JP2003306457A - 多管式熱交換器型反応器を用いた気相接触酸化方法 - Google Patents

多管式熱交換器型反応器を用いた気相接触酸化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生成物の自動酸化反応を防止して、高収率で
目的物を得られるとともに自動酸化反応による温度の異
常な上昇による機器の破損を防ぐ多管式反応器を用いた
気相接触酸化方法を提供する。 【解決手段】 原料供給口4bと生成物排出口4aとを
有する円筒状反応器のシェル2と、シェル2に熱媒体を
導入又は導出するための、シェル2の外周に配置される
環状導管3a、3bと、環状導管3a、3bを接続する
循環装置と、シェル2の複数の管板によって拘束され触
媒を包含する反応管1b、1cと、反応管1b、1cの
長手方向に設けられシェル2に導入された熱媒体の方向
を変更するための邪魔板6a、6bとを有する多管式反
応器を用い、熱媒体とプロセスガスとを向流式に流し、
Mo−Bi系触媒及び/又はSb−Mo系触媒を反応管
1b、1cのプロセスガス入口側から出口側に活性が高
くなるように充填して、被酸化物を分子状酸素含有ガス
にて気相接触酸化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン、プロ
パン又はイソブチレンを分子状酸素を用いて酸化し、
(メタ)アクロレイン又は(メタ)アクリル酸を効率的
に製造するプロセス等に用いられる気相接触酸化方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】(メタ)アクロレイン或いは(メタ)ア
クリル酸は、通常、多管式反応器を用いて、プロピレ
ン、プロパン又はイソブチレンを複合酸化物触媒の存在
下で分子状酸素又は分子状酸素含有ガスを用いて気相接
触酸化反応により製造される。
【0003】一方、多管式反応器は、内部に固体触媒を
充填し原料と接触させる反応に用いられるものであり、
被酸化物を固体触媒存在下で分子状酸素と接触させる気
相接触酸化反応により発生する大きな反応熱を効率よく
除去することによって反応温度を制御し、反応熱によっ
て触媒が過度の高温(ホットスポット)にさらされ触媒
の劣化を早める結果になることを防ぐ必要が有る場合に
多く用いられる。
【0004】このような多管式反応器においては、その
反応管束の外側(シェル側)に熱媒体を循環させること
で、反応に必要な温度を維持するとともに、化学プラン
トで多く使用されている熱交換器のようにプロセス流体
(気相接触酸化反応においては、プロセスガス)と熱媒
体の間で熱交換を同時に行い、プロセス流体の温度が上
昇し過ぎること(ホットスポットの形成)により管内の
触媒が劣化するのを防止する方法がとられている。
【0005】しかし、気相接触酸化反応の反応熱は非常
に大きく、しばしば触媒層の特定位置の温度が高くなり
すぎ触媒を劣化させたり、該触媒の許容温度を超えたこ
とによって暴走反応にいたり、触媒が使用不能になるな
どの問題が発生することがある。
【0006】気相接触酸化反応に用いられる多管式反応
器でのホットスポットの形成を抑制する方法が、多く提
案されている。例えば、除熱用の流体(以下、「熱媒
体」と記す)の反応器シェル内の流れと反応器に導かれ
る反応ガスの流れ方向を並流とし、更には邪魔板によっ
て熱媒体の流れを蛇行させて上昇させ、熱媒体の反応器
入口から出口までの温度差を2〜10℃以下とすること
によって熱媒体の温度を均一にする方法が開示されてい
る(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】多管式反応器は、一般的に多数のチューブ
(管束)が垂直に設置されているので、プロセス流体を
上部あるいは下部から流すことでプロセス流体側をアッ
プフローあるいはダウンフローとすることができる。熱
媒体についても、反応器シェル側に上部あるいは下部か
ら供給する事ができる。したがって、一般的なシェルア
ンドチューブ熱交換器と同様に、プロセス流体と熱媒体
の流れ方向が同一となる並流式とプロセス流体と熱媒体
の流れ方向が反対となる向流式とがある。また、流体を
流す方向も考慮すると、1)プロセス流体側ダウンフロ
ー/熱媒体ダウンフローの並流式、2)プロセス流体側
アップフロー/熱媒体アップフローの並流式、3)プロ
セス流体側アップフロー/熱媒体ダウンフローの向流
式、4)プロセス流体側アップフロー/熱媒体ダウンフ
ローの向流式が考えられる。
【0008】また、反応原料ガスと熱媒の流れを下向き
並流とし、熱媒の存在しないガス溜まりを防止すること
でホットスポットの形成を抑制する方法が提案されてい
る(例えば、特許文献2参照。)。該方法は、さらに原
料ガスを反応器上部より供給し反応管の触媒層内を下向
きに通過させることによって、最も劣化しやすい触媒層
入口付近の触媒だけを交換可能な方法である。しかしな
がら、この方法においては熱媒体とプロセス流体が並流
であるため、反応器出口部でのガス温度が高くなるの
で、生成物の(メタ)アクロレイン濃度が高くなると自
動酸化反応(自己分解反応)が起こりやすいという欠点
を有している。
【0009】また、アップフローについても、プロセス
流体と熱媒体が同じ向きで流れる並流式となる方法にお
いては、熱媒体温度が反応熱に伴って上昇するため、プ
ロセスの出口側温度が高くなるため、反応器出口で自動
酸化を起こしやすくなる。自動酸化反応の結果、生成物
は燃焼反応に至り、温度上昇による機器の破損、収率の
低下が起こるという問題点があった。
【0010】温度上昇を防ぐ目的として、反応部の下流
にガス温度を低下させるための、冷却ゾーン又は熱交換
器を設置して、自動酸化を防止する方法が提案されてい
る。しかし、並流にした場合、反応器出口付近の熱媒体
温度が高く、出口部でのプロセスガス温度も高いため除
熱量が大きくなり、冷却部(冷却ゾーン及び熱交換器)
が大型化しコスト的に不利となる。また、著しい自動酸
化反応が起こらない場合においても、一部の生成物が自
動酸化反応を起こすことにより、全体として目的生成物
の収率が低下するという問題がある。
【0011】
【特許文献1】特開平8−92147号公報
【特許文献2】特開2000−93784号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みなされたものであり、気相接触酸化方法において
反応器の生成物排出口でのプロセスガス温度を低減する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、反応管内
の触媒層ピーク温度を低減させるために充填する触媒を
不活性物質で希釈し、向流式の熱媒体循環方法を採用す
ることで、生成物の濃度が高い条件でも反応器の生成物
排出口付近のプロセスガス温度を低下させ、自動酸化反
応が防止できることを見出し、本発明に至った。
【0014】即ち、本発明の要旨は以下の通りである。 (1)原料供給口と生成物排出口とを有する円筒状反応
器シェルと、該円筒状反応器シェルに熱媒体を導入又は
導出するための、円筒状反応器シェルの外周に配置され
る複数の環状導管と、該複数の環状導管を互いに接続す
る循環装置と、該反応器の複数の管板によって拘束され
触媒を包含する複数の反応管と、該反応器シェルに導入
された熱媒体の方向を変更するための複数の邪魔板とを
該反応管の長手方向に有する多管式反応器を用いて、プ
ロピレン、プロパンもしくはイソブチレン、及び/又は
(メタ)アクロレインを分子状酸素含有ガスにて気相接
触酸化して、(メタ)アクロレイン及び/又は(メタ)
アクリル酸を得る方法において、前記反応管に、Mo−
Bi系触媒及び/又はSb−Mo系触媒を該反応管のプ
ロセスガス入口側から出口側に活性が高くなるように充
填し、熱媒体とプロセスガスとを向流式で流すことを特
徴とする気相接触酸化方法。 (2)前記Mo−Bi系触媒は、下記一般式(I)に示
されるものであり、前記Sb−Mo系触媒は、下記一般
式(II)に示されるものである(1)の気相接触酸化方
法。
【0015】
【化3】 MoabBicFedefghij (I) (式中、Moはモリブデン、Wはタングステン、Biは
ビスマス、Feは鉄、Aはニッケル及びコバルトから選
ばれる少なくとも一種の元素、Bはナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウム及びタリウムから選ばれる少
なくとも一種の元素、Cはアルカリ土類金属から選ばれ
る少なくとも一種の元素、Dはリン、テルル、アンチモ
ン、スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、ヒ素、ホ
ウ素及び亜鉛から選ばれる少なくとも一種の元素、Eは
シリコン、アルミニウム、チタニウム及びジルコニウム
から選ばれる少なくとも一種の元素、Oは酸素であり、
a、b、c、d、e、f、g、h、i及びjはそれぞれ
Mo、W、Bi、Fe、A、B、C、D、E及びOの原
子比を表し、a=12のとき、0≦b≦10、0<c≦
10、0<d≦10、2≦e≦15、0<f≦10、0
≦g≦10、0≦h≦4、0≦i≦30である。jは各
々の元素の酸化状態によって定まる数値である。)
【0016】
【化4】 SbkMol(V/Nb)mnpSiqr (II) (式中、Sbはアンチモン、Moはモリブデン、Vはバ
ナジウム、Nbはニオブ、Xは鉄(Fe)、コバルト
(Co)、ニッケル(Ni)及びBi(ビスマス)より
なる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Yは銅(C
u)及び/又はタングステン(W)、Siはケイ素、O
は酸素であり、また(V/Nb)はV及び/又はNbを
示すものであり、k、l、m、n、p、q及びrはそれ
ぞれSb、Mo、(V/Nb)、X、Y、Si及びOの
原子比を示し、1≦k≦100、1≦l≦100、0.
1≦m≦50、1≦n≦100、0.1≦p≦50、1
≦q≦100であり、rは各々の元素の酸化状態によっ
て定まる数値である。)
【0017】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。一般に、多管式反応器は酸化反応のように反応熱が
非常に大きく、触媒の反応温度を厳密に管理することに
より触媒を保護し、触媒の性能を高く保って反応器の生
産性を高めなければならない時に使用される。
【0018】近年は、プロピレン、プロパンからのアク
リル酸、イソブチレンからのメタクリル酸(まとめて
(メタ)アクリル酸と表現する)の生産量が、その需要
の増加に伴って飛躍的に拡大し、世界で多くのプラント
が建設されたり、プラントの生産規模も1プラントあた
り年間10万トン以上に拡大されてきている。プラント
の生産規模の拡大によって、1基の酸化反応器の生産量
を拡大する必要が生じ、その結果プロピレンやイソブチ
レンの気相接触酸化反応器の負荷が大きくなっている。
これに伴い、多管式反応器の除熱量の拡大要求はより高
性能なものとなり、多管式反応器の開発が重要となって
きた。
【0019】本発明は、原料供給口と生成物排出口とを
有する円筒状反応器シェルと、該円筒状反応器シェルに
熱媒体を導入又は導出するための、円筒状反応器シェル
の外周に配置される複数の環状導管と、該複数の環状導
管を互いに接続する循環装置と、該反応器の複数の管板
によって拘束され触媒を包含する複数の反応管と、該反
応器シェルに導入された熱媒体の方向を変更するための
複数の邪魔板とを該反応管の長手方向に有する多管式反
応器を用いて、被酸化物を分子状酸素含有ガスにて気相
接触酸化する方法において、前記反応管に、Mo−Bi
系触媒及び/又はSb−Mo系触媒を該反応管のプロセ
スガス入口側から出口側に活性が高くなるように充填
し、熱媒体とプロセスガスとを向流式で流すことを特徴
とする気相接触酸化方法である。
【0020】特に、本発明は、プロピレン、プロパンも
しくはイソブチレン、及び/又は(メタ)アクロレイン
を被酸化物として用い、分子状酸素含有ガスにて気相接
触酸化し、(メタ)アクロレイン及び/又は(メタ)ア
クリル酸を得る気相接触酸化方法である。
【0021】本発明において「プロセスガス」とは、原
料ガスとしての被酸化物と分子状酸素含有ガス、得られ
る生成物等、気相接触酸化反応に関わるガスのことであ
る。
【0022】以下、本発明の一つの実施態様を図1に従
って説明する。多管式反応器のシェル2に反応管1b、
1cが管板5a、5bに固定され配置されている。反応
の原料ガスの入り口である原料供給口、生成物の出口で
ある生成物排出口は4a又は4bである。プロセスガス
と熱媒体の流れが向流であれば、プロセスガスの流れ方
向は何れでもかまわないが、図1においては、反応器シ
ェル内の熱媒体の流れ方向が上昇流として矢印で記入さ
れているので、4bが原料供給口である。反応器シェル
の外周には熱媒体を導入する環状導管3aが設置され
る。熱媒体の循環ポンプ7によって昇圧された熱媒体
は、環状導管3aより反応器シェル内を上昇し、反応器
シェルの中央部付近に開口部を有する穴あき邪魔板6a
と、反応器シェルの外周部との間に開口部を有するよう
に配置された穴あき邪魔板6bとを交互に複数配置する
ことによって流れの方向が転換されて環状導管3bより
循環ポンプに戻る。反応熱を吸収した熱媒体の一部は循
環ポンプ7の上部に設けられた排出管より熱交換器(図
には示されていない)によって冷却されて熱媒体供給ラ
イン8aより、再度反応器へ導入される。熱媒体温度の
調節は、熱媒体供給ライン8aから導入される還流熱媒
体の温度又は流量を調節する。還流熱媒体の温度の測定
は、温度計14によって行われる。
【0023】熱媒体の温度調節は、用いる触媒の性能に
もよるが、熱媒体供給ライン8aと熱媒体抜き出しライ
ン8bとの熱媒体の温度差が1〜10℃、好ましくは2
〜6℃となるように行われる。
【0024】環状導管3a及び3bの内側の胴板部には
熱媒体流速の円周方向分布を極小化する為、整流板(図
示されていない)が設置されることが好ましい。整流板
は多孔板やスリットを持った板などが用いられ、多孔板
の開口面積やスリット間隔を変えて全円周より同流速で
熱媒が流入する様に設けられる。環状導管(3a、好ま
しくは3bも)内の温度は複数個の温度計15を設置し
て監視することが出来る。
【0025】外反応器シェル内に設置する邪魔板の数は
特に制限はないが、通常通り3枚(6aタイプ2枚と6
bタイプ1枚)設置するのが好ましい。この邪魔板の存
在により、熱媒体の流れは上昇流が妨げられ、反応管管
軸方向に対して横方向に転換し、熱媒体は反応器シェル
の外周部より中心部へ集まり、邪魔板6aの開口部で方
向転換して外周部へ向かいシェルの外筒に到達する。熱
媒体は、邪魔板6bの外周で再度方向転換して中心部へ
集められ、邪魔板6aの開口部を上昇して、反応器シェ
ルの上部管板5aに沿って外周へ向かい、環状導管3b
を通ってポンプに循環する。
【0026】反応器内に配置された反応管には温度計1
1が挿入され、反応器外まで信号が伝えられて、触媒層
の反応器管軸方向の温度分布が記録される。反応管には
複数本の温度計が挿入され、1本の温度計では管軸方向
に5〜20点の温度が測定される。
【0027】反応管は、3枚の邪魔板の開口部との関係
の配置により、即ち熱媒体の流れ方向との関係により2
種類に分けられる。
【0028】反応管1bは3枚の邪魔板6a、6b、6
aに拘束され、大部分の反応管はこの領域に配置されて
いる。熱媒体の流れ方向は、反応管1bの全領域で反応
管管軸方向に対しほぼ直角である。反応管1cは反応器
シェルの外周近くで、邪魔板6bには拘束されておらず
邪魔板6bの外周部に位置する。反応管1cの中央部で
は、熱媒体が方向転換する領域にあり、この領域即ち反
応管1cの中央部では熱媒体が反応管管軸方向と平行に
流れる。
【0029】図4は、図1の反応器を上方から見た図を
表している。邪魔板6aの開口部で熱媒体が集合する領
域、即ち反応器シェルの中心では熱媒体流れが管軸と平
行になるのみではなく、流速も非常に小さくなるため伝
熱効率は非常に悪いため、本発明においては該領域の中
心部には反応管を配置しない。
【0030】本発明に用いられる邪魔板は、邪魔板6a
が反応器シェルの中央部付近に開口部を持ち、邪魔板6
bが外周部とシェルの外筒との間に開口し、それぞれの
開口部で熱媒体が方向転換をし、熱媒体のバイパス流を
防ぎ、流速を変えられる構成であれば、図2に示すセグ
メントタイプの欠円邪魔板や図3に示す円盤形邪魔板の
どちらでも適用可能である。両タイプの邪魔板とも熱媒
体の流れ方向と反応管管軸との関係は変わらない。
【0031】通常の邪魔板としては、特に円盤形邪魔板
が多く用いられる。邪魔板6aの中心部開口面積は反応
器シェル断面積の5〜50%であるのが好ましく、さら
には10〜30%であるのが好ましい。邪魔板6bの反
応器シェル胴板2との開口面積は反応器シェル断面積の
5〜50%であるのが好ましく、さらには10〜30%
であるのが好ましい。邪魔板(6a及び6b)の開口比
が小さすぎると熱媒体の流路が長くなり、環状導管(3
a及び3b)間の圧力損失が増大し、熱媒体循環ポンプ
7の動力が大きくなる。邪魔板の開口比が大きすぎると
反応管(1c)の本数が増加してしまう。
【0032】各邪魔板の設置間隔(邪魔板6aと6bの
間隔及び邪魔板6aと管板5a、5bとの間隔)は等間
隔が多いが、必ずしも等距離である必要はない。反応管
内で発生する酸化反応熱によって決まる熱媒体の必要流
量を確保し、熱媒体の圧力損失が低くなる様に設定され
ることがよい。熱媒体入口の環状導管3aからはまた、
反応管内の温度分布のホットスポット位置と邪魔板の位
置が同じになることは避けなければならない。邪魔板表
面近傍の熱媒体流速が低下するので伝熱係数が低く、ホ
ットスポットとの位置が重なった時にはホットスポット
温度が更に高くなってしまうからである。
【0033】ホットスポット位置と邪魔板の位置が同じ
になることを避けるためには、予め、小規模装置(例え
ば、ベンチ設備、パイロット設備等)による実験や、コ
ンピュータシュミレーションにより検討しておくのが好
ましい。
【0034】気相接触酸化に用いられる多管式反応器に
は、原料ガスとして、プロピレン、プロパン又はイソブ
チレン、及び/又は(メタ)アクロレイン、分子状酸素
含有ガスと水蒸気の混合ガスが導入される。
【0035】本発明において、原料ガス中のプロピレ
ン、プロパンやイソブチレンの濃度は6〜10モル%で
あり、酸素はプロピレン、プロパン又はイソブチレンに
対して1.5〜2.5モル倍、水蒸気は0.8〜2モル
倍である。導入された原料ガスは、各反応管1b、1c
などに分割されて反応管内を通過し内包する酸化触媒の
もとで反応する。各反応管への原料ガスの分配は反応管
への触媒の充填量、充填密度などによって影響をうけ、
これは反応管への触媒充填操作時に決定されるので、触
媒を各反応管に均一に充填することは非常に重要であ
る。
【0036】反応管内の触媒は、原料ガス入口側から出
口側に向かって活性が高くなるように触媒層を配置する
ことが、ホットスポットの発生及びホットスポット部の
蓄熱の抑制することが可能となり、反応が安全かつ効率
的に行われ、触媒の寿命を損なうことなく生産性の向上
が達成できる。
【0037】反応管内の触媒の活性を変化するための方
法もいろいろあり、本発明に係る多管式反応器の反応管
への触媒充填に適用可能である。例えば、触媒の組成を
調節して触媒の異なる活性の触媒を用いたり、触媒粒子
を不活性物質粒子と混合し触媒を希釈することにより活
性の調整をする方法が挙げられる。具体的には、反応管
の原料ガス入口部分に不活性物質粒子割合の高い触媒
を、反応管の出口側にはこの割合の低い或いは希釈しな
い触媒を充填する。不活性物質粒子の使用割合は用いる
触媒によって異なるが、第1段の不活性物質粒子の使用
割合は0.3〜0.7が多く用いられる。第2段の不活
性物質粒子の使用割合は0.5〜1.0が好適に用いら
れる。触媒の活性変化或いは希釈は2〜5段が通常採用
される。
【0038】反応管に充填される触媒の希釈の程度は全
てについて同じである必要はない。例えば、反応管1b
のうち反応管中心に近い部分はホットスポット温度が高
いので触媒劣化の可能性が高く、これを避けるために、
このような箇所の反応管は他の部分の反応管よりも第1
段では不活性物質の割合を低くし、逆に第2段では触媒
の割合を多くすることも可能である。各反応管の反応転
化率が異なると反応器全体での平均転化率や収率に影響
があるので、希釈の程度を変更しても各反応管では同じ
転化率を得るように設定することが好ましい。
【0039】本発明において用いられる不活性物質粒子
としては、反応条件下で安定であり、原料物質及び生成
物と反応性がない材質ものであれば特に制限はないが、
具体的には、アルミナ、シリコンカーバイト、シリカ、
酸化ジルコニア、酸化チタン等の触媒の担体に用いられ
るものが良い。またその形状は、触媒と同様に制限はな
く、球状、円柱状、リング状、不定形等のいずれでも良
い。大きさは、反応管径及び差圧を考慮して決めればよ
い。
【0040】反応管内を通過する原料ガスは、初めは反
応管の原料ガス入口部分に充填された活性が低い触媒層
を通過する間に加熱され反応開始温度に達する。反応管
に次の層として内包する触媒によって原料(プロピレン
あるいはイソブチレン)が酸化反応され、その酸化反応
熱でさらに温度上昇する。反応量は原料ガス入口近くの
触媒層がもっとも多く、通常は熱媒体による除熱量より
大きく発生する反応熱は原料ガスの温度上昇として働
き、ホットスポットが形成される。ホットスポットは触
媒活性の調整にもよるが、反応管の原料ガス入口から反
応管長さ全体の10〜80%の位置となることが多く、
例えば、3〜4mの反応管を用いた場合、反応管原料ガ
ス入口の0.3〜3.2mの位置に形成される。
【0041】ここで発生する反応熱の発生量が、熱媒体
の反応管外よりの除熱能力を超えたときには、原料ガス
温度は益々上昇しさらに反応熱の発生量も拡大して、つ
いには暴走反応にいたり、触媒の耐えうる最高温度を超
えて触媒が質的な変化を受け劣化や破壊に繋がる。プロ
ピレンの分子状酸素含有ガスによる酸化反応でアクロレ
インを製造する前段反応器を例に説明すれば、熱媒体温
度は250〜350℃であり、該ホットスポットの許容
最高温度は400〜500℃である。またアクロレイン
を分子状酸素含有ガスにて酸化しアクリル酸を得る後段
反応器の熱媒体温度は200〜300℃であり、ホット
スポットの許容最高温度は300〜400℃である。
【0042】反応器のシェル側に流動する熱媒体として
は、硝酸塩類の混合物であるナイターが多く用いられる
が、有機液体系のフェニルエーテル系熱媒体も用いられ
ることもある。該熱媒体の流動によって反応管中の反応
熱が除熱されるが、熱媒体導入の環状導管3aより反応
器シェル内に導入された熱媒体は、反応器外周部より中
心部へ流れる領域と、中心部で流れ方向を反転する領域
が存在し、それぞれの領域で除熱効果が極端に異なるこ
とが見いだされた。熱媒体の流れ方向が反応管の管軸と
直角のとき、伝熱係数は1,000〜2,000W/m
2℃であるが、直角ではない流れのときは流速や上方流
か下降流かによって異なるが熱媒体としてナイターを用
いた場合で100〜300W/m2℃にしかならないこ
とがわかった。
【0043】他方、反応管内触媒層内の伝熱係数は勿論
原料ガスの流速に依存するが、100W/m2℃程度で
あるから、当然ながら、伝熱の律速は管内のガス相であ
ることは従来の認識と変わらない。具体的に熱媒体の流
れが反応管軸に直角の時、管外の伝熱抵抗は、管内ガス
側の10〜20分の1であり、熱媒体側の流速が変化し
ても総括の伝熱抵抗への影響は小さい。しかし、熱媒体
が管軸と平行の流れの時には反応管の内外で伝熱係数が
同程度である為、除熱効率は管外の流動状態の影響は大
きい。即ち、管外の伝熱抵抗が100W/m2℃のと
き、総括の伝熱係数はその半分になり、更に管外の伝熱
抵抗の変化の半分が総括の伝熱係数に影響する。
【0044】酸化反応器内で酸化触媒を包含する反応管
管内はガス相であることと、ガス線速度は触媒の抵抗に
よって制限され、管内の伝熱係数は最も小さく伝熱律速
となるため、ガス線速度に大きく影響する反応管内径は
非常に重要である。
【0045】本発明に係る多管式反応器の反応管内径
は、反応管内の反応熱量と触媒粒径によって影響される
が、10〜50mmが好ましく用いられ、より好ましく
は20〜30mmである。反応管内径が小さすぎると充
填される触媒の量が減少し、必要な触媒量に対して反応
管本数が多くなり反応器が大きくなってしまう。一方、
反応管内径が大きすぎると必要な触媒量に対して反応管
表面積が小さくなり、反応熱の除熱のための伝熱面積を
小さくしてしまう。
【0046】本発明の気相接触酸化方法は、プロピレ
ン、プロパン又はイソブチレンを分子状酸素含有ガスで
酸化して(メタ)アクロレインを得る気相接触酸化反応
や(メタ)アクロレインを分子状酸素含有ガスで酸化し
(メタ)アクリル酸を得る気相接触酸化反応に好適に適
用される。プロピレン、プロパン又はイソブチレンの酸
化に用いられる触媒は、Mo−Bi系に多成分複合金属
酸化物が、アクロレインを酸化してアクリル酸を製造す
る触媒はSb−Mo系が用いられる。
【0047】なお、本発明に用いられるMo−Bi系触
媒は、下記一般式(I)に示されるものである。
【0048】
【化5】 MoabBicFedefghij (I) (式中、Moはモリブデン、Wはタングステン、Biは
ビスマス、Feは鉄、Aはニッケル及びコバルトから選
ばれる少なくとも一種の元素、Bはナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、セシウム及びタリウムから選ばれる少
なくとも一種の元素、Cはアルカリ土類金属から選ばれ
る少なくとも一種の元素、Dはリン、テルル、アンチモ
ン、スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、ヒ素、ホ
ウ素及び亜鉛から選ばれる少なくとも一種の元素、Eは
シリコン、アルミニウム、チタニウム及びジルコニウム
から選ばれる少なくとも一種の元素、Oは酸素であり、
a、b、c、d、e、f、g、h、i及びjはそれぞれ
Mo、W、Bi、Fe、A、B、C、D、E及びOの原
子比を表し、a=12のとき、0≦b≦10、0<c≦
10(好ましくは0.1≦c≦10)、0<d≦10
(好ましくは0.1≦d≦10)、2≦e≦15、0<
f≦10(好ましくは0.001≦f≦10)、0≦g
≦10、0≦h≦4、0≦i≦30である。jは各々の
元素の酸化状態によって定まる数値である。)
【0049】なお、本発明で使用するMo−Bi系触媒
は、例えば、特公平6−13096号公報等に、またS
b−Mo系触媒は、特公平6−38918号公報等に開
示される方法により製造されたものが好ましい。
【0050】例えば、Mo−Bi系触媒の製造は、Bi
供給源化合物として予めC成分とBiを炭酸塩として複
合させたものを製造して用いることに配慮する点以外、
通常の製造法と同様に行う。予めC成分とBiとを複合
させた炭酸塩を製造するには、例えばBi及びC成分そ
れぞれの硝酸塩化合物水溶液を所定量混合し、これを炭
酸アンモン又は重炭酸アンモン水溶液に滴下混合し、得
られた沈殿を洗滌及び必要ならば乾燥すればよい。
【0051】Mo−Bi系触媒の製造は、一般に、各元
素の供給源化合物の水性系での一体化及び加熱工程から
なる。ここで、「各元素の供給源化合物の水性系での一
体化」とは、各化合物の水溶液ないし水分散液を一時に
あるいは段階的に一体化させることを意味する。ここで
「各元素の供給源化合物」とは、各元素のそれぞれにつ
いてのそれぞれの化合物のみを意味するのではなく、複
数の元素を共に含む化合物(例えばMoとPについての
リンモリブテン酸アンモン等)を包含する。また、ここ
でいう一体化は各元素の供給源化合物のみの一体化を意
味するものではなく、必要に応じて使用することがある
アルミナ、シリカ・アルミナ、耐火性酸化物等の担体材
料を一体化させる場合も包含する。
【0052】一方、「加熱」は、まず、その目的が各元
素の供給源化合物の個々の酸化物及び/又は複酸化物の
形成及び/又は一体化により生じた複合化合物の酸化物
及び/又は複酸化物の形成及び/又は生成最終複合酸化
物の熱処理にある。そして、この加熱はその対象が第一
義的には各元素の供給源化合物の一体化物でなくてもよ
く、また加熱は必ずしも1回に限られない。
【0053】従って、本発明において「加熱」は、各元
素の供給源化合物の各々についてこれを実施して酸化物
の形成(及び場合によっては複酸化物の形成)を段階的
に実施する場合を包含する。また、「一体化及び加熱を
含む」とは、これら両工程の外に他の合目的工程、例え
ば、乾燥、粉砕、成形、その他を実施しても良いことを
意味する。
【0054】本発明において、Bi供給源化合物は水不
溶性のMg、Ca、Zn、Ce及び/又はSmを含有し
た次炭酸ビスマスである。この化合物は、粉末の形態で
使用することが好ましい。触媒製造原料としてのこれら
の化合物は粉末より大きな粒子のものであってもよい
が、その熱拡散を行わせるべき加熱工程を考えれば小さ
い粒子である方が好ましい。従って、原料としてのこれ
らの化合物が粒子の小さいものでない場合は、加熱工程
前に粉砕を行う方がよい。
【0055】本発明における触媒の製造法の具体例を示
せば、下記の通りである。適当なモリブテン化合物、好
ましくはモリブテン酸アンモニウムの水溶液に、鉄、コ
バルト、及びニッケルの化合物、好ましくはそれぞれの
硝酸塩の水溶液を加える。更に、ナトリウム、カリウ
ム、ルビジウム、タリウム、ホウ素、リン、ヒ素、及び
/又はタングステンの化合物、好ましくはそれぞれの水
溶性塩をそれらの水溶液として加える。更に必要ならば
粒状あるいはコロダイル状のシリカを加える。次に予め
C成分を含有した次炭酸ビスマス粉末を加える。予めC
成分を含有した次炭酸ビスマスは、前記のようにビスマ
ス、ならびにMg、Ca、Zn、Ce及び/又はSmの
水溶性化合物、好ましくはそれぞれの硝酸塩化合物の水
溶液を混合し、これを炭酸アンモニウム又は重炭酸アン
モニウム水溶液に滴下混合し、得られたスラリーを水洗
及び乾燥することにより製造される。
【0056】次に、得られたスラリーを十分に攪拌した
後、乾燥する。乾燥された顆粒あるいはケーキ状のもの
は空気中で250〜350℃の温度域で短時間の熱処理
を行う。この時、得られた熱処理品においては、鉄、コ
バルト及びニッケルはすでに酸性酸化物との塩を形成し
ているのに対し、次炭酸ビスマスの大部分は原料の形態
を示していた。このことは、次炭酸ビスマスの添加時期
は任意に取り得ることを意味している。
【0057】このようにして得られた分解品を、押出成
型、打錠成型、あるいは担持成型等の方法により任意の
形状に賦形する。次にこのものを、好ましくは450〜
650℃の温度条件にて1〜16時間程度の最終熱処理
に付す。
【0058】また、前記Sb−Mo系触媒は、下記一般
式(II)に示されるものである。
【0059】
【化6】 SbkMol(V/Nb)mnpSiqr (II) (式中、Sbはアンチモン、Moはモリブデン、Vはバ
ナジウム、Nbはニオブ、Xは鉄(Fe)、コバルト
(Co)、ニッケル(Ni)及びBi(ビスマス)より
なる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Yは銅(C
u)及び/又はタングステン(W)、Siはケイ素、O
は酸素であり、また(V/Nb)はV及び/又はNbを
示すものであり、k、l、m、n、p、q及びrはそれ
ぞれSb、Mo、(V/Nb)、X、Y、Si及びOの
原子比を示し、1≦k≦100(好ましくは10≦k≦
100)、1≦l≦100(好ましくは1≦l≦5
0)、0.1≦m≦50(好ましくは1≦m≦20)、
1≦n≦100(好ましくは10≦n≦100)、0.
1≦p≦50(好ましくは1≦p≦20)、1≦q≦1
00(好ましくは10≦q≦100)であり、rは各々
の元素の酸化状態によって定まる数値である。)
【0060】本発明に用いられるSb−Mo系触媒は、
Sb供給源化合物としてSb−X−Si−Oで示され
る、600〜900℃で加熱された複合酸化物を用いて
製造したものが好ましい。
【0061】このような複合酸化物は、Sb源として金
属Sbや酸化アンチモン等を、X成分の原料としてその
硝酸塩やハロゲン化物等を、Si源としてコロイダルシ
リカや粒状シリカ等を用い、例えばX成分原料の水溶液
に、Sb源及びSi源を加えて攪拌下で蒸発乾固して得
られる固体を、600〜900℃、好ましくは650〜
850℃で分子状酸素(例えば空気)の存在下で加熱処
理して得ることができる。
【0062】この複合酸化物をSbw−Xx−Siy−Oz
で示した場合の各元素の原子比は、1≦w≦40(好ま
しくは1≦w≦20)、1≦x≦20(好ましくは1≦
x≦10)、1≦y≦10(好ましくは1≦y≦5)で
あるのが好ましい。なお、zは各成分元素の酸化度によ
って定まる数値である。
【0063】このようなSbの複合酸化物を用いること
以外は、Sb−Mo系触媒は、一般的な複合酸化物触媒
の製造法によって製造することができる。Sb−Mo系
触媒の仕上がり触媒のSbの少なくとも25%以上、好
ましくは50〜100%を上記の複合酸化物で供給する
ことが好ましい。
【0064】触媒製造の一具体例として、上記のように
得られたSb−X−Si−O複合酸化物粉末をMo、V
又はNbの多重酸(例えば、モリブテン酸又はリンモリ
ブテン酸)又はこれらの塩(例えば、アンモニウム
塩)、これらの金属の水酸化物又は塩、並びにY成分
(例えば、銅化合物及びタングステン化合物等)を湿式
にて混合し、濃縮、乾燥後、粉砕する方法が挙げられ
る。
【0065】本発明で使用する触媒は、押し出し成型法
又は打錠成型法で成型された成型触媒でもよく、また触
媒成分よりなる複合酸化物を、炭化ケイ素、アルミナ、
酸化ジルコニウム、酸化チタンなどの不活性な担体に担
持した担持触媒でも良い。
【0066】本発明で使用する触媒の形状は、特に制限
はなく、球状、円柱状、円筒状、リング状、星型状、不
定形などのいずれでも良い。特にリング状触媒を使用す
るとホットスポット部における蓄熱の防止に効果があ
る。
【0067】なお、反応管の原料ガス入口に充填される
触媒は、出口側に充填される触媒と同じ組成、形状であ
っても良く、異なる触媒でも良い。
【0068】(メタ)アクリル酸を製造するには、プロ
ピレン又はイソブチレンは2段で酸化するため、2基の
多管式反応器を用い、それぞれに別の触媒を充填して反
応を行う場合や、また、1基の反応器のシェル側を中間
管板で2以上の部屋に分割しそれぞれ別の触媒を充填
し、一気に(メタ)アクリル酸を得るような反応を行う
場合のいずれにも本発明は適用できる。
【0069】図5は反応器のシェルを中間管板9で分割
した場合の多管式反応器を示しており、本発明の気相接
触酸化方法はこれを用いた方法も包含する。分割された
それぞれの空間は別々の熱媒体が循環され、別々の温度
に制御される。原料ガスは4a又は4bのどちらから導
入されても良いが、図5では、反応器シェル内の熱媒体
の流れ方向が上昇流として矢印で記入されているので、
原料ガスプロセスガスの流れが熱媒体の流れと向流とな
る4bが原料供給口である。原料供給口4bから導入さ
れた原料ガスが反応器の反応管内で逐次に反応する。
【0070】図5に示す多管式反応器は、中間管板9で
区切られた反応器の上下のエリア(図5においてAエリ
ア、Bエリア)で異なる温度の熱媒体が存在するため、
反応管内は、1)同一触媒を全体に充填し、反応管の原
料ガス入口と出口で温度を変えて反応させるケース、
2)原料ガス入口部には触媒を充填し、反応生成物を急
激に冷却するため出口部分には触媒を充填せず空筒ある
いは反応活性の無い不活性物質を充填するケース、3)
原料ガス入口部分と出口部分には異なる触媒が充填さ
れ、その間に反応生成物を急激に冷却するため触媒を充
填せず空筒あるいは反応活性の無い不活性物質を充填す
るケースがある。
【0071】例えば、図5に示す本発明に用いる多管式
反応器にプロピレン、プロパン又はイソブチレンを分子
状酸素含有ガスとの混合ガスとして、原料供給口4bか
ら導入し、まず前段反応用の1段目(反応管のAエリ
ア)で(メタ)アクロレインとし、さらに後段反応用の
2段目(反応管のBエリア)で該(メタ)アクロレイン
を酸化し(メタ)アクリル酸を製造する。反応管の1段
部分(以下、「前段部分」ともいう)と2段部分(以
下、「後段部分」ともいう)には別の触媒が充填され、
それぞれ異なった温度に制御されて最適な条件で反応が
行われる。反応管の前段部分と後段部分の間の中間管板
が存在する部分には反応には関与しない不活性物質が充
填されることが好ましい。
【0072】図6に中間管板を拡大して示す。前段部分
と後段部分では異なった温度に制御されるが温度差が1
00℃を超えるような時には、高温熱媒体から低温熱媒
体への熱移動が無視できなくなり、低温側の反応温度の
精度が悪化する傾向がある。このような場合には、中間
管板の上あるいは下で熱移動を妨げる断熱が必要とな
る。図6は断熱板を用いた場合であり、中間管板の下あ
るいは上の10cm程度の位置に2〜3枚の熱遮蔽板1
0を設置することにより、熱媒体が充満しているが、流
れのない淀み空間12を形成しこれにより断熱効果を持
たせることが好ましい。熱遮蔽板10は、例えばスペー
サーロッド13により中間管板9に固定される。
【0073】図1及び図5には、反応器シェル内の熱媒
体の流れ方向が上昇流として矢印で記入されているが、
本発明では逆方向でも可能である。熱媒体の循環流の方
向の決定に際しては、反応器シェル2及び循環ポンプ7
の上端に存在するであろうガス、具体的には窒素などの
不活性ガスが熱媒体流に巻き込まれる現象を避けなけれ
ばならない。熱媒体が上昇流(図1)の場合には、循環
ポンプ7内の上部でガスが巻き込まれると循環ポンプ内
でキャビテーション現象がみられポンプが破損する最悪
の場合もある。熱媒体が下降流の場合は、反応器シェル
上部でガスも巻き込み現象がおこり、シェル上部に気相
の滞留部ができ、該ガス滞留部の配置された反応管の上
部は熱媒体によって冷却されない。
【0074】ガス溜まりの防止策はガス抜きラインを設
置し、ガス層のガスを熱媒体で置換することが必須であ
り、そのためには熱媒体に供給ライン8aの熱媒体圧力
を高くし、熱媒体の抜き出しライン8bを出来る限り上
方に設置することによってシェル内圧力上昇を計る。熱
媒体抜き出しラインは少なくとも管板5aより上方に設
置されることが好ましい。
【0075】プロピレン、プロパン又はイソブチレンを
分子状酸素含有ガスで酸化する多管式反応器において、
図1に示す多管式反応器を採用し、プロセスガスが下降
流の場合、即ち原料ガスが4bから入り生成物が4aか
ら排出される場合には、反応器の生成物排出口4a付近
において、目的生成物である(メタ)アクロレインの濃
度が高く、反応熱によって加熱されることからプロセス
ガス温度も高くなる。したがって、この場合には図1の
反応器の4a以降に熱交換器を設置しプロセスガスを十
分冷却し(メタ)アクロレインが自動酸化反応を起こさ
ないようにするのが好ましい。
【0076】また、図5に示す多管式反応器を採用し、
プロセスガスが下降流の場合、即ち原料ガスが4bから
入り生成物が4aから排出される場合には、1段目(反
応管のAエリア)の反応終了点である中間管板9付近に
おいては、目的生成物である(メタ)アクロレインの濃
度が高く、反応熱によって加熱されることからプロセス
ガス温度も高くなる。触媒を1段目(反応管のAエリ
ア:5a−6a−6b−6a−9)のみに充填した場
合、反応管1b、1cの2段目(反応管のBエリア:9
から5bの間)では反応を実施せず、シェル側流路に流
れる熱媒体によってプロセスガスを冷却し、(メタ)ア
クロレインが自動酸化反応を起こさないようにする。こ
の場合、反応管1b、1cのBエリア(9から5bの
間)には触媒を充填せず、空筒とするか又は反応活性の
無い固体を充填する。熱伝達の特性をよくするためには
後者が望ましい。
【0077】また、図5に示す多管式反応器の1段目
(反応管のAエリア:5a−6a−6b−6a−9)と
2段目(反応管のBエリア:9−6a’−6b’−6
a’−5b)に異なる触媒を充填し、1段目でプロピレ
ン、プロパン又はイソブチレンから(メタ)アクロレイ
ンを得、2段目で及び(メタ)アクリル酸を得る場合に
は、1段目の触媒層温度が2段目の触媒層温度に比べ高
くなる。具体的には、1段目の反応終了点付近(6a−
9)及び2段目反応開始点付近(9−6a’)が高温と
なるため、この部分では反応を実施せず、シェル側流路
に流れる熱媒体によってプロセスガスを冷却し、(メ
タ)アクロレインが自動酸化反応を起こさないようにす
ることが好ましい。この場合、中間管板9付近(反応管
1b、1cの6a−9−6a’の間)に触媒を充填しな
い部分を設置し、空筒とするか又は反応活性の無い固体
を充填する。熱伝達の特性をよくするためには後者が望
ましい。
【0078】なお、本発明の気相接触酸化方法に用いら
れる反応器は、一体のシェルに複数の反応管が内装され
てなる多管式熱交換器型反応器に限定されているが、こ
れらは、産業上の利用形態を考慮した限定であり、本発
明の気相接触酸化方法は、単管の反応器にも適用するこ
とができ、単管の反応器においても前記反応器に適用し
た場合と同様の効果を奏する。
【0079】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例によりさら
に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り以下の実施例によって限定されるものではない。
【0080】
【実施例1】パラモリブテン酸アンチモン94重量部を
純水400重量部に加熱溶解し、硝酸第二鉄7.2重量
部、硝酸コバルト25重量部及び硝酸ニッケル38重量
部を純水60重量部に加熱溶解させた。これらの溶液を
十分に攪拌しながら混合した。
【0081】次に、純水40重量部にホウ砂0.85重
量部及び硝酸カリウム0.36重量部を加熱下で溶解さ
せ、上記スラリーに加えた。次に粒状シリカ64重量部
を加えて攪拌した。次に予めMgを0.8重量%複合し
た次炭酸ビスマス58重量部を加えて攪拌混合し、この
スラリーを加熱乾燥した後、空気雰囲気で300℃、1
時間熱処理し、得られた粒状固体を成型機を用いて直径
5mm、高さ4mmの錠剤に打錠成型し、次に500
℃、4時間の焼成を行って前段触媒を得た。
【0082】得られた触媒は、Mo(12)Bi(5)
Ni(3)Co(2)Fe(0.4)Na(0.2)M
g(0.4)B(0.2)K(0.1)Si(24)O
(x)の組成の触媒粉(酸素の組成xは各金属の酸化状
態によって定まる値である)の組成比を有するMo−B
i系複合酸化物であった。
【0083】本実施例では、図1に示すものと同様の多
管式反応器を用いた。具体的には、反応管の長さが3.
5m、内径27mmのステンレス製反応管を10,00
0本有する反応器シェル(内径4,500mm)の多管
式反応器を用いた。反応管は、反応器シェルの中央部付
近に開口部を有する穴あき円盤形邪魔板6a中央の円形
開口部領域には配置されていない。邪魔板は、反応器シ
ェルの中央部付近に開口部を有する穴あき円盤形邪魔板
6aと、反応器シェルの外周部との間に開口部を有する
ように配置された穴あき円盤形邪魔板6bが6a−6b
−6aの順に等間隔に設置されていて、邪魔板の開口比
は各々18%である。
【0084】熱媒体として硝酸塩類混合物溶融塩(ナイ
ター)を用い、これを反応器下部より供給した。
【0085】各反応管に充填する触媒としては、上記前
段触媒と触媒活性を有しない直径5mmのシリカ製ボー
ルを混合して触媒活性を調節したものを使用し、反応管
入口から触媒活性の比が0.5、0.7、1となるよう
に充填した。
【0086】原料ガスは反応器上部より供給することで
熱媒体と向流式とし、ゲージ圧75kPa(キロパスカ
ル)でプロピレン濃度9モル%、分子状酸素濃度1.9
モル%、水9モル%、窒素80.1モル%の原料ガスを
供給した。反応管には管軸方向に10点の測定点を有す
る温度計を挿入して温度分布を測定した。
【0087】熱媒体温度を330℃に設定し1週間運転
したところ、プロピレン転化率は97%で、アクロレイ
ンとアクリル酸の合計収率は92%であった。反応温度
としては、反応器へ供給するナイターの温度を用いた。
ナイターの入口と出口の温度差は4℃であった。
【0088】熱媒体温度を330℃に維持したまま運転
を1ヶ月間継続した後の、プロピレン転化率は96.8
%で、収率91.9%であった。反応器出口でのガス温
度は運転期間中ほぼ330度で一定であった。
【0089】
【比較例1】実施例1で用いた触媒を使用し、同様の方
法で充填を行った。
【0090】反応管の長さが3.5m、内径27mmの
ステンレス製反応管を9,500本有する反応器シェル
(内径5,000mm)の多管式反応器を用いた。反応
管は、反応器シェルの中央部付近に開口部を有する穴あ
き円盤形邪魔板6a中央の円形開口部領域には配置され
ていない。邪魔板は、反応器シェルの中央部付近に開口
部を有する穴あき円盤形邪魔板6aと、反応器シェルの
外周部との間に開口部を有するように配置された穴あき
円盤形邪魔板6bが6a−6b−6aの順に等間隔に設
置されていて、邪魔板の開口比は各々18%であり、実
施例1で用いたものと同様である。
【0091】熱媒体として硝酸塩類混合物溶融塩(ナイ
ター)を用い、これを反応器下部より供給した。反応器
下部(原料供給口4a)よりゲージ圧75kPa(キロ
パスカル)でプロピレン濃度9モル%、分子状酸素濃度
1.9モル%、水9モル%、窒素80.1モル%の原料
ガスを熱媒体と並流式として供給するように変更して運
転を行った。プロピレン転化率を97%にするため熱媒
体供給温度を調整したところ333℃となった。
【0092】運転開始1週間後に収率を測定したとこ
ろ、収率91%であった。このとき反応器出口でのガス
温度を測定したところ、337℃であった。
【0093】運転を継続したところ運転開始から10日
目に反応器出口部でのガス温度が337℃から急激に上
昇したため、運転を停止した。運転停止後、反応器を開
放点検したところ、生成物排出口4bの配管に黒い付着
物がみられたので分析したところ炭素分であった。
【0094】前述した実施例1及び比較例1から明らか
なように、反応管のプロセスガス入口側から出口側に触
媒活性が高くなるように触媒を反応管に充填することに
より、反応器の生成物排出口でのプロセスガス温度を低
減することができる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、多管式反応器の循環熱
媒体をプロセスガスの向きと反対に流す向流式とし、反
応管に充填する触媒を特定の触媒とすることで、生成物
の温度を低下させることができ、生成物の自動酸化反応
を防止して、高収率で目的物を得られるとともに自動酸
化反応による温度の異常な上昇による機器の破損を防ぐ
事ができる多管式反応器及び気相接触酸化方法を提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の気相接触酸化方法に用いる多管式熱
交換型反応器の一つの実施の形態を示す。
【図2】 本発明に係る多管式熱交換型反応器に用いる
邪魔板の一つの実施の形態を示す。
【図3】 本発明に係る多管式熱交換型反応器に用いる
邪魔板の一つの実施の形態を示す。
【図4】 本発明に係る多管式熱交換型反応器を上方か
ら見た図を示す。
【図5】 本発明の気相接触酸化方法に用いる多管式熱
交換型反応器の一つの実施の形態を示す。
【図6】 図5の多管式熱交換型反応器のシェルを分割
する中間管板の拡大図を示す。
【符号の説明】
1b、1c 反応管 2 シェル 3a、3b 環状導管 4a 生成物排出口 4b 原料供給口 5a、5b 管板 6a、6b 穴あき邪魔板 7 循環ポンプ 8a 熱媒体供給ライン 8b 熱媒体抜き出しライン 9 中間管板 10 熱遮蔽板 11、14、15 温度計 12 淀み空間 13 スぺーサーロッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 51/235 C07C 51/235 51/25 51/25 57/05 57/05 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 神野 公克 三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株 式会社内 Fターム(参考) 4G069 AA02 AA08 BB06A BB06B BC02A BC02B BC03A BC03B BC05A BC06A BC08A BC10A BC10B BC16A BC19A BC21A BC22A BC25A BC25B BC26A BC27A BC31A BC35A BC43A BC50A BC51A BC54A BC55A BC59A BC59B BC60A BC62A BC66A BC66B BC67A BC67B BC68A BC68B BD03A BD03B BD05A BD05B BD07A BD10A CB10 CB17 DA06 EA02Y FA01 FB04 FB30 FB64 FC08 4H006 AA02 AC45 AC46 BA02 BA06 BA09 BA10 BA11 BA12 BA13 BA14 BA16 BA19 BA20 BA21 BA30 BA31 BA35 BA60 BA81 BC10 BC32 BD21 BD81 BE30 BS10 4H039 CA62 CA65 CC30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料供給口と生成物排出口とを有する円
    筒状反応器シェルと、該円筒状反応器シェルに熱媒体を
    導入又は導出するための、円筒状反応器シェルの外周に
    配置される複数の環状導管と、該複数の環状導管を互い
    に接続する循環装置と、該反応器の複数の管板によって
    拘束され触媒を包含する複数の反応管と、該反応器シェ
    ルに導入された熱媒体の方向を変更するための複数の邪
    魔板とを該反応管の長手方向に有する多管式反応器を用
    いて、プロピレン、プロパンもしくはイソブチレン、及
    び/又は(メタ)アクロレインを分子状酸素含有ガスに
    て気相接触酸化して(メタ)アクロレイン及び/又は
    (メタ)アクリル酸を得る方法において、 前記反応管に、Mo−Bi系触媒及び/又はSb−Mo
    系触媒を該反応管のプロセスガス入口側から出口側に活
    性が高くなるように充填し、 熱媒体とプロセスガスとを向流式で流すことを特徴とす
    る気相接触酸化方法。
  2. 【請求項2】 前記Mo−Bi系触媒は、下記一般式
    (I)に示されるものであり、前記Sb−Mo系触媒
    は、下記一般式(II)に示されるものである請求項1に
    記載の気相接触酸化方法。 【化1】 MoabBicFedefghij (I) (式中、Moはモリブデン、Wはタングステン、Biは
    ビスマス、Feは鉄、Aはニッケル及びコバルトから選
    ばれる少なくとも一種の元素、Bはナトリウム、カリウ
    ム、ルビジウム、セシウム及びタリウムから選ばれる少
    なくとも一種の元素、Cはアルカリ土類金属から選ばれ
    る少なくとも一種の元素、Dはリン、テルル、アンチモ
    ン、スズ、セリウム、鉛、ニオブ、マンガン、ヒ素、ホ
    ウ素及び亜鉛から選ばれる少なくとも一種の元素、Eは
    シリコン、アルミニウム、チタニウム及びジルコニウム
    から選ばれる少なくとも一種の元素、Oは酸素であり、
    a、b、c、d、e、f、g、h、i及びjはそれぞれ
    Mo、W、Bi、Fe、A、B、C、D、E及びOの原
    子比を表し、a=12のとき、0≦b≦10、0<c≦
    10、0<d≦10、2≦e≦15、0<f≦10、0
    ≦g≦10、0≦h≦4、0≦i≦30である。jは各
    々の元素の酸化状態によって定まる数値である。) 【化2】 SbkMol(V/Nb)mnpSiqr (II) (式中、Sbはアンチモン、Moはモリブデン、Vはバ
    ナジウム、Nbはニオブ、Xは鉄(Fe)、コバルト
    (Co)、ニッケル(Ni)及びBi(ビスマス)より
    なる群から選ばれる少なくとも一種の元素、Yは銅(C
    u)及び/又はタングステン(W)、Siはケイ素、O
    は酸素であり、また(V/Nb)はV及び/又はNbを
    示すものであり、k、l、m、n、p、q及びrはそれ
    ぞれSb、Mo、(V/Nb)、X、Y、Si及びOの
    原子比を示し、1≦k≦100、1≦l≦100、0.
    1≦m≦50、1≦n≦100、0.1≦p≦50、1
    ≦q≦100であり、rは各々の元素の酸化状態によっ
    て定まる数値である。)
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