JP2003293048A - 樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法 - Google Patents

樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法

Info

Publication number
JP2003293048A
JP2003293048A JP2002105152A JP2002105152A JP2003293048A JP 2003293048 A JP2003293048 A JP 2003293048A JP 2002105152 A JP2002105152 A JP 2002105152A JP 2002105152 A JP2002105152 A JP 2002105152A JP 2003293048 A JP2003293048 A JP 2003293048A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal component
plating
resin
component
waste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002105152A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Suzuki
憲一 鈴木
Yoji Awano
洋司 粟野
Kazuya Sano
和也 佐野
Hisataka Tomita
久貴 富田
Masatoshi Tsutsui
将年 筒井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd, Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP2002105152A priority Critical patent/JP2003293048A/ja
Publication of JP2003293048A publication Critical patent/JP2003293048A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/20Waste processing or separation

Landscapes

  • Separation Of Solids By Using Liquids Or Pneumatic Power (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、銅メッキ膜とニッケルメッキ膜とが
混在する樹脂メッキ廃材について、銅成分を分離除去す
ることなく大量にかつ安価に銅とニッケルとを回収して
再資源化する方法を提供しようとするものである。 【解決手段】銅およびニッケルメッキ膜を有する樹脂メ
ッキ廃材において、メッキ膜を樹脂基材から分離してメ
ッキ膜成分の存在割合を高める金属成分富化混合物形成
工程と、この富化混合物を加熱溶解して銅−ニッケル合
金や、あるいは銅とニッケルとを必須成分とするアルミ
ニウム合金を得る金属成分回収工程とを組合わせて実施
することにより、樹脂メッキ廃材から安価に銅とニッケ
ルとを有用成分として回収することができる。これによ
り、従来リサイクル性が乏しく廃棄処分されていた銅と
ニッケルとを含む樹脂メッキ廃材と、一部のメッキスラ
ッジから銅とニッケルとを実用合金成分として回収する
ことが可能となり、省資源化の促進や、環境への負荷の
低減に寄与することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂基材上に銅メ
ッキ膜とニッケルメッキ膜とが混在する樹脂メッキ廃材
から少なくともメッキ膜成分である銅とニッケルとを回
収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家電リサイクル法が施行されて以来、従
来は回収や再利用は不可能であるとして廃棄処分されて
いた複合材についても、その有用成分の回収や資源化が
必要となってきている。
【0003】樹脂基材上に銅メッキ膜とニッケルメッキ
膜とを順にほぼ同等の厚さで積層し、さらにクロムメッ
キ膜を極薄く積層した樹脂メッキ製品が、自動車部品や
家電部品の分野で多く用いられている。その結果、製造
工程内および使用済みの製品からメッキ皮膜を有する樹
脂部材が廃材として排出される。しかし、これらの樹脂
メッキ廃材に含まれる有用金属成分は極めて少量である
ため金属元素として回収することは、技術的にもまた経
済的にも困難であった。そこで、現在ではステンレス鋼
などを製鋼する際の原料の一部として製鋼炉に投入して
ニッケルとクロムとをステンレスやその他の鋼材の添加
成分の一部として回収するという方法が採られている。
【0004】しかしながら、上記のような回収方法では
樹脂メッキ廃材中のニッケルとクロムは鋼材成分として
活用できるものの、銅は一部の鋼材を除いては添加忌避
成分として扱われているため樹脂メッキ廃材を大量に処
理することができなかった。一方、樹脂メッキ廃材に混
在する銅のみを分離除去するためには多大なコストがか
かり、現状では実用化されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の問題点に鑑みてなされたものであって、銅メッキ膜と
ニッケルメッキ膜とが混在する樹脂メッキ廃材につい
て、銅成分を分離除去することなく大量にかつ安価に回
収して再資源化する方法を提供しようとするものであ
る。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明の樹脂メッキ廃材
の金属成分回収方法は、樹脂基材表面に一体的に形成さ
れた銅メッキ膜と、ニッケルメッキ膜とを有する樹脂メ
ッキ廃材の金属成分回収方法において、メッキ膜成分の
存在割合を高める金属成分富化混合物形成工程と、その
後、この富化混合物を加熱溶解して銅とニッケルとを含
む合金を得る金属成分回収工程とからなることを特徴と
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂メッキ廃材の金属成
分回収方法は、樹脂基材表面に一体的に形成された銅メ
ッキ膜と、ニッケルメッキ膜とを有する樹脂メッキ廃材
の金属成分回収方法において、メッキ膜成分の存在割合
を高める金属成分富化混合物形成工程と、その後、この
富化混合物を加熱溶解して銅とニッケルとを含む合金を
得る金属成分回収工程とからなり、樹脂メッキ廃材の少
なくともメッキ膜成分である銅とニッケルとを回収する
ことを特徴とする。
【0008】本発明の樹脂メッキ廃材の樹脂基材は特に
限定されるものではなく、各種の樹脂メッキ製品に使用
されるABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ノリル樹脂
などのいかなるものであってもよい。また、メッキ膜は
少なくとも銅メッキ膜とニッケルメッキ膜とが混在した
ものであればよく、それらが積層膜状であってもまた
は、単一の合金メッキ膜であってもよい。さらに、銅と
ニッケルとの混在メッキ膜に第3の元素からなるメッキ
膜、例えば、クロムメッキ膜が混在するものであっても
よい。但し、第3の元素は、金属成分回収工程で最終的
に得られる合金の用途や特性によって混在量を考慮する
ことが望ましい。例えば、最終的に銅とニッケルとを含
むアルミニウム母合金を得るためには、クロムメッキ膜
の混在量は銅メッキ膜の付着重量の20重量%以下であ
ることが好ましい。
【0009】また、メッキ膜は通常の湿式メッキ法で形
成したものであっても、あるいは蒸着法やスパッタリン
グ法などの乾式メッキ法で形成されたものであってもよ
い。 (金属成分富化混合物形成工程)本発明の金属成分富化
混合物形成工程は、樹脂基材成分とメッキ成分とからな
る樹脂メッキ廃材中のメッキ膜成分の存在割合を高める
工程である。その方法は、樹脂基材成分を減量する方
法、あるいはメッキ膜成分である金属成分を増量する方
法、さらに樹脂基材成分を減量しかつ金属成分を増量す
る方法のいずれかの方法を採用することができる。この
ような金属成分富化混合物形成方法は特に限定されるも
のではないが、以下の方法が好適に用いられる。
【0010】樹脂基材成分を減量する方法では、樹脂メ
ッキ廃材を液体窒素などの極低温環境に接触させて樹脂
基材を低温脆化させた後破砕し、樹脂基材からメッキ膜
を剥離させ、その後樹脂とメッキ膜とを比重差選別法な
どによって分離することで樹脂基材の大部分を除去する
方法が適用できる。また、樹脂メッキ廃材を微粉砕し
て、その粉砕過程で樹脂基材からメッキ膜を分離した
後、ニッケルの磁性を利用して磁気選別し、金属成分富
化混合物を得る方法でもよい。
【0011】さらに、基材樹脂がABS樹脂などの熱可
塑性の樹脂である場合には、樹脂が溶融する温度でプレ
スすることにより樹脂を搾り出して除去する方法も好適
である。
【0012】これらの方法では、メッキ膜成分を主体と
した金属成分富化混合物には若干の樹脂成分が残存する
が、分離された樹脂基材成分は、樹脂原料あるいは燃料
として回収して再利用することができる。
【0013】また、樹脂メッキ廃材を炉中で燃焼または
蒸焼きとし、樹脂基材成分を熱回収しながらメッキ膜成
分の存在比率を高めて金属成分富化混合物を得ることも
できる。この方法は、樹脂メッキ廃材の金属成分富化混
合物形成工程として適用してもよく、また前述の各混合
物形成工程の方法に続けて実施してもよい。
【0014】さらに樹脂基材成分を減量しかつ金属成分
を増量する方法としては、樹脂メッキ廃材にこれらのメ
ッキ工程で発生する銅やニッケルを含む水酸化物を主体
としたスラッジを配合する方法を挙げることが出来る。
この方法は、樹脂メッキ廃材にスラッジを適当量配合し
て、樹脂メッキ廃材とスラッジの混在物を炉中で加熱す
ることにより、樹脂基材成分を減少させると同時に、そ
の化学還元力を利用してスラッジ中の水酸化物から金属
状態の銅やニッケルをメッキ膜成分とともに富化混合物
として得る方法である。スラッジの配合量は、樹脂メッ
キ廃材とスラッジとの合計重量を100重量%としたと
き、50重量%未満であることが望ましい。スラッジを
50重量%以上配合すると、還元が不十分となって好ま
しくない。本方法によれば、現状では特別な処理工程を
設けて金属成分を回収しているメッキスラッジのうち
で、少なくとも銅とニッケルを含有するスラッジについ
ては金属成分を回収することができ、これらについては
スラッジからの金属成分回収という単独の工程を設ける
必要がなくなる。
【0015】メッキスラッジには銅やニッケル以外にク
ロムメッキにより発生するスラッジもある。しかし、ク
ロムメッキのスラッジは、前記の樹脂による還元処理で
は金属クロムとして取出すことが困難であるためクロム
メッキスラッジの配合は好ましくない。
【0016】金属成分富化混合物形成工程により得られ
る混合物のメッキ膜成分含有量は、次工程である金属成
分回収工程の溶解抽出過程で支障が出ない範囲であれば
よい。しかし、通常は富化混合物の40重量%以上であ
ることが望ましく、好ましくは60重量%以上、さらに
好ましくは90重量%以上とするのがよい。富化混合物
のメッキ膜成分含有量が高ければ高いほど次工程である
金属成分回収工程でのメッキ膜成分の回収率が向上する
からである。 (金属成分回収工程)本発明の金属成分回収工程は、前
記金属成分富化混合物形成工程で得られた富化混合物を
加熱してメッキ膜成分を溶解し、銅とニッケルとを含む
合金を得る工程である。したがって、通常の金属溶解に
用いられる各種の方法を適用することができる。例え
ば、富化混合物形成工程で得られた富化混合物をアルミ
ナ製坩堝を用いた高周波加熱溶解炉に投入し、1400
℃程度で溶解した後、鋳型に注湯して銅とニッケルとを
主成分とする合金を得ることができる。この方法で得ら
れる銅−ニッケル合金は、熱電対材料あるいは耐食性材
料としての利用が期待できる。
【0017】また、富化混合物にアルミニウムまたはア
ルミニウム合金を配合して、さらに必要に応じてフッ化
物を含有する溶湯処理用などのフラックスを用いて75
0℃〜1000℃で溶解したのち、鋳型に注湯して銅お
よびニッケルを含有するアルミニウム合金を得る方法が
適用できる。この方法では加熱温度が比較的低く、エネ
ルギーコストが安い利点の他に、得られる銅とニッケル
とを含有するアルミニウム合金は、例えばエンジンピス
トン材などの母合金として使用することができる。
【0018】さらに、アルミニウムと富化混合物との配
合割合を調整することにより、直接組成規格を満足する
アルミニウム合金を得ることもできる。例えば、前記の
純アルミニウムに代えてAl−Si−Mg合金を適当量
配合すれば、エンジン部品用のアルミニウム鋳造合金で
あるAC8A相当合金を得ることができる。
【0019】これらのアルミニウム母合金や規格相当ア
ルミニウム合金は大量の需要が期待できる利点を有して
おり、特に好ましい方法である。
【0020】
【実施例】以下、試験例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0021】樹脂メッキ廃材としては、ABS基材に
銅、ニッケル、およびクロムメッキを施した自動車用部
品(フロントグリル、リアガーニッシュなど)を使用し
た。ここで平均的な各メッキ膜厚さは、銅:18μm、
ニッケル:16μm、クロム:0.2μmであり、樹脂
メッキ廃材に対するメッキ膜成分の割合は、樹脂メッキ
廃材を100重量%として約10重量%であった。メッ
キ膜の樹脂メッキ廃材に対する重量割合は、次のアセト
ン溶解法により確認した。すなわち、樹脂メッキ廃材を
アセトン溶液に浸漬して樹脂分を溶解除去してメッキ膜
のみを取出して秤量し、樹脂メッキ廃材に対する重量割
合を求めた。 (試験例1)加熱プレスにより富化混合物を形成し、富
化混合物に純アルミニウムを配合してアルミニウム合金
成分としてメッキ成分を回収した場合である。
【0022】上記のメッキ廃材2kgをプレス機に投入
し電気ヒータで180℃に加熱し樹脂が溶融した時点
で、10MPaの圧力で加熱プレスし、溶融状態の樹脂
を搾り出して、樹脂とメッキ膜成分とを分離した。残っ
た金属成分富化混合物を前記のアセトン溶解法で測定し
たところ、メッキ膜成分を40重量%含有していること
を確認した。次に、この富化混合物500gに純アルミ
ニウム(純度99.7%)を1kg配合して黒鉛坩堝へ
装入し、高周波加熱により900℃で10分間加熱溶解
した。得られた溶湯を舟形鋳型に流し込んで凝固させ、
1.14kgのアルミニウム合金塊を得た。アルミニウ
ム合金塊の組成はX線マイクロアナライザによって分析
した。
【0023】アルミニウム合金は、Cuを7.9重量%
(以下、%は重量%である)、Niを5.2%、Crを
0.05%含有し、投入した樹脂メッキ廃材のメッキ膜
成分の回収率は75%であった。ここで、回収率は金属
成分富化混合物中のメッキ成分に対する回収率で、次の
ようにして求めた。なお、試験例2〜10についても回
収率は同様の方法とした。
【0024】a:金属成分富化混合物中のメッキ膜成分
=500g×0.40=200g b:アルミニウム合金中のメッキ膜成分=1140g×
(0.079+0.052+0.0005)=150g 回収率(%)=b/a×100=150/200×10
0=75 (試験例2)メッキ廃材30kgをカッターミルで粉砕
した。粉砕された樹脂メッキ廃材は粒径が0.5〜2m
m程度であり、さらに磁気選別して金属成分富化混合物
を得た。試験例1と同様に測定したところ、富化混合物
中のメッキ膜成分の含有率は65重量%であった。次
に、富化混合物500gをアルミナ坩堝に装入して高周
波加熱により1400℃で溶解し、283gの合金塊を
得た。得られた合金塊は銅−ニッケル合金で、X線マイ
クロアナライザで分析したところ、61.2%Cu−3
7.9%Ni−0.08%Crであり、メッキ膜成分の
回収率は87%であった。 (試験例3)試験例2と同様にメッキ廃材を粉砕後磁気
選別して富化混合物を得、次に富化混合物500gに純
アルミニウム1kgを配合して黒鉛坩堝へ装入し、高周
波加熱により900℃で10分間加熱溶解した。得られ
た溶湯を舟形鋳型に流し込んで凝固させ、Al−15.
5%Cu−9.8%Ni−0.1%Crのアルミニウム
合金塊1.13kgを得た。メッキ膜成分の回収率は、
試験例2とほぼ同等の88%であった。 (試験例4)試験例2と同様にメッキ廃材を粉砕後磁気
選別して一次富化混合物を得、さらにこの一次富化混合
物にスラッジを配合して燃焼還元し、二次富化混合物を
得た。
【0025】スラッジは、樹脂のメッキ工程で銅および
ニッケルをメッキした際に発生するスラッジを乾燥させ
たものである。スラッジの組成の概略は、銅の水酸化物
23重量%、ニッケルの水酸化物77重量%であり、金
属成分としての銅とニッケルとの重量比率は、ほぼ1:
3であった。
【0026】一次富化混合物1kgに上記のメッキスラ
ッジ200gを配合して電気炉中で800℃、30分間
の加熱還元処理を施して二次富化混合物720gを得
た。一次富化混合物からのメッキ成分の回収率は、6
0.0%であり、また二次富化混合物に対する金属成分
の含有割合は97重量%であった。
【0027】次に、この二次富化混合物500gをアル
ミナ坩堝に装入して高周波加熱により1400℃で溶解
し、450gの合金塊を得た。得られた合金塊は、銅−
ニッケル合金であり組成は、60.3%Cu−39.0
%Ni−0.03%Crであった。メッキ膜成分とスラ
ッジ中の金属成分とを総合したメッキ金属成分の回収率
は93%であった。 (試験例5)試験例4と同様にして二次富化混合物を得
た。次に、二次富化混合物500gに純アルミニウム1
kgを配合して黒鉛坩堝へ装入し、高周波加熱により9
00℃で10分間加熱溶解した。得られた溶湯を舟形鋳
型に流し込んで凝固させ、Al−23.5%Cu−1
5.2%Ni−0.14%Crのアルミニウム合金塊
1.125kgを得た。メッキ膜及びスラッジ成分を総
合した回収率は、試験例4とほぼ同等の90%であっ
た。なお、スラッジからの金属成分の回収率は、75重
量%程度と推定される。 (試験例6)メッキ廃材5kgを液体窒素(−195.
8℃)で10秒間冷却して取出しハンマーミルで破砕
し、比重差選別により富化混合物を得た。比重差選別
は、破砕したメッキ廃材を比重1.3の水ガラス溶液中
に投入し、1分間鎮静して樹脂と富化混合物とに分離し
た。富化混合物中のメッキ膜成分の含有量は93重量%
であった。
【0028】この富化混合物500gをアルミナ坩堝に
装入して高周波加熱により1400℃で溶解し440g
の合金塊を得た。得られた合金塊は、銅−ニッケル合金
で組成は、61.5%Cu−37.6%Ni−0.08
%Crであった。メッキ膜成分の回収率は95%であっ
た。
【0029】(試験例7)試験例6と同様の方法で富化
混合物を得た。次に、富化混合物500gに純アルミニ
ウム1kgを配合して黒鉛坩堝へ装入し、高周波加熱に
より900℃で10分間加熱溶解した。得られた溶湯を
舟形鋳型に流し込んで凝固させ、Al−22.5%Cu
−14.6%Ni−0.18%Crのアルミニウム合金
塊1.18kgを得た。メッキ膜成分の回収率は、試験
例6とほぼ同等の92%であった。
【0030】(試験例8)試験例6と同様の方法で富化
混合物を得た。次に、富化混合物23gに試験例7の純
アルミニウムに代えてAl−12%Si−1%Mg合金
1kgを配合して黒鉛坩堝へ装入し、高周波加熱により
750℃で10分間加熱溶解した。得られた溶湯を舟形
鋳型に流し込んで凝固させ、Al−11.9%Si−
1.0%Mg−1.3%Cu−0.8%Niのアルミニ
ウム合金塊0.98kgを得た。メッキ膜成分の回収率
は、97%であった。
【0031】ここで得られたアルミニウム合金塊の組成
はJIS H 5202アルミニウム合金鋳物で規定す
るAC8Aの規格を満足するものである。図1に本試験
例で得られた金属組織の金属顕微鏡観察結果と市販のA
C8A材の金属組織の金属顕微鏡観察結果とを示す。 (試験例9)第1工程である金属成分富化混合物形成工
程を設けなかった場合である。すなわち、メッキ廃材を
カッターミルで粉砕して0.5〜2mmの粉末状とな
し、そのまま500gをアルミナ坩堝に装入して高周波
加熱により溶解を試みた。粉砕した樹脂メッキ廃材のメ
ッキ膜成分の含有量は10重量%と少ないために高周波
の吸収効率が極めて悪く、メッキ膜成分を溶解すること
はできなかった。従って、メッキ膜成分の回収はできな
かった。 (試験例10)試験例9と同様に富化混合物形成工程を
設けないで、アルミニウムを配合した場合である。すな
わち、粉砕したメッキ廃材500gに純アルミニウム1
kgを配合して黒鉛坩堝へ装入し、高周波加熱により9
00℃で10分間加熱溶解した。この場合には先に溶融
するアルミニウムへのメッキ膜成分の溶け込みが悪く、
また大量の残渣が発生した。得られた溶湯を舟形鋳型に
流し込んで凝固させたところ、Al−0.9%Cu−
0.5%Niのアルミニウム合金塊0.89kgが得ら
れたが、粉砕したメッキ廃材からのメッキ膜成分の回収
率は25%と極めて低いものであった。
【0032】以上の各試験例の試験条件と得られた合金
の合金組成、およびメッキ膜成分の回収率を表1に示
す。
【0033】試験例1〜8に示した本発明の方法では、
まず第1工程で金属成分富化混合物を形成し、しかる後
に富化混合物を加熱溶解してしてメッキ膜成分を取出す
2段階の工程からなるために、メッキ膜成分を極めて高
い割合で回収することができる。しかし、試験例9およ
び10に示したように、富化混合物形成工程を施さない
で直接第2工程である金属成分回収工程のみを実施して
も、メッキ膜成分の回収率を向上させることは困難であ
ることが確認された。また、試験例8では金属成分回収
工程で、Al−Si−Mg合金を用い、規格合金である
AC8Aの組成に合わせて富化混合物を配合した。その
結果市販のAC8A材と同等の合金塊を得ることがで
き、そのままピストン材などの実用合金とすることがで
きる。
【0034】さらに、試験例4および5では、富化混合
物形成工程で製品のメッキ処理工程で発生するスラッジ
を配合し、焼成することによってその化学的な還元力を
利用してメッキ膜成分の富化割合を高めるとともに、メ
ッキスラッジからの有効成分の回収をも同時に実現する
ことができた。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】銅およびニッケルメッキ膜を有する樹脂
メッキ廃材において、メッキ膜を樹脂基材から分離して
メッキ膜成分の存在割合を高める金属成分富化混合物形
成工程と、この富化混合物を加熱溶解して銅−ニッケル
合金や、あるいは銅とニッケルとを必須成分とするアル
ミニウム合金を得る金属成分回収工程とを組合わせて実
施することにより、樹脂メッキ廃材から安価に銅とニッ
ケルとを有用成分として回収することができる。これに
より、従来リサイクル性が乏しく廃棄処分されていた銅
とニッケルとを含む樹脂メッキ廃材と、一部のメッキス
ラッジから銅とニッケルとを実用合金成分として回収す
ることが可能となり、省資源化の促進や、環境への負荷
の低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】a.試験例8の金属組織、b.市販のAC8A
規格合金の金属組織
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 5/00 C22B 23/02 C22B 15/00 C22C 1/02 501Z 23/02 9/06 C22C 1/02 501 21/02 // C22C 9/06 21/12 21/02 B09B 3/00 303E 21/12 Z 5/00 C Q (72)発明者 鈴木 憲一 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 粟野 洋司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 佐野 和也 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 富田 久貴 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 筒井 将年 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 4D004 AA07 AA21 AA50 BA05 CA03 CA04 CA09 CA10 CA29 CB11 CB15 CB33 DA03 DA10 4D071 AA43 DA15 4K001 AA09 AA19 BA22 CA03 CA04 FA00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂基材表面に一体的に形成された銅メッ
    キ膜と、ニッケルメッキ膜とを有する樹脂メッキ廃材の
    金属成分回収方法において、 前記メッキ膜成分の存在割合を高める金属成分富化混合
    物形成工程と、 その後に該混合物を加熱溶解して銅とニッケルとを含む
    合金を得る金属成分回収工程と、を有することを特徴と
    する樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法。
  2. 【請求項2】前記金属成分富化混合物形成工程は、前記
    樹脂基材成分を減量する方法、前記金属成分を増量する
    方法、あるいは、前記樹脂基材成分を減量しかつ前記金
    属成分を増量する方法、のいずれかである請求項1に記
    載の樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法。
  3. 【請求項3】前記樹脂基材成分を減量する方法は、前記
    樹脂メッキ廃材を粉砕して前記金属成分を磁気選別又は
    比重差選別する方法、前記樹脂メッキ廃材を加熱プレス
    して前記樹脂基材成分を分離する方法、あるいは前記樹
    脂メッキ廃材を炉中で燃焼又は蒸焼きにして前記金属成
    分富化混合物を得る方法のいずれかである請求項2に記
    載の樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法。
  4. 【請求項4】前記樹脂基材成分を減量しかつ前記金属成
    分を増量する方法は、前記樹脂メッキ廃材に、該樹脂メ
    ッキ製品のメッキ工程から排出される前記金属成分を含
    有するスラッジを配合する方法である請求項2に記載の
    樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法。
  5. 【請求項5】前記金属成分富化混合物は、該金属成分富
    化混合物を100重量%としたとき前記金属成分が40
    重量%以上である請求項2に記載の樹脂メッキ廃材の金
    属成分回収方法。
  6. 【請求項6】前記金属成分回収工程は、前記金属成分富
    化混合物を高周波加熱溶解する工程である請求項1から
    5のいずれかに記載の樹脂メッキ廃材の金属成分回収方
    法。
  7. 【請求項7】前記金属成分回収工程は、前記金属成分富
    化混合物にアルミニウムあるいはアルミニウム合金を配
    合して前記金属成分を含有するアルミニウム合金を得る
    工程である請求項1から5のいずれかに記載の樹脂メッ
    キ廃材の金属成分回収方法。
  8. 【請求項8】前記金属成分回収工程で得られる前記合金
    は、Cu−Ni合金である請求項6に記載の樹脂メッキ
    廃材の金属成分回収方法。
  9. 【請求項9】前記金属成分回収工程で得られる前記合金
    は、Al−Cu−Ni−Cr合金である請求項7に記載
    の樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法。
  10. 【請求項10】前記配合するアルミニウム合金は、Al
    −12%Si−1%Mgである請求項7に記載の樹脂メ
    ッキ廃材の金属成分回収方法。
  11. 【請求項11】前記金属成分回収工程で得られる前記合
    金は、鋳物用AC8A材である請求項7または10に記
    載の樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法。
JP2002105152A 2002-04-08 2002-04-08 樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法 Pending JP2003293048A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002105152A JP2003293048A (ja) 2002-04-08 2002-04-08 樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002105152A JP2003293048A (ja) 2002-04-08 2002-04-08 樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003293048A true JP2003293048A (ja) 2003-10-15

Family

ID=29243105

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002105152A Pending JP2003293048A (ja) 2002-04-08 2002-04-08 樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003293048A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009087908A1 (ja) 2008-01-10 2009-07-16 Shibaura Institute Of Technology 有用金属のリサイクル方法
JP2015151818A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 株式会社アレン スラブ式軌道の補修方法
CN105154919A (zh) * 2015-10-14 2015-12-16 池州西恩新材料科技有限公司 一种从铜镍合金中回收铜、镍的工艺
KR101768048B1 (ko) 2016-11-25 2017-08-16 성일하이메탈(주) 저품위 동 슬러지 브리켓 제조방법, 이에 따라 제조된 브리켓 및 이의 제조장치
CN107460321A (zh) * 2017-08-04 2017-12-12 浙江正道环保科技有限公司 一种金属镀层塑料退镀的方法
CN110835701A (zh) * 2019-11-01 2020-02-25 昆明理工大学 一种利用硅废料制备铝硅合金的方法
CN112095020A (zh) * 2020-08-21 2020-12-18 安兴环境技术有限公司 一种从废催化剂中回收贵金属的方法
CN112921194A (zh) * 2021-01-25 2021-06-08 佛山市辰辉金属科技有限公司 一种由废铝制备高性能目标成分再生铝合金的方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009087908A1 (ja) 2008-01-10 2009-07-16 Shibaura Institute Of Technology 有用金属のリサイクル方法
US8317896B2 (en) 2008-01-10 2012-11-27 Shibaura Institute Of Technology Method of recycling useful metal
JP2015151818A (ja) * 2014-02-18 2015-08-24 株式会社アレン スラブ式軌道の補修方法
CN105154919A (zh) * 2015-10-14 2015-12-16 池州西恩新材料科技有限公司 一种从铜镍合金中回收铜、镍的工艺
KR101768048B1 (ko) 2016-11-25 2017-08-16 성일하이메탈(주) 저품위 동 슬러지 브리켓 제조방법, 이에 따라 제조된 브리켓 및 이의 제조장치
CN107460321A (zh) * 2017-08-04 2017-12-12 浙江正道环保科技有限公司 一种金属镀层塑料退镀的方法
CN107460321B (zh) * 2017-08-04 2019-05-03 浙江正道环保科技有限公司 一种金属镀层塑料退镀的方法
CN110835701A (zh) * 2019-11-01 2020-02-25 昆明理工大学 一种利用硅废料制备铝硅合金的方法
CN112095020A (zh) * 2020-08-21 2020-12-18 安兴环境技术有限公司 一种从废催化剂中回收贵金属的方法
CN112921194A (zh) * 2021-01-25 2021-06-08 佛山市辰辉金属科技有限公司 一种由废铝制备高性能目标成分再生铝合金的方法
CN112921194B (zh) * 2021-01-25 2021-11-30 佛山市辰辉金属科技有限公司 一种由废铝制备高性能目标成分再生铝合金的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Puga et al. Recycling of aluminium swarf by direct incorporation in aluminium melts
CN101514409B (zh) 原位Mg2Si颗粒增强金属基复合材料的制备方法
CN106916978B (zh) 一种用晶体硅的金刚线切割废料浆制备含硅合金的方法
US11939644B2 (en) Method for regenerating copper-containing aluminum alloy from aluminum alloy scrap
CN1699612A (zh) 一种高强度高韧性铸造镁合金及其制备方法
CN107134603B (zh) 一种废锌锰电池的回收利用方法
JP2003293048A (ja) 樹脂メッキ廃材の金属成分回収方法
CN108330362A (zh) 一种低孔隙率的高强耐热铸造铝铜合金及制备工艺
JP2007002318A (ja) 粒界析出型マグネシウム合金屑からの超塑性マグネシウム合金製造方法
CN116377289A (zh) 适于钎焊的高压铸造铝合金
CN109468497A (zh) 一种高导热铝合金材料及废铝回收制备该材料的方法
CN116377288A (zh) 可用于钎焊的高压铸造铝合金
Liu et al. Effect of limestone ores on grain refinement of as-cast commercial AZ31 magnesium alloys
EP3921449A1 (en) Aluminum alloys for structural high pressure vacuum die casting applications
US20090311123A1 (en) Method for producing metal alloy and intermetallic products
CN101838759A (zh) 一种4032合金的变质剂及其使用方法
CN101082093B (zh) 废泡沫铝重熔循环利用的方法
CN116640943A (zh) 适于钎焊的高压铸造铝合金的制作方法
CN116377262A (zh) 可用于钎焊的高压铸造铝合金的制作方法
CN105908020A (zh) 一种铝-钨复合材料的制备方法
CN106834876B (zh) 一种含高比例回炉料铝合金用精炼剂及其使用方法
CN103045883A (zh) 用废铜包铝导线熔炼铝铜中间合金的方法
WO1997008350A1 (fr) Additif constitutif pour alliage d'aluminium
ES2801548T3 (es) Fabricación de aditivos metalúrgicos de ley para la siderurgia, fundiciones y el sector de los no ferrosos
JP2004339542A (ja) 希土類−遷移金属合金のリサイクル方法