JP2003293133A - 透明導電膜の製造方法および製造装置 - Google Patents

透明導電膜の製造方法および製造装置

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JP2003293133A
JP2003293133A JP2002104677A JP2002104677A JP2003293133A JP 2003293133 A JP2003293133 A JP 2003293133A JP 2002104677 A JP2002104677 A JP 2002104677A JP 2002104677 A JP2002104677 A JP 2002104677A JP 2003293133 A JP2003293133 A JP 2003293133A
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film
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JP2002104677A
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Keiko Toyosawa
圭子 豊澤
Kazunori Kawamura
和典 河村
Kazuaki Sasa
和明 佐々
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間にわたり安定した膜性能を得ることが
できる、イオンプレーティング法による透明導電膜の製
造装置を提供する。 【解決手段】 原料を蒸発または昇華させる原料蒸発装
置1と、原料蒸発装置とは独立に制御されるプラズマ発
生装置2と、プラズマ発生装置から発生したプラズマの
軌道および形状を制御する制御手段5と、原料蒸発装置
と対向して配置され原料蒸気がプラズマを横断して到達
することで透明導電膜が形成される基板Sと、製膜室内
に反応性ガスを導入するガス導入手段9を備えた、イオ
ンプレーティング法による透明導電膜の製造装置Aにお
いて、原料蒸気とプラズマの相互作用によって励起され
た原料蒸気の構成元素から生じる発光光の発光強度を監
視する発光モニター7と、発光モニターからの発光強度
に基づいて反応性ガス導入量を調整する制御装置8を設
けたことを特徴とする透明導電膜の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明導電膜の製造
方法および製造装置に関するものであり、さらに詳しく
はイオンプレーティング法により基板上に透明導電膜を
形成する際の製膜制御法および製膜制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】透明導電膜は、液晶ディスプレイ、有機
ELディスプレイ、タッチパネルなどにおける透明電極
として、広く用いられている。透明導電膜に要求される
電気的特性および光学的特性は、適応分野や適応部分に
よって異なるが、とくに液晶ディスプレイや有機ELデ
ィスプレイなどでは、高精細化、低消費電力化、大型化
が進み、透明導電膜の低抵抗率化、製膜プロセスの低温
化、生産性の高安定化などが強く望まれている。
【0003】透明導電膜としては、金、銀などの金属薄
膜や、インジウム酸化物(In2 3 )、スズ酸化物
(SnO2 )、またはこれらの混合物であるインジウム
・スズ複合酸化物(以下、ITOという)、酸化亜鉛
(ZnO)などの金属酸化物薄膜が知られている。この
うち、ITOに代表される金属酸化物薄膜は、透明性、
導電性などにすぐれており、広く用いられている。
【0004】このような透明導電膜は、真空蒸着法、ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、CVD(C
hemical Vapour Depositio
n)法などのドライプロセスによる製膜方法で、製造さ
れている。このうち、透明導電膜の高性能化に向けて、
イオンプレーティング法により、低抵抗率を有するIT
O膜を得る方法や装置が提案されている。このようなイ
オンプレーティング法では、製膜中に酸化物蒸発材料や
その蒸発粒子から離脱する酸素を補完したり、膜質を調
整する目的で、製膜室内に反応性ガスを導入して、透明
導電膜を製造するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、酸化物材料
を用いたイオンプレーティング法では、酸化物蒸着材料
自身や製膜室内部の各所に、酸素や水蒸気などの酸素原
子を含むガスが吸着しており、製膜中にこれらの吸着ガ
スが離脱し製膜領域に放出される。この放出ガス量は製
膜中に変動し、その結果、製膜室内の酸素分圧が変動す
る。ITO膜は、膜中に含まれる酸素量により、膜の比
抵抗や透過率が大きく変動することが知られており、上
述のように酸素分圧が変動すれば、所望の膜性能を安定
して得ることが難しいという問題がある。
【0006】とくに、長時間連続的に製膜を行う際に
は、上述のような製膜室内の雰囲気の変動は、生産性の
安定化に大きな問題となる。また、基板に有機高分子成
型物の長尺フィルムを用いた場合は、基板フィルムの走
行に伴って、基材から離脱する放出ガス量が刻々と変化
し、放出ガス量も無視できる量ではない。このため、製
膜中に一定量の反応性ガスを導入しても、製膜室内の雰
囲気が変動し、所望の膜性能を安定して連続的に得るこ
とが難しい。
【0007】本発明は、上記の事情に照らし、イオンプ
レーティング法による透明導電膜の製造に際し、長時間
にわたり安定した膜性能を得ることができる、透明導電
膜の製造方法および製造装置を提供することを目的とし
ている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、原料蒸発源から蒸発または昇華により原料
蒸気を発生させるとともに、原料蒸発源とは独立に制御
されるプラズマ発生源からプラズマを発生させ、反応性
ガスの導入下、原料蒸気がプラズマを横断して基板表面
に到達することで、基板上に透明導電膜を形成する、イ
オンプレーティング法による透明導電膜の製造方法にお
いて、原料蒸気とプラズマの相互作用によって励起され
た原料蒸気の構成元素から生じる発光光の強度を監視
し、構成元素の発光強度が所定の強度になるように、製
膜室内への反応性ガス導入量を制御することを特徴とす
る透明導電膜の製造方法を提供するものである。
【0009】また、本発明は、上記目的を達成するため
の製造装置として、原料を蒸発または昇華させる原料蒸
発装置と、原料蒸発装置とは独立に制御されるプラズマ
発生装置と、プラズマ発生装置から発生したプラズマの
軌道および形状を制御する制御手段と、原料蒸発装置と
対向して配置され原料蒸気がプラズマを横断して到達す
ることで透明導電膜が形成される基板と、製膜室内に反
応性ガスを導入するガス導入手段を備えた、イオンプレ
ーティング法による透明導電膜の製造装置において、原
料蒸気とプラズマの相互作用によって励起された原料蒸
気の構成元素から生じる発光光の発光強度を監視する発
光モニターと、発光モニターからの発光強度に基づいて
反応性ガス導入量を調整する制御装置を設けたことを特
徴とする透明導電膜の製造装置を提供するものである。
【0010】以下、本発明の透明導電膜の製造方法およ
び製造装置について、その構成要素ごとに、詳細に説明
することにする。本発明により製造する透明導電膜は、
主に、ITO、In2 3 、SnO2 、ZnOなどの金
属酸化物からなる薄膜である。本発明において、このよ
うな透明導電膜を形成するために用いる蒸発原料は、上
記したITO、ZnOなどの金属酸化物であり、形成す
る透明導電膜の構成元素を含むものであれば、とくに制
限されない。また、その形状も制限されるものではな
く、粉体、粒状物、ペレットなどが使用できる。
【0011】本発明において、原料蒸気を発生させるた
めの原料蒸発装置は、るつぼに載置された金属酸化物か
らなる原料を加熱により蒸発または昇華できる装置であ
ればよく、たとえば、電子ビーム加熱、抵抗加熱、高周
波誘導加熱、レーザービーム加熱などにより原料を蒸発
または昇華させる装置がある。電子ビーム加熱や抵抗加
熱による原料蒸発装置は、原料蒸発装置で形成される電
磁場が小さく局所的であるため、プラズマの軌道や形状
を制御するための制御手段に与える影響が小さく、かつ
原料の蒸発速度を容易に制御できるので、望ましい。
【0012】本発明において、プラズマを発生させるた
めのプラズマ発生装置は、原料蒸発装置の制御とは独立
して制御されるものである。つまり、製膜室内に発生す
る原料蒸気とプラズマは互いに独立して制御されるた
め、目的に応じて原料の蒸発速度を制御することがで
き、またこれとは独立して、プラズマの密度や形状など
を所望の状態に制御することが可能である。
【0013】このようなプラズマ発生装置は、原料蒸発
装置とは独立して制御できるものであればよく、たとえ
ば、直流放電方式プラズマ発生源、高周波放電方式プラ
ズマ発生源、ホローカソード電子銃、圧力勾配型プラズ
マガンなどを用いたものが、挙げられる。圧力勾配型プ
ラズマガンは、密度の非常に高いアーク放電型プラズマ
を発生させることができ、製膜領域からガン内部へのイ
オン逆流による損傷がないため、安定した放電を持続で
きるので、とくに好ましい。
【0014】また、プラズマ発生装置から発生したプラ
ズマを制御する手段には、収束コイルなどの電磁石やシ
ート磁石などの永久磁石を備えたものが挙げられる。こ
れらから生じる磁場を適宜調整することにより、プラズ
マの軌道や形状および密度分布などを所望の状態に制御
することができる。
【0015】本発明において、基板は、原料蒸発源と対
向して配置される。この基板として有機高分子成型物の
長尺フィルムを用いる場合、このフィルムの繰り出しロ
ールと巻き取りロールを備え、さらに製膜領域にメイン
ロールを設置して、フィルムの走行速度を適宜調整でき
るようにする。また、必要により加熱または冷却機構を
設置して、基板温度を制御してもよい。基板として使用
する有機高分子成型物は、透明性や耐熱性にすぐれてい
ることが望ましく、たとえば、ポリエチレンテレフタレ
ートなどのポリエステル系高分子、ポリオレフィン系高
分子、ポリカーボネート、ポリエーテルスルフォン、ポ
リアリレートなどの単一成分の高分子、共重合高分子、
エポキシ系フィルムなどが挙げられる。また、必要によ
り、基板にアンダーコートや背面コートを施したもので
もよい。
【0016】本発明において、原料蒸発源から発生した
原料蒸気は、プラズマ発生源から発生したプラズマを横
断して基板表面に到達するとともに、プラズマとの相互
作用により活性化や酸化などの反応が促進され、基板上
に透明導電膜を形成する。その際、蒸発原料やその蒸発
粒子から離脱する酸素を補完したり、膜質を調整する目
的で、必要量の反応性ガスを製膜室内に導入する。
【0017】本発明においては、上記導入する反応性ガ
スの量を微妙に制御することが重要である。製膜中に
は、製膜室内部の各所に吸着したガスが離脱する。ま
た、蒸発原料自身からも放出ガスが発生する。とくに、
蒸発原料にITOを用いた場合、製膜速度を上げるため
に原料蒸発速度を上昇させると、ITOは昇華性である
ため、スプラッシュが発生する場合もあり、製膜室内の
雰囲気が一時的に変化を生じやすい。また、基板に有機
高分子成型物の長尺フィルムを用いた場合は、基板から
離脱する放出ガス量が刻々と変化する。
【0018】ITO膜は、膜中に含まれる酸素量により
膜の比抵抗や透過率が大きく変動する。このため、上述
のように処理室内の雰囲気が変動すると、膜中に取り込
まれる酸素量の割合が変動し、形成される透明導電膜の
膜質に大きな影響を与える。したがって、上記のような
処理室内の雰囲気の変動を監視し、状況に応じて導入す
る反応性ガス量を微妙に制御する必要がある。
【0019】本発明においては、原料蒸気とプラズマと
の相互作用により生じる励起種から発生する発光光の強
度を監視することで、処理室内の雰囲気を監視する。処
理室内の酸素分圧は分圧真空計などでも監視できるが、
刻々と変動する雰囲気を監視するには、応答性のより早
い発光モニターがすぐれている。発光モニターでは、プ
ラズマとの相互作用によって励起された蒸発原料の構成
元素から、生じる発光光の強度を監視する。たとえば、
蒸発原料にITOを使用する場合は、構成元素であるI
nの発光強度(たとえば、λ=451.1nm)をモニ
タリングすればよい。
【0020】発光モニターで監視された発光光の強度情
報は、制御装置へ送られる。制御装置では、発光強度が
所定の強度となるように、反応性ガス導入装置のバルブ
開度を制御して、製膜室内への反応性ガス導入量を調整
する。反応性ガス導入装置には、一般的に用いられてい
るマスフローコントローラーやピエゾバルブなどを用い
ればよい。ピエゾバルブによると、より微量でかつ高速
に反応性ガス導入量を調整することができる。
【0021】これらの制御システムの代表例として、A
rdennne社製のPEM(プラズマエミッションモ
ニター)制御システムがある。このPEM制御システム
により、製膜室内への反応性ガス導入量を制御する手法
について、蒸発原料にITOを、反応性ガスに酸素を、
それぞれ用いて、説明する。まず、原料蒸発源からIT
O蒸気を発生させ、またプラズマ発生源からArプラズ
マを発生させる。製膜室内に酸素ガスを導入しない状態
で、発光モニターにてITO蒸気がプラズマを横断する
領域のIn発光強度(λ=451.1nm)を測定す
る。続いて、製膜室内に酸素ガスを導入すると、ITO
蒸気の酸化が促進されるため、Inの発光強度は低下す
る。
【0022】この関係を利用して、導入酸素ガス量の制
御は、酸素ガスを導入しない場合のIn発光強度に対す
る酸素ガスを導入した場合のIn発光強度の比率に着目
して行えばよい。つまり、制御装置にて、In発光強度
比率が低下するように指示を送れば、ガス導入装置が作
動し、製膜室内に酸素ガスが導入される。ここで、透明
導電膜の製造中に製膜室内部の各所や、蒸着原料、基板
などから放出されるガス量が変動すれば、それに伴い製
膜室内の酸素分圧が変動し、結果としてInの発光強度
も変動するため、発光モニターでInの発光強度を監視
することで、放出ガス量の変動を感知することができ
る。
【0023】制御装置では、発光モニターで測定された
発光強度を、酸素ガスを導入しない場合のIn発光強度
に対する比率に演算し、この比率を所望値に設定した目
標比率と比較し、その差に応じてガス導入装置のバルブ
開度を変化させて導入酸素量を調整し、発光強度が目標
値となるように制御する。本発明の上記制御方法によれ
ば、導入酸素量と放出ガス量の和により変化するITO
蒸気の酸化状態を常に一定に保つことができ、所望の膜
質を有するITO膜を常に安定して得ることが可能とな
る。
【0024】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて、図面を参考にして、説明する。図1は、本発明の
透明導電膜の製造装置の一例を示したものである。図に
おいて、透明導電膜の製造装置Aは、透明導電膜の形成
を行う製膜室A1と、基板搬送室A2とからなってい
る。
【0025】製膜室A1は、蒸発原料Mを加熱して原料
蒸気Vを発生させるための原料蒸発装置1と、製膜室A
1内にプラズマPを供給するための高周波放電励起方式
プラズマ発生源2を備えている。原料蒸発装置1に対向
して基板保持台10が配置され、原料蒸気Vがプラズマ
Pを横断して基板保持台10に保持された基板S上に到
達し、基板S上に透明導電膜が形成されるものである。
【0026】原料蒸発装置1は、蒸発原料Mを載置した
るつぼ1−1と、蒸発原料Mを加熱するための抵抗加熱
装置1−2を有している。また、プラズマ発生源2は、
コイルに高周波電力を印加してプラズマPを発生させる
ようになっており、収束コイル5から生じる磁場を調整
し、プラズマPの形状や密度分布を制御できるようにな
っている。つまり、収束コイル5がプラズマ制御手段を
構成している。
【0027】原料蒸気Vは、プラズマPを横断する際
に、プラズマPと相互作用を起こし、その一部が励起さ
れる。ここで、製膜室A1に設置された発光モニター7
を用いて、原料蒸気VがプラズマPを横断する領域を観
測し、励起された原料蒸気の構成元素から生じる発光光
の強度を測定する。この発光モニター7で監視された発
光光の強度情報は、制御装置8へ送られる。
【0028】制御装置8は、発光強度が所定の値となる
ように、反応性ガス導入装置9のバルブ開度を制御し、
製膜室A1内に導入する反応性ガス量を調整する。反応
性ガス導入量は、上述のように、制御装置8にて調整さ
れているので、原料蒸気Vの酸化などの反応は常に所望
の状態に保たれる。この過程を経て、原料蒸気Vは基板
S上に到達し、透明導電膜が安定的に形成される。
【0029】図2は、本発明の透明導電膜の製造装置の
他の例を示したものである。図において、透明導電膜の
製造装置Aは、透明導電膜の形成を行う製膜室A1と、
基板搬送室A2とからなっている。この基板搬送室A2
は、フィルム基板Wの繰り出しロール11と、巻き取り
ロール12とを有しており、フィルム基板Wの走行速度
を適宜調整できるようになっている。
【0030】製膜室A1は、蒸発原料Mを加熱して原料
蒸気Vを発生させるための原料蒸発装置1と、製膜室A
1内にプラズマPを供給するための圧力勾配型プラズマ
ガン3を備えている。また、原料蒸発装置1に対向して
メインロール13を配置し、原料蒸気VがプラズマPを
横断してメインロール13上を走行するフィルム基板W
上に到達し、透明導電膜が形成されるものである。
【0031】原料蒸発装置1は、蒸発原料Mを載置した
るつぼ1−1と、蒸発原料Mを加熱するための電子ビー
ムEを照射するための電子ビーム加熱装置1−3を有し
ている。また、圧力勾配型プラズマガン3により、圧力
勾配型プラズマガン3に対向して配置された反射電極4
との間にプラズマPが形成される。その際、収束コイル
5およびシート磁石6から生じる磁場を調整し、プラズ
マPの軌道や形状および密度分布などを制御できるよう
になっている。つまり、上記の収束コイル5とシート磁
石6とがプラズマ制御手段を構成している。
【0032】この例においても、前記の場合と同様に、
製膜室A1に設置された発光モニター7とこのモニター
で監視された発光光の強度情報を処理する制御装置8と
反応性ガス導入装置9とを連結して、これらによりPE
M制御システムを構成して、プラズマPとの相互作用に
より励起された原料蒸気Vの構成元素から生じる発光光
の強度が所定の値となるように、反応性ガス導入量を調
整する。これにより、フィルム基板W上に透明導電膜が
安定的に形成される。
【0033】つぎに、実際に、上記の図2に示す構成の
透明導電膜の製造装置を使用して、下記の方法により、
ITOからなる透明導電膜を製造した。基板には、厚さ
が75μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルムを使用した。蒸発原料には、粒状のITOを使用
した。電子ビーム加熱装置により、加速電圧10kV、
エミッション電流65mAにて、ITO蒸気を発生させ
た。また、圧力勾配型プラズマガンを用い、Arガスを
40sccm導入して、放電電流80Aでプラズマを発
生させた。
【0034】反応性ガスには、酸素ガスを用い、PEM
制御システムを用いて、ガス導入量を制御した。まず、
酸素ガスを導入しない状態で、プラズマにより励起され
たITO蒸気中のInの発光強度(λ=451.1n
m)を測定した。続いて、PEM制御システムにて、発
光強度比率を85%に保持したまま、一定時間連続して
透明導電膜の製造を行った。図3は、このように製造し
た透明導電膜に関し、製造時間の経過に対する抵抗値の
変化率を示したものである。この図から明らかなよう
に、上記方法により、連続して安定的に透明導電膜を製
造できることがわかった。
【0035】これに対して、比較のために、上記の透明
導電膜の製造方法において、ITO蒸気とプラズマは上
記と同じ条件で発生させ、PEM制御システムは用いず
に、マスフローコントローラーから一定量(5scc
m)の酸素を導入するようにして、透明導電膜を連続し
て製造してみた。図4は、このように製造した透明導電
膜に関し、製造時間の経過に対する抵抗値の変化率を示
したものである。この図から、上記方法では、膜の抵抗
値の変動が大きく、連続して安定的に透明導電膜を製造
できなかった。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、原料蒸
気とプラズマの相互作用によって励起された原料蒸気の
構成元素から生じる発光光の強度を監視し、構成元素の
発光強度が所定の強度になるように、製膜室内への反応
性ガス導入量を制御する構成としたことにより、製膜室
内部の各所や蒸着原料自身、基板などから離脱する放出
ガス量の変動に影響されることなく、所望の膜性能を有
する透明導電膜を長時間にわたって安定的に製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の透明導電膜の製造装置の一例を示す要
部概略断面図である。
【図2】本発明の透明導電膜の製造装置の他の例を示す
要部概略断面図である。
【図3】上記図2の製造装置を用いて製造した透明導電
膜に関して、製造時間の経過に対する抵抗値の変化率を
示す特性図である。
【図4】上記図2の製造装置におけるPEM制御システ
ムに代えて、マスフローコントローラーを用いて、一定
量の酸素を導入して製造した透明導電膜に関して、製造
時間の経過に対する抵抗値の変化率を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
A 製膜装置 A1 製膜室 A2 基板搬送室 P プラズマ M 蒸発原料 V 原料蒸気 S 基板 W フィルム基板 E 電子ビーム 1 原料蒸発装置 1−1 るつぼ 1−2 抵抗加熱装置 1−3 電子ビーム加熱装置 2 高周波放電励起方式プラズマ発生源 3 圧力勾配型プラズマガン 4 反射電極 5 収束コイル(プラズマ制御手段) 6 シート磁石(プラズマ制御手段) 7 発光モニター 8 制御装置 9 反応性ガス導入装置 10 基板支持台 11 繰り出しロール 12 巻き取りロール 13 メインロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々 和明 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA01 AA25 BA45 BC09 CA04 DD05 EA04 EA06 5G323 BA02 BB04 BC03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料蒸発源から蒸発または昇華により原
    料蒸気を発生させるとともに、原料蒸発源とは独立に制
    御されるプラズマ発生源からプラズマを発生させ、反応
    性ガスの導入下、原料蒸気がプラズマを横断して基板表
    面に到達することで、基板上に透明導電膜を形成する、
    イオンプレーティング法による透明導電膜の製造方法に
    おいて、原料蒸気とプラズマの相互作用によって励起さ
    れた原料蒸気の構成元素から生じる発光光の強度を監視
    し、構成元素の発光強度が所定の強度になるように、製
    膜室内への反応性ガス導入量を制御することを特徴とす
    る透明導電膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 プラズマ発生源に圧力勾配型プラズマガ
    ンを用いる請求項1に記載の透明導電膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板が有機高分子成型物の長尺フィルム
    である請求項1または2に記載の透明導電膜の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 原料を蒸発または昇華させる原料蒸発装
    置と、原料蒸発装置とは独立に制御されるプラズマ発生
    装置と、プラズマ発生装置から発生したプラズマの軌道
    および形状を制御する制御手段と、原料蒸発装置と対向
    して配置され原料蒸気がプラズマを横断して到達するこ
    とで透明導電膜が形成される基板と、製膜室内に反応性
    ガスを導入するガス導入手段を備えた、イオンプレーテ
    ィング法による透明導電膜の製造装置において、原料蒸
    気とプラズマの相互作用によって励起された原料蒸気の
    構成元素から生じる発光光の発光強度を監視する発光モ
    ニターと、発光モニターからの発光強度に基づいて反応
    性ガス導入量を調整する制御装置を設けたことを特徴と
    する透明導電膜の製造装置。
  5. 【請求項5】 プラズマ発生装置が圧力勾配型プラズマ
    ガンである請求項5に記載の透明導電膜の製造装置。
  6. 【請求項6】 基板が有機高分子成型物の長尺フィルム
    で、このフィルムの繰り出しロールと、巻き取りロール
    と、透明導電膜を形成する領域に設置されたメインロー
    ルを有する請求項4または5に記載の透明導電膜の製造
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006019654A (ja) * 2004-07-05 2006-01-19 Hitachi Chem Co Ltd 多層配線板およびその製造方法
CN110453175A (zh) * 2019-08-22 2019-11-15 中国科学院微电子研究所 一种氧化钒薄膜的制备方法

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