JP2003304699A - 発電装置 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】接続された原動機の運転状況に拘わらず所定の
電力を発電可能な発電装置であって,高い制御応答性と
信頼性を有すると共に,小型軽量な発電装置を提供する
こと。 【解決手段】複数相巻線を有するロータとステータを具
備する発電機と,上記ロータの各巻線に交流電圧を供給
する界磁手段と,上記ロータの界磁電流を検出する電流
検出手段と,上記界磁手段が供給すべき上記交流電圧の
位相を演算する位相演算手段と,上記界磁電流を複数相
変換し,d軸及びq軸界磁電流を生成する第1の変換手
段と,上記d軸及びq軸界磁電流に対する電流指令を演
算する電流指令演算手段と,上記d軸及びq軸方向への
d軸/q軸界磁電圧指令をそれぞれ演算する電流制御手
段と,上記d軸/q軸界磁電圧指令をd−q軸変換し,
上記界磁手段Cから供給される上記交流電圧を制御する
ための電圧指令を生成する第2の変換手段とを具備する
発電装置として構成する。
電力を発電可能な発電装置であって,高い制御応答性と
信頼性を有すると共に,小型軽量な発電装置を提供する
こと。 【解決手段】複数相巻線を有するロータとステータを具
備する発電機と,上記ロータの各巻線に交流電圧を供給
する界磁手段と,上記ロータの界磁電流を検出する電流
検出手段と,上記界磁手段が供給すべき上記交流電圧の
位相を演算する位相演算手段と,上記界磁電流を複数相
変換し,d軸及びq軸界磁電流を生成する第1の変換手
段と,上記d軸及びq軸界磁電流に対する電流指令を演
算する電流指令演算手段と,上記d軸及びq軸方向への
d軸/q軸界磁電圧指令をそれぞれ演算する電流制御手
段と,上記d軸/q軸界磁電圧指令をd−q軸変換し,
上記界磁手段Cから供給される上記交流電圧を制御する
ための電圧指令を生成する第2の変換手段とを具備する
発電装置として構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,接続された原動機
によって駆動され発電する発電装置に係り,特に該原動
機の運転状況に拘わらず所定の出力電圧及び出力周波数
で発電可能なものに関する。
によって駆動され発電する発電装置に係り,特に該原動
機の運転状況に拘わらず所定の出力電圧及び出力周波数
で発電可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】航空機には,計器,通信機器,照明装置
その他多くの電気設備に対して電力を供給する発電装置
として,エンジンの回転出力によって駆動される発電機
によって発電する発電装置が搭載されることが一般的で
ある。しかしながら,航空機のエンジン回転数は,その
飛行情況(例えば離陸時と着陸時など)によって大きく
変動する。そのため,エンジンと発電機を直結した構成
の発電装置では,エンジン回転数の変動に伴って該発電
装置で発電される電力の周波数が動揺し,当該発電装置
に要求される電力の仕様(MIL−STD−704A
(米軍規格)において115V/400Hzの交流電力
と規定されている)を遵守することができない。そこ
で,航空機用に搭載される発電装置には,エンジンの回
転数に拘わらず発電機を所定の出力周波数の電力を発電
するための補償機構が必要となる。上記補償機構の一例
としては,エンジンと発電機との間に設けられ,エンジ
ンの回転速度に拘わらず,発電機を定速で回転駆動する
ことが可能な定速駆動装置(Constant Spe
ed Drive:CSD)がある。上記CSDを設け
ることによって,エンジン回転数が変動した場合にも発
電機を常時一定の速度で駆動することが可能となり,上
記規格で規定された所定の出力周波数の電力を供給する
ことができる。上記低速駆動装置の代表例としては,油
圧ポンプ,制御弁,差動歯車その他を具備して構成され
る差動歯車−油圧CSDが挙げられる。(従来技術1) また,上記補償機構のその他の例としては,発電機に対
して別体或いは一体で設けられ,発電機の出力電力を半
導体素子によってスイッチングして一定周波数の交流出
力に変換するVSCF(Variable Speed
Constant Frequency)も考えられ
る。上記VSCFを設けることによって,エンジン回転
数が変動した場合にも,出力電力としては,上記規格で
規定された所定の出力周波数の電力を供給することがで
きる。上記低速駆動装置の代表例としては,サイクロコ
ンバータ方式が挙げられる。(従来技術2)
その他多くの電気設備に対して電力を供給する発電装置
として,エンジンの回転出力によって駆動される発電機
によって発電する発電装置が搭載されることが一般的で
ある。しかしながら,航空機のエンジン回転数は,その
飛行情況(例えば離陸時と着陸時など)によって大きく
変動する。そのため,エンジンと発電機を直結した構成
の発電装置では,エンジン回転数の変動に伴って該発電
装置で発電される電力の周波数が動揺し,当該発電装置
に要求される電力の仕様(MIL−STD−704A
(米軍規格)において115V/400Hzの交流電力
と規定されている)を遵守することができない。そこ
で,航空機用に搭載される発電装置には,エンジンの回
転数に拘わらず発電機を所定の出力周波数の電力を発電
するための補償機構が必要となる。上記補償機構の一例
としては,エンジンと発電機との間に設けられ,エンジ
ンの回転速度に拘わらず,発電機を定速で回転駆動する
ことが可能な定速駆動装置(Constant Spe
ed Drive:CSD)がある。上記CSDを設け
ることによって,エンジン回転数が変動した場合にも発
電機を常時一定の速度で駆動することが可能となり,上
記規格で規定された所定の出力周波数の電力を供給する
ことができる。上記低速駆動装置の代表例としては,油
圧ポンプ,制御弁,差動歯車その他を具備して構成され
る差動歯車−油圧CSDが挙げられる。(従来技術1) また,上記補償機構のその他の例としては,発電機に対
して別体或いは一体で設けられ,発電機の出力電力を半
導体素子によってスイッチングして一定周波数の交流出
力に変換するVSCF(Variable Speed
Constant Frequency)も考えられ
る。上記VSCFを設けることによって,エンジン回転
数が変動した場合にも,出力電力としては,上記規格で
規定された所定の出力周波数の電力を供給することがで
きる。上記低速駆動装置の代表例としては,サイクロコ
ンバータ方式が挙げられる。(従来技術2)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来技術1に係る上記差動歯車−油圧CSDは,その構成
要素である上記油圧ポンプにおいて,ピストン方式を採
用しているため,シリンダ内を往復摺動するピストンの
磨耗,或いは油膜切れによるピストンの焼き付きを起こ
し易い。特に航空機に搭載される場合のように,高温に
曝される環境で使用される場合には,その傾向が更に強
まる。そのため,上記各部の頻繁なメンテナンスが不可
欠となり,作業時間或いはメンテナンスコストの増大を
避けることができない。また,当該差動歯車−油圧CS
Dは,その構造が複雑であることに加え,新たに油圧機
械機構が必要となるため,航空機に搭載される発電装置
にとって重要な要素である小型軽量化,更には低コスト
化を妨げる。一方,上記従来技術2に係るサイクロコン
バータ方式に代表されるVSCFでは,その構成要素で
ある半導体素子の発熱量が極めて大きいため当該VSC
Fを保護(冷却)する冷却機構が必要となり,上記従来
技術1と同様に航空機に搭載される発電装置にとって重
要な要素である小型軽量化を妨げる。また,半導体素子
を用いる当該VSCFは,信頼性の面で上記差動歯車−
油圧CSDに劣ることに加え,その制御応答も悪い。そ
こで,本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり,
その目的とするところは,接続された原動機の運転状況
に拘わらず所定の出力電圧及び出力周波数で発電可能な
発電装置であって,高い制御応答性と信頼性を有すると
共に,小型軽量である発電装置を提供することにある。
来技術1に係る上記差動歯車−油圧CSDは,その構成
要素である上記油圧ポンプにおいて,ピストン方式を採
用しているため,シリンダ内を往復摺動するピストンの
磨耗,或いは油膜切れによるピストンの焼き付きを起こ
し易い。特に航空機に搭載される場合のように,高温に
曝される環境で使用される場合には,その傾向が更に強
まる。そのため,上記各部の頻繁なメンテナンスが不可
欠となり,作業時間或いはメンテナンスコストの増大を
避けることができない。また,当該差動歯車−油圧CS
Dは,その構造が複雑であることに加え,新たに油圧機
械機構が必要となるため,航空機に搭載される発電装置
にとって重要な要素である小型軽量化,更には低コスト
化を妨げる。一方,上記従来技術2に係るサイクロコン
バータ方式に代表されるVSCFでは,その構成要素で
ある半導体素子の発熱量が極めて大きいため当該VSC
Fを保護(冷却)する冷却機構が必要となり,上記従来
技術1と同様に航空機に搭載される発電装置にとって重
要な要素である小型軽量化を妨げる。また,半導体素子
を用いる当該VSCFは,信頼性の面で上記差動歯車−
油圧CSDに劣ることに加え,その制御応答も悪い。そ
こで,本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり,
その目的とするところは,接続された原動機の運転状況
に拘わらず所定の出力電圧及び出力周波数で発電可能な
発電装置であって,高い制御応答性と信頼性を有すると
共に,小型軽量である発電装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は,可変速運転される原動機によって駆動さ
れ,所定の出力電圧及び出力周波数の電力を発電する発
電装置において,複数相巻線を有するロータとステータ
を具備し,上記ロータが上記原動機の回転に応じて回転
される発電機と,上記ロータの各巻線に交流電圧を供給
し,該交流電圧の位相に応じた回転速度で回転する交流
界磁を発生させる界磁手段と,上記ロータの各巻線に流
れる界磁電流を検出する電流検出手段と,上記原動機の
回転速度に基づいて,上記界磁手段が供給すべき上記交
流電圧の位相を演算する位相演算手段と,上記位相を用
いて上記界磁電流を複数相変換し,上記交流界磁に平行
なd軸方向へのd軸界磁電流及び該d軸に直交するq軸
方向へのq軸界磁電流を生成する第1の変換手段と,上
記ロータの巻線に発生した上記交流界磁により上記ステ
ータの巻線に誘起される誘起電力が所定の値となるよう
に,上記d軸界磁電流及び上記q軸界磁電流に対する電
流指令を演算する電流指令演算手段と,上記d軸界磁電
流及び上記q軸界磁電流が上記電流指令となるように,
上記d軸方向へのd軸界磁電圧指令及び上記q軸方向へ
のq軸界磁電圧指令を演算する電流制御手段と,上記位
相演算手段により演算された上記位相を用いて上記d軸
界磁電圧指令及び上記q軸界磁電圧指令をd−q軸変換
し,上記界磁手段から供給される上記交流電圧を制御す
るための電圧指令を生成する第2の変換手段とを具備し
てなることを特徴とする発電装置として構成される。こ
こで,上記電流検出手段としては回転トランスを用いる
ことが考えられ,上記界磁手段としては回転トランス,
或いはスリップリング及びブラシを介して上記ロータの
各巻線に上記交流電圧を供給する形態が考えられる。こ
のように構成することによって,上記従来公知の発電装
置には不可欠であった油圧機械機構或いは冷却機構等を
省略すると共に,簡略な構成とすることが可能であるた
め,小型軽量であって且つ高い信頼性を有する発電装置
を実現できる。また,日常的なメンテンナンスが不要で
あり,製造コスト面にも優れる。更には,界磁電流を直
接ベクトル制御する構成であるため,半導体素子を用い
た従来公知の上記VSCFと較べて,制御応答を著しく
向上させることができる。
に本発明は,可変速運転される原動機によって駆動さ
れ,所定の出力電圧及び出力周波数の電力を発電する発
電装置において,複数相巻線を有するロータとステータ
を具備し,上記ロータが上記原動機の回転に応じて回転
される発電機と,上記ロータの各巻線に交流電圧を供給
し,該交流電圧の位相に応じた回転速度で回転する交流
界磁を発生させる界磁手段と,上記ロータの各巻線に流
れる界磁電流を検出する電流検出手段と,上記原動機の
回転速度に基づいて,上記界磁手段が供給すべき上記交
流電圧の位相を演算する位相演算手段と,上記位相を用
いて上記界磁電流を複数相変換し,上記交流界磁に平行
なd軸方向へのd軸界磁電流及び該d軸に直交するq軸
方向へのq軸界磁電流を生成する第1の変換手段と,上
記ロータの巻線に発生した上記交流界磁により上記ステ
ータの巻線に誘起される誘起電力が所定の値となるよう
に,上記d軸界磁電流及び上記q軸界磁電流に対する電
流指令を演算する電流指令演算手段と,上記d軸界磁電
流及び上記q軸界磁電流が上記電流指令となるように,
上記d軸方向へのd軸界磁電圧指令及び上記q軸方向へ
のq軸界磁電圧指令を演算する電流制御手段と,上記位
相演算手段により演算された上記位相を用いて上記d軸
界磁電圧指令及び上記q軸界磁電圧指令をd−q軸変換
し,上記界磁手段から供給される上記交流電圧を制御す
るための電圧指令を生成する第2の変換手段とを具備し
てなることを特徴とする発電装置として構成される。こ
こで,上記電流検出手段としては回転トランスを用いる
ことが考えられ,上記界磁手段としては回転トランス,
或いはスリップリング及びブラシを介して上記ロータの
各巻線に上記交流電圧を供給する形態が考えられる。こ
のように構成することによって,上記従来公知の発電装
置には不可欠であった油圧機械機構或いは冷却機構等を
省略すると共に,簡略な構成とすることが可能であるた
め,小型軽量であって且つ高い信頼性を有する発電装置
を実現できる。また,日常的なメンテンナンスが不要で
あり,製造コスト面にも優れる。更には,界磁電流を直
接ベクトル制御する構成であるため,半導体素子を用い
た従来公知の上記VSCFと較べて,制御応答を著しく
向上させることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照しながら,本
発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の
理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本
発明を具現化した一例であって,本発明の技術的範囲を
限定する性格のものではない。ここに,図1は本発明の
実施形態に係る発電機の概略構成を示す構成図,図2は
発電機のロータとステータの巻線モデルを示す図,図3
はロータの巻線に供給される交流電圧を制御する制御手
段の一例を示すブロック図である。
発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の
理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本
発明を具現化した一例であって,本発明の技術的範囲を
限定する性格のものではない。ここに,図1は本発明の
実施形態に係る発電機の概略構成を示す構成図,図2は
発電機のロータとステータの巻線モデルを示す図,図3
はロータの巻線に供給される交流電圧を制御する制御手
段の一例を示すブロック図である。
【0006】本発明の実施の形態に係る発電装置Zは,
図1に示す如く具体化される。該発電装置Zは,3相巻
線(E1,E2,E3)を有し,不図示のエンジンによ
って所定の回転速度Niで回転されるロータEと,3相
巻線(F1,F2,F3)を有するステータFとを備え
た発電機Aと,制御部Dからの制御指令に応じた所定の
出力電圧及び位相の3相交流電圧(Vu,Vv,Vw)
を供給する交流電源C(C1,C2,C3:界磁手段の
一例に該当)と,該交流電源Cからの上記3相交流電圧
を上記ロータEの各巻線に供給する回転トランスRT
(RT1,RT2,RT3)と,上記ロータEの各巻線
に流れる界磁電流(ir,is,it)を検出するため
の回転トランスRT(RT4,RT5,RT6)とを具
備して構成される。ここで,当該発電装置Zが航空機に
搭載される場合には,上記交流電源Cは,上記発電機A
と同軸にエンジンに接続され,該エンジンによって回転
駆動されることによって3相交流電力を発電する永久磁
石形同期発電機を用いることが一般的であるが,ここで
は簡単のために3相交流電圧を供給する交流電源として
表すものとする。このような構成により,上記ロータE
には,上記交流電源Cから上記回転トランスRTを介し
て供給される3相交流電圧(Vr,Vs,Vt)によっ
て,該3相交流電圧の位相に応じた回転速度Neで回転
する交流界磁Φが発生する。その結果,上記ステータF
には,上記ロータE(エンジン)の回転速度Niと上記
交流界磁Φの回転速度Neの和に等しい周波数の誘起電
圧(Va,Vb,Vc)が誘起され,該ステータEに接
続される3相負荷Gに対して3相交流電流(ia,i
b,ic)が供給される。つまり,当該発電装置Zにお
いては,上記ロータE(エンジン)の回転速度Niが変
動した際にも,その変動分を補償するように上記交流界
磁Φの回転速度Neを調整し,上記回転速度の和(Ni
+Ne)が一定となるように制御することによって,上
記ステータFに誘起される誘起電力の周波数を一定に制
御することが可能となる。即ち,本実施形態は,上述し
た特性を利用したものであり,上記ロータE(エンジ
ン)の回転速度Niの変動に応じて,上記ロータEに流
れる界磁電流(ir,is,it)をベクトル制御する
ことによって上記交流界磁Φの回転速度Neをを好適且
つ高速に調速し,当該発電装置Zの出力電力における出
力周波数を所定の値に制御することを特徴とする。
図1に示す如く具体化される。該発電装置Zは,3相巻
線(E1,E2,E3)を有し,不図示のエンジンによ
って所定の回転速度Niで回転されるロータEと,3相
巻線(F1,F2,F3)を有するステータFとを備え
た発電機Aと,制御部Dからの制御指令に応じた所定の
出力電圧及び位相の3相交流電圧(Vu,Vv,Vw)
を供給する交流電源C(C1,C2,C3:界磁手段の
一例に該当)と,該交流電源Cからの上記3相交流電圧
を上記ロータEの各巻線に供給する回転トランスRT
(RT1,RT2,RT3)と,上記ロータEの各巻線
に流れる界磁電流(ir,is,it)を検出するため
の回転トランスRT(RT4,RT5,RT6)とを具
備して構成される。ここで,当該発電装置Zが航空機に
搭載される場合には,上記交流電源Cは,上記発電機A
と同軸にエンジンに接続され,該エンジンによって回転
駆動されることによって3相交流電力を発電する永久磁
石形同期発電機を用いることが一般的であるが,ここで
は簡単のために3相交流電圧を供給する交流電源として
表すものとする。このような構成により,上記ロータE
には,上記交流電源Cから上記回転トランスRTを介し
て供給される3相交流電圧(Vr,Vs,Vt)によっ
て,該3相交流電圧の位相に応じた回転速度Neで回転
する交流界磁Φが発生する。その結果,上記ステータF
には,上記ロータE(エンジン)の回転速度Niと上記
交流界磁Φの回転速度Neの和に等しい周波数の誘起電
圧(Va,Vb,Vc)が誘起され,該ステータEに接
続される3相負荷Gに対して3相交流電流(ia,i
b,ic)が供給される。つまり,当該発電装置Zにお
いては,上記ロータE(エンジン)の回転速度Niが変
動した際にも,その変動分を補償するように上記交流界
磁Φの回転速度Neを調整し,上記回転速度の和(Ni
+Ne)が一定となるように制御することによって,上
記ステータFに誘起される誘起電力の周波数を一定に制
御することが可能となる。即ち,本実施形態は,上述し
た特性を利用したものであり,上記ロータE(エンジ
ン)の回転速度Niの変動に応じて,上記ロータEに流
れる界磁電流(ir,is,it)をベクトル制御する
ことによって上記交流界磁Φの回転速度Neをを好適且
つ高速に調速し,当該発電装置Zの出力電力における出
力周波数を所定の値に制御することを特徴とする。
【0007】ここでは,上記ロータEに流れる上記界磁
電流のベクトル制御に係る詳細な説明を行う前に,上述
説明した構成の発電機Aの発電特性を,図2に示すロー
タ及びステータの巻線モデル図を使って解析し,当該発
電機Aの正当性について証明する。その解析手法として
は,回転巻線系を静止巻線系に等価変換する手法であっ
て,回転機解析の分野で広く用いられるd−q軸変換を
利用する。ここで,図2(a)はロータ側の巻線モデル
であって,各相(r,s,t)における電流及び電圧を
ir,is,it,Vr,Vs,Vtとする。また,図
2(b)はステータ側の巻線モデルを示すものであっ
て,各相(a,b,c)における電流及び電圧をia,
ib,ic,Va,Vb,Vcする。また,上記ロータ
と上記ステータとの角度をθrとする。この場合,上記
発電機Aに関する状態方程式は下式1〜3で表すことが
できる。
電流のベクトル制御に係る詳細な説明を行う前に,上述
説明した構成の発電機Aの発電特性を,図2に示すロー
タ及びステータの巻線モデル図を使って解析し,当該発
電機Aの正当性について証明する。その解析手法として
は,回転巻線系を静止巻線系に等価変換する手法であっ
て,回転機解析の分野で広く用いられるd−q軸変換を
利用する。ここで,図2(a)はロータ側の巻線モデル
であって,各相(r,s,t)における電流及び電圧を
ir,is,it,Vr,Vs,Vtとする。また,図
2(b)はステータ側の巻線モデルを示すものであっ
て,各相(a,b,c)における電流及び電圧をia,
ib,ic,Va,Vb,Vcする。また,上記ロータ
と上記ステータとの角度をθrとする。この場合,上記
発電機Aに関する状態方程式は下式1〜3で表すことが
できる。
【数1】
【数2】
【数3】
但し,rr,raは当該発電機Aにおける上記ロータE及
び上記ステータFの巻線抵抗であり,Lr,Laは当該発
電機Aにおける上記ロータE及びステータFの自己イン
ダクタンスであり,Mは当該発電機Aにおける相互イン
ダクタンスである。また,Pは微分演算子であり,ωr
は上記ロータEの回転角速度である。
び上記ステータFの巻線抵抗であり,Lr,Laは当該発
電機Aにおける上記ロータE及びステータFの自己イン
ダクタンスであり,Mは当該発電機Aにおける相互イン
ダクタンスである。また,Pは微分演算子であり,ωr
は上記ロータEの回転角速度である。
【0008】次に,上式1,3を下式4,5に従って,
上記交流界磁Φの方向に平行なd軸,及び該d軸に直交
するq軸へ座標変換する。
上記交流界磁Φの方向に平行なd軸,及び該d軸に直交
するq軸へ座標変換する。
【数4】
【数5】
但し,θsはd軸と上記ロータr相との角度であり,θ
はd軸と上記ステータa相との角度である。上式4,5
を用いることにより上式1は下式6のように軸変換さ
れ,d軸成分電圧Vdr及びq軸成分電圧Vqrに変換され
る。同様に,上式3は,下式7のようにd軸成分電圧V
da及びq軸成分電圧Vqaに変換される。
はd軸と上記ステータa相との角度である。上式4,5
を用いることにより上式1は下式6のように軸変換さ
れ,d軸成分電圧Vdr及びq軸成分電圧Vqrに変換され
る。同様に,上式3は,下式7のようにd軸成分電圧V
da及びq軸成分電圧Vqaに変換される。
【数6】
【数7】
【0009】上記6及び上式7を一つに纏めると下式8
のように表せる。
のように表せる。
【数8】
ここで,当該発電機Aによって発電される電力Poは,
上式8で表された電圧の右辺の行列成分うちω及びωs
を含んでいる成分(誘起電力項)と,d−q軸変換した
上記ロータE及び上記ステータFの電流との積によって
算出されるので,当該発電機Aの電力Poは下式9のよ
うに表せる。
上式8で表された電圧の右辺の行列成分うちω及びωs
を含んでいる成分(誘起電力項)と,d−q軸変換した
上記ロータE及び上記ステータFの電流との積によって
算出されるので,当該発電機Aの電力Poは下式9のよ
うに表せる。
【数9】
【0010】更に,d軸が当該発電機Aの界磁電流ベク
トル上にとられているとすると,上式9における上記ロ
ータEの電流のd軸方向成分idrは界磁電流if,q軸
方向成分iqrは0となるため,当該発電機Aの出力Po
は下式10で表すことができる。
トル上にとられているとすると,上式9における上記ロ
ータEの電流のd軸方向成分idrは界磁電流if,q軸
方向成分iqrは0となるため,当該発電機Aの出力Po
は下式10で表すことができる。
【数10】
従って,当該発電機Aの出力Poは,界磁電流if及び上
記ロータEの回転角速度ωrに比例するが,上記交流界
磁Φの回転速度ωsとは独立であることが上式10より
理解できる。このような発電特性は一般的な交流発電機
と同様の特性であるため,当該発電機Aの交流発電機と
しての正当性が証明され,実現性を有するものと見なす
ことができる。
記ロータEの回転角速度ωrに比例するが,上記交流界
磁Φの回転速度ωsとは独立であることが上式10より
理解できる。このような発電特性は一般的な交流発電機
と同様の特性であるため,当該発電機Aの交流発電機と
しての正当性が証明され,実現性を有するものと見なす
ことができる。
【0011】次に,図3を用いて,当該発電機Zにおい
て発電される電力の出力電圧及び出力周波数を所定の値
とするために上記ロータEに流れる上記界磁電流をベク
トル制御する手法について説明する。本実施形態では,
上記ロータEに流れる上記界磁電流に対してベクトル制
御の演算を行い,上記交流電源C(C1,C2,C3)
から供給される3相交流電圧(Vu,Vv,Vw)の位
相及び出力電圧を制御することを特徴とする。そのた
め,上記交流電源C(C1,C2,C3)から供給され
る3相交流電圧を制御する制御部Dは,エンジンの回転
数Niの変動に応じて上記交流電源が供給すべき上記3
相交流電圧の位相θsを演算する位相演算手段D1と,
上記位相θsを用いて上記回転トランスRT(RT4〜
6)によって検出された界磁電流(irf,isf,i
tf)を三相変換し,上記交流界磁Φに平行なd軸方向
へのd軸界磁電流idf及び該d軸に直交するq軸方向
へのq軸界磁電流iqfを生成する第1の変換手段12
と,上記ロータEの巻線に発生した上記交流界磁Φによ
り上記ステータFの巻線に誘起される誘起電力が所定の
値となるように,上記d軸界磁電流に対する電流指令i
d*及び上記q軸界磁電流に対する電流指令iq*を演算
する電流指令演算手段D2と,上記d軸界磁電流idf
及び上記q軸界磁電流idqが上記電流指令(id*,
iq*)となるような上記d軸方向へのd軸界磁電圧指
令Vd*及び上記q軸方向へのq軸界磁電圧指令Vq*を
演算する電流制御手段D3と,上記位相演算手段D1に
より演算された上記位相θsを用いて上記d軸界磁電圧
指令Vd*及び上記q軸界磁電圧指令Vq*をd−q軸変
換し,上記界磁手段Cから供給される上記交流電圧(V
u,Vv,Vw)を制御するための電圧指令(Vu*,
Vv*,Vw*)を生成する第2の変換手段11とで構成
される。以下に,各制御要素毎の説明を行う。 (位相演算手段D1)当該位相制御部D1は,回転速度
検出部9と,回転位相演算部10とを具備して構成され
る。上記回転速度検出部9は,例えば,エンジンの回転
軸に設けられる電磁式速度検出器を含み,エンジンの回
転周波数fiを検出するものである。上記回転速度検出
部9によって検出された回転周波数fiは,当該発電機
Zが発電すべき規範周波数設定fref(航空機の場合
には400Hz)と比較演算され,誤差周波数fsとし
て上記回転位相演算部10に入力される。上記回転位相
演算部10では,入力された上記誤差周波数fsを積分
演算する。ここで,上記誤差周波数fsの積分演算で
は,その積分値(θs)が2πになる度に積分値を0と
し,再び積分演算を実行するものである。このようにす
れば,算出される位相θsは,0から2πの範囲で周期
的に変化するものであって,その周期は1/fsとな
る。このようにして,当該位相制御部D1では,上記規
範周波数設定frefに対するエンジンの回転周波数f
iの変動分(fs)を補正するような回転速度Neで回
転する交流界磁Φを発生させ得る交流電圧の位相θsが
演算される。 (第1の変換手段11)当該第1の変換手段11では,
上記位相演算手段D1により演算された上記位相θsを
用いて上記回転トランスRT(RT4〜6)によって検
出された界磁電流(irf,isf,itf)を三相変
換(三相二相変換)し,上記交流界磁Φに平行なd軸方
向へのd軸界磁電流idf及び該d軸に直交するq軸方
向へのq軸界磁電流iqfを生成する。ここで,上記界
磁電流のd−q軸変換は,上記説明の際に用いた上式4
に基づいて実施される。 (電流指令演算手段D2)当該電流指令演算手段D2
は,電圧検出部5と,電圧制御部6とを具備して構成さ
れる。上記電圧検出部5は,上記ステータFに誘起され
る誘起電力(Va,Vb,Vc)を検出すると共に,半
波整流或いは全波整流等を用いて整流することにより検
出電圧Vfを取得する。上記電圧検出部5によって取得
された上記検出電力Vfは,当該発電機Zが発電すべき
規範出力設定Vref(航空機の場合には115V)と
比較演算され,誤差電圧Veとして上記電圧制御部6に
入力される。上記電圧制御部6は,例えば比例積分要素
を備えたものであって,入力された上記誤差電圧Veが
0となる(上記ステータFに誘起される誘起電力が上記
規範出力設定となる)ような上記交流界磁Φを発生させ
得る上記d軸に対する電流指令id*を演算する。一
方,当該発電機Aの界磁電流ベクトルを上記d軸上にと
るため,上記q軸に対するq軸電流指令iq*は0とな
る。 (電流制御手段D3)当該電流制御手段D3は,電流制
御部7と,電流制御部8とを具備して構成される。上記
電流制御部7は,上記d軸界磁電流idfが上記電流指
令演算手段D2で算出された上記電流指令id*となる
ように上記d軸方向へのd軸界磁電圧指令Vd*を演算
する。同様に,上記電流制御部8は,上記q軸界磁電流
iqfが上記電流指令iq*となるように上記q軸方向
へのq軸界磁電圧指令Vq*を演算する。 (第2の変換手段12)当該第2の変換手段12は,上
記位相演算手段D1により演算された上記位相θsを用
いて上記電流制御手段D3によって検出されたd軸界磁
電圧指令Vd*及び上記q軸界磁電圧指令Vq*をd−q
軸変換(二相三相変換)し,上記界磁手段C(C1〜C
3)から供給される上記交流電圧(Vu,Vv,Vw)
を制御するための電圧指令(Vu*,Vv*,Vw*)を
生成する。ここで,上記d軸界磁電圧指令Vd*及びq
軸界磁電圧指令Vq*のd−q軸変換は,下式11に基
づいて実施される。
て発電される電力の出力電圧及び出力周波数を所定の値
とするために上記ロータEに流れる上記界磁電流をベク
トル制御する手法について説明する。本実施形態では,
上記ロータEに流れる上記界磁電流に対してベクトル制
御の演算を行い,上記交流電源C(C1,C2,C3)
から供給される3相交流電圧(Vu,Vv,Vw)の位
相及び出力電圧を制御することを特徴とする。そのた
め,上記交流電源C(C1,C2,C3)から供給され
る3相交流電圧を制御する制御部Dは,エンジンの回転
数Niの変動に応じて上記交流電源が供給すべき上記3
相交流電圧の位相θsを演算する位相演算手段D1と,
上記位相θsを用いて上記回転トランスRT(RT4〜
6)によって検出された界磁電流(irf,isf,i
tf)を三相変換し,上記交流界磁Φに平行なd軸方向
へのd軸界磁電流idf及び該d軸に直交するq軸方向
へのq軸界磁電流iqfを生成する第1の変換手段12
と,上記ロータEの巻線に発生した上記交流界磁Φによ
り上記ステータFの巻線に誘起される誘起電力が所定の
値となるように,上記d軸界磁電流に対する電流指令i
d*及び上記q軸界磁電流に対する電流指令iq*を演算
する電流指令演算手段D2と,上記d軸界磁電流idf
及び上記q軸界磁電流idqが上記電流指令(id*,
iq*)となるような上記d軸方向へのd軸界磁電圧指
令Vd*及び上記q軸方向へのq軸界磁電圧指令Vq*を
演算する電流制御手段D3と,上記位相演算手段D1に
より演算された上記位相θsを用いて上記d軸界磁電圧
指令Vd*及び上記q軸界磁電圧指令Vq*をd−q軸変
換し,上記界磁手段Cから供給される上記交流電圧(V
u,Vv,Vw)を制御するための電圧指令(Vu*,
Vv*,Vw*)を生成する第2の変換手段11とで構成
される。以下に,各制御要素毎の説明を行う。 (位相演算手段D1)当該位相制御部D1は,回転速度
検出部9と,回転位相演算部10とを具備して構成され
る。上記回転速度検出部9は,例えば,エンジンの回転
軸に設けられる電磁式速度検出器を含み,エンジンの回
転周波数fiを検出するものである。上記回転速度検出
部9によって検出された回転周波数fiは,当該発電機
Zが発電すべき規範周波数設定fref(航空機の場合
には400Hz)と比較演算され,誤差周波数fsとし
て上記回転位相演算部10に入力される。上記回転位相
演算部10では,入力された上記誤差周波数fsを積分
演算する。ここで,上記誤差周波数fsの積分演算で
は,その積分値(θs)が2πになる度に積分値を0と
し,再び積分演算を実行するものである。このようにす
れば,算出される位相θsは,0から2πの範囲で周期
的に変化するものであって,その周期は1/fsとな
る。このようにして,当該位相制御部D1では,上記規
範周波数設定frefに対するエンジンの回転周波数f
iの変動分(fs)を補正するような回転速度Neで回
転する交流界磁Φを発生させ得る交流電圧の位相θsが
演算される。 (第1の変換手段11)当該第1の変換手段11では,
上記位相演算手段D1により演算された上記位相θsを
用いて上記回転トランスRT(RT4〜6)によって検
出された界磁電流(irf,isf,itf)を三相変
換(三相二相変換)し,上記交流界磁Φに平行なd軸方
向へのd軸界磁電流idf及び該d軸に直交するq軸方
向へのq軸界磁電流iqfを生成する。ここで,上記界
磁電流のd−q軸変換は,上記説明の際に用いた上式4
に基づいて実施される。 (電流指令演算手段D2)当該電流指令演算手段D2
は,電圧検出部5と,電圧制御部6とを具備して構成さ
れる。上記電圧検出部5は,上記ステータFに誘起され
る誘起電力(Va,Vb,Vc)を検出すると共に,半
波整流或いは全波整流等を用いて整流することにより検
出電圧Vfを取得する。上記電圧検出部5によって取得
された上記検出電力Vfは,当該発電機Zが発電すべき
規範出力設定Vref(航空機の場合には115V)と
比較演算され,誤差電圧Veとして上記電圧制御部6に
入力される。上記電圧制御部6は,例えば比例積分要素
を備えたものであって,入力された上記誤差電圧Veが
0となる(上記ステータFに誘起される誘起電力が上記
規範出力設定となる)ような上記交流界磁Φを発生させ
得る上記d軸に対する電流指令id*を演算する。一
方,当該発電機Aの界磁電流ベクトルを上記d軸上にと
るため,上記q軸に対するq軸電流指令iq*は0とな
る。 (電流制御手段D3)当該電流制御手段D3は,電流制
御部7と,電流制御部8とを具備して構成される。上記
電流制御部7は,上記d軸界磁電流idfが上記電流指
令演算手段D2で算出された上記電流指令id*となる
ように上記d軸方向へのd軸界磁電圧指令Vd*を演算
する。同様に,上記電流制御部8は,上記q軸界磁電流
iqfが上記電流指令iq*となるように上記q軸方向
へのq軸界磁電圧指令Vq*を演算する。 (第2の変換手段12)当該第2の変換手段12は,上
記位相演算手段D1により演算された上記位相θsを用
いて上記電流制御手段D3によって検出されたd軸界磁
電圧指令Vd*及び上記q軸界磁電圧指令Vq*をd−q
軸変換(二相三相変換)し,上記界磁手段C(C1〜C
3)から供給される上記交流電圧(Vu,Vv,Vw)
を制御するための電圧指令(Vu*,Vv*,Vw*)を
生成する。ここで,上記d軸界磁電圧指令Vd*及びq
軸界磁電圧指令Vq*のd−q軸変換は,下式11に基
づいて実施される。
【数11】
以上のような手順に従って演算された上記電圧指令(V
u*,Vv*,Vw*)に基づいて上記交流電源C(C
1,C2,C3)より供給される交流電圧(Vu,V
v,Vw)を調整すれば,該交流電圧は,上記ロータE
の回転速度Niの変動を補償する回転速度Neによって
回転し,且つ当該発電装置Zが発電すべき出力電圧を発
電し得る交流界磁Φを発生させることが可能となる。こ
のように,本実施形態における発電装置Zでは,従来の
発電装置に較べて,油圧機械系統を省略したことによっ
て高い信頼性を有すると共に小型軽量化が可能であり,
更には界磁電流をベクトル制御する構成であるため制御
応答特性にも優れる。
u*,Vv*,Vw*)に基づいて上記交流電源C(C
1,C2,C3)より供給される交流電圧(Vu,V
v,Vw)を調整すれば,該交流電圧は,上記ロータE
の回転速度Niの変動を補償する回転速度Neによって
回転し,且つ当該発電装置Zが発電すべき出力電圧を発
電し得る交流界磁Φを発生させることが可能となる。こ
のように,本実施形態における発電装置Zでは,従来の
発電装置に較べて,油圧機械系統を省略したことによっ
て高い信頼性を有すると共に小型軽量化が可能であり,
更には界磁電流をベクトル制御する構成であるため制御
応答特性にも優れる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように,本発明は,可変速
運転される原動機によって駆動され,所定の出力電圧及
び出力周波数の電力を発電する発電装置において,複数
相巻線を有するロータとステータを具備し,上記ロータ
が上記原動機の回転に応じて回転される発電機と,上記
ロータの各巻線に交流電圧を供給し,該交流電圧の位相
に応じた回転速度で回転する交流界磁を発生させる界磁
手段と,上記ロータの各巻線に流れる界磁電流を検出す
る電流検出手段と,上記原動機の回転速度に基づいて,
上記界磁手段が供給すべき上記交流電圧の位相を演算す
る位相演算手段と,上記位相を用いて上記界磁電流を複
数相変換し,上記交流界磁に平行なd軸方向へのd軸界
磁電流及び該d軸に直交するq軸方向へのq軸界磁電流
を生成する第1の変換手段と,上記ロータの巻線に発生
した上記交流界磁により上記ステータの巻線に誘起され
る誘起電力が所定の値となるように,上記d軸界磁電流
及び上記q軸界磁電流に対する電流指令を演算する電流
指令演算手段と,上記d軸界磁電流及び上記q軸界磁電
流が上記電流指令となるように,上記d軸方向へのd軸
界磁電圧指令及び上記q軸方向へのq軸界磁電圧指令を
演算する電流制御手段と,上記位相演算手段により演算
された上記位相を用いて上記d軸界磁電圧指令及び上記
q軸界磁電圧指令をd−q軸変換し,上記界磁手段から
供給される上記交流電圧を制御するための電圧指令を生
成する第2の変換手段とを具備してなることを特徴とす
る発電装置として構成される。ここで,上記電流検出手
段としては回転トランスを用いることが考えられ,上記
界磁手段としては回転トランス,或いはスリップリング
及びブラシを介して上記ロータの各巻線に上記交流電圧
を供給する形態が考えられる。このように構成すること
によって,上記従来公知の発電装置には不可欠であった
油圧機械機構或いは冷却機構等を省略すると共に,簡略
な構成とすることが可能であるため,小型軽量であって
且つ高い信頼性を有する発電装置を実現できる。また,
日常的なメンテンナンスが不要であり,製造コスト面に
も優れる。更には,界磁電流を直接ベクトル制御する構
成であるため,半導体素子を用いた従来公知の上記VS
CFと較べて,制御応答を著しく向上させることができ
る。
運転される原動機によって駆動され,所定の出力電圧及
び出力周波数の電力を発電する発電装置において,複数
相巻線を有するロータとステータを具備し,上記ロータ
が上記原動機の回転に応じて回転される発電機と,上記
ロータの各巻線に交流電圧を供給し,該交流電圧の位相
に応じた回転速度で回転する交流界磁を発生させる界磁
手段と,上記ロータの各巻線に流れる界磁電流を検出す
る電流検出手段と,上記原動機の回転速度に基づいて,
上記界磁手段が供給すべき上記交流電圧の位相を演算す
る位相演算手段と,上記位相を用いて上記界磁電流を複
数相変換し,上記交流界磁に平行なd軸方向へのd軸界
磁電流及び該d軸に直交するq軸方向へのq軸界磁電流
を生成する第1の変換手段と,上記ロータの巻線に発生
した上記交流界磁により上記ステータの巻線に誘起され
る誘起電力が所定の値となるように,上記d軸界磁電流
及び上記q軸界磁電流に対する電流指令を演算する電流
指令演算手段と,上記d軸界磁電流及び上記q軸界磁電
流が上記電流指令となるように,上記d軸方向へのd軸
界磁電圧指令及び上記q軸方向へのq軸界磁電圧指令を
演算する電流制御手段と,上記位相演算手段により演算
された上記位相を用いて上記d軸界磁電圧指令及び上記
q軸界磁電圧指令をd−q軸変換し,上記界磁手段から
供給される上記交流電圧を制御するための電圧指令を生
成する第2の変換手段とを具備してなることを特徴とす
る発電装置として構成される。ここで,上記電流検出手
段としては回転トランスを用いることが考えられ,上記
界磁手段としては回転トランス,或いはスリップリング
及びブラシを介して上記ロータの各巻線に上記交流電圧
を供給する形態が考えられる。このように構成すること
によって,上記従来公知の発電装置には不可欠であった
油圧機械機構或いは冷却機構等を省略すると共に,簡略
な構成とすることが可能であるため,小型軽量であって
且つ高い信頼性を有する発電装置を実現できる。また,
日常的なメンテンナンスが不要であり,製造コスト面に
も優れる。更には,界磁電流を直接ベクトル制御する構
成であるため,半導体素子を用いた従来公知の上記VS
CFと較べて,制御応答を著しく向上させることができ
る。
【図1】 本発明の実施形態に係る発電機の概略構成を
示す構成図。
示す構成図。
【図2】 発電機のロータとステータの巻線モデルを示
す図
す図
【図3】 ロータの巻線に供給される交流電圧を制御す
る制御手段の一例を示すブロック図
る制御手段の一例を示すブロック図
A…発電機
C…交流電源
D…制御部
E…ロータ
F…ステータ
G…負荷
Z…発電装置
RT…回転トランス
5…電圧検出部
6…電圧制御部
7…電流制御部
8…電流制御部
9…回転速度検出部
10…回転位相演算部
11…第1の変換手段
12…第2の変換手段
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 5H590 AA01 AA02 AA03 AA21 CA07
CC01 CC10 CD01 CE04 CE08
CE10 DD43 EA13 EB02 EB07
EB20 FA01 FA06 FB07 FC30
GA02 GA03 GA05 GA09 HA02
HA06 HA09 HA10 HA27 JA13
Claims (4)
- 【請求項1】 可変速運転される原動機によって駆動さ
れ,所定の出力電圧及び出力周波数の電力を発電する発
電装置において,複数相巻線を有するロータとステータ
を具備し,上記ロータが上記原動機の回転に応じて回転
される発電機と,上記ロータの各巻線に交流電圧を供給
し,該交流電圧の位相に応じた回転速度で回転する交流
界磁を発生させる界磁手段と,上記ロータの各巻線に流
れる界磁電流を検出する電流検出手段と,上記原動機の
回転速度に基づいて,上記界磁手段が供給すべき上記交
流電圧の位相を演算する位相演算手段と,上記位相を用
いて上記界磁電流を複数相変換し,上記交流界磁に平行
なd軸方向へのd軸界磁電流及び該d軸に直交するq軸
方向へのq軸界磁電流を生成する第1の変換手段と,上
記ロータの巻線に発生した上記交流界磁により上記ステ
ータの巻線に誘起される誘起電力が所定の値となるよう
に,上記d軸界磁電流及び上記q軸界磁電流に対する電
流指令を演算する電流指令演算手段と,上記d軸界磁電
流及び上記q軸界磁電流が上記電流指令となるように,
上記d軸方向へのd軸界磁電圧指令及び上記q軸方向へ
のq軸界磁電圧指令を演算する電流制御手段と,上記位
相演算手段により演算された上記位相を用いて上記d軸
界磁電圧指令及び上記q軸界磁電圧指令をd−q軸変換
し,上記界磁手段から供給される上記交流電圧を制御す
るための電圧指令を生成する第2の変換手段と,を具備
してなることを特徴とする発電装置。 - 【請求項2】 上記電流検出手段が,回転トランスであ
る請求項1に記載の発電装置。 - 【請求項3】 上記界磁手段が,回転トランスを介して
上記ロータの各巻線に上記交流電圧を供給してなる請求
項1或いは2のいずれかに記載の発電装置。 - 【請求項4】 上記界磁手段が,スリップリング及びブ
ラシを介して上記ロータの各巻線に上記交流電圧を供給
してなる請求項1或いは2のいずれかに記載の発電装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002107403A JP2003304699A (ja) | 2002-04-10 | 2002-04-10 | 発電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002107403A JP2003304699A (ja) | 2002-04-10 | 2002-04-10 | 発電装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003304699A true JP2003304699A (ja) | 2003-10-24 |
Family
ID=29391429
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002107403A Pending JP2003304699A (ja) | 2002-04-10 | 2002-04-10 | 発電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003304699A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010506783A (ja) * | 2006-10-17 | 2010-03-04 | エアバス・フランス | 航空機内に搭載された少なくとも1つの誘導機に電力を供給するための装置及び方法 |
-
2002
- 2002-04-10 JP JP2002107403A patent/JP2003304699A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010506783A (ja) * | 2006-10-17 | 2010-03-04 | エアバス・フランス | 航空機内に搭載された少なくとも1つの誘導機に電力を供給するための装置及び方法 |
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