JP2003301712A - ディーゼルエンジン排気ガス浄化装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】ディーゼルエンジン排ガス中から湿式ろ過法を
用い、粒子状物質を低減する。 【解決手段】排ガス流路に介装されるろ過材の一部分が
水あるいは有害ガス吸収水溶液に浸かり、ろ過材の水或
いは有害ガス吸収水溶液中にない部分で粒子状物質を捕
集し、排ガスの流れ運動力を利用した回転によりろ過材
の水或いは有害ガス吸収水溶液中に浸る部分で捕集粒子
状物質を水或いは有害ガス吸収水溶液溜に移し、ろ過材
の目詰まりを解消して排気ガス流路のろ過材の水或いは
有害ガス吸収水溶液中にない位置に来て粒子状物質を捕
捉する繰り返し機構を有する構成とする。また、ろ過材
及びろ過材保持構造物の回転可動部を固定型にし、排ガ
スの旋回流をつくり、この旋回流により水或いは有害ガ
ス吸収水溶液でろ過材面を一様に濡らし、水或いは有害
ガス吸収水溶液の重力降下と共に粒子状物質が水或いは
有害ガス吸収水溶液溜に移行する機構を有する構成とし
てもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ン排ガス浄化装置（以下、「排ガス浄化装置という）に
おいて水あるいは有害ガス吸収水溶液（以下、「水溶
液」という）を介在した湿式ろ過法を用いた排ガス中の
粒子状物質（以下、「ＰＭ」という）を低減する技術に
関する。

【０００２】

【従来の技術】ディーゼルエンジン排ガス中の粒子状物
質捕捉に対して、湿式法では慣性力・衝突力、遠心力を
利用した型のものがある。乾式法ではセラッミクスろ過
材を使用し、捕捉粒子を電力あるいは小型液燃料バーナ
ーにより再燃焼するろ過面再生機構を有する型のものが
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、慣性力
・衝突力、遠心力を利用した湿式型の浄化装置はＰＭガ
スの密度差を利用して分離するため運動力が大きいほど
分離効果が高くなるが、エンジンへの負荷軽減から分離
効果に限界があり、また、排ガスの流れ運動力で水ある
いは溶液を同時に大気中へと搬送する効果が大きくな
る。また、乾式ろ過法を用いた浄化装置はＰＭによる目
詰まりで圧力損失が大きくなり、燃焼法、触媒酸化法等
を用いてＰＭによる目詰まりを解消し圧力損失を低く維
持する方法が採られており、ＰＭ燃焼用エネルギー、あ
るいは触媒の活性を保つ安定した温度雰囲気を保持する
ためのエネルギーを必要としている。

【０００４】そこで、本発明は以上のような従来の問題
点に鑑み、湿式ろ過法を用いてＰＭ分離効果を維持しつ
つ、圧力損失を抑え、水溶液の減少を少なくした浄化装
置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決しようとする手段】このため、請求項１記
載の発明では、ろ過法のＰＭ高分離効果を確保しつつ、
ろ過材のＰＭによる目詰まりを抑制するべく水溶液の介
在と排ガスによる振動でＰＭを水溶液中に移行し、重力
で水溶液溜に沈下する機構に特徴がある。

【０００６】かかる機構によれば極端な圧力損失の増加
を防ぎ、エンジンへの多大な負荷増加も回避される。

【０００７】請求項２記載の発明では、排ガス浄化装置
の排ガス導入管が排ガス浄化装置内壁側に位置し、ろ過
材回転型において、中心軸をもつろ過材及びろ過材保持
構造物の外周側に排ガスが流れ、その流れ運動力により
ろ過材及びろ過材保持構造物を回転させ、ろ過材の一部
分が排ガス浄化装置底部にある水溶液溜に浸せきし、ろ
過材に捕捉したＰＭを水溶液溜に移行する。

【０００８】また、ろ過材固定型において、ろ過材及び
ろ過材保持構造物が水溶液溜から独立し、排ガス浄化装
置内壁側に流入した排ガスが内壁面に沿って旋回流を形
成することにより排ガス浄化装置底部にある水溶液溜か
ら水溶液を巻き上げ、ろ過材面を一様に濡らす。ろ過材
に捕捉したＰＭは水溶液の重力落下過程で水溶液中に移
行し、水溶液溜に集まる。

【０００９】請求項３記載の発明では、排ガスがろ過材
面において均一低流速で通過する流速分布を形成する排
ガス浄化装置の排ガス出口側排出管（以下、「排出管」
という）への導入管（以下、「導入管」という）を具備
する排ガス浄化装置を提供する。

【００１０】このことにより、一般に低流速でろ過材を
通過し、排出管内で高流速となる排ガスが排出管内へ水
溶液を飛沫同伴することを抑制するため、ろ過材を通過
した排ガス中から飛沫水溶液を分離し、排出管への水溶
液搬送を低減する機能を有することとなる。

【００１１】また、この導入管は排ガスがろ過材面にお
いて排出管近くで排ガス流速が速くなり、距離の離れた
ろ過面で排ガス流速が遅くなるのを防ぎ、ろ過材全面で
均一低流速で通過する流速分布を形成する機能を有し、
連続した目詰まり防止操作による水溶液を排ガスから分
離し、排ガスを排出管に導く効果をもたらす。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
おいて以下に説明する。

【００１３】添付図面において、図１はろ過材及びろ過
材保持構造物が排ガス流れによって回転する湿式ろ過型
排ガス浄化装置を表している。ディーゼルエンジン排ガ
ス（以下、「排ガス」という）を排ガス浄化装置内へ星
形襞をもつ円筒状ろ過材の外周側に導入し、排ガスの流
れ圧でろ過材及びろ過材保持構造物を回転させる。

【００１４】排ガスは水溶液中に入っていないろ過材部
分を通過して排気管から大気中に排出される。この排ガ
スがろ過材を通過する際にＰＭが分離捕捉される

【００１５】排ガス浄化装置の下部は水溶液槽を兼ねて
おり、ろ過材及びろ過材保持構造物の一部が水溶液に浸
かり、ここにおいて、ろ過材に捕捉したＰＭを水溶液中
に移送、沈下させる。

【００１６】これにより、ろ過材面がＰＭの目詰まり解
除と圧力損失増大緩和をすることになり、エンジンの連
続運転を可能にする。

【００１７】図２は、ろ過材及びろ過材保持構造物が固
定した湿式ろ過型排気ガス浄化装置で、ろ過材が水溶液
面から離れている。

【００１８】排ガスが排ガス浄化装置の内壁面に沿って
水溶液表面に衝突し、水溶液を巻き上げながら円筒状ろ
過材の周りを旋回しつつろ過材面に接し、ＰＭを分離し
てろ過材を通過する。

【００１９】ろ過材に捕捉したＰＭは水溶液が重力降下
とともに水溶液に搬送され、水溶液溜に集まることにな
る。

【００２０】図３は、図１及び図２の排ガス浄化装置に
おいて、ろ過材面全域で排ガス通過速度が均等になる導
入管である。

【００２１】一般に排ガスは、円筒状のろ過材において
目詰まりのない初期では排気管近傍の通過量が多く、排
気管から離れるにしたがい通過量が少なくなる。

【００２２】このため、排気管近傍から目詰まりが始ま
り、排気管から離れたろ過材へと進み、ＰＭの目詰まり
は、排ガス通過量がろ過材全域で均一になるように分布
する。

【００２３】 しかし、本発明の排ガス浄化装置は、連続
してＰＭをろ過材から分離を、また、過度な目詰まりの
防止を図るため、排ガス浄化装置の排ガス入り口側から
出口側への不均一断面の孔を持ちろ過材全面で流速分布
を均一にする、かつ、導入管内の排ガスが低流速となる
部分で水溶液の飛沫を排ガス中から分離し、水溶液中の
ＰＭが大気中に放出されることを抑制する導入管がもつ
機能が発揮し、ＰＭ分離性能を維持することになる。

【００２４】また、ろ過材全域で均一な排ガス通過速度
を層流域に保つことができ、水溶液が排ガスに搬送され
る機会を少なくすることとなり、水溶液補給量の過剰が
避けられる。

【００２５】

【発明の効果】以上のように各請求項の発明によれば、
ディーゼルエンジン排ガス系に介装される排ガス浄化装
置がＰＭを連続的に排ガス中から分離し、水溶液中に貯
留することが出来る。

【００２６】請求項１の効果はろ過材に捕捉したＰＭが
ろ過材の目詰まりを促進するが、水溶液の流動作用を利
用して、ろ過材へＰＭが滞留するのを抑制することがで
きる。

【００２７】請求項２の効果は請求項１の効果を能率良
く引き出す機能であり、ディーゼルエンジンを連続して
運転させるために有効である。

【００２８】また、請求項３の効果はろ過材全体で均一
にろ過作用を行う機能と排ガスが搬送する水溶液量を低
減する機能とを合わせ持ち、排ガス浄化装置の性能維持
を補完する特徴を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のろ過材及びろ過材保持構造物が回転す
る湿式ろ過型排ガス浄化装置

【図２】本発明のろ過材及びろ過材保持構造物が固定し
ている湿式ろ過型排ガス浄化装置

【図３】本発明の湿式ろ過型排ガス浄化装置のろ過材全
面において排ガス通過速度が均一となるための導入管

【符号の説明】

１１……………ディーゼルエンジン排ガス浄化装置の筐
体 ２１……………ディーゼルエンジン排ガス入口管 ２２……………ディーゼルエンジン排ガス出口管 ２３……………ろ過材の排ガス通過速度均一化導入管 ３１……………ろ過材及びろ過材保持構造物 ４１……………水あるいは有害ガス物質吸収水溶液

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ０１Ｄ 53/77 Ｆ０１Ｎ 3/04 Ｊ Ｆ０１Ｎ 3/04 Ｚ Ｂ０１Ｄ 53/34 Ｃ (72)発明者 佐野 貞雄 神奈川県横浜市中区不老町３丁目15番１号 株式会社神奈川保健事業社内 (72)発明者 佐藤 義次 神奈川県大和市福田７丁目32番の１−813 (72)発明者 森 修身 神奈川県横浜市港南区港南台５丁目１番４ −503号 Ｆターム(参考） 3G090 AA06 EA03 3G091 AA18 AA28 AB08 AB15 BA00 GA21 4D002 AA40 AC10 BA02 BA14 CA04 CA06 DA35 4D032 AA03 AB02 AB07 AB08 BB03 BB05

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 排ガスに含まれる粒子状物質を捕集すべ
   く排ガス流路に介装されるろ過材を水あるいは有害ガス
   吸収水溶液で濡らし、水あるいは有害ガス吸収水溶液の
   重力降下と共に粒子状物質を水あるいは有害ガス吸収水
   溶液溜に移行することを特徴とするディーゼルエンジン
   排ガス浄化装置。
2. 【請求項２】 水あるいは有害ガス吸収水溶液をろ過材
   に接触させる機構として、ろ過材及びろ過材保持構造物
   を排ガス流れによって回転させろ過材の一部を水あるい
   は有害ガス吸収水溶液中に浸せきさせる機構あるいは固
   定したろ過材及びろ過材保持構造物の周りを排ガスの旋
   回流による水あるいは有害ガス吸収水溶液の巻き上げで
   固定したろ過材を濡らす機構を有するディーゼルエンジ
   ン排ガス浄化装置。
3. 【請求項３】 ろ過材全面で排ガスが均一流速で通過す
   る機構を有する請求項１又は請求項２に記載のディーゼ
   ルエンジン排気浄化装置。