孔の最小
寸法Dは板厚Tの70%より更に大きくなってしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、エッチ
ングによる精密孔開け加工においては、金属薄板の強度
を高くするため板厚を大きくしたいという要求があり、
その一方では孔径Dの大きさを、相対的に小さくしたい
という要請がある。例えば、板厚Tが0.6mmの金属
薄板に孔径Dが0.2mmの孔(溝の場合は溝幅が0.
2mmの溝)を開けたい等の要求がある場合、従来の両
面エッチング方法では、板厚T=0.6mmに対し孔の
径Dはせいぜい0.42mmとなり、孔径Dが0.2m
mの孔を開けることは出来ないという問題があった。
【0004】本発明はこのような事情にもとづきなされ
たもので、板厚Tよりも小さな寸法dの孔径又は溝幅を
有する開口を加工可能にしたエッチング加工方法及びこ
の方法により成形されたエッチング加工品を提供しよう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の原理は、次の通りである。すなわち、前述の通
り、エッチング加工では、板厚Tの金属薄板に孔を開け
る場合、開口可能な最小孔径Dは、D=Tが基本とされ
ている。すなわち、板厚tが小さい場合(t<T)は、
最小孔径dをd=t(<D)にすることができる。この
ことは、板厚がTの場合、これより小さな寸法dの孔を
開けるには、板厚をt以下にしてやればよいことにな
る。しかしこの場合T−tの肉厚は余分な厚みとなる。
このことから本発明は、上記余分な肉厚T−tの分を除
去し、残った肉厚t以下の部分に有効孔径dの孔(但
し、t≦d)を開けることによって、大きな板厚Tに対
しても、この板厚より充分小さな径dの孔を開けること
ができるようにしたことを原理とする。このような原理
にもとづき請求項1の発明は、板厚Tの金属薄板にこの
板厚Tより小さな寸法の有効開口寸法dをなす貫通部を
形成するにあたり、上記金属薄板の一方の面に、上記有
効開口寸法d以下の肉厚t(t≦d)を残して深さが
(T−t)になる第1のエッチング凹部を形成し、上記
金属薄板の他方の面に深さが上記肉厚tに相当する第2
のエッチング凹部を形成し、これら第1のエッチング凹
部の底部と第2のエッチング凹部4が連通した後サイド
エッチング処理をして上記連通部分に上記有効開口寸法
dの貫通部を形成することを特徴とする金属薄板のエッ
チング加工方法が提供される。このようなエッチング加
工方法によれば、金属薄板の一方の面に第1のエッチン
グ凹部を形成することによって肉厚T−tの肉厚分が除
去され、この凹部の底部と他方の面との間に肉厚tに相
当する部分が残されることになる。この肉厚tを、目標
とする有効開口寸法d以下にしておけば(t≦d)、第
2のエッチング凹部を形成した場合、これら凹部の貫通
部は肉厚tの部分に開口することになるから、板厚寸法
と同等寸法の孔径ならばエッチング加工が可能であると
いう原理に従い、少なくともこの肉厚tと同等寸法の有
効開口寸法dを有する貫通部が開口可能となる。よっ
て、板厚Tより充分小さな有効開口寸法dをもつ孔(孔
径)や溝(溝幅)の貫通部であっても開けることができ
る。
【0006】本発明の好ましい態様は、請求項2に記載
されている通り、板厚Tの金属薄板の両面にレジスト膜
を設けるとともにこのレジスト膜に製品パターンを描画
し、上記金属薄板の一方の面に被覆されたレジスト膜の
エッチング液が流入する開口部を、他方の面に被覆され
たレジスト膜のエッチング液が流入する開口部より大き
くしておき、上記他方の面のレジスト膜の開口部をマス
キングして上記金属薄板の一方の面を片面エッチング
し、これにより一方の面に、有効開口寸法d以下の肉厚
tを残して深さが(T−t)となる第1のエッチング凹
部を形成し、次ぎに上記一方の面のレジスト膜の開口部
をマスキングして上記金属薄板の他方の面を片面エッチ
ングし、これにより他方の面に深さが上記肉厚tに相当
する第2のエッチング凹部を形成し、これら第1のエッ
チング凹部と第2のエッチング凹部が連通した後サイド
エッチング処理をして上記連通箇所に上記板厚Tより小
さな寸法の有効開口寸法dを有する貫通部を形成するこ
とを特徴とする金属薄板のエッチング加工方法が提供さ
れる。この方法は、第1のエッチング凹部及び第2のエ
ッチング凹部をそれぞれ金属薄板の片面ずつハーフエッ
チングして2段エッチングする方法である。このような
片面ずつ2段エッチング加工する方法であっても、金属
薄板の一方の面に第1のエッチング凹部を形成すること
によって肉厚T−tの肉厚分が除去され、次ぎに金属薄
板の他面に、残った肉厚tに部分に対し第2のエッチン
グ凹部をエッチング加工して貫通部を形成するので、板
厚寸法と同等寸法の孔径ならばエッチング加工が可能で
あるという原理に従い、この肉厚tと同等寸法の有効開
口寸法dを有する貫通部が開口可能となる。
【0007】本発明の他の好ましい態様は、請求項3に
記載されているように、板厚Tの金属薄板の両面にレジ
スト膜を設けるとともにこのレジスト膜に製品パターン
を描画し、上記金属薄板の一方の面に被覆されたレジス
ト膜のエッチング液が流入する開口部を、他方の面に被
覆されたレジスト膜のエッチング液が流入する開口部よ
り大きくしておき、上記金属薄板の両面にエッチング液
を同時に接触させて両面エッチング加工し、エッチング
液による腐食過程で金属薄板の一方の面に、有効開口寸
法d以下の肉厚tを残して深さが(T−t)になる第1
のエッチング凹部を形成するとともに、他方の面に深さ
が上記肉厚tに相当する第2のエッチング凹部を同時に
形成し、これら第1のエッチング凹部と第2のエッチン
グ凹部が連通した後サイドエッチング処理をして上記連
通箇所に上記板厚Tより小さな寸法の有効開口寸法dを
有する貫通部を形成することを特徴とする金属薄板のエ
ッチング加工方法が提供される。この加工方法は、金属
薄板の両面から同時にエッチングを施す両面エッチング
方法であり、第1のエッチング凹部と第2のエッチング
凹部が同時にエッチング進行されるので、作業効率が良
い。
【0008】又、前記課題を解決するための他の発明
は、板厚Tの金属薄板の一方の面に有効開口寸法d以下
の肉厚tを残して深さが(T−t)になる第1のエッチ
ング凹部が形成されているともに、他方の面に深さが上
記肉厚tに相当する第2のエッチング凹部が形成され、
これら第1及び第2のエッチング凹部の底部が互いに連
通され、この連通通箇所に上記板厚Tより小さな寸法の
有効開口寸法dを有する貫通部が形成されていることを
特徴とする金属薄板のエッチング加工品が提供される。
このような加工品は、大きな板厚Tに対して相対的に小
さな有効開口寸法dを有する貫通部を形成したので、エ
ッチング製品の拡大に寄与し、エッチング技術の著しい
進歩を可能にする。
【0009】
【発明の実施の態様】以下本発明について、図面にもと
づき説明する。図1は、本発明によりエッチング加工さ
れた金属薄板のエッチング孔を拡大して示す断面図であ
る。図において1は、被エッチング材としての金属薄板
であり、例えばステンレス薄板(SUS304)が用い
られている。この金属薄板1は板厚寸法がTであり、こ
の薄板1には有効孔径dのエッチング孔2が開けられて
いる。上記有効孔径dは板厚Tより小さく、さらに言え
ば、0.7Tよりも小さく形成されている。エッチング
孔2の断面形状は、一方の面に大きく開口しかつ深さが
大きな第1のエッチング凹部3と、他方の面に小さく開
口して深さが浅い第2のエッチング凹部4とが互いに連
通した形状になっている。第1のエッチング凹部3は概
ね半球形状に大きく凹んでおり、この凹部3の一方の面
に臨む開口部の大きさは直径dとなっている。、第2
のエッチング凹部4も概ね半球形状に凹んでおり、この
凹部4の他方の面に臨む開口部の大きさは直径dにな
っている。これら凹部3、4は底部が互いに連通してお
り、この連通箇所に貫通部5が形成されている。この貫
通部5は、上記第1、第2のエッチング凹部3、4に対
し小さなくびれ部となっており、このくびれ部の直径が
目標とする上記有効孔径dとなっている。この貫通孔5
の位置は、金属薄板1の他方の面から板厚方向に向かっ
て寸法tの位置に形成されており、この寸法tは上記有
効孔径dと等しい又はそれ以下(t≦d)の寸法となっ
ている。
【0010】このような金属薄板1にエッチング孔2を
加工するエッチング方法は、以下の通りである。図2な
いし図4にエッチング加工方法の一例を工程順に示し、
これについて説明する。この例は、金属薄板を片面ずつ
ハーフエッチングして2段階に分けてエッチングする方
法である。まず、板厚Tの金属薄板1の表面を従来と同
様に脱脂、酸洗などで前処理する。(2−A図)。次ぎ
に、この金属薄板1の表面をフォトレジスト膜11で覆
う(2−B図)。レジスト膜11の上に詳図しない製品
パターンが描画されたマスク原版12を重ねる(2−C
図)。この場合、マスク原版12の製品パターンは、レ
ジスト膜11に形成されるエッチング液が流入する開
口、つまり金属表面が露出される部分の開口部13、1
4を、一方の面では大きく(レジスト膜の開口部13の
直径をd)なるようにし、他方の面では小さく(レジ
スト膜の開口部14の直径をd)(d>d)なる
ように設定しておく。そして、マスク原版12の上から
紫外線を照射して、レジスト膜11にマスク原版に描画
された製品パターンを露光する。マスク原版12を剥が
し、金属薄板1を現像液に漬けると、紫外線が照射され
なかった部分のレジスト膜が溶けて除去され、これによ
りこの部分の金属薄板1の表面が露出する。紫外線が届
かなかった部分のレジスト膜11は残る(3−A図)。
このとき、上記したように、一方のレジスト膜11に形
成された金属表面が露出される部分の開口、すなわちレ
ジスト膜の開口部13は直径dとなり、他方の面のレ
ジスト膜の開口部14直径がdとなる。
【0011】次に、他方の面のレジスト膜11に耐食性
のマスキングシート15を貼着してこの他方の開口部1
4を閉塞する(3−B図)。この状態で、金属薄板1の
一方の面に、塩化第二鉄溶液などのエッチング液を例え
ばスプレー噴射し、これにより一方の面のレジスト膜1
1の開口部13に露出している金属薄板1の表面に、こ
の開口部13を通じてエッチング液を吹き付ける(3−
C図)。すると、金属薄板1はエッチング液に腐食され
て溶解し、このため第1のエッチング凹部3が形成され
る。このとき、エッチングは、レジスト膜2の開口部1
3の中心点を中心として、概略半球形に進行する。この
エッチングの進行具合は、破線で示すように、時間の経
過に伴って拡大する。そして、第1のエッチング凹部3
の深さがT−t又はそれ以上に達したら、この片面エッ
チングを終了する。このとき、金属薄板1の他面側には
板厚t又はt以下に相当する分の肉厚が残っている。
【0012】次ぎに、上記他方のレジスト膜11に貼着
してあるマスキングシート15を剥がして開口部14を
開けるとともに、今度は一方の面のレジスト膜11にマ
スキングシート16を貼着し、このレジスト膜11に形
成されている開口部13を閉塞する(4−A図)。この
状態で、金属薄板1の他方の面にエッチング液をスプレ
ー噴射し、これにより他方の面のレジスト膜の開口部1
4より、ここに露出している金属薄板1の表面にエッチ
ング液を吹き付ける(4−B図)。すると、金属薄板1
はエッチング液に腐食されて溶解し、このため第2のエ
ッチング凹部4が形成される。このときのエッチングも
レジスト膜11の開口部14の中心点を中心として概略
半球形に進行する。このエッチングの進行具合は、破線
で示すように、時間の経過に伴って拡大する。上記第2
のエッチング凹部4の底部が第1のエッチング凹部3の
底部に達すると、これら第1及び第2のエッチング凹部
3、4は相互に連通する。この貫通後、エッチング液の
供給を続け、上記貫通部分のサイドエッチングを促す
(4−C図)。このサイドエッチングによって、連通箇
所のくびれ部分が溶解し、所定の孔径dに達した時点で
エッチング工程を終える。図中、破線から実線に至る部
分がサイドエッチングで腐食された部分を示す。この
後、残ったマスキングシート16及びレジスト膜11を
剥離して除去すると、図1に示す断面形状のエッチング
孔2が形成される。金属薄板1の全体では前記マスク原
版12に描画されたパターンと同じパターンを開口した
製品が得られる。
【0013】上記実施例のフォトエッチング方法によれ
ばは、金属薄板1にその板厚Tよりも小さな寸法dの孔
をエッチング加工するにあたり、第1のエッチング凹部
3を形成することによって予め不要な板厚部分(T−
t)を除去しておき、残った肉厚tの部分に第2のエッ
チング凹部4を形成して目標とする大きさの貫通孔5を
形成するものであるから、上記肉厚tを目標とする有効
径dの寸法以下にしておけば、板厚寸法と同等寸法の孔
径ならばエッチング加工が可能であるという原理に従
い、肉厚tと同等寸法の開口径dの孔を形成することが
可能となる。したがって、有効孔径dが板厚寸法Tより
充分小さな孔や溝であっても、所望の開口寸法dの貫通
部を開けることができる。
【0014】なお、上記のごとく片面ずつエッチングす
る方法において、レジスト膜11に形成する開口部1
3、14の大きさを互いに異なる大きさにした(d
)が、エッチング速度はエッチング液の流入量によ
って決まるので、一方のエッチング凹部3のエッチング
加工時間と他方のエッチング凹部4のエッチング加工時
間が異なってもよい場合は、d=dにしても構わな
い。
【0015】次に、他のエッチング方法を図5及び図6
にもとづき説明する。この方法は、金属薄板を両面から
同時にエッチングする方法である。図5は図2と同じ図
であり、これらの工程は同じであってよい。まず、板厚
Tの金属薄板1の表面を脱脂、酸洗などで前処理し(5
−A図)、この金属薄板1の表面をレジスト膜11で覆
う(5−B図)。このレジスト膜11の上に製品パター
ンが描画されたマスク原版12を重ねる(5−C図)。
この場合、マスク原版12の製品パターンは、後で説明
するが、レジスト膜11に形成されるエッチング液が侵
入する開口部、つまり金属表面が露出される部分の開口
部を、一方の面では大きく(レジスト膜11の開口部1
3の直径をd)なるようにし、他方の面では小さく
(レジスト膜11の開口部14の直径をd)(d
)としておく。そして、マスク原版12の上から紫
外線を照射して、レジスト膜11にマスク原版12に描
画された製品パターンを露光する。マスク原版12を剥
がし、金属薄板1を現像液に漬けると、紫外線が照射さ
れなかった部分のレジスト膜が溶けて除去され、これに
よりこの部分の金属薄板1の表面が露出する。紫外線が
届かなかった部分のレジスト膜11は残る(6−A
図)。このとき、上記したように、一方のレジスト膜1
1に形成された金属表面が露出される部分の開口、すな
わち一方の面のレジスト膜11の開口部13は直径d
になり、他方の面のレジスト膜の開口部14は直径がd
になる。次に、金属薄板1の両面にエッチング液を同
時に例えばスプレー噴射し、これによりレジスト膜11
の開口部13、14に露出している金属薄板1の表面に
対し各開口部13、14を通じてエッチング液を吹き付
ける(6−B図)。すると、金属薄板1の両面がエッチ
ング液に腐食されて溶解し、このため第1のエッチング
凹部3及び第2のエッチング凹部4が同時に形成され
る。このとき、エッチングは、板厚方向及びサイド方向
に進行するのでそれぞれ概略半球形に拡大し、破線で示
すように、時間の経過に伴って大きくなる。第1のエッ
チング凹部3の底部と第2のエッチング凹部4の底部が
互いに連通すると、この貫通箇所にくびれた形状の貫通
部5が形成される。
【0016】この場合、大切なことは、この貫通部5が
金属薄板1の他面側から肉厚tに相当する肉厚の部分に
形成されることである。他方の面から肉厚tの位置にく
びれ部を形成するためには、第1のエッチング凹部3の
底部が一方の面からT−tの位置に達するまでの加工時
間と、第2のエッチング凹部4の底部が他方の面から肉
厚tの位置に達するまでの加工時間が同じでなければな
らない。すなわち、第1のエッチング凹部3を形成する
ためのエッチング時間と第2のエッチング凹部4を形成
するためのエッチング時間が同じであり、肉厚tの位置
で両者の底部が連通しなければならない。このために各
凹部3、4のエッチング速度をコントロールする必要が
ある。一般に、エッチング速度は、エッチング液の流量
によって決まり、エッチング液の流量は、エッチング液
の流速とレジスト膜11に開口した開口部13、14の
大きさ(d、d)に依存する。なお、エッチング速
度は、エッチング液の濃度、温度、噴射圧力、劣化具合
などの条件によっても異なるが、これらエッチング液の
性状は作業現場で調整するのが通例であるから、ここで
はこれらエッチング液の性状は一定として考え、かつス
プレー噴射されるエッチング液の流速は両面で等しいも
のとする。レジスト膜11の開口部13、14の大きさ
(d、d)を決めるには、これら第1のエッチング
凹部3及び第2のエッチング凹部4の空間がほぼ半球形
であると仮定してこれら空間の容積を概算的に計算し、
これら容積が、エッチング液の流速と開口部13、14
の開口面積との積であることから、これらの関係式から
、dを計算して求め、これを仮に設定しておく。
次ぎに、上記設定したd、dを用いて作業現場で実
際に試し加工を行い、第1及び第2のエッチング凹部
3,4の各エッチング速度を調べ、この結果により開口
部13、14の大きさd、dを最終調整すればよ
い。この調整した後の寸法d、dがマスク原版12
の製品パターンに反映され、マスク原版12における開
口部13,14に対応する部分は上記d、dに合っ
た大きさに設定される。このようにすれば、第1及び第
2のエッチング凹部3、4の各底部が同じエッチング速
度で肉厚tの位置に達し、これにより凹部3,4が肉厚
t部で連通されるから、この連通箇所にくびれた形状の
貫通部5が形成されるようになる。
【0017】次ぎに、エッチング液の供給を続け、上記
連通部分のサイドエッチングを促す(6−C図)。この
サイドエッチングによって、連通箇所のくびれ部分を溶
解し、所定の孔径dに達した時点でエッチング工程を終
える。この後、残ったレジスト膜11を剥離して除去す
ると、図1の断面形状を有するエッチング孔2が形成さ
れ、金属薄板1の全体では前記マスク原版12に描画さ
れたパターンと同じパターンの開口を有する製品が得ら
れる。
【0018】このような両面エッチング方法であれば、
第1のエッチング凹部3及び第2のエッチング凹部4が
同時進行して加工されるから、作業能率が良い。なお、
上記両面エッチング方法によって加工した製品の具体的
寸法例を示すと、図1において、金属薄板1の板厚Tは
0.6mmであり、第1のエッチング凹部3の開口部の
直径dは略0.98mm、第2のエッチング凹部4の
開口部の直径dは略0.42mmになっている。そし
て、貫通孔5のくびれ部の直径、すなわち有効孔径dは
0.2mmであり、この貫通孔5の位置は、金属薄板1
の他方の面から板厚方向に向かって寸法t=0.2mm
に近似した位置に形成されている。なお、上記各実施例
では、金属薄板1の図示の上面側に第1のエッチング凹
部3を形成するとともに図示の下面側に第2のエッチン
グ凹部4を形成したが、上面・下面は逆になってもよい
ことは言うまでもない。
【0019】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、従来
では板厚Tより小さな開口寸法の孔や溝などの貫通部を
形成できないとされていたエッチング加工方法に対し、
余分な肉厚を除いた厚みの部分に貫通部を形成するか
ら、板厚Tより充分小さな開口寸法dの孔や溝などの貫
通部を形成することができ、エッチング加工技術が大幅
に進歩し、この技術分野の利用、応用の大幅な拡大が可
能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示し、エッチング加工され
た金属薄板のエッチング孔を拡大して示す断面図。
【図2】本発明のエッチング加工方法の一例を示し、
(2−A図)、(2−B図)、(2−C図)は工程順を
追って示す断面図。
【図3】図2の加工工程の続きを示し、(3−A図)、
(3−B図)、(3−C図)は工程順を追って示す断面
図。
【図4】図3の加工工程の続きを示し、(4−A図)、
(4−B図)、(4−C図)は工程順を追って示す断面
図。
【図5】本発明のエッチング加工方法の他の例を示し、
(5−A図)、(5−B図)、(5−C図)は工程順を
追って示す断面図。
【図6】図5の加工工程の続きを示し、(6−A図)、
(6−B図)、(6−C図)は工程順を追って示す断面
図。
【図7】従来のエッチング加工方法を概略的に工程順に
示す図。
【図8】従来の両面エッチング方法にて加工されたエッ
チング孔の拡大した断面図。
【符号の説明】
1…金属薄板 T…板厚 2…エッチング孔 3…第1のエッチング凹部 4…第2のエッチング凹部 5…貫通部 d…有効孔径 11…レジスト膜 12…マスク原版 13…レジスト膜の一方の開口部 14…レジスト膜の他方の開口部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板厚Tの金属薄板にこの板厚Tより小さ
    な寸法の有効開口寸法dの貫通部を形成するにあたり、
    上記金属薄板の一方の面に、上記有効開口寸法d以下の
    肉厚tを残して深さが(T−t)になる第1のエッチン
    グ凹部を形成し、上記金属薄板の他方の面に深さが上記
    肉厚tに相当する第2のエッチング凹部を形成し、これ
    ら第1のエッチング凹部と第2のエッチング凹部4が連
    通した後サイドエッチング処理をすることにより上記連
    通部分に上記有効開口寸法dの貫通部を形成することを
    特徴とする金属薄板のエッチング加工方法。
  2. 【請求項2】 板厚Tの金属薄板の両面にレジスト膜を
    設けるとともにこのレジスト膜に製品パターンを描画
    し、上記金属薄板の一方の面に被覆されたレジスト膜の
    エッチング液が流入する開口部を、他方の面に被覆され
    たレジスト膜のエッチング液が流入する開口部より大き
    くしておき、上記他方の面のレジスト膜の開口部をマス
    キングして上記金属薄板の一方の面を片面エッチング
    し、これにより一方の面に、有効開口寸法d以下の肉厚
    tを残して深さが(T−t)になる第1のエッチング凹
    部を形成し、次ぎに上記一方の面のレジスト膜の開口部
    をマスキングして上記金属薄板の他方の面を片面エッチ
    ングし、これにより他方の面に深さが上記肉厚tに相当
    する第2のエッチング凹部を形成し、これら第1のエッ
    チング凹部と第2のエッチング凹部が連通した後サイド
    エッチング処理をして上記連通箇所に上記板厚Tより小
    さな寸法の有効開口寸法dを有する貫通部を形成するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の金属薄板のエッチング
    加工方法。
  3. 【請求項3】 板厚Tの金属薄板の両面にレジスト膜を
    設けるとともにこのレジスト膜に製品パターンを描画
    し、上記金属薄板の一方の面に被覆されたレジスト膜の
    エッチング液が透過する開口部を、他方の面に被覆され
    たレジスト膜のエッチング液が透過する開口部より大き
    くしておき、これら開口部を通じて上記金属薄板の両面
    にエッチング液を同時に接触させて両面エッチングを
    し、エッチング液による腐食過程で金属薄板の一方の面
    に、有効開口寸法d以下の肉厚tを残して深さが(T−
    t)になる第1のエッチング凹部を形成するとともに、
    他方の面に深さが上記肉厚tに相当する第2のエッチン
    グ凹部を同時に形成し、これら第1のエッチング凹部と
    第2のエッチング凹部が連通した後サイドエッチング処
    理をして上記連通箇所に上記板厚Tより小さな寸法の有
    効開口寸法dを有する貫通部を形成することを特徴とす
    る請求項1に記載の金属薄板のエッチング加工方法。
  4. 【請求項4】 板厚Tの金属薄板の一方の面に有効開口
    寸法d以下の肉厚tを残して深さが(T−t)になる第
    1のエッチング凹部が形成されているともに、他方の面
    に深さが上記肉厚tに相当する第2のエッチング凹部が
    形成され、これら第1及び第2のエッチング凹部が互い
    に連通され、この連通通箇所に上記板厚Tより小さな寸
    法の有効開口寸法dを有する貫通部が形成されているこ
    とを特徴とする金属薄板のエッチング加工品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013034982A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Fuji Paudal Co Ltd 押出造粒のための半球殻ダイとその製造方法
JP2015180505A (ja) * 2015-07-09 2015-10-15 不二パウダル株式会社 押出造粒のための半球殻ダイとその製造方法
CN108079665A (zh) * 2016-11-21 2018-05-29 旭晖应用材料股份有限公司 多孔状基板及具有该多孔状基板的震荡组件

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