JP2003302453A - 核磁気共鳴装置におけるz軸方向の均一静磁場に影響を与える方法、及び核磁気共鳴共振器 - Google Patents
核磁気共鳴装置におけるz軸方向の均一静磁場に影響を与える方法、及び核磁気共鳴共振器Info
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Abstract
て引き起こされる静磁場を不均一にする擾乱を補正する
方法、及び核磁気共鳴共振器を提供する。 【解決手段】 RFコイルの超伝導成分が原因となって
擾乱が生ずるNMR装置において静磁場B0のZ軸方向
に影響を与える方法であって、RFコイルの超伝導成分
はz方向でサンプルのRF活性領域を超えて延伸して、
静磁場B0に影響を与える方法である。RFコイルの超
伝導成分は十分な強度の付加的磁場にさらされ、サンプ
ルのRF活性領域の近傍に配置されたRFコイルの超伝
導成分の全ての超伝導構造が最大に磁化され、z軸に沿
ってB0に対して直角方向のそれらの磁化が実質的に一
定でゼロと等しくない値をとることを特徴とする。また
NMR共振器の超伝導導体構造は測定サンプルからある
半径方向間隔に配置され、該超伝導体構造がz方向で測
定サンプルのRF活性部分を超えて延伸するNMR共振
器を採用する。
Description
R)装置の測定容積内のサンプルからNMR信号を受信
する無線周波数(RF)コイルの超伝導成分によって生
ずる擾乱がある核磁気共鳴(NMR)装置において、該
RFコイルの超伝導成分がz方向にサンプルのRF活性
領域を超えて突出し、該擾乱がサンプルのRF活性領域
における均一静磁場B0のz成分に影響する、z軸方向
の均一静磁場B0に影響を与える方法に関する。本発明
はまた、NMR装置の研究容積における測定サンプルへ
の、及び/又は、からの1つ以上の所望の共鳴周波数で
RF信号を放出する、及び/又は、受信する少なくとも
1つのRF(ラジオ周波数)コイルが座標原点(x、
y、z=0)を中心に配置され、z軸方向に均一磁場B
0を生成する手段を有するNMR(核磁気共鳴)共振器
であって、該NMR共振器の超伝導導体構造が該測定サ
ンプルから半径方向(x,y)に隔離され、該超伝導導
体構造がz方向に測定サンプルのRF活性部分を超えて
突出しているNMR共振器に関する。
第101 50 131.5−33号明細書(引用参照
文献[6])に開示されているが、これは本発明に関す
る従来技術を構成しない。
が、その感度はあまり高くない。従来技術によると、冷
却された、特に超伝導のラジオ周波数コイルを使用する
ことによってS/N(信号対雑音)比をかなり改善する
ことが可能である(参考文献[1]参照)。NMR受信
システム(RF受信コイル)における超伝導体の使用に
関わる主な問題は、その静的磁化である。もしもコント
ロールされない場合、それは、線幅を不都合なほど大き
くする強度の磁場擾乱をサンプル内部に生ずる可能性が
ある。この望ましくない磁化を最小に抑える方法がいく
つか発表されている(参考文献[2],[3],
[4])。しかし、記載された方法は複雑であり、さら
に以下に述べるような欠点がある。特に、参考文献
[1]によるコイルでは、その後の横方向磁場に応答し
て相当大きな擾乱磁場が生ずる。
されないコイル配置には2つのクラスがあり(参考文献
[5]と[6]に記載されている)、それらは参考文献
[2],[3]の方法を用いる場合も、上述の参考文献
[1]のコイル・タイプよりも優れている。
[5]又は[6]のコイルは、一様に磁化されない場合
にはその好ましい性質を失ってしまう。
に、タイプIIの超伝導体の巨視的な磁化は超伝導体の内
部の閉じた路を流れる誘導電流によって生ずる。これは
その超伝導体の過去の履歴によって決まるものであり、
外部条件が変わらない限り、超伝導体の抵抗がゼロであ
るため実際上限りない時間にわたって一定にとどまる。
この電流が超伝導体の外側に磁場を発生させ、それはサ
ンプル体積内に望ましくない強い磁場擾乱を生ずる可能
性がある。
性によるスペクトルの擾乱は、従来次のような戦略によ
って最小に抑えられてきた。
最小化 A1. 発生し得る最大な磁化の大きさを最小にする
(コイルを十分狭いストリップに細分することによる
(参考文献[1],[5])。
すること。従来の全ての方法では、超伝導体は、タイプ
IIの種超伝導体の超伝導転移の際に乱れのない磁力線が
その中に常に凍結されるように磁場中で冷却される。こ
れにより、元の均一なB0磁場のパターンと異なる磁力
線の生成が最小に抑えられ、したがって、磁場の均一性
の擾乱も最小になる。特許参考文献[4]は、さらに、
この冷却プロセスをできるだけゆっくり行って、B0磁
場ができるだけ一様に且つ擾乱なしに凍結されるように
することを推奨している。
向磁場による超伝導コイルの後処理(参考文献[2],
[3])(逆方向電流領域が密接に隣接し、個々の磁場
寄与分の合計が良い近似で打ち消し合うような電流構
造)。
小にし又は完全にゼロにし、したがって超伝導コイル
(単数又は複数)の磁化、及びそれによって生ずる外部
磁場を、最小にするか又は完全にゼロにしてサンプル内
に発生する磁場を最小にするという共通の努力に基づい
ている。
ット
ット
74号明細書
31.5−33号明細書(未公開)
の方法及びデバイスの最終目標は、実際には超伝導(S
C)コイルによって生ずるスペクトルのNMR擾乱をゼ
ロにすることである。これは、必ずしも実効的透磁率を
最小化若しくはゼロにするか、又はSCコイルが生ずる
付加的磁場を最小化/ゼロにすることと等価ではない。
目標に関するこの微妙な、しかし非常に実質的な違い
は、従来技術の参考文献[2],[3],[4]において
完全に無視され、したがって、以前の全てのアプローチ
はSCコイルによって生ずる付加的磁場をゼロにするか
又は減少させることに集中されてきた。この違いを精密
に分析するならば、中心的な目的の全く異なる解決方法
が可能になる。すなわち、スペクトルにおけるNMR擾
乱をゼロにするか又は顕著に減少させることである。
向飽和磁化の無線周波数コイル、すなわち、参考文献
[5]によるコイル及び参考文献[6]によるコイルの
部分集合を何らかの磁化状態からNMR関連磁場擾乱が
本質的にゼロにされた状態に移すことができる核磁気共
鳴装置におけるz軸方向の均一静磁場に影響を与える方
法、及び核磁気共鳴共振器を提供することにある。
法に従って、RFコイルの超伝導成分を十分に強い付加
的磁場にさらし、この付加的磁場の印加の間、サンプル
のRF活性領域の近傍に配置されたRFコイルの超伝導
成分の全ての超伝導構造が可能な最大限度まで磁化さ
れ、z軸方向及びB0に対して横方向の磁化が実質的に
一定であってゼロと異なる値をとるようにするという驚
くほど単純かつ効果的な仕方で達成される。
磁場を印加した後にB0方向に対して横方向に全ての超
伝導導体構造の最大磁化で磁化し、z軸方向の磁化がゼ
ロと異なる実質的に一定の値を有する超伝導導体構造を
もつデバイスにおいて達成される。
を有するコイルの多くは(参考文献[5],[6])、
本発明によって単純かつ迅速な仕方で磁場擾乱から解放
される。
[4])と異なり、本発明は、超伝導体の磁化を最大化
し、それに伴ってサンプル内の擾乱磁場を最大化するこ
とによって最も単純な形で、NMR擾乱を均一化によっ
てゼロにする。これは一見したところ、完全に矛盾して
おり、公知の方法とは両立しないように思われる。しか
し、以下で説明するように、これは、論じられているコ
イルの部類で所望の成功を収める。さらに、本発明の方
法は従来の方法に比べて非常に単純である。ハードウエ
アは簡単なものであるか又は追加が不要であり、非常に
堅牢で再現性の高い結果が得られる。
文献[6]の実施の形態3又は4における参考文献
[6]のコイル、又は(参考文献[5]の図1)などの
配置による鳥篭型コイルをここでは「CHTSM」(Co
ils with Homogeneous Transverse Saturation Magneti
zation;均一横方向飽和磁化コイル)と呼ぶ。このよう
なコイル配置が図2にサンプル・チューブ7と合わせて
示されている。
ム調整において、SCコイルが発生するサンプル内の付
加的磁場dBの全ての磁場成分が小さくなるようにする
ことは本質的なことではない。最小に又は少なくとも均
一にしなければならないのはBz成分だけである。参考
文献[6]に記載されたコイルはこの所見に基づいてい
る。それらのコイルは、外部横方向磁場に応答してB0
方向に一様な横方向磁化密度を生ずる。これは、横方向
磁化の大きさに関わりなく、サンプル位置における無視
できるほどのBz成分をもたらす。その際、横方向磁化
密度がzに対して一定であることが重要である。
求されるz−均一性はCHTSMコイルの場合A2又は
A3の方法を用いないで達成される。zについて一定の
磁化が重要なのであってその磁化の絶対的な大きさが重
要なのでないということを認識することが重要である。
一定の依存性が得られれば、目標は達成される。これ
は、CHTSMコイルの場合、本発明に従って、最大
(飽和)磁化の(zについて)一定な性質を利用して得
られる。これはこのクラスのコイルに内在する性質であ
る。
く、均一に、特に最大に磁化することで、いかなる磁化
状態の後でも(一般に、zについて非一様な磁化 図1
(a)参照)zについて均一な横方向磁化を生成するこ
とが可能である。これはまた、サンプルの位置での擾乱
磁場を最大にする。これは一般に均一ではなく(x−y
平面における大きな非均一性)、図1(b)に示すよう
に非常に大きくなる。
レメントの幾何形状(幅、厚さ)及びエレメントの最も
長い寸法の方向での超伝導体の臨界電流密度によって得
られる。
Mコイル:上記B1)の場合、これは大きな(最大強
度)、しかし非常に精密に定められるz方向で一様な横
方向磁化MTを生ずる(図3)。
NMRに関連する擾乱をゼロにする(図1(b)参
照)。
均一横方向磁場が印加されない限り、参考文献[6]に
よってそれ以後ずっと続く。
気パルス又は強い横方向磁場の印加だけでCHTSMコ
イルが関連NMR擾乱をゼロにするのに十分である。こ
れは参考文献[2],[3]の従来の方法に比べて次の
ような利点がある。
波形やシーケンスは必要ない。
ばならない。用いるSC材料との精密な調整は必要な
い。
るシーケンスは必要とされないので、この飽和は非常に
速やかに行うことができる。
シーケンスの前、パルス・シーケンス中、又はパルス・
シーケンス間に行うことができる。
に何も追加の装置は必要ない。
方向磁場コイルを21を用いて実施できる。図5は、磁
化磁場BTを表す。変化dBTが十分大きいことが重要で
ある。これはいろいろな仕方で実行でき、最も簡単な場
合は、前にスイッチオンされた電流をスイッチオフする
方法による(図5(b)及び5(c))。初期磁化(図
5(d)の実線又は破線)に関わりなく、横方向磁化M
Tは、好ましく定められた最大の値MT MAXに近づき、そ
れはz方向に一定である。したがって、サンプル7に生
ずる磁場BMも最大値に近づき、それはz方向に一定で
ある。
容易に超伝導コイル配置を機械的に傾けることによって
可能である。1回の単一運動又は1回の単一往復運動で
当接又はストップを含むもので十分である。図6に最も
単純な形で示されているように、振幅のコントロールは
必要ない(最小の振幅が得られるようにしなければなら
ない)。結果は初期磁化状態と無関係である(図6
(d)の異なる破線、全てMT MAXになる)。
何も特別な装置を必要としないという意味でこの方法の
非常に簡単な実施が可能になる。プローブ・ヘッドを低
温状態で(超伝導(SC)コイルが臨界温度Tcより低
い温度)磁石から(十分な程度に)引き出し、次に再挿
入する。その結果、半径方向B0成分(これは磁力線の
外向き曲率のために磁石の均一領域(「プラトー」)の
外側に存在する(図18参照))が自動的にSCコイル
を非常に強い横方向磁場変化dBTeffにさらし(図1
9)、これは挿入の間単調に増大する。(又は、参考文
献[4]と異なり、プローブ・ヘッドを磁石の外側だけ
Tcより低温に冷却し、低温状態で挿入する)。
の運動に対するMT(z)の依存性を示している。この
方法はz軸のまわりの回転対称性によって有利である。
すなわち、平面構造が1つの方位(例えばxと平行なも
の)で飽和するだけでなく、直角な方位(yと平行なも
の)でも、又は他のどんな方位でも飽和するからであ
る。上で説明したように、この方法は超伝導NMRコイ
ルを処理してNMRスペクトルに何も擾乱を生じないよ
うにする完全に新しく、非常に効果的で堅牢で、費用が
かからないやり方である。これらの方法とデバイスは、
CHTSMコイルと合わせて、NMR受信コイルにおけ
るSCテクノロジーの広い応用のための重要な成分とな
る。
加的磁場の印加後も超伝導構造が最大に磁化した状態に
とどまり、それによって生ずるサンプル領域の磁場を最
大にするように付加的磁場の時間的経過が選ばれること
を特徴とする。RFコイルのこの最終状態は、特に1回
の単一磁気パルスで生成することが特に容易である。
付加的磁場は静磁場B0に対して横方向に印加される。
超伝導構造で本発明の横方向磁化を得るためにはこれが
最も単純な幾何形状であり、この場合付加的磁場全体が
横方向磁化に寄与する。
効果的な横方向付加的磁場を超伝導コイル又はコイル装
置をB0方向と平行でない軸のまわりで傾けることによ
って生成するという特に簡単な仕方で実現することがで
きる。これは磁化のために静磁場B0を利用して追加の
磁場発生構造を不要にするものである。
イルによって発生させる。これにより、付加的磁場を精
密に定められた仕方で、例えば一連の磁気パルスとして
導入することを可能にする。
は次々に活性化される2つ以上の磁場コイルによって発
生されて、サンプルのRF活性領域の近くに配置された
超伝導受信コイルの全てのコンポーネントが処理の間に
少なくとも1回最大に磁化されるようになる。これによ
り、超伝導構造が空間的に分布して整列している場合で
も、超伝導構造の均一な磁化が保証される。
用する実効的な横方向付加的磁場が、超伝導受信コイル
又は受信コイル装置をB0方向と平行でない2つの軸の
まわりに順次傾けることによって発生されることを特徴
とする。これによっても、超伝導構造が空間的に分布し
て整列している場合に超伝導構造の均一な磁化を保証す
る。この変形例は、特に、磁場を生成するのに追加の構
造を必要としない。
付加的磁場は静磁場B0を生ずる磁石に超伝導コイルを
初めて又は反復して導入することによって発生される。
これは特に簡単でありかつ安上がりである。
の変化は、超伝導構造の望ましくない消磁を行わずに済
むように符号の変更によって行われる。
方向磁場は1回の単一パルスであり、その振幅は超伝導
成分の最終磁化がゼロでないように設計される。
してはデバイスという観点から見てほとんど努力を要し
ない方法である。
は二重又は多重のパルスであり、その最後のパルスの振
幅と符号は超伝導成分の最終磁化がゼロと異なるような
ものである。この変形例は、ある横方向磁化をゼロと異
なるように調整し、同時にパルスの印加から生ずる擾乱
を最小にするために用いることができる。
磁場は二重パルスであり、第2のパルスは第1のパルス
と符号が反対であり、2つのパルスの振幅はほぼ等し
い。それにより、第1のパルスで生ずる磁化は第2のパ
ルスによって反転される。二重パルスは隣接する構造に
誘導される渦電流が最小になるという好ましい性質があ
る。
の形態では、超伝導導体構造が実質的にB0方向と平行
でサンプルのBz成分を最大限に除去するようになって
いる。
は、超伝導導体の材料が付加的な磁場の印加後最大に磁
化した状態にとどまり、それによって生ずるサンプル領
域の磁場を最大にするように選ばれる。このようにし
て、磁化状態は付加的な磁場の印加後も一意的に定まっ
た状態にとどまる。
の形態では、超伝導導体構造のB0の方向に対して横方
向の最大磁化は実質的にzについて均一であるというこ
とを特徴とする。これはz軸に沿って一定であり且つゼ
ロと異なる横方向磁化の特に容易な設定を可能にする。
から明らかにできる。上述した特徴及び以下で述べる特
徴は本発明に従って単独でも任意の組み合わせによって
も利用できる。図示され説明される実施の形態は全てを
列挙したものと理解すべきものではなく、本発明を説明
するための例示的な性格のものと理解すべきである。
形態によって詳しく説明する。
できる訳ではなく、「CHTSM」というコイル部類
(Coils with Homogeneous Transverse Saturation Mag
netization)に属するコイルにしか適用できない。これ
は、その超伝導構造が静磁場B 0(これはz軸と平行で
あると仮定される)と平行に向いているということで特
徴づけられる。さらに、各巨視的な実在の又は概念上の
ストリップ11(図2(a))内の実効的な磁場BTeff
の印加から生ずる発生し得る最大(飽和)磁化M Tはz
について均一である(この状況は図3(a)に示されて
いる)。さらに、これらのコイル・タイプは、z方向で
コイルのRF領域(「RF」)を超えて十分に延伸して
いる超伝導構造しか有しない(図1)。
に、NMRサンプルを収容するサンプル・チューブ7と
一緒に示されている。図2(a)は、参考文献[6]に
よるコイルを示し、その超伝導構造8はRF領域を超え
て(「SC」で表される全長まで)延伸している。
ブリッド鳥篭型コイルを示す。これもRF領域よりも長
いストリップ状超伝導エレメント10(「SC」)の全
長を含む。このコイル・タイプでは、RF領域は共振器
の完全な一部を成す常伝導エレメント9によって限定さ
れている。
ルはその横方向飽和磁化がz方向に伸びる各概念上のス
トリップ状領域11に沿って巨視的に一定であるように
設計されなければならない。図2(b)のコイルでは、
これは通常自動的に成り立っているが、参考文献[6]
に記載されている図2(a)のコイルではその一部でし
か成り立たない。
場の変化に対する超伝導NMR受信コイル装置の表面エ
レメントの磁気的な応答として生成される。
ト11は必ずしもコイル全体に対応せず、z方向のスト
リップとして延伸する想像上で切り出された各巨視的部
分に対応している。この部分の横方向磁化を内部構造に
関わりなく検討する。ストリップの形のエレメントは小
さなエレメント12に、(図2(a)のコイルにおける
ように)現実に、又は(図2(b)のコイルにおけるよ
うに)単に概念上分割される。
を流れる一連の電流ループと解釈される。これらの電流
Iは、一般に、外部磁場変化への応答として生ずる。超
伝導体は磁束を維持しようとするので、外部から印加さ
れた実効的な磁場変化dBTe ffに応答して遮蔽電流I
INDが発生し、それがさらに外部磁場の変化dBTと反対
向きの磁化MTを生ずる。
流密度によって制限されるので、磁化の強さも制限され
る。図3(b)は、外部磁場BTと磁化MTの単純化した
関係を−MT MAX≦MT≦+MT MAXで示している。磁化
されていない状態からスタートして、負で増加するBT
が磁化を最大値+MT MAXまで増加させる。さらにBTを
減少させても、磁化はその最大値にとどまる(太線)。
カーブは履歴的である。BTの変化を逆転させると、全
体電流IINDは小さくなり、符号を変え、最後に最大値
で−MT MAXという磁化になる。この依存性の詳細は参
考文献[6]、参考文献[2]、及び参考文献[3]に
詳しく示されている。これに関連して、電流ループI
INDは原理的にストリップエレメント11における位置
に依存し、II ND(z)は一般に強度が変化することが
できるということが重要である。このように、MTもz
に依存する。したがって、全体の関数MT(z)を常に
観測しなければならない。図3(b)に示された方法の
核心は、適当な磁場変化dBTを印加することによっ
て、全てのMT(z)が同じ値をとる、ここでは+M
T MAXという値をとる、すなわち、MT(z)=+M
T MAXとなるということである。
磁化は、NMRサンプル7における静磁場B0の磁場依
存性にどのような影響を及ぼすかについては、図1
(a)と1(b)に示されている。2つの図は(左
側)、受信コイルの左手側にある超伝導エレメント(こ
こでは8と記されている)をその横方向磁化MT(z)
と共に示し、その依存性がzの関数として示されてい
る。磁化は2つの最大値+MT MA Xと−MT MAXの間にな
ければならないということに注意すべきである。
BMの磁力線の空間依存性を示す。NMRの均一性にと
って重要なのは、サンプル内にあり同時に活性RF領域
内にあるBz成分だけである(参考文献[6]で導出さ
れる)。これは「RF」で表されている。右手側はサン
プルの中心(z軸)に沿ったBz成分をzの関数として
示している。
(a)は、横方向磁化MT(z)の一般的な依存性1
3’は磁化によって発生する擾乱磁場BMならびにその
z成分BMZの強く乱れた依存性を生じ、したがって、B
zの乱れた依存性を、したがって、NMRスペクトルの
線の形に擾乱を生ずることを示している。
いる。それは、超伝導体の磁化そのものを最小にせず、
むしろここで示された最も単純なケースではそれを最大
にする。したがって、サンプルにおける擾乱磁場BMは
最大になる。zに沿った磁化13”はほぼ一定なので、
参考文献[6]によってBz成分の磁場分布は超伝導構
造(そのz方向の延長が「SC」で表される)の端では
強い擾乱を生ずるが、もっと小さいRF領域(「R
F」)内ではBzの依存性は実際上ゼロになる。このよ
うに、最大磁化によって、Bz成分のみによって生ずる
実際のNMR擾乱(参考文献[6]における詳しい議論
参照)が実際上ゼロになる。
の最も簡単な依存性だけを論じてきた。しかし、さらに
いくつかの可能且つ妥当な依存性があるし、可能ないろ
いろな初期条件がある。これらについて以下でさらに詳
しく述べる。
BTの変化を仮定している。図4(b)は関連した超伝
導表面エレメントの応答MTをやはり時間の関数として
示している。図4(c)はBTとMTの関係を示す。磁場
BTの全体的変化がdBTである。磁化はそれによって正
になり、初期状態に関わりなく最大値+MT MAXに近づ
く。磁場の変化が最小限必要な値dBT MIN(実質的に
材料によって決まる)を超えると、全ての表面エレメン
トは最大になり、該当する幾何形状の場合、最初の磁化
に関わりなく一様に磁化される。
は、それによって所望の均一な磁化が得られる。図4
(b)及び図4(c)は、全ての可能な磁化状態の全体
グループ14(時間の関数としての磁化の依存性が1
4’と記され、磁場BTの関数としての依存性が14”
と記され、極値は太線で、中間値は破線で記されてい
る)が一意的に定まる最大磁化+MT MAXの状態に移さ
れる。そのための前提条件は、該当するRFコイルの幾
何形状と横方向磁場変化、|dBT|≧dBT MIN、の印
加だけである。ここで、dBT MINは超伝導エレメント
を完全に再磁化するのに必要な磁場変化である。これ
は、極端な場合、(臨界)電流の逆数又は磁化の変化2
・MT MAXに対応する。
コイルによって実施される。図5(a)は、RFコイル
8又はその1セクションを示す。磁場コイル21はその
近くに配置され、それを流れる電流Iの変化dIによっ
て横方向磁場の変化dBTを発生できる。図5(b)は
電流Iの時間的変化dIを示している。それは横方向外
部磁場をdBTだけ変化させ(図5(c))、それは初
期状態及び依存性14’に関わりなくセクション全体の
内部の完全な横方向磁化MTを生ずる(図5(d))。
この方法が完了したとき、全体の横方向磁化はMT=M
T MAXとなる。
成する必要はない。この方法を実施するもう1つの非常
に効果的な仕方は容易に実行できる。そこでは横方向成
分は外部磁場によって直接生成されず、コイル又は個々
のエレメント8を傾けること(図6(b))によって、
好ましくは外部磁場B0と直角に向いた(図6(a))
軸19のまわりで角度dαだけ傾けることによって生成
される。これは、超伝導体の座標系で、実効的な磁場変
化dBTeffを生ずる(図6(c))。これは上で述べた
成分BTと同じ効果を超伝導体に生ずる(図6
(d))。
なくMTへの効果を検討する。BTの絶対的な大きさでは
なく、その変化dBTだけが関わってくる。図7(a)
に示されたBTの全ての依存性(実線又は破線のカー
ブ)が、磁化に関しては同じ依存性を生ずる(図7
(b))。横方向磁場成分の精密な値に関して何も特別
な必要条件がないという点でこれは重要である。
トがzに沿って同じ磁化を有するときに達成される。こ
の磁化が正であるか負であるかは重要でない。図8
(a)のBT(t)の3つの依存性は全て同じ最終磁化
−MTMAXを生ずる(図8(b))。
変化全体又は個々のコイル・エレメントの間の変化の符
号は関係ないということを強調しておかなければならな
い。
と最終状態が同一であるということが有利であり、又は
場合によって、ほとんど絶対に必要である(再現性)。
これまで、BTについて階段関数だけを論じてきた。こ
れは絶対に必要という訳ではない。(正及び負の側の)
パルス印加も可能である。唯一の条件は振幅dBTeffが
十分に大きいことである(図9(a))。図9(b)に
はっきりと示されているように、最初に可能な全ての磁
化状態が単一の磁化状態MTMAXに移される。
のパルス(図10(a))は負の、しかしやはり一様な
磁化を生ずる(図10(b))。
る。それは任意の相対強度の二重パルスでも機能する。
dBTeffは十分に大きくなければならない(図11)。
場合、やはりdBTeffが十分に大きいという前提条件の
下で、この方法の限りない有効性を示している(図12
(a))。どんな初期磁化のエレメントも同じ最終磁化
を有する(図12(b))。
BT(|dBT|≧dBTMIN)で終わるものが示された。
これは「飽和パルス」であって、その役目は全てのエレ
メントの磁化を最大にすることである(「飽和」)。以
下では、この磁場変化を別に「dBTSAT」と呼ぶことに
する。これを磁場シーケンスの最後に置くことが最も単
純かつ堅固なケースになる。しかし、これは必要ではな
い。このパターンなしでやはり所望の目標を生み出す他
のシーケンスがある。
飽和磁場変化dBTSATの後に別の磁場変化dBTFINが続
く。それはdBTSATと反対の符号を有する(そうでなけ
れば、それらの作用は区別できず、このケースを考察す
ることは無駄である)。
せる(図13(b))。図13(c)は、BT−MT平面
での依存性を示す。しかし、減少した磁化も(対応する
超伝導コイル及びBTを生ずるデバイスの設計によっ
て)初期磁化に完全に関わりなく(zに沿って)一定に
(MTMAXより下のMTFIN)とどまる(MTの異なる初期
状態はその進展を含めて図13(b)に時間の関数(1
4’)として、図13(c)ではBTの関数(14”)
として破線で示されている)。全てのエレメントのzに
沿って一定の磁化という目標は依然として達成されてい
る。zに沿って配置された異なるエレメントの値が等し
いということだけが重要なのである。MT=0であるこ
とはこの方法の目的でも目標でもない。
分に大きく、MTの符号を飽和値MT MAXに対して逆転さ
せることも可能である(図14の(b),(c))。
して抽象的にしか論じられなかった。以下では必要なハ
ードウエアについて簡単に述べる。図15は、本発明の
方法を実行できる低温プローブ・ヘッドの概観を示して
いる。
イル8を含む。これらは熱交換器18及び冷却配管16
によって冷却され、気体又は液体のHeはこれを通って
流れる。測定されるNMRサンプルはプローブ・ヘッド
の開口に位置し、それは通常室温又はその近くにあり、
温度制御気体17によって所望の温度に保たれる。B T
成分はここに示されている2つの異なるデバイスによっ
て独立に生成される。すなわち、磁場コイル21による
Bx磁場の直接の生成、又は超伝導コイル8を回転軸1
9のまわりで傾けることによって生成される。ここで、
傾斜運動はアクチュエータ20によって行われる。
に平行になっているコイルに関して得られる関係を論じ
てきた(図2(a)又は図15)。もっと一般的なエレ
メント配置を有する装置(例えば、図16のコイル8又
は図2(b)のエレメント10の配置)は、BT磁場の
横方向成分が全ての既存平面と直角で十分な強度である
ことを必要とする。これは2つの異なる方向に実効的な
横方向磁場を印加することによって達成できる(図1
6)。これは、x方向の軸19'のまわり及びy方向の
軸19"のまわりの回転を可能にする2つの独立なアク
チュエータ20を用いて実施することができる。1
9’、19”、及びzはどれも互いに平行でない。それ
らは、通常互いに直角に配置されている。最も簡単な場
合、それらは最初一方の軸のまわりで傾けられ 、次に
他方の軸のまわりで傾けられる。必要ならば、これらの
運動を結合することができ、それは1つの斜めの軸のま
わりで傾けることに対応する。
る磁場コイルの配置によって実施できる(図17参
照)。2つのプローブ対21’と21”がプローブ・ヘ
ッド15に設置され、x又はy方向に磁場を生ずること
ができる。それらは、1つずつ又は一緒にコントロール
することができる。
ば何もデバイスを追加せずに実行することができる。
e容器2の中に置かれた超伝導磁石1を示す。He容器
2は真空5によってジュワーびんの外壁3から熱的に絶
縁されている。室温のボア4がプローブ・ヘッド15
(図15及び図17)を収容する。静磁場B0の依存性
がここで重要である。それは通常回転対称なベクトル磁
場B0(x,y,z)を構成し、したがってB0(z,r)
と記述することができる。この磁場の依存性は磁石の室
温ボア4の内側でも外側でも重要である。分光器の使用
時に用いられる極めて均一な磁場領域は磁石中心「M
C」のまわりの狭い領域にある。関連するBz成分の依
存性Bz(z)は別に線A−A'で定められるz軸に沿っ
て示されている。z軸のまわりの回転対称性によって、
磁場はz軸全体に沿って正確にz方向に向いている。横
方向成分BT(Brの形又はBx,Byの形)は何もな
い。磁石内部の均一領域、ならびに磁石の端への急激な
磁場の低下、及び磁石の外側での漸近的に減少する浮遊
磁場の低下が見てとれる。本発明の方法にとって重要な
のはz軸の外側における磁場の依存性である。z軸から
の間隔r0にある線B−B'上でのBz成分は(ここには
示されないが)z軸上のものと同様である。z軸の外で
ははっきりとした静磁場の横方向(すなわち、半径方
向)成分(Br)がある。divB=0であるから、ガ
ウスの定理によって、z軸からの間隔r0でのz方向の
Bzのどんな変化も必然的に磁場の半径方向成分Brを
生ずることになる。良い近似で次の式が成り立つ。
激な低下が200mmという距離での全磁場の減衰に対
応すると想定される場合、対称軸からr0=4mmとい
う間隔でBTの最大半径方向磁場成分はBr=1000G
となる。これは、一般に超伝導RFコイルを構成するの
に現在用いられている超伝導体の完全な磁化を実現する
のに十分である。
ている。Bz磁場が最も急激に増加及び減少する両領域
で、Br成分はそれぞれ比較的強い最大を示している。
これが、図19に詳しく示されているように、本発明の
非常に簡単なしかし効果的な変形例に利用されている。
磁石ボア4の磁気的中心における低温プローブ・ヘッド
の作業位置が受信コイル・システムの超伝導エレメント
8と共に15と記されている。これらはz軸から間隔r
0にある。B−B’はこの間隔でz軸と平行な線を表し
ている。半径方向磁場成分の概略依存性Br(z)が図
18から取られて別に示されている。これは実質的に詳
しく説明した横方向磁場成分BTに対応する。
は、既に低温になっている超伝導コイル系が磁石に挿入
される。これは、例えば、プローブ・ヘッド全体を作業
位置15の外側のある位置15’から挿入することによ
って可能である。やがて明らかになるように、挿入され
る最後のピースが重要なのであって、その過去は重要で
ない。特に、作業位置15にある既に冷却されたプロー
ブ・ヘッドを作業位置15から位置15’に移動し、次
に作業位置15に戻すこともできる。
8’にあると仮定する。それらは初期には任意の磁化1
3’MT(z)を有すると仮定する。
性がプロットMT(z)の右手側に示されている。横方
向磁場Br(z)の依存性に対応して、磁化がたどる図
4又は図9と類似な軌跡14”’が挿入の際に生ずる。
初期磁化13’は、初期状態に関わりなく、全てのエレ
メントで同一の負の最大磁化−MTMAXに移される。変化
dBTeffが十分に大きく(≧dBTMIN、図4参照)、超
伝導コイルが十分に遠い引き抜かれた位置から導入され
るならば、これは常に起こる。
の移行によって、所望の横方向磁化の均一化とNMR擾
乱の除去を非常に単純な、きわめて効果的で堅牢な仕方
で達成する。この方法はまた、特に、図16のコイル8
又は図2(b)のエレメント10の配置で示されている
ように複数の非平行平面に配置された超伝導体を有する
コイルを処理するのに適している。超伝導エレメントを
含む全ての平面は実質的に半径ベクトルr0に直角であ
り、全てが同時にかつ効果的に磁化される。
受信コイル装置のエレメントの超伝導成分によって生ず
る擾乱磁場BMZを示す図であり、(b)は、本発明の方
法を適用した後のNMR受信コイル装置のエレメントの
超伝導成分によって生ずる擾乱磁場BMZを示す図であ
る。
[6]によるNMR受信コイル装置を示す図であり、
(b)は、本発明の方法が関わる参照文献[5]による
NMR受信コイル装置を示す図である。
ルのストリップ状部分ピースの磁化状態を示す概略図で
あり、(b)は、外部磁場変化に対する超伝導NMR受
信コイル装置の表面エレメントの磁気的応答の関連概略
分析を示す図である。
性をB−tプロットで示す図であり、(b)は、関連し
たコイル磁化の時間依存性をM−tプロットで示す図で
あり、(c)は、外部磁場と超伝導エレメントの磁化の
関係の関連概略分析を示す図である。
れたRFコイルのストリップ状部分ピースの磁化状態を
示す概略図であり、(b)は、関連した磁場コイル電流
の時間依存性をI−tプロットで示す図であり、(c)
は、関連した横方向磁場の時間依存性をB−tプロット
で示す図であり、(d)は、関連したコイル磁化の時間
依存性をM−tプロットで示す図である。
信コイル・エレメントを傾けることによって生成される
RFコイルのストリップ状部分ピースの磁化状態を示す
概略図であり、(b)は、関連した傾きの時間依存性を
α−tプロットで示す図であり、(c)は、関連した実
効横方向磁場の時間依存性をB−tプロットで示す図で
あり、(d)は、関連したコイル磁化の時間依存性をM
−tプロットで示す図である。
化の時間依存性をB−tプロットで示す図であり、
(b)は、関連したコイル磁化の時間依存性をM−tプ
ロットで示す図である。
化の時間依存性をB−tプロットで示す図であって、磁
場変化の符号は図7aに対して反転されている図であ
り、(b)は、関連したコイル磁化の時間依存性をM−
tプロットで示す図である。
B−tプロットで示す図であり、(b)は、関連したコ
イル磁化の時間依存性をM−tプロットで示す図であ
る。
存性をB−tプロットで示す図であって、磁場変化の符
号は図9(a)に対して反転されている図であり、
(b)は、関連したコイル磁化の時間依存性をM−tプ
ロットで示す図である。
間依存性をB−tプロットで示す図であって、2つのパ
ルスは異なる符号を有する図であり、(b)は、関連し
たコイル磁化の時間依存性をM−tプロットで示す図で
ある。
間依存性をB−tプロットで示す図であって、2つのパ
ルスは同じ符号を有する図であり、(b)は、関連した
コイル磁化の時間依存性をM−tプロットで示す図であ
る。
をB−tプロットで示す図であって、飽和パルスの後で
さらに別の小さな反対方向の磁場変化が起こっている図
であり、(b)は、関連したコイル磁化の時間依存性を
M−tプロットで示す図であり、(c)は、外部磁場と
超伝導エレメントの磁化の関係の関連概略分析を示す図
である。
をB−tプロットで示す図であって、飽和パルスの後で
磁化を逆転させるためにさらに別の反対方向の磁場変化
が印加されている図であり、(b)は、関連したコイル
磁化の時間依存性をM−tプロットで示す図であり、
(c)は、外部磁場と超伝導エレメントの磁化の関係の
関連概略分析を示す図である。
向にBT成分を発生するデバイスが設けられているNM
Rプローブ・ヘッドを示す図である。
のに適した本発明の受信コイル装置の傾斜デバイスの詳
細構造を示す図である。
加するのに適した2つの磁場コイル対の概略配置を示す
図である。
図である。
・ヘッドの磁石への挿入又は再挿入の際の横方向静磁場
の依存性を利用する本発明の方法を示す概略図である。
Claims (16)
- 【請求項1】 核磁気共鳴(NMR)装置における測定
容積内のサンプルからのNMR信号を受信するための無
線周波数(RF)コイルの超伝導成分が原因となって擾
乱が発生し、該RFコイルの超伝導成分がz方向でサン
プルのRF活性領域を超えて延伸し、該擾乱がサンプル
のRF活性領域のB0磁場のz成分に関わっている、核
磁気共鳴(NMR)装置におけるz軸方向の均一静磁場
B0に影響を与える方法において、 該RFコイルの超伝導成分が十分な強度の付加的磁場に
さらされ、この付加的磁場の印加の過程で、サンプルの
RF活性領域の近傍に配置されたRFコイルの超伝導成
分の全ての超伝導構造が最大に磁化され、したがってz
軸に沿ってB0に対して横方向のそれらの磁化が実質的
に一定であると共にゼロと等しくない値をとることを特
徴とする方法。 - 【請求項2】 該超伝導構造が該付加的磁場の印加後も
最大に磁化された状態にとどまり、それによって生ずる
サンプル領域における磁場を最大にするように該付加的
磁場の時間的依存性が選択されることを特徴とする請求
項1記載の方法。 - 【請求項3】 該付加的磁場が静磁場B0に対して横方
向に印加されることを特徴とする請求項1又は2記載の
方法。 - 【請求項4】 超伝導体に作用する実効的横方向付加的
磁場がB0の方向と平行でない軸のまわりに該超伝導コ
イル又はコイル装置を傾けることによって発生されるこ
とを特徴とする請求項3記載の方法。 - 【請求項5】 該付加的磁場が磁場コイルによって発生
されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項
に記載の方法。 - 【請求項6】 該付加的磁場が、次々に活性化される2
つ以上の磁場コイルによって発生され、活性化の間に、
サンプルのRF活性領域の近傍に配置された超伝導受信
コイル装置の全ての成分が少なくとも一度最大に磁化さ
れるように発生されることを特徴とする請求項1乃至4
のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項7】 超伝導体に作用する実効的横方向付加的
磁場が、B0の方向と平行でない2つの軸のまわりに該
超伝導コイル又はコイル装置を順次傾けることによって
発生されることを特徴とする請求項3記載の方法。 - 【請求項8】 該横方向付加的磁場が、静磁場B0を発
生する磁石に超伝導状態にあるコイルを最初に又は繰り
返し導入することによって発生されることを特徴とする
請求項1、2、又は4のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項9】 該横方向付加的磁場変化がただ1つの符
号を有することを特徴とする請求項3乃至8のいずれか
1項に記載の方法。 - 【請求項10】 該横方向付加的磁場が、超伝導成分の
最終磁化がゼロでないような振幅の1つの単一パルスで
あることを特徴とする請求項3乃至9のいずれか1項に
記載の方法。 - 【請求項11】 該横方向付加的磁場が二重又は多重パ
ルスであり、最後のパルスは超伝導成分の最終磁化がゼ
ロでないような振幅と符号を有することを特徴とする請
求項3乃至9のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項12】 該横方向付加的磁場が二重パルスであ
り、第2のパルスは第1のパルスと反対の符号を有し、
両方のパルスの振幅がほぼ等しいことを特徴とする請求
項3乃至9又は11のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項13】 z軸の方向に均一な磁場B0を発生す
る手段を有する核磁気共鳴(NMR)装置の座標原点
(x,y,z=0)を中心に配された研究対象容積内の測
定サンプルへ、及び/又は、から1つ以上の所望の共鳴
周波数でRF(無線周波数)信号を放出する、及び/又
は、受信するための少なくとも1つのRF(無線周波
数)コイルを備えた核磁気共鳴(NMR)共振器であっ
て、該NMR共振器の超伝導導体構造は該測定サンプル
からある半径方向(x,y)間隔に配置され、該超伝導
導体構造がz方向で該測定サンプルのRF活性部分を超
えて延伸している核磁気共鳴共振器において、 ある付加的磁場の印加後、全ての超伝導導体構造は、B
0の方向に対して最大の横方向磁化を有し、z軸に沿っ
て実質的に一定であり且つゼロに等しくない値を有する
横方向磁化を生ずることを特徴とする核磁気共鳴共振
器。 - 【請求項14】 該超伝導導体構造が実質的にB0方向
と平行に向いていることを特徴とする請求項13に記載
の共振器。 - 【請求項15】 該超伝導導体構造の材料が、付加的磁
場の印加後もその最大磁化を保ち、それによって生ずる
サンプル領域における磁場を最大にするように選ばれる
ことを特徴とする請求項13又は14記載の共振器。 - 【請求項16】 B0の方向に対して横方向の該超伝導
導体構造の最大磁化が実質的にzについて均一であるこ
とを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記
載の共振器。
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