JP2003297895A - ウェーハハンドリングロボット - Google Patents

ウェーハハンドリングロボット

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JP2003297895A
JP2003297895A JP2002093108A JP2002093108A JP2003297895A JP 2003297895 A JP2003297895 A JP 2003297895A JP 2002093108 A JP2002093108 A JP 2002093108A JP 2002093108 A JP2002093108 A JP 2002093108A JP 2003297895 A JP2003297895 A JP 2003297895A
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resonance
integrated circuit
wafer
circuit substrate
wave
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JP2002093108A
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Naoki Rikita
直樹 力田
Shinichiro Inui
信一郎 乾
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集積回路用基板の自動識別を容易に行う。 【解決手段】 集積回路用基板1を、表面に、外部から
入力される特定の周波数の電磁波に共振して共振波を発
する共振回路2を有する構成とする。ロボット21を、
集積回路用基板1を保持するウェーハ保持部と、ウェー
ハ保持部を移動させるアームと、アームを駆動する駆動
装置と、アームに設けられるアンテナ24と、アンテナ
24を利用して電磁波を放出する発信装置Sと、アンテ
ナ24を利用して集積回路用基板1の共振回路2が発す
る共振波を受信する受信装置Rと、受信装置Rが受信し
た共振波の解析を行う解析装置32とを有する構成とす
る。解析装置32を、受信装置Rが受信した共振波の特
性から共振回路2の共振の特性を解析し、この共振の特
性から集積回路用基板1の固有の情報を検出する構成と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、集積回路用基板を
取り扱うウェーハハンドリングロボット(以下、単にロ
ボットとする)に関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路用基板は、表面に集積回路を形
成する過程で多数の工程を経るので、各集積回路用基板
について工程の履歴等を管理する必要がある。このよう
な集積回路用基板の情報の管理を自動的に行うために、
集積回路用基板の自動識別装置が用いられる。
【0003】従来、集積回路用基板を自動的に識別する
方法としては、集積回路用基板に対してその固有の情報
を表す符合(文字や記号、バーコード等)を設けてお
き、この符合を文字認識装置やバーコードリーダー等の
読取装置によって光学的に読み取り、この符合が表す情
報に基づいて物品を識別する方法がある。また、集積回
路用基板を直接識別するのではなく、集積回路用基板が
収容されるウェーハケースに、その固有の情報を記憶す
る記憶装置と送受信装置、及びこれらを駆動するための
電源(電池等)とを有するIDタグを設けておき、外部
から無線通信手段によってIDタグの送受信装置と交信
して記憶装置内に記憶された情報を読み出し、この情報
に基づいてウェーハケース内の集積回路用基板を識別す
る方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のように
符合を光学的に読み取る方法では、読取装置に対する符
合の向きが適正位置からずれていると、情報の読取精度
が低下してしまうという問題があった。また、集積回路
用基板の表面ににおける符合の表示面積を十分に確保し
なければならないので、集積回路用基板において集積回
路を形成する領域が減ることとなり、歩留まりが悪かっ
た。
【0005】一方、後者のように集積回路用基板の固有
の情報をウェーハケースに設けたIDタグから無線通信
手段によって読み取る方法では、集積回路用基板自体に
ついて固有の情報を管理しているわけではないので、ウ
ェーハケース内に複数枚の集積回路用基板を収容してい
る場合には、各集積回路用基板についての最新の情報を
逐次把握することはできなかった。また、IDタグに
は、送受信装置の他に、記憶装置と、これらを駆動する
ための電源を設けなくてはならないので、小型化が困難
である上、さらに電源のメンテナンス(電池の交換や充
電等)が必要となってしまう。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、集積回路用基板の自動識別を容易に行うこと
ができるロボットを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、以下の構成を採用した。本発明にかかる
ロボットは、外部から入力される特定の周波数の電磁波
に共振して共振波を発する共振回路を有しこの共振回路
の共振の特性によって固有の情報を表す構成の集積回路
用基板を取り扱うロボットであって、前記集積回路用基
板を保持するウェーハ保持部と、該ウェーハ保持部を移
動させるアームと、該アームを駆動する駆動装置と、前
記アームに設けられるアンテナと、該アンテナを利用し
て電磁波を放出する発信装置と、前記アンテナを利用し
て前記集積回路用基板の共振回路が発する共振波を受信
する受信装置と、該受信装置が受信した共振波の解析を
行う解析装置とを有し、該解析装置は、前記受信装置が
受信した前記共振波の特性から前記共振回路の共振の特
性を解析し、この共振の特性から前記集積回路用基板の
固有の情報を検出することを特徴としている。
【0008】このロボットが取り扱う集積回路用基板
は、外部から入力される特定の周波数の電磁波に共振し
て共振波を発する共振回路を有しており、この共振回路
の共振の特性が固有の情報を表している。この集積回路
用基板に対して、発信装置によってアンテナから特定の
周波数の電磁波を入力することで、共振回路が共振波を
発する。共振回路の共振の特性は、この共振波を受信装
置によって受信してその特性を解析することにより求め
られる。このように、発信装置及び受信装置を用いるこ
とで、集積回路用基板自体の自動識別を行うことができ
る。
【0009】ここで、集積回路用基板より離間した位置
から電磁波を入力して共振回路を共振させるには、一般
的な近距離無線通信に用いられる電磁波の出力に比べて
非常に大きな出力で電磁波を入力する必要がある。一般
的な近距離無線通信に用いられる程度の出力の電磁波で
この共振回路を十分に共振させるため、またその共振波
を確実に受信するためには、発信装置の電磁波を放出す
るアンテナ及び受信装置のアンテナは、極力共振回路に
近接させることが望ましい。本発明にかかるロボットで
は、集積回路用基板を取り扱うアームにアンテナが設け
られている。そして、アームを駆動装置によって動作さ
せて、アンテナを集積回路用基板に近接させ、この状態
でアンテナを利用して集積回路用基板に発信装置の電磁
波を入力し、このアンテナを利用して受信装置による共
振波の受信を行うことで、集積回路用基板の共振回路を
十分に共振させることができるとともに、その共振波を
確実に受信することができる。
【0010】ここで、集積回路用基板の表面には、集積
回路を形成する過程で、導電性の薄膜を含む複数層の薄
膜が積層されるので、集積回路用基板上に形成される共
振回路は、このように導電性の薄膜が形成されることで
電磁気的な影響を受けて、その共振の特性が変わってし
まう。また、製造ロットごとの製造条件の変動等の影響
を受けるため、製造ロットの異なる共振回路間ではその
配線の太さや幅にばらつきが生じやすく、共振回路は共
振の特性に製造ロットごとのばらつきが生じやすい。こ
のため、単に受信装置が受信した共振波の特性を絶対的
な値で評価してしまうと、解析によって求めた共振回路
の特性と実際の共振回路の特性(もしくは製造時に意図
した共振回路の特性)との間に誤差を生じる恐れがあ
る。
【0011】一方、このように共振回路の共振の特性が
変わってしまう場合にも、この特性の変化は定性的な傾
向を示す。このため、集積回路用基板を、外部から入力
される特定の周波数の電磁波に共振して共振波を発する
共振回路を複数有しこの共振回路間における共振の特性
の相対的な関係が固有の情報を表す構成とした場合に
は、各共振回路間における共振波の特性の相対的な関係
は保たれる。また、受信装置が共振回路の共振波を受信
できる条件下であれば、入力した電磁波に対する共振の
有無を検出することが可能である。本発明にかかるロボ
ットでは、前記解析装置を、受信装置による共振波の受
信の有無、または受信装置が受信した共振波の特性から
各共振回路の共振の特性を解析し、これら共振回路間に
おける共振の特性の相対的な関係から前記IDタグの固
有の情報を検出する構成とすることで、受信装置が共振
回路の共振波を受信できる条件下であれば、このような
構成の集積回路用基板の自動識別を行うことができる。
【0012】このように構成されるロボットは、集積回
路用基板に設けられる複数の共振回路のうちの少なくと
も一部を選択的に破壊可能な回路破壊装置が設けられる
構成としてもよい。この場合には、集積回路用基板に設
けられている複数の共振回路のうちの少なくとも一部を
選択的に破壊して共振しない共振回路とすることがで
き、集積回路用基板の固有の情報を変更することができ
る。
【0013】また、これらロボットは、前記アンテナ
を、前記ウェーハ保持部に組み込まれている構成として
もよい。この場合には、ウェーハ保持部によって自動識
別の対象となる集積回路用基板を保持した状態、もしく
は保持する動作の過程で、自動識別の対象となる集積回
路用基板にアンテナを近接させることができ、自動識別
の対象となる集積用基板の自動識別が可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】〔第一の実施の形態〕以下、本発
明の一実施形態について、図を参照して説明する。ま
ず、本発明にかかるロボットが取り扱う集積回路用基板
1について、図1から図4を用いて説明する。ここで、
図1は本発明にかかるロボットが取り扱う集積回路用基
板の構成を示す平面図、図2はこの集積回路用基板に設
けられる共振回路の構成を示す図であって、(a)は平
面図、(b)は(a)のA−A矢視断面図、図3はこの
集積回路用基板に用いられる共振回路の等価回路図、図
4はこの集積回路用基板の製造工程を示す図である。
【0015】この集積回路用基板1は、シリコン(S
i)基板やガラス基板等、表面1aに集積回路が形成さ
れるものであって、表面1aには、外部から入力される
特定の周波数の電磁波に共振して共振波を発する共振回
路2を有している。この集積回路用基板1では、共振回
路2の共振の特性によって各集積回路用基板1ごとに異
なる固有の情報が表されている。このため、従来のID
タグとは異なり、この集積回路用基板には、固有の情報
を記憶する記憶装置及びこれを駆動するための電源が不
要である。
【0016】この共振回路2は、集積回路用基板1の表
面1a上において、集積回路の形成される領域(図1で
二点鎖線で囲まれた領域Pt)以外であれば、任意の位
置に設けることができる。本実施形態では、集積回路用
基板1を、シリコン基板としている。ここで、共振回路
2は、同一の集積回路用基板1に複数設けてもよい。
【0017】共振回路2は、最も単純な構成では、図3
に示すように、コンデンサ等の容量性の素子6とコイル
等の誘導性の素子7とをそれぞれ一つずつ直列に接続し
てなる回路とすることができる。共振回路2の共振の特
性、例えば共振する電磁波の周波数や共振波の波形は、
共振回路2の構成によって異なる。例えば、容量性の素
子6の容量Cや誘導性の素子7のインダクタンスLの大
きさの異なる共振回路2は、それぞれ異なった共振の特
性を有する。この共振回路2は、集積回路用基板1の表
面1aに集積回路を形成する方法(集積回路用基板1の
表面に各種の膜を所望のパターンで複数層積層すること
によって集積回路用基板1上に所望の回路構成の集積回
路を形成する方法)と同様の手法によって形成すること
で、極めて微小な回路とすることができるので、集積回
路用基板1の表面1aにおいて集積回路を形成する領域
を減らさずに済む。
【0018】本実施の形態では、共振回路2を、集積回
路を形成する方法と同様の手法によって形成しており、
一つの共振回路2は、一つの容量性の素子6と一つの誘
導性の素子7とを直列に接続してなる構成としている。
すなわち、図2に示すように、容量性の素子6は、基板
本体8上にSiO2等の絶縁体からなる層9(以下絶縁
体層とする)を形成することによって得ている。本実施
の形態では、容量性の素子6は、基板本体8の表面に島
状に形成される絶縁体層9によって構成している。ま
た、誘導性の素子7は、基板本体8上にアルミニウム
(Al)またはポリシリコン等の導電体からなる層10
(以下導電体層とする)を形成することによって得てい
る。本実施の形態では、誘導性の素子7は、一端10a
と他端10bとが絶縁体層9を介して接続される線状の
絶縁体層10によって構成している。
【0019】容量性の素子6の容量Cは、絶縁体層9の
材質と、絶縁体層9において導電体層10の一端と他端
との間に位置する部分の長さとによって決定される。容
量Cは、絶縁体層9において導電体層10の一端10a
と他端10bとの間に位置する部分の長さを短くすると
小さくなり、長くすると大きくなる。また、誘導性の素
子7のリアクタンスLは、導電体層10の材質と形状と
により決定される。ここでいう導電体層10の形状と
は、導電体層10がなす配線の長さや導電体層10がな
す配線の太さ(導電体層10の長さ方向に直交する断面
積)も含むものである。本実施の形態では、図2に示す
ように、導電体層10の中間部10cをジグザグ形状に
形成することで、リアクタンスLを所望の値にしてい
る。この場合、リアクタンスLは、導電体層10におい
てジグザグ形状をなす部分を短くすると小さくなり、長
くすると大きくなる。
【0020】この共振回路2は、集積回路用基板1上に
集積回路を形成する前の段階で形成されるか、または集
積回路用基板1上に集積回路を形成する工程で集積回路
とともに形成される。集積回路を形成する工程で共振回
路2を形成する場合には、集積回路を構成する薄膜のう
ち、第一層目の絶縁体層11を形成する工程において、
図4(a)に示すように、第一層目の絶縁体層11とと
もに各共振回路2の容量性の素子6を構成する絶縁体層
9を形成する。そして、集積回路を構成する薄膜のう
ち、第一層目の導電体層12を形成する工程において、
図4(b)に示すように、第一層目の導電体層12とと
もに各共振回路2の誘導性の素子7を構成する線状の導
電体層10を形成する。
【0021】このように、この集積回路用基板1では、
集積回路を形成する工程で共振回路2を形成する場合
は、最も早い場合には、集積回路を形成する工程におい
て二層の薄膜を形成した段階で、共振回路2を完成させ
ることができるので、以降の集積回路の形成工程におい
て本発明にかかるロボットを用いた管理を行うことがで
きる。
【0022】次に、このように構成される集積回路用基
板1の固有の情報を検出するのに用いられるロボットに
ついて、図5から図7を用いて説明する。ここで、図5
は本実施形態にかかるロボットの構成を示す斜視図、図
6は本実施形態にかかるロボットの構成を示すブロック
図、図7は本実施形態にかかるロボットによる集積回路
用基板の固有の情報の検出の様子を示す図である。
【0023】本実施形態にかかるロボット21は、図5
に示すように、集積回路用基板1を保持するウェーハ保
持部22と、ウェーハ保持部22を移動させるアーム2
3と、アーム23を駆動する図示せぬ駆動装置と、アー
ム23に設けられるアンテナ24とを有している。ま
た、このロボット21は、アンテナ24を利用して電磁
波を放出する発信装置Sと、アンテナ24を利用して集
積回路用基板1の共振回路2が発する共振波を受信する
受信装置Rと、受信装置Rが受信した共振波の解析を行
う解析装置32とを有している。
【0024】本実施の形態では、アーム23は、駆動装
置が設けられる基部23aと、一端を基部23aに支持
されて駆動装置によって駆動される多関節の可動部23
bと、可動部23bの他端に設けられるヘッド部23c
とを有している。ヘッド部23cには、一側方に突出さ
せてウェーハ保持部22が設けられており、ウェーハ保
持部22が設けられる側とは反対側には、それぞれが一
方の極をなす一対のロッド状のアンテナ24が互いに平
行にしてウェーハ保持部22とは反対側に向けて突出さ
せて設けられている。本実施の形態では、ウェーハ保持
部22を、セラミックス製の平板によって構成してお
り、このアーム23は、ウェーハ保持部22によって集
積回路用基板1の下面を受けることで、集積回路用基板
1の保持を行う構成とされている。ここで、集積回路用
基板1の保持を確実に行うため、ウェーハ保持部22に
は、集積回路用基板1を吸着する吸着手段を設けてもよ
い。
【0025】前記解析装置32は、受信装置Rが受信し
た共振波の特性から共振回路2の共振の特性を解析し、
この共振の特性から自動識別の対象となる集積回路用基
板1の固有の情報を検出する構成とされている。
【0026】本実施の形態では、ロボット21は、のこ
ぎり波状の信号電圧を発する掃引電圧発生器33と、掃
引電圧発生器33が発する信号電圧に基づいて出力信号
の周波数が制御される電圧制御発振器(VCO)34
と、電圧制御発振器34の出力信号を増幅する広帯域ア
ンプ35とを有している。広帯域アンプ35は、後述す
る方向性結合器37を介してアンテナ24と接続されて
おり、方向性結合器37を介してアンテナ24に出力信
号を供給して、アンテナ24を駆動するようになってい
る。本実施の形態においては、これら掃引電圧発生器3
3、電圧制御発振器34、及び広帯域アンプ35とが前
記の発信装置Sを構成している。
【0027】また、ロボット21において、広帯域アン
プ35とアンテナ24との間には方向性結合器37が設
けられ、電圧制御発振器34と方向性結合器37には、
直交検波器38が接続されている。方向性結合器37
は、広帯域アンプ35の出力信号をアンテナ24に出力
する一方でアンテナ24からの反射波を直交検波器38
に出力するものである。直交検波器38は、電圧制御発
振器34の出力信号に基づいて、アンテナ24からの反
射波からアンテナ24が受信した共振波を復調するもの
である。本実施の形態においては、これら方向性結合器
37及び直交検波器38とが前記の受信装置Rを構成し
ている。
【0028】前記解析装置32は、掃引電圧発生器33
からは掃引電圧が入力され、直交検波器38からは復調
信号が入力されるようになっている。解析装置32は、
例えばCPU等の演算装置からなり、直交検波器38に
よって得られた復調信号を縦軸にとり、掃引電圧発生器
33の発する掃引電圧を横軸にとることで、アンテナ2
4が受信した各共振回路2の共振のパターンを符合とし
て検出し、これに基づいて得られた各共振回路2の共振
の特性から、これら共振回路2が設けられる集積回路用
基板1の固有の情報を検出して、各集積回路用基板1の
識別を行うものである。
【0029】本実施の形態にかかるロボット21を用い
た集積回路用基板1の自動識別は、以下のようにして行
われる。
【0030】ここで、集積回路用基板1は、図5に示す
ウェーハケース39内に収容されている。ウェーハケー
ス39は、一側方に開口部39aが設けられる箱型をな
しており、開口部39aに隣接する一対の側面39b、
39cには、複数の集積回路用基板1を互いに離間させ
て上下方向に整列させた状態にして保持する保持部40
が設けられており、ウェーハケース39内に複数の集積
回路用基板1を収容することができるようになってい
る。本実施の形態では、各集積回路用基板1は、共振回
路2の設けられる面を同一方向に向け、かつ共振回路2
の設けられる側を開口部39a側に向けた状態でウェー
ハケース39内に収容される。
【0031】そして、集積回路用基板1の自動識別を行
う際には、駆動装置によってアーム23の可動部23b
を駆動して、ヘッド部23cを、アンテナ24がウェー
ハケース39に対向する向きに向ける。この状態からさ
らに可動部23bを動作させて、ウェーハケース39内
の自動識別の対象となる集積回路用基板1と、この集積
回路用基板1において共振回路2が設けられる側に隣接
する集積回路用基板1との間にアンテナ24を進入させ
る。この状態で、ロボット21の発信装置Sを動作させ
てアンテナ24を駆動して、ウェーハケース39内の自
動識別の対象となる集積回路用基板1に向けて電磁波を
放射する。
【0032】以下、発信装置Sの動作について説明す
る。まず、掃引電圧発生器33によってのこぎり波状の
信号電圧を電圧制御発振器34に入力する。これによっ
て、電圧制御発振器34は、所定の周波数帯域を掃引す
る出力信号(搬送波)を連続的に発する。電圧制御発振
器34の出力信号は、広帯域アンプ35によって増幅さ
れた後に方向性結合器37を介してアンテナ24に入力
される。アンテナ24は、この出力信号によって駆動さ
れて、所定の周波数帯域を掃引する電磁波を放射する。
アンテナ24は、自動識別の対象となる集積回路用基板
1において共振回路2が設けられている面に対向させら
れているので、自動識別の対象となる集積回路用基板1
の共振回路2に対してのみ発信装置Sの電磁波が放射さ
れる。
【0033】このように、発信装置Sから所定の周波数
帯域を掃引する電磁波を放射することで、この周波数帯
域内の電磁波に共振する全ての共振回路2が共振して共
振波を発する。本実施の形態では、発信装置Sは、アン
テナ24から発せられる電磁波が、共振回路2の共振周
波数として使用され得る周波数を全て含む周波数帯域を
掃引する設定としており、これによって集積回路用基板
1に設けられる全ての共振回路2が共振するようになっ
ている。
【0034】そして、自動識別の対象となる集積回路用
基板1の共振回路2が共振して共振波を発すると、その
共振波は受信装置Rによって受信される。受信装置Rに
おいては、アンテナ24からの反射波は、方向性結合器
37によって直交検波器38に出力される。直交検波器
38には、電圧制御発振器34の出力信号が入力されて
おり、この出力信号に基づいてアンテナ24の反射波か
らアンテナ24が受信した共振波の復調が行われる。
【0035】そして、前記解析装置32には、掃引電圧
発生器33からは掃引電圧が入力され、直交検波器38
からは復調信号が入力される。解析装置32は、図7に
示すように、直交検波器38によって得られた復調信号
の出力の大きさを縦軸にとり、掃引電圧発生器33の発
する掃引電圧の大きさを横軸にとることで、アンテナ2
4が受信した各共振回路2の共振のパターンを符合とし
て検出し、これに基づいて得られた各共振回路2の共振
の特性、本実施の形態では共振波の周波数から、各集積
回路用基板1の固有の情報を検出する。
【0036】掃引電圧の大きさは、電圧制御発信器34
の出力信号の大きさ、すなわちアンテナ24が発した電
磁波の周波数と比例関係にある。本実施の形態では、解
析装置32によって、これら集積回路用基板1に設けら
れた各共振回路2の共振周波数が検出され、この結果に
基づいて、集積回路用基板1の識別が行われる。
【0037】このように構成されるロボット21によれ
ば、自動識別の対象となる集積回路用基板1の固有の情
報を、送受信装置に対する向きにほとんど関係なく、非
接触で情報の読み取りを行うことができるので、集積回
路用基板1の自動識別を容易かつ迅速に行うことができ
る。しかも、各集積回路用基板1について個別に自動識
別を行うことが可能なので、ウェーハケース内に複数枚
の集積回路用基板1を収容している場合にも、各集積回
路用基板1についての最新の情報を逐次管理することが
できる。
【0038】このように、各集積回路用基板1について
の最新の情報を逐次管理することができるので、この情
報を逐次集積回路の製造工程管理に利用することができ
る。例えば、集積回路を製造する過程で集積回路用基板
1が不良となって新たに集積回路用基板1を調達する必
要が生じた場合にも、迅速に調達計画を立てて、集積回
路の製造をより効率的に行うことができる。また、この
ようにして得られた各集積回路用基板1についての最新
の情報は容易に電子情報とすることができるので、集積
回路の製造現場以外の部署にもこの情報を迅速に伝達す
ることができ、集積回路製造会社の納期対応計画や、早
期の経営判断を可能にすることができる。
【0039】ここで、従来、無線通信によって集積回路
用基板の自動識別を行う場合には、集積回路用基板をウ
ェーハケース単位で管理していたので、集積回路用基板
を適切な工程に送り込むためには、ウェーハケースに
は、同一の種類で同一の製造段階の集積回路用基板しか
入れることができなかった。このため、1ロットで少数
の集積回路用基板を扱う場合、または多種類の集積回路
用基板を扱う場合には、より多くのウェーハケースが必
要となり、ウェーハケースにかかるコストがかさむとも
にウェーハケースの管理が大きな負担となってしまう。
これに対し、本発明では、各集積回路用基板1について
それぞれ管理することが可能であるので、異なる種類、
または異なる製造段階の集積回路用基板1を同じウェー
ハケースに入れても、各集積回路用基板1を適切な工程
に送り込むことができるこれにより、使用するウェーハ
ケースの数を減らして、ウェーハケースにかかるコスト
及びウェーハケースの管理にかかる手間を大幅に低減す
ることができる。
【0040】また、本発明では、自動識別の対象となる
集積回路用基板1にアンテナ24を近接させた状態で集
積回路用基板1に電磁波を入力し、またこのアンテナ2
4を用いて集積回路用基板1の共振回路2の共振波を受
信するので、発信装置Sを、一般的な近距離無線通信に
用いられる電磁波の出力と同程度またはそれよりも低い
出力で電磁波を放出する構成とすることができ、装置の
低コスト化を図ることができる。また、このようにアン
テナ24と共振回路2との間での電磁波のやり取りがご
く近距離で行われるので、ウェーハケース内に他の集積
回路用基板1ががあっても、混信が生じることがなく、
自動識別の対象となる集積回路用基板1のみを正確に自
動識別することができる。
【0041】〔第二の実施の形態〕以下、本発明の第二
の実施形態について、図を参照して説明する。図8は、
本実施形態にかかるロボットの構成を示す斜視図であ
る。ここで、第一の実施の形態と同一または同様の部分
については同じ符号を用いて説明する。本実施形態にか
かるロボット41は、第一の実施の形態で示したロボッ
ト21において、ヘッド部23cにウェーハ保持部22
及びアンテナ24を設ける代わりに、ウェーハ保持部と
して、第一の実施の形態で示したウェーハ保持部22に
おいて上面にアンテナ43が設けられたウェーハ保持部
42を設けたものである。このアンテナ43は、ウェー
ハ保持部42が保持する集積回路用基板1の縁部に沿う
ように、ウェーハ保持部42の幅方向に平行にして設け
られている。アンテナ43は、例えばウェーハ保持部4
2内に埋め込まれるなどして、ウェーハ保持部42が保
持する集積回路用基板1と干渉しないように図られてい
る。また、アンテナ43は、集積回路用基板1を汚染す
ることのないよう、例えば樹脂によって被覆される。
【0042】このように構成されるロボット41を用い
て集積回路用基板1の自動識別を行う際には、ウェーハ
保持部42によって自動識別の対象となる集積回路用基
板1を保持した状態で、アンテナ43を用いて送信装置
S及び受信装置Rによる共振回路2との電磁波のやり取
りを行う。ここで、ウェーハ保持部42は、集積回路用
基板1がアンテナ43に隣接するようにして集積回路用
基板1の保持を行う。そして、第一の実施の形態で示す
ロボット21と同様に、解析装置32によって共振回路
2の共振の特性を検出して、これに基づいて自動識別の
対象となる集積回路用基板1の自動識別を行う。
【0043】ここで、ロボット41によってウェーハケ
ース39内の集積回路用基板1を保持する際には、駆動
装置によってアーム23の可動部23bを駆動して、ヘ
ッド部23cを、ウェーハ保持部42がウェーハケース
39に対向する向きに向け、この状態からさらに可動部
23を動作させて、ウェーハケース39内の自動識別の
対象となる集積回路用基板1と、この集積回路用基板1
の下方に位置する集積回路用基板1との間にウェーハ保
持部42を進入させる。この状態で、可動部23cを駆
動して、ウェーハ保持部42をウェーハケース39外に
引き出すことで、集積回路用基板1をウェーハケース3
9から取り出す。
【0044】このように構成されるロボット41によれ
ば、集積回路用基板1を保持した状態、もしくは保持す
る動作の過程で、集積回路用基板1の自動識別を行なう
ことができ、自動識別のために特別な動作をする必要が
ないので、スループットを向上させることができる。
【0045】ここで、上記各実施の形態に示すロボット
では、他の構成の集積回路用基板の自動識別を行うこと
も可能である。このような集積回路用基板の例を、図9
の平面図に示す。この集積回路用基板46は、第一の実
施の形態に示す集積回路用基板において、共振回路2を
複数設けて、これら共振回路2間における共振の特性の
相対的な関係によって固有の情報を表したものである。
この集積回路用基板46では、共振回路2の設置数を増
やすことで、表すことのできる情報量を増加させること
ができる。
【0046】各共振回路2間における共振の特性の相対
的な関係としては、例えば各共振回路2の共振波間の周
波数間隔が用いられる。ここでは、各集積回路用基板4
6には、第一〜第四の共振回路2a〜2dの計四つの共
振回路2を設けている。このIDタグでは、第一〜第四
の共振回路2a〜2dの誘導性の素子6のインダクタン
スLはそれぞれ13nHとし、容量性の素子7の容量C
は、第一の共振回路2aから第四の共振回路2dの順
に、1200pF、1100pF、1000pF、90
0pFとした。上記の各共振回路における誘導性の素子
6のインダクタンスLの値及び容量性の素子7の容量C
の値は一例であって、これらの値は任意であるが、各共
振回路間における共振の特性の相対的な関係を各集積回
路用基板46ごとに異なるものとするため、各集積回路
用基板46ごとに、これらインダクタンスLの値、容量
Cの値のうちの少なくとも一部を変えている。
【0047】これら共振回路の電磁波レベルの周波数帯
域における共振周波数は、第一の共振回路2aでは4
0.3MHz、第二の共振回路2bでは42.1MH
z、第三の共振回路2cでは44.1MHz、第四の共
振回路2dでは46.5MHzである。そして、これら
共振回路2の共振周波数間の間隔は、周波数の低い側
(第一の共振回路2a側)から順に、0.18MHz、
0.2MHz、0.24MHzである。この周波数間隔
はこの集積回路用基板46に固有のものであって、ここ
では、この周波数間隔によって集積回路用基板46に固
有の情報を表している。
【0048】ここで、各共振回路2間における共振の特
性の相対的な関係として各共振回路2の共振波間の周波
数間隔を用いる場合には、上記のように共振波間の周波
数間隔のみによって集積回路用基板46の固有の情報を
表す以外にも、例えば各共振波の周波数のうちの基準と
なる周波数(例えば各共振波のうち最低の周波数や最高
の周波数)に対する他の共振波の周波数の差または比に
よって固有の情報を表してもよい。また、共振波間の周
波数間隔が等差数列で表される構成としてその公差によ
って集積回路用基板46の固有の情報を表したり、共振
波間の周波数間隔が等比数列で表される構成としてその
公比によって固有の情報を表したり、共振波間の周波数
間隔が対数で表した際に等間隔となる構成として対数で
表した際の共振波間の周波数間隔によって固有の情報を
表してもよい。
【0049】本発明にかかるロボットによる集積回路用
基板46の固有の情報を検出する際には、第一または第
二の実施の形態と同様にして、発信装置S及び受信装置
Rによる各共振回路2との電磁波のやり取りを行う。
【0050】このように、発信装置Sから共振回路3の
共振周波数として使用され得る周波数をすべて含む周波
数帯域を掃引する電磁波を放射することで、集積回路用
基板46においてこの周波数帯域内の電磁波に共振する
全ての共振回路3が共振して共振波を発する。
【0051】そして、解析装置32は、図10に示すよ
うに、直交検波器38によって得られた復調信号の出力
の大きさを縦軸にとり、掃引電圧発生器33の発する掃
引電圧の大きさを横軸にとることで、アンテナ24が受
信した各共振回路2の共振のパターンを符合として検出
し、これに基づいて得られた共振回路2間における共振
の特性の相対的な関係から、集積回路用基板46の固有
の情報を検出する。ここで、図10において、各共振回
路の共振のパターンは、第一の共振回路2aから第四の
共振回路2dの順に、符号Pa、Pb、Pc、Pdで示
している。解析装置32によって、この集積回路用基板
46に設けられた各共振回路2の共振周波数が検出さ
れ、さらに、これら共振回路3の共振周波数間の間隔が
求められる。そして、この結果に基づいて本発明にかか
るロボットによる集積回路用基板46の識別が行われ
る。
【0052】この集積回路用基板46は、外部から入力
された電磁波に共振する共振回路2を複数有し、これら
共振回路2の共振の特性の相対的な関係が固有の情報を
表すので、その後の集積回路の形成工程において集積回
路用基板46上にさらに導体からなる層が形成されて共
振回路2の共振の特性が変化しても、その固有の情報を
正確に読み出すことができる。
【0053】〔第三の実施の形態〕以下、本発明の第三
の実施形態について、図を参照して説明する。図11
は、本実施形態にかかるロボットの構成を示すブロック
図である。ここで、第一の実施の形態と同一または同様
の部分については同じ符号を用いて説明する。本実施形
態にかかるロボット51は、共振回路2が複数設けられ
た集積回路用基板46を扱うものであって、第一の実施
の形態で示したロボット21、または第二の実施の形態
で示したロボット41において、集積回路用基板に設け
られる複数の共振回路のうちの少なくとも一部を選択的
に破壊可能な回路破壊装置52が設けられている。図1
1では、ロボット51を、ロボット21に回路破壊装置
52を設けた例を示している。
【0054】この回路破壊装置52は、集積回路用基板
46に設けられている複数の共振回路のうちの少なくと
も一部を選択的に破壊して共振しない共振回路とするも
のである。
【0055】このような回路破壊装置52としては、例
えば、共振回路2を構成する素子の破壊が可能な出力の
レーザー光を破壊対象となる共振回路2に対して照射す
るレーザー発生装置や、共振回路2を構成する素子また
は共振回路を構成する素子同士の接続部が共振のエネル
ギーによって焼き切れる程度(炭化する程度)の高出力
で破壊対象となる共振回路2の共振周波数の電磁波を放
出する発信装置とするほか、他の任意の構成とすること
ができる。このような回路破壊装置52としては、ID
タグと非接触で共振回路2を破壊可能な構成のものが好
ましい。
【0056】本実施の形態では、集積回路用基板46の
固有の情報の検出に用いる発信装置として、第一、第二
の実施の形態に示す発信装置Sの代わりに、この発信装
置Sにおいて、電圧制御発振器34に対して破壊対象と
なる共振回路2の共振周波数で発信させる信号電圧を入
力する信号源53を設けた構成の発信装置S1を設けて
おり、この発信装置S1を回路破壊装置52としてい
る。この信号源53は、例えば解析装置32によって、
破壊対象となる共振回路2の共振周波数に応じて信号電
圧を制御されるようになっている。
【0057】この回路破壊装置52によって共振回路2
を破壊する際には、アンテナを破壊対象となる共振回路
2と対向する位置に位置させ、この状態で、電圧制御発
振器34に対して、信号電圧発生器33からではなく信
号源53から信号を入力し、さらに広帯域アンプ35に
よって、電圧制御発信機34の出力信号を、アンテナが
発する電磁波との共振によって共振回路2を構成する素
子が焼き切れるほどの出力に増幅する。このようにして
破壊対象となる共振回路2に対して高出力の電磁波を入
力することで、共振回路2の素子が焼き切られて共振回
路2が破壊される。
【0058】本実施の形態にかかるロボット52は、回
路破壊装置52によって、集積回路用基板46に設けら
れている共振回路2のうちの任意の共振回路2を選択的
に破壊して共振しない共振回路2とすることができるの
で、集積回路用基板46に設けられる複数の共振回路2
間における共振の特性の相対的な関係を変化させて、集
積回路用基板46の固有の情報を変更することができる
(固有の情報を書き換えることができる)。例えば、各
共振回路2の共振のパターンが、図12に実線及び二点
鎖線で示すピークを有しているIDタグにおいて、破壊
対象となる共振回路2(図12において二点鎖線で示す
ピークに対応する共振回路)を回路破壊装置52によっ
て破壊して共振しない共振回路とすることで、各共振回
路2の共振のパターンを、図12に実線で示すように変
化させることができる。
【0059】このように、本実施の形態にかかるロボッ
ト51によれば、集積回路用基板46を用いることで、
従来のバーコード等の符合を用いた場合には不可能であ
り、また従来のIDタグのように記憶装置を設けていな
い場合には不可能であった、集積回路用基板の固有の情
報の書き換えが可能となる。
【0060】ここで、上記各実施の形態では、ロボット
は、発信装置Sに所定の周波数帯域を掃引する電磁波を
発させて、受信装置Rによって受信した共振波から共振
波の周波数を検出し、これによって共振回路の共振の特
性を検出する構成としたが、これに限らず、ロボットは
他の構成としてもよい。例えば、発信装置Sによって前
記所定の周波数帯域内の周波数を含むバースト波状の電
磁波を発させて、受信装置Rによって受信した減衰振動
の受信波形をフーリエ変換することによって得られた各
共振回路の共振波の周波数を符合として認識すること
で、共振回路の共振の特性、または各共振回路間におけ
る共振の特性間の関係を検出する構成としてもよい。
【0061】また、上記各実施の形態では、共振回路の
共振の特性、または各共振回路間における共振の特性の
相対的な関係として、共振波の周波数を用いたが、これ
に限られることなく、共振波の先鋭度Qを用いてもよ
い。このように集積回路用基板の固有の情報を各共振回
路の先鋭度Qの相対的な関係を用いて表す場合には、例
えば図13の等価回路図に示すように、上記の集積回路
用基板において、共振回路に(集積回路用基板46の場
合には各共振回路野のうち少なくとも一つに)、集積回
路用基板ごとに抵抗値の異なる抵抗素子56を組み込む
ことで、各共振回路の共振波の先鋭度Qを変化させるこ
とができる。
【0062】ここで、図13では、集積回路用基板46
において共振回路に抵抗素子56を組み込んだ例を示し
ている。この例では、集積回路用基板46において、第
一〜第四の共振回路2a〜2dの代わりに、これら共振
回路にそれぞれ抵抗素子56a、56b、56c、56
dを組み込んだ構成の第一〜第四の共振回路2A〜2D
を設けている。ここでは、第一の共振回路2Aの抵抗素
子56aと第三の共振回路2Cの抵抗素子56cとは同
一の抵抗値とし、第二の共振回路2Bの抵抗素子56b
と第四の共振回路2Dの抵抗素子56dとはそれぞれ他
のいずれの共振回路とも異なる抵抗値としている。これ
ら抵抗素子56a〜56dの値は任意であるが、各共振
回路間における先鋭度Qの相対的な関係を各集積回路用
基板46ごとに異なるものとするため、各集積回路用基
板46ごとに、これら抵抗素子56a〜56dのうちの
少なくとも一つの抵抗値を変えている。
【0063】ここで、図14に、図13に示す集積回路
用基板45の固有の情報を検出する際に解析装置32に
よって検出された第一〜第四の共振回路2A〜2Dの共
振のパターンを示す。図14において、各共振回路の共
振のパターンは、第一の共振回路2aから第四の共振回
路2dの順に、符号PA、PB、PC、PDで示してい
る。解析装置32は、このようにして得られた共振のパ
ターンに基づいて得られた共振回路2間における先鋭度
Qの相対的な関係から、集積回路用基板46の固有の情
報を検出する。
【0064】また、各共振回路2間における共振の特性
の相対的な関係としては、入力した周波数の電磁波に対
する各共振回路2の共振の有無のパターンを用いてもよ
い。この場合、例えば、基準となる周波数の電磁波に対
する各共振回路2の共振の有無のパターンを用いてもよ
く、また、各共振回路2の共振のパターンを二値化した
情報を用いてもよい。
【0065】基準となる周波数の電磁波に対する各共振
回路2の共振の有無のパターンを用いる場合には、例え
ば、集積回路用基板46に対して基準となる周波数の電
磁波を入力した際に共振した共振回路の数(または共振
しなかった共振回路の数)によって集積回路用基板46
の固有の情報を検出する構成としてもよい。
【0066】各共振回路2の共振のパターンを二値化し
た情報を用いる場合には、まず、所望の周波数帯域内
で、各周波数間の周波数間隔が等間隔となるようにして
基準となる周波数を複数設定しておき、集積回路用基板
46に設けられる各共振回路2を、これら基準となる周
波数の組のうちのいずれかの周波数の電磁波に共振する
構成とする。そして、前記周波数の組のうち、共振回路
2の共振周波数として利用されたものを1とし、そうで
ないものを0として表し、これらの値を周波数の低い側
から順に(または周波数の高い側から順に)並べること
によって、この集積回路用基板46における各共振回路
2の共振のパターンを二値情報として表す。
【0067】以下に、この集積回路用基板46を自動識
別する手法について図15を用いて説明する。図15
は、集積回路用基板46の各共振回路2の共振のパター
ンとその二値情報を示す図である。この例では、基準と
なる周波数を、周波数の低い順にFa〜Ffとしてい
る。また、集積回路用基板46には、各共振回路2を4
つ設けており、これら共振回路2は、それぞれ周波数F
a、Fc、Fd、Ffの電磁波に対して共振する構成と
している。この集積回路用基板46に対して、前記周波
数の組を全て含む周波数帯域を掃引する電磁波を入力す
ると、受信装置Rにより、周波数Fa、Fc、Fd、F
fまたはこれらに近い周波数の共振波が受信される。
【0068】そして、解析装置32によって、この共振
波の周波数の情報と、基準となる周波数の情報とに基づ
いて、前記周波数の組のうち、共振回路3の共振周波数
として利用されたものを1とし、そうでないものを0と
して表し、これらの値を周波数の低い側から順に(また
は周波数の高い側から順に)並べることによって各共振
回路3の共振のパターンを二値情報として得る。ここ
で、受信装置Rが受信した共振波は、必ずしも基準とな
る周波数と一致している必要はなく、受信した共振波
は、基準となる共振波のうち、最も近い周波数のものと
認識することで、共振回路2の共振の特性が変わってし
まっていても、共振のパターンを正確に認識することが
できる。
【0069】本発明では、集積回路用基板の固有の情報
は、上記のように共振周波数や共振波の先鋭度Q、共振
の有無を用いて表す以外にも、共振回路の共振の特性、
または各共振回路間における共振の特性間の相対的な関
係であれば、他の任意の関係を用いて表してもよい。さ
らに、上記した共振の特性または共振の特性の相対的な
関係の組み合わせによって集積回路用基板に固有の情報
を表すことで、共振回路によって表すことのできる情報
量をより多くすることができる。
【0070】また、上記実施の形態では、集積回路用基
板の共振回路2を、容量性の素子6が島状の絶縁体層9
からなり、誘導性の素子7が中間部10cにジグザグ部
分が形成される線状の導電体層10によって構成される
例を示したが、容量性の素子6及び誘導性の素子7を含
む回路であれば、共振回路2は任意の構成とすることが
できる。
【0071】例えば、共振回路2は、容量性の素子6を
構成する絶縁体層9を島状に形成する代わりに、図16
に示すように、基板本体8に溝Gを形成し、この溝Gの
内面に沿って絶縁体層9を形成して、導電体層10の一
端10aと他端10bとをそれぞれ絶縁体層9に対して
溝Gを挟んで反対側に接続した構成としてもよい。この
場合には、導電体層10の一端10aと他端10bとの
間の直線距離に比べてこれら一端10aと他端10bと
の間に介在する絶縁体層9の長さを確保することができ
るので、共振回路2のサイズを大きくすることなく、さ
らに容量Cを大きくすることができる。
【0072】ここで、上記各実施の形態では、集積回路
用基板として、表面にベアシリコンが露出している集積
回路用基板を用い、その表面に絶縁体層9及び導電体層
10からなる共振回路2を形成した例を示したが、これ
に限られることなく、例えば図17に示すように、集積
回路用基板を、表面全体に集積回路形成のための下地と
なる絶縁体層57を予め形成した構成としてもよい。こ
の構成を採用した場合には、この絶縁体層57が共振回
路2の絶縁体層9となるので、集積回路用基板の表面
に、線状の導電体層10を形成することで共振回路2が
形成される。
【0073】また、共振回路2は、誘導性の素子7を構
成する導電体層10の中間部10cを、他の形状として
もよい。例えば、中間部10cは、図18(a)に示す
ように角が直角となるジグザグ形状としてもよく、角が
鈍角または曲線となるジグザグ形状に形成してもよい。
また、中間部10cは、図18(b)に示すように、一
端10a側が外周側となる渦巻状に形成され、他端10
b側(図15に二点鎖線で示す)が中間部10cにおい
て渦巻の最内周部から中間部10cの上方(または下
方)に引き出される構成としてもよい。この場合には、
中間部10cの巻き数を増やすことでリアクタンスLを
大きくすることができ、巻き数を減らすことでリアクタ
ンスLを小さくすることができる。このような渦巻状の
導電体層10は、例えば、まず一端10a及び実線で示
す部分(または他端10b及び二点鎖線で示す部分)を
形成し、実線で示す部分と二点鎖線で示す部分との交差
部となる部位のうち、渦巻の最内周部に位置する部分を
除いた部分を絶縁体層等によって覆い、その上に他端1
0b及び二点鎖線部分(または一端10a及び実線で示
す部分)を形成することによって製造することができ
る。また、導電性の膜10自体の長さや太さを調整する
ことで所望のリアクタンスLを得ることができる場合に
は、中間部10cを前記のような複雑な形状ではなく、
単純な線状に形成することができる。
【0074】また、上記実施の形態では、集積回路用基
板において共振回路2をオリエンテーションフラットO
Fの近傍に設けた例を示したが、これに限られることな
く、集積回路用基板において集積回路が形成される領域
を確保するために、集積用回路の形成が行われない領域
に設けていれば、その位置は任意とすることができる。
例えば、集積回路用基板を、集積回路及び集積回路の電
気的テストのためのTEG(Testing Element Group)
が形成される構成として、このTEGが形成される領域
内に共振回路2を形成してもよい。
【0075】
【発明の効果】上記のように、本発明にかかるロボット
によれば、自動識別の対象となる集積回路用基板の固有
の情報を、送受信装置に対する向きにほとんど関係な
く、非接触で情報の読み取りを行うことができるので、
集積回路用基板の自動識別を容易かつ迅速に行うことが
できる。しかも、各集積回路用基板について個別に自動
識別を行うことが可能なので、ウェーハケース内に複数
枚の集積回路用基板を収容している場合にも、各集積回
路用基板についての最新の情報を逐次管理することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるロボットによる自動識別に用
いられる集積回路用基板の構成を示す平面図である。
【図2】 図1に示す集積回路用基板に設けられる共振
回路の構成を示す図であって、(a)は平面図、(b)
は(a)のA−A矢視断面図である。
【図3】 図1に示す集積回路用基板に用いられる共振
回路の等価回路図である。
【図4】 図1に示す集積回路用基板の製造工程を示す
図である。
【図5】 第一の実施の形態にかかるロボットの構成を
示す斜視図である。
【図6】 第一の実施の形態にかかるロボットの構成を
示すブロック図である。
【図7】 第一の実施の形態にかかるロボットによる集
積回路用基板の固有の情報の検出の様子を示す図であ
る。
【図8】 第二の実施の形態にかかるロボットの構成を
示す斜視図である。
【図9】 本発明に用いる集積回路用基板の他の形態例
を示す平面図である。
【図10】 第二の実施形態にかかるロボットによる集
積回路用基板の固有の情報の検出の様子を示す図であ
る。
【図11】 第三の実施の形態にかかるロボットの構成
を示すブロック図である。
【図12】 第三の実施の形態にかかるロボットによる
集積回路用基板の固有の情報の検出の様子を示す図であ
る。
【図13】 本発明に用いる集積回路用基板の共振回路
の他の形態例を示す等価回路図である。
【図14】 図13に示す共振回路を有する集積回路用
基板の固有の情報を検出する際に解析装置によって検出
された第一〜第四の共振回路の共振のパターンを示す図
である。
【図15】 第二の実施の形態で用いた集積回路用基板
の各共振回路の共振のパターンとその二値情報を示す図
である。
【図16】 本発明に用いられる集積回路用基板の共振
回路の他の形態例を示す図である。
【図17】 本発明に用いられる集積回路用基板の共振
回路の他の形態例を示す図である。
【図18】 本発明に用いられる集積回路用基板の共振
回路の他の形態例を示す図である。
【符号の説明】
1、46 集積回路用基板 2 共振回
路 21、41 ロボット 22、42
ウェーハ保持部 23 アーム 24、43
アンテナ 32 解析装置 52 回路
破壊装置 R 受信装置 S 発信装
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 乾 信一郎 東京都文京区小石川1−12−14 日本生命 小石川ビル 三菱マテリアル株式会社RF −ID事業センター内 Fターム(参考) 3C007 AS24 BS15 DS01 ES17 KS08 KV18 KW00 KX07 NS13 5F031 CA02 DA01 FA01 FA07 GA02 GA36 GA45 JA09 JA50 JA51 MA33 PA02 PA05 PA30

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部から入力される特定の周波数の電磁
    波に共振して共振波を発する共振回路を有しこの共振回
    路の共振の特性によって固有の情報を表す構成の集積回
    路用基板を取り扱うウェーハハンドリングロボットであ
    って、 前記集積回路用基板を保持するウェーハ保持部と、 該ウェーハ保持部を移動させるアームと、 該アームを駆動する駆動装置と、 前記アームに設けられるアンテナと、 該アンテナを利用して電磁波を放出する発信装置と、 前記アンテナを利用して前記集積回路用基板の共振回路
    が発する共振波を受信する受信装置と、 該受信装置が受信した共振波の解析を行う解析装置とを
    有し、 該解析装置は、前記受信装置が受信した前記共振波の特
    性から前記共振回路の共振の特性を解析し、この共振の
    特性から前記集積回路用基板の固有の情報を検出するこ
    とを特徴とするウェーハハンドリングロボット。
  2. 【請求項2】 外部から入力される特定の周波数の電磁
    波に共振して共振波を発する共振回路を複数有しこの共
    振回路間における共振の特性の相対的な関係が固有の情
    報を表す構成の集積回路用基板を取り扱うウェーハハン
    ドリングロボットであって、 前記集積回路用基板を保持するウェーハ保持部と、 該ウェーハ保持部を移動させるアームと、 該アームを駆動する駆動装置と、 前記アームに設けられるアンテナと、 該アンテナを利用して電磁波を放出する発信装置と、 前記アンテナを利用して前記集積回路用基板の共振回路
    が発する共振波を受信する受信装置と、 該受信装置が受信した共振波の解析を行う解析装置とを
    有し、 該解析装置は、前記受信装置による共振波の受信の有
    無、または前記受信装置が受信した前記共振波の特性か
    ら前記各共振回路の共振の特性を解析し、これら共振回
    路間における共振の特性の相対的な関係から前記IDタ
    グの固有の情報を検出することを特徴とするウェーハハ
    ンドリングロボット。
  3. 【請求項3】 前記集積回路用基板に設けられる前記複
    数の共振回路のうちの少なくとも一部を選択的に破壊可
    能な回路破壊装置が設けられていることを特徴とする請
    求項2記載のウェーハハンドリングロボット。
  4. 【請求項4】 前記アンテナが、前記ウェーハ保持部に
    組み込まれていることを特徴とする請求項1から3のい
    ずれかに記載のウェーハハンドリングロボット。
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