JP2003292835A - インクセット、及びこれを用いたインクジェット記録物の製造方法 - Google Patents

インクセット、及びこれを用いたインクジェット記録物の製造方法

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JP2003292835A
JP2003292835A JP2002097674A JP2002097674A JP2003292835A JP 2003292835 A JP2003292835 A JP 2003292835A JP 2002097674 A JP2002097674 A JP 2002097674A JP 2002097674 A JP2002097674 A JP 2002097674A JP 2003292835 A JP2003292835 A JP 2003292835A
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ink
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JP2002097674A
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Shuichi Kataoka
修一 片岡
Kiyohiko Takemoto
清彦 竹本
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット記録において、記録物の発色
性及び光沢性に優れた高品質な画像を得る。 【解決手段】 水と、カチオン性樹脂ち、ポリマー微粒
子とを含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成
物と、少なくともイエローインク組成物と、マゼンタイ
ンク組成物と、シアンインク組成物とを備えるインクセ
ットを用いて記録を行う。ポリエチレンイミンの重量平
均分子量(Mw)は10万以下であることが好ましい。
インクセットは、さらにレッドインク組成物、バイオレ
ットインク組成物を備えていてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクセット、イ
ンクカートリッジ、及びインクジェット記録物の製造方
法に関し、特に、記録画像の発色性及び光沢性に優れた
記録物を提供し得る、インクセット等に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方法は、インク組成
物の小滴を飛翔させ、これを紙等の記録媒体に付着させ
て記録を行う印刷方法である。この方法は、比較的安価
な装置を用いながら、解像度が高く鮮明な画像を高速に
印刷することができるという特徴を有する。
【0003】従来より、このインクジェット記録方法に
よる記録に用いるためのインク組成物を備えたインクセ
ットが種々提案されている。
【0004】近年は、より高品位な記録画像への要求が
高まってきており、このため、記録画像の発色性及び光
沢性を一層向上させる種々の工夫がなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、記録画
像の発色性及び光沢性に十分優れた記録物は提供されて
いない。
【0006】例えば、水性顔料インクにポリエチレンイ
ミンを含有させる旨が、特開平6−329964号、特
開平10−36726号、特開平10−60352号等
において提案されているが、この方法では、記録画像の
発色性及び光沢性を十分に向上させることができないと
いう問題がある。
【0007】このように、着色剤を含んだインク組成物
中に添加物を入れてインク組成物の組成を工夫する手法
では、記録媒体へのインク組成物の打ち込み量や、各イ
ンク組成物に含まれる着色剤の種類・量等によって、記
録画像の発色性や光沢度が変化してしまい、優れた発色
性や均一な光沢性が得られないという問題もある。
【0008】また、このようなインク組成物の組成を工
夫する手法では、インク組成物を打ち込まない非印字部
分や低duty部分の光沢性を向上させることができないと
いう問題もある。
【0009】従って、本発明の目的は、記録画像の発色
性及び光沢性に優れた記録物を提供し得る、インクセッ
ト、インクカートリジ、及びインクジェット記録物の製
造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、水と、カチオン性樹脂と、ポリマー微粒子とを
含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、
少なくともイエローインク組成物と、マゼンタインク組
成物と、シアンインク組成物とを備えるインクセットを
用いることにより、記録画像の発色性及び光沢性に優れ
た記録物が得られることを知見した。
【0011】すなわち、本発明のインクセットは、水
と、カチオン性樹脂と、ポリマー微粒子とを含み、か
つ、着色剤を含まないクリアインク組成物と、少なくと
もイエローインク組成物と、マゼンタインク組成物と、
シアンインク組成物とを備えることを特徴とする。
【0012】上記おいては、さらに、色相角が前記イエ
ローインク組成物及び前記マゼンタインク組成物の混合
色の色相角であるレッドインク組成物を備えることが好
ましい。
【0013】上記においては、さらに、色相角が前記マ
ゼンタインク組成物及び前記シアンインク組成物の混合
色の色相角であるバイオレットインク組成物を備えるこ
とが好ましい。
【0014】上記においては、さらに、ブラックインク
組成物を備えてもよい。
【0015】さらに、本発明者は、鋭意検討した結果、
前記ポリマー微粒子として特定の物性を有するものを用
いることにより、記録画像の非印字部分及び低duty部分
における光沢性が著しく向上し、優れた記録物が得られ
ることを知見した。
【0016】前記ポリマー微粒子は、クリアインク組成
物中においてエマルジョンを形成し、平均粒子径が70
nm以上であることが好ましい。
【0017】前記ポリマー微粒子のガラス転移温度(T
g;JIS K6900に従い測定)は20℃以下であ
ることが好ましい。
【0018】前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MF
T)が20℃以下であることが好ましい。
【0019】前記ポリマー微粒子の重量平均分子量(M
w)は10万以上、100万以下であることが好まし
い。
【0020】前記ポリマー微粒子の含有量はクリアイン
ク組成物中0.1重量%以上、5.0重量%以下である
ことが好ましい。なお、ここでいうポリマー微粒子の重
量は、固形分換算量である。
【0021】前記カチオン性樹脂は、アミノ基含有樹脂
であってもよい。
【0022】前記カチオン性樹脂は、ポリエチレンイミ
ンであることが好ましい。
【0023】前記ポリエチレンイミンは、下記一般式
(1)で表わされる繰り返し単位を少なくとも一種含む
高分子であることが好ましい。
【0024】
【化2】 (式(1)中、Rは水素、置換されていてもよいアルキ
ル基、置換されていてもよいアリール基、置換されてい
てもよいピリジル基、置換されていてもよいアルキルア
ミノ基、又は置換されていてもよいヒドラジノ基であ
る。) 前記ポリエチレンイミンの重量平均分子量(Mw)は1
0万以下であることが好ましい。
【0025】前記カチオン性樹脂は、ジメチルアミノエ
チル−メタクリレート(DM)、メタクリロイロキシエ
チル−トリメチルアンモニウム−クロライド(DM
C)、メタクリロイロキシエチル−ベンジルジメチル−
アンモニウムクロライド(DMBC)、ジメチルアミノ
エチル−アクリレート(DA)、アクリロイロキシエチ
ル−トリメチルアンモニウム−クロライド(DMQ)、
アクリロイロキシエチル−ベンジルジメチル−アンモニ
ウムクロライド(DABC)、ジメチルアミノプロピル
−アクリルアミド(DMAPAA)、及びアクリルアミ
ドプロピル−トリメチルアンモニウム−クロライド(D
MAPAAQ)の少なくとも一つからなる単一モノマー
重合体又は複数種のモノマーの共重合体であることが好
ましい。このようにカチオン性樹脂がアクリル系水溶性
モノマーを含む重合体である場合においても、記録画像
の発色性及び光沢性を有効に向上させることができる。
【0026】また、前記カチオン性樹脂は、ポリビニル
アミン、ポリアミドポリアミン、ポリアミジン、ポリジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ポリジメチルアミ
ノエチルアクリレートであってもよい。
【0027】前記カチオン性樹脂の含有量は、クリアイ
ンク組成物中、好ましくは0.1重量%以上、30.0
重量%以下である。
【0028】上記クリアインク組成物の表面張力は15
dyn/cm以上、45dyn/cm以下であることが好ましい。
【0029】上記インクセットは、インクジェット記録
に用いられる。
【0030】本発明のインクカートリッジは、上記イン
クセットを収容したものである。
【0031】また、本発明のインクジェット記録物の製
造方法は、上記インクセットを用いて、各インク組成物
を記録媒体に付着させて記録を行うものである。
【0032】また、本発明のインクジェット記録物の製
造方法は、上記インクセットを用いて、各インク組成物
を記録媒体に付着させて記録を行い、次いで、前記ポリ
マー微粒子のガラス転移温度以上の温度にて記録面を加
熱処理することを特徴とする。
【0033】これらの記録物の製造方法を用いることに
より、記録画像の発色性及び光沢性に優れた記録物を得
ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクセットの好
ましい実施形態について説明する。
【0035】本発明のインクセットは、水と、カチオン
性樹脂と、ポリマー微粒子とを含み、かつ、着色剤を含
まないクリアインク組成物と、少なくともイエローイン
ク組成物と、マゼンタインク組成物と、シアンインク組
成物とを備える。
【0036】本発明のインクセットは、クリアインク組
成物をカラーインク組成物と別に備えているので、これ
を用いて記録することにより、発色性及び光沢性に優れ
た記録画像を得ることができる。特に、専用紙において
カラーインクの光沢性を著しく向上させることができ
る。カラーインク組成物による非印字部分及び低duty部
分にクリアインク組成物を印字することにより、非印字
部分及び低duty部分の光沢性を向上させることができ
る。また、クリアインク組成物を印字することにより、
カラーインク組成物を均一に付着させることができ発色
性が向上する。特に、普通紙において白ぬけを防止する
ことができるとともに、低明度・高彩度を実現できるの
で色再現性が著しく向上する。色再現性が向上するた
め、普通紙に付着させるカラーインク重量又はカラーイ
ンクの顔料含有量を低減させることができる。したがっ
て、本発明のインクセットを用いることにより、専用紙
における光沢性向上と普通紙における発色性向上とを同
時に実現することができる。
【0037】上記おいては、さらに、色相角が前記イエ
ローインク組成物及び前記マゼンタインク組成物の混合
色の色相角であるレッドインク組成物を備えることが好
ましい。
【0038】上記においては、さらに、色相角が前記マ
ゼンタインク組成物及び前記シアンインク組成物の混合
色の色相角であるバイオレットインク組成物を備えるこ
とが好ましい。
【0039】レッドインク組成物やバイオレットインク
組成物を備えることにより、粒状性に優れたインクセッ
トを得ることができる。これは、マゼンタやシアンは顔
料固形分の含有量が低いことに因るものと考えられる。
【0040】上記においては、さらに、ブラックインク
組成物を備えてもよい。
【0041】前記ポリマー微粒子は、クリアインク組成
物中においてエマルジョンを形成してコロイド分散し、
平均粒子径が70nm以上であることが好ましい。すな
わち、ポリマー微粒子は、エマルジョンの形でクリアイ
ンク組成物中に添加され、かつ特定の平均粒子径を有す
るものであることが好ましい。
【0042】ポリマー微粒子をこのようなものとする
と、クリアインク組成物中においてポリマー微粒子が乳
白色のエマルジョンとなって分散する。このようなイン
クセットを用いると、記録画像の非印字部分及び低duty
部分における光沢性が著しく向上し、優れた記録物が得
られることが分かった。
【0043】前記ポリマー微粒子の平均粒子径は、70
nm以上であることが好ましく、さらに好ましくは10
0nm以上、150nm以下である。ポリマー微粒子径
がこの範囲内であると、水中においてポリマー微粒子が
エマルジョンを形成し易くなり、高品位な記録画像が得
られる。
【0044】前記ポリマー微粒子のガラス転移温度(T
g;JIS K6900に従い測定)は、光沢性向上及
び記録画像の安定性向上の観点からは、好ましくは20
℃以下であり、より好ましくは10℃以下である。
【0045】前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(MF
T)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点か
らは、好ましくは20℃以下である。前記ポリマー微粒
子の最低造膜温度(MFT)がこの範囲内であると、さ
らに記録画像の非印字部分及び低duty部分における光沢
性向上の効果が顕著である。
【0046】前記ポリマー微粒子の重量平均分子量(M
w)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点か
らは、好ましくは10万以上、100万以下であり、よ
り好ましくは50万以下である。前記ポリマー微粒子の
重量平均分子量(Mw)がこの範囲内であると、さらに
記録画像の非印字部分及び低duty部分における光沢性向
上の効果が顕著である。
【0047】上記のポリマー微粒子の含有量(固形量換
算量)は、光沢性向上及び記録画像の安定性向上の観点
からは、クリアインク組成物中、好ましくは0.1重量
%以上、5.0重量%以下であり、より好ましくは0.
1重量%以上、2.0重量%以下である。
【0048】ポリマー微粒子は一種添加してもよく、あ
るいは、これらのうち二種以上を混合して添加してもよ
い。混合して添加する場合には、これらの合計含有量が
インク組成物中このましくは0.1重量%以上、5.0
重量%以下(より好ましくは0.1重量%以上、2.0
重量%以下)である。
【0049】上記カチオン性樹脂は、アミノ基含有樹脂
であってもよい。また、上記カチオン性樹脂は、ポリエ
チレンイミンであってもよい。
【0050】ポリエチレンイミンとしては、下記一般式
(1)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含む高
分子が好適である。
【0051】
【化3】 (式(1)中、Rは水素、置換されていてもよいアルキ
ル基、置換されていてもよいアリール基、置換されてい
てもよいピリジル基、置換されていてもよいアルキルア
ミノ基、又は置換されていてもよいヒドラジノ基であ
る。) 上記の構成とすることにより、記録画像の発色性及び光
沢性がより向上する。
【0052】前記ポリエチレンイミンの重量平均分子量
(Mw)は、発色性、光沢性、及びクリアインクの貯蔵
性向上の観点からは、好ましくは10万以下であり、よ
り好ましくは100〜10000であり、さらに好まし
くは100〜5000である。
【0053】上記のポリエチレンイミンは、エチレンイ
ミンを二酸化炭素、塩酸、臭化水素酸、p−トルエンス
ルホン酸、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素等を触媒
として開環重合させるか、あるいは、塩化エチレンとエ
チレンジアミン系化合物との重縮合反応等によって得ら
れる。
【0054】以下に、一般式(1)で表される繰り返し
単位を少なくとも一種含む高分子の具体例を示す。
【0055】
【化4】 (式中、m,nはポリエチレンイミンの重量平均分子量
(Mw)が10万以下となるような数値である。) 用いられるポリエチレンイミンは、側鎖又は末端の一部
がアニオン変性やカチオン変性がなされたものであって
もよい。
【0056】前記カチオン性樹脂の含有量は、発色性向
上及び光沢性向上の観点からは、クリアインク組成物
中、好ましくは0.1重量%以上、30.0重量%以
下、より好ましくは0.1重量%以上、5.0重量%以
下、さらに好ましくは0.1重量%以上、2.0重量%
以下である。
【0057】カチオン性樹脂は一種添加してもよく、あ
るいは、二種以上を混合して添加してもよい。混合して
添加する場合には、これらの合計含有量が好ましくは
0.1重量%以上、5.0重量%以下(より好ましくは
0.1重量%以上、2.0重量%以下)である。
【0058】上記カチオン性樹脂は、ジメチルアミノエ
チル−メタクリレート(DM)、メタクリロイロキシエ
チル−トリメチルアンモニウム−クロライド(DM
C)、メタクリロイロキシエチル−ベンジルジメチル−
アンモニウムクロライド(DMBC)、ジメチルアミノ
エチル−アクリレート(DA)、アクリロイロキシエチ
ル−トリメチルアンモニウム−クロライド(DMQ)、
アクリロイロキシエチル−ベンジルジメチル−アンモニ
ウムクロライド(DABC)、ジメチルアミノプロピル
−アクリルアミド(DMAPAA)、及びアクリルアミ
ドプロピル−トリメチルアンモニウム−クロライド(D
MAPAAQ)の少なくとも一つからなる単一モノマー
重合体又は複数種のモノマーの共重合体であることが好
ましい。このようにカチオン性樹脂がアクリル系水溶性
モノマーを含む重合体である場合においても、記録画像
の発色性及び光沢性を有効に向上させることができる。
【0059】上記カチオン樹脂は、以下に示すような、
ポリビニルアミン、ポリアミドポリアミン、ポリアミジ
ン、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリジ
メチルアミノエチルアクリレートであってもよい。
【0060】
【化5】 上記クリアインク組成物においては、溶媒として水を用
いる。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透
水、蒸留水等の純水、又は超純水の何れも好ましく用い
ることができる。また、これらの水を、紫外線照射又は
過酸化水素添加等により滅菌処理したものを用いると、
カビやバクテリアの発生が抑制されるため、さらに好ま
しい。
【0061】上記クリアインク組成物は、さらに、アセ
チレングリコール系化合物、アセチレンアルコール系化
合物、又はポリシロキサン系化合物のいずれかを界面活
性剤として含有してもよい。
【0062】これにより、発色性及び光沢性を劣化させ
ることなく、クリアインク組成物の吐出安定性を高める
ことができる。吐出安定性が高まるのは、これら界面活
性剤がクリアインク組成物の表面張力を低下させ、クリ
アインク組成物が記録媒体へ浸透するのを促進するため
であると考えられる。
【0063】界面活性剤の含有量は、クリアインク組成
物中好ましくは0.1重量%以上、3.0重量%以下で
あり、より好ましくは0.1重量%以上、1.0重量%
以下である。
【0064】クリアインク組成物の表面張力は、吐出安
定性向上の観点から、好ましくは15dyn/cm以上、4
5dyn/cm以下であり、より好ましくは20dyn/cm以
上、30dyn/cm以下である。
【0065】アセチレングリコール系化合物としては、
オルフィンE1010、STG、Y(何れも商品名、日
信化学社製)、サーフィノール82、104、440、
465、485(何れも商品名、Air Products and Che
micals Inc.製)等の市販品を用いることができる。
【0066】アセチレンアルコール系化合物としては、
3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オール、2,4−
ジメチル−5−ヘキシン−3−オール、サーフィノール
61(商品名、Air Products and Chemicals Inc.製)
等を用いることができる。
【0067】ポリシロキサン系化合物としては、下記の
一般式(2)で表わされる化合物等を用いることができ
る。
【0068】
【化6】 (式(2)中、R〜Rは、独立してC1−6アルキ
ル基を表し、j、k及びxは独立して1以上の整数を表
し、EOはエチレンオキシ基を表し、POはプロピレン
オキシ基を表し、m及びnは0以上の整数を表すが、m
+nは1以上の整数を表し、EO及びPOは[ ]内に
おいてその順序は問わず、ランダムであってもブロック
であってもよい。) 上記クリアインク組成物は、さらに、グリコールエーテ
ル系化合物又はアルキルジオール系化合物を含んでいて
もよい。これら化合物を溶剤として用いることにより、
発色性及び光沢性を低下させることなく、記録画像の画
像品質を高めることができる。これら化合物の含有量
(複数種を混合する場合にはその総量)は、画像品質の
向上の観点から、クリアインク組成物中好ましくは1.
0重量%以上、30重量%以下であり、より好ましくは
1.0重量%以上、10重量%以下である。
【0069】グリコールエーテル系化合物としては、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチル
エーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等
が挙げられる。特に、トリエチレングリコールモノブチ
ルエーテルが好適である。
【0070】アルキルジオール系化合物としては、1,
2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール等が
挙げられる。特に、1,2−ヘキサンジオールが好適で
ある。
【0071】上記クリアインク組成物は、さらに、多価
アルコール系化合物を含有していてもよい。多価アルコ
ール系化合物としては、グリセリン、エチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ト
リメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチ
ル−2,4−ペンタンジオール、ジプロピレングリコー
ル、テトラエチレングリコール等の水溶性の有機溶剤が
挙げられる。特に、グリセリンが好適である。
【0072】多価アルコール系化合物の含有量(複数種
を混合する場合にはその総量)は、クリアインク組成物
中好ましくは5.0重量%以上、40重量%以下、より
好ましくは10重量%以上、30重量%以下である。
【0073】本発明のインクセットは、イエローインク
組成物(Y)、マゼンタインク組成物(M)、シアンイ
ンク組成物(C)等のカラーインク組成物を含有する。
これらには、通常のインクジェット記録用カラーインク
組成物に含まれる着色剤、分散剤等を特に制限なく用い
ることができる。
【0074】イエローインク組成物(Y)の着色剤とし
ては、イエロー顔料が好適に用いられる。該イエロー顔
料としては、C.I.ピグメントイエロー74、81、
83、93、109、110、120、128、13
8、139、150、151、154、155、17
3、180、185、195等が挙げられる。
【0075】イエローインク組成物としては、記録媒体
上でのCIELAB色空間(CIE1976(L*a*b*)
表色系、JISZ 8729)において定義される色相
角が80°〜110°の範囲内であるものが好ましい。
【0076】マゼンタインク組成物(M)の着色剤とし
ては、マゼンタ顔料が好適に用いられる。該マゼンタ顔
料としては、C.I.ピグメントレッド122、20
2、209、112、123、168、184、5、
7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(C
a)、57:1及びC.I.ピグメントバイオレット1
9等が好ましく用いられ、特にC.I.ピグメントレッ
ド122と202が好ましい。
【0077】マゼンタインク組成物としては、前記CI
ELAB色空間において定義される色相角が330°〜
360°の範囲内であるものが好ましい。
【0078】シアンインク組成物(C)の着色剤として
は、シアン顔料が好適に用いられる。該シアン顔料とし
ては、C.I.ピグメントブルー15:3、15:4、
60、1、2、3、16、22、15:34等が好まし
く用いられ、特にC.I.ピグメントブルー15:3が
好ましい。
【0079】シアンインク組成物としては、前記CIE
LAB色空間において定義される色相角が230°〜2
60°の範囲内であるものが好ましい。
【0080】レッドインク組成物(R)の着色剤として
は、色相角がイエローインク組成物及びマゼンタインク
組成物の混合色の色相角となるようなレッド顔料が好適
に用いられる。該レッド顔料としては、ピグメントレッ
ド17、49:2、112、177、178、188、
255、264、149等が挙げられる。
【0081】バイオレットインク組成物(V)の着色剤
としては、色相角がマゼンタインク組成物及びシアンイ
ンク組成物の混合色の色相角となるようなバイオレット
顔料が好適に用いられる。該バイオレット顔料として
は、ピグメントバイオレット3、19、23、32、3
6、38等が挙げられる。
【0082】ブラックインク組成物(K)の着色剤とし
ては、ブラック顔料が好適に用いられる。該ブランクイ
ンク顔料としては、カーボンブラック等が挙げられる。
【0083】本発明のインクセットは、上記の他、ライ
トイエローインク組成物、ライトマゼンタインク組成
物、ライトシアンインク組成物、ブルーインク組成物、
ライトブラックインク組成物、グリーンインク組成物、
ダークイエローインク組成物、オレンジインク組成物等
を備えていてもよい。
【0084】オレンジインク組成物としては、前記CI
ELAB色空間において定義される色相角が30°〜8
0°の範囲内であるものが好ましい。
【0085】ブルーインク組成物としては、前記CIE
LAB色空間において定義される色相角が160°〜2
30°の範囲内であるものが好ましい。
【0086】前記オレンジインク組成物の明度及びブル
ーインク組成物の明度は、それぞれマゼンタインク組成
物の明度及びシアンインク組成物の明度よりも低いこと
が好ましい。
【0087】前記オレンジインク組成物の彩度及びブル
ーインク組成物の彩度は、それぞれマゼンタインク組成
物の彩度及びシアンインク組成物の彩度よりも高いこと
が好ましい。
【0088】着色剤の含有量は、各インク組成物中、好
ましくは0.1〜20重量%であり、さらに好ましくは
0.5〜10重量%である。着色剤の含有量は、濃淡カ
ラーインク組成物等のインク組成物の種類に応じて適宜
調整される。
【0089】前記クリアインク組成物及び/又はカラー
インク組成物は、必要に応じてインクジェット記録用の
水性インク組成物に一般的に用いられている溶媒をさら
に含むことができる。そのような溶媒としては、2−ピ
ロリドン、トリエタノールアミン、糖等が挙げられる。
糖の具体例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三
糖類および四糖類を含む)および多糖類が挙げられ、好
ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボ
ース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アル
ドン酸、グルシトール、ソルビット、マルトース、セロ
ビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マ
ルトトリオース、等が挙げられる。ここで多糖類とは広
義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリ
ン、セルロース等自然界に広く存在する物質を含む意味
に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体とし
ては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール
(一般式HOCH(CHOH)nCHOH(ここ
で、n=2〜5の整数を表す)で表わされる)、酸化糖
(例えば、アルドン酸、ウロン酸等)、アミノ酸、チオ
糖等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体
例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。
また市販品としては、HS−300、500(登録商標
林原商事)等を入手することができる。
【0090】また、クリアインク組成物及び/又はカラ
ーインク組成物は、助剤をさらに含むことができる。そ
のような助剤としては、pH調整剤、キレート剤、防腐
剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、
耐擦性向上剤等が挙げられる。
【0091】本発明のインクカートリッジは、上述のイ
ンクセットを収容したものである。
【0092】さらに、本発明のインクジェット記録物の
製造方法について、説明する。本発明のインクジェット
記録物の製造方法では、上述のインクセットを用いて、
各インク組成物を記録媒体に付着させて記録を行うもの
である。上述のインクセットを用いて印字することによ
り、発色性及び光沢性に優れた記録画像が得られる。特
に、専用紙においてカラーインクの光沢性を著しく向上
させることができる。カラーインク組成物による非印字
部分及び低duty部分にクリアインク組成物を印字するこ
とにより、該非印字部分及び低duty部分の光沢性を向上
させることができる。また、カラーインク組成物を均一
に付着させることができ発色性が向上する。特に、普通
紙において白ぬけを防止することができるとともに、色
再現性が向上する。さらに、色再現性が向上するため、
普通紙に付着させるカラーインク重量又はカラーインク
の顔料含有量を低減させることができる。したがって、
本方法によれば、専用紙における光沢性向上と普通紙に
おける発色性向上とを同時に実現することができる。
【0093】また、本発明のインクジェット記録物の製
造方法では、上述のクリアインク組成物と、カラーイン
ク組成物とを、それぞれ記録媒体に付着させて記録を行
い、次いで、前記ポリマー微粒子のガラス転移温度以上
の温度にて記録面を加熱処理してもよい。加熱処理する
ことによって、非印字部分及び低duty部分の光沢性を一
層向上させることができる。
【0094】上記記録物の製造方法においては、記録媒
体上におけるクリアインク組成物の各dutyが、カラ
ーインク組成物の各dutyより小さいことが好まし
い。少量のクリアインク組成物を印字することにより、
より発色性を高めることができる。
【0095】上記記録物の製造方法においては、記録媒
体上におけるカラーインク組成物のdutyが目的du
ty値以下である部分に、該カラーインク組成物のdu
ty値とクリアインク組成物のduty値との和が目的
duty値以上となるように、前記クリアインク組成物
を付着させることが好ましい。このように記録すること
により、樹脂コート層を有する専用光沢紙(PM写真用
紙等)を記録媒体として用いた場合に、特に記録画像の
発色性及び光沢性に優れた記録物を得ることができる。
該目的duty値は、40%であることが好ましい。こ
のように記録することにより、低温・高湿度下における
インクのあふれを防止することができる。
【0096】あるいは、上記記録物の製造方法において
は、記録媒体上におけるカラーインク組成物の各dut
yとは無関係に、前記クリアインク組成物を一定のdu
ty値により該記録媒体表面の各領域に付着させること
が好ましい。このように記録することにより、樹脂コー
ト層の無い普通紙を記録媒体として用いた場合に、特に
記録画像の発色性に優れた記録物を得ることができる。
特に、カラーインク組成物により記録がなされた記録媒
体表面の各領域に対して、20%以下の一定のduty
(例えばduty10%)によりクリアインク組成物を
付着させることが好ましい。duty20%以下とする
ことにより、記録媒体の歪みやシワを有効に防止するこ
とができる。
【0097】これらの記録物の製造方法を用いることに
より、記録画像の発色性及び光沢性を兼ね備えた記録物
を得ることができる。
【0098】なお、上記記録物の製造方法においては、
クリアインク組成物とインク組成物とを同一処理時に吐
出させてもよい。ここで、「同一処理時」とは、1回の
記録(1パス)内で、クリアインク組成物及びインク組
成物の両者により、一の特定画像を形成するように処理
するときをいう。したがって、両者を全く同時に吐出す
る場合の他、1パス内において、インク組成物を先に吐
出した後、クリアインク組成物を吐出する場合、及び1
パス内において、クリアインク組成物を先に吐出した
後、インク組成物を後で吐出する場合も「同一処理時」
に含まれる。
【0099】また、上記記録物の製造方法においては、
上述のクリアインク組成物と、カラーインク組成物と
を、それぞれ記録媒体に付着させて記録を行い、次い
で、前記ポリマー微粒子のガラス転移温度以上の温度に
て記録面を加熱処理してもよい。加熱処理することによ
って、非印字部分及び低duty部分の光沢性を一層向上さ
せることができる。
【0100】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によって何等限定され
るものではない。
【0101】(エマルジョンAの調整)攪拌機、温度
計、還流冷却器および滴下漏斗を備えたフラスコに、イ
オン交換水100mlおよび過硫酸カリウム0.1gを
入れ、窒素雰囲気下、攪拌しながら、該フラスコ内の温
度が70℃になるまで加熱した。また、別途、反応容器
に、イオン交換水100ml、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム1.0gを入れ、さらにTgが20℃以
下となるように、スチレン、2−エチルヘキシルアクリ
レートおよびメタクリル酸のモノマー比を調整して入
れ、攪拌して乳化物を調製した。その後、該乳化物を、
滴下漏斗を用いて前記フラスコ内に徐々に滴下し、ポリ
マー微粒子を分散質とするエマルジョンを調製した。該
エマルジョンを、室温まで冷却した後、これを0.4μ
mのフィルターで濾過し、更に前記ポリマー微粒子の濃
度が30%となるように蒸留水を加えて乳白色のエマル
ジョンAを得た。
【0102】(エマルジョンBの調整)Tgが20℃よ
り大きくなるように、スチレン、2−エチルヘキシルア
クリレート及びメタクリル酸のモノマー比を調整して加
えた以外は上記同様にして乳白色のエマルジョンBを得
た。
【0103】得られた各エマルジョンA及びB中のポリ
マー微粒子について、ガラス転移温度Tg(JIS K
6900に従い測定)、平均粒子径、重量平均分子量
(Mw)、最低造膜温度(MFT)、濁度を測定しとこ
ろ、A;Tg:−15℃、平均粒子径:130nm、M
w:50万、MFT:0℃、濁度:30mg/L、B;
Tg:30℃、平均粒子径:130nm、Mw:50
万、MFT:40℃、濁度:30mg/L以上であっ
た。なお、濁度は、濁度計(日本電色工業製WATER
−ANALYZER2000)を用いて、セル幅10mmに
て測定した。
【0104】下記の各組成物からなるクリアインク及び
カラーインクを調製した。 上記において用いたポリエチレンイミンは、以下の化学
式(1−1)で示されるものであり、重量平均分子量
(Mw)は800のものである。
【0105】
【化7】 上記のクリアインク組成物の表面張力を協和界面科学社
製CBVP−Zにより測定したところ、(1)〜(3)
いずれも25〜35dyn/cmであった。 上記のカラーインク(4)〜(12)と、クリアインク
(1)〜(3)を組み合わせて、表1に示すインクセッ
トを作成した。
【0106】
【表1】 〔PM写真用紙を用いた光沢度試験〕表1のインクセッ
トについて、インクジェットプリンタ(セイコーエプソ
ン株式会社製;MC−2000)を用いて、インクジェ
ット専用紙(セイコーエプソン株式会社製;PM写真用
紙)に対して、720×720dpiにて印刷を行った。記録画
像及びインクの吐出安定性は良好であった。
【0107】印刷パターンは、各カラーインク(ブラッ
クインクを含む)の単色及び2種以上の混合色を合計の
dutyが0%(非印字部)、10%、20%、40%、1
00%になるように調整したものを用いた。
【0108】本発明における「duty」とは、下式で算出
される値である。
【0109】duty(%)=実印字ドット数/(縦解像度
×横解像度)×100 (式中、「実印字ドット数」は単位面積当たりの実印字
ドット数であり、「縦解像度」及び「横解像度」はそれ
ぞれ単位面積当たりの解像度である。100%dutyとは、
画素に対する単色の最大インク重量を意味する。) また、クリアインクを使用する場合には、 1.印字dutyが20%以下の部分にクリアインクを一律
20%dutyで付着させる場合…クリア印字duty20% 2.インクdutyが40%以下の部分にクリアインクを一
律40%dutyで付着させる場合…クリア印字duty40% の両方を行った。
【0110】さらに、一部の記録物については、記録面
をヒートローラーによって80℃にて加熱処理を行っ
た。
【0111】得られたそれぞれの記録物の光沢度を次の
ようにして試験した。村上色材研究社製「GP−20
0」を用い、12V50W、入射光束絞り直径1mm、反射光
絞り直径1.5mm、ND10フィルター、入射角度4
5度、煽り角度0度で、標準鏡面板を42.5として、
光沢度の最高値を測定した。光沢度の最高値が高いほ
ど、光沢付与性が高いことを示す。
【0112】(評価基準) A:最高光沢度が40以上 B:最高光沢度が30以上、40未満 C:最高光沢度が20以上、30未満 D:最高光沢度が10以上、20未満 E:最高光沢度が10未満 さらに、前記と同様な印刷方法で、ISO400で規定
されている人物画像を印刷し、光沢の状態を目視で下記
のように判定した。
【0113】(評価基準) 優:均一で高い光沢感が得られる 良:ほぼ均一な光沢感が得られるが、一部光沢の低い部
分が存在し、若干の違和感がある 不可:光沢が一定でなく、違和感がある 上記評価基準にて評価した結果を表2に示す。
【0114】
【表2】 表2に示すように、クリアインク(1)又は(2)を印
字することにより、非印字部(0%duty部)の光沢性が
向上した。さらに、非印字部の光沢度と高duty部の光沢
度との差が軽減された。 〔普通紙を用いた発色性試験〕表3に示すインクセット
A2〜H2を用いて、インクジェットプリンタ(セイコ
ーエプソン株式会社製;MC−2000)により、普通
紙(Xerox4024)に対して、720×720dpiにて、カラ
ーインク組成物を70%dutyで印字し、これとほぼ同時に
クリアインクを10%dutyで印字し、記録物を得た。記録
画像はいずれも良好であった。カラーインク及びクリア
インクの吐出安定性はいずれも良好であった。
【0115】
【表3】 得られたそれぞれの記録物の光学濃度を測定した。光学
濃度の測定は、グレタグ社製グレタグ・マクベスSPM
50を用いて、D50光源、フィルターなし、視野角2
°にて測定した。
【0116】(評価基準) A:着色されていない部分が目視により確認し難い B:着色されていない部分が目視により容易に確認でき
る 〔普通紙を用いた彩度面積の測定〕得られた記録物の光
学濃度を測定した。光学濃度の測定は、グレタグ社製グ
レタグ・マクベスSPM50を用いて、D50光源、フ
ィルターなし、視野角2°にて測定し、CIEで規定の
L*a*b*表色系で、a=1,b=1からなる領域を
面積1とした場合の彩度面積を求めた。
【0117】上記評価基準にて評価した結果を表4に示
す。
【0118】
【表4】 表4に示すように、クリアインク(1)又は(2)を備
えたインクセットA2〜D2においては、普通紙での色
抜けが防止され、記録画像の発色性が良好であった。
【0119】また、クリアインク組成物を備えたインク
セットA2〜D2においては、インクセットE2〜H2
(比較例)に比べて、それぞれ彩度面積が約12%向上
しており、色再現性に優れており、色抜けのない鮮明な
画像が得られた。
【0120】この彩度面積の向上は、YMCカラーイン
クセット及びYMCRVカラーインクセットの双方にお
いて認められた。
【0121】特に、YMCRVカラーインクセットは、
顔料固形分が低い(特にM,Cの量が少ない)ために粒
状性に優れており、色再現性の向上と粒状性の向上を同
時に実現していた。
【0122】
【発明の効果】本発明のインクセット、インクカートリ
ッジ、及びインクジェット記録物の製造方法によれば、
記録画像の発色性及び光沢性に優れた高画質な画像を得
ることができる。
【0123】本発明のインクセットを用いることによ
り、特に、専用紙を用いた場合、カラーインク組成物に
よる非印字部分及び低duty部分にクリアインク組成物を
印字することができ、非印字部分及び低duty部分の光沢
性を向上させることができる。
【0124】また、普通紙を用いた場合の色再現性が著
しく向上する。
【0125】したがって、本発明のインクセットを用い
ることにより、光沢紙ムラのない良好な光沢の状態と、
普通紙における発色性向上とを同時に実現することがで
きる。
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA04 FC02 2H086 BA05 BA53 BA55 BA59 BA60 BA62 4J039 AE03 AE11 AE13 BC07 BC09 BE01 BE12 BE22 EA15 EA16 EA19 EA29 EA33 EA42 GA24

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と、カチオン性樹脂と、ポリマー微粒
    子とを含み、かつ、着色剤を含まないクリアインク組成
    物と、 少なくともイエローインク組成物と、マゼンタインク組
    成物と、シアンインク組成物とを備えるインクセット。
  2. 【請求項2】 さらに、色相角が前記イエローインク組
    成物及び前記マゼンタインク組成物の混合色の色相角で
    あるレッドインク組成物を備える請求項1記載のインク
    セット。
  3. 【請求項3】 さらに、色相角が前記マゼンタインク組
    成物及び前記シアンインク組成物の混合色の色相角であ
    るバイオレットインク組成物を備える請求項1又は2記
    載のインクセット。
  4. 【請求項4】 さらに、ブラックインク組成物を備える
    請求項1〜3のいずれかに記載のインクセット。
  5. 【請求項5】 前記ポリマー微粒子は、クリアインク組
    成物中においてエマルジョンを形成し、平均粒子径が7
    0nm以上である請求項1〜4のいずれかに記載のイン
    クセット。
  6. 【請求項6】 前記ポリマー微粒子のガラス転移温度
    (Tg;JIS K6900に従い測定)が20℃以下
    である請求項1〜5のいずれかに記載のインクセット。
  7. 【請求項7】 前記ポリマー微粒子の最低造膜温度(M
    FT)が20℃以下である請求項1〜6のいずれかに記
    載のインクセット。
  8. 【請求項8】 前記ポリマー微粒子の重量平均分子量
    (Mw)が10万以上、100万以下である請求項1〜
    7のいずれかに記載のインクセット。
  9. 【請求項9】 前記ポリマー微粒子の含有量がクリアイ
    ンク組成物中0.1重量%以上、5.0重量%以下であ
    る請求項1〜8のいずれかに記載のインクセット。
  10. 【請求項10】 前記カチオン性樹脂は、アミノ基含有
    樹脂である請求項1〜9のいずれかに記載のインクセッ
    ト。
  11. 【請求項11】 前記カチオン性樹脂は、ポリエチレン
    イミンである請求項1〜9のいずれかに記載のインクセ
    ット。
  12. 【請求項12】 前記ポリエチレンイミンは、下記一般
    式(1)で表される繰り返し単位を少なくとも一種含む
    高分子である請求項11記載のインクセット。 【化1】 (式(1)中、Rは水素、置換されていてもよいアルキ
    ル基、置換されていてもよいアリール基、置換されてい
    てもよいピリジル基、置換されていてもよいアルキルア
    ミノ基、又は置換されていてもよいヒドラジノ基であ
    る。)
  13. 【請求項13】 前記ポリエチレンイミンの重量平均分
    子量(Mw)が10万以下である請求項11又は12記
    載のインクセット。
  14. 【請求項14】 前記カチオン性樹脂の含有量がクリア
    インク組成物中0.1重量%以上、30.0重量%以下
    である請求項1〜13のいずれかに記載のインクセッ
    ト。
  15. 【請求項15】 前記クリアインク組成物の表面張力が
    15dyn/cm以上、45dyn/cm以下である請求項1〜1
    4のいずれかに記載のインクセット。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれかに記載のイ
    ンクセットを収容したインクカートリッジ。
  17. 【請求項17】 請求項1〜15のいずれかに記載のイ
    ンクセットを用いて、各インク組成物を記録媒体に付着
    させて記録を行うインクジェット記録物の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項1〜15のいずれかに記載のイ
    ンクセットを用いて、各インク組成物を記録媒体に付着
    させて記録を行い、 次いで、前記ポリマー微粒子のガラス転移温度以上の温
    度にて記録面を加熱処理する、インクジェット記録物の
    製造方法。
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