JP2003297160A - 電線の着色装置及び電線の製造装置 - Google Patents

電線の着色装置及び電線の製造装置

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JP2003297160A
JP2003297160A JP2002101160A JP2002101160A JP2003297160A JP 2003297160 A JP2003297160 A JP 2003297160A JP 2002101160 A JP2002101160 A JP 2002101160A JP 2002101160 A JP2002101160 A JP 2002101160A JP 2003297160 A JP2003297160 A JP 2003297160A
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storage tank
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JP2002101160A
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Takeshi Kamata
毅 鎌田
Seiji Suzuki
成治 鈴木
Keigo Sugimura
恵吾 杉村
Koji Kodama
耕司 小玉
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Yazaki Corp
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Yazaki Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電線に着色する色を容易に変更でき、歩留ま
りの低下を抑制できる電線の着色装置及び電線の製造装
置を提供する。 【解決手段】 電線の製造装置1は芯線と被覆部とを備
えた電線3を製造する。電線の製造装置1は電線3の外
表面5aを着色する着色部12を備えている。着色部1
2は第1の着色ユニット2aと第2の着色ユニット2b
を備えている。着色ユニット2a,2bは収容槽20と
ポンプ23などを備えている。収容槽20は上部に開口
部25を有し着色材Ba,Raを収容する。ポンプ23
は収容槽20内に着色材Ba,Raを上方に向かって噴
出して着色材Ba,Raの液面Qを上に凸とする。着色
材Ba,Raは開口部25から上方にわき出される。着
色ユニット2a,2bは電線3を開口部25の上方に通
して開口部25からわき出された着色材Ba,Ra中に
通す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性の芯線と、
この芯線を被覆する絶縁性の被覆部とを備えた電線を着
色する電線の着色装置及び着色された電線を製造する電
線の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】移動体としての自動車などには、種々の
電子機器が搭載される。このため、前記自動車などは、
前記電子機器に電源などからの電力やコンピュータなど
からの制御信号などを伝えるために、ワイヤハーネスを
配索している。ワイヤハーネスは、複数の電線106
(図15に示す)と、該電線106の端部などに取り付
けられたコネクタなどを備えている。
【0003】電線106は、導電性の芯線105(図1
5に示す)と該芯線105を被覆する絶縁性の合成樹脂
からなる被覆部とを備えている。電線106は、所謂被
覆電線である。前記電線106は、図15に示す製造装
置100で製造されてきた。図15に例示された製造装
置100は、サプライユニット101と、押し出し被覆
ユニット102と、冷却水槽103と、巻き取りユニッ
ト104と、を備えている。
【0004】前記製造装置100は、前記電線106を
製造する際に、サプライユニット101と押し出し被覆
ユニット102と冷却水槽103と巻き取りユニット1
04とに順に芯線105又は電線106を走行(移動)
させる。芯線105又は電線106を走行(移動)させ
るために、製造装置100は、プーリ107を複数備え
ている。
【0005】サプライユニット101は、被覆部が被覆
されていない状態の芯線105を供給する。押し出し被
覆ユニット102は、絶縁性の合成樹脂を前記サプライ
ユニット101から供給された芯線105の周りに押し
出し被覆して、被覆部を成形する。冷却水槽103は、
押し出し被覆ユニット102によって芯線105を被覆
した被覆部を冷却する。巻き取りユニット104は、芯
線105と該芯線105を被覆する被覆部とからなる電
線106を所定長さに切断して、ドラムなどに巻き付け
て、該電線106を出荷できる状態とする。こうして、
電線106は、製造装置100によって製造される。
【0006】コネクタは、導電性の端子金具と絶縁性の
コネクタハウジングとを備えている。端子金具は、電線
106の端部などに取りつけられかつ該電線106の芯
線105と電気的に接続する。コネクタハウジングは、
箱状に形成されかつ端子金具を収容する。
【0007】前記ワイヤハーネスを組み立てる際には、
まず電線106を所定の長さに切断した後、該電線10
6の端部などに端子金具を取り付ける。必要に応じて電
線106同士を接続する。その後、端子金具をコネクタ
ハウジング内に挿入する。こうして、前述したワイヤハ
ーネスを組み立てる。
【0008】前述したワイヤハーネスの電線106は、
芯線105の大きさと、被覆部の材質(耐熱性の有無な
どによる材質の変更)と、使用目的などを識別する必要
がある。なお、使用目的とは、例えば、エアバック、A
BS(Antilock Brake System)や車速情報などの制御
信号や、動力伝達系統などの電線106が用いられる自
動車の系統(システム)である。
【0009】ワイヤハーネスの電線106は、前述した
使用目的(系統)を識別するために、種々の色で着色さ
れたり、種々のマーキングが施されてきた。そこで、図
15に例示された従来の製造装置100では、押し出し
被覆ユニット102において被覆部を構成する合成樹脂
に着色剤を混入する。そして、押し出し被覆ユニット1
02内で、合成樹脂と着色剤とを混ぜて、前記合成樹脂
を着色剤と同じ色にする。そして、着色剤と同じ色の合
成樹脂を芯線105の周りに押し出し被覆する。こうし
て、被覆部即ち電線106を着色してきた。
【0010】一方、自動車には、ユーザなどから多種多
様な要望がよせられている。このため、前記自動車は、
より多種多様な電子機器を搭載することが望まれてい
る。したがって、前記ワイヤハーネスには、例えば10
0種類程度の電線106が用いられることがある。この
場合、多種多様な色の電線106を用いることになる。
このため、製造装置100では、被覆部の色を変更する
ことが望まれる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】図15に例示された製
造装置100では、被覆部(即ち電線106)の色を変
更する際に、押し出し被覆ユニット102を一旦停止し
て、合成樹脂に混入する着色剤を変更してきた。この場
合、前述したように多種多様な色の電線106を製造す
る際には、押し出し被覆ユニット102を頻繁に停止さ
せる必要が生じて、電線106の製造効率を低下させて
いた。
【0012】このため、押し出し被覆ユニット102を
駆動させたまま、合成樹脂に混入する着色剤を変更する
ことが提案されている。押し出し被覆ユニット102を
駆動させたまま着色剤を変更すると、着色剤を変更した
直後には、変更前の着色剤と変更後の着色剤との両方が
合成樹脂に混じって、被覆部が変更前の着色剤の色と変
更後の着色剤の色との混色になる。この混色となった電
線106は、前述した系統に対応した色ではないため、
ワイヤハーネスに用いることができない。このため、押
し出し被覆ユニット102を駆動させたまま着色剤を変
更すると、電線106にワイヤハーネスに用いることの
できない部分が生じて、電線106の材料歩留まりが低
下する傾向となっていた。
【0013】さらに、前述した製造装置100で製造さ
れて外表面が着色された電線106を、他の色に着色す
るために、図16に示す着色装置108が提案されてい
る。図16に例示された着色装置108は、一対のロー
ラ109と、含浸槽110と、複数の案内ローラ111
と、スキージ112とを備えている。一対のローラ10
9は、互いに間隔をあけて配されかつ互いの間に前記電
線106を該電線106の長手方向に沿って走行させ
る。
【0014】含浸槽110は、一対のローラ109間に
配されている。含浸槽110は上方が開口した箱状に形
成されている。含浸槽110は、所望の色の着色剤を収
容している。複数の案内ローラ111は、一対のローラ
109間に配されかつ電線106の走行方向に沿って互
いに間隔をあけて配されている。複数の案内ローラ11
1は一対のローラ109間を走行する電線106を含浸
槽110内の着色剤内につける。
【0015】スキージ112は、含浸槽110と、一対
のローラ109のうち電線106の走行方向の下流側の
ローラ109と、の間に配されている。スキージ112
は、電線106の外表面5aにつけられた着色剤のうち
余分なものを除去する。
【0016】前述した構成の着色装置108は、電線1
06を案内ローラ111で含浸槽110中の着色剤につ
けて、前記電線106の外表面を所望の色に着色する。
このような構成の着色装置108を複数並べて、含浸槽
110内に互いに異なる色の着色剤を収容する。そし
て、複数の着色装置108から電線106の外表面を着
色する着色装置108を適宜変更することにより、電線
106を着色する色を容易に変更できるようにすること
が考えられる。
【0017】しかしながら、前述した構成の着色装置1
08は、案内ローラ111で電線106を常に含浸槽1
10内の着色剤につけている。このため、含浸槽110
内に着色剤をいれたままでは、電線106の外表面を着
色する色を変更することができない。また、電線106
の外表面を着色しない着色装置108の含浸槽110か
ら着色剤を抜いても、含浸槽110内の着色剤中に付け
られているため、案内ローラ111に着色剤が付着して
いる。このため、電線106を着色しない着色装置10
8の案内ローラ111に付着した着色剤が、電線106
に付着することとなって、電線106を容易に所望の色
に着色することができない。
【0018】このため、案内ローラ111などを洗浄し
てから電線106を着色する色を変更するか、着色する
色を変更した直後には、変更前と変更後の着色剤が混ざ
り合ったまま、電線106の外表面を着色することとな
る。このため、図16に例示された着色装置108を複
数用いても、電線106の製造効率を低下させたり、電
線106の材料歩留まりを低下させることが考えられ
る。
【0019】したがって、本発明の目的は、電線に着色
する色を容易に変更でき、歩留まりの低下を抑制できる
電線の着色装置及び電線の製造装置を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1に記載の本発明の電線の着色
装置は、導電性の芯線と、絶縁性の合成樹脂からなりか
つ前記芯線を被覆する被覆部とを備えた電線の外表面を
移動させながら着色する電線の着色装置において、上部
に開口部を有しかつ前記電線の外表面を着色するための
着色材を収容する箱状の収容槽と、前記電線を前記開口
部の上方に位置づける位置付け手段と、前記電線の移動
方向に沿って互いの間に前記収容槽を位置させるととも
に、前記電線の外表面に付着した余分な着色材を除去す
る一対の除去手段と、前記収容槽の底側から前記開口部
を通して上方に前記着色材をわき出させる噴出手段と、
を備え、前記位置付け手段によって移動される電線を前
記噴出手段により前記開口部からわき出された着色材中
に通して、前記電線の外表面を着色することを特徴とし
ている。
【0021】請求項2に記載の本発明の電線の着色装置
は、請求項1記載の電線の着色装置において、一対の除
去手段のうち前記収容槽より電線の移動方向の下流側に
位置する一方の除去手段と、前記収容槽より電線の移動
方向の下流側に位置する位置付け手段との間に、前記電
線の外表面に付着した着色材を乾燥させる乾燥手段を設
けたことを特徴としている。
【0022】請求項3に記載の本発明の電線の製造装置
は、導電性の芯線と、絶縁性の合成樹脂からなりかつ前
記芯線を被覆する被覆部とを備えた電線を、前記芯線を
移動させながら製造する電線の製造装置において、前記
芯線の周りに合成樹脂を押し出し被覆して外表面が単色
の被覆部を成形する押し出し被覆ユニットと、前記外表
面を互いに異なる色の着色材で着色するとともに前記芯
線の移動方向に沿って並べられた複数の着色ユニット
と、を備え、前記着色ユニットは、上部に開口部を有し
かつ前記電線の外表面を着色するための着色材を収容す
る箱状の収容槽と、前記電線を前記開口部の上方に位置
づける位置付け手段と、前記芯線の移動方向に沿って互
いの間に前記収容槽を位置させるとともに、前記電線の
外表面に付着した余分な着色材を除去する一対の除去手
段と、前記収容槽の底側から前記開口部を通して上方に
前記着色材をわき出させる噴出手段と、を備え、前記位
置付け手段によって移動される電線を前記噴出手段によ
り前記開口部からわき出された着色材中に通して、前記
電線の外表面を着色することを特徴としている。
【0023】請求項4に記載の本発明の電線の製造装置
は、請求項3記載の電線の製造装置において、一対の除
去手段のうち前記収容槽より芯線の移動方向の下流側に
位置する一方の除去手段と、前記収容槽より芯線の移動
方向の下流側に位置する位置付け手段との間に、前記電
線の外表面に付着した着色材を乾燥させる乾燥手段を設
けたことを特徴としている。
【0024】請求項1に記載された本発明によれば、電
線が位置付け手段によって収容槽の開口部の上方を通
る。収容槽内の着色材が噴出手段によって開口部を通し
て上方にわき出される。そして、噴出手段によってわき
出された着色材中に電線を通して電線の外表面を所望の
色に着色する。このため、噴出手段を停止すると、着色
材が開口部を通して上方に突出しなくなり、電線に着色
材が付着しなくなる。
【0025】なお、本明細書でいう電線の外表面を着色
するとは、電線の被覆部の外表面を着色液で着色又は塗
料で着色することを示している。着色液とは、溶媒中に
染料が溶けているもの又は分散しているものを示してお
り、塗料とは、分散液中に顔料が分散しているものを示
している。このため、着色液で被覆部の外表面を着色す
ると、染料が被覆部内にしみ込み、塗料で被覆部の外表
面を着色すると、顔料が被覆部内にしみ込むことなく外
表面に接着する。即ち、本明細書でいう被覆部の外表面
を着色するとは、被覆部の外表面を染料で染めること
と、被覆部の外表面に顔料を塗ることとを示している。
【0026】また、前記溶媒と分散液は、被覆部を構成
する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場
合、染料が被覆部内に確実にしみ込んだり、顔料が被覆
部の外表面に確実に接着することとなる。さらに、前述
した着色液と塗料とは、本明細書に記した着色材をなし
ている。
【0027】請求項2に記載された本発明によれば、一
方の除去手段と位置付け手段との間に乾燥手段を設けて
いる。このため、電線の外表面に着色された着色材を直
ちに乾燥でき、着色材が位置付け手段などに付着するこ
とを防止できる。
【0028】請求項3に記載された本発明によれば、複
数の着色ユニットを備えている。このため、電線の外表
面を着色する着色ユニットを適宜変更することによっ
て、容易に電線を着色する色を変更できる。
【0029】また、それぞれの着色ユニットでは、電線
が位置付け手段によって収容槽の開口部の上方を通され
る。収容槽内の着色材が噴出手段によって開口部を通し
て上方にわき出される。そして、噴出手段によってわき
出された着色材中に電線を通して電線の外表面を所望の
色に着色する。このため、噴出手段を停止すると、着色
材が開口部を通して上方に突出しなくなり、電線に着色
材が付着しなくなる。このため、電線を着色していない
着色ユニットの収容槽内に収容された着色材が電線の外
表面に付着することを確実に防止できる。
【0030】請求項4に記載された本発明によれば、一
方の除去手段と位置付け手段との間に乾燥手段を設けて
いる。このため、電線の外表面に着色された着色材を直
ちに乾燥でき、着色材が位置付け手段などに付着するこ
とを防止できる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態にかか
る電線の製造装置を図1ないし図14を参照して説明す
る。本発明の一実施形態にかかる図1に示す電線の製造
装置(以下単に製造装置と呼ぶ)1は、本発明の一実施
形態にかかる図5に示す電線の着色装置としての着色ユ
ニット2a,2bを備えており、図2に示す電線3を製
造する装置である。
【0032】電線3は、移動体としての自動車などに配
索されるワイヤハーネスを構成する。電線3は、図2に
示すように、導電性の芯線4と、絶縁性の被覆部5とを
備えている。芯線4は、複数の導線が撚られて形成され
ている。芯線4を構成する導線は、導電性の金属からな
る。また、芯線4は、一本の導線から構成されても良
い。被覆部5は、例えば、ポリ塩化ビニル(Polyvinylc
hloride:PVC)などの合成樹脂からなる。被覆部5
は、芯線4を被覆している。被覆部5の外表面5aに
は、第1の色Bに着色された第1の部分41と、第2の
色Rに着色された第2の部分42と、これらの部分4
1,42間の境界Sとが形成されている。境界Sは、は
っきりとしている。なお、被覆部5の外表面5aは、電
線3の外表面をなしている。
【0033】前述した構成の電線3は、複数束ねられる
とともに端部などにコネクタなどが取り付けられて前述
したワイヤハーネスを構成する。コネクタが自動車など
の各種の電子機器のコネクタにコネクタ結合して、ワイ
ヤハーネス即ち電線3は、各電子機器に各種の信号や電
力を伝える。
【0034】製造装置1は、前述した構成の電線3を製
造する装置である。製造装置1は、図1に示すように、
サプライユニット10と、押し出し被覆ユニット11
と、着色部12と、巻き取りユニット13と、を備えて
いる。
【0035】製造装置1は、サプライユニット10と押
し出し被覆ユニット11と着色部12と巻き取りユニッ
ト13とに順に芯線4即ち電線3を、図1中の矢印Kに
沿って、走行(移動)させて電線3を製造する。製造装
置1は、芯線4又は電線3を走行(移動)させるため
に、プーリ14などを複数備えている。
【0036】サプライユニット10は、被覆部5が被覆
されていない状態の芯線4を供給する。押し出し被覆ユ
ニット11は、無着色の合成樹脂を一旦溶かした(高温
にした)後、サプライユニット10から供給された芯線
4の全周に塗りつける。こうして、押し出し被覆ユニッ
ト11は、単色P(図3(a)に示す)の合成樹脂をサ
プライユニット10から供給された芯線4の周りに押し
出し被覆して、被覆部5を成形する。押し出し被覆ユニ
ット11の直後では、被覆部5は高温になっている。
【0037】また、押し出し被覆ユニット11は、単色
Pとしての無着色の電線3を製造しても良い。本明細書
でいう無着色とは、電線3の被覆部5を構成する合成樹
脂に各種の着色材が混入していない状態であり、前述し
た合成樹脂自体の色のことである。このため、無着色と
は、単色Pの一例である。このため、押し出し被覆ユニ
ット11は、前記合成樹脂に単色Pの着色剤を混入して
も良く、混入しなくても良い。
【0038】着色部12は、芯線4又は電線3の走行方
向(図1及び図4中の矢印Kで示す方向)の押し出し被
覆ユニット11の下流側でかつ該押し出し被覆ユニット
11の直後に配されている。なお、矢印Kは、芯線4
(電線3)の移動方向である。着色部12は、押し出し
被覆ユニット11で芯線4を被覆しかつ高温になった単
色Pの被覆部5の外表面5a(図3(a)に示す)を所
望の色に着色する。この着色部12の詳細な構成は、後
述する。
【0039】なお、本明細書で記す被覆部5の外表面5
aを着色するとは、被覆部5の外表面5aを着色液で着
色又は塗料で着色することを示している。
【0040】着色液とは、溶媒中に染料が溶けているも
の又は分散しているものを示しており、塗料とは、分散
液中に顔料が分散しているものを示している。このた
め、着色液で被覆部5の外表面5aを着色すると、染料
が被覆部5内にしみ込み、塗料で被覆部5の外表面5a
を着色すると、顔料が被覆部5内にしみ込むことなく外
表面5aに接着する。即ち、着色ユニット2は、電線3
の被覆部5の外表面5aを染料で染める又は顔料を塗
る。このため、被覆部5の外表面5aを着色するとは、
被覆部5の外表面5aを染料で染める(染色する)こと
と、被覆部5の外表面5aに顔料を塗ることとを示して
いる。
【0041】また、前記溶媒と分散液は、被覆部を構成
する合成樹脂と親和性のあるものが望ましい。この場
合、染料が被覆部5内に確実にしみ込んだり、顔料が被
覆部5の外表面5aに確実に接着することとなる。さら
に、前述した着色液と塗料とは、本明細書に記した着色
材をなしている。
【0042】巻き取りユニット13は、芯線4と該芯線
4を被覆しかつ外表面5aが着色された被覆部5とから
なる電線3を所望の長さに切断する。巻き取りユニット
13は、ドラムに巻き付けて、電線3を出荷できる状態
にする。
【0043】以下、着色部12の構成を説明する。着色
部12は、図4に示すように、複数の着色ユニット2
と、測定手段としてのエンコーダ17と、切換手段とし
ての制御装置18と、入力手段としての入力装置19
と、を備えている。図示例では、着色部12は、電線の
着色装置としての着色ユニット2を一対備えている。本
発明では、着色部12は、勿論着色ユニット2を三つ以
上備えていても良いことは勿論である。
【0044】一対の着色ユニット2のうち前記矢印K即
ち芯線4(電線3)の移動方向の上流側のものを第1の
着色ユニット2(以下符号2aで示す)と呼び、下流側
のものを第2の着色ユニット2(以下符号2bで示す)
と呼ぶ。
【0045】第1の着色ユニット2aは、図5に示すよ
うに、収容槽20と、位置付け手段としての位置付けユ
ニット21と、除去手段としてのスキージ部22と、噴
出手段としてのポンプ23と、着色材供給源24などを
備えている。収容槽20は、上部に開口部25を設けた
箱状に形成されており、例えば、前記単色Pとは異なる
第1の色B(図2などに示す)の第1の着色材Baを収
容する。勿論、開口部25は、収容槽20の内外を連通
している。第1の着色材Baは、前述した着色液または
塗料である。このため、第1の着色材Baは、第1の色
Bの染料B1が溶媒B2中溶けているか分散しているも
の、または、第1の色Bの顔料B1が分散液B2中に分
散しているものである。
【0046】位置付けユニット21は、一対設けられて
いる。位置付けユニット21は、矢印Kに沿って互いに
間に収容槽20を位置させている。位置付けユニット2
1は、それぞれ、収容槽20の上部の近傍に配されてい
る。位置付けユニット21は、それぞれ、一対のローラ
26を備えている。位置付けユニット21は、一対のロ
ーラ26間に電線3を挟み、これらのローラ26を回転
することにより、電線3の移動方向を矢印Kに案内す
る。一対の位置付けユニット21は、ローラ26間に挟
んだ電線3を収容槽20の開口部25の上方に位置づけ
る。
【0047】スキージ部22は、一対設けられている。
スキージ部22は、矢印Kに沿って互いに間に収容槽2
0を位置させている。それぞれのスキージ部22は、収
容槽20と位置付けユニット21との間に配されてい
る。スキージ部22は、図7に示すように、それぞれ、
一対のスキージ27を備えている。スキージ27は、板
状に形成されている。一対のスキージ27は、前記位置
付けユニット21間を移動する電線3を互いに間に位置
させている。一対のスキージ27には、それぞれ溝31
が形成されている。溝31は、スキージ27の互いに相
対する縁部から、一対のスキージ27が互いに離れる方
向に延びている。一対のスキージ27は、互いに近づい
たり離れたり(接離)する。
【0048】一対のスキージ27は、電線3の外表面5
aを第1の着色材Baで着色する際に、図8に示すよう
に、互いに近づいて、溝31内に電線3を挟み込む。そ
して、一対のスキージ部22のうち矢印Kの下流側の一
方のスキージ部22のスキージ27は、前記外表面5a
に付着した第1の着色材Baのうち余分な第1の着色材
Baを除去する。また、電線3の外表面5aを第1の着
色材Baで着色しない場合には、一対のスキージ27は
互いに離れて、電線3の移動を妨げない。
【0049】ポンプ23には、配管28を通して収容槽
20内の第1の着色材Baと、着色材供給源24からの
第1の着色材Baと、が供給される。ポンプ23には、
さらに配管29が連結している。配管29は、ポンプ2
3から収容槽20内に侵入しているとともに、収容槽2
0の底部から上方に向かって延びている。すなわち、配
管29は、収容槽20の底部から開口部25に向かって
延びている。
【0050】なお、配管29のポンプ23から離れた側
は、収容槽20内の第1の着色材Ba中に開口している
(以下このポンプ23から離れた側を開口部30と呼
ぶ)。こうして、ポンプ23は、収容槽20内と着色材
供給源24からの第1の着色材Baを加圧して、収容槽
20の底側から上方(開口部25)に向かって、収容槽
20の第1の着色材Ba中に噴出する。ポンプ23が、
収容槽20の第1の着色材Ba中に噴出すると、第1の
着色材Baの液面Qは、図4中の二点鎖線及び図6に示
すように、前記配管29の開口部30の近傍を頂点とし
た上に凸となる。そして、第1の着色材Baは、前記開
口部25を通して上方にわき出るとともに、開口部25
の上方に突出する。
【0051】着色材供給源24は、前記配管28に第1
の着色材Baを供給する。着色材供給源24は、制御装
置18からの命令に基づいて、収容槽20内の第1の着
色材Baの液面Qが、配管29の開口部30より低くな
らないように、前記配管28に第1の着色材Baを供給
する。即ち、配管29の開口部30が常に収容槽20内
の第1の着色材Ba中に位置するように、配管28に第
1の着色材Baを供給する。
【0052】前述した構成の第1の着色ユニット2a
は、以下のように電線3の外表面5aを着色する。それ
ぞれの位置付けユニット21の一対のローラ26間に挟
んで、電線3を収容槽20の開口部25の上方に通すと
ともに、収容槽20内に第1の着色材Baを入れる。そ
して、電線3の移動に伴いローラ26が回転する。電線
3の外表面5aを着色していない状態では、ポンプ23
を停止しているとともにスキージ部22のスキージ27
を互いに離した状態に保っている。
【0053】電線3の外表面5aを着色する際には、ま
ず、各スキージ部22の一対のスキージ27を互いに近
づけて、これらのスキージ27の溝31内に移動中の電
線3を挟む。さらに、図6に示すように、ポンプ23を
動作させて、第1の着色材Baの液面Qを上に凸とす
る。第1の着色材Baを、開口部25を通して上方にわ
き出させて、図4中の実線で示す位置から図4中の二点
鎖線で示す位置まで変位させて、開口部25から上方に
突出させる。すると、この開口部25から上方にわき出
された第1の着色材Ba中に、位置付けユニット21に
より移動方向が案内される電線3が通される。そして、
電線3の外表面5aが、第1の着色材Baにより、第1
の色Bに着色される。こうして、第1の着色ユニット2
aは、電線3の外表面5aを、該電線3を移動させなが
ら着色する。
【0054】第2の着色ユニット2bは、第1の着色ユ
ニット2aと構成が略同一であるので、同一部分には符
号を付して説明を省略する。第2の着色ユニット2bの
収容槽20は、図5に示すように、例えば、前記単色P
と第1の色Bとの双方と異なる第2の色R(図2などに
示す)の第2の着色材Raを収容する。第2の着色材R
aは、前述した着色液または塗料である。このため、第
2の着色材Raは、第2の色Rの染料R1が溶媒R2中
に溶けているか分散しているもの、または、第2の色R
の顔料R1が分散液R2中に分散しているものである。
第2の着色ユニット2bのポンプ23は、第2の着色材
Raを収容槽20中に噴出する。着色材供給源24は、
第2の着色材Raを配管28に供給する。さらに、ポン
プ23は、第2の着色材Raの液面Qを上に凸とする。
第2の着色材Raを、開口部25を通して上方にわき出
させて、図4中の実線で示す位置から図4中の二点鎖線
で示す位置まで変位させて、開口部25から上方に突出
させる。
【0055】エンコーダ17は、回転子32を備えてい
る。回転子32は、軸芯周りに回転可能である。回転子
32の外周面は、芯線4を被覆した被覆部5と接触して
いる。回転子32は、矢印Kに沿って、芯線4即ち電線
3が走行(移動)すると、回転する。即ち、回転子32
は、矢印Kに沿った芯線4即ち電線3の走行(移動)と
ともに、軸芯周りに回転する。勿論、矢印Kに沿った芯
線4即ち電線3の走行(移動)距離と、回転子32の回
転数とは比例する。
【0056】エンコーダ17は、制御装置18と接続し
ている。エンコーダ17は、回転子32が所定角度づつ
回転すると、制御装置18に向かってパルス状の信号を
出力する。即ち、エンコーダ17は、矢印Kに沿った芯
線4即ち電線3の走行(移動)距離に応じた情報を、制
御装置18に向かって出力する。このように、エンコー
ダ17は、電線3の移動距離に応じた情報を測定して、
電線3の任意の位置に関する情報を、制御装置18に向
かって出力する。
【0057】制御装置18は、周知のRAM、ROM、
CPUなどを備えたコンピュータであって、着色部12
全体の制御をつかさどる。制御装置18は、入力装置1
9から入力した命令または前記ROMなどに記憶された
プログラムなどに基づいて、第1の着色ユニット2aの
ポンプ23と、第2の着色ユニット2bのポンプ23と
のうち一方を動作させて、被覆部5の外表面5aを第1
の色Bまたは第2の色Rに着色する。また、制御装置1
8は、着色ユニット2a,2bが電線3の外表面5aを
着色する際に、電線3の外表面5aに着色材Ba,Ra
が付着する位置間の距離L(図4に示す)を記憶してい
る。
【0058】制御装置18は、第1の着色ユニット2a
のポンプ23から第2の着色ユニット2bのポンプ23
に切り替えて、第1の色Bに被覆部5を着色する状態か
ら第2の色Rに被覆部5を着色する状態に切り替える。
制御装置18は、第2の着色ユニット2bのポンプ23
から第1の着色ユニット2aのポンプ23に切り替え
て、第2の色Rに被覆部5を着色する状態から第1の色
Bに被覆部5を着色する状態に切り替える。なお、制御
装置18は、前述したスキージ部22にも勿論接続して
おり、ポンプ23を動作させる際に勿論スキージ部22
の一対のスキージ27を互いに近づける。さらに、制御
装置18は、ポンプ23を停止すると前記スキージ部2
2の一対のスキージ27を互いに離す。
【0059】外表面5aを着色する着色ユニット2a,
2bを、第1の着色ユニット2aから第2の着色ユニッ
ト2bに切り換える場合には、制御装置18は、図9に
示す第1の着色ユニット2aのポンプ23などが動作し
ている状態から、まず、第1の着色ユニット2aのポン
プ23を停止させるとともにスキージ部22のスキージ
27を互いに離す。なお、図9では、第1の着色ユニッ
ト2aによって着色されている部分を平行斜線Bで示し
ており、第1の着色ユニット2aのポンプ23が動作し
第2の着色ユニット2bのポンプ23が停止している。
すると、図10に示すように、平行斜線Bで示す部分
は、第2の着色ユニット2bに向かって移動する。
【0060】エンコーダ17からの情報に基づいて、制
御装置18は、芯線4即ち電線3が前記距離L分移動し
たか否かを判定する。制御装置18は、芯線4即ち電線
3が前記距離L分移動したと判定すると、図11に示す
ように、第2の着色ユニット2bのポンプ23を動作さ
せる。このように、制御装置18は、第1の着色ユニッ
ト2aのポンプ23を停止した後、エンコーダ17が測
定する電線3の移動量が前述した距離Lに等しくなる
と、第2の着色ユニット2bのポンプ23を動作させ
る。
【0061】すると、図12に示すように、電線3の被
覆部5の外表面5aは、第2の着色ユニット2bによっ
て第2の色Rに着色される。なお、図12では、第2の
着色ユニット2bによって着色されている部分を平行斜
線Rで示している。さらに、図6、図9ないし図12で
は、電線3を断面にして示しておらず、電線3を側面図
にして示している。
【0062】また、外表面5aを着色する着色ユニット
2a,2bを、第2の着色ユニット2bから第1の着色
ユニット2aに切り換える場合には、制御装置18は、
まず、第2の着色ユニット2bのポンプ23が動作して
いる状態で、第1の着色ユニット2aのポンプ23を動
作させる。エンコーダ17からの情報に基づいて、制御
装置18は、芯線4即ち電線3が前記距離L分移動した
か否かを判定する。
【0063】制御装置18は、芯線4即ち電線3が前記
距離L分移動したと判定すると、第2の着色ユニット2
bのポンプ23を停止する。このように、制御装置18
は、第2の着色ユニット2bのポンプ23を動作させた
状態で第1の着色ユニット2aのポンプ23を動作さ
せ、エンコーダ17が測定する電線3の移動量が前述し
た距離Lに等しくなると、第2の着色ユニット2bを停
止する。
【0064】前述したように、制御装置18は、エンコ
ーダ17からの情報に基づいて、第1の色Bと第2の色
Rとが被覆部5の外表面5a上に重ならないように、着
色ユニット2a,2bを制御する。制御装置18は、第
1の色Bと第2の色Rとのうち一方が被覆部5の外表面
5aを着色するように、着色ユニット2a,2bを制御
する。
【0065】入力装置19は、例えば、着色ユニット2
a,2bを切り替えるタイミングなどを設定するために
用いられる。即ち、入力装置19は、着色部12の各種
の操作を行うために用いられる。入力装置19として、
例えば、周知のキーボード、各種のスイッチ及びCD−
ROM駆動装置などの各種の記録媒体駆動装置などの各
種の情報入力用の装置などを用いることができる。前述
した着色部12は、電線3を着色する色数に応じて、着
色ユニット2a,2bが必要になる。しかしながら、こ
れらの着色ユニット2a,2bのうち一方を駆動させ
て、他方を洗浄して次の色の準備を行う。よって、着色
部12は、着色ユニット2a,2bを2つ備えていれ
ば、電線3を多種多様な色で着色できる。
【0066】前述した構成の製造装置1を用いて、電線
3を以下のように製造する。まず、図13中のステップ
S1において、サプライユニット10から芯線4を供給
して、ステップS2に進む。ステップS2では、押し出
し被覆ユニット11で、単色Pの合成樹脂を芯線4の周
りに押し出し被覆して、被覆部5を成形して、ステップ
S3に進む。なお、ステップS2は、押し出し被覆工程
に相当する。
【0067】ステップS3では、着色部12が、着色ユ
ニット2a,2bのうち一方を動作させて、被覆部5を
成形した直後に、図3(a)に示す単色Pの合成樹脂か
らなる被覆部5の外表面5aを、図3(b)に示すよう
に、第1の色Bと第2の色Rのうち少なくとも一方に着
色する。また、ステップS3では、着色部12が、着色
ユニット2a,2bを所望のタイミングで切り替えて動
作させる。そして、ステップS4に進む。なお、ステッ
プS3は、着色工程に相当する。
【0068】このため、ステップS3即ち着色工程は、
ステップS2即ち押し出し被覆工程の直後に行われる。
また、着色部12が複数の着色ユニット2a,2bを備
えている。このため、ステップS3即ち着色工程では、
複数の色で被覆部5の外表面5aを着色可能であり、こ
れらの複数の色の中から適宜一つ選んで、被覆部5の外
表面5aを着色できるとともに、被覆部5の外表面5a
を着色する色を適宜変更できる。
【0069】ステップS4では、巻き取りユニット13
が、芯線4と該芯線4を被覆しかつ着色部12で着色さ
れた被覆部5とからなる電線3を所望の長さに切断する
とともに、ドラムなどに巻き付ける。こうして、前述し
たワイヤハーネスを構成する電線3を得ることができ
る。
【0070】本実施形態によれば、電線3が位置付けユ
ニット21によって収容槽20の開口部25の上方を通
される。収容槽20内の着色材Ba,Raがポンプ23
によって開口部25を通して上方にわき出される。そし
て、ポンプ23によってわき出された着色材Ba,Ra
中に電線3を通して電線3の外表面5aを所望の色B,
Rに着色する。このため、ポンプ23を停止すると、着
色材Ba,Raが開口部25を通して上方に突出しなく
なり、電線3に着色材Ba,Raが付着しなくなる。
【0071】このため、電線3を着色しない状態で電線
3の外表面5aに着色材Ba,Raが付着することを防
止できるため、着色ユニット2a,2bを複数設けるこ
とで、容易に電線3の外表面5aを着色する色B,Rを
変更できる。
【0072】また、着色ユニット2a,2bを複数設け
て、これらの着色ユニット2a,2bのポンプ23の動
作及び停止を制御することにより、電線3の外表面5a
の同一箇所に複数の色B,Rの着色材Ba,Raが付着
することを防止でき、電線3の歩留まりの低下を抑制で
きる。
【0073】着色部12が、複数の着色ユニット2a,
2bを備えている。このため、複数の色で電線3を着色
可能である。したがって、電線3を複数の色で着色でき
る。また、制御装置18が着色ユニット2a,2bを切
換可能である。このため、着色部12即ち製造装置1を
一旦停止することなく、電線3を着色する色を容易に変
更できる。したがって、電線3に着色する色を容易に変
更できかつ電線3の製造効率の低下を抑制できる。
【0074】さらに、エンコーダ17が、電線3の移動
距離に応じた情報を測定して、電線3の任意の位置を測
定可能である。このため、着色ユニット2a,2bを切
り替えた際に、電線3に複数の色が重なる部分を抑制で
きるとともに、着色されない部分を抑制できる。したが
って、電線3の材料歩留まりの低下を抑制できる。
【0075】また、着色ユニット2a,2bがポンプ2
3を動作させて、着色材Ba,Raで電線3の外表面5
aを着色する。このため、制御装置18が、着色ユニッ
ト2a,2bを切り替えると、電線3に着色される色を
直ちに変更できる。したがって、電線3に着色する色を
より容易に変更できかつ着色ユニット2a,2bを切り
替えた際に、電線3に複数の色が重なる部分を抑制でき
るとともに、着色されない部分を抑制できる。したがっ
て、電線3の材料歩留まりの低下をより一層抑制でき
る。
【0076】さらに、着色ユニット2a,2bを切り替
えると、電線3に着色される色を直ちに変更できるの
で、芯線4の移動方向に沿った着色ユニット2a,2b
の間隔を狭くできる。したがって、着色部12即ち製造
装置1の小型化を図ることができる。
【0077】前記電線3は、前述した着色部12によっ
て着色されて、製造装置1で得られる。着色部12が、
電線3の外表面5aを着色する着色ユニット2a,2b
と、電線3の移動量に関する情報を測定するエンコーダ
17と、着色ユニット2a,2bを切り換える制御装置
18とを備えている。このため、第1の色Bの第1の部
分41と第2の色Rの第2の部分42との境界Sは、は
っきりとする。したがって、電線3に、第1の色Bと第
2の色Rとが重なる部分を抑制でき、これらの色B,R
双方とも着色されない部分を抑制できる。したがって、
電線3の材料歩留まりの低下を抑制できる。
【0078】また、ステップS3をステップS2の直後
に行う即ち着色部12を押し出し被覆ユニット11の芯
線4の移動方向Kの下流側でかつ直後に配している。こ
のため、ステップS2で高温となった被覆部5の温度
を、ステップS3で着色した着色材Ba,Raが乾燥す
る際の気化熱で下げることができる。ステップS3で被
覆部5を冷却できるので、被覆部5を冷却する工程及び
冷却するための装置を減らすことができる。
【0079】また、ステップS2で高温となった被覆部
5に着色する。このため、被覆部5を構成する合成樹脂
が固まる前に着色することとなり、被覆部5内に着色液
の染料がしみ込み易くなるとともに、被覆部5の外表面
5aに塗料の顔料が接着し易くなる。したがって、染料
及び顔料が被覆部5の外表面5aから落ちにくくなり、
自動車などに配索される電線3として耐え得ることとな
る。さらに、高温の被覆部5に着色するので、着色液の
着色後及び塗料の着色後に、加熱する必要が生じない。
したがって、製造装置1をより一層小型化できる。
【0080】また、前述した実施形態では、エンコーダ
17を用いて、電線3の任意の位置を測定している。し
かしながら、本発明では、CCDカメラなどの撮像手段
と、撮像手段が得た画像から電線の任意の位置を識別す
る識別手段と、を用いても良いことは勿論である。
【0081】また、前述した実施形態では、着色部12
を押し出し被覆ユニット11の直後に配している。しか
しながら、本発明では、着色部12を巻き取りユニット
13に一体に取り付けても良い。要するに、本発明で
は、被覆部5で芯線4を被覆した後であれば、着色部1
2を製造装置1の如何なる箇所に設けても良い。
【0082】また、本発明では、図14に示すように、
各着色ユニット2a,2bに乾燥手段としての乾燥機3
3を設けても良い。なお、図14中では、前述した実施
形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
乾燥機33は、一対のスキージ部22のうち矢印Kの下
流側の一方のスキージ部22と、一対の位置付けユニッ
ト21のうち矢印Kの下流側の一方の位置付けユニット
21との間に設けている。乾燥機33は、例えば、温風
を電線3の外表面5aに吹き付けるなどして、該電線3
の外表面5aに着色された着色材Ba,Raを乾燥させ
る。
【0083】この場合、一方のスキージ部22と位置付
けユニット21との間に乾燥機33を設けているため、
電線3の外表面5aに着色された着色材Ba,Raを直
ちに乾燥できる。このため、着色材Ba,Raが位置付
けユニット21のローラ26などに付着することを防止
できる。したがって、ポンプ23を停止して、電線3の
外表面5aの着色を止めると、位置付けユニット21の
ローラ26に着色材Ba,Raが付着しないので、電線
3の外表面5aに着色材Ba,Raが付着することをよ
り確実に防止できる。
【0084】このため、電線3を着色しない状態で電線
3の外表面5aに着色材Ba,Raが付着することを防
止できるため、着色ユニット2a,2bを複数設けるこ
とで、容易に電線3の外表面5aを着色する色を変更で
きるとともに、電線3の歩留まりの低下を抑制できる。
【0085】さらに、前述した実施形態では、自動車に
配索されるワイヤハーネスを構成する電線3に関して記
載している。しかしながら本発明の製造装置1で製造さ
れる電線3を自動車に限らず、ポータブルコンピュータ
などの各種の電子機器や各種の電気機械に用いても良い
ことは勿論である。
【0086】さらに、本発明では、着色液及び塗料とし
て、アクリル系塗料、インク(染料系、顔料系)、UV
インクなどの種々のものを用いても良い。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の本
発明は、電線が位置付け手段によって収容槽の開口部の
上方を通る。収容槽内に着色材が噴出手段によって開口
部を通して上方にわき出される。そして、噴出手段によ
ってわき出された着色材中に電線を通して電線の外表面
を所望の色に着色する。このため、噴出手段を停止する
と、着色材が開口部を通して上方に突出しなくなり、電
線に着色材が付着しなくなる。したがって、噴出手段を
停止すると、電線の外表面に着色材が付着しない。
【0088】このため、電線を着色しない状態で電線の
外表面に着色材が付着することを防止できるため、本請
求項の電線の着色装置を複数設けると容易に電線の外表
面を着色する色を変更できる。
【0089】また、本請求項の電線の着色装置を複数設
けて、これらの着色装置の噴出手段の駆動及び停止を制
御することにより、電線の外表面の同一箇所に複数の色
の着色材が付着することを防止でき、電線の歩留まりの
低下を抑制できる。
【0090】請求項2に記載の本発明は、一方の除去手
段と位置付け手段との間に乾燥手段を設けている。この
ため、電線の外表面に着色された着色材を直ちに乾燥で
き、着色材が位置付け手段などに付着することを防止で
きる。したがって、噴出手段を停止して、電線の外表面
の着色を止めると、位置付け手段に着色材が付着しない
ので、電線の外表面に着色材が付着することをより確実
に防止できる。
【0091】このため、電線を着色しない状態で電線の
外表面に着色材が付着することを防止できるため、本請
求項の電線の着色装置を複数設けると容易に電線の外表
面を着色する色を変更できる。さらに、本請求項の電線
の着色装置を複数設けた場合に、電線の外表面に複数の
色の着色材が付着することを防止でき、電線の歩留まり
の低下を抑制できる。
【0092】請求項3に記載の本発明は、複数の着色ユ
ニットを備えている。このため、電線の外表面を着色す
る着色ユニットを適宜変更することによって、容易に電
線を着色する色を変更できる。
【0093】また、それぞれの着色ユニットでは、電線
が位置付け手段によって収容槽の開口部の上方を通され
る。収容槽内に着色材が噴出手段によって開口部を通し
て上方にわき出される。そして、噴出手段によってわき
出された着色材中に電線を通して電線の外表面を所望の
色に着色する。このため、噴出手段を停止すると、着色
材が開口部を通して上方に突出しなくなり、電線に着色
材が付着しなくなる。このため、電線を着色していない
着色ユニットの収容槽内に収容された着色材が電線の外
表面に付着することを確実に防止できる。したがって、
噴出手段を停止した着色ユニットの収容槽内の着色材が
電線の外表面に付着しない。
【0094】このため、電線の外表面を着色する着色ユ
ニットを変更することにより、容易に電線の外表面を着
色する色を変更できる。また、複数の着色ユニットの噴
出手段の駆動及び停止を制御することにより、電線の外
表面の同一箇所に複数の色の着色材が付着することを防
止でき、電線の歩留まりの低下を抑制できる。
【0095】請求項4に記載の本発明は、一方の除去手
段と位置付け手段との間に乾燥手段を設けている。この
ため、電線の外表面に着色された着色材を直ちに乾燥で
き、着色材が位置付け手段などに付着することを防止で
きる。したがって、位置付け手段に着色材が付着しない
ので、噴出手段を停止した着色ユニットの収容槽内の着
色材が電線の外表面により確実に付着しない。
【0096】このため、電線を着色しない状態で電線の
外表面に着色材が付着することを防止できるため、電線
の外表面を着色する着色ユニットを変更することによ
り、容易に電線の外表面を着色する色を変更できる。さ
らに、複数の着色ユニットの噴出手段の駆動及び停止を
制御することにより、電線の外表面に複数の色の着色材
が付着することを防止でき、電線の歩留まりの低下をよ
り確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる電線の製造装置の
構成を示す説明図である。
【図2】図1に示された電線の製造装置で製造される電
線の斜視図である。
【図3】(a)は図1に示された電線の製造装置の着色
ユニットで着色される前の単色の電線の斜視図である。
(b)は図1に示された電線の製造装置の着色ユニット
で着色された後の電線の斜視図である。
【図4】図1に示された電線の製造装置の着色部の構成
を示す説明図である。
【図5】図4に示された着色部の着色ユニットの構成を
示す説明図である。
【図6】図5に示された着色ユニットのポンプを動作さ
せた状態を示す説明図である。
【図7】図5に示された着色ユニットのスキージ部の構
成を示す説明図である。
【図8】図7に示されたスキージ部のスキージを互いに
近づけた状態を示す説明図である。
【図9】図4に示された着色部の第1の着色ユニットで
電線を着色している状態を示す説明図である。
【図10】図9に示された状態から第1の着色ユニット
のポンプを停止した状態を示す説明図である。
【図11】図10に示された状態から第2の着色ユニッ
トのポンプを動作させた状態を示す説明図である。
【図12】図11に示された状態から第2の着色ユニッ
トで電線を着色している状態を示す説明図である。
【図13】図1に示された電線の製造装置で電線を製造
する工程の流れを示すフローチャートである。
【図14】本発明の着色ユニットの変形例の構成を示す
説明図である。
【図15】従来の電線の製造装置の構成を示す説明図で
ある。
【図16】従来の電線の着色装置の構成を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 電線の製造装置 2 着色ユニット(電線の着色装置) 2a 第1の着色ユニット(電線の着色装置) 2b 第2の着色ユニット(電線の着色装置) 3 電線 4 芯線 5 被覆部 5a 外表面 11 押し出し被覆ユニット 20 収容槽 21 位置付けユニット(位置付け手段) 22 スキージ部(除去手段) 23 ポンプ(噴出手段) 25 開口部 33 乾燥機(乾燥手段) Ba 第1の着色材(着色材) Ra 第2の着色材(着色材) K 電線(芯線)の移動方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉村 恵吾 静岡県裾野市御宿1500 矢崎部品株式会社 内 (72)発明者 小玉 耕司 静岡県裾野市御宿1500 矢崎部品株式会社 内 Fターム(参考) 5G323 DA02

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性の芯線と、絶縁性の合成樹脂から
    なりかつ前記芯線を被覆する被覆部とを備えた電線の外
    表面を移動させながら着色する電線の着色装置におい
    て、 上部に開口部を有しかつ前記電線の外表面を着色するた
    めの着色材を収容する箱状の収容槽と、 前記電線を前記開口部の上方に位置づける位置付け手段
    と、 前記電線の移動方向に沿って互いの間に前記収容槽を位
    置させるとともに、前記電線の外表面に付着した余分な
    着色材を除去する一対の除去手段と、 前記収容槽の底側から前記開口部を通して上方に前記着
    色材をわき出させる噴出手段と、を備え、 前記位置付け手段によって移動される電線を前記噴出手
    段により前記開口部からわき出された着色材中に通し
    て、前記電線の外表面を着色することを特徴とする電線
    の着色装置。
  2. 【請求項2】 一対の除去手段のうち前記収容槽より電
    線の移動方向の下流側に位置する一方の除去手段と、前
    記収容槽より電線の移動方向の下流側に位置する位置付
    け手段との間に、前記電線の外表面に付着した着色材を
    乾燥させる乾燥手段を設けたことを特徴とする請求項1
    記載の電線の着色装置。
  3. 【請求項3】 導電性の芯線と、絶縁性の合成樹脂から
    なりかつ前記芯線を被覆する被覆部とを備えた電線を、
    前記芯線を移動させながら製造する電線の製造装置にお
    いて、 前記芯線の周りに合成樹脂を押し出し被覆して外表面が
    単色の被覆部を成形する押し出し被覆ユニットと、 前記外表面を互いに異なる色の着色材で着色するととも
    に前記芯線の移動方向に沿って並べられた複数の着色ユ
    ニットと、を備え、 前記着色ユニットは、上部に開口部を有しかつ前記電線
    の外表面を着色するための着色材を収容する箱状の収容
    槽と、前記電線を前記開口部の上方に位置づける位置付
    け手段と、前記芯線の移動方向に沿って互いの間に前記
    収容槽を位置させるとともに、前記電線の外表面に付着
    した余分な着色材を除去する一対の除去手段と、前記収
    容槽の底側から前記開口部を通して上方に前記着色材を
    わき出させる噴出手段と、を備え、前記位置付け手段に
    よって移動される電線を前記噴出手段により前記開口部
    からわき出された着色材中に通して、前記電線の外表面
    を着色することを特徴とする電線の製造装置。
  4. 【請求項4】 一対の除去手段のうち前記収容槽より芯
    線の移動方向の下流側に位置する一方の除去手段と、前
    記収容槽より芯線の移動方向の下流側に位置する位置付
    け手段との間に、前記電線の外表面に付着した着色材を
    乾燥させる乾燥手段を設けたことを特徴とする請求項3
    記載の電線の製造装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105253699A (zh) * 2015-10-10 2016-01-20 中天科技装备电缆有限公司 电缆连硫线储线装置
CN109036715A (zh) * 2018-09-12 2018-12-18 苏州宝兴电线电缆有限公司 一种胶圈定位排出装置

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