JP2003293905A - 燃料噴射ポンプの吐出弁 - Google Patents

燃料噴射ポンプの吐出弁

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JP2003293905A
JP2003293905A JP2002102880A JP2002102880A JP2003293905A JP 2003293905 A JP2003293905 A JP 2003293905A JP 2002102880 A JP2002102880 A JP 2002102880A JP 2002102880 A JP2002102880 A JP 2002102880A JP 2003293905 A JP2003293905 A JP 2003293905A
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discharge valve
constant pressure
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fuel injection
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Hisao Uchida
久夫 内田
Masami Tanaka
正美 田中
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Niigata Power Systems Co Ltd
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Niigata Power Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射ポンプの吐出弁に直列に設けられた
等圧弁を吐出弁本体に係止する際、組立・分解が容易と
なり、係止位置関係の再現性に優れ、修理および製造が
きわめて容易となる燃料噴射ポンプの吐出弁を提供す
る。 【解決手段】 吐出弁本体30に貫通孔33a、円筒面
33b、等圧弁弁座34、シリンダ内面35、つば部ガ
イド面37を連通させて設け、等圧弁弁座34に等圧弁
ボール4を当接させてボール押圧部材6aを介して押え
ばね6bで押圧して等圧弁を構成し、つば部ガイド面3
7に設けた抜け止め突起部36に係合するつば部7cと
回り止め突起部7gを備えたストッパ7を着脱自在に挿
着して、押えばね6bを所定長さを保つように係止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料噴射ポンプの
吐出弁、特にディーゼル機関に好適な燃料噴射ポンプの
吐出弁に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼル機関の燃料噴射ポンプでは、
燃料圧送室で燃料を高圧に圧縮し、吐出弁を開いて、噴
射管路を通して高圧燃料を噴射ノズルへ送り、そこから
燃焼室へ向けて燃料を噴射させる。その際、燃料の燃焼
によって噴射管路内に圧力波が戻り、そのためにキャビ
テーションが発生したり、燃焼室から燃料が逆流した
り、あるいは噴射ノズルの二次噴射を起こし、最適な燃
焼が行えなくなるという問題があった。
【0003】従来、この対策のために、噴射管路に高圧
が発生すると燃料圧送室側に弁が開いて噴射管路内の残
圧を降下させる等圧弁を、吐出弁とともに配設すること
が行われている。等圧弁には、吐出弁と並列させる方式
と、吐出弁に直列させる方式があるが、特に小型エンジ
ンでは、スペースの関係で直列方式が採用されてきた。
【0004】図3は、例えば特開昭60−119366
号公報に開示されている、直列方式によって等圧弁が配
設された燃料噴射ポンプの吐出弁の従来例である。符号
12は燃料噴射ポンプを内蔵しているケーシングであ
り、不図示の燃料圧送室で高圧とされた燃料ガスは、管
路2bを経て図示された吐出弁まで搬送される。
【0005】吐出弁は、図示下方にテーパを備えたテー
パ突起部31が設けられたほぼ円筒状の吐出弁本体30
と、吐出弁本体30を上方から押圧する押えばね5と、
吐出弁本体30を摺動可能に保持する吐出弁保持部2か
らなる。吐出弁保持部2の先端には、押えばね5によっ
て所定圧で押圧される吐出弁本体30のテーパ突起部3
1が当接することによって管路2bを閉鎖する吐出弁弁
座2cが設けられている。
【0006】吐出弁本体30の中心には管路14が貫通
するように設けられている。管路14の上部の先端に
は、中心に貫通孔11aとその下部にテーパ状に下方に
拡開する等圧弁弁座34を備えた栓体11が、かしめに
よって固設されている。等圧弁弁座34には下方から押
えばね6bで上方に押圧された、鋼球からなる等圧弁ボ
ール4が当接されている。吐出弁本体30を上方から押
圧する押えばね5は、ケーシング12にねじ部13でね
じ込まれた弁ケース10aの内部に設けられたばね室1
aに、所定長さに圧縮されて納められ、そのために吐出
弁本体30が所定圧で下方に押圧されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
構成では、等圧弁弁座34を設けた栓体11が吐出弁本
体30にかしめによって固設されているため、かしめ作
業によって組立誤差が生じる結果、押えばね6bによる
押圧力がばらついたり、かしめプレス時に等圧弁弁座3
4に不要な変形を与えてしまったりすることがあり、い
ずれの場合も弁性能に影響を与えるという問題があっ
た。また、栓体11には、高温下で繰り返し衝撃荷重が
かかるため、かしめでは長期使用時の信頼性に問題があ
った。さらに、一度かしめた後は、再組立可能には分解
することができないので、修理・メンテナンスが困難で
あるという問題があった。また、製造工程において、上
記不具合が起こった場合、不良品として廃棄するため製
造コストが高くつく問題があった。
【0008】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、燃料噴射ポンプの吐出弁に直列に設けら
れた等圧弁を吐出弁本体に係止する際、組立・分解が容
易となり、係止位置関係の再現性に優れ、修理および製
造がきわめて容易となる燃料噴射ポンプの吐出弁を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、燃料圧送室から噴射
ノズルに至る間の噴射管路に設けられ、噴射管路を開閉
する吐出弁本体に、噴射管路内圧を一定に保つための等
圧弁を備えた燃料噴射ポンプの吐出弁であって、前記吐
出弁本体内部に貫通された管路に、噴射ノズル側から順
に、前記管路と一体的に設けられた等圧弁弁座と、該等
圧弁弁座に離接可能とされた等圧弁部材と、該等圧弁部
材を前記等圧弁弁座に所定圧で押圧する等圧弁押圧手段
と、該等圧弁押圧手段を前記吐出弁本体に係止する等圧
弁係止部材とを備え、該等圧弁係止部材が、前記吐出弁
本体に着脱自在に係止された構成を用いる。そのため、
等圧弁係止部材が着脱自在だから、組立、再組立および
分解が容易となる。
【0010】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の燃料噴射ポンプの吐出弁において、前記等圧弁係止
部材には、前記吐出弁本体の管路に嵌合して該管路の中
心軸回りの回転と中心軸方向の移動を可能とする円筒状
突起と、該管路の径方向に張り出されて前記中心軸方向
の移動を規制するつば部と、前記円筒状突起の突出方向
と逆側に設けられて前記中心軸回りの回転を規制する回
り止め突起とが備えられ、前記吐出弁本体の端部の管路
内周部には、前記等圧弁係止部材が所定角度位置にある
ときに、前記等圧弁係止部材の前記中心軸方向への移動
が可能とされ、前記等圧弁係止部材が所定角度だけ回転
されたときに、前記つば部と係合して、前記等圧弁係止
部材の前記中心軸方向への移動が規制される抜け止め突
起部が設けられ、該抜け止め突起部には、前記等圧弁係
止部材が前記所定角度位置から所定角度だけ回転された
ときに、前記回り止め突起と係合して、前記等圧弁係止
部材の前記中心軸回りの回転が規制される回り止めガイ
ドが設けられた構成を用いる。そのため、等圧弁係止部
材を所定角度位置に配置し、軸方向奥側に移動させてか
ら、つば部を所定角度だけ回転させて抜け止め突起部に
係止させるとともに、回り止めガイドに回り止め突起を
係合させることにより、等圧弁係止部材を吐出弁本体に
回り止めして係止することができる。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の燃料噴射ポンプの吐出弁において、前記回り止めガ
イドが、前記抜け止め突起部の少なくとも一対の突起先
端部から構成される平行スリットとされ、前記回り止め
突起が、前記吐出弁本体の外側に露出する端面中心部に
設けられ、前記平行スリットに、回転方向の2つの角度
位置で嵌合可能な少なくとも2組の平行面を備える突起
からなる構成を用いる。そのため、吐出弁本体の外側に
露出する端面中心部に設けられる回り止め突起が回り止
めガイドと嵌合するので、吐出弁本体の外側から回り止
め突起部と回り止めガイドの係合状態を容易に視認する
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の一形態
を、添付図面を参照して説明する。なおすべての図面を
通して、同一または相当する部材は、同一の符号を付し
ている。図1(a)は、本発明に係る燃料噴射ポンプの
吐出弁の実施の形態を示す軸方向断面図である。図1
(b)は図1(a)のA視の部分断面図である。また、
図2は、本発明に係る燃料噴射ポンプの吐出弁の組立手
順を説明するための、概略部分断面を示す斜視説明図で
ある。
【0013】図1(a)において、管路2bは、不図示
の燃料圧送室に通ずる管路であり、管路1bは、不図示
の噴射ノズルに通ずる管路である。管路2b、1bは、
燃料噴射ポンプのケーシング先端(不図示)に設けられ
た吐出弁保持部2と吐出弁押え蓋1に貫通されている。
なお、実際の配置方向は図示の方向に限られるものでは
ないが、以下では、説明を簡潔にするため、図示のよう
に管路1bが上側に、管路2bが下側に配置された場合
を前提として位置関係を説明する。
【0014】本発明に係る燃料噴射ポンプの吐出弁は、
管路2bと管路1bとの間に配置された、ほぼ円筒状断
面を備える吐出弁シリンダ2aとばね室1aとの内部に
設けられている。吐出弁シリンダ2aおよびばね室1a
の内径は、管路2bおよび管路1bの内径よりも大きい
構成とされている。
【0015】本発明に係る燃料噴射ポンプの吐出弁の構
成は、大きくは、吐出弁本体30、円筒コイルばねなど
からなる押えばね5および吐出弁本体30の内部に設け
られた等圧弁からなる。等圧弁は、等圧弁ボール4(等
圧弁部材)、ボール押圧部材6a、押えばね6bおよび
ストッパ7を備える。
【0016】吐出弁本体30は、吐出弁シリンダ2aに
摺動自在に嵌合する円筒面32を備えている。吐出弁シ
リンダ2aの上部先端には、円筒面32から上方に拡径
するテーパを備えたテーパ突起部31が設けられてい
る。このテーパは、吐出弁弁座2cに密着して当接する
ような角度で設けられている。テーパ突起部31の上面
には、押えばね5を受けるばね受け部38aと、中心部
に押えばね5の内径に納まる円筒突起38bとが設けら
れている。
【0017】円筒面32には、テーパ突起部31の近傍
の周方向に外周溝32aが設けられ、外周溝32aから
は、円筒面32の軸方向に向けて軸方向溝32bが展ば
されている。
【0018】吐出弁本体30の内部は、その中心軸上
に、上から、それぞれ円筒状の貫通孔33a、円筒面3
3b、シリンダ内面35が直列に配置されている。以下
ではそれぞれの直径をd1、d2、d3とする。貫通孔3
3aは、円筒突起38bの天面からばね室1aに通じる
開口で、その径d1は、d1≦d2である。円筒面33b
は、シリンダ内面35よりも内径が小さく(d2
3)、円筒面33bの下端部からシリンダ内面35の
上端部にかけて下方に向けて内径がテーパ状に拡大され
た等圧弁弁座34が形成されている。
【0019】シリンダ内面35の下部には、直径d
4(d4>d3)を有する円筒形状のつば部ガイド面37
が設けられ、その端部が吐出弁シリンダ2a内に開口さ
れている。つば部ガイド面37には、図2(a)に示し
たように、シリンダ内面35とつば部ガイド面37の境
界の段差から所定距離L1だけ離れた位置に、つば部ガ
イド面37から中心軸に向かって突出させられて対向す
る板状の抜け止め突起部36、36が設けられている。
【0020】抜け止め突起部36、36の先端には、シ
リンダ内面35と同軸で、それと同径(d3)か、わず
かに大きい径を有するガイド円筒面36b、36bと、
中心軸からそれぞれ距離D/2だけ離されて互いに平行
なガイド平面36a、36aが設けられている。すなわ
ちガイド平面36a、36aによって、幅Dのスリット
状のガイド面(平行スリット)が形成されている。
【0021】押えばね5は、上端がばね室1aと管路1
bの境界の段差部1cに当接させられ、下端がばね受け
部38aに当接させられ、そのために上下方向に圧縮さ
れて、吐出弁本体30を所定圧で下方に押圧するように
設けられている。
【0022】次に、吐出弁の内部に設けられた等圧弁の
構成を説明する。等圧弁ボール4は、例えば鋼球などか
らなり、等圧弁弁座34に当接して等圧弁を閉鎖するこ
とが可能とされたものである。等圧弁ボール4は、燃料
ガスが通過可能な溝などの形状が設けられてシリンダ内
面35内を摺動可能とされたボール押圧部材6aと、ボ
ール押圧部材6aに、例えば円筒コイルばねからなる押
えばね6bにより弾性力を付勢して構成される等圧弁押
圧手段によって、等圧弁弁座34に押圧されている。押
えばね6bの下端部は、吐出弁本体30に係止されたス
トッパ7(等圧弁係止部材)によって支持されている。
【0023】ストッパ7は、図1および図2(a)に示
したように、押えばね6bの内径より小さい円筒軸状の
ばねガイド部7fを先端に備え、その後部にシリンダ内
面35に嵌合する円板状の円筒嵌合部7e(円筒状突
起)を備えている。さらにその後部には、径方向に張り
出されて先端が外径d4に丸められたつば部7c、7c
が設けられている。そしてストッパ7後端の中心部に
は、つば部7c、7cより後方に出っ張って設けられた
一辺の長さがDの正方形断面の突起からなる回り止め突
起部7gが形成されている。すなわち回り止め突起部7
gは、ストッパ7の中心軸から距離D/2の位置に平行
平面が2組互いに直交して設けられ、その一組がつば部
7c、7c上を横切った段差となっているものである。
【0024】つば部7c、7cと回り止め突起部7gを
合わせた厚みL2(図2(a))は、シリンダ内面35
の端部の段差と抜け止め突起部36、36の間に距離L
1と、L2<L1の関係にある。ストッパ7の内部には、
回り止め突起部7g側から中心軸に沿って延ばされ、ば
ねガイド部7fの中間部でT字状に分岐させられて、ス
トッパ7内に貫通されるストッパ内管路7aが設けられ
ている。
【0025】次に、本発明に係る燃料噴射ポンプの吐出
弁の組立方法を説明する。まず、等圧弁ボール4、ボー
ル押圧部材6a、押えばね6bを、この順に組み立て、
図1(a)に示すように吐出弁本体30内部に挿入す
る。次に、図2(a)に示したように、ストッパ7を、
抜け止め突起部36、36によって形成されたガイド面
に沿って、吐出弁本体30内に挿入していく。つば部先
端7dは、つば部ガイド面37に案内されて吐出弁本体
30の中心軸と同軸を保ちながら挿入することが可能で
ある。そして円筒嵌合部7eを、ガイド円筒面36b、
36b間を通過させながら、さらに奥に押し込むと、円
筒嵌合部7eが同径のシリンダ内面35に嵌合する。こ
の状態では、シリンダ内面35内に配置されている押え
ばね6b(図1(a))の端部が円筒嵌合部7eに当接
しているので、あとはストッパ7に適宜の力を加えて、
押えばね6bを圧縮しながら挿入する(図2(b))。
【0026】次に、回り止め突起部7gの端面を、抜け
止め突起部36、36の奥側の端面よりも奥に押し込
み、ストッパ7を90°回転させる。そこでストッパ7
を押し込むのをやめる。すると、ストッパ7が、押えば
ね6bの反力で押し戻されるが、ストッパ7の後部の中
心に設けられた幅Dの回り止め突起部7gの、1組の端
面が、それに嵌合しうる幅を備えるガイド平面36a、
36aの方向に揃っているから、ガイド平面36a、3
6aに案内されながら押し戻されて、嵌合する。そのた
めストッパ7は回り止め状態となる。一方、つば部7
c、7cは抜け止め突起部36、36に押圧されて、抜
け止めされた状態で吐出弁本体30に係止される(図2
(c))。なお、上記の手順を逆に行えば、等圧弁を分
解することができる。
【0027】以上に説明したように、本発明では、スト
ッパ7を押し込んで押えばね6bを圧縮し、つば部7
c、7cおよび回り止め突起部7gが抜け止め突起部3
6、36に係止されるまで回転させるだけで組み立てる
ことができ、その逆を行えば分解ができるので、ねじ締
結、かしめ、溶接、ピン打ち込みなどで必要となる装置
・工具類を用いる必要がなく、きわめて簡素かつ容易な
方法で組立分解を行うことができる。
【0028】さらに、かしめ、溶接、ピン打ち込みなど
と異なり、つばおよび突起同士の嵌合と押圧によって行
われるので、分解しても再組立が可能で何度でも再現性
よく再組立を繰り返すことができる。
【0029】また、このような構成により、押えばね6
bは所定長さに圧縮されて係止されるので、等圧弁ボー
ル4を押し下げるために必要な圧力は一定となり、組立
を繰り返しても不変であり、経時的にも変化することが
ない。
【0030】また、上記の構成によれば、ストッパ7を
押し込む後端側の端面に回り止め突起部7gを設けて、
ガイド平面36aと嵌合させて回り止めするから、回り
止めされた状態かどうかを挿入方向から視認することが
できる。その結果、回り止めされているか否かを確実に
確認することができるので、組立不良の発生を防止でき
る。
【0031】また、上記の構成によれば、等圧弁が吐出
弁本体30内に内蔵されているので、きわめてコンパク
トであり、小型エンジンの燃料噴射ポンプに好適な吐出
弁となっているものである。
【0032】次に、上記に説明した等圧弁の作用を説明
する。このような組立状態では、押えばね6bはボール
押圧部材6aとストッパ7との間に一定長で挟持される
ので、等圧弁ボール4は所定の押圧力で等圧弁弁座34
に当接している。したがって、貫通孔33aを介して円
筒面33b側に露出する等圧弁ボール4が燃料噴射後に
管路1bに発生する残圧によって、押えばね6bの押圧
力以上に押圧されるときは、等圧弁ボール4がシリンダ
内面35側に押し戻されて等圧弁が開放され、シリンダ
内面35、ストッパ内管路7aを通じて管路2bが連通
して、残圧が燃料圧送室側に逃され、圧が平衡に達した
ときは、等圧弁ボール4が円筒面33b側に押し戻され
て、等圧弁が閉鎖される。
【0033】このような等圧弁の動作は、等圧弁が吐出
弁本体30に係止して設けられているため、吐出弁本体
30の位置あるいは吐出弁の開閉状態には依存せず、単
に、円筒面33bとシリンダ内面35内の圧力差のみに
よって行われる。
【0034】一方、吐出弁の作用は、押えばね5によっ
て、吐出弁弁座2cにテーパ突起部31が押圧されて管
路を閉鎖するもので、周知のことがらであるので、説明
を省略する。
【0035】なお、上記の説明では、等圧弁を、テーパ
状の等圧弁弁座34に等圧弁部材として鋼球などからな
る等圧弁ボール4を当接させる例で説明したが、これは
等圧弁の構成の1例であって、組み合わせて所定の弁性
能が得られれば、等圧弁弁座34はテーパ状に限らず、
等圧弁部材も鋼球でなくてもよいことは言うまでもな
い。また、等圧弁は、吐出弁本体30の内部の中心軸上
に配置した例で説明したが、吐出弁本体30の内部にあ
れば同様の作用を有するので、中心軸からずれて配置さ
れていてもよい。
【0036】なお、上記の説明では、幅Dの平行スリッ
トに嵌合する回り止め突起部7gが正方形断面を有する
場合で説明したので、幅Dを備える平行面が正方形の2
組の対辺となり、回り止め突起部7gが90°回転して
嵌合位置を変えることができた。しかし、幅Dを備える
平行面が90°で交わる必要はなく、そのため回り止め
突起部7gは正方形断面に限られるものではない。例え
ばひし形断面であってもよい。さらに、回り止め突起部
7gの断面形状は幅Dに嵌合できる外形状であればどの
ようなものでもよく、例えば正方形などの一部に逃げ形
状などが設けられたものであってもよい。
【0037】なお、回り止め突起や回り止めガイドは、
それぞれの機能を果たせば、上記の形状に限らないこと
は言うまでもない。例えば、回り止め突起をつば部7c
上に設けたピン状突起とし、回り止めガイドを、そのピ
ン状突起が嵌合可能な貫通孔として抜け止め突起部36
に設けてもよい。
【0038】なお、上記の説明では、つば部7cと抜け
止め突起部36を一対ずつ設けた例で説明したが、十分
な強度で係止できれば、それぞれ一つずつを設けるよう
にしてもよい。そうすれば、吐出弁の寸法が小さい場合
でも組立やすくなる利点がある。
【0039】なお、上記の説明では、図1(a)に示し
たように、吐出弁が吐出弁保持部2と吐出弁押え蓋1に
挟まれて、燃料噴射ポンプの先端部に組み込まれたもの
として説明したが、従来例のように、吐出弁ホルダ10
に組み込まれて、ケーシング12に螺設されていてもよ
いことは言うまでもない。
【0040】
【発明の効果】以上に述べたように、請求項1に記載の
発明では、等圧弁係止部材が着脱自在だから、再組立や
分解が容易となり、修理やメンテナンスが容易となり、
製造工程において仮に組み付け不良が生じたとしても、
分解して再組立することで修理が可能となり、不良品と
して廃棄する必要がないから製造コストを抑えることが
できるという効果もする。
【0041】請求項2に記載の発明では、等圧弁係止部
材を所定角度位置に置いて軸方向奥側に移動させてか
ら、つば部を所定角度だけ回転させて抜け止め突起部に
係止させるとともに、回り止めガイドに回り止め突起を
係合させることにより、等圧弁係止部材を吐出弁本体に
回り止めして係止し、段付突起により等圧弁押圧手段を
押圧しながら係止することができるから、組立・分解が
容易であり、特殊な工具なども必要とせず、修理および
製造がきわめて容易となり、ひいては生産性の向上、製
造コストの低減が可能となるという効果を奏する。ま
た、組立・分解を繰り返しても係止位置の再現性がある
ので、等圧弁押圧手段の押圧力を一定に保つことがで
き、安定した弁性能を保持できるという効果を奏する。
【0042】請求項3に記載の発明では、抜け止め突起
部の突起先端が回り止めガイドとなっているので、軸方
向から回り止め突起部と回り止めガイドの係合状態を容
易に視認することができるので、なお一層組立が容易と
なるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る燃料噴射ポンプの吐出弁の実施
の形態を示す軸方向断面図および同A視の部分断面図で
ある。
【図2】 本発明に係る燃料噴射ポンプの吐出弁の組立
手順を説明するための、概略部分断面を示す斜視説明図
である。
【図3】 従来の燃料ポンプの吐出弁の一例を示す軸方
向断面図である。
【符号の説明】
1a ばね室 1b、2b 管路 2c 吐出弁弁座 4 等圧弁ボール(等圧弁部材) 5 押えばね 6a ボール押圧部材(等圧弁押圧手段) 6b 押えばね(等圧弁押圧手段) 7 ストッパ(等圧弁係止部材) 7c つば部 7e 円筒嵌合部7e(円筒状突起) 7g 回り止め突起部 8 燃料噴射ノズル 30 吐出弁本体 34 等圧弁弁座 36 抜け止め突起部 37 つば部ガイド面 38b 円筒突起

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料圧送室から噴射ノズルに至る間の噴
    射管路に設けられ、噴射管路を開閉する吐出弁本体に、
    噴射管路内圧を一定に保つための等圧弁を備えた燃料噴
    射ポンプの吐出弁であって、 前記吐出弁本体内部に貫通された管路に、噴射ノズル側
    から順に、 前記管路と一体的に設けられた等圧弁弁座と、 該等圧弁弁座に離接可能とされた等圧弁部材と、 該等圧弁部材を前記等圧弁弁座に所定圧で押圧する等圧
    弁押圧手段と、 該等圧弁押圧手段を前記吐出弁本体に係止する等圧弁係
    止部材とを備え、 該等圧弁係止部材が、前記吐出弁本体に着脱自在に係止
    されたことを特徴とする燃料噴射ポンプの吐出弁。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の燃料噴射ポンプの吐出
    弁において、 前記等圧弁係止部材には、 前記吐出弁本体の管路に嵌合して該管路の中心軸回りの
    回転と中心軸方向の移動を可能とする円筒状突起と、該
    管路の径方向に張り出されて前記中心軸方向の移動を規
    制するつば部と、前記円筒状突起の突出方向と逆側に設
    けられて前記中心軸回りの回転を規制する回り止め突起
    とが備えられ、 前記吐出弁本体の端部の管路内周部には、 前記等圧弁係止部材が所定角度位置にあるときに、前記
    等圧弁係止部材の前記中心軸方向への移動が可能とさ
    れ、前記等圧弁係止部材が所定角度だけ回転されたとき
    に、前記つば部と係合して、前記等圧弁係止部材の前記
    中心軸方向への移動が規制される抜け止め突起部が設け
    られ、 該抜け止め突起部には、 前記等圧弁係止部材が前記所定角度位置から所定角度だ
    け回転されたときに、前記回り止め突起と係合して、前
    記等圧弁係止部材の前記中心軸回りの回転が規制される
    回り止めガイドが設けられたことを特徴とする燃料噴射
    ポンプの吐出弁。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の燃料噴射ポンプの吐出
    弁において、 前記回り止めガイドが、前記抜け止め突起部の少なくと
    も一対の突起先端部から構成される平行スリットとさ
    れ、 前記回り止め突起が、前記吐出弁本体の外側に露出する
    端面中心部に設けられ、前記平行スリットに、回転方向
    の2つの角度位置で嵌合可能な少なくとも2組の平行面
    を備える突起からなることを特徴とする燃料噴射ポンプ
    の吐出弁。
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