JP2003302359A - マイクロ化学システム用チップ部材 - Google Patents

マイクロ化学システム用チップ部材

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JP2003302359A
JP2003302359A JP2002110388A JP2002110388A JP2003302359A JP 2003302359 A JP2003302359 A JP 2003302359A JP 2002110388 A JP2002110388 A JP 2002110388A JP 2002110388 A JP2002110388 A JP 2002110388A JP 2003302359 A JP2003302359 A JP 2003302359A
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glass substrate
analysis
microchemical system
solution sample
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JP2002110388A
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Takao Miwa
隆雄 三輪
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板間の高い位置決め精度を不要とし、マイ
クロ化学システム全体を小型化することができるマイク
ロ化学システム用チップ部材を提供する。 【解決手段】 マイクロ化学システム用チップ部材10
0は、透明な板状のガラス基板11と、ガラス基板11
の一方の表面に一体に接合された透明な板状のガラス基
板12とを備える。ガラス基板11は、その一方の表面
に両端が夫々Y字形に分岐している分析用流路13と、
分析用流路13の各分岐端に設けられた4つのバッファ
部14とを有し、さらに分析用流路13の各バッファ部
14の対向位置において分析用流路13をガラス基板1
1の他方の表面に開口する4つの貫通孔15とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マイクロ化学シス
テム用チップ部材に関し、特に、光熱変換分光分析用の
マイクロ化学システムに用いられるマイクロ化学システ
ム用チップ部材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、化学反応を微小空間で行うた
めの集積化技術が、反応の高速性や微小量での反応、オ
ンサイト分析等の観点から注目され、世界的に精力的に
研究が進められている。
【0003】化学反応の集積化技術の1つとしてのマイ
クロ化学システムは、マイクロ化学システム用チップ部
材の内部に形成された微細な分析用流路の中で溶液試料
の混合、反応、分離、抽出、検出などを行うことを目的
としたものである。マイクロ化学システムで行う反応の
例には、ジアゾ化反応、ニトロ化反応、抗原抗体反応が
あり、抽出や分離の例には、溶媒抽出、電気泳動分離、
カラム分離などがある。「分離」のみを目的としたもの
として、極微量のタンパクや核酸等を分析する電気泳動
装置が提案されており、この装置に用いられているマイ
クロ化学システム用チップ部材は、互いに接合された2
枚のガラス基板で構成され、一方のガラス基板の接合面
に分析用流路が形成されたものである(例えば、特開平
8−178897号公報)。このマイクロ化学システム
用チップ部材は板状であるので、断面が円形又は角形の
ガラスキャピラリチューブに比べて破損しにくく、取扱
いが容易である。
【0004】マイクロ化学システムにおいては、溶液試
料の量が微量であるので、高度な検出方法が必須である
が、分析用流路の溶液試料の光吸収により発生する熱レ
ンズ効果を利用した光熱変換分光分析法が確立されるこ
とにより、実用化への道が開かれている。
【0005】図6は、従来のマイクロ化学システム用チ
ップ部材の概略構成を示す分解斜視図である。
【0006】マイクロ化学システム用チップ部材60
は、ガラス基板61と、ガラス基板61の一方の表面に
一体に接合されたガラス基板62とを備える。ガラス基
板61は、その一方の表面に両端が夫々Y字形に分岐し
ている分析用流路63と、分析用流路63の各分岐端に
設けられた4つのバッファ部64とを有し、ガラス基板
62は、ガラス基板61の各バッファ部64の対向位置
において4つの貫通孔65を有する。
【0007】このようなガラス基板が61,62が接合
されたマイクロ化学システム用チップ部材60では、貫
通孔65の少なくとも1つを介して分析用流路63に溶
液試料が注入され、そこで光熱変換分光分析法を用いて
溶液試料の分析が行われる。
【0008】上記光熱変換分光分析法は、溶液試料に光
を集光照射したときに溶液試料中の溶質の光吸収に起因
してその後放出される熱エネルギーにより溶液試料が局
所的に温度上昇して屈折率が変化し、その結果熱レンズ
が形成されるという光熱変換効果を利用するものであ
る。
【0009】上記光熱変換効果を利用して微量の溶液試
料の検出を行うマイクロ化学システムとしては、例えば
特開平10−232210号公報に記載されたものが提
案されている。
【0010】このマイクロ化学システムにおいては、マ
イクロ化学システム用チップ部材は、顕微鏡の対物レン
ズの下方に配置され、励起光光源から出力された所定波
長の励起光は、顕微鏡に入射し、この顕微鏡の対物レン
ズによりマイクロ化学システム用チップ部材の分析用流
路内の溶液試料に集光照射される。その集光照射された
励起光は、溶液試料の焦点位置で吸収されて、その集光
照射位置を中心として熱レンズが形成される。
【0011】一方、検出光光源から出力された波長が励
起光と異なる検出光は、顕微鏡に入射し、顕微鏡から出
射される。この検出光は、励起光により溶液試料に形成
された熱レンズに集光照射され、溶液試料を透過して発
散又は集光する。この溶液試料から発散又は集光して出
射された光は信号光となり、その信号光は、集光レンズ
及びフィルタ又はフィルタのみを経て光電変換器により
電気信号とされ、この電気信号は検出器により検出され
る。この検出器により検出された電気信号の強度は、溶
液試料において形成された熱レンズに応じて変化する。
なお、検出光は励起光と同じ波長のものでもよく、ま
た、励起光が検出光を兼ねることもできる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記マ
イクロ化学システム用チップ部材60では、ガラス基板
62の貫通孔65からガラス基板61のバッファ部64
への溶液試料を安定的に流すためには、ガラス基板61
に対するガラス基板62の位置決めを精度よく行うこと
により、貫通孔65とバッファ部64とのズレをなくす
必要があった。
【0013】即ち、分析用流路63の幅及び深さは、通
常数10〜数100μmと小さいため、ガラス基板62
に設けられているバッファ部64の位置を分析用流路6
3に確実に合わせることは困難であった。
【0014】また、ガラス基板61の一方の表面上の分
析用流路63は、分析用流路63が化学エッチング法で
形成された場合等は内壁面が曲面状となるので、マイク
ロ化学システム用チップ部材60を光熱変換分光分析用
として用いた場合、検出光や励起光の乱反射を避けるた
めに4つの貫通孔65を有するガラス基板62を対物レ
ンズ側となるよう設置することが好ましい。従って、貫
通孔65から溶液試料を注入排出するための設備を対物
レンズと同じくガラス基板62側に配置する必要が生
じ、マイクロ化学システム全体が大型化するという問題
があった。
【0015】本発明の目的は、基板間の高い位置決め精
度を不要とし、マイクロ化学システム全体を小型化する
ことができるマイクロ化学システム用チップ部材を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載のマイクロ化学システム用チップ部材
は、一方の表面に分析用流路が形成された透明基板と、
前記一方の表面に接合された他の透明基板とを備えるマ
イクロ化学システム用チップ部材において、前記透明基
板は、前記分析用流路の端部において前記分析用流路を
前記一方の表面以外の表面に開口する貫通孔を有するこ
とを特徴とする。
【0017】請求項1記載のマイクロ化学システム用チ
ップ部材によれば、一方の表面に分析用流路が形成され
た透明基板は、分析用流路の端部において分析用流路を
透明基板の一方の表面以外の表面に開口する貫通孔を有
するので、透明基板と他の透明基板とを接合する際に、
溶液試料を安定的に流すための基板間の高い位置決め精
度を不要とすることができる。
【0018】請求項2記載のマイクロ化学システム用チ
ップ部材は、請求項1記載のマイクロ化学システム用チ
ップ部材において、前記透明基板は、前記マイクロ化学
システムの位置決め用の孔を有することを特徴とする。
【0019】請求項2記載のマイクロ化学システム用チ
ップ部材によれば、透明基板は、マイクロ化学システム
の位置決め用の孔を有するので、マイクロ化学システム
による光熱変換分光分析の際、マイクロ化学システム用
チップ部材の分析用流路中の溶液試料に励起光及び検出
光を確実に集光することができる。
【0020】請求項3記載のマイクロ化学システム用チ
ップ部材は、請求項1又は2記載のマイクロ化学システ
ム用チップ部材において、前記分析用流路に注入された
溶液試料に前記一方の表面側から励起光及び検出光を照
射する照射手段を備える光熱変換分光分析用のマイクロ
化学システムに用いられることを特徴とする。
【0021】請求項3記載のマイクロ化学システム用チ
ップ部材によれば、分析用流路に注入された溶液試料に
透明基板の一方の表面側から励起光及び検出光を照射す
る照射手段を備える光熱変換分光分析用のマイクロ化学
システムに用いられるので、検出光や励起光の乱反射を
避けるため貫通孔を有する透明基板をマイクロ化学シス
テム用チップ部材に関して照射手段の反対側に設置する
ことが好ましく、溶液試料の注入排出のための設備を照
射手段と同じ他の透明基板側に配置する必要をなくし
得、マイクロ化学システム全体を小型化することができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
マイクロ化学システム用チップ部材を図面を参照して詳
述する。
【0023】本発明の実施の形態に係るマイクロ化学シ
ステム用チップ部材は、マイクロ化学システム用チップ
部材の内部に形成された微細な分析用流路の中で溶液試
料の混合、反応、分離、抽出、検出などを行うことを目
的としたマイクロ化学システムに用いられる。
【0024】図1は、本発明の実施の形態に係るマイク
ロ化学システム用チップ部材の概略構成を示す分解斜視
図である。
【0025】図1において、マイクロ化学システム用チ
ップ部材100は、透明な板状のガラス基板11と、ガ
ラス基板11の一方の表面に一体に接合された透明な板
状のガラス基板12とを備える。ガラス基板11は、そ
の一方の表面に両端が夫々Y字形に分岐している分析用
流路13と、分析用流路13の各分岐端に設けられた4
つのバッファ部14とを有し、さらに分析用流路13の
各バッファ部14の対向位置において分析用流路13を
ガラス基板11の他方の表面に開口する4つの貫通孔1
5とを有する。これにより、ガラス基板11とガラス基
板12とを接合する際に、溶液試料を安定に流すための
基板間の高い位置決め精度を不要とすることができる。
【0026】尚、本実施の形態においては、4つの貫通
孔15は、分析用流路13をガラス基板11の他方の表
面に開口するが、ガラス基板11の一方の表面以外の表
面に開口するものであればこれに限定されるものでな
く、ガラス基板11の側縁面に開口してもよい。
【0027】分析用流路13は、幅及び深さが夫々10
0μm程度であり、その幅及び深さによって構成される
断面の面積が非常に小さいため、分析用流路13中を流
れる溶液試料は層流を維持できる。また、分析用流路1
3の直線部において、溶液試料が2種以上存在する場
合、これらの溶液試料の体積に比してこれらの溶液試料
が互いに接触する界面の面積(比界面積)は十分に大き
いため、夫々の溶液試料は互いに入り交じることがなく
流れる。
【0028】貫通孔15は、夫々、溶液試料の注入口又
は排出口の機能を果たすだけの十分な大きさを有し、直
径が数100μm〜数mmである。
【0029】また、ガラス基板11,12は、夫々、厚
さが1mm程度、長辺が50mm程度、短辺が20mm
程度のほぼ同一の外形である。その材料は耐久性、対薬
品性の面からガラスが望ましく、細胞等の生体試料、例
えばDNA分析用としての用途を考慮すると、耐酸性、
耐アルカリ性の高いガラス、具体的には、硼珪酸ガラ
ス、ソーダライムガラス、アルミノ硼珪酸ガラス、石英
ガラス等が好ましい。
【0030】尚、本実施の形態においては、ガラス基板
11,12は、透明なガラス基板から成るとしたが、こ
れに限定されるわけでなく、透明な合成樹脂であって、
同じく透明な接着剤で接合するようにしてもよい。合成
樹脂を用いる場合、ポリエチレンテレフタレート樹脂が
好ましいが、この他、塩化ビニール樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、アクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエ
ーテル樹脂、ポリエチレン樹脂又はポリエチレンテレフ
タレート樹脂等でもよい。但し、プラスチックによる検
出光の吸収を抑えるためにできるだけ薄い方が望まし
い。また、一方の基板がガラスから成り、他方の基板が
ガラスとの接着性のよいPDSM(ポリジメチルシロキ
サン)等から成るものであってもよい。
【0031】次に、図1のマイクロ化学システム用チッ
プ部材100の製造方法について図面を用いて説明す
る。
【0032】図2は、図1のマイクロ化学システム用チ
ップ部材100の製造方法のフローチャートである。
【0033】図2において、まず、ガラス基板11,1
2を同一の形状の板状部材となるよう成形する(ステッ
プS201)。
【0034】次に、ガラス基板11にドリル等により、
所定の位置に貫通孔15を形成する(ステップS20
2)。その後、ガラス基板11の一方の表面にフッ酸な
どのエッチング液を用いる化学エッチング法、サンドブ
ラスト法、加熱プレス加工法などにより貫通孔15と対
応する位置をバッファ部14とする所定の形状の分析用
流路13を形成する(ステップS203)。また、化学
エッチング法により分析用流路を形成する際の精度を良
くするため、マスクアライナー等を施す。
【0035】最後に、ステップS203において分析用
流路13が形成されたガラス基板11の一方の表面に、
加熱融着又は接着剤によりガラス基板12を接合し(ス
テップS204)、本処理を終了する。
【0036】本処理によれば、ガラス基板12と同一の
形状の板状部材に成形されたガラス基板11の所定位置
にドリル等により貫通孔15を形成した後(ステップS
202)、ガラス基板11の一方の表面に化学エッチン
グ法等により貫通孔15と対応する位置をバッファ部1
4とする所定の形状の分析用流路13を形成するので
(ステップS203)、マイクロ化学システム用チップ
部材100を容易に作成することができる。また、ステ
ップS202,S203の順序はこれに限定されるもの
でなく、ステップS203の処理をステップS202の
処理より先に行ってもよい。
【0037】次に、図1のマイクロ化学システム用チッ
プ部材100を用いたマイクロ化学システムについて説
明する。
【0038】図3は、図1のマイクロ化学システム用チ
ップ部材100を用いた光熱変換分光分析用のマイクロ
化学システムの概略構成を示す図である。
【0039】図3において、レンズ付光ファイバ40
は、励起光45及び検出光45’をシングルモードで伝
搬する光ファイバ41と、光ファイバ41の先端に取り
付けられた屈折率分布型ロッドレンズ42と、光ファイ
バ41の外径を屈折率分布型ロッドレンズ42の外径と
同一かつ同軸にするためのフェルール43とを有してい
る。屈折率分布型ロッドレンズ42と光ファイバ41と
はスリーブ44によって固定されている。光ファイバ4
1と屈折率分布型ロッドレンズ42とは密着していても
よいし、間隙があってもよい。光ファイバ41の他端に
は不図示の励起光用光源、検出光用光源が配設されてい
る。
【0040】マイクロ化学システム用チップ部材100
は、ガラス基板12が屈折率分布型ロッドレンズ42側
となるように設置される。また、マイクロ化学システム
用チップ部材100に関して屈折率分布型ロッドレンズ
42と反対側から、不図示のポンプによって流量が精密
に制御されて溶液試料が注入口である貫通孔15から注
入され、同様に、不図示のポンプによって流量が精密に
制御されて溶液試料が排出口である貫通孔15’から排
出される。
【0041】マイクロ化学システム用チップ部材100
に関して屈折率分布型ロッドレンズ42の反対側におい
て、分析用流路13に面する位置には、励起光45と検
出光45’とを分離して検出光45’のみを選択的に透
過させる波長フィルタ46と、検出光45’を光電変換
するための光電変換器47とが配設されている。マイク
ロ化学システム用チップ部材100と光電変換器47と
の間に、検出光45’の一部のみを選択的に透過させる
ためのピンホールを配置してもよい。光電変換器47か
ら得られた信号は、励起光45を変調するために用いる
不図示のモジュレーターと同期させるためにロックイン
アンプ48に送られ、その後コンピュータ49で解析さ
れる。
【0042】上述のように、マイクロ化学システム用チ
ップ部材100をガラス基板12が屈折率分布型ロッド
レンズ42側となるように設置することが好ましい理由
を以下に示す。
【0043】図4は、図3のマイクロ化学システムのマ
イクロ化学システム用チップ部材100に励起光45又
は検出光45’が照射された状態を示す図であり、
(a)は、ガラス基板12が屈折率分布型ロッドレンズ
42側に設置された場合、(b)は、ガラス基板11が
屈折率分布型ロッドレンズ42側に設置された場合を示
す。
【0044】図4において、分析用流路13はガラス基
板11の一方の表面に化学エッチング法等により形成さ
れるため(図2のステップS203)、内壁面が曲面状
となっていることがある。この曲面状の内壁面にガラス
基板11の一方の表面側(分析用流路13の開口側)か
ら励起光45や検出光45’が照射されると、図4
(a)に示すように、分析用流路13内部の溶液試料に
確実に励起光45や検出光45’を照射することができ
る。逆に、この曲面状の内壁面にガラス基板11の他方
の表面側(分析用流路13の底部側)から励起光45や
検出光45’が照射されると、図4(b)に示すよう
に、励起光45や検出光45’が乱反射し、分析用流路
13内部の溶液試料に励起光45や検出光45’を照射
することができない。従って、励起光45や検出光4
5’が乱反射することなく光熱変換分光分析を行うため
には、図4(a)に示すような配置が好ましく、図1の
マイクロ化学システム用チップ部材100では、貫通孔
15に溶液試料を注入排出するポンプを屈折率分布型ロ
ッドレンズ42と同じくガラス基板12側に設置する必
要をなくし得、マイクロ化学システム全体を小型化でき
る。
【0045】図1のマイクロ化学システム用チップ部材
100において、ガラス基板11は、マイクロ化学シス
テム用チップ部材100を図3のマイクロ化学システム
に対して位置決めするための位置決め用穴21(図5)
を有していてもよい。これにより、図3のマイクロ化学
システムによる光熱変換分光分析の際、マイクロ化学シ
ステム用チップ部材100の分析用流路13中の溶液試
料に励起光及び検出光を確実に集光することができる。
また、毎回屈折率分布型ロッドレンズ42を上下動して
位置合わせする必要をなくすことができる。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記
載のマイクロ化学システム用チップ部材によれば、一方
の表面に分析用流路が形成された透明基板は、分析用流
路の端部において分析用流路を透明基板の一方の表面以
外の表面に開口する貫通孔を有するので、透明基板と他
の透明基板とを接合する際に、溶液試料を安定的に流す
ための基板間の高い位置決め精度を不要とすることがで
きる。
【0047】請求項2記載のマイクロ化学システム用チ
ップ部材によれば、透明基板は、マイクロ化学システム
の位置決め用の孔を有するので、マイクロ化学システム
による光熱変換分光分析の際、マイクロ化学システム用
チップ部材の分析用流路中の溶液試料に励起光及び検出
光を確実に集光することができる。
【0048】請求項3記載のマイクロ化学システム用チ
ップ部材によれば、分析用流路に注入された溶液試料に
透明基板の一方の表面側から励起光及び検出光を照射す
る照射手段を備える光熱変換分光分析用のマイクロ化学
システムに用いられるので、検出光や励起光の乱反射を
避けるため貫通孔を有する透明基板を照射手段と反対側
に設置することが好ましく、溶液試料の注入排出のため
の設備を照射手段と同じ他の透明基板側に配置する必要
をなくし得、マイクロ化学システム全体を小型化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るマイクロ化学システ
ム用チップ部材の概略構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1のマイクロ化学システム用チップ部材10
0の製造方法のフローチャートである。
【図3】図1のマイクロ化学システム用チップ部材10
0を用いた光熱変換分光分析用のマイクロ化学システム
の概略構成を示す図である。
【図4】図3のマイクロ化学システムのマイクロ化学シ
ステム用チップ部材100に励起光45又は検出光4
5’が照射された状態を示す図であり、(a)は、ガラ
ス基板12が屈折率分布型ロッドレンズ42側に設置さ
れた場合、(b)は、ガラス基板11が屈折率分布型ロ
ッドレンズ42側に設置された場合を示す。
【図5】図1におけるガラス基板11の変形例の概略構
成を示す斜視図である。
【図6】従来のマイクロ化学システム用チップ部材の概
略構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
100 マイクロ化学システム用チップ部材 11 ガラス基板 12 ガラス基板 13 分析用流路 14 バッファ部 15 貫通孔
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/41 G01N 21/41 Z 35/08 35/08 A // G01N 37/00 101 37/00 101 Fターム(参考) 2G040 AA02 AB07 AB12 BA01 BA24 CA12 CA23 2G057 AA01 AB06 AC01 BA03 BA05 BB01 BB02 BB06 2G058 DA07 GA06 2G059 AA05 BB04 BB12 CC16 EE01 GG10 JJ02 JJ11 JJ17 KK01 4G075 AA13 AA70 BB03 BB05 CA32 DA02 EB34 EB46 EE01 EE03 FA01 FB06 FB12 FC04 FC09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方の表面に分析用流路が形成された透
    明基板と、前記一方の表面に接合された他の透明基板と
    を備えるマイクロ化学システム用チップ部材において、 前記透明基板は、前記分析用流路の端部において前記分
    析用流路を前記一方の表面以外の表面に開口する貫通孔
    を有することを特徴とするマイクロ化学システム用チッ
    プ部材。
  2. 【請求項2】 前記透明基板は、前記マイクロ化学シス
    テムの位置決め用の孔を有することを特徴とする請求項
    1記載のマイクロ化学システム用チップ部材。
  3. 【請求項3】 前記分析用流路に注入された溶液試料に
    前記一方の表面側から励起光及び検出光を照射する照射
    手段を備える光熱変換分光分析用のマイクロ化学システ
    ムに用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の
    マイクロ化学システム用チップ部材。
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