JP2003294117A - 車両用動力伝達装置の潤滑装置 - Google Patents

車両用動力伝達装置の潤滑装置

Info

Publication number
JP2003294117A
JP2003294117A JP2002101744A JP2002101744A JP2003294117A JP 2003294117 A JP2003294117 A JP 2003294117A JP 2002101744 A JP2002101744 A JP 2002101744A JP 2002101744 A JP2002101744 A JP 2002101744A JP 2003294117 A JP2003294117 A JP 2003294117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
lubricating
hydraulic
amount
lubricating oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002101744A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3700847B2 (ja
Inventor
Yoshinobu Nozaki
芳信 野崎
Hideo Tomomatsu
秀夫 友松
Toru Matsubara
亨 松原
Katsumi Nakatani
勝己 中谷
Katsuyuki Tanahashi
克行 棚橋
Akira Fukatsu
彰 深津
Masahiko Ando
雅彦 安藤
Hatsumi Hanji
二十三 判治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin AW Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical Aisin AW Co Ltd
Priority to JP2002101744A priority Critical patent/JP3700847B2/ja
Publication of JP2003294117A publication Critical patent/JP2003294117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3700847B2 publication Critical patent/JP3700847B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/0412Cooling or heating; Control of temperature
    • F16H57/0413Controlled cooling or heating of lubricant; Temperature control therefor

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温時に潤滑部位へ供給された作動油の戻り
不良に起因して発生するエアの吸込みをできるだけ防止
しつつ、車両発進時に十分な潤滑性能が得られるように
する。 【解決手段】 AT油温TOIL がT1以上で且つT2以
下の低温範囲内の時には、S3を実行して潤滑部位へ供
給する潤滑油量を低減することにより、作動油の粘性増
加により潤滑部位からの作動油の戻りが遅くなってエア
の吸込みが生じることを防止する一方、上限値T2より
高い常温時は勿論、下限値T1より低い極低温時にもS
4を実行して潤滑油量を増大させることにより、作動油
の粘性が著しく高くなる極低温時の発進時に潤滑油量が
不足して焼付きなどが生じることを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用動力伝達装置
の潤滑装置に係り、特に、低温時のエアの吸込みを防止
しつつ車両発進時に十分な潤滑性能が得られるようにす
る技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】(a) オイルパンから作動油を汲み上げて
出力するオイルポンプと、(b) そのオイルポンプから出
力された作動油が供給される変速用油圧アクチュエータ
やトルクコンバータ等の油圧装置と、(c) 前記オイルポ
ンプから出力された作動油の一部を動力伝達装置の所定
の潤滑部位へ供給する潤滑油路と、を有し、(d) 前記潤
滑部位へ供給された作動油が前記オイルパンへ戻るよう
に循環させられる車両用動力伝達装置(例えば自動変速
機)の潤滑装置が広く知られている。このような潤滑装
置においては、油温が低くなると作動油の粘性が高くな
るため、多板式のクラッチやブレーキ等の潤滑部位へ供
給された作動油の戻りが遅くなり、オイルパン内の作動
油のレベルが低下してエアの吸込みを生じ、油圧アクチ
ュエータの油圧が低下して所定の係合トルクが得られな
くなったり、トルクコンバータのトルク容量が低下した
りする恐れがある。このため、例えば特開平7−113
460号公報には、作動油の油温が所定値以下で且つ車
速が所定値以下の時には、前記潤滑部位へ供給する潤滑
油量を低減することにより、車両走行時の潤滑性能を確
保しつつ停車中は潤滑油量を低減してエアの吸込みを防
止することが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに油温が所定値以下の時に一律に潤滑油量を低減する
と、例えば0℃〜−10℃程度以下の極低温で作動油の
粘性が著しく高い場合には、発進時に潤滑油量を増加さ
せても十分な流量が得られず、潤滑油量が不足して歯車
やシャフト等が焼付きなどを生じる懸念があった。ま
た、車両の発進を検出して潤滑油量を増加させても、潤
滑部位の潤滑油量が実際に増加するまでには時間遅れが
あるため、急発進時等に潤滑油量が不足して、同じく歯
車やシャフト等が焼付きなどを生じる恐れがあった。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、低温時のエアの吸込
みをできるだけ防止しつつ車両発進時に十分な潤滑性能
が得られるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、(a) オイルパンから作動油を汲み上
げて出力するオイルポンプと、(b) そのオイルポンプか
ら出力された作動油が供給される油圧装置と、(c) 前記
オイルポンプから出力された作動油の一部を動力伝達装
置の所定の潤滑部位へ供給する潤滑油路と、を有し、
(d) 前記潤滑部位へ供給された作動油が前記オイルパン
へ戻るように循環させられる車両用動力伝達装置の潤滑
装置において、(e) 前記作動油の油温が予め定められた
所定の低温範囲内の時には、その低温範囲より低い場合
およびその低温範囲より高い場合に比べて、前記潤滑部
位へ供給する潤滑油量を低減する潤滑油量低減手段を有
することを特徴とする。
【0006】第2発明は、(a) オイルパンから作動油を
汲み上げて出力するオイルポンプと、(b) そのオイルポ
ンプから出力された作動油が供給される油圧装置と、
(c) 前記オイルポンプから出力された作動油の一部を動
力伝達装置の所定の潤滑部位へ供給する潤滑油路と、を
有し、(d) 前記潤滑部位へ供給された作動油が前記オイ
ルパンへ戻るように循環させられる車両用動力伝達装置
の潤滑装置において、(e) 前記作動油の油温が予め定め
られた所定の低温度の時には前記潤滑部位へ供給する潤
滑油量を低減する潤滑油量低減手段と、(f) ブレーキ操
作の有無を検出するブレーキ検出装置と、(g) そのブレ
ーキ検出装置によって前記ブレーキ操作が解除されたこ
とが検出された時には、前記潤滑油量低減手段による前
記潤滑油量の低減を中止する油量低減中止手段と、を有
することを特徴とする。
【0007】第3発明は、第2発明の車両用動力伝達装
置の潤滑装置において、前記潤滑油量低減手段は、前記
作動油の油温が予め定められた所定の低温範囲内の時に
は、その低温範囲より低い場合およびその低温範囲より
高い場合に比べて、前記潤滑部位へ供給する潤滑油量を
低減するものであることを特徴とする。
【0008】第4発明は、第2発明または第3発明の車
両用動力伝達装置の潤滑装置において、前記潤滑油量低
減手段による前記潤滑油量の低減が前記油量低減中止手
段によって中止された直後に、前記作動油の油圧を一時
的に上昇させる増圧手段を有することを特徴とする。
【0009】第5発明は、第4発明の車両用動力伝達装
置の潤滑装置において、前記増圧手段は、前記ブレーキ
操作が解除されたのち所定時間内にアクセル操作が為さ
れた場合には前記作動油の油圧を一時的に上昇させる
が、そのアクセル操作が為されなかった場合にはその作
動油の油圧上昇を行わないことを特徴とする。
【0010】第6発明は、第1発明〜第5発明の何れか
の車両用動力伝達装置の潤滑装置において、(a) 前記潤
滑油路は、並列に設けられた複数の分岐油路を備えてお
り、(b) 前記潤滑油量低減手段は、前記複数の分岐油路
の少なくとも一部を開閉する開閉装置を備えていること
を特徴とする。
【0011】第7発明は、第6発明の車両用動力伝達装
置の潤滑装置において、(a) 前記複数の分岐油路は、そ
れぞれ前記潤滑部位の潤滑に必要な流量で前記作動油を
供給できるとともに前記開閉装置によって独立に開閉さ
れる複数の大流量油路と、その作動油を小流量で供給す
る小流量油路とを有し、通常はその複数の大流量油路の
少なくとも一部が開かれて前記潤滑部位に十分な流量で
前記作動油を供給するようになっており、(b) 前記潤滑
油量低減手段は、前記開閉装置により前記複数の大流量
油路を総て閉じて潤滑油量を低減するものであることを
特徴とする。
【0012】第8発明は、第6発明または第7発明の車
両用動力伝達装置の潤滑装置において、前記動力伝達装
置は自動変速機を含んで構成されているとともに、前記
分岐油路にはその自動変速機の変速制御に関連して油路
を切り換える切換弁が介在させられており、その切換弁
が前記開閉装置として機能することを特徴とする。
【0013】第9発明は、第1発明〜第8発明の何れか
の車両用動力伝達装置の潤滑装置において、車両のメイ
ンスイッチがON操作された後、予め定められた所定時
間経過した場合には、前記潤滑油量低減手段による前記
潤滑油量の制御を中止する時間基準制御終了手段を有す
ることを特徴とする。
【0014】
【発明の効果】第1発明の車両用動力伝達装置の潤滑装
置においては、作動油の油温が予め定められた所定の低
温範囲内の時には、その低温範囲より低い場合およびそ
の低温範囲より高い場合に比べて、潤滑部位へ供給する
潤滑油量を低減するようになっているため、その低温範
囲、例えば−10℃〜0℃程度以上で且つ20℃〜40
℃程度以下の温度範囲内では、作動油の粘性増加により
潤滑部位からの戻りが遅くなってオイルパン内の作動油
のレベルが低下してエアの吸込み等が生じることが防止
される。また、その温度範囲より高い常温時は勿論、そ
の温度範囲より低い極低温時にも潤滑油量が増大させら
れるため、作動油の粘性が著しく高くなる極低温時の発
進時に潤滑油量が不足して歯車やシャフト等が焼付きな
どを生じることが回避される。
【0015】第2発明の車両用動力伝達装置の潤滑装置
においては、作動油の油温が予め定められた所定の低温
度の時には潤滑部位へ供給する潤滑油量を低減するよう
になっているため、作動油の粘性増加により潤滑部位か
らの戻りが遅くなってオイルパン内の作動油のレベルが
低下してエアの吸込み等を生じることが防止される。ま
た、ブレーキ検出装置によってブレーキ操作が解除され
たことが検出された時に、潤滑油量低減手段による潤滑
油量の低減を中止して潤滑油量を通常の状態に戻すた
め、車両の発進を検出してから潤滑油量を戻す場合に比
較して、潤滑油路から潤滑部位へ供給される実際の潤滑
油量増大の応答遅れに拘らず、急発進時等でも十分な流
量の作動油が潤滑部位へ供給され、潤滑油量が不足して
歯車やシャフト等が焼付きなどを生じることが回避され
る。
【0016】第3発明では、第1発明と同様に作動油の
粘性が著しく高くなる極低温時には潤滑油量が増大させ
られるため、そのような極低温時の発進時の潤滑油量不
足による歯車やシャフト等の焼付きなどが確実に回避さ
れるようになり、潤滑油量低減手段によって潤滑油量が
低減される所定の低温範囲内では、ブレーキ操作の解除
時にその潤滑油量低減手段による潤滑油量の低減が中止
されることと相まって、低温時の車両発進時により適切
な潤滑性能が得られるようになる。
【0017】第4発明では、潤滑油量低減手段による潤
滑油量の低減が、ブレーキ操作の解除に伴って油量低減
中止手段により中止された直後に、作動油の油圧が一時
的に上昇させられるため、潤滑油路から潤滑部位へ供給
される実際の潤滑油量が速やかに増大させられるように
なり、急発進時等の潤滑油量不足が一層効果的に防止さ
れる。
【0018】第5発明では、ブレーキ操作が解除された
のち所定時間内にアクセル操作が為されなかった場合、
言い換えれば急発進など潤滑油量の速やかな増大が必ず
しも必要ない場合には、作動油の油圧上昇を行わないた
め、オイルポンプの負荷が低減されてエネルギー効率が
向上する。
【0019】第7発明では、潤滑部位の潤滑に必要な流
量で作動油を供給できる複数の大流量油路を備えている
ため、開閉装置の機械的或いは電気的な故障で何れかの
大流量油路が閉じたまま制御不能になっても、他の大流
量油路を用いて十分な流量で作動油を供給して潤滑する
ことができ、歯車やシャフトの焼付きなどの重大な損傷
や、その焼付き等に起因する不具合を回避できる。
【0020】第8発明では、自動変速機を含んで動力伝
達装置が構成されているとともに、その自動変速機の変
速制御に関連して油路を切り換える切換弁を利用して上
記大流量油路等の分岐油路を開閉し、潤滑部位へ供給す
る潤滑油量を制御するようになっているため、潤滑装置
が簡単且つ安価に構成される。
【0021】第9発明では、メインスイッチがON操作
されてから所定時間が経過すると、潤滑油量低減手段に
よる潤滑油量の制御が終了させられるため、油温が十分
に上昇してエアの吸込み等の懸念が無くなった後も、潤
滑油量低減手段によって油温の判断処理等を継続する場
合に比較して、コンピュータ等による制御の負荷が軽減
される。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、変速比を変更する変速
機や前後進切換装置、ハイブリッド車両の駆動力源切換
装置、動力を分配する差動歯車装置、単に歯車などで動
力を伝達する伝達装置など、種々の動力伝達装置に適用
され得る。変速機は、電気的に変速比を変更する自動変
速機であっても良いし、運転者が手動操作で機械的に変
速する手動変速機であっても良い。自動変速機として
は、遊星歯車式や2軸噛合式等の有段変速機は勿論、ベ
ルト式やトロイダル型等の無段変速機を採用することも
できる。オイルポンプは、エンジン等の駆動力源によっ
て機械的に回転駆動されるものでも、専用の電動モータ
等で回転駆動されるものでも良く、それ等の機械式ポン
プおよび電動ポンプの両方を備えていても良い。
【0023】油圧装置は、変速制御や前後進切換、駆動
力源切換等に関与する油圧アクチュエータやトルクコン
バータ等の流体継手、入力クラッチ(発進クラッチ)の
レリーズシリンダなど、作動油が供給される種々の装置
が可能である。変速制御に関与する油圧アクチュエータ
は、例えば遊星歯車式変速機のクラッチやブレーキを摩
擦係合させる油圧シリンダ、2軸噛合式変速機のクラッ
チハブスリーブをスライドさせる油圧シリンダ、ベルト
式無段変速機の可変プーリの溝幅を変更する油圧シリン
ダ、ベルト挟圧力を発生させる油圧シリンダ、などであ
る。
【0024】動力伝達装置の潤滑部位は、クラッチやブ
レーキの摩擦係合部、シャフトや歯車等の回転部材相互
の相対回転部、或いは回転部材と支持部材との間の相対
回転部、歯車同士の噛合部、可変プーリとベルトとの間
の挟圧部など、潤滑が必要な種々の接触部位で、過熱を
防止するために作動油を供給する冷却部位であっても良
い。そして、そのような潤滑部位へ供給された作動油
は、自然に流下したり所定の戻り油路を通るなどして、
オイルポンプによって汲み上げられるオイルパン(油溜
り部)へ戻される。
【0025】車両の走行時には、動力伝達装置を経て動
力伝達が行われることから一般に十分な潤滑油量を必要
とするため、第1発明の潤滑油量低減手段は、例えば動
力伝達が行われないか伝達トルクが小さくて潤滑の必要
性が少ない車両の停車時、或いは所定の低車速以下の場
合に、潤滑油量を低減する低減制御を行うように構成さ
れる。第2発明の潤滑油量低減手段は、ブレーキ操作の
解除で潤滑油量の低減が中止されるため、実質的に車両
の停車時、或いは所定の低車速以下の場合に潤滑油量の
低減制御が行われることになる。
【0026】第2発明の油量低減中止手段は、潤滑油量
低減手段によって潤滑油量が低減されている場合に、ブ
レーキ操作の解除に伴って潤滑油量を通常の状態まで増
大させるものであれば良く、必ずしも潤滑油量低減手段
の制御そのものを中止する必要はない。潤滑油量低減手
段の制御そのものを中止する場合、ブレーキ操作の解除
で一旦潤滑油量低減手段の制御を中止した後は、その後
に車両が停止した場合でも潤滑油量低減手段による制御
を実行させないようにしても良いが、車両が停止した時
に潤滑油量低減手段による制御が再開されることを許容
するものでも良い。
【0027】第1発明および第3発明て潤滑油量を低減
する低温範囲は、例えば−10℃〜0℃程度以上で且つ
20℃〜40℃程度以下の温度範囲で、下限値は、例え
ば車両発進時に潤滑油量を増大させた場合に速やかに十
分な流量の作動油を潤滑部位へ供給できるか否かを基準
にして、使用する作動油の粘性の温度特性を考慮して適
宜定められ、その下限値より低い極低温時は車両発進時
に潤滑不足で焼付き等を生じる恐れがあるため、エアの
吸込みを発生する恐れがあっても潤滑油量を多くする。
上限値は、例えば潤滑部位へ必要十分な流量で作動油を
供給した場合に戻り不良でエアの吸込みが発生するか否
かを基準にして、使用する作動油の粘性の温度特性を考
慮して定められ、その上限値より高い常温時はエアの吸
込みの恐れがないため、十分な潤滑性能が得られるよう
に潤滑油量を多くすれば良い。極低温時の潤滑油量は常
温時の潤滑油量と同じであっても良いが、潤滑不足によ
る焼付き等を防止しつつエアの吸込みを出来るだけ抑制
するため、常温時の潤滑油量より少なくしても良く、上
記低温範囲内の潤滑油量に対して温度が低下するに従っ
て連続的または段階的に潤滑油量を増加させるなど、種
々の態様が可能である。低温範囲内の潤滑油量について
も、予め定められた一定量であっても良いが、油温をパ
ラメータとして変化させることができる。
【0028】潤滑油量の制御は、例えば第6発明のよう
に複数の分岐油路の一部を開閉することによって増加さ
せたり減少させたりすることができるが、例えば流通断
面積を電気的に変化させることができる可変オリフィス
を用いたり、油圧制御弁によって潤滑油路内の油圧を変
化させたり、或いはオイルポンプの吐出圧(モータトル
クなど)を変化させたりしてして、潤滑油量を増減させ
ることもできる。なお、潤滑油量は、流通断面積が同じ
であっても油温すなわち作動油の粘性の変化に伴って変
化するが、本発明の潤滑油量低減手段は、このような作
動油の粘性変化に伴う油量変化だけでなく、上記のよう
な流通断面積等の外的要因により、制御無しの場合に比
べて潤滑流量を積極的に少なくするものである。
【0029】第2発明の潤滑油量低減手段は、第3発明
のように第1発明と同様に構成することが望ましいが、
所定の低温度以下では一律に潤滑油量を低減するなど、
種々の態様を採用できる。
【0030】ブレーキ検出装置は、ブレーキ操作すなわ
ち運転者の制動要求の有無を検出するもので、常用ブレ
ーキ(フットブレーキなど)の操作の有無を検出するこ
とが望ましいが、パーキングブレーキの操作状態を検出
するものでも良く、その両方を用いてブレーキ操作の解
除判定を行うこともできる。常用ブレーキの場合、例え
ばブレーキペダルの踏込み状態でON、OFFが切り換
わるブレーキスイッチの検出信号をそのまま利用するこ
ともできるが、ブレーキ油圧に基づいてブレーキ操作の
有無を検出することもできる。
【0031】第4発明の増圧手段は、潤滑油路の油圧を
制御できる油圧制御弁等の油圧制御装置が好適に用いら
れるが、オイルポンプの吐出圧(モータトルクなど)を
制御して油圧を上昇させることもできるなど、種々の態
様が可能である。油圧を上昇させる時間や上昇幅は、十
分な流量で作動油が潤滑部位へ速やかに供給されて、急
発進時などでも潤滑部位が十分に潤滑されるように、例
えば予め一定値が定められるが、作動油の油温等をパラ
メータとして設定されるようにしても良い。すなわち、
油温が低い程作動油の粘性が高くなり、流動性が悪くな
るため、油圧の上昇時間を長くしたり上昇幅を大きくし
たりして、潤滑部位へ実際に供給される潤滑油量の低下
を防止するのである。
【0032】第5発明では、アクセル操作を条件として
油圧を上昇させるようになっているが、第4発明の実施
に際しては、アクセル操作とは関係なく、ブレーキ操作
の解除時に常に油圧を上昇させるようにしても良い。ア
クセル操作は、運転者の出力要求を表すもので、アクセ
ルペダル等のアクセル操作部材が操作(出力要求)され
たことを意味する。アクセル操作の有無は、アクセル操
作部材の操作量を検出するアクセル操作量センサの検出
信号から判断することができる。
【0033】第7発明の小流量油路の流通断面積は、第
1発明の低温範囲や第2発明の低温度の時に、潤滑部位
へ供給された作動油の戻り不良でエアの吸込み等が発生
しない程度の潤滑油量となるように、潤滑油路の油圧な
どを考慮して定められる。小流量油路は1本で良いが、
複数であっても良い。第6発明の複数の分岐油路につい
ても、第1発明の低温範囲や第2発明の低温度の時に一
部が閉じられて潤滑油量が低減されることにより、エア
の吸込み等が防止されるように定められる。
【0034】第8発明では自動変速機の切換弁を利用し
て分岐油路を開閉するようになっているが、他の発明の
実施に際しては、専用の電磁開閉弁などを用いて分岐油
路を開閉するようにしても良い。また、3ポート切換弁
などを用いて複数の分岐油路の開閉を同時に行う開閉装
置を採用することもできる。
【0035】第9発明では、メインスイッチがON操作
されてから所定時間が経過すると、潤滑油量低減手段に
よる潤滑油量の制御が中止されるようになっているが、
他の発明の実施に際しては、作動油の油温が所定値以上
になった場合など、他の制御終了条件に従って潤滑油量
の制御を中止するようにしても良い。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳
細に説明する。図1は、FF(フロントエンジン・フロ
ントドライブ)車両などの横置き型の車両用駆動装置の
骨子図で、ガソリンエンジン等の内燃機関によって構成
されているエンジン10の出力は、トルクコンバータ1
2、自動変速機14、差動歯車装置16等の動力伝達装
置を経て図示しない駆動輪(前輪)へ伝達されるように
なっている。トルクコンバータ12は、エンジン10の
クランク軸18と連結されているポンプ翼車20と、自
動変速機14の入力軸22に連結されたタービン翼車2
4と、一方向クラッチ26を介して非回転部材であるハ
ウジング28に固定されたステータ30と、図示しない
ダンパを介してクランク軸18を入力軸22に直結する
ロックアップクラッチ32とを備えている。ポンプ翼車
20にはギヤポンプ等の機械式のオイルポンプ21が連
結されており、エンジン10によりポンプ翼車20と共
に回転駆動されて変速用や潤滑用などの油圧を発生する
ようになっている。上記エンジン10は走行用の駆動力
源で、トルクコンバータ12は流体継手である。
【0037】自動変速機14は、入力軸22上に同軸に
配設されるとともにキャリヤとリングギヤとがそれぞれ
相互に連結されることにより所謂CR−CR結合の遊星
歯車機構を構成するシングルピニオン型の一対の第1遊
星歯車装置40および第2遊星歯車装置42と、前記入
力軸22と平行なカウンタ軸44上に同軸に配置された
1組の第3遊星歯車装置46と、そのカウンタ軸44の
軸端に固定されて差動歯車装置16と噛み合う出力ギヤ
48とを備えている。上記遊星歯車装置40,42,4
6の各構成要素すなわちサンギヤ、リングギヤ、それら
に噛み合う遊星ギヤを回転可能に支持するキャリヤは、
4つのクラッチC0、C1、C2、C3によって互いに
選択的に連結され、或いは3つのブレーキB1、B2、
B3によって非回転部材であるハウジング28に選択的
に連結されるようになっている。また、2つの一方向ク
ラッチF1、F2によってその回転方向により相互に若
しくはハウジング28と係合させられるようになってい
る。なお、差動歯車装置16は軸線(車軸)に対して対
称的に構成されているため、下側を省略して示してあ
る。
【0038】上記入力軸22と同軸上に配置された一対
の第1遊星歯車装置40,第2遊星歯車装置42、クラ
ッチC0、C1、C2、ブレーキB1、B2、および一
方向クラッチF1により前進4段、後進1段の主変速部
MGが構成され、上記カウンタ軸44上に配置された1
組の遊星歯車装置46、クラッチC3、ブレーキB3、
一方向クラッチF2によって副変速部すなわちアンダー
ドライブ部U/Dが構成されている。主変速部MGにお
いては、入力軸22はクラッチC0、C1、C2を介し
て第2遊星歯車装置42のキャリヤK2、第1遊星歯車
装置40のサンギヤS1、第2遊星歯車装置42のサン
ギヤS2にそれぞれ連結されている。第1遊星歯車装置
40のリングギヤR1と第2遊星歯車装置42のキャリ
ヤK2との間、第2遊星歯車装置42のリングギヤR2
と第1遊星歯車装置40のキャリヤK1との間はそれぞ
れ連結されており、第2遊星歯車装置42のサンギヤS
2はブレーキB1を介して非回転部材であるハウジング
28に連結され、第1遊星歯車装置40のリングギヤR
1はブレーキB2を介して非回転部材であるハウジング
28に連結されている。また、第2遊星歯車装置42の
キャリヤK2と非回転部材であるハウジング28との間
には、一方向クラッチF1が設けられている。そして、
第1遊星歯車装置40のキャリヤK1に固定された第1
カウンタギヤG1と第3遊星歯車装置46のリングギヤ
R3に固定された第2カウンタギヤG2とは相互に噛み
合わされている。アンダードライブ部U/Dにおいて
は、第3遊星歯車装置46のキャリヤK3とサンギヤS
3とがクラッチC3を介して相互に連結され、そのサン
ギヤS3と非回転部材であるハウジング28との間に
は、ブレーキB3と一方向クラッチF2とが並列に設け
られている。
【0039】上記クラッチC0、C1、C2、C3およ
びブレーキB1、B2、B3(以下、特に区別しない場
合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式の
クラッチやバンドブレーキなど油圧アクチュエータによ
って係合制御される油圧式摩擦係合装置で、油圧制御回
路98(図3参照)のソレノイドS1〜S5、およびリ
ニアソレノイドSL1、SL2、SLUの励磁、非励磁
や図示しないマニュアルバルブによって油圧回路が切り
換えられることにより、例えば図2に示すように係合、
解放状態が切り換えられ、シフトレバー72(図3参
照)の操作位置(ポジション)に応じて前進5段、後進
1段、ニュートラルギヤ段の各ギヤ段が成立させられ
る。図2の「1st」〜「5th」は前進の第1速ギヤ
段〜第5速ギヤ段を意味しており、「○」は係合、
「×」は解放、「△」は駆動時のみ係合を意味してい
る。シフトレバー72は、例えば図4に示すシフトパタ
ーンに従って駐車ポジション「P」、後進走行ポジショ
ン「R」、ニュートラルポジション「N」、前進走行ポ
ジション「D」、「4」、「3」、「2」、「L」へ操
作されるようになっており、「P」および「N」ポジシ
ョンでは動力伝達を遮断する非駆動ギヤ段としてニュー
トラルギヤ段が成立させられるが、「P」ポジションで
は図示しないメカニカルパーキング機構によって機械的
に駆動輪の回転が阻止される。また、「D」等の前進走
行ポジションまたは「R」ポジションで成立させられる
前進5段、後進1段の各ギヤ段は駆動ギヤ段に相当す
る。
【0040】図3は、図1のエンジン10や自動変速機
14などを制御するために車両に設けられた制御系統を
説明するブロック線図で、アクセルペダル50の操作量
Accがアクセル操作量センサ51により検出されるよう
になっている。アクセルペダル50は、運転者の出力要
求量に応じて大きく踏み込み操作されるもので、アクセ
ル操作部材に相当し、アクセルペダル操作量Accは出力
要求量に相当する。エンジン10の吸気配管には、スロ
ットルアクチュエータ54によってアクセルペダル操作
量Accに応じた開き角(開度)θTHとされる電子スロッ
トル弁56が設けられている。また、アイドル回転速度
制御のために上記電子スロットル弁56をバイパスさせ
るバイパス通路52には、エンジン10のアイドル回転
速度NE IDL を制御するために電子スロットル弁56の
全閉時の吸気量を制御するISC(アイドル回転速度制
御)バルブ53が設けられている。この他、エンジン1
0の回転速度NEを検出するためのエンジン回転速度セ
ンサ58、エンジン10の吸入空気量Qを検出するため
の吸入空気量センサ60、吸入空気の温度TA を検出す
るための吸入空気温度センサ62、上記電子スロットル
弁56の全閉状態(アイドル状態)およびその開度θTH
を検出するためのアイドルスイッチ付スロットルセンサ
64、車速Vに対応するカウンタ軸44の回転速度N
OUT を検出するための車速センサ66、エンジン10の
冷却水温TW を検出するための冷却水温センサ68、フ
ットブレーキ操作の有無を検出するためのブレーキスイ
ッチ70、シフトレバー72のレバーポジション(操作
位置)PSHを検出するためのレバーポジションセンサ7
4、タービン回転速度NT(=入力軸22の回転速度N
IN)を検出するためのタービン回転速度センサ76、油
圧制御回路98内の作動油の温度であるAT油温TOIL
を検出するためのAT油温センサ78、第1カウンタギ
ヤG1の回転速度NCを検出するためのカウンタ回転速
度センサ80、イグニッションスイッチ82などが設け
られており、それらのセンサから、エンジン回転速度N
E、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロットル弁開
度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキ操作
の有無、シフトレバー72のレバーポジションPSH、タ
ービン回転速度NT、AT油温TOIL 、カウンタ回転速
度NC、イグニッションスイッチ82の操作位置、など
を表す信号が電子制御装置90に供給されるようになっ
ている。ブレーキスイッチ70は、常用ブレーキを操作
するブレーキペダルの踏込み状態でON、OFFが切り
換わるON−OFFスイッチである。
【0041】電子制御装置90は、CPU、RAM、R
OM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロ
コンピュータを含んで構成されており、CPUはRAM
の一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプ
ログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン
10の出力制御や自動変速機14の変速制御などを実行
するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と
変速制御用とに分けて構成される。エンジン10の出力
制御については、スロットルアクチュエータ54により
電子スロットル弁56を開閉制御する他、燃料噴射量制
御のために燃料噴射弁92を制御し、点火時期制御のた
めにイグナイタ等の点火装置94を制御し、アイドル回
転速度制御のためにISCバルブ53を制御する。電子
スロットル弁56の制御は、例えば図5に示す関係から
実際のアクセルペダル操作量Accに基づいてスロットル
アクチュエータ54を駆動し、アクセルペダル操作量A
ccが増加するほどスロットル弁開度θTHを増加させる。
また、エンジン10の始動時には、スタータ(電動モー
タ)96によってクランク軸18をクランキングする。
【0042】自動変速機14の変速制御については、例
えば図6に示す予め記憶された変速マップ(変速条件)
から実際のスロットル弁開度θTHおよび車速Vに基づい
て自動変速機14のギヤ段を決定し、この決定されたギ
ヤ段に従って変速するとともに、駆動力変化などの変速
ショックが発生したり摩擦材の耐久性が損なわれたりす
ることがないように、油圧制御回路98のソレノイドS
1〜S5のON(励磁)、OFF(非励磁)を切り換え
たり、リニアソレノイドSL1、SL2、SLUの励磁
状態をデューティ制御などで連続的に変化させたりす
る。図6の実線はアップシフト線で、破線はダウンシフ
ト線であり、車速Vが低くなったりスロットル弁開度θ
THが大きくなったりするに従って、変速比(=入力回転
速度NIN/出力回転速度NOUT )が大きい低速側のギヤ
段に切り換えられるようになっており、図中の「1」〜
「5」は第1速ギヤ段「1st」〜第5速ギヤ段「5t
h」を意味している。
【0043】図7は、油圧制御回路98の概略構成を説
明するブロック線図で、前記オイルポンプ21によって
オイルパン102から汲み上げられた作動油は、油圧制
御弁等の油圧制御装置104によって一部がドレーンさ
れることにより所定のライン油圧PLに調圧され、変速
用油圧回路105を経て自動変速機14の前記ブレーキ
B、クラッチCの各油圧アクチュエータ106へ供給さ
れるとともに、トルクコンバータ12などへ供給される
一方、一部は潤滑油路108を経て各部の潤滑部位11
0へ供給される。変速用油圧回路105は、前記ソレノ
イドS1〜S5の励磁、非励磁によって油路を切り換え
る切換弁や、リニアソレノイドSL1、SL2、SLU
の励磁状態によって油圧制御を行う油圧制御弁、シフト
レバー72の操作に連動して機械的に油路を切り換える
マニュアルバルブ、などを含んで構成されており、油圧
アクチュエータ106の作動状態を切り換えて自動変速
機14のギヤ段を切り換えるものである。油圧アクチュ
エータ106は、ブレーキBやクラッチCを摩擦係合さ
せる油圧シリンダで、トルクコンバータ12と共に油圧
装置を構成している。
【0044】潤滑油路108は、小径オリフィス112
が設けられた単一の小流量油路114と、それぞれ大径
オリフィス116、118が設けられた一対の大流量油
路120、122とから成り、それ等の小流量油路11
4および大流量油路120、122は互いに並列に設け
られているとともに、大流量油路120、122は、そ
れぞれ潤滑部位110の潤滑に必要な十分な流量の作動
油を単独で供給できるように、大径オリフィス116、
118の大きさなどが定められている。また、大流量油
路120、122には、それぞれSL1リレーバルブ1
24、1−2シフトバルブ126が介在させられてお
り、それ等のSL1リレーバルブ124、1−2シフト
バルブ126の作動状態が前記ソレノイドS5、S1の
励磁、非励磁によって切り換えられることにより、油路
が開閉されるようになっている。上記小流量油路114
および大流量油路120、122は分岐油路に相当し、
SL1リレーバルブ124および1−2シフトバルブ1
26は、その分岐油路の一部を開閉する開閉装置に相当
する。
【0045】上記SL1リレーバルブ124、1−2シ
フトバルブ126は、自動変速機14の変速制御に関連
して油路を切り換える切換弁として用いられるもので、
前記変速用油圧回路105は、これ等のSL1リレーバ
ルブ124、1−2シフトバルブ126を含んでいる。
SL1リレーバルブ124は、リニアソレノイドSL1
の出力油圧の供給先を切換制御するもので、後進走行ポ
ジション「R」、ニュートラルポジション「N」、或い
は前進走行ポジション「D」における非変速時には、通
常は大流量油路120を連通させる状態に保持され、潤
滑部位110の潤滑に必要な十分な流量の作動油を供給
する一方、その状態で大流量油路120を遮断する側へ
切り換えられても自動変速機14の変速制御に影響はな
い。1−2シフトバルブ126は、後進走行ポジション
「R」、ニュートラルポジション「N」、或いは前進走
行ポジション「D」の第1速ギヤ段時には、大流量油路
122を遮断する状態に保持されるが、前進走行ポジシ
ョン「D」の第2速ギヤ段以上では大流量油路122を
連通させる側へ切り換えられ、潤滑部位110の潤滑に
必要な十分な流量の作動油を供給する。したがって、後
進走行ポジション「R」、ニュートラルポジション
「N」、或いは前進走行ポジション「D」における車両
停車時には、大流量油路120を経て潤滑部位110へ
作動油が供給される一方、SL1リレーバルブ124の
電気系の故障やバルブスティックなどで大流量油路12
0が遮断された場合には、大流量油路122を連通させ
る側へ1−2シフトバルブ126を切り換えることによ
り、その大流量油路122を経て潤滑部位110へ十分
な流量の作動油を供給することができる。この時、自動
変速機14は第2速ギヤ段以上のギヤ段が成立させられ
るため、それ等のギヤ段で発進、走行することになる。
【0046】潤滑部位110は、自動変速機14のクラ
ッチCやブレーキBの摩擦係合部、入力軸22やカウン
タ軸44、遊星歯車装置40、42、46のピニオン軸
等のシャフト、歯車(リングギヤやサンギヤ、ピニオン
ギヤなど)等の回転部材相互の相対回転部、或いは回転
部材と支持部材(ハウジング28など)との相対回転
部、歯車同士の噛合部など、自動変速機14や差動歯車
装置16の構成要素のうち潤滑が必要な種々の接触部位
である。そして、そのような潤滑部位110へ供給され
た作動油は、自然に流下したり所定の戻り油路を通るな
どしてオイルパン102へ戻され、再びオイルポンプ2
1により汲み上げられて出力される。
【0047】図8は、上記潤滑油路108に関して前記
電子制御装置90の信号処理によって実行される潤滑油
量制御、具体的には潤滑オリフィス切換制御の作動を説
明するフローチャートで、前記シフトレバー72が後進
走行ポジション「R」、ニュートラルポジション
「N」、または前進走行ポジション「D」へ操作されて
いる場合に実行される。図8のステップS1では、車速
Vが予め定められた停止判定車速V1以下か否かを判断
し、V≦V1の場合にはステップS2を実行するが、V
>V1の場合は、ステップS4を実行して大流量油路1
20および122の少なくとも一方を連通させることに
より、潤滑部位110へ十分な流量で作動油を供給す
る。具体的には、前進走行ポジション「D」における第
2速ギヤ段以上では、1−2シフトバルブ126を介し
て大流量油路122が連通させられ、その大流量油路1
22を経て潤滑部位110へ作動油が供給される一方、
後進走行ポジション「R」、ニュートラルポジション
「N」、または前進走行ポジション「D」の第1速ギヤ
段の場合には、SL1リレーバルブ124を介して大流
量油路120が連通させられ、その大流量油路120を
経て潤滑部位110へ作動油が供給されるため、何れの
場合も特にSL1リレーバルブ124、1−2シフトバ
ルブ126の切換制御を行う必要はない。上記停止判定
車速V1は、車両が停止状態か否かを判断するためのも
ので、例えば5〜10km/時程度の値が設定される。
なお、小流量油路114からも、作動油が小流量で潤滑
部位110へ供給される。
【0048】車速Vが停止判定車速V1以下で、ステッ
プS1の判断がYES(肯定)の場合に実行するステッ
プS2では、作動油の温度であるAT油温TOIL が予め
定められたT1以上で且つT2以下の低温範囲内か否か
を判断する。そして、T1≦TOIL ≦T2の場合、すな
わち低温範囲内であればステップS3を実行し、大流量
油路120および122を共に遮断して小流量油路11
4のみから小流量で作動油を潤滑部位110へ供給する
一方、その低温範囲内でない場合には前記ステップS4
を実行する。ステップS3では、大流量油路122は元
々1−2シフトバルブ126によって遮断されているた
め、SL1リレーバルブ124を切り換えて大流量油路
120を遮断することになる。低温範囲の上限値T2
は、大流量油路120または122から潤滑部位110
へ大流量で作動油を供給した場合に、その作動油の粘性
増加による戻り不良でエアの吸込みが発生するか否かを
基準にして、使用する作動油の粘性の温度特性等を考慮
して例えば20℃〜40℃程度の値が設定される一方、
下限値T1は、車両発進時に潤滑油量を増大させた場合
に速やかに十分な流量の作動油を潤滑部位110へ供給
できるか否かを基準にして、使用する作動油の粘性の温
度特性等を考慮して例えば−10℃〜0℃程度の値が設
定される。
【0049】したがって、上記T1以上で且つT2以下
の低温範囲内の場合に、ステップS3で大流量油路12
0および122が共に遮断され、小流量油路114のみ
から小流量で潤滑部位110へ作動油が供給されること
により、作動油の粘性増加により潤滑部位110からの
戻りが遅くなってオイルパン102内の作動油のレベル
が低下してエアの吸込み等を生じることが防止される。
これにより、エアの混入でトルクコンバータ12のトル
ク容量が低下したり、油圧アクチュエータ106の油圧
が低下して所定の係合トルクが得られなくなったりする
ことが回避される。小流量油路114は、T1以上で且
つT2以下の低温範囲内の時に、潤滑部位110へ供給
された作動油の戻り不良でエアの吸込み等が発生しない
程度の潤滑油量となるように、作動油の粘性や油圧PL
などを考慮して、小径オリフィス112の大きさなどが
定められている。
【0050】一方、AT油温TOIL が上限値T2より高
い常温時は、作動油の戻り不良でエアの吸込み等が発生
する恐れがないため、ステップS4を実行して大流量で
作動油を潤滑部位110へ供給することにより、車両発
進時に十分な潤滑作用が得られて焼付きなどが防止され
る。また、AT油温TOIL が下限値T1より低い極低温
時は、車両発進時に潤滑不足で焼付き等を生じる恐れが
あるため、エアの吸込みが発生する恐れがあっても、ス
テップS4を実行して大流量で作動油を潤滑部位110
へ供給する。
【0051】電子制御装置90によって実行される一連
の信号処理のうち、図8のフローチャートのステップS
2およびS3を実行する部分は、所定の低温範囲内の時
に潤滑油量を低減する潤滑油量低減手段として機能して
いる。
【0052】このように、本実施例の車両用動力伝達装
置の潤滑装置は、AT油温TOIL がT1以上で且つT2
以下の低温範囲内の時にはステップS3を実行し、潤滑
部位110へ供給する潤滑油量を低減するようになって
いるため、その低温範囲内では、作動油の粘性増加によ
り潤滑部位110からの作動油の戻りが遅くなってエア
の吸込み等を生じることが防止される。
【0053】また、上記上限値T2より高い常温時は勿
論、下限値T1より低い極低温時にもステップS4を実
行して潤滑油量が増大させられるため、作動油の粘性が
著しく高くなる極低温時の発進時に潤滑油量が不足して
焼付きなどを生じることが回避される。
【0054】また、本実施例では、潤滑部位110の潤
滑に必要な十分な流量で作動油を供給できる一対の大流
量油路120、122を備えているため、電気的或いは
機械的な故障でSL1リレーバルブ124、1−2シフ
トバルブ126の何れか一方の切換制御が不能となって
も、他方の大流量油路120または122を用いて十分
な流量で作動油を供給して潤滑することができ、歯車や
シャフトの焼付きなどの重大な損傷や、その焼付き等に
起因する不具合を回避できる。
【0055】また、本実施例の動力伝達装置は自動変速
機14を備えているとともに、その自動変速機14の変
速制御に関連して油路を切り換える切換弁、具体的には
SL1リレーバルブ124、1−2シフトバルブ126
を利用して大流量油路120、122を開閉し、潤滑部
位110へ供給する潤滑油量を制御するようになってい
るため、潤滑装置が簡単且つ安価に構成される。
【0056】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において、前記実施例と実質的に共通
する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略す
る。
【0057】図9は、前記電子制御装置90の信号処理
によって実行されるフローチャートで、前記図8の潤滑
オリフィス切換制御を所定時間で終了させるものであ
り、ステップR1では、イグニッションスイッチ82が
ON操作されてエンジン10が始動させられたか否かを
判断し、ON操作された場合にはステップR2でタイマ
Timによる計時を開始する。そして、ステップR3で
は、タイマTimの計時が予め定められた一定の制御終
了時間t1に達したか否かを判断し、t1以上になった
らステップR4で図8の潤滑オリフィス切換制御の実行
を終了する。制御終了時間t1は、エンジン10の作動
で作動油が十分に暖められて、AT油温T OIL が前記上
限値T2よりも高温になるのに十分な時間が設定され
る。
【0058】ステップR4で潤滑オリフィス切換制御の
実行が終了させられると、前記SL1リレーバルブ12
4および1−2シフトバルブ126は、専ら自動変速機
14の変速制御に従って切り換えられ、それに伴って大
流量油路120、122がそれぞれ連通、遮断されるよ
うになり、それ等の大流量油路120および122の少
なくとも一方を通して作動油が潤滑部位110へ供給さ
れる。具体的には、前進走行ポジション「D」の第2速
ギヤ段以上では、1−2シフトバルブ126により大流
量油路122が連通させられ、その大流量油路122か
ら潤滑部位110へ十分な流量で作動油が供給される一
方、後進走行ポジション「R」、ニュートラルポジショ
ン「N」、前進走行ポジション「D」の非変速時には、
SL1リレーバルブ124により大流量油路120が連
通させられ、その大流量油路120から潤滑部位110
へ十分な流量で作動油が供給される。
【0059】このように、本実施例ではイグニッション
スイッチ82がON操作されてから制御終了時間t1が
経過すると、図8の潤滑オリフィス切換制御の実行が終
了させられるため、AT油温TOIL が十分に上昇してエ
アの吸込み等の懸念が無くなった後も、前記ステップS
1の車速判断処理やステップS2の油温判断処理等を継
続する場合に比較して、電子制御装置90の信号処理の
負荷が軽減される。
【0060】電子制御装置90によって実行される一連
の信号処理のうち、図9のフローチャートの各ステップ
R1〜R4を実行する部分は時間基準制御終了手段とし
て機能している。また、イグニッションスイッチ82は
メインスイッチに相当する。
【0061】図10は、前記電子制御装置90の信号処
理によって実行されるフローチャートで、常用ブレーキ
が解除操作された時に前記図8の潤滑オリフィス切換制
御を中止するものであり、ステップQ1−1では、図8
の潤滑オリフィス切換制御を実行中か否かを、例えば潤
滑オリフィス切換制御の実行中か否かによって切り換え
られるフラグなどに基づいて判断する。例えば図9のフ
ローチャートに従って潤滑オリフィス切換制御が終了さ
せられた場合など、潤滑オリフィス切換制御が実行中で
なければそのまま終了するが、制御実行中の場合はステ
ップQ1−2を実行し、ブレーキペダルの踏込み操作が
解除されて前記ブレーキスイッチ70がONからOFF
へ切り換わったか否かを判断する。そして、常用ブレー
キが解除操作された場合には、ステップQ1−3で図8
の潤滑オリフィス切換制御を中止する。これにより、前
記図9のステップR4の実行時と同様に、前記SL1リ
レーバルブ124および1−2シフトバルブ126は、
専ら自動変速機14の変速制御に従って切り換えられ、
それに伴って大流量油路120、122がそれぞれ連
通、遮断されるようになり、それ等の大流量油路120
および122の少なくとも一方を通して作動油が潤滑部
位110へ供給される。したがって、図8のステップS
3の実行で、小流量油路114のみから小流量で作動油
が潤滑部位110へ供給されている場合には、ブレーキ
ペダルの踏込み解除に伴って大流量油路120または1
22から大流量で作動油が潤滑部位110へ供給される
ようになる。
【0062】本実施例では、ブレーキペダルの踏込み操
作が解除されてブレーキスイッチ70がONからOFF
へ切り換わった時に、図8の潤滑オリフィス切換制御の
実行が中止され、小流量油路114のみから小流量で作
動油が潤滑部位110へ供給される小オリフィス状態の
場合には、大流量油路120または122から大流量で
作動油が潤滑部位110へ供給されるようになるため、
車速Vなどに基づいて車両の発進を検出してから潤滑油
量を戻す場合に比較して、潤滑油路108から潤滑部位
110へ供給される実際の潤滑油量増大の応答遅れに拘
らず、急発進時等でも十分な流量の作動油が潤滑部位1
10へ供給され、潤滑油量が不足して歯車やシャフト等
が焼付きなどを生じることが回避される。したがって、
作動油の粘性が著しく高くなる極低温時には潤滑油量が
増大させられ、そのような極低温時の発進時の潤滑油量
不足による歯車やシャフト等の焼付きなどが確実に回避
されることと相まって、低温時の車両発進時により適切
な潤滑性能が得られるようになる。
【0063】電子制御装置90によって実行される一連
の信号処理のうち、図10のフローチャートのステップ
Q1−2およびQ1−3を実行する部分は油量低減中止
手段として機能している。また、ブレーキスイッチ70
は、ブレーキ検出装置に相当する。
【0064】なお、上記実施例では図8の潤滑オリフィ
ス切換制御を実行中である場合にステップQ1−2以下
を実行するが、図8のステップS3の実行で、小流量油
路114のみから小流量で作動油が潤滑部位110へ供
給される小オリフィス状態の時だけ、ステップQ1−2
以下を実行するようにしても良い。
【0065】図11は、前記電子制御装置90の信号処
理によって実行されるフローチャートで、ステップQ2
−1、Q2−3、およびQ2−4は、それぞれ図10の
フローチャートのステップQ1−1、Q1−2、および
Q1−3と同じであり、本実施例ではステップQ2−2
で小オリフィス状態か否かを判断して、小オリフィス状
態の時だけステップQ2−3以下を実行するようになっ
ている。また、ステップQ2−5では、前記油圧制御装
置104により予め定められた所定時間だけライン油圧
PLを上昇させ、大流量油路120または122を通し
て作動油を大流量で速やかに潤滑部位110へ供給す
る。ライン油圧PLを上昇させる時間や上昇幅は、十分
な流量で作動油が潤滑部位110へ速やかに供給され
て、急発進時などでも潤滑部位110が十分に潤滑され
るように、例えば予め一定値が定められるが、AT油温
OIL 等をパラメータとして設定されるようにすること
もできる。すなわち、AT油温TOIL が低い程作動油の
粘性が高くなり、流動性が悪くなるため、ライン油圧P
Lの上昇時間を長くしたり上昇幅を大きくしたりして潤
滑油量の低下を防止するのである。そして、所定時間経
過した後に、ステップQ2−6を実行してライン油圧P
Lを通常の油圧に戻す。
【0066】このように、本実施例ではブレーキの解除
操作に伴ってステップQ2−4で小オリフィス状態から
大オリフィス状態へ切り換えた後、ステップQ2−5で
ライン油圧PLを一時的に上昇させるため、潤滑油路1
08から潤滑部位110へ供給される実際の潤滑油量が
速やかに増大させられるようになり、急発進時等の潤滑
油量不足が一層効果的に防止される。
【0067】電子制御装置90によって実行される一連
の信号処理のうち、図11のフローチャートのステップ
Q2−3およびQ2−4を実行する部分は油量低減中止
手段として機能しており、ステップQ2−5を実行する
部分は増圧手段として機能している。
【0068】図12は、前記電子制御装置90の信号処
理によって実行されるフローチャートで、前記図11に
比較して、ステップQ2−5を実行する前にステップQ
2−7の判断ステップを設けた点が相違する。ステップ
Q2−7では、ブレーキスイッチ70がON→OFF変
化してステップQ2−3がYESになった後予め定めら
れた所定時間内にアクセルペダル50が踏込み操作され
たか否かを、アクセル操作量センサ51によって検出さ
れるアクセル操作量Accに基づいて判断し、アクセルペ
ダル50が踏込み操作された場合はステップQ2−5を
実行してライン油圧PLを一時的に上昇させるが、アク
セルペダル50が踏込み操作されなかった場合は、ステ
ップQ2−5を実施することなく終了する。
【0069】すなわち、ブレーキ操作が解除されたのち
所定時間内にアクセル操作が為されなかった場合は、運
転者に急発進の意図は無いと考えられるため、潤滑油量
の速やかな増大は必ずしも必要でなく、ライン油圧PL
の上昇を行わないようにしたのであり、これによりオイ
ルポンプ21の負荷すなわちエンジン負荷が低減されて
エネルギー効率が向上する。
【0070】本実施例では、電子制御装置90によって
実行される一連の信号処理のうち、ステップQ2−7お
よびQ2−5を実行する部分が増圧手段として機能して
いる。
【0071】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、
本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加
えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された車両用駆動装置の構成を説
明する骨子図である。
【図2】図1の自動変速機の各ギヤ段を成立させるため
のクラッチおよびブレーキの係合、解放状態を説明する
図である。
【図3】図1の車両用駆動装置のエンジン制御や変速制
御を行う制御系統を説明するブロック線図である。
【図4】図3のシフトレバーのシフトパターンの一例を
示す図である。
【図5】図3の電子制御装置によって行われるスロット
ル制御で用いられるアクセルペダル操作量Accとスロッ
トル弁開度θTHとの関係の一例を示す図である。
【図6】図3の電子制御装置によって行われる自動変速
機の変速制御で用いられる変速マップの一例を示す図で
ある。
【図7】図3の油圧制御回路の概略構成を説明するブロ
ック線図である。
【図8】図7の油圧制御回路の潤滑油路のオリフィス切
換制御を説明するフローチャートである。
【図9】図8のオリフィス切換制御を、イグニッション
スイッチがON操作された後の経過時間に基づいて終了
させる際の作動を説明するフローチャートである。
【図10】図8のオリフィス切換制御を、ブレーキ操作
の解除に伴って中止させる際の作動を説明するフローチ
ャートである。
【図11】図8のオリフィス切換制御を、ブレーキ操作
の解除に伴って中止させる際の別の実施例を説明するフ
ローチャートである。
【図12】図8のオリフィス切換制御を、ブレーキ操作
の解除に伴って中止させる際の更に別の実施例を説明す
るフローチャートである。
【符号の説明】
12:トルクコンバータ(油圧装置) 14:自動変
速機(動力伝達装置) 16:差動歯車装置(動力伝達装置) 21:オイル
ポンプ 51:アクセル操作量センサ 70:ブレ
ーキスイッチ(ブレーキ検出装置) 78:AT油温
センサ 82:イグニッションスイッチ 90:電
子制御装置 102:オイルパン 104:油圧制御装置 10
6:油圧アクチュエータ(油圧装置) 108:潤滑
油路 110:潤滑部位 114:小流量油路(分
岐油路) 120、122:大流量油路(分岐油路)
124:SL1リレーバルブ(開閉装置、切換弁)
126:1−2シフトバルブ(開閉装置、切換弁)
OIL :AT油温(作動油の油温) ステップS2、S3:潤滑油量低減手段 ステップR1〜R4:時間基準制御終了手段 ステップQ1−2、Q1−3、Q2−3、Q2−4:油
量低減中止手段 ステップQ2−5、Q2−7:増圧手段
フロントページの続き (72)発明者 友松 秀夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松原 亨 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中谷 勝己 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 棚橋 克行 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 深津 彰 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 安藤 雅彦 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 判治 二十三 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 Fターム(参考) 3J063 AA01 AB12 AB43 AB52 AB62 AC04 BA20 CA01 CC12 CC31 XJ03 XJ08 XJ11

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルパンから作動油を汲み上げて出力
    するオイルポンプと、 該オイルポンプから出力された作動油が供給される油圧
    装置と、 前記オイルポンプから出力された作動油の一部を動力伝
    達装置の所定の潤滑部位へ供給する潤滑油路と、 を有し、前記潤滑部位へ供給された作動油が前記オイル
    パンへ戻るように循環させられる車両用動力伝達装置の
    潤滑装置において、 前記作動油の油温が予め定められた所定の低温範囲内の
    時には、該低温範囲より低い場合および該低温範囲より
    高い場合に比べて、前記潤滑部位へ供給する潤滑油量を
    低減する潤滑油量低減手段を有することを特徴とする車
    両用動力伝達装置の潤滑装置。
  2. 【請求項2】 オイルパンから作動油を汲み上げて出力
    するオイルポンプと、 該オイルポンプから出力された作動油が供給される油圧
    装置と、 前記オイルポンプから出力された作動油の一部を動力伝
    達装置の所定の潤滑部位へ供給する潤滑油路と、 を有し、前記潤滑部位へ供給された作動油が前記オイル
    パンへ戻るように循環させられる車両用動力伝達装置の
    潤滑装置において、 前記作動油の油温が予め定められた所定の低温度の時に
    は前記潤滑部位へ供給する潤滑油量を低減する潤滑油量
    低減手段と、 ブレーキ操作の有無を検出するブレーキ検出装置と、 該ブレーキ検出装置によって前記ブレーキ操作が解除さ
    れたことが検出された時には、前記潤滑油量低減手段に
    よる前記潤滑油量の低減を中止する油量低減中止手段
    と、 を有することを特徴とする車両用動力伝達装置の潤滑装
    置。
  3. 【請求項3】 前記潤滑油量低減手段は、前記作動油の
    油温が予め定められた所定の低温範囲内の時には、該低
    温範囲より低い場合および該低温範囲より高い場合に比
    べて、前記潤滑部位へ供給する潤滑油量を低減するもの
    であることを特徴とする請求項2に記載の車両用動力伝
    達装置の潤滑装置。
  4. 【請求項4】 前記潤滑油量低減手段による前記潤滑油
    量の低減が前記油量低減中止手段によって中止された直
    後に、前記作動油の油圧を一時的に上昇させる増圧手段
    を有することを特徴とする請求項2または3に記載の車
    両用動力伝達装置の潤滑装置。
  5. 【請求項5】 前記増圧手段は、前記ブレーキ操作が解
    除されたのち所定時間内にアクセル操作が為された場合
    には前記作動油の油圧を一時的に上昇させるが、該アク
    セル操作が為されなかった場合には該作動油の油圧上昇
    を行わないことを特徴とする請求項4に記載の車両用動
    力伝達装置の潤滑装置。
  6. 【請求項6】 前記潤滑油路は、並列に設けられた複数
    の分岐油路を備えており、 前記潤滑油量低減手段は、前記複数の分岐油路の少なく
    とも一部を開閉する開閉装置を備えていることを特徴と
    する請求項1〜5の何れか1項に記載の車両用動力伝達
    装置の潤滑装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の分岐油路は、それぞれ前記潤
    滑部位の潤滑に必要な流量で前記作動油を供給できると
    ともに前記開閉装置によって独立に開閉される複数の大
    流量油路と、該作動油を小流量で供給する小流量油路と
    を有し、通常は該複数の大流量油路の少なくとも一部が
    開かれて前記潤滑部位に十分な流量で前記作動油を供給
    するようになっており、 前記潤滑油量低減手段は、前記開閉装置により前記複数
    の大流量油路を総て閉じて潤滑油量を低減するものであ
    ることを特徴とする請求項6に記載の車両用動力伝達装
    置の潤滑装置。
  8. 【請求項8】 前記動力伝達装置は自動変速機を含んで
    構成されているとともに、前記分岐油路には該自動変速
    機の変速制御に関連して油路を切り換える切換弁が介在
    させられており、該切換弁が前記開閉装置として機能す
    ることを特徴とする請求項6または7に記載の車両用動
    力伝達装置の潤滑装置。
  9. 【請求項9】 車両のメインスイッチがON操作された
    後、予め定められた所定時間経過した場合には、前記潤
    滑油量低減手段による前記潤滑油量の制御を中止する時
    間基準制御終了手段を有することを特徴とする請求項1
    〜8の何れか1項に記載の車両用動力伝達装置の潤滑装
    置。
JP2002101744A 2002-04-03 2002-04-03 車両用動力伝達装置の潤滑装置 Expired - Fee Related JP3700847B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002101744A JP3700847B2 (ja) 2002-04-03 2002-04-03 車両用動力伝達装置の潤滑装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002101744A JP3700847B2 (ja) 2002-04-03 2002-04-03 車両用動力伝達装置の潤滑装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003294117A true JP2003294117A (ja) 2003-10-15
JP3700847B2 JP3700847B2 (ja) 2005-09-28

Family

ID=29241950

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002101744A Expired - Fee Related JP3700847B2 (ja) 2002-04-03 2002-04-03 車両用動力伝達装置の潤滑装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3700847B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006234105A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Jtekt Corp 車両用ピニオン軸支持装置
JP2008279826A (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置
JP2014142003A (ja) * 2013-01-23 2014-08-07 Toyota Motor Corp 油圧制御装置
CN114427598A (zh) * 2022-01-04 2022-05-03 中国重汽集团济南动力有限公司 一种评价变速箱各位置润滑状态的方法、装置及车辆

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006234105A (ja) * 2005-02-25 2006-09-07 Jtekt Corp 車両用ピニオン軸支持装置
JP2008279826A (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Toyota Motor Corp 車両用駆動装置
JP2014142003A (ja) * 2013-01-23 2014-08-07 Toyota Motor Corp 油圧制御装置
CN114427598A (zh) * 2022-01-04 2022-05-03 中国重汽集团济南动力有限公司 一种评价变速箱各位置润滑状态的方法、装置及车辆
CN114427598B (zh) * 2022-01-04 2024-02-13 中国重汽集团济南动力有限公司 一种评价变速箱各位置润滑状态的方法、装置及车辆

Also Published As

Publication number Publication date
JP3700847B2 (ja) 2005-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4396631B2 (ja) 車両用自動変速機の変速制御装置
US8568274B2 (en) Hydraulic pressure supply control apparatus for automobile
JP3843935B2 (ja) 車両用駆動制御装置
US6379278B1 (en) Vehicular transmission stop control system
JP3843921B2 (ja) 車両用駆動制御装置
JP2003322249A (ja) 車両用駆動制御装置
US9145931B2 (en) Control device for vehicular lockup clutch
JP4729937B2 (ja) 車両用ロックアップクラッチの制御装置
US20090018757A1 (en) Control device for vehicle
JP2008144738A (ja) 車両用動力出力装置の制御装置
US6729988B2 (en) Hydraulic system for automatic transmission for vehicle having idle-stop control
JP2015121318A (ja) 動力伝達装置の油圧制御回路
JP2003014099A (ja) 車両用動力伝達装置の制御装置
EP1344673A2 (en) Hydraulic system for automatic transmission for vehicle having idle-stop control
JP2005098522A (ja) 車両用駆動制御装置
JP2004316665A (ja) ロックアップクラッチを備えた車両
JP3700847B2 (ja) 車両用動力伝達装置の潤滑装置
JP6885210B2 (ja) 車両用制御装置
JP2007211619A (ja) エンジンのフューエルカット制御装置
JP2004036802A (ja) 車両用動力伝達装置の制御装置
JP2003090424A (ja) 車両用駆動制御装置
JP2013019428A (ja) 油圧制御装置
JP2007064255A (ja) ロックアップクラッチの制御装置
JP2004197595A (ja) 自動変速機の変速制御装置
JP2005264837A (ja) 自動変速機の変速制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050614

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3700847

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080722

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090722

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090722

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100722

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110722

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110722

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120722

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120722

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130722

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees