JP2003292782A - 高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子 - Google Patents

高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物及びポリマー碍子

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JP2003292782A
JP2003292782A JP2003060856A JP2003060856A JP2003292782A JP 2003292782 A JP2003292782 A JP 2003292782A JP 2003060856 A JP2003060856 A JP 2003060856A JP 2003060856 A JP2003060856 A JP 2003060856A JP 2003292782 A JP2003292782 A JP 2003292782A
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JP2003060856A
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Noriyuki Meguriya
典行 廻谷
Susumu Sekiguchi
晋 関口
Shiyuuichi Azechi
秀一 畔地
Takeo Yoshida
武男 吉田
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)(イ)R1 aSiO(4-a)/2で示さ
れる1分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を有
するオルガノポリシロキサン:100重量部、(ハ)R
2 bcSiO(4-b-c)/2で示される1分子中に少なくとも
2個のケイ素原子に結合した水素原子を有する常温で液
体のオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.1〜
200重量部、(ニ)付加反応触媒:触媒量を主成分と
する付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物を1
00重量部 (B)1g当り1.0×10-6〜2.0×10-4モルの
ビニル基が存在するように表面処理された水酸化アルミ
ニウムを(A)成分100重量部に対して30〜400
重量部を含有する高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組
成物。 【効果】 本発明のシリコーンゴム組成物は、水酸化ア
ルミニウムが高充填されてもゴム強度が失われず、良好
なゴム物性を有し、優れた高電圧電気絶縁性能を有する
シリコーンゴムを与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱硬化により優
れた高電圧電気絶縁体となるシリコーンゴムを与える高
電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物並びに該シリコ
ーンゴム組成物をプラスチック製コアの外周に被覆、硬
化させてなるポリマー碍子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】送電線
等に用いる碍子に使用される高電圧電気絶縁体は、一般
に磁器製又はガラス製である。しかし、これらの絶縁体
は、耐衝撃性に欠け破損しやすくかつ重いため、取り扱
いに注意を要し、作業性にも難点がある上、更に、海岸
沿いの地域や工業地帯のように汚染を受けやすい環境下
では、高電圧電気絶縁体の表面を微粒子や塩類、霧等が
通ることにより、漏れ電流が発生したり、フラッシュオ
ーバーにつながるドライバンド放電等が起こるという問
題があった。
【0003】そこで、これらの磁器製又はガラス製の絶
縁体の欠点を改良するために種々の解決法が提案されて
いる。例えば、米国特許第3511698号公報には、
硬化性樹脂からなる部材と白金触媒含有オルガノポリシ
ロキサンエラストマーとからなる耐候性の高電圧電気絶
縁体が提案されている。また、特開昭59−19860
4号公報には、一液性の室温硬化性オルガノポリシロキ
サン組成物をガラス製又は磁器製の電気絶縁体の外側表
面に塗布することにより、湿気、大気汚染、紫外線等の
野外におけるストレスの存在下においても前記電気絶縁
体の有する高性能を維持させる技術が提案されている。
【0004】更に、特開昭53−35982号公報に
は、加熱硬化によりシリコーンゴムとなるオルガノポリ
シロキサンと水酸化アルミニウムとの混合物を100℃
よりも高い温度で30分以上加熱して電気絶縁性が改良
されたシリコーンゴム組成物が得られること、また、特
開平7−57574号公報には、シリコーンゴムにメチ
ルアルキルシロキサン油を配合することによって経時で
の接触角回復特性を回復し、閃絡防止に効果があること
がそれぞれ提案されている。
【0005】しかしながら、これらの従来技術では、い
ずれも使用されているシリコーンゴム材料の高電圧電気
絶縁性能が未だ十分満足できるものではなく、また、電
気絶縁性能を向上させるためには多量の水酸化アルミニ
ウムを使用しなければならないが、水酸化アルミニウム
自体にはシリコーンゴムに対する補強性がなく、水酸化
アルミニウムの配合により弾性率は高くなるが、強度の
ない脆いゴムとなってしまう問題がある。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、水酸化アルミニウムの高充填系においてもシリコー
ンゴムのゴム強度を失わない高電圧電気絶縁体用シリコ
ーンゴム組成物並びに該シリコーンゴム組成物をプラス
チック製コアの外周に被覆、硬化させてなるポリマー碍
子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型オルガノポ
リシロキサン組成物に対し、水酸化アルミニウムをテト
ラメチルジビニルジシラザン、ヘキサメチルジビニルト
リシラザン、ビニルメチルシラザン環状体等のビニルシ
ラザン類、ビニルトリメトキシシラン、ジビニルジメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルアル
コキシシラン類などで表面処理して、ビニル基が1g当
り1.0×10-6〜2.0×10-4モル存在するように
した水酸化アルミニウムを配合することにより、耐アー
ク性、耐トラッキング性等の電気絶縁性能を改善するこ
とができる上、この表面処理水酸化アルミニウムがシリ
コーンゴムの補強効果をも併せ持ち、これを高充填して
もシリコーンゴムのゴム強度を損なうことなく優れた高
電圧電気絶縁性能を与えることができることを知見し、
本発明をなすに至ったものである。
【0008】即ち、本発明は、 (A)有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物 100重量部 (B)1g当り1.0×10-6〜2.0×10-4モルのビニル基が存在するよう に表面処理された水酸化アルミニウム (A)成分100重量部に対して30〜400重量部 を含有してなることを特徴とする高電圧電気絶縁体用シ
リコーンゴム組成物、並びに、ガラス繊維強化プラスチ
ックなどの熱可塑性樹脂製のコアの外周に、該シリコー
ンゴム組成物を被覆、硬化させてなる碍子、碍管等の形
状に成形された高電圧電気絶縁体(いわゆるポリマー碍
子)、更に (A)有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物 100重量部 (B)水酸化アルミニウム (A)成分100重量部に対して30〜400重量部 を含有してなる高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成
物の硬化物からなるポリマー碍子のASTM D−23
03−64Tに準じたトラッキング試験によるトラッキ
ング時間を12.2時間以上、侵食損失重量を0.04
重量%以下に向上させる方法であって、上記水酸化アル
ミニウムとして、1g当り1.0×10-6〜2.0×1
-4モルのビニル基が存在するように表面処理された水
酸化アルミニウムを用いることを特徴とするポリマー碍
子の高電圧電気絶縁性能の向上方法を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物
の(A)成分は、有機過酸化物硬化型又は付反応加硬化
型オルガノポリシロキサン組成物である。
【0010】本発明の有機過酸化物硬化型オルガノポリ
シロキサン組成物としては、 (イ)下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 (1) (式中、R1は置換又は非置換の一価炭化水素基である
が、R1の0.01〜10モル%はアルケニル基であ
り、かつ90モル%以上はメチル基である。aは1.9
〜2.4の正数である。)で示される、1分子中に少な
くとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシ
ロキサン (ロ)有機過酸化物 を主成分とするものが好適に使用される。
【0011】上記式(1)のアルケニル基含有オルガノ
ポリシロキサンにおいて、R1は、好ましくは炭素数1
〜12、より好ましくは炭素数1〜8の置換又は非置換
の一価炭化水素基であり、具体的にはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル
基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等のアル
キル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロ
ヘプチル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル
基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イ
ソブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等の
アルケニル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビ
フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、
フェニルエチル基、フェニルプロピル基、メチルベンジ
ル基等のアラルキル基や、これらの炭化水素基中の水素
原子の一部又は全部がF、Cl、Br等のハロゲン原
子、シアノ基などによって置換されたクロロメチル基、
2−ブロモエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基、3−クロロプロピル基、シアノエチル基等のハロ
ゲン置換アルキル基やシアノ置換アルキル基などが挙げ
られる。
【0012】この場合、全R1中の0.01〜10モル
%、好ましくは0.02〜2モル%がアルケニル基であ
り、上記オルガノポリシロキサンは、1分子中に少なく
とも平均2個のアルケニル基を含んでいることが必要で
ある。このアルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子或
いは分子鎖途中のケイ素原子のいずれに結合したもので
あっても、或いはこの両方に結合したものであってもよ
いが、ゴム硬化物の物性等の点から少なくとも分子鎖両
末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するもの
であることが好ましい。また、全R1中の90モル%以
上、即ち、90〜99.99モル%、好ましくは95〜
99モル%はメチル基である。メチル基が90モル%よ
り少ない場合、電気特性、耐候性などが損なわれるとい
う不利が生じるおそれがある。なお、上記アルケニル基
量が少ないと、ゴム材料としての好ましい物性(引張り
強度、引裂き強度、伸び、硬度など)が得られない場合
があり、多いと硬くなりすぎて、弾性がなく、脆くなっ
てしまう場合がある。
【0013】上記式(1)において、aは1.9〜2.
4、好ましくは1.98〜2.05の正数であり、この
オルガノポリシロキサンは直鎖状であっても、R1Si
3/2単位あるいはSiO4/2単位を含んだ分岐状であっ
てもよいが、通常は、主鎖がジオルガノシロキサン単位
(R1 2SiO2/2)の繰り返しからなり、分子鎖両末端
がトリオルガノシロキシ単位(R1 3SiO1/2)で封鎖
されている直鎖状のジオルガノポリシロキサンであるこ
とが一般的である。ケイ素原子の置換基は、基本的には
上記のいずれであってもよいが、アルケニル基としては
好ましくはビニル基、その他の置換基としてはメチル
基、フェニル基の導入が望ましい。このオルガノポリシ
ロキサンは当業者にとって公知の方法によって製造され
る。これらの製造方法は、オルガノシクロポリシロキサ
ンとヘキサオルガノジシロキサンとをアルカリ又は酸触
媒の存在下に平衡化反応を行うことによって得ることが
できる。
【0014】上記オルガノポリシロキサンの重合度は5
0以上、例えば50〜20,000、特に100〜8,
000であることが好ましく、通常25℃の粘度が10
0cs以上、例えば100〜10,000,000c
s、特に500〜1,000,000csのものを使用
することができる。
【0015】(ロ)成分の有機過酸化物は、(イ)成分
の架橋反応を促進するための触媒として使用されるもの
で、従来公知のものとすればよく、例えばベンゾイルパ
ーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサ
イド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチ
ルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオ
キサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルパーベンゾエート、1,1−ビス(t−
ブチルパーオキシカルボキシ)ヘキサン等が挙げられる
が、特にこれらに限定されるものではない。
【0016】なお、添加量は、硬化速度に応じて適宜選
択すればよいが、通常は(イ)成分100部(重量部、
以下同じ)に対し、0.1〜10部、好ましくは0.2
〜2部の範囲とすればよい。
【0017】これら(イ)、(ロ)成分に、流動性を調
節したり、成形品の機械的強度を向上させるため本発明
の効果を損なわない範囲で充填剤を配合してもよい。こ
のような充填剤としては、沈殿シリカ、ヒュームドシリ
カ、焼成シリカ、ヒュームド酸化チタンのような補強性
充填剤、粉砕石英、珪藻土、アスベスト、アルミノケイ
酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウムのような非補強
性充填剤が例示され、そのままでもヘキサメチルジシラ
ザン、オクタメチルトリシラザン、テトラメチルジビニ
ルジシラザン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジク
ロロシラン、メチルトリクロロシラン、ポリジメチルシ
ロキサンのようなオルガノシラザン、オルガノクロロシ
ラン、オルガノシロキサン等の有機ケイ素化合物で表面
処理したものでもよい。また、その他必要に応じて顔
料、耐熱剤、難燃剤、可塑剤などを配合してもよい。な
お、この組成物には水酸化アルミニウムは配合されな
い。
【0018】また、本発明の付加反応硬化型オルガノポ
リシロキサン組成物としては、 (イ)上記平均組成式(1)で示される1分子中に少な
くとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポリシ
ロキサン (ハ)下記平均組成式(2) R2 bcSiO(4-b-c)/2 (2) (式中、R2は置換又は非置換の一価炭化水素基であ
る。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.
0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数であ
る。)で示される、1分子中に少なくとも2個のケイ素
原子に結合した水素原子を有する常温で液体のオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサン (ニ)付加反応触媒 を主成分とするものが好適に使用され、この付加反応硬
化型オルガノポリシロキサン組成物は、常温下で液状又
はペースト状の組成物であり、常温下で放置するか加熱
すると硬化してゴム状弾性体になるものである。
【0019】上記式(1)のアルケニル基含有オルガノ
ポリシロキサンは、上記有機過酸化物硬化型のオルガノ
ポリシロキサンで説明したものと同様のものが使用され
る。
【0020】また、上記式(2)のオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンにおいて、R2は置換又は非置換の
一価炭化水素基であり、具体的にはR1で例示したもの
と同じものを挙げることができるが、脂肪族不飽和結合
を有しないものであることが好ましく、特にメチル基、
フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基であ
ることが好ましい。bは0.7〜2.1、好ましくは
0.9〜2、cは0.001〜1.0、好ましくは0.
01〜1で、かつb+cは0.8〜3.0、好ましくは
0.9〜2.5を満足する正数である。
【0021】このオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ンは、架橋剤として作用するもので、1分子中に少なく
とも2個、好ましくは3個以上の、ケイ素原子結合水素
原子(即ち、SiH基)を含有するものであり、このS
iH基は分子鎖の末端、分子鎖途中のいずれに位置する
ものであっても、また両方に位置するものであってもよ
い。また1分子中のケイ素原子数は2〜500個、好ま
しくは2〜150個程度であればよい。
【0022】このようなオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンとしては、例えば、1,1,3,3−テトラメ
チル−1,3−ジハイドロジェンシロキサン、メチルハ
イドロジェン環状ポリシロキサン、メチルハイドロジェ
ンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末
端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリ
シロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチル
シロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン共重
合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジ
メチルシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロ
キシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェン
シロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖
メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサ
ン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハ
イドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメ
チルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェ
ンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェン・ジフェニルシ
ロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、(CH32
SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、
(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C
65)SiO3/2単位とからなる共重合体などが挙げら
れる。
【0023】(ハ)成分のオルガノハイドロジェンポリ
シロキサンの配合量は、(イ)成分のオルガノポリシロ
キサン100部に対して0.1〜200部、特に0.3
〜40部とすることが好ましい。
【0024】また、(ハ)成分の配合量は、(イ)成分
中のケイ素原子に結合したアルケニル基に対する(ハ)
成分中のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)の
モル比が0.5〜5、好ましくは0.8〜2程度になる
量とすることもできる。
【0025】(ニ)成分の付加反応触媒としては、白金
黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アル
コールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯
体、白金ビスアセトアセテート、パラジウム系触媒、ロ
ジウム系触媒などが挙げられる。この付加反応触媒の配
合量は触媒量とすることができ、通常白金金属として上
記(イ)成分当り0.5〜1,000ppm、特に1〜
200ppmである。
【0026】これら(イ)、(ハ)、(ニ)成分に、流
動性を調節したり、成形品の機械的強度を向上させるた
め本発明の効果を損なわない範囲で充填剤を配合しても
よい。このような充填剤としては、沈殿シリカ、ヒュー
ムドシリカ、焼成シリカ、ヒュームド酸化チタンのよう
な補強性充填剤、粉砕石英、珪藻土、アスベスト、アル
ミノケイ酸、酸化鉄、酸化亜鉛、炭酸カルシウムのよう
な非補強性充填剤が例示され、そのままでもヘキサメチ
ルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、テトラメチ
ルジビニルジシラザン、トリメチルクロロシラン、ジメ
チルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ポリジ
メチルシロキサンのようなオルガノシラザン、オルガノ
クロロシラン、オルガノポリシロキサン等の有機ケイ素
化合物で表面処理したものでもよい。また、その他必要
に応じて顔料、耐熱剤、難燃剤、可塑剤などを配合して
もよいが、水酸化アルミニウムは配合されない。
【0027】(B)成分のビニル基を持つ水酸化アルミ
ニウムは、シリコーンゴムの耐アーク性、耐トラッキン
グ性等の電気絶縁性能を改善することができ、かつシリ
コーンゴムの補強効果をもになうもので、本発明組成物
において必須のものである。ここで水酸化アルミニウム
としては、下記式 Al23・3H2O で示される平均粒径が0.1〜20μmのもの、好まし
くは0.5〜15μmで、BET比表面積が1.0〜1
0m2/gのものが好ましく使用される。この平均粒径
は、例えば、レーザー光回折法などの手法による粒度分
布測定装置における重量平均値(メジアン径)などとし
て測定することができる。
【0028】水酸化アルミニウムの表面に存在するビニ
ル基量としては、1.0×10-6mol/g〜2.0×
10-4mol/g、好ましくは5.0×10-6mol/
g〜1.0×10-4mol/gで、これよりビニル基が
少ないと補強性が十分に得られず、これよりビニル基が
多いと架橋点が多過ぎてシリコーンゴムとしての必要な
伸び、弾性率が得られず、硬くて脆いゴムとなってしま
う。
【0029】これらビニル基を持つ水酸化アルミニウム
を得る方法としては、未処理の水酸化アルミニウムと例
えば、ビニルシラン系、ビニルシラザン系等のビニル基
を有するカップリング剤やその部分加水分解物とを混合
又は配合する方法を採用し得る。これらカップリング剤
の例としては、ジビニルテトラメチルジシラザン、テト
ラビニルジメチルジシラザン、ヘキサメチルジビニルト
リシラザン、ビニルメチルシラザン環状体などのビニル
シラザン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジ
エトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニ
ルメチルジエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエ
トキシ)シランなどのビニルアルコキシシラン類、ビニ
ルトリクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、ビニル
メチルジクロロシランなどのビニルクロロシラン類など
がある。これらビニル基は、上記のカップリング剤と水
酸化アルミニウムとの反応により化学的に強固に結合し
ていてもよいし、単に物理的な吸着により存在していて
も構わない。また該ビニル基は、水酸化アルミニウムの
表面に平均的に存在してもよいし、あるいは未処理のも
の、微量処理されたものとの混合によりトータルで必要
量存在してもよい。
【0030】なお、水酸化アルミニウムはビニル基を持
った処理剤で処理されるだけでなく、それ以外のビニル
基を持たない処理剤、例えばヘキサメチルジシラザン、
オクタメチルトリシラザン、ジフェニルテトラメチルジ
シラザンなどのオルガノシラザン類、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、ジメチルジメトキシシランなどのオル
ガノアルコキシシラン類、メチルトリクロロシラン、ジ
メチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェ
ニルトリクロロシランなどのオルガノクロロシラン類又
はその部分加水分解物などの1種又はそれ以上と併用し
て処理されてもよく、あるいは、これらビニル基を持た
ない処理剤で処理された水酸化アルミニウムと、ビニル
基を持つ水酸化アルミニウムとを混合して用いてもよ
い。なお、これら表面処理された水酸化アルミニウムの
表面処理度合いは、水酸化アルミニウムに対するカーボ
ン付着量で0.01〜2重量%、好ましくは0.02〜
1重量%であることが、シロキサンとの相溶性を向上さ
せ補強性を持たせるという面から好ましい。
【0031】また、該水酸化アルミニウムの配合量は、
上記オルガノポリシロキサン組成物100部に対して3
0〜400部、好ましくは50〜300部で、30部よ
り少ないと、耐トラッキング性などの十分な電気特性が
得られず、400部より多いと配合が難しくかつ作業性
にも問題があり、更に硬化物も硬くて脆いものとなって
しまう。
【0032】なお、本発明の組成物の製造法としては、
常法によることができ、また成形、硬化方法も、その硬
化タイプに応じた公知の成形、硬化条件を採用すること
ができる。
【0033】
【発明の効果】本発明の高電圧電気絶縁体用シリコーン
ゴム組成物は、水酸化アルミニウムが高充填されてもゴ
ム強度が失われず、良好なゴム物性を有し、かつ優れた
高電圧電気絶縁性能を有するシリコーンゴムを与える。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。なお、各例中の部はいずれも重量部であ
る。
【0035】〔実施例1〕粘度10000cs(25
℃)の分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖
されたジメチルポリシロキサン80部にヒュームドシリ
カ(日本エアロジル(株)製、エアロジル200)40
部、ヘキサメチルジシラザン5部、水2部をニーダーミ
キサーに入れ、1時間室温(25℃)で撹拌を続けた
後、内部温度が150℃になるまで加熱し、更に撹拌を
3時間続け、液状シリコーンゴムベース(a)を得た。
この液状シリコーンゴムベース(a)40部に粘度10
00cs(25℃)の分子鎖両末端がジメチルビニルシ
ロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン60部、
ビニル基量が4.2×10-5mol/g、カーボン量が
0.12重量%で平均粒子径が1μmである水酸化アル
ミニウム(b)120部を加え、室温で1時間混合を続
けた後、下記式で示されるメチルハイドロジェンポリシ
ロキサン(c)2.5部と塩化白金酸の1%イソプロピ
ルアルコール溶液を0.1部、反応制御剤としてエチニ
ルシクロヘキサノール0.05部を添加し、室温で均一
に混合した。なお、上記の水酸化アルミニウム(b)は
未処理の水酸化アルミニウム(平均粒径1μm、昭和電
工社製、ハイジライトH−42M)100部当りビニル
トリメトキシシラン1部及びメチルトリメトキシシラン
0.2部を噴霧し、室温で1時間撹拌した後昇温し、1
00℃で1時間反応させることによって調製した。
【0036】このシリコーンゴム組成物を150℃で1
0分間プレス成形し、6mm及び2mmのゴムシートを
得た。2mmシートよりJIS K6301に準じてゴ
ム物性を測定した結果を表1に示す。6mmシートより
下記の通りトラッキング試験及び侵食損失試験を行っ
た。結果を表2に示す。
【0037】
【化1】
【0038】〈トラッキング試験方法〉ASTM D−
2303−64Tの規格に準じて行った。即ち、荷電圧
4kVで電極間距離50mmの間に汚染液(0.1%N
4Clと0.02%非イオン界面活性剤の水溶液)を
0.6ml/minの速さで上部電極から滴下して、ト
ラックが発生して導通するまでの時間と、それによって
起こる侵食損失重量(重量%)を測定した。 〈侵食損失重量〉上記試験をする間、ゴムシートの一部
が熱やアークにより劣化し、侵食される。この侵食量は
次式で算出した。 (侵食により失った重量/試験前のシート全体の重量)
×100
【0039】〔実施例2〕粘度10000cs(25
℃)の分子鎖両末端がトリビニルシロキシ基で封鎖され
たジメチルポリシロキサン80部にヒュームドシリカ
(日本エアロジル(株)製、エアロジル200)40
部、ヘキサメチルジシラザン5部、水2部をニーダーミ
キサーに入れ、1時間室温で撹拌を続けた後、内部温度
が150℃になるまで加熱し、更に撹拌を3時間続け、
液状シリコーンゴムベース(d)を得た。この液状シリ
コーンゴムベース(d)40部に粘度1000cs(2
5℃)の分子鎖両末端がトリビニルシロキシ基で封鎖さ
れたジメチルポリシロキサン60部、実施例1のビニル
基含有水酸化アルミニウム(b)120部、t−ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネイト0.7部を添加
し、室温で均一に混合した。このシリコーンゴム組成物
を170℃で10分間プレス成形し、6mm及び2mm
のゴムシートを得た後、実施例1と同様にゴム物性、ト
ラッキング試験及び侵食損失試験を行った。結果を表
1,2に示す。
【0040】〔実施例3〕実施例1の液状シリコーンゴ
ムベース(a)50部に粘度1000cs(25℃)の
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された
ジメチルポリシロキサン50部、ビニル基量が2.5×
10-5mol/g、カーボン量が0.22%で平均粒子
径が8μmである水酸化アルミニウム(e)60部、実
施例1のメチルハイドロジェンポリシロキサン(c)
2.5部と塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール溶
液を0.1部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサ
ノール0.05部を添加し、室温で均一に混合した。な
お、上記の水酸化アルミニウム(e)は未処理の水酸化
アルミニウム(平均粒径8μm、昭和電工社製、ハイジ
ライトH−32)100部当りビニルトリメトキシシラ
ン0.8部及びエチルトリメトキシシラン1部を噴霧
し、室温で1時間撹拌した後昇温し、100℃で1時間
反応させることによって調製した。このシリコーンゴム
組成物を150℃で10分間プレス成形し、6mm及び
2mmのゴムシートを得た後、実施例1と同様にゴム物
性、トラッキング試験及び侵食損失試験を行った。結果
を表1,2に示す。
【0041】〔実施例4〕ジメチルシロキサン単位9
9.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.1
5モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル
%からなり、平均重合度が約8000であるゴム状ジオ
ルガノポリシロキサン(f)100部に分散剤として末
端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン(平均重合
度10)5部、比表面積が200m2/gであるヒュー
ムドシリカ(日本エアロジル(株)製)25部、実施例
1のビニル基含有水酸化アルミニウム(b)160部を
配合し、コンパウンド(g)を調製した。
【0042】このコンパウンド(g)に2,5−ジメチ
ル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン/
上記オルガノポリシロキサン(a)/比表面積が200
2/gであるヒュームドシリカ(日本エアロジル
(株)製)の40%ペーストを1.0部添加し、2本ロ
ールにて均一に分散させた後、170℃にて10分間プ
レス成形し、6mm及び2mmのゴムシートを得た後、
実施例1と同様にゴム物性、トラッキング試験及び侵食
損失試験を行った。結果を表1,2に示す。
【0043】〔実施例5〕ジメチルシロキサン単位9
9.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.1
5モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル
%からなり、平均重合度が約8000であるゴム状ジオ
ルガノポリシロキサン(f)100部に分散剤として末
端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン(平均重合
度10)5部、比表面積が200m2/gであるヒュー
ムドシリカ(日本エアロジル(株)製)25部、ビニル
基量が6.2×10-5mol/g、カーボン量が0.3
5%で平均粒子径が1μmである水酸化アルミニウム
(h)160部を配合し、コンパウンド(i)を調製し
た。なお、上記の水酸化アルミニウム(h)は、未処理
の水酸化アルミニウム(平均粒径1μm、昭和電工社
製、ハイジライトH−42M)100部当りジビニルテ
トラメチルジシラザン2.5部を噴霧し、室温で1時間
撹拌した後昇温し、100℃で1時間反応させることに
よって調製したものである。
【0044】このコンパウンド(i)に2,5−ジメチ
ル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン/
上記オルガノポリシロキサン(a)/比表面積が200
2/gであるヒュームドシリカ(日本エアロジル
(株)製)の40%ペーストを1.0部添加し、2本ロ
ールにて均一に分散させた後、170℃にて10分間プ
レス成形し、6mm及び2mmのゴムシートを得た後、
実施例1と同様にゴム物性、トラッキング試験及び侵食
損失試験を行った。結果を表1,2に示す。
【0045】〔比較例1〕実施例1の液状シリコーンゴ
ムベース(a)40部に粘度1000cs(25℃)の
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された
ジメチルポリシロキサン60部、表面処理されていない
平均粒子径1μmの水酸化アルミニウム(昭和電工
(株)製、H−42M)120部、実施例1のメチルハ
イドロジェンポリシロキサン(c)2.5部と塩化白金
酸の1%イソプロピルアルコール溶液を0.1部、反応
制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を
添加し、室温で均一に混合した。このシリコーンゴム組
成物を150℃で10分間プレス成形し、6mm及び2
mmのゴムシートを得た後、実施例1と同様にゴム物
性、トラッキング試験及び侵食損失試験を行った。結果
を表1,2に示す。
【0046】〔比較例2〕実施例2の液状シリコーンゴ
ムベース(d)40部に粘度1000cs(25℃)の
分子鎖両末端がトリビニルシロキシ基で封鎖されたジメ
チルポリシロキサン60部、比較例1の水酸化アルミニ
ウム(H−42M)120部、t−ブチルパーオキシイ
ソプロピルカーボネイト0.7部を添加し、室温で均一
に混合した。このシリコーンゴム組成物を170℃で1
0分間プレス成形し、6mm及び2mmのゴムシートを
得た後、実施例1と同様にゴム物性、トラッキング試験
及び侵食損失試験を行った。結果を表1,2に示す。
【0047】〔比較例3〕実施例1の液状シリコーンゴ
ムベース(a)50部に粘度1000cs(25℃)の
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された
ジメチルポリシロキサン60部、表面処理されていない
平均粒子径8μmの水酸化アルミニウム(昭和電工
(株)製、H−32)60部、実施例1のメチルハイド
ロジェンポリシロキサン(c)2.5部と塩化白金酸の
1%イソプロピルアルコール溶液を0.1部、反応制御
剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加
し、室温で均一に混合した。このシリコーンゴム組成物
を150℃で10分間プレス成形し、6mm及び2mm
のゴムシートを得た後、実施例1と同様にゴム物性、ト
ラッキング試験及び侵食損失試験を行った。結果を表
1,2に示す。
【0048】〔比較例4〕実施例1の液状シリコーンゴ
ムベース(a)40部に粘度1000cs(25℃)の
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された
ジメチルポリシロキサン60部、実施例1の水酸化アル
ミニウム(b)20部、実施例1のメチルハイドロジェ
ンポリシロキサン(c)2.5部と塩化白金酸の1%イ
ソプロピルアルコール溶液を0.1部、反応制御剤とし
てエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、室
温で均一に混合した。このシリコーンゴム組成物を15
0℃で10分間プレス成形し、6mm及び2mmのゴム
シートを得た後、実施例1と同様にゴム物性、トラッキ
ング試験及び侵食損失試験を行った。結果を表1,2に
示す。
【0049】〔比較例5〕ジメチルシロキサン単位9
9.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.1
5モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル
%からなり、平均重合度が約8000であるゴム状ジオ
ルガノポリシロキサン(f)100部に分散剤として末
端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン(平均重合
度10)5部、比表面積が200m2/gであるヒュー
ムドシリカ(日本エアロジル(株)製)25部、比較例
1の水酸化アルミニウム(H−42M)160部を配合
し、コンパウンド(j)を調製した。
【0050】このコンパウンド(j)に2,5−ジメチ
ル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン/
上記オルガノポリシロキサン(a)/比表面積が200
2/gであるヒュームドシリカ(日本エアロジル
(株)製)の40%ペーストを1.0部添加し、2本ロ
ールにて均一に分散させた後、170℃にて10分間プ
レス成形し、6mm及び2mmのゴムシートを得た後、
実施例1と同様にゴム物性、トラッキング試験及び侵食
損失試験を行った。結果を表1,2に示す。
【0051】〔比較例6〕実施例1の液状シリコーンゴ
ムベース(a)40部に粘度1000cs(25℃)の
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された
ジメチルポリシロキサン60部、ビニル基量が4.5×
10-7mol/g、カーボン量が0.20%で平均粒子
径が1μmである水酸化アルミニウム(k)120部、
実施例1のメチルハイドロジェンポリシロキサン(c)
2.5部と塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール溶
液を0.1部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサ
ノール0.05部を添加し、室温で均一に混合した。
【0052】なお、上記水酸化アルミニウム(k)は、
未処理の水酸化アルミニウム(ハイジライトH−42
M、昭和電工社製)100g当たり0.04gのビニル
トリメトキシシラン、0.2gのメチルトリメトキシシ
ランを噴霧し、室温で1時間撹拌後昇温し、100℃で
1時間反応させることによって調製した。
【0053】このシリコーンゴム組成物を150℃で1
0分間プレス成形し、6mm及び2mmのゴムシートを
得た後、実施例1と同様にゴム物性、トラッキング試験
及び侵食損失試験を行なった。結果を表1,2に示す。
【0054】〔比較例7〕実施例1の液状シリコーンゴ
ムベース(a)40部に粘度1000cs(25℃)の
分子鎖両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された
ジメチルポリシロキサン60部、ビニル基量が4.4×
10-4mol/g、カーボン量が2.0%で平均粒子径
が1μmである水酸化アルミニウム(r)120部、実
施例1のメチルハイドロジェンポリシロキサン(c)
7.5部と塩化白金酸の1%イソプロピルアルコール溶
液を0.1部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサ
ノール0.05部を添加し、室温で均一に混合した。
【0055】なお、上記水酸化アルミニウム(r)は、
未処理の水酸化アルミニウム(ハイジライトH−42
M、昭和電工社製)100g当たり15gのビニルトリ
メトキシシランを噴霧し、室温で1時間撹拌後昇温し、
100℃で1時間反応させることによって調製した。
【0056】このシリコーンゴム組成物を150℃で1
0分間プレス成形し、6mm及び2mmのゴムシートを
得た後、実施例1と同様にゴム物性、トラッキング試験
及び侵食損失試験を行なった。結果を表1,2に示す。
【0057】〔比較例8〕ジメチルシロキサン単位9
9.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.1
5モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル
%からなり、平均重合度が約8000であるゴム状オル
ガノポロシロキサン(f)100部に分散剤として末端
シラノール基ジメチルポリシロキサン(平均重合度1
0)5部、比表面積が200m2/gであるヒュームド
シリカ(日本エアロジル(株)製)25部、ビニル基量
が5.2×10-7mol/g、カーボン量が0.35%
で平均粒子径が1μmである水酸化アルミニウム(m)
160部を配合し、コンパウンド(n)を調製した。
【0058】なお、上記水酸化アルミニウム(m)は、
未処理の水酸化アルミニウム(ハイジライトH−42
M、昭和電工社製)100g当たり1.5gのジビニル
テトラメチルジシラザンを噴霧し、室温で1時間撹拌後
昇温し、100℃で1時間反応させることによって調製
した。
【0059】このコンパウンド(n)に2,5−ジメチ
ル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン/
上記オルガノポリシロキサン(a)/比表面積が200
2/gであるヒュームドシリカ(日本エアロジル
(株)製)の40%ぺーストを1.0部添加し、2本ロ
ールにて均一に分散させた後、170℃にて10分間プ
レス成形し、6mm及び2mmのゴムシートを得た後、
実施例1と同様にゴム物性、トラッキング試験及び侵食
損失試験を行なった。結果を表1,2に示す。
【0060】〔比較例9〕ジメチルシロキサン単位9
9.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.1
5モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル
%からなり、平均重合度が約8000であるゴム状オル
ガノポロシロキサン(f)100部に分散剤として末端
シラノール基ジメチルポリシロキサン(平均重合度1
0)5部、比表面積が200m2/gであるヒュームド
シリカ(日本エアロジル(株)製)25部、ビニル基量
が8.8×10-4mol/g、カーボン量が0.35%
で平均粒子径が1μmである水酸化アルミニウム(p)
160部を配合し、コンパウンド(q)を調製した。
【0061】なお、上記水酸化アルミニウム(p)は、
未処理の水酸化アルミニウム(ハイジライトH−42
M、昭和電工社製)100g当たり4.6gのジビニル
テトラメチルジシラザンを噴霧し、室温で1時間撹拌後
昇温し、100℃で1時間反応させることで調製した。
【0062】このコンパウンド(q)に2,5−ジメチ
ル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン/
上記オルガノポリシロキサン(a)/比表面積が200
2/gであるヒュームドシリカ(日本エアロジル
(株)製)の40%ぺーストを1.0部添加し、2本ロ
ールにて均一に分散させた後、170℃にて10分間プ
レス成形し、6mm及び2mmのゴムシートを得た後、
実施例1と同様にゴム物性、トラッキング試験及び侵食
損失試験を行なった。結果を表1,2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関口 晋 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 畔地 秀一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 吉田 武男 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4J002 CP03W CP04X DE146 FB086 GQ01 5G305 AA20 AB01 AB15 BA07 CA26 CC03 5G331 AA01 AA02 AA07 BA01 BB01 CA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)(イ)下記平均組成式(1) R1 aSiO(4-a)/2 (1) (式中、R1は置換又は非置換の一価炭化水素基であるが、R1の0.01〜10 モル%はアルケニル基であり、かつ90モル%以上はメチル基である。aは1. 9〜2.4の正数である。) で示される、1分子中に少なくとも平均2個のアルケニル基を有するオルガノポ リシロキサン 100重量部 (ハ)下記平均組成式(2) R2 bcSiO(4-b-c)/2 (2) (式中、R2は置換又は非置換の一価炭化水素基である。また、bは0.7〜2 .1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数 である。) で示される、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合した水素原子を有す る常温で液体のオルガノハイドロジェンポリシロキサン 0.1〜200重量部 (ニ)付加反応触媒 触媒量 を主成分とする付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物 100重量部 (B)1g当り1.0×10-6〜2.0×10-4モルのビニル基が存在するよう に表面処理された水酸化アルミニウム (A)成分100重量部に対して30〜400重量部 を含有してなることを特徴とする高電圧電気絶縁体用シ
    リコーンゴム組成物。
  2. 【請求項2】 (B)成分が(B)1g当り1.0×1
    -6〜5.0×10 -6モルのビニル基が存在するように
    表面処理された水酸化アルミニウムである請求項1記載
    の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分が、水酸化アルミニウムをビ
    ニルシラザン類及び/又はビニルアルコキシシラン類で
    処理することにより得られたものである請求項1又は2
    記載の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分における水酸化アルミニウム
    の表面処理の度合いが、カーボン付着量で0.01〜2
    重量%の範囲である請求項1、2又は3記載の高電圧電
    気絶縁体用シリコーンゴム組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分の水酸化アルミニウムの平均
    粒径が0.1〜20μmの範囲にある請求項1乃至4の
    いずれか1項記載の高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム
    組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか1項記載のシ
    リコーンゴム組成物をプラスチック製コアの外周に被
    覆、硬化してなるポリマー碍子。
  7. 【請求項7】 (A)有機過酸化物硬化型又は付加反応硬化型オルガノポリ シロキサン組成物 100重量部 (B)水酸化アルミニウム (A)成分100重量部に対して30〜400重量部 を含有してなる高電圧電気絶縁体用シリコーンゴム組成
    物の硬化物からなるポリマー碍子のASTM D−23
    03−64Tに準じたトラッキング試験によるトラッキ
    ング時間を12.2時間以上、侵食損失重量を0.04
    重量%以下に向上させる方法であって、上記水酸化アル
    ミニウムとして、1g当り1.0×10-6〜2.0×1
    -4モルのビニル基が存在するように表面処理された水
    酸化アルミニウムを用いることを特徴とするポリマー碍
    子の高電圧電気絶縁性能の向上方法。
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