JP2003299936A - 逆浸透膜エレメントの再使用方法および回生逆浸透膜エレメント - Google Patents

逆浸透膜エレメントの再使用方法および回生逆浸透膜エレメント

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JP2003299936A
JP2003299936A JP2003029442A JP2003029442A JP2003299936A JP 2003299936 A JP2003299936 A JP 2003299936A JP 2003029442 A JP2003029442 A JP 2003029442A JP 2003029442 A JP2003029442 A JP 2003029442A JP 2003299936 A JP2003299936 A JP 2003299936A
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Kakichi Ito
嘉吉 伊藤
Hiroya Honda
博也 本田
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的廉価な逆浸透膜エレメントを提供する
ことで、現在では実現されていない下水処理水、比較的
高塩類濃度の各種工場廃水の脱塩を行い、水回収が実施
できること。 【解決手段】 被処理水を処理して透過水を得る処理工
程に使用した逆浸透膜モジュール内の使用済の逆浸透膜
エレメントの再使用方法であって、当該逆浸透膜モジュ
ールのハウジング内から逆浸透膜エレメントを回収し、
当該逆浸透膜エレメントを別に用意したハウジングに装
填して逆浸透膜モジュールを形成し、当該逆浸透膜モジ
ュール内の逆浸透膜エレメントを回生処理し、回生処理
した逆浸透膜エレメントを取出して再使用すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一度使用した逆浸
透膜エレメントの再使用方法および一度使用した逆浸透
膜エレメントを回生処理して再使用できるようにした回
生逆浸透膜エレメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から各種被処理水の脱塩(脱イオン
も含む、以下脱塩および脱イオンを総称して脱塩とい
う)等を目的として逆浸透膜モジュールが用いられてい
る。例えば、半導体デバイスの様な電子部品部材類の洗
浄には超純水が使用されるが、超純水を製造する工程に
は逆浸透膜モジュールが用いられることが多い。一般に
当該モジュールに装着されている逆浸透膜エレメントは
脱塩の目的で設置されるが、逆浸透膜は全有機体炭素
(TOC)の除去能力も大きく、TOCが極力低減され
た水質が要求される前記電子部品部材類の洗浄工程に用
いられる超純水の製造過程では、逆浸透膜モジュールの
使用は不可欠といっても過言ではない。
【0003】従来から用いられている逆浸透膜モジュー
ルの構造例としては、図8および図9に示したごとく、
透過水集水管80に袋状の逆浸透膜81をスパイラル状
に巻きつけ、その上部を外装体82で被覆する。そして
スパイラル状に巻きつけた逆浸透膜81がせり出すのを
防止するために、数本の放射状のリブ83を有するテレ
スコープ止め84を一端に取り付けてある。これらの透
過水集水管80、逆浸透膜81、外装体82、テレスコ
ープ止め84でひとつの逆浸透膜エレメント85を形成
し、夫々の透過水集水管80をコネクタ(図示せず)で
連通して、ハウジング86内に逆浸透膜エレメント85
を複数個装填する。なお、逆浸透膜エレメント85の外
周とハンジング86の内周の間に隙間87が形成される
が、この隙間87をブラインシール88で閉塞してあ
る。なおハウジング86の一端には被処理水をハウジン
グ内部に流入するための被処理水流入管(図示せず)、
また他端には透過水集水管80に連通する処理水管(図
示せず)および非透過水管(図示せず)が付設され、ハ
ウジング86、その内部部品および配管(ノズル)等で
逆浸透膜モジュール89が構成される。
【0004】このような構造の逆浸透膜モジュール89
で被処理水を処理する場合は、ハウジング86の一端か
らポンプを用いて被処理水を圧入するが、第8図におい
て矢線で示したように被処理水はテレスコープ止め84
の各放射状のリブ83の間を通って最初の逆浸透膜エレ
メント85内に侵入し、一部の被処理液は逆浸透膜エレ
メント85の膜間を通り抜けて次の逆浸透膜エレメント
85に達し、他部の被処理水は逆浸透膜81を透過して
透過水となり当該透過水は透過水集水管80に集水され
る。このようにして逆浸透膜エレメント85に次々に被
処理水が通り抜けて、逆浸透膜を透過しなかった被処理
水は非透過水(濃縮水)としてハウジング86の他端か
ら取出し、また逆浸透膜を透過した透過水は透過水とし
て透過水集水管80を介してハウジング86外に取出
す。
【0005】このような逆浸透膜モジュールは種々の用
途に用いられているが、電子部品部材類の洗浄水として
用いられる超純水の製造工程の一例を図2に示す。すな
わち工業用水、市水、井水、河川水等の被処理水1を凝
集濾過装置2及び活性炭塔3からなる前処理装置で処理
して被処理水中の懸濁物及び有機物の大半を除去し、次
いでこの前処理水を逆浸透膜が装填された逆浸透膜モジ
ュール4で処理して脱塩及びTOCを除去し、次いで2
床3塔式純水製造装置及び又は混床式純水製造装置等の
イオン交換樹脂を用いる純水製造装置5で処理して一次
純水6を製造する。なお、7は逆浸透膜モジュール4か
ら排出される濃縮水であり通常系外に廃棄される。当該
一次純水6を一旦一次純水貯槽8に貯留して、紫外線酸
化装置9、イオン交換樹脂が充填された非再生式のカー
トリッジポリッシャー10、限外濾過膜装置11からな
る二次系純水製造装置で処理することにより超純水12
を製造する。当該超純水12を各ユースポイント13で
半導体デバイスの洗浄に用い、残余の超純水は前記一次
純水貯槽8に循環させる。なお、図2において凝集濾過
装置2は、濾過砂等を濾過材として用いる濾過塔の流入
水に凝集剤を添加しながら濾過を行うものであるが、こ
のような凝集濾過装置2に代えて、被処理水に凝集剤を
添加あるいは無添加で精密濾過膜あるいは限外濾過膜で
濾過する除濁膜装置が用いられたり、あるいは被処理水
を凝集沈殿装置と濾過装置の組み合わせで処理すること
もあり、活性炭塔3は省略されることもある。図2に示
したフローにおいては逆浸透膜モジュール4がイオン交
換樹脂を用いる純水製造装置5の前段に配置されてお
り、このような逆浸透膜モジュール4は前段ROと呼ば
れる。
【0006】図3は電子部品部材類の洗浄水として用い
られる超純水の製造工程における他のフロー例である。
本フローでは被処理水1に酸14が添加されて被処理水
中に存在する炭酸水素イオンを遊離炭酸に変化させ、次
いで脱炭酸塔15で遊離炭酸を除去する。その後この脱
炭酸水を第一段逆浸透膜モジュール16で処理して一次
透過水を得、この一次透過水を第二段逆浸透膜モジュー
ル17で処理して二次透過水18を得る。当該二次透過
水18中の塩類はかなり低下しているが、二次透過水1
8中に残留する塩類を除去するためにアニオン交換樹脂
とカチオン交換樹脂が充填された二床一塔式ポリッシャ
ー19で処理され一次純水が得られる。当該一次純水は
図2と同様な二次系純水製造装置で処理することにより
超純水が得られる。なお、図3のフローでは被処理水に
酸14を添加しない場合もあり、二床一塔式ポリッシャ
ー19が電気式脱イオン装置の場合もある。また、上記
フローにおいて水の回収率を高めるために、第二段逆浸
透膜モジュール17の濃縮水20は第一段逆浸透膜モジ
ュール16の被処理水と混合される。さらに水の回収率
を高めるため、第一段逆浸透膜モジュール16の濃縮水
21は、ブライン逆浸透膜モジュール22で処理され、
その透過水23は例えば第一段逆浸透膜モジュール16
の被処理水に混合することで有効に回収される。上記フ
ローにおいても第一段逆浸透膜モジュール16、第二段
逆浸透膜モジュール17は、イオン交換樹脂を用いる2
床1塔式ポリッシャー19の前段に配置されており、こ
のような逆浸透膜モジュール16、17も前段ROと呼
ばれる。なおブライン逆浸透膜モジュール22はブライ
ンROと呼ばれる。
【0007】図4は電子部品部材類の洗浄水として用い
られる超純水の製造工程における他のフロー例であっ
て、被処理水1を凝集濾過装置2及び活性炭塔3からな
る前処理装置で被処理水中の懸濁物及び有機物の大半を
除去し、次いでこの前処理水を2床3塔式純水製造装置
及び又は混床式純水製造装置等のイオン交換樹脂を用い
る純水製造装置5で処理され純水が得られる。次いで、
当該純水は紫外線殺菌器24で殺菌された後、逆浸透膜
モジュール25で残留する微量の塩類と共存するTOC
が除去される。逆浸透膜モジュール25の透過水26
は、次いで、紫外線酸化装置27で処理され、その後前
述したと同様な2床1塔式ポリッシャー28で処理され
て一次純水が得られる。なお、2床1塔式ポリッシャー
28に代えて混床式ポリッシャーが用いられることもあ
る。さらに、当該一次純水は図2と同様な二次系純水製
造装置で処理することにより超純水が得られる。また、
29は逆浸透膜モジュールの濃縮水であり、濃縮水とは
言えかなり水質的には良いので、その一部は例えば活性
炭塔3の前段で回収され、他部は上記系外において例え
ば雑用水等として用いられる。図4に示したフローにお
いて逆浸透膜モジュール25はイオン交換樹脂を用いる
純水製造装置5の後段に設置されており、このような逆
浸透膜モジュール25は後段ROと呼ばれる。なお、図
4のフローにおいて、活性炭塔3、紫外線殺菌器24お
よび紫外線酸化装置27はなくてもよい。また、溶存酸
素を除去するための脱気装置を設置することもある。
【0008】図2〜図4は大型の超純水製造装置におけ
る逆浸透膜モジュールが用いられる際の代表的な処理フ
ローの例であるが、例えば電子部品部材類の洗浄工程で
用いられた洗浄排水を回収する場合にも逆浸透膜モジュ
ールが用いられている。
【0009】すなわち、図5に示したごとく、排水30
中の酸を中和するためにアルカリ31を添加した後、活
性炭塔32で有機物を除去し、次いで紫外線殺菌器33
で殺菌した後、逆浸透膜モジュール34で処理し塩類を
除去し、この透過水35を純水製造装置の被処理水の一
部として回収するものである。図5に示したフローにお
いて、逆浸透膜モジュール34は水の回収に用いられて
おり、このような逆浸透膜モジュール34は回収ROと
呼ばれる。なお、処理フローは省略するが、排水中の有
価物質を濃縮液として回収する場合や、排水中の環境有
害物質の濃縮液を得て別途処理を行なう目的で逆浸透膜
モジュールが用いられている。
【0010】図6は逆浸透膜を海水の脱塩に用いる場合
のフローであって、海水44を凝集濾過装置2で処理す
ることにより海水中の懸濁物などの大半を除去し、次い
で、得られた濾過海水45を濾過海水貯槽46に貯留し
た後、濾過海水47中の塩類を高圧逆浸透膜モジュール
48で除去して淡水49を得、更に淡水中に残存する塩
類を淡水用逆浸透膜モジュール51で除去して、脱塩水
を得るものである。このように、海水を逆浸透膜モジュ
ール48、51で脱塩することにより比較的高純度の脱
塩水を得ることができる。なお、高圧逆浸透膜モジュー
ル48で得られる淡水49は殺菌された後、飲料水や雑
用水として用いられる。
【0011】上述した図2〜図6のフローは、逆浸透膜
モジュールが工業的に実施されている種々の態様である
が、近年の水不足の対策として、比較的塩類濃度の多い
下水処理水、各種工場排水を逆浸透膜モジュールで脱塩
して工業用水程度あるいはそれ以下の塩類濃度とし、冷
却水や各種工程用水として水回収することが提案されて
いる。
【0012】図7は逆浸透膜モジュールを下水処理水の
脱塩に用いる場合のフローであって、下水36は最初沈
殿池37に流入されて下水中の粗大固形物を沈殿により
除去して一次下水38を得、次いで一次下水38は標準
活性汚泥装置等の生物処理装置39によってアンモニア
成分、有機物等が酸化されて二次処理水40が得られ
る。二次処理水40は、今のところ殺菌されて放流され
ているが、提案されているフローでは二次処理水40を
凝集沈殿、濾過等の三次処理装置41で処理して、懸濁
物、りん酸成分等を除去し三次処理水42を得る。当該
三次処理水42は下水処理施設が内陸部に設置されてい
るか海岸沿いに設置されているかで、ある程度その塩類
濃度に幅があるが、通常は塩類濃度が1000mg/L
前後〜2000mg/L前後であり、このまま工業用水
等として用いることは塩類濃度から考えて困難である。
提案されている方法は、三次処理水42を逆浸透膜モジ
ュール43で処理して脱塩し、工業用水等として供給す
るものである。このように、三次処理水を逆浸透膜モジ
ュール43で脱塩すれば、工業用水あるいは各種工程用
水として十分使用可能ではあるが、今のところ採算が合
わず殆ど実施されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、逆浸透膜
モジュールによる脱塩は塩類を含む水を、ポンプを用い
て逆浸透膜モジュールに圧入するだけで脱塩水が得ら
れ、電気透析法や蒸発法と比較して装置が簡単であり、
かつTOC成分である有機物も除去することができ良好
な処理水が得られる。しかしながら、下水処理水、さら
に各種工場排水に広く逆浸透膜モジュールが用いられて
いない理由は、逆浸透膜モジュールが比較的高価であ
り、逆浸透膜モジュールを用いて脱塩水を製造するコス
トと、当該脱塩水と同程度の水を他から供給を受ける場
合のコストを比較すると後者より前者の方が大きいから
である。
【0014】一方、図2〜図6に示したフローにおいて
使用される逆浸透膜エレメントは、長期間使用される
と、逆浸透膜が各種の無機物あるいは有機物により汚染
を受けたりモジュール内の原水の接液部あるいは膜面に
微生物が発生するなどして、差圧が上昇したり、透過水
量が減少したり、さらには膜の劣化によりその脱塩率が
低下するなどの性能低下を起こし、その用途では使用困
難となる。また、図3の二段ROの第二段逆浸透膜モジ
ュール17等においては、予め定めた使用期間が過ぎる
とTOCの処理能力が低下するので同様にして使用困難
となる。このような使用困難と判断された逆浸透膜エレ
メントはハウジング内から取出され、新品の逆浸透膜エ
レメントと交換され、取出された逆浸透膜エレメントは
産業廃棄物として廃棄される。
【0015】逆浸透膜エレメントを産業廃棄物として廃
棄処分する場合、処分コストや処分場所の問題がある。
この問題を解決するものとして、使用済み逆浸透膜モジ
ュールを回生処理して再使用することが従来から提案さ
れている。脱塩率が低下した逆浸透膜は、逆浸透膜の緻
密層が化学的に酸化されてその分子構造が破壊されるこ
と等に起因するものであり、元の状態に復帰させること
は困難であるが、膜が汚染を受けることにより差圧が上
昇したり、透過水量が減少したりした逆浸透膜は、回生
処理を施し再使用することができる。すなわち、膜の汚
染が原因で性能低下した逆浸透膜モジュールに、酸、ア
ルカリ、クエン酸のような洗浄力の高い有機性薬液を接
触させ、ベッセル内や逆浸透膜エレメントの膜面あるい
はエレメント内部に付着沈積した無機物、有機物、微生
物スライム等からなる汚染物を脱離するものである。こ
のような回生処理によって、差圧が上昇したりあるいは
透過水量が低下した逆浸透膜はその性能を復帰させるこ
とができるが、以下のような制約を受け、性能が低下し
た逆浸透膜エレメントは廃棄されているのが現状であ
る。(1)水処理施設内で回生処理を行う場合は、回生
処理をしている間は透過処理ができないので、複数系列
の逆浸透膜モジュールを必要とする他に、回生処理に必
要な薬液槽、配管、弁、ポンプ等を具備した回生処理設
備の設置が必要となり、かつその設置場所も確保せねば
ならない。(2)回生処理に用いる薬液が有機性薬液で
ある場合は、回生処理によって生じる排液はBOD源及
びCOD源となりそのまま放流することはできず、した
がって排液処理装置の設置も考慮する必要がある。
(3)回生処理はそれほど頻繁に行うものではなく、例
えば1年に1〜2回の頻度で行うものであるから、上述
した回生処理装置の稼働率が極めて小さい。(4)従来
の回生処理は性能が低下した逆浸透膜エレメントをハウ
ジングから取出さず、そのままの状態で回生処理を行う
ので、特に逆浸透膜エレメントとハウジングとの隙間に
スライムが発生した場合はこれを効果的に回生処理する
ことは非常に困難である。(5)このように水処理装置
を有する施設内で回生処理するためには専用の回生処理
設備やその設置場所を必要とするが、その稼働率を考慮
すると回生処理設備の投資に見合う採算が取れない。
【0016】そこで、従来から、下水処理水、各種工場
排水等の脱塩に廉価な逆浸透膜エレメントを使用し、脱
塩水の製造コストを低減させたいこと、廃棄処分される
逆浸透膜エレメントを極力低減して回生処理により再利
用したいこと、回生処理を行なうにしても、当該逆浸透
膜モジュールを使用する水処理施設内での処理を回避す
るとともに、回生処理した逆浸透膜エレメントは要望時
には直ちに提供されること、等使用済み逆浸透膜エレメ
ントの回収、回生処理および回生処理品の供給にいたる
前記要望を一挙に満足する総合的な利用技術の開発が望
まれていた。
【0017】従って、本発明の目的は、上述のような使
用済み逆浸透膜エレメントを回収して比較的廉価な逆浸
透膜エレメントを提供することで、現在では殆ど実現さ
れていない下水処理水あるいは比較的高塩類濃度の各種
工場廃水の脱塩を行い、水回収が実施できると共に、排
水中の有価物質の濃縮や環境有害物質の濃縮分離を行な
うようにすることにある。また、本発明の他の目的は、
現在において水の回収系で用いられている逆浸透膜エレ
メントの供給コストを安価にし、回収系の水処理コスト
を低減することにある。さらに本発明の他の目的は、低
価格の逆浸透膜エレメントを必要な時に直ちに安定して
供給できる回生逆浸透膜エレメントを提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の、本発明(1)は、被処理水を処理して透過水を得る
処理工程に使用したハウジングと逆浸透膜エレメントか
らなる逆浸透膜モジュール内の使用済の逆浸透膜エレメ
ントの再使用方法であって、当該逆浸透膜モジュールの
ハウジング内から逆浸透膜エレメントを回収し、当該逆
浸透膜エレメントを別に用意したハウジングに装填して
逆浸透膜モジュールを形成し、当該逆浸透膜モジュール
内の逆浸透膜エレメントを回生処理し、回生処理した逆
浸透膜エレメントを取出して再使用する逆浸透膜エレメ
ントの再使用方法を、本発明(2)は、回生処理した逆
浸透膜エレメントを再使用するに際して、回生処理する
前に用いていた被処理水より低品位の被処理水の処理に
用いる前記(1)記載の逆浸透膜エレメントの再使用方
法を、本発明(3)は、回生処理した逆浸透膜エレメン
トの性能評価を行った後に、再使用する前記(1)また
は(2)記載の逆浸透膜エレメントの再使用方法を、本
発明(4)は、回収した逆浸透膜エレメントを別に用意
したハウジングに装填して逆浸透膜モジュールを形成
し、当該逆浸透膜エレメントの性能評価を行なった後、
当該逆浸透膜モジュール内の逆浸透膜エレメントを回生
処理する前記(1)〜(3)記載の逆浸透膜エレメント
の再使用方法を、本発明(5)は、当該回生処理が、薬
液処理または純水処理である前記(1)〜(4)記載の
逆浸透膜エレメントの再使用方法を、本発明(6)は、
回生処理した逆浸透膜エレメントを還元性薬液と共存さ
せて袋体に密封した後、逆浸透膜エレメント内の薬液が
凍結しない程度の低温の条件で保管する工程を有する前
記(1)〜(5)記載の逆浸透膜モジュールの再使用方
法を、本発明(7)は、使用済み逆浸透膜エレメントを
回生処理した後の逆浸透膜エレメントを還元性薬液と共
存させて袋体に密封した回生逆浸透膜エレメントを、本
発明(8)は、当該袋体に密封された逆浸透膜エレメン
トが、被処理水を処理して透過水を得る処理工程に使用
したハウジングと逆浸透膜エレメントからなる逆浸透膜
モジュールのハウジング内から逆浸透膜エレメントを回
収し、当該逆浸透膜エレメントを別に用意したハウジン
グに装填して逆浸透膜モジュールを形成し、当該逆浸透
膜モジュール内の逆浸透膜エレメントを回生処理し、回
生処理後、該逆浸透膜モジュール内から取出されたもの
である前記(7)記載の回生逆浸透膜エレメントを、本
発明(9)は、前記回生処理が、薬液処理または純水処
理である前記(7)または(8)記載の回生逆浸透膜エ
レメントを提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明において、被処理水を処理
して透過水を得る処理工程に使用した逆浸透膜モジュー
ル内の使用済の逆浸透膜エレメントとしては、特に制限
されないが、例えば、図2〜図6に示したフローにおい
て使用された逆浸透膜モジュールの逆浸透膜エレメント
が挙げられる。このような逆浸透膜エレメントは、通
常、スパイラル式逆浸透膜エレメントが使用され、その
構造は図8および図9に示されるものである。これらの
逆浸透膜エレメントは、長期間使用されると、逆浸透膜
が各種の無機物あるいは有機物により汚染を受けたりモ
ジュール内の原水の接液部あるいは膜面に微生物が発生
するなどして、差圧が上昇したり、透過水量が減少した
り、さらには膜の劣化によりその脱塩率が低下するなど
の性能低下を起こし、その用途では使用困難となる。ま
た、使用済みとは、上記性能の低下を起こしたものに限
定されず、予め定めた所定期間が経過したもの、あるい
は、処理水累積量が規定値に達し、数ヶ月後には性能低
下が予想されるため、安全を見越して交換されるものな
ども含まれる。このような使用済みの逆浸透膜エレメン
トは、従来、ハウジング内から取出され、新品の逆浸透
膜エレメントと交換され、取出された逆浸透膜エレメン
トは産業廃棄物として廃棄されていたが、本発明はこれ
を再使用を目的として回収するため、産業廃棄物の処理
コストの低減も図ることができる。
【0020】当該逆浸透膜モジュールのハウジング内か
ら逆浸透膜エレメントを回収する方法は公知の方法で行
なわれ、図8および図9の逆浸透膜モジュールの場合、
被処理水流入管、処理水管および非透過水管が接合され
る不図示のハウジング両側部材とハウジング86とを接
合するボルトなどの固定用部品を外し、処理水管と配管
の接合を外し、ハウジング86の一端の開口から逆浸透
膜エレメントを引き出すことで行なわれる。次に、逆浸
透膜エレメントの回生処理を行なう。この回生処理は、
使用済みの逆浸透膜エレメントが生じる水処理装置が設
置されている施設内で行なうのではなく、外部の施設、
例えば水処理メーカーで回生処理するものである。水処
理装置で用いられる逆浸透膜エレメントは、当該水処理
装置を設計施工する水処理メーカーによって、各種の逆
浸透膜エレメントからその水処理装置に最も適した逆浸
透膜エレメントが選定され、またそのエレメントに合う
ハウジングが水処理メーカーが設計製造して逆浸透膜モ
ジュールとして形成され、またどのように性能が低下し
たら逆浸透膜エレメントを交換すべきか等の管理基準が
設定され、また逆浸透膜エレメントの交換作業も水処理
メーカーが委託されることが多い。さらに水処理メーカ
ーは多くの顧客を有しているから、その扱い量も大量で
あるとともに、使用済みとなる逆浸透膜エレメントの種
類、数量、及びその廃棄時期等を体系的に認識すること
が可能である。よって本発明の要旨の一部となる回生処
理及び回生処理によって性能が回復した逆浸透膜エレメ
ントの供給は、水処理メーカーが行うことがもっとも適
している。すなわち、水処理メーカーが回生処理施設を
設置することにより使用済みとなった逆浸透膜エレメン
トを多量に、かつ計画的に、そして経常的に処理するこ
とが可能であり、従って、回生処理後の逆浸透膜エレメ
ントを比較的安価に顧客に提供することができ、かつ水
処理会社が当該事業を行っても十分に採算をとることが
できる。
【0021】次に、本発明の実施の形態における逆浸透
膜エレメントの再使用方法を実施する態様の一例を図1
を参照して説明する。図1は本例の実施態様のフロー図
である。図中、A−1、A−2、A−3、A−nは使用
済み逆浸透膜エレメント(以下、回収エレメントとい
う)を排出する各所の排出先水処理装置であり、また6
0は水処理メーカーであり、61、62、63はそれぞ
れ水処理メーカーが有する集積所、回生処理設備、保管
場所を示し、そしてB−1、B−2、B−3、B−nは
回生処理された逆浸透膜エレメント(以下、回生処理済
みエレメントまたは回生処理済み逆浸透膜エレメントと
いう)の供給を受ける各所の需要先水処理装置を示す。
【0022】各排出先水処理装置A−1からA−nから
排出される回収エレメント50を水処理メーカー60が
回収し、集積所61に集積する。そしてこのように集積
された各種回収エレメント50を、回生処理設備62に
よってこれらの回収エレメントにもっとも適した回生処
理法を選定して回生処理を行う。
【0023】本発明における回生処理は、回収エレメン
トの形状、その汚染程度に応じてもっとも適した回生処
理方法が適宜採用されるが、その回生処理方法の一例を
図10を参照して説明する。図10は本発明に用いる回
生処理設備62の一例のフロー図であり、100は回収
エレメント50を1本ないし複数本装填することができ
る別に用意されたハウジングである。なお、逆浸透膜エ
レメントは直径が4インチと8インチの2種類が大半を
占めているので、回生処理設備62には4インチ用か又
は8インチ用のいずれか一方、あるいはその両方のハウ
ジング100を用意しておく。当該ハウジング100に
は装填すべき回収エレメント50の透過水集水管に連通
する透過水管102、被処理水管103、非透過水管1
04が接続されており、透過水管102、被処理水管1
03、非透過水管104にはそれぞれ透過水配管10
5、被処理水配管106、非透過水配管107の一端が
それぞれ連通している。被処理水配管106の他端は三
方に分岐され、純水ポンプ108を介して純水槽111
に、アルカリポンプ109を介してアルカリ液槽112
に、有機酸ポンプ110を介して有機酸槽113にそれ
ぞれ接続している。また透過水配管105の他端は四方
に分岐され、ブロー点、純水槽111、アルカリ液槽1
12、有機酸槽113に接続している。さらに非透過水
配管107の他端も四方に分岐され、ブロー点、純水槽
111、アルカリ液槽112、有機酸槽113に接続し
ている。なお115ないし125は切換弁であり、12
6はハウジング100内をしかるべき圧力に維持するた
めの圧力調整弁である。また、被処理水配管106には
導電率計127、圧力計128が、透過水配管105に
は導電率計129、圧力計130、流量計131が、非
透過水配管107には導電率計132、圧力計133、
流量計134がそれぞれ付設されている。なお、135
はブラインシールを示す。
【0024】このような回生処理設備62を用いて本発
明における回生処理を行う手順を以下に説明する。回収
エレメント50の回生処理を行う前にまず回収エレメン
トの性能、すなわち汚染レベルを評価する。そのために
は回収エレメント50の一本をハウジング100に装着
し、まず回収エレメントに残留している液(回収先で使
用していた液)を洗浄する操作を行う。すなわち切換弁
118、115、125を開け、圧力調整弁126を所
定の開度(ハウジング100内に規定の圧力がかかる開
度)に開口して純水ポンプ108を駆動し、ハウジング
100内に純水を供給し、ハウジング100から流出す
る透過水および非透過水をブローする。このような洗浄
を十分行った後、常法によって回収エレメントの性能を
評価する。すなわち、アルカリ液槽112に規定の濃度
の塩化ナトリウム溶液を満たし、切換弁119、12
1、122を開け、圧力調整弁126を所定の開度に開
口してアルカリポンプ109を駆動して所定の圧力、流
量で塩化ナトリウム溶液をハウジング100内に流入
し、透過水および非透過水をアルカリ液槽112に循環
する。本操作における圧力計127および133、およ
び導電率計129、および流量計131によって被処理
水流入側の圧力と非透過水側の圧力の差、透過水側の導
電率、透過水側の流量等から、新品エレメントに対する
同条件で透過処理した際のこれらの値との比較によっ
て、回収エレメントがどの程度性能が低下しているか評
価することができる。新品エレメントの当該数値は、対
象となる回収エレメントと同じ型式の新品エレメントの
性能値あるいはカタログ値などが使用できる。
【0025】このような手法により性能が評価された
後、前述したと同じ操作によってハウジング内に純水を
流入して回収エレメントを充分に洗浄し、次いで汚染の
程度に応じて対応する回生処理を行なうが、例えば以下
のような回生処理を行う。先ず、有機酸槽113にクエ
ン酸溶液を満たし、切換弁120、123、124を開
口するとともに圧力調整弁126を所定の開度に開け、
有機酸ポンプ110を駆動して、被処理液管103を介
してハウジング内にクエン酸を流入し、非透過水および
透過水を有機酸槽に循環する。クエン酸で規定時間循環
洗浄することにより逆浸透膜の膜間、膜表面に付着して
いる特にカルシウム、鉄等の金属化合物が溶解除去され
る。次いで、上述した純水洗浄と同様な操作を行い、ハ
ウジング内の有機酸を押出し洗浄する。次いで、アルカ
リ液槽112に水酸化ナトリウム溶液を満たし切換弁1
19、121、122を開口するとともに圧力調整弁1
26を所定の開度に開け、アルカリポンプ109を駆動
して、被処理水管103を介してハウジング内に水酸化
ナトリウム溶液を流入し、非透過水、透過水をアルカリ
液槽112に循環する。水酸化ナトリウム溶液で規定時
間循環洗浄することにより逆浸透膜の膜間、膜面に付着
している特に有機物が溶解除去される。次いで、上述し
た純水洗浄と同様な操作を行いハウジング内の水酸化ナ
トリウム溶液を押出し洗浄する。このようなクエン酸溶
液と水酸化ナトリウム溶液による回生処理を行った後、
回収エレメントがどの程度性能が回生されたかを知るた
め、前述したと同様な性能評価を行う。本性能評価の値
に基づいて回生処理済みエレメントをどのような再使用
先に用いるか決定される。また、回収エレメントを回生
処理する前に性能評価されるが、この性能評価により再
使用先に用いる逆浸透処理にそのまま十分使用可能であ
ると判断される場合は、上述の薬液による回生処理が省
略され、純水で十分に洗浄したのみで回生処理済みエレ
メントとして再使用される場合もある。更に、回収エレ
メントが明らかに汚染されていると考えられる場合は、
回生処理前の性能評価が省略されることもある。
【0026】上述した回生処理設備62は一例であっ
て、性能評価の際に用いるハウジングおよび回生処理の
際に用いるハウジング、そして性能評価する際に用いる
塩化ナトリウム溶液を満たす槽および回生処理の際に用
いる水酸化ナトリウム溶液を満たす槽が兼用されている
が、これらを別々として専用のハウジング、槽を用いる
ことができる。また、回生処理に用いる薬液は逆浸透膜
を汚染している物質やその汚染の程度によって上述した
クエン酸溶液に変えて塩酸等の鉱酸が用いられる場合も
あり、また逆浸透膜の汚染物によっては酵素溶液あるい
は各種洗剤も用いられる場合もある。回生処理済みエレ
メント70は、一旦保管場所63で保管され、各需要先
水処理装置B−1ないしB−nの需要に応じて各所の需
要先に供給するものである。
【0027】従来の回生処理は性能が低下した逆浸透膜
エレメントをハウジングから取出さず、逆浸透膜モジュ
ールとして配管系に取り付けられた状態で回生処理を行
うので、特に逆浸透膜エレメントとハウジングとの隙間
にスライムが発生した場合はこれを効果的に回生処理す
ることはできなかったが、本発明の回生処理によれば、
このようなスライムを確実に除去できる。また、本発明
の回生処理では、専用の回生処理設備やその設置場所を
必要とするが、その高い稼働率を考慮すると回生処理設
備の投資に見合う採算が取れる。このため、水処理装置
を有する施設内で回生処理する場合の専用の回生処理設
備の稼働率の低さによる採算性の問題、排液処理の問題
などが解消できる。
【0028】本発明においては、このようにして回生処
理された回生処理済み逆浸透膜エレメントを還元性薬液
と共存させて袋体に密封した後、逆浸透膜エレメント内
の薬液が凍結しない程度の低温の条件で保管する工程を
有することが、以下の理由から好ましい。すなわち、排
出先水処理装置からの回収エレメントの搬入及びその回
生処理と、回生処理済み逆浸透膜エレメントの需要と
が、都合よくバランスが取れるということはまず有り得
ることではなく、したがって回生処理によって性能が回
復した回生処理済み逆浸透膜エレメントは、需要先水処
理装置の需要に応じて、一定期間、保管場所63で保管
する必要がある。ところで逆浸透膜は乾燥すると膜に亀
裂等の損傷を受け、したがって湿潤状態で保管する必要
があるが、回生処理をした後、逆浸透膜エレメント内に
水を封入したままの状態で保管すると逆浸透膜エレメン
ト内に微生物が繁殖し、その性能を低下させるおそれが
ある。保管中にこのような状態に至ると回生処理した意
味がなくなるので、回生処理後は逆浸透膜エレメント内
に微生物が繁殖しないようにして保管することが重要で
ある。従って、本発明においては回生処理済み逆浸透膜
エレメントを亜硫酸水素ナトリウム等の還元性薬液と共
存させた袋体に密封することにより、封入液中に空気中
の酸素が溶解したとしてもこれを直ちに還元し、封入水
中を常に無酸素状態に維持する。ただし還元性薬液を封
入したとしても、夏場等の比較的高温下の状態では還元
性薬液が早期に分解してその効力が低下してしまうの
で、比較的低温で保管することが好ましい。
【0029】このように還元性薬液の封入により袋体内
の液体に酸素が存在しないようにして回生処理済エレメ
ントにおける微生物の発生を防止し、かつ比較的低温に
保持することによって還元性薬液の効力が維持される時
間を延長させるのである。ただし、冬場の厳寒期等にお
いて袋体内の液体が凍結すると凍結により逆浸透膜に損
傷が生じるので、封入した還元性薬液が凍結しない範囲
の温度条件で保管することが好ましく、通常は0℃を越
え25℃以下の条件、好ましくは5℃〜15℃で保管す
る。
【0030】このような比較的低温で保管される形態お
よびB−1からB−nの需要先水処理装置に供給される
形態は、使用済み逆浸透膜エレメントを回生処理した後
の回生処理済み逆浸透膜エレメントを還元性薬液と共存
させて袋体に密封した形態で行なうことが、保存管理が
行ない易く、長期間に亘る保管であっても回生後の性能
を安定に維持できると共に、需要があった時にそのまま
の形態で直ちに供給することができる点で好適である。
また、袋体としては、特に制限されず、新品の逆浸透膜
エレメントを封入する際に用いるような袋体と同じもの
でもよく、当該袋体に密封される逆浸透膜エレメントは
1本または複数本とすることができる。
【0031】本発明において、回生処理済み逆浸透膜エ
レメントを再使用するに際しては、回生処理する前に用
いた被処理水より、低品位の被処理水に用いられる。す
なわち、回生処理済み逆浸透膜エレメントは、回生処理
前に用いられていた逆浸透膜装置の被処理水の水質より
劣る水質、例えば回生処理する前に用いられていた逆浸
透膜装置の被処理水の電気伝導率より大きい電気伝導率
の水、あるいは回生処理前より電気伝導率は小さいが、
TOC量が回生処理前の被処理水より多い水を処理する
ような逆浸透膜装置に用いることができる。また、回生
処理する前に用いた被処理水より低品位の処理水という
概念は相対的なものであって、例えば工業用水や市水や
井水等を被処理水として電子工業における一次純水や発
電所におけるボイラー補給水や一般産業における純水を
製造する純水製造装置で使用される逆浸透膜エレメント
に対して、これらの逆浸透膜エレメントに供給される供
給水(前記被処理水)より水質が悪い水、例えば、純水
製造装置から排出される比較的濃厚な再生廃液を除く排
出水や、半導体デバイスの純水洗浄において排出される
排出水や、下水や一般排水等を供給して逆浸透膜処理す
る場合には、これらの水が低品位の水ということにな
る。具体的には、以下の態様を挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。なお、ROは逆浸透
膜モジュールを言う。
【0032】すなわち、回生処理する前の逆浸透膜モジ
ュールおよび回生処理後の回生処理済逆浸透膜モジュー
ルを、例えば、被処理水の電気伝導率が50〜400μ
S/cmの図2の前段RO(4)(以下、前段ROという)、
被処理水の電気伝導率が1〜30μS/cmの図3の第二段
RO(17)(以下、第二段ROという)、被処理水の電気
伝導率が1〜20μS/cmの図4の後段RO(25)(以下、
後段ROという)、被処理水の電気伝導率が200〜1
200μS/cmの図3のフ゛ラインRO(22)(以下、フ゛ラインRO
という)、被処理水の電気伝導率が5〜10,000μS
/cmの図5の回収RO(34)(以下、回収ROという)、
被処理水の電気伝導率が5,000〜50,000μS/cm
の図6の高圧RO(48)(以下、高圧処理ROという)、
被処理水の電気伝導率が1,000〜2,000μS/cmの
図7の下水処理RO(43)(以下、下水処理ROという)
、被処理水の電気伝導率が200〜1,000μS/cmの
図6の淡水用RO(51)(以下、淡水ROという)とした場
合、表1および2のような組み合わせが挙げられる。表
中、矢印の左側が回生処理する前の逆浸透膜モジュール
を示し、矢印の右側が回生処理済み逆浸透膜モジュール
を示す。なお、回生処理済み逆浸透膜モジュールの被処
理水の電気伝導率の値は、回生処理する前の逆浸透膜モ
ジュールの被処理水の電気伝導率の値より大きい場合が
多いが、回生処理済モジュールと回生処理する前の逆浸
透膜モジュールの被処理水の電気伝導率は前者の方が小
さくとも、そのTOC量を比較した場合は、前者の方が
大きい場合もある。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】すなわち、逆浸透膜エレメントは長期間の
使用により脱塩率が低下するが、回生処理を施しても脱
塩率を元の状態に復帰させることは非常に困難である。
したがって、例えば図2における逆浸透膜モジュール4
を回生処理し、この回生処理済み逆浸透膜エレメント
を、図2の逆浸透膜モジュール4のように全く同様の用
途として用いることは、回生処理済み逆浸透膜エレメン
トの脱塩率が新品のそれより低下しているのが普通なの
で多少問題が生じる。すなわち、このような回生処理済
み逆浸透膜エレメントを用いるとその透過水の脱塩水の
水質が低下してしまう。したがって、例えば、表1のN
o.1にある図2における逆浸透膜モジュール4における
回生処理済みエレメントであれば、図5の回収逆浸透膜
モジュール34におけるエレメントとしてならば十分に
使用可能である。なぜならば回収逆浸透膜モジュール3
4の透過水は、例えば図2における被処理水1に混合さ
れ再利用されるので得られる透過水の塩類濃度が多少増
加してもその影響は極めて小さく問題とならないからで
ある。さらに、表1のNo.3にある図2における逆浸透
膜モジュール4の回生処理済み逆浸透膜エレメントは図
7における下水処理水の脱塩目的であれば、なんの問題
もなく使用できるのである。すなわち、下水処理用の逆
浸透膜モジュール43の被処理水は一般的に有機物の含
有量が多く、当該逆浸透膜モジュールの差圧上昇等の膜
汚染が激しく、工業用水を処理する逆浸透膜モジュール
と比較して処理可能期間が短い。したがって、このよう
な下水処理において、新品逆浸透膜エレメントを使用す
る場合と前記回生処理済み逆浸透膜エレメントを使用す
る場合とを比較すると、後者は前者より多少処理期間は
短くなるが、廉価な回生処理済み逆浸透膜エレメントを
用いることにより大幅にその処理コストを低減すること
ができる。また、下水処理において、回生処理済逆浸透
膜エレメントを使用した場合は、新品逆浸透膜エレメン
トを使用する場合と比較してその透過水の塩類濃度はや
や劣るものとなる。しかし回生処理済み逆浸透膜エレメ
ントを使用しても工業用水程度の透過水を十分に得るこ
とができるので、下水を逆浸透膜モジュールで処理して
工業用水程度の透過水を得るという目的において、全く
問題はない。
【0036】
【発明の効果】以上説明したごとく本発明によれば、新
品逆浸透膜エレメントと比較してかなり廉価な逆浸透膜
エレメントを各種の水処理装置に提供できるので、現在
では逆浸透膜モジュールのコストが障害となって殆ど採
用されていない下水処理水や高塩類含有排水の脱塩処理
に逆浸透膜モジュールを用いることができるので、近年
発生している水不足の問題を解決できる。また、排水中
の有価物質の濃縮や環境有害物質の濃縮分離が行なえ、
その後利用や後処理が効率的に行なえる。また、廃棄処
分される逆浸透膜エレメントが減るため、廃棄処分費用
が低減できると共に環境負荷を低減できる。さらに、回
収系の逆浸透膜モジュールで用いられていた新品逆浸透
膜エレメントに代えて回生処理済み逆浸透膜エレメント
を用いることにより回収系の水処理コストを低減するこ
とができる。さらに、使用済み逆浸透膜エレメントの回
収、回生処理、回生処理済み逆浸透膜エレメントの保
管、回生処理済み逆浸透膜エレメントの供給からなる事
業を水処理メーカーは採算ベースで実施することがで
き、かつ顧客に対し、低価格で安定して回生処理済み逆
浸透膜エレメントを供給することができる。また、回生
処理済み逆浸透膜エレメントを保管するにあたり、袋体
に当該エレメントと還元性薬液を共存させて密封した
後、当該エレメント内の薬液が凍結しない程度の低温の
条件で保管することにより、回生処理済み逆浸透膜エレ
メントの性能を低下させることなく保管することができ
るので、要望に応じて直ちにしかも安定して顧客に回生
処理済み逆浸透膜を提供することができる。以上説明し
た如く、本発明の逆浸透膜エレメントの再使用方法は、
産業の発展に寄与するところ大なる発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例を示すフロー図であ
る。
【図2】電子部品部材類の洗浄水として用いられる超純
水の製造工程を示すフロー図である。
【図3】電子部品部材類の洗浄水として用いられる超純
水の製造工程を示す他のフロー図である。
【図4】電子部品部材類の洗浄水として用いられる超純
水の製造工程を示す他のフロー図である。
【図5】電子部品部材類の洗浄工程で用いられた洗浄排
水を回収する工程のフロー図である。
【図6】海水を脱塩する場合のフロー図である。
【図7】下水処理水を脱塩する場合のフロー図である。
【図8】従来の逆浸透膜モジュールの構造を示す一部を
欠いた縦断面図である。
【図9】図8のA−A線における縦断面図である。
【図10】本発明に用いる回生処理設備の一例のフロー
図である。
【符号の説明】
4、16、17、22、25、34、48、51、89
逆浸透膜モジュ−ル A−1、A−2、A−3、A−n 排出先水処理装
置 50 使用済み逆浸透
膜エレメント 60 水処理メーカー 61 集積所 62 回生処理設備 63 保管場所 70 回生処理済み逆
浸透膜エレメント B−1、B−2、B−3、B−n 需要先水処理装
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 HA61 KC07 KC16 KC27 KD02 KD14 KD17 LA01 LA06 PA01 PB08

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理水を処理して透過水を得る処理工
    程に使用したハウジングと逆浸透膜エレメントからなる
    逆浸透膜モジュール内の使用済の逆浸透膜エレメントの
    再使用方法であって、当該逆浸透膜モジュールのハウジ
    ング内から逆浸透膜エレメントを回収し、当該逆浸透膜
    エレメントを別に用意したハウジングに装填して逆浸透
    膜モジュールを形成し、当該逆浸透膜モジュール内の逆
    浸透膜エレメントを回生処理し、回生処理した逆浸透膜
    エレメントを取出して再使用することを特徴とする逆浸
    透膜エレメントの再使用方法。
  2. 【請求項2】 回生処理した逆浸透膜エレメントを再使
    用するに際して、回生処理する前に用いていた被処理水
    より低品位の被処理水の処理に用いる請求項1に記載の
    逆浸透膜エレメントの再使用方法。
  3. 【請求項3】 回生処理した逆浸透膜エレメントの性能
    評価を行った後に、再使用することを特徴とする請求項
    1または2に記載の逆浸透膜エレメントの再使用方法。
  4. 【請求項4】 回収した逆浸透膜エレメントを別に用意
    したハウジングに装填して逆浸透膜モジュールを形成
    し、当該逆浸透膜エレメントの性能評価を行なった後、
    当該逆浸透膜モジュール内の逆浸透膜エレメントを回生
    処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    記載の逆浸透膜エレメントの再使用方法。
  5. 【請求項5】 当該回生処理が、薬液処理または純水処
    理であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    記載の逆浸透膜エレメントの再使用方法。
  6. 【請求項6】 回生処理した逆浸透膜エレメントを還元
    性薬液と共存させて袋体に密封した後、逆浸透膜エレメ
    ント内の薬液が凍結しない程度の低温の条件で保管する
    工程を有する請求項1〜5のいずれか1項記載の逆浸透
    膜モジュールの再使用方法。
  7. 【請求項7】 使用済み逆浸透膜エレメントを回生処理
    した後の逆浸透膜エレメントを還元性薬液と共存させて
    袋体に密封したことを特徴とする回生逆浸透膜エレメン
    ト。
  8. 【請求項8】 当該袋体に密封された逆浸透膜エレメン
    トが、被処理水を処理して透過水を得る処理工程に使用
    したハウジングと逆浸透膜エレメントからなる逆浸透膜
    モジュールのハウジング内から逆浸透膜エレメントを回
    収し、当該逆浸透膜エレメントを別に用意したハウジン
    グに装填して逆浸透膜モジュールを形成し、当該逆浸透
    膜モジュール内の逆浸透膜エレメントを回生処理し、回
    生処理後、該逆浸透膜モジュール内から取出されたもの
    であることを特徴とする請求項7記載の回生逆浸透膜エ
    レメント。
  9. 【請求項9】 前記回生処理が、薬液処理または純水処
    理であることを特徴とする請求項7または8記載の回生
    逆浸透膜エレメント。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011212617A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Kurita Water Ind Ltd 分離膜エレメント選定装置、分離膜エレメント選定方法
JP2011212615A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Kurita Water Ind Ltd 分離膜エレメント選定装置、分離膜エレメント選定方法
WO2023190850A1 (ja) * 2022-03-31 2023-10-05 東レ株式会社 逆浸透膜装置および逆浸透膜装置の運転方法

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