JP2003300823A - 皮膚外用剤 - Google Patents
皮膚外用剤Info
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Abstract
徴とする皮膚外用剤を提供する。 【構成】本発明はがんぎえい科の魚の抽出物を含有する
ことを特徴とする皮膚外用剤である。がんぎえい科の魚
の抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤は優れ
た皮膚の老化防止効果を示した。
Description
し、特に皮膚の老化防止にその有効性を発揮する皮膚外
用剤に関する。
紫外線などの外的因子よって皮膚が本来維持している弾
力性、柔軟性、保湿性などが衰える現象をいう。すなわ
ち、老化した皮膚は、乾燥し、滑らかさが無く弾力性が
低下した肌であり、このためしわやたるみが形成され
る。皮膚の老化を抑制する手段としては、従来、老化に
よって失われる物質、例えばコラーゲン、エラスチン、
ヒアルロン酸等を皮膚に塗布する皮膚外用剤が主流であ
った。しかし、これらは十分な効果を有するものではな
かった。
ルでみてみると、表皮ケラチノサイトの機能低下にとも
なう分裂速度の低下が認められる。ケラチノサイトの分
裂は、表皮の新陳代謝、すなわちターンオーバーの源で
あるが、加齢とともにターンオーバー速度の遅延がみら
れることが報告されている(Roberts,D.,
J.Invest.Dermatol.,1980,7
4,13−16)。また、真皮細胞外マトリックスの主
成分であり、皮膚の弾力性に重要な役割を果たしている
コラーゲンは真皮の線維芽細胞によって合成されるが、
線維芽細胞におけるコラーゲン合成量は加齢とともに減
少することが明らかとされている(McCoy,B.
J.,In Vitro,1982,18,79−8
6)。ケラチノサイトの分裂能低下にともなう表皮ター
ンオーバー速度の遅延や線維芽細胞におけるコラーゲン
合成量の低下にともなう真皮コラーゲン量の減少が皮膚
老化の原因のひとつと考えられる。そこで、表皮ケラチ
ノサイトの分裂を促進したり、真皮線維芽細胞における
コラーゲン生成を促進することが皮膚老化の抑制につな
がると考えられる。ケラチノサイトの分裂を促進する物
質としては、EGF、エストロジェン等が、コラーゲン
生成を促進する物質としては、TGF−β、エストロジ
ェン、テストステロン、インシュリン等が知られている
が、これらの物質は安定性に問題があり、またその効果
も十分ではなく、安定で効果の高いケラチノサイトの分
裂促進効果及びコラーゲン生成促進効果を有する皮膚外
用剤が求められている。
発明者らは鋭意研究を重ねた結果、がんぎえい科の魚の
抽出物が安定で、優れたケラチノサイトの分裂促進効果
及びコラーゲン生成促進効果を持つことを見出し、本発
明を完成するに至った。
抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤である。
物とは、メガネカスベ(Rajapulchra)、ノ
トロカスベ(Bathyraja notoroens
is)、ツノカスベ(Bathyraja simot
erus)、マツバラエイ(Bathyraja ma
tsubarai)、キタノカスベ(Bathyraj
a violacea)及び同属の近縁種の魚の抽出物
である。これらは一種または二種以上を組み合わせて用
いてもよい。
を用いることができ、好ましくは従来廃棄されていた
皮、頭蓋骨、脊椎骨、軟骨等がよい。
性、中性、アルカリ性抽出したものを用いることがで
き、また、市販品を用いることができる。更にガラ(可
食部である鰭部を除去したもの)より軟骨組織を分離
し、粉砕後プロテアーゼを加えて酵素分解して製造して
も良い。
用いても良く、必要に応じて、透析、濃縮、希釈、濾過
等の処理をして用いても良い。更には、抽出した溶液を
濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物
として用いても良い。
科の魚の抽出物をそのまま使用しても良く、効果を損な
わない範囲内で、通常の化粧品、医薬部外品、医薬品に
用いられる成分である油脂類、ロウ類、炭化水素類、脂
肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、金属
石鹸、pH調整剤、防腐剤、香料、保湿剤、粉体、紫外
線吸収剤、増粘剤、色素、酸化防止剤、美白剤、キレー
ト剤、賦形剤、安定剤、保存剤、結合剤、崩壊剤等の成
分を配合することもできる。
品、医薬品のいずれにも用いることができ、その剤型と
しては、例えば、化粧水、クリーム、乳液、ゲル剤、エ
アゾール剤、パップ剤、エッセンス、パック、洗浄剤、
浴用剤、ファンデーション、打粉、口紅、軟膏等が挙げ
られる。
を化粧品等に配合する場合、その配合量は特に限定され
ないが、乾燥物として0.0001〜75重量%の範囲
が好ましく、さらに好ましくは0.001〜30重量%
である。0.0001重量%以下ではケラチノサイトの
分裂促進効果及びコラーゲン生成促進効果が低く、また
75重量%を超えても効果に大きな増強はみられにく
く、効率的でない。また、添加の方法については、予め
加えておいても製造途中で添加しても良く、作業性を考
えて適宜選択すれば良い。
として本発明に用いる抽出物の製造例、処方例及び実験
例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではな
い。実施例に示す配合量は重量%を示す。
M塩酸グアニジン溶液を加え、4℃で48時間抽出し
た。上清を集め、濾過した後、限外濾過を行い、60m
Lまで濃縮した後、凍結乾燥してメガネカスベ抽出物
0.35gを得た。
を加え、37℃で2時間プロテアーゼ処理を行った。上
清を集め、濾過した後、限外濾過を行い、60mLまで
濃縮した後、凍結乾燥してメガネカスベ抽出物0.30
gを得た。
M塩化ナトリウム溶液を加え、40℃で2時間抽出し
た。上清を集め、濾過した後、透析を行い、減圧濃縮し
た後、凍結乾燥してノトロカスベ抽出物1.1gを得
た。
を加え、95〜100℃で2時間抽出した。上清を集
め、濾過した後、減圧濃縮し、さらに凍結乾燥してツノ
カスベ抽出物0.85gを得た。
nus)の骨の粉砕物30gに4Lの4M塩酸グアニジ
ン溶液を加え、4℃で48時間抽出した。上清を集め、
濾過した後、限外濾過を行い、60mLまで濃縮した
後、凍結乾燥してホッケ抽出物0.31gを得た。
ち油相とする。成分1及び11〜14を加熱溶解して混
合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳
化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加
え、更に30℃まで冷却して製品とする。
き換えたものを従来のクリームとした。
れぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とす
る。
に保ち油相とする。成分1及び10〜13を加熱溶解し
て混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加え
て乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を
加え、更に30℃まで冷却して製品とする。
に保ち油相とする。成分1及び6〜8を加熱溶解して混
合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳
化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とす
る。
11及び12を加えて混合する。
め、実験例を挙げる。
定した。
胞を35mmディッシュに30,000個播種し、試料
を最終濃度で1μg/mlとなるように添加した0.5
%ウシ胎児血清を含むEagle’s MEM培養液で
37℃、5%CO2条件下、6日間培養した。その後、
0.25%トリプシン溶液にて細胞を剥離し、血球計算
盤を用いて細胞数を測定した。コントロールの細胞数に
対する試料添加時の細胞数値からケラチノサイトの分裂
促進率を求めた。
果、がんぎえい科の魚の抽出物には優れたケラチノサイ
トの分裂促進効果が認められた。
効果を下記の条件にて測定した。
芽細胞を1μg/mlの試料を添加したEagle’s
MEM培地にてさらに24時間培養した後、総RNA
の抽出を行った。正常ヒト皮膚線維芽細胞から抽出した
総RNAを基にRT−PCR法によりコラーゲンmRN
A発現量の測定を行った。RT−PCR法にはTaKa
Ra RNA PCR Kit (AMV) Ver.
2.1を用いた。また、内部標準としてはGAPDHを
用いた。その他の操作は定められた方法に従い、PCR
反応液をアガロースゲル電気泳動に供し、コラーゲン及
びGAPDHのmRNA発現をバンドとして確認した。
これらのバンドをポラロイド(登録商標)カメラにて撮
影してデンシトメーターを用いて定量化し、コラーゲン
mRNAの発現量を内部標準であるGAPDH mRN
A発現量に対する割合として求めた。コントロールのコ
ラーゲンmRNA発現量に対する試料添加時のコラーゲ
ンmRNA発現量値からコラーゲン生成促進率を求め
た。
果、がんぎえい科の魚の抽出物には優れたコラーゲン生
成促進効果が認められた。
いて、各々女性30人(30〜45才)を対象に2ヶ月
間の使用試験を行った。使用後、しわ、たるみ、肌の弾
力についてのアンケート調査を行って、老化防止効果を
判定した。アンケートの評価基準は、有効なものを
「優」、やや有効なものを「良」、わずかに有効なもの
を「可」、無効なものを「不可」として評価した。
メガネカスベ抽出物1を含有することを特徴とする皮膚
外用剤は優れた老化防止効果を示した。なお、試験期間
中皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題な
かった。
例4の軟膏、実施例5のファンデーション及び実施例6
の浴用剤の使用試験を行ったところ、いずれも安全で優
れた老化防止効果を示した。
の魚の抽出物は優れたケラチノサイトの分裂促進効果及
びコラーゲンの生成促進効果を示した。がんぎえい科の
魚の抽出物を含有することを特徴とする皮膚外用剤は安
全で優れた皮膚の老化防止効果を示した。
Claims (4)
- 【請求項1】 がんぎえい科の魚の抽出物を配合するこ
とを特徴とする皮膚外用剤。 - 【請求項2】 がんぎえい科の魚の抽出物を配合するこ
とを特徴とするケラチノサイトの分裂促進剤。 - 【請求項3】 がんぎえい科の魚の抽出物を配合するこ
とを特徴とするコラーゲン生成促進剤。 - 【請求項4】 がんぎえい科の魚がメガネカスベ、ノト
ロカスベ、ツノカスベ、マツバラエイ、キタノカスベか
ら一種または二種以上選択される魚であることを特徴と
する請求項1の皮膚外用剤、請求項2のケラチノサイト
の分裂促進剤または請求項3のコラーゲン生成促進剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002105988A JP2003300823A (ja) | 2002-04-09 | 2002-04-09 | 皮膚外用剤 |
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JP2002105988A Pending JP2003300823A (ja) | 2002-04-09 | 2002-04-09 | 皮膚外用剤 |
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JP (1) | JP2003300823A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008502624A (ja) * | 2004-06-14 | 2008-01-31 | コグニス・フランス・ソシエテ・パール・アクシオン・サンプリフィエ | Pth断片含有化粧品 |
-
2002
- 2002-04-09 JP JP2002105988A patent/JP2003300823A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008502624A (ja) * | 2004-06-14 | 2008-01-31 | コグニス・フランス・ソシエテ・パール・アクシオン・サンプリフィエ | Pth断片含有化粧品 |
US9387235B2 (en) | 2004-06-14 | 2016-07-12 | Basf Beauty Care Solutions France S.A.S. | Cosmetic preparations containing PTH fragments |
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