JP2003297913A - 薬剤保持具、及びフォトマスクブランク収容容器 - Google Patents

薬剤保持具、及びフォトマスクブランク収容容器

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬剤保持具の振動によって生じる発塵を防止
又は低減できる薬剤保持具等を提供する。 【解決手段】 薬剤を保持するための薬剤保持具であっ
て、複数枚のフォトマスクブランクを収容するための対
向する溝を有するフォトマスクブランク収容容器におけ
る前記溝に収容可能な外径寸法及び形状を有し、かつ、
前記薬剤保持具は、前記溝に前記薬剤保持具を収容した
ときに前記薬剤保持具の振動を防止しうる形態を有する
(例えば、薬剤保持具1を、フォトマスクブランクと略
同一の外径寸法及び形状を有する形態とする)ことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばフォトマス
ク(レチクルを含む)等の製造に用いられるフォトマス
クブランクを収容、保管あるいは収容して輸送するため
の容器に関し、特に、当該フォトマスクブランクの機能
あるいは品質を損なわせる化学汚染物質を吸収除去する
ための薬剤(例えば、乾燥剤、脱酸素剤、脱臭剤、等
々)を保持(収容)する薬剤保持具及び該薬剤保持具を
備えたフォトマスクブランク収容容器に関する。
【0002】
【従来の技術】フォトマスクブランク収容容器として
は、規定の外形寸法及び形状からなるフォトマスクブラ
ンクを複数枚収容可能な、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ABS(アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合樹脂)、アクリル系等の樹脂からなる収容容器が
使用されている。図6は、フォトマスクブランク収容容
器として広く一般に使用されている収容容器の一例を示
す断面図、図7は中箱にフォトマスクブランクを収容す
る様子を説明するための斜視図である(特公平4−29
215号公報)。これらの図面において、フォトマスク
ブランク収容容器は、外箱底部30、外箱の蓋40及び
内箱20で構成され、内箱20の対向する一対の溝21
にフォトマスクブランク11が収容可能に構成されてい
る。ブランク11の側部端面11bは内箱20の溝21
に当接し、底部端面11cは内箱20の基板支持部22
に当接して保持される。さらに外箱の蓋40には基板抑
え具41が設けられており、この基板抑え具41におけ
る側部端面11b及び頭部端面11aと当接する部位に
は厚さ方向にブランク11を保持する凹部(溝が)形成
されており、あらゆる方向の振動や衝撃に対しブランク
11を完全に保持できるようになっている。このように
フォトマスクブランク収容容器は、輸送中の収容基板
(即ち、フォトマスクブランク)の振動を抑え、収容容
器との擦れによる発塵を抑えるべく、その形状は適当に
工夫設計されている。また、フォトマスクブランク収容
容器は、フォトマスクブランクの保管にも使用されてい
る。なお、溝21の底部には開口窓23が、内箱20の
底部には開口部24がそれぞれ設けられており、これら
の部位にゴミ等が溜まるのを防ぐとともに洗浄によるゴ
ミ等の除去を容易にしている。
【0003】ここで、近年特に、化学汚染物質等に弱い
レジストである化学増幅型レジストを塗布したフォトマ
スクブランクの収容に関し、当該レジストの機能あるい
は品質を劣化させる原因となる例えばアミン化合物等の
アルカリ汚染源物質を除去し品質を維持する目的で、例
えばシリカゲル等の吸着乾燥剤を、フォトマスクブラン
ク収容容器内に備えることが広く一般に行われている。
上記、シリカゲル等の薬剤は、当該薬剤の粉末が異物と
なってフォトマスクブランク表面に付着することを防ぐ
ため、通気性樹脂等からなる薬剤袋に収容されている。
この薬剤袋をフォトマスクブランク収容容器の内部に接
着テープや接着剤等で貼り付けて収容する方法や、ある
いは、予めフォトマスクブランク収容容器の設計段階で
前記薬剤袋を収容できるポケットを設けてこのポケット
に前記薬剤袋を収容する方法が、従来一般に行われてき
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、薬剤袋
を接着テープ等でフォトマスクブランク収容容器の内部
に貼り付ける方法では、接着テープのテープ自体あるい
は接着剤から化学汚染物質が発生し、レジストの機能あ
るいは品質を劣化させることがあった。また、予め設計
段階で上記薬剤袋を収容できるポケットを設けたフォト
マスクブランク収容容器を製作する方法では、フォトマ
スクブランク収容容器の製作に費用がかかり、また、薬
剤袋の大きさ(容積)が変わる毎に新たにフォトマスク
ブランク収容容器を設計し直す必要があり、多大な経
費、労力と時間を必要とした。さらに、従来法では、薬
剤袋が振動することによって発塵する恐れがあった。ま
た、従来法では、フォトマスクブランク収容容器内に、
薬剤袋等を収容するスペースを確保する必要があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためなされたものであり、以下の構成を有する。 (構成1) 薬剤を保持するための薬剤保持具であっ
て、複数枚のフォトマスクブランクを収容するための対
向する溝を有するフォトマスクブランク収容容器におけ
る前記溝に収容可能な外径寸法及び形状を有し、かつ、
前記薬剤保持具は、前記溝に前記薬剤保持具を収容した
ときに前記薬剤保持具の振動を防止しうる形態を有する
とを特徴とする薬剤保持具。
【0006】(構成2) フォトマスクブランクと略同
一の外径寸法及び形状を有する形態としたことを特徴と
する構成1記載の薬剤保持具。
【0007】(構成3) 前記薬剤保持具は中空部を備
え、当該中空部に前記薬剤を収容し、かつ通気性を確保
するために多数の貫通孔を設けた蓋体を前記中空部に機
械的にはめ込んで固定する構造を有することを特徴とす
る構成1又は2記載の薬剤保持具。
【0008】(構成4) 前記薬剤を収容した前記中空
部に対応する薬剤保持容器の表裏両面に通気性を確保す
るために多数の貫通孔を設けたことを特徴とする構成1
〜3のいずれかに記載の薬剤保持具。
【0009】(構成5) 前記薬剤は、前記フォトマス
クブランクの機能あるいは品質を損なわせる化学汚染物
質を吸着除去及び/又は吸収除去するための薬剤である
ことを特徴とする構成1〜4のいずれかに記載の薬剤保
持具。
【0010】(構成6) 複数枚のフォトマスクブラン
クを収容するための対向する溝を有するフォトマスクブ
ランク収容容器の容器であって、前記溝に構成1〜5の
いずれかに記載の薬剤保持具を少なくとも1つ収容して
なることを特徴とするフォトマスクブランク収容容器。
【0011】
【作用】上記構成1に係る薬剤保持具は、フォトマスク
ブランク収容容器における複数枚のフォトマスクブラン
クを収容するための対向する溝に収納可能な外径寸法及
び形状を有するので、フォトマスクブランク収容容器内
に薬剤を収容するための他のスペースの確保が不要であ
る。例えば、薬剤袋を貼り付けるスペースのない容器で
も対応可能であり、複数枚のブランクを収納可能などの
ような容器にも対応可能である。つまり、既に広く一般
に使用されているフォトマスクブランク収容容器に全く
の変更を加えることなく、収容容器内に薬剤保持具を収
容できる。また、上記構成1に係る薬剤保持具は、前記
溝に前記薬剤保持具を収容したときに前記薬剤保持具の
振動(がたつき)を防止しうる形態を有するので、薬剤
保持具の振動によって生じる発塵を防止又は低減でき
る。ここで、薬剤保持具の振動を防止しうる形態とは、
例えば図4に示すように、薬剤保持具1における溝21
との係合部1eが溝21の少なくとも一部で挟持される
厚さ、形状を有する形態をいう。前記薬剤保持具におけ
る前記溝との係合部が前記溝よりも薄いと、前記薬剤保
持具が振動してしまい発塵が生じる。
【0012】上記構成2に係る薬剤保持具は、フォトマ
スクブランクと略同一の外径寸法(厚さ含む)及び形状
(面取り形状含む)であるので、フォトマスクブランク
と同一の保持機構で前記薬剤保持具を保持可能である。
具体的には、図5に示すように、薬剤保持具1の両側部
に関しては、フォトマスクブランク1と略同一の外径寸
法(厚さ含む)及び形状(面取り形状含む)であるの
で、面取り部dが溝21の同じ位置に当接し溝の弾性で
同じ力で保持される。また、薬剤保持具の上下方向の保
持に関しては、例えば従来技術の欄で説明したのと同様
に、薬剤保持具の底部端面は内箱の基板支持部22に当
接して保持され、薬剤保持具の頭部端面及び測部端面は
基板抑え具41に当接して保持され、ブランクと全く同
一の保持機構によってあらゆる方向の振動や衝撃に対し
薬剤保持具が完全に保持される。したがって、薬剤保持
具の振動によって生じる発塵を完全に防止できる。な
お、例えば、面取り部がなく溝との当接部が直角等であ
ると、溝が削られて発塵する恐れがある。薬剤保持具の
厚さがフォトマスクブランクよりも薄いと、薬剤保持具
が溝内で振動して発塵する。薬剤保持具の厚さがフォト
マスクブランクよりも厚いと、薬剤保持具が溝に入らな
いか、あるいは溝に入っても容易に抜けない。薬剤保持
具の上下方向の長さがフォトマスクブランクよりも短い
と、上下方向には保持されず、薬剤保持具が上下方向に
移動又は振動して発塵する。また、前記薬剤保持具は、
フォトマスクブランクと略同一の外径寸法(厚さ含む)
及び形状(面取り形状含む)であるので、フォトマスク
ブランクと同様の要領で出し入れ可能である。
【0013】フォトマスクブランクと略同一の外径寸法
(厚さ含む)及び形状(面取り形状含む)は、公差の範
囲内であることが好ましい。但し、薬剤保持具における
少なくとも左右の2辺、少なくとも上下左右の4辺、あ
るいは上下左右の4辺のうち保持に関わる部位(収容容
器と当接する部位)の硬さが、フォトマスクブランク
(ガラス基板)より軟らかい材質の場合、硬さを考慮し
て同等の機構・強度で保持できるような厚さとすること
が可能である。薬剤保持具の硬さがフォトマスクブラン
ク(ガラス基板)と同等の硬さであれば同じ機構・強度
で保持可能である。
【0014】薬剤保持具の材質としては、薬剤保持具自
身がガスを放出しない(脱ガスが少ない)材料が好まし
い。また、薬剤を除く薬剤保持具への吸着の少ない材質
が好ましい。これは、薬剤を除く薬剤保持具へ吸着され
た物質が放出されるのを防ぐためである。なお、薬剤保
持具の材質が、フォトマスクブランク用基板と同じ材料
(石英ガラス、無アルカリガラスなどのガラス材料)で
あるか、又は、フォトマスクブランク収容容器と同じ材
質ならば、脱ガスや吸着の影響が同じで安心して使える
ので好ましい。ポリカーボネートは脱ガスが少ないとい
う観点から好ましい。
【0015】薬剤保持具の態様としては、フォトマスク
ブランクと略同一の外径寸法及び形状を有する容器内
に、薬剤を収容してなる態様が第一に挙げられる。薬剤
保持具の他の態様としては、薬剤自体(固形、バインダ
ー等で固めたものを含む)を、フォトマスクブランクと
略同一の外径寸法及び形状とした態様も含まれる。この
場合、通気性を有する防塵フィルム、セルロース、クリ
ーンペーパー、等で薬剤を包むことが好ましい。また、
板状に成形した固形薬剤をステンレスフレーム等で補強
した態様も含まれる。薬剤保持具のさらに他の態様とし
ては、フォトマスクブランク又はそのガラス基板に薬剤
を塗布した態様や、ガラス基板を加工(貫通孔形成や、
凹部形成など)して薬剤収容部を設けた態様などが挙げ
られる。
【0016】上記構成3によれば、薬剤保持具は中空部
を備え、蓋体を前記中空部に機械的にはめ込んで固定す
る構造を有し、蓋体を接着剤や接着テープ等を使用して
固定する構造でないため、薬剤保持具から接着剤等に起
因するガスが発生する恐れがない。つまり、接着剤等
の、新たな化学汚染源となり得るものを全く必要とせず
に、薬剤保持容器内に薬剤を収容できる。また、蓋体を
脱着することによって薬剤の交換が可能である。蓋体を
前記中空部に機械的にはめ込んで固定する構造として
は、例えば電池収容部の蓋体のように機械的にはめ込ん
で固定する公知の構造を利用できる。なお、中空部に収
容した薬剤袋等を、蓋体によって押さえ付ける等の構成
とすることによって、薬剤袋が振動することによって生
じる発塵の恐れを回避できるので好ましい。
【0017】上記構成4によれば、前記薬剤を収容した
前記中空部に対応する薬剤保持容器(蓋体を含む)の表
裏両面に通気性を確保するために多数の貫通孔を設ける
ことによって、化学汚染物質等の吸着除去又は吸収除去
の効率アップが可能である。
【0018】上記構成5によれば、前記薬剤は、前記フ
ォトマスクブランクの機能あるいは品質を損なわせる化
学汚染物質を吸着除去又は吸収除去するための薬剤であ
ることによって、フォトマスクブランク、特に、化学増
幅型レジストを塗布して作製したフォトマスクブランク
の品質と機能性の維持の達成が可能となる。ここで、化
学汚染物質としては、フォトマスクブランクの収容容器
内の雰囲気に含まれる化学汚染物質、あるいは収容容器
自体または収容したフォトマスクブランクから発生する
化学汚染物質、あるいはまた、フォトマスクブランク収
容容器の外部から進入する化学汚染物質などが挙げられ
る。また上記薬剤としては、これらの化学汚染物質を吸
着除去又は吸収除去するための薬剤(例えば、吸着剤、
乾燥剤、脱酸素剤、脱臭剤、等々)などが挙げられる。
シリカゲル吸着乾燥剤は、収容容器内の雰囲気に含まれ
る酸、アルカリ、有機物などのガスや、水分など何でも
吸着、吸収するので好ましい。ゼオライトに関しても同
様である。なお、乾燥剤は、収容容器内の雰囲気を乾燥
させることによって、酸やアルカリの放出を抑制する作
用があるので好ましい。これらの薬剤を適宜混合して使
用することも可能である。
【0019】上記構成6のフォトマスクブランク収容容
器は、フォトマスクブランク収容容器の溝に、上記構成
1〜5のいずれかに記載の薬剤収容具を少なくとも1つ
収容してなるので、薬剤保持具の振動によって生じる発
塵を防止又は低減できるとともに、フォトマスクブラン
ク収容容器内に薬剤を収容するための他のスペースの確
保が不要である。したがって、例えば薬剤袋を貼り付け
るスペースのない容器でも対応可能であり、複数枚のブ
ランクを収納可能などのような容器にも対応可能であ
る。つまり、既に広く一般に使用されているフォトマス
クブランク収容容器に全くの変更を加えることなく、使
用することができる。薬剤収容具は、フォトマスクブラ
ンク収容容器における複数の溝のうち、中央部又は中央
部付近の溝に入れると、薬剤による吸着等の効果が均一
になるので好ましい。また薬剤収容具を複数入れること
で吸着性能等の向上が可能であるので好ましい。例え
ば、化学増幅型レジストの品質と機能性の維持をより向
上させるため薬剤の容量を増やす必要が生じた場合であ
っても、薬剤収容具の収容枚数を調整することで容易に
対応可能である。この場合、フォトマスクブランクの収
容枚数は減るものの、フォトマスクブランク収容容器は
いわゆる通い箱として繰り返し使用されるものであり、
新たなフォトマスクブランク収容容器を作製するよりは
経済的である。なお、従来法だとスペース確保に限界が
あるので薬剤の容量を増やすことは難しい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る薬剤保
持具の斜視図、図2は図1のII−II線断図、図3は
中箱に薬剤保持具を収容した状態を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、薬剤保持具1は、中空部4
を備え、当該中空部4に薬剤5を収容し、かつ通気性を
確保するために多数の貫通孔(小穴)3を設けた蓋体2
によって薬剤5を保持する構造を有する。また、薬剤保
持具1は、サイズ6インチ角、厚さ0.25インチのフ
ォトマクスブランクと全く同一の外形寸法及び形状(面
取り形状・寸法を含む)で作製した。なお、蓋体2は少
なくとも一方が脱着可能であればよい。図1においては
面取り部の図示を省略してある。図3に示すように、薬
剤保持具1は、中箱20に形成された溝(フォトマクス
ブランクを収容するための溝)に収容される。なお、図
3に示す中箱20は厚さ0.25インチの厚板用である
ので中箱20の溝は、図7に示す溝の幅に比べ、広く形
成されている。上記実施の形態によれば、既に広く一般
に使用されているフォトマスクブランク収容容器に全く
の変更を加えることなく、収容容器内に薬剤保持具1を
収容できる。また、フォトマスクブランクと全く同一の
保持機構で薬剤保持具1を保持できる。さらに、接着剤
等の、新たな化学汚染源となり得るものを全く必要とせ
ずに、収容容器内に薬剤保持具1を収容できる。
【0021】
【実施例】実施例1 薬剤5としては、薬剤の粉末が異物となってフォトマス
クブランク表面に付着することを防ぐため通気性布(例
えばクリーンペーパー等)からなる薬剤袋に収容された
ものを使用した。具体的には、市販のシリカゲル乾燥剤
(例えば富士化工(株)社製:CP3.75)を使用し
た。この薬剤袋を上記図1及び図2に示す薬剤保持具1
の中空部4に収容(装着)し、蓋体2で薬剤袋が振動し
ないように固定して、薬剤保持具1を準備した。薬剤保
持具1及び蓋体2の材質は、ポリ・エーテル・エーテル
・ケトン(PEEK)とした。また、フォトマスクブラ
ンク収容容器としては、上述した図6に示した容器と同
様の構成を有する広く一般に使用されている容器であっ
て、6インチ角、厚さ0.25インチのフォトマスクブ
ランクを5枚収容可能な収容容器を使用した。フォトマ
スクブランク収容容器の材料に関しては、ポリプロピレ
ン樹脂にカーボンを練り込んだ樹脂を外箱底部30と中
箱20に、アクリル系樹脂に赤色及び黄色顔料を練り込
んだ樹脂を外箱の蓋40に用いた。なお、輸送中の発塵
を更に抑えるため、外箱の蓋40に中箱20を抑える中
箱抑え具を設けた。これは、6インチ角、厚さ0.25
インチのフォトマスクブランクのように重量が重くなる
と、個々のフォトマスクブランクを基板抑え具41のみ
で、輸送時の振動を抑えただけでは、発塵を完全に抑え
ることは難しい。そこで、今回用いたフォトマスクブラ
ンク収容容器は、収容したフォトマスクブランクが一体
となって動く中箱20の動きを抑える中箱抑え具を設け
た。上記フォトマスクブランク収容容器を用い、上記で
準備した薬剤保持具1を、1枚のフォトマスクブランク
に代えて中箱20の中央部に収容し、その両側に4枚の
電子線露光用ポジ型化学増幅型レジストであるFEP−
171(フジフィルムアーチ社製)を塗布して製作した
フォトマスクブランク11を2枚ずつ計4枚収容した
(図3)。その後、中箱20を外箱底部30に入れた
後、外箱の蓋40で蓋をした。次いで、輸送中のフォト
マスクブランクの振動による収容容器との擦れ、あるい
は、収容容器からの脱離を防止するため、ビニールテー
プにより外箱の蓋40と外籍底部30をそれらの係合部
に沿って固定した。次いで、外部との通気性あるいは透
水性を可能な限り遮断し、また、外部からの異物の混入
を防ぐために、上記のフォトマスクブランクを収容した
フォトマスクブランク収容容器をアルミラミネート袋
(例えば、旭化成ポリフレックス(株)社製:OAD防
湿袋)に入れ、その後、その袋を熱シールにより密封し
た後、4週間保管した(フォトマスクブランク1)。な
お、従来、この形態により、フォトマスクブランクは出
荷輸送され、あるいは、顧客にて使用されるまで保管さ
れる。
【0022】比較例1 実施例1と同じフォトマスクブランク収容容器を用い、
実施例1と同じ電子線露光用ポジ型化学増幅型レジスト
であるFEP−171(フジフィルムアーチ社製)を塗
布して製作したフォトマスクブランク4枚を中箱20に
収容し、この中箱20を外箱底部30に入れた後、外箱
の蓋40で蓋をした。次いで、実施例1と同様にビニー
ルテープを巻いて外箱の蓋40と外籍底部30を固定
し、このブランク収容容器をアルミラミネート袋に入
れ、熱シールにより密封した。その後、4週間保管した
(フォトマスクブランク2)。
【0023】4週間保管された上記のフォトマスクブラ
ンク1及び2を用いて、フォトマスクを作製し、所望の
パターンの設計寸法に対する実寸法を測定し、実施例1
と同じ電子線露光用ポジ型化学増幅型レジストを塗布し
て作製した直後の、即ち保管無しのフォトマスクブラン
ク3を用いてフォトマスクを作製した場合に対する寸法
差(即ち、上記電子線露光用ポジ型化学増幅型レジスト
であるFEP−171の保管による感度劣化)を求めた
ところ、フォトマスクブランク2は約10nmの寸法差
を呈し、一方、フォトマスクブランク1は1nm以下の
寸法差を示した。上記の結果は、電子線露光用化学増幅
型レジスト(例えば、FEP−171(フジフィルムア
ーチ社製))を塗布して製作したフォトマスクブランク
の保管とその機能維持における、シリカゲル乾燥剤の必
要性を明示する。そして、本発明の薬剤保持具1及びこ
の薬剤保持具1を収容してなるフォトマスクブランクの
収容容器は、フォトマスクブランク、特に、化学増幅型
レジストを塗布して作製したフォトマスクブランクの品
質と機能性の維持を達成できることを明示する。
【0024】比較例2 薬剤袋を収容できるポケットを設けたフォトマスクブラ
ンク収容容器を用い、このポケットに実施例1と同じ薬
剤袋を収容し、更に実施例1と同じ電子線露光用ポジ型
化学増幅型レジストであるFEP−171(フジフィル
ムアーチ社製)を塗布して製作したフォトマスクブラン
ク4枚を収容して、実施例1と比較例2の振動試験を行
い、パーティクルの個数を比較した。振動試験の条件
は、一般車両環境(MILSTD−810Dトラックモ
ード、X−Y−Z方向各々2時間)で行った。パーティ
クル個数の比較は、フォトマスクブランクの主表面に付
着した0.3μm以上の大きさのパーティクルの個数
(フォトマスクブランク4枚の平均値)を比較した。パ
ーティクルは、レーザー走査欠陥検査装置(レーザー光
の散乱光、透過光強度を比較して欠陥を調べる検査装
置)で検出した。その結果、実施例1の場合12個であ
ったのに対し、比較例2の場合466個であった。この
結果から、本発明の薬剤保持具は、薬剤保持具の振動に
よって生じる発塵を防止又は低減できることがわかる。
【0025】本発明は上記実施の形態及び実施例に限定
されない。例えば、本発明の薬剤保持具1は、レジスト
を塗布して作製したフォトマスクブランクの収容容器以
外に、レジストを塗布していないフォトマスクブランク
やガラス基板、その他の基板の収容容器にも適用可能で
ある。また、本発明の薬剤保持具1は、正方形の基板の
収容容器に限らず、他の形状の基板の収容容器にも薬剤
保持具の形態を合わせることによって適用可能である。
また、薬剤保持具1の材質は、フォトマスクブランク用
基板と同じガラス基板でも適用可能である。また、化学
増幅型レジストとして、電子線露光用化学増幅型レジス
トの他に、レーザー露光用化学増幅型レジストなどの化
学増幅型レジストにも適用可能である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の薬剤保持
具は、フォトマスクブランク収容容器の溝に薬剤保持具
を収容したときに、薬剤保持具の振動を防止しうる形態
を有するので、薬剤保持具の振動によって生じる発塵を
防止又は低減できる。特に、本発明の薬剤保持具がフォ
トマスクブランクと略同一の外径寸法及び形状である場
合、フォトマスクブランクと同一の保持機構で薬剤保持
具を保持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る薬剤保持具の斜視
図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】中箱に薬剤保持具を収容した状態を示す斜視図
である。
【図4】薬剤保持具における溝との係合部の一形態を説
明するための模式図である。
【図5】薬剤保持具における溝との係合部の他の形態を
説明するための模式図である。
【図6】フォトマスクブランク収容容器を説明するため
の断面図である。
【図7】中箱にフォトマスクブランクを収容する様子を
説明するための斜視図である。
【符号の説明】
1 薬剤保持具 2 蓋体 3 貫通孔 4 中空部 5 薬剤 20 内箱 30 外箱底部 40 外箱の蓋

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬剤を保持するための薬剤保持具であっ
    て、 複数枚のフォトマスクブランクを収容するための対向す
    る溝を有するフォトマスクブランク収容容器における前
    記溝に収容可能な外径寸法及び形状を有し、かつ、前記
    薬剤保持具は、前記溝に前記薬剤保持具を収容したとき
    に前記薬剤保持具の振動を防止しうる形態を有すること
    を特徴とする薬剤保持具。
  2. 【請求項2】 フォトマスクブランクと略同一の外径寸
    法及び形状を有する形態としたことを特徴とする請求項
    1記載の薬剤保持具。
  3. 【請求項3】 前記薬剤保持具は中空部を備え、当該中
    空部に前記薬剤を収容し、かつ通気性を確保するために
    多数の貫通孔を設けた蓋体を前記中空部に機械的にはめ
    込んで固定する構造を有することを特徴とする請求項1
    又は2記載の薬剤保持具。
  4. 【請求項4】 前記薬剤を収容した前記中空部に対応す
    る薬剤保持容器の表裏両面に通気性を確保するために多
    数の貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の薬剤保持具。
  5. 【請求項5】 前記薬剤は、前記フォトマスクブランク
    の機能あるいは品質を損なわせる化学汚染物質を吸着除
    去及び/又は吸収除去するための薬剤であることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤保持具。
  6. 【請求項6】 複数枚のフォトマスクブランクを収容す
    るための対向する溝を有するフォトマスクブランク収容
    容器の容器であって、前記溝に請求項1〜5のいずれか
    に記載の薬剤保持具を少なくとも1つ収容してなること
    を特徴とするフォトマスクブランク収容容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009503900A (ja) * 2005-08-02 2009-01-29 インテグリス・インコーポレーテッド 捕獲基板のためのシステムおよび方法
JP2009055005A (ja) * 2007-07-31 2009-03-12 Shin Etsu Chem Co Ltd フォトマスク用合成石英ガラス基板保管ケース
JP2012199302A (ja) * 2011-03-18 2012-10-18 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板収容器

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