JP2003292758A - 蛍光部材及びこれを用いた発光装置 - Google Patents

蛍光部材及びこれを用いた発光装置

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JP2003292758A JP2002097542A JP2002097542A JP2003292758A JP 2003292758 A JP2003292758 A JP 2003292758A JP 2002097542 A JP2002097542 A JP 2002097542A JP 2002097542 A JP2002097542 A JP 2002097542A JP 2003292758 A JP2003292758 A JP 2003292758A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多様な発光色の蛍光部材を提供するととも
に、初期の発光色のばらつきが小さく、かつ、発光輝度
寿命の長い蛍光部材、およびこれを用いた発光装置を提
供する。 【解決手段】 ポリカーボネート樹脂とペリレン系蛍光
物質とを溶融混練して得られる蛍光部材であって、前記
蛍光部材は、一般式1〜7のいずれかによって表わされ
るペリレン系蛍光物質の少なくとも1種を含有している
ことを特徴とする。(式中、R1とR2はそれぞれ、水素
原子、アルコキシ基、フェノキシ基、またはアルキルフ
ェノキシ基のいずれかであり、X1とX2はそれぞれ、C
N,F,ClまたはBrのいずれかであり、R3は、炭
素数が5以上のアルキル基である。) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光部材およびこ
れを用いた発光装置に関するものであり、より詳細に
は、発光ダイオードを被覆するのに好適な蛍光部材、お
よび、これを用いた発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のメータ類やオーディオのインジ
ケータ等の表示器の照明、フットランプや室内照明、携
帯電話の液晶バックライト照明等の用途において、発光
ダイオード(LED)を用いた発光装置が使用され、こ
れらの用途においては、多様な発光色の発光装置が求め
られている。
【0003】LEDを使用した発光装置において、多様
な発光色を得る方法として、例えば、赤色LED、青色
LED、及び、緑色LEDを有機的に組合わせてセット
し、それぞれのチップの組合わせを変えて発光する方法
が提案されている。しかし、このようなLEDでは、赤
色LEDチップ、青色LEDチップ、及び、緑色LED
チップのアノード端子とカソード端子の併せて4つの端
子が必要であるため、構造的に複雑な設計となる。さら
に1つの発光ダイオード中に3つの異なるチップがセッ
トされているため、その内のいずれか1つのチップでも
破損すると色調のバランスが崩れ、目的とする発光色が
得られなくなる問題がある。
【0004】多様な発光色を得る別な方法として、蛍光
物質や色素等を高分子材料などに分散させた蛍光部材
を、LEDに装着することによって、LED光源の色を
所望の色に変化させる方法も提案されている。かかる方
法は、光源から発せられた光を蛍光物質で波長変換し、
波長変換された光と蛍光部材を透過した光源からの光と
を混合して、所望の発光色を得ることを基本原理とす
る。当該方法によれば、光源の光の色を所望の色に容易
に変更できるが、光源から発せられた光と蛍光物質で波
長変換された光とが混合された光を見ることになるの
で、発光色(混合光)は蛍光部材の均一性の影響を大き
く受けることになる。
【0005】ところで、蛍光部材に分散させる蛍光物質
としては、YAGや無機蛍光物質などが知られている。
しかし、YAGや無機蛍光物質は粒子状で蛍光部材に分
散されているため、蛍光部材中で光を散乱させてしま
い、LEDの特徴である指向性を失うという問題があ
る。また、これらの蛍光物質は、紫外、青色LEDなど
の短波長LED用の蛍光物質であり、緑色LED,黄色
LEDなどを光源として使用できない。また、青色LE
Dを光源として使用する場合には、発光色が白色や黄色
など限られた色になってしまうという問題がある。
【0006】そこで、様々な色調の光を発することがで
きるようにするために、蛍光部材に分散させる蛍光物質
として、有機蛍光物質が着目され、これらの中でも有用
なものとしてペリレン系蛍光物質やクマリン系蛍光物質
などが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】蛍光部材と発光ダイオ
ードとからなる発光装置では、蛍光部材が均一でない
と、蛍光部材から発する蛍光の波長や発光量が異なるの
で、発光色がばらつく原因となる。特に、多様な発光色
を得るためにペリレン系蛍光物質を高分子材料などに分
散させてなる蛍光部材においては、均一な蛍光部材を得
ることが難しいので、初期の発光色のばらつきが大きく
なる。
【0008】また、ペリレン系蛍光物質を高分子材料な
どに分散させた蛍光部材では、その組合わせによって
は、ペリレン系蛍光物質が高分子材料からブリードアウ
トしたり、あるいは、高分子材料の劣化にともなって、
高分子材料中で偏在してしまう場合がある。その結果、
発光色が経時変化したり、発光輝度の寿命が低下する
(一定の発光輝度を維持できる時間が短くなる)。特
に、蛍光部材を発光ダイオードに装着して発光装置とし
て実用化するためには、輝度寿命が5,000時間以上
であることが要求され、10,000時間以上であれ
ば、実用レベルのなかでも優れた性能を有する発光装置
と言うことができる。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、多様な発光色の蛍光部材を提供するとともに、
蛍光部材を均一かつ経時変化の少ないものとすることに
より、初期の発光色のばらつきを抑制し、さらには、前
記ペリレン系蛍光物質が、高分子材料からブリードアウ
ト等するのを防止することにより、発光輝度寿命の長い
蛍光部材およびこれを用いた発光装置を提供することを
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ポリカーボネ
ート樹脂とペリレン系蛍光物質とを溶融混練して得られ
る蛍光部材であって、前記蛍光部材は、下記一般式1〜
7のいずれかによって表わされるペリレン系蛍光物質の
少なくとも1種を含有していることを特徴とする蛍光部
材である。
【0011】
【化8】
【0012】(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、
アルコキシ基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキ
シ基のいずれかであり、X1とX2はそれぞれ、CN,
F,ClまたはBrのいずれかであり、R3は、炭素数
が5以上のアルキル基である。)
【0013】
【化9】
【0014】(式中、R1とR2はそれぞれ、アルコキシ
基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキシ基のいず
れかであり、R4は、アルキルフェニル基である。)
【0015】
【化10】
【0016】(式中、R1とR2はそれぞれ、アルコキシ
基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキシ基のいず
れかであり、R5とR6はそれぞれ、アルキル基、フェニ
ル基、またはアルキルフェニル基のいずれかである。)
【0017】
【化11】
【0018】(式中、R7とR8はそれぞれ、炭素数が4
以上の分岐アルキル基、炭素数が5以上の直鎖アルキル
基、フェニル基、またはアルキルフェニル基のいずれか
である。)
【0019】
【化12】
【0020】(式中、R1とR2はそれぞれ、アルコキシ
基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキシ基のいず
れかであり、R9は、アルキル基、フェニル基、または
アルキルフェニル基のいずれかである。)
【0021】
【化13】
【0022】(式中、R10は、炭素数が6以上のアルキ
ル基、フェニル基、またはアルキルフェニル基のいずれ
かである。)
【0023】
【化14】
【0024】(式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、
アルコキシ基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキ
シ基のいずれかであり、R11は、炭素数が2以上のアル
キル基、フェニル基、またはアルキルフェニル基のいず
れかであり、Aは、シクロアルキレン基、フェニレン
基、ナフチレン基、またはピリジレン基のいずれかであ
る。)
【0025】前記ペリレン系蛍光物質は、前記一般式1
で表わされるものであって、X1とX2とがCNであり、
1とR2は水素原子であり、R3は、炭素数が5以上の
分岐アルキル基であることが好ましい。また、前記ペリ
レン系蛍光物質は、前記一般式3で表わされるものであ
って、R1とR2は、フェノキシ基であり、R5とR6は、
アルキルフェニル基であること、または、前記一般式7
で表わされるものであって、Aがフェニレン基であり、
1とR2はそれぞれ、フェノキシ基またはエトキシ基で
あり、R11がアルキルフェニル基であることが好まし
い。また、前記蛍光部材は、キャップ状またはシート状
であることが好ましい。本発明は、さらに前記蛍光部材
と発光ダイオードとを含む発光装置であり、前記発光装
置は、ランプ状または面状であることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の蛍光部材は、ポリカーボ
ネート樹脂とペリレン系蛍光物質とを溶融混練して得ら
れる蛍光部材である。本発明において、ポリカーボネー
ト樹脂を使用するのは、ポリカーボネート樹脂は、透明
性(透光性)が高く、光学材料として好適に使用できる
からである。さらに、ポリカーボネート樹脂は、耐熱
性、耐候性に優れているので、樹脂自身が劣化・分解し
難く、蛍光物質のブリードアウトや偏在を抑制できる。
その結果、輝度寿命が長く、経時により発光色のばらつ
きが生じない蛍光部材が得られる。一方、ゴムのような
ガラス転移温度が低く、室温で分子運動が大きい高分子
材料では、蛍光物質がブリードアウトや偏在しやすくな
る。その結果、輝度寿命が短くなり、発光色がばらつく
原因となる。また、蛍光部材を使用したLEDは、自動
車メータ類のバックランプのように比較的高温の使用雰
囲気で使用される場合が多いので、ポリメタクリル酸メ
チル(PMMA)やポリスチレン(PS)なども、ポリ
カーボネート樹脂ほどの耐熱性を有していないために、
輝度寿命が短くなる傾向がある。
【0027】前記ポリカーボネート樹脂としては、市販
されているものを使用すればよく、例えば、住友ダウ
(株)製カリバーや、帝人化成(株)製パンライトなど
を好適に使用できる。前記ポリカーボネート樹脂の分子
量は、特に限定されないが、好ましくは5,000〜1
00,000であり、より好ましくは10,000〜3
0,000であればよい。
【0028】本発明者らは、上述したポリカーボネート
樹脂とペリレン系蛍光物質とを溶融混練することによっ
て、得られる蛍光部材の発光色のばらつきを抑制できる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。溶融混練す
ることによって、発光色のばらつきを抑制できる機構に
ついては不明であるが、ペリレン系蛍光物質のポリカー
ボネート樹脂への分散性や分散状態が影響しているもの
と推察される。例えば、蛍光物質をポリカーボネート樹
脂へ分散させる方法としては、蛍光物質とポリカーボネ
ート樹脂とを溶媒で混合して溶解した後、溶媒を蒸発さ
せる方法(溶解分散法)もある。しかし、当該溶解分散
法では、均一な蛍光部材が得られず、蛍光部材の発光色
のばらつきを抑制できないのみならず、分散させるペリ
レン系蛍光物質の分子量が大きくなるにつれて、発光色
のばらつきが大きくなるという問題がある。
【0029】本発明において、ポリカーボネート樹脂と
ペリレン系蛍光物質とを溶融混練する方法は、特に制限
されないが、例えば、ポリカーボネート樹脂のペレット
とペリレン系蛍光物質とをあらかじめ簡単に混合したも
のを、ペレタイザー、射出成形機、または押出加工機な
どを用いて溶融混練すればよい。前記溶融混練の温度
は、270℃以上、より好ましくは300℃以上で、3
40℃以下、より好ましくは320℃以下であることが
望ましい。また、溶融混練する時間は、当該温度範囲
で、数秒から1時間以内とすることが好ましい。
【0030】本発明の蛍光部材は、溶融混練された後、
一旦取出されたペレット状のものでもよく、或いは、射
出成形や押出成形などの方法により成形した成形体であ
ってもよいが、より好ましくは、溶融混練されたものを
直接成形することにより得られる成形体である。特に、
射出成形や押出成形などの成形方法を採用すれば、複雑
な形状への成形が可能となるとともに、溶融混練と成形
を連続的に行うことができ、生産効率を高めることがで
きる。尚、本発明の蛍光部材は、液晶やメータ類などの
バックライトや電球(ライト)等に使用するために、シ
ート状、または、キャップ状などに成形することが好ま
しい。
【0031】次に、前記ポリカーボネート樹脂と溶融混
練されるペリレン系蛍光物質について説明する。本発明
の蛍光部材は、下記一般式1〜7のいずれかによって表
わされるペリレン系蛍光物質の少なくとも1種を含有し
ている。これらのペリレン系蛍光物質を使用することに
よって、多様な発光色を実現でき、また、実用可能な発
光輝度寿命を有する蛍光部材が得られるからである。前
記ペリレン系蛍光物質は、紫外線、電子線や、発光ダイ
オードやライトなどの光源から発せられた光等を吸収し
て蛍光を発するものであればよいが、例えば、ポリカー
ボネート樹脂に対して、顔料や染料というような色素成
分として同時に作用するものでもよい。
【0032】まず、下記一般式1〜7で表わされるペリ
レン系蛍光物質の基本的な特徴(共通する特徴)につい
て説明する。ペリレン骨格に直接結合している官能基R
1とR2はそれぞれ、水素原子、アルコキシ基、フェノキ
シ基、またはアルキルフェノキシ基のいずれかであれば
よく、R1とR2とは、異なっていても同一であってもよ
い。尚、一般式4及び6で表わされる化学構造は、一般
式3および5で表わされる化学構造のR1とR2とを水素
原子とした場合である。
【0033】R1とR2がアルコキシ基の場合、前記アル
コキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基などの直鎖ア
ルコキシ基、イソプロポキシ基、イソブトキシ基、se
c−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等の分岐アルコ
キシ基などが挙げられ、特に好ましくは、分岐アルコキ
シ基である。前記アルコキシ基の炭素数は、特に限定さ
れないが、好ましくは2〜6であり、より好ましくは4
〜6である。炭素数が多いほど、輝度寿命が長くなるか
らである。
【0034】R1とR2がアルキルフェノキシ基の場合
は、前記アルキルフェノキシ基としては、メチルフェノ
キシ基、n−エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノ
キシ基、n−ブチルフェノキシ基、n−ペンチルフェノ
キシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−ヘプチルフェ
ノキシ基等の直鎖アルキルフェノキシ基;イソプロピル
フェノキシ基、イソブチルフェノキシ基、sec−ブチ
ルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、イソ
ペンチルフェノキシ基、ネオペンチルフェノキシ基など
の分岐アルキルフェノキシ基などが挙げられる。これら
のアルキルフェノキシ基の炭素数は、特に限定されない
が、炭素数が多くなるほど好ましい。
【0035】下記一般式1〜7中、R1とR2の好ましい
官能基の種類や、その他の官能基(R3〜R11、A,
1、X2等)の種類は、これらの官能基の組合わせやペ
リレン系蛍光物質の骨格に基づいて適宜設定することが
できる。以下に、各式で表わされるペリレン系蛍光物質
の詳細ついて説明する。
【0036】下記一般式1表わされるペリレン系蛍光物
質は、ペリレン骨格に直接官能基R 1,R2,X1,X2
びCOOR3が結合したものである。
【0037】
【化15】
【0038】式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、ア
ルコキシ基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキシ
基のいずれかであればよい。R1とR2とが、同一であっ
ても、異なっていても良いのは上述した通りである。式
中、X1とX2はそれぞれ、CN,F,ClまたはBrの
いずれかであり、好ましくはCNである。R3は、炭素
数が5以上のアルキル基であり、好ましくは炭素数が6
以上のアルキル基である。R3の炭素数が5未満である
と蛍光部材の輝度寿命が短くなるからである。また、前
記アルキル基は、さらに分岐アルキル基であることが好
ましく、より好ましく2級分岐アルキル基である。一般
式1で表わされる好ましいペリレン系蛍光物質として
は、R1とR2とが水素原子であり、X1とX2とはCNで
あり、R3がシクロヘキシル基、トリデシル基、ヘキサ
デシル基、1−エチルブチル基、1,1−n−ジプロピ
ルメチル基、または1,1−ジシクロヘキシルメチル基
の場合である。かかる場合には、輝度寿命が5,000
時間以上の蛍光部材が得られるからである。
【0039】下記一般式2で表わされるペリレン系蛍光
物質は、ペリレン骨格の片側にのみ、N−置換イミド構
造を有するものである。
【0040】
【化16】
【0041】式中、R1とR2のそれぞれは、アルコキシ
基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキシ基のいず
れかであればよい。R1とR2が水素原子の場合は、蛍光
部材の輝度寿命が短くなるので好ましくない。N−置換
イミド構造における置換基R 4は、アルキルフェニル基
であり、より好ましくは、イソプロピルフェニル基であ
る。また、一般式2で表わされる好ましいペリレン系蛍
光物質としては、R4が、イソプロピルフェニル基であ
り、R1とR2とが、エトキシ基、フェノキシ基、または
イソプロピルフェノキシ基の場合が挙げられる。いずれ
も蛍光部材としての寿命が5,000時間以上と長くな
るからである。
【0042】下記一般式3で表わされるペリレン系蛍光
物質は、ペリレン骨格の両側にN-置換イミド構造を有
するものである。
【0043】
【化17】
【0044】式中、R1とR2のそれぞれは、アルコキシ
基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキシ基のいず
れかであり、N−置換基であるR5とR6はそれぞれ、ア
ルキル基、フェニル基、またはアルキルフェニル基のい
ずれかであればよい。また、R5とR6とは、同一であっ
ても異なっていてもよい。一般式3で表わされる好まし
いペリレン系蛍光物質としては、R1とR2とがフェノキ
シ基であり、R5とR6とが、メチル基、またはイソプロ
ピルフェニル基である場合が挙げられる。特に、R5
6とがイソプロピルフェニル基である場合は、得られ
る蛍光部材の輝度寿命が10,000時間以上となるの
で極めて好ましい。
【0045】下記一般式4で表わされるペリレン系蛍光
物質は、ペリレン骨格の両側にN−置換イミド構造を有
するものである。
【0046】
【化18】
【0047】式中、R7とR8はそれぞれ、炭素数が4以
上の分岐アルキル基、炭素数が5以上の直鎖アルキル
基、フェニル基、またはアルキルフェニル基のいずれか
であれば良い。N-置換基であるR7とR8のアルキル基
の炭素数が一定値未満になると、蛍光部材の輝度寿命
5,000時間を確保できないからである。また、前記
アルキル基は、直鎖状であるか分岐状であるかによっ
て、その炭素数の下限が変化するので、分岐アルキル基
の場合は、炭素数を4以上とし、直鎖アルキル基の場合
は、炭素数を5以上とする。さらに、前記分岐アルキル
基は、好ましくは2級若しくは3級の分岐アルキル基で
あることが好ましい。尚、R7とR8とは、同一であって
も異なっていてもよい。一般式4で表わされる好ましい
ペリレン系蛍光物質としては、R7とR8とが、sec−
ブチル基、n−オクチル基、イソプロピルフェニル基の
場合が挙げられる。いずれの場合も寿命が5,000時
間以上と長い蛍光部材が得られるからである。
【0048】下記一般式5で表わされるペリレン系蛍光
物質は、ペリレン骨格の一方の側にN−置換イミド構造
を有し、他方の側には、無水カルボン酸構造を有するも
のである。
【0049】
【化19】
【0050】式中、R1とR2はそれぞれ、アルコキシ
基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキシ基のいず
れかである。R1とR2とを、アルコキシ基、フェノキシ
基、またはアルキルフェノキシ基のいずれかとすること
により、蛍光部材の寿命を5,000時間以上と長くで
きるからである。N−置換基であるR9は、アルキル
基、フェニル基、またはアルキルフェニル基のいずれか
であればよい。一般式5で表わされる好ましいペリレン
系蛍光物質としては、R9がメチル基であり、R1とR2
とが、エトキシ基またはフェノキシ基の場合である。い
ずれも輝度寿命が5,000時間以上の蛍光部材が得ら
れる。
【0051】下記一般式6で表わされるペリレン系蛍光
物質は、ペリレン骨格の一方の側にN−置換イミド構造
を有し、他方の側には、無水カルボン酸構造を有するも
のである。
【0052】
【化20】
【0053】式中、N−置換基であるR10は、炭素数が
6以上のアルキル基、より好ましくは炭素数が8以上の
アルキル基、フェニル基またはアルキルフェニル基のい
ずれかである。一般式6で表わされる好ましいペリレン
系蛍光物質としては、R10がイソプロピルフェニル基、
n−オクチル基の場合である。いずれも蛍光寿命が5,
000時間以上の蛍光部材が得られるからである。
【0054】下記一般式7で表わされるペリレン系蛍光
物質は、ペリレン骨格の一方の側にN−置換イミド構造
を有し、他方の側にはN―置換イミド構造の一方の酸素
原子を窒素原子に置換した構造を有し、さらに、2つの
窒素原子には、置換基Aが結合している。
【0055】
【化21】
【0056】式中、R1とR2とはそれぞれ、水素原子、
アルコキシ基、フェノキシ基、アルキルフェノキシ基の
いずれかであり、R1とR2とは、同一であっても異なっ
ていてもよい。N−置換基であるR11は、炭素数が2以
上のアルキル基、好ましくは炭素数が4以上のアルキル
基、フェニル基、アルキルフェニル基であり、また、A
はシクロアルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基、
またはピリジレン基のいずれかである。一般式7で表わ
される好ましいペリレン系蛍光物質は、Aがフェニレン
基であり、R1とR2とが、エトキシ基またはフェノキシ
基であり、R11がイソプロピルフェニル基の場合が挙げ
られる。輝度寿命が10,000時間以上を超える蛍光
部材が得られるからである。
【0057】前記一般式1〜7で表わされるペリレン系
蛍光物質は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対し
て、0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部
以上、1質量部以下、好ましくは0.1質量部以下添加
することが望ましい。0.001質量部未満であると、
蛍光物質の絶対量が少ないために、所望の発光色や輝度
を得ることが難しくなり、1質量部を超えると、蛍光物
質の量が多くなり過ぎるので、蛍光物質のブリードアウ
トなどを促進して、却って発光色のばらつきの原因とな
るからである。
【0058】本発明の蛍光部材は、前記蛍光物質の他に
も、例えば、有機修飾セラミックス、耐光性を向上させ
るための紫外線吸収剤や酸化防止剤、光を拡散させるた
めの炭酸カルシウムなどの拡散剤、さらに、本発明の効
果を妨げない範囲で、他の有機蛍光物質や無機系蛍光物
質、および顔料などを含有してもよい。前記有機修飾セ
ラミックスとは、ペリレン系蛍光物質とポリカーボネー
ト樹脂との界面接着強度を高めるもので、ペリレン系蛍
光物質のブリードアウト等を抑制することができるもの
であれば限定されず、例えば、テトラエトキシシラン、
オルガノトリエトキシシラン、チタンテトライソプロポ
キシドなどの加水分解により得られるものなどが挙げら
れる。
【0059】本発明はさらに、上述した本発明の蛍光部
材と発光ダイオードとを含む発光装置である。本発明で
使用する発光ダイオード(LED)とは、LED素子そ
のものの他、LED素子を樹脂などで封止成形したもの
をも意味するものとする。前記LEDとしては、例えば
Ga:ZnO赤色LED、GaP:N緑色LED、Ga
AsP系赤色LED、GaAsP系橙色・黄色LED、
GaAlAs系LED、InGaAlP系橙・黄色LE
D、GaN系青色LED、SiC青色LED、II−VI族
青色LED、青色LED等が挙げられる。特に、発光色
を変化させるには、エネルギーの高い青色LEDが好ま
しく、これに続く緑色のLEDあるいはその他のエネル
ギーの高いLEDを使用することが好ましい。前記発光
ダイオードの形態は、特に限定されず、例えばLEDラ
ンプやチップタイプLED、セグメントタイプLED等
が挙げられ、もちろん1辺が1mm以下の小型LEDで
あってもよい。
【0060】前記発光装置の形態は、特に限定されるも
のではないが、面状やランプ状であることが好ましい。
面状の発光装置としては、例えば、LEDチップを備え
た基板上に、上述したシート状の蛍光部材を積層して、
液晶などの表示のバックライトとして使用することがで
きる。また、ランプ状の発光装置としては、自動車メー
ター類などのバックライトなどとして使用することがで
きる。
【0061】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、
本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、
いずれも本発明の範囲内に含まれる。
【0062】(1)輝度寿命の測定方法について キャップ状に成形した蛍光部材を青色LEDランプに装
着し、20mAで点灯させて、85℃にて連続点灯試験
を行い、輝度の寿命を測定した。輝度寿命は、初期輝度
(点灯直後の輝度)が半減する時間とした。
【0063】(2)発光色のばらつきの測定について シート状に成形した蛍光部材で青色LEDランプを被覆
し、20mAで点灯して、発光波長を分光放射輝度計に
て測定した。
【0064】(3)ペリレン系蛍光物質の種類と輝度寿
命について 3−1)下記一般式1において、表1に示した置換基を
有するペリレン系蛍光物質のそれぞれ0.1質量部とポ
リカーボネート樹脂(住友ダウ(株)製カリバー)10
0質量部とを300℃で溶融混練し、射出成形して、キ
ャップ状の蛍光部材1〜11を得た。蛍光部材1〜11
について、輝度寿命の測定をした結果を表1に示した。
この結果より、発光色が緑色の実用可能な蛍光部材が得
られていることが分かる
【0065】
【化22】
【0066】
【表1】
【0067】表1より、X1とX2とがCNであり、R3
が炭素数が5以上のアルキル基であれば、輝度寿命が
5,000時間以上となることが分かる。この結果よ
り、発光色が緑色の実用可能な蛍光部材が得られている
ことが分かる。
【0068】3−2)下記一般式2において、表2に示
した置換基を有するペリレン系蛍光物質を使用したこと
以外は、蛍光部材1〜11と同様の方法にて、蛍光部材
12〜18を得た。蛍光部材12〜18について、発光
輝度寿命の測定をした結果を表2に示した。
【0069】
【化23】
【0070】
【表2】
【0071】表2より、R1およびR2が、エトキシ基、
フェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基の場合であっ
て、R4がイソプロピルフェニル基である場合には、蛍
光部材の輝度寿命が5,000時間以上であることが分
かる。この結果より、発光色が赤色の実用可能な蛍光部
材が得られていることが分かる。
【0072】3−3)下記一般式3において、表3に示
した置換基を有するペリレン系蛍光物質を使用したこと
以外は、蛍光部材1〜11と同様の方法にて、蛍光部材
19及び20を得た。蛍光部材19及び20について、
輝度寿命の測定をした結果を表3に示した。
【0073】
【化24】
【0074】
【表3】
【0075】表3より、R1とR2とがフェノキシ基であ
り、R5とR6とがメチル基の場合は、発光輝度寿命が
5,000時間以上となり、さらにR5とR6とがイソプ
ロピルフェニル基である場合には、発光輝度寿命が1
0,000時間以上となり、極めて優れた蛍光部材20
(発光色:赤色)が得られた。
【0076】3−4)下記一般式4において、表4に示
した置換基を有するペリレン系蛍光物質を使用したこと
以外は、蛍光部材1〜11と同様の方法にて、蛍光部材
21〜25を得た。蛍光部材21〜25について、発光
輝度寿命の測定をした結果を表4に示した。
【0077】
【化25】
【0078】
【表4】
【0079】表4より、R7とR8との炭素数が4である
アルキル基を有する場合であっても、n−ブチル基を有
する蛍光部材22の寿命は、3,000時間であり、s
ec−ブチル基を有する蛍光部材23の寿命が5,00
0時間以上であることから、輝度寿命は、R7やR8の構
造の影響を受け、炭素数が4以上の分岐アルキル基であ
れば輝度寿命が5,000時間以上となることが分か
る。また、R7とR8とがn−オクチル基やイソプロピル
フェニル基の場合には、輝度寿命が5,000時間以上
となって、優れた蛍光部材24及び25が得られた。
尚、蛍光部材23〜25の発光色は、いずれも橙色であ
った。
【0080】3−5)下記一般式5において、表5に示
した置換基を有するペリレン系蛍光物質を使用したこと
以外は、蛍光部材1〜11と同様の方法にて、蛍光部材
26及び27を得た。蛍光部材26及び27について、
発光輝度寿命の測定をした結果を表5に示した。
【0081】
【化26】
【0082】
【表5】
【0083】表5より、R1とR2とがエトキシ基、フェ
ノキシ基である場合には、R9がメチル基であっても、
寿命が5,000時間以上の蛍光部材26及び27が得
られることが明らかとなった。尚、蛍光部材26の発光
色は黄色であり、蛍光部材27の発光色は赤色であっ
た。
【0084】3−6)下記一般式6において、表6に示
した置換基を有するペリレン系蛍光物質を使用したこと
以外は、蛍光部材1〜11と同様の方法にて、蛍光部材
28〜31を得た。蛍光部材28〜31について、輝度
寿命の測定をした結果を表6に示した。
【0085】
【化27】
【0086】
【表6】
【0087】表6より、R10がn−オクチル基やイソプ
ロピルフェニル基の場合には、蛍光部材30,31の発
光色が緑色となり、輝度寿命が5,000時間以上とな
ることが分かる。
【0088】3−7)下記一般式8において、表7に示
した置換基を有するペリレン系蛍光物質を使用したこと
以外は、蛍光部材1〜11と同様の方法にて、蛍光部材
32〜37を得た。蛍光部材32〜37について、輝度
寿命の測定をした結果を表7に示した。
【0089】
【化28】
【0090】
【表7】
【0091】表7より、R1とR2とが水素原子であり、
11が最も小さいアルキル基であるメチル基である場合
には、輝度寿命が3,000時間と短いが、R11が炭素
数が4のn−ブチル基、sec−ブチル基、またはイソ
プロピルフェニル基である場合には、輝度寿命が5,0
00時間以上となることが分かる。また、置換基R11
構造によって、発光色が橙色の蛍光部材33〜35と発
光色が赤色の蛍光部材36及び37が得られた。さら
に、R1とR2とがエトキシ基、フェノキシ基の場合に
は、輝度寿命が10,000時間以上となり、極めて優
れた蛍光部材36及び37が得られることが分かった。
【0092】尚、以下の説明において、上記蛍光部材1
〜37で使用したペリレン系蛍光物質をそれぞれ、蛍光
物質1〜37という場合がある。
【0093】(4)マトリックス樹脂の種類の影響につ
いて 蛍光部材20で使用したポリカーボネート樹脂の代わり
に、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EP
DM)、ブチルゴム(IIR)、ポリスチレン(P
S)、アクリロニトリルブタジエン共重合ゴム(NB
R)、シリコーンゴム、ポリメタクリル酸メチル(PM
MA)を使用した以外は、蛍光部材20と同様の方法に
より、キャップ状の蛍光部材38〜43を作製した。そ
れぞれの蛍光部材について発光輝度の経時変化を測定し
た。結果を表8に示した。
【0094】
【表8】
【0095】表8より、ペリレン系蛍光物質を分散する
マトリックス樹脂として、EPDMやNBRなどのゴム
を使用した場合には、72時間程度で発光輝度が著しく
低下することが分かる。また、PMMAやPSを使用し
た場合も、ポリカーボネート樹脂を使用した場合に比べ
て、経時による発光輝度の低下が大きいことが明らかと
なった。これらの結果より、ペリレン系蛍光物質を分散
するマトリックス樹脂の種類によって、輝度寿命が影響
を受け、耐熱性に優れるポリカーボネート樹脂を使用す
ることが最も好ましいことが明らかとなった。
【0096】(5)ペリレン系蛍光物質とポリカーボネ
ート樹脂の混合方法の影響について 5−1)溶融混練法による蛍光部材の作製 ペリレン系蛍光物質21および25のそれぞれについ
て、ペリレン系蛍光物質1質量部とポリカーボネート樹
脂100質量部とを300℃で溶融混練した後、シート
状に成形して、厚さ200μmのシート状蛍光部材44
及び45を作製した。
【0097】5−2)溶解分散法による蛍光部材の作製 ペリレン系蛍光物質21及び25のそれぞれについて、
ペリレン系蛍光物質1質量部とポリカーボネート樹脂1
00質量部とをテトラヒドロフラン(THF)500質量
部に加えて溶解した。これらの溶液をシート状に塗布
し、室温で風乾して、厚さが200μmのシート状蛍光
部材46及び47を得た。
【0098】5−3)溶融混練法と溶解分散法との対比 得られたシート状蛍光部材について、発光色のばらつき
を観察した。各シートのCIExy色度図を図1〜図4
に、また、色度座標x値の色度分布を図5〜図8に示し
た。
【0099】図1は、溶融混練法により作製したシート
状蛍光部材44の発光色のばらつきであり、発光色のば
らつきは、(x,y)=(0.283,0.268)〜
(0.302,0.283)の範囲であった。一方、図
2は、溶解分散法により作製したシート状蛍光部材46
の発色光のばらつきであり、(x,y)=(0.261,
0.244)〜(0.309,0.289)の範囲であ
った。これらの結果より、溶融混練法により作製したシ
ート状蛍光部材44の発光色のばらつきは、溶解分散法
により作製したシート状蛍光部材46のものよりも小さ
くなることが明らかとなった。尚、シート状蛍光部材4
5(図3)と47(図4)の対比においても同様の結果
である。
【0100】5−4)ペリレン系蛍光物質の分子量につ
いての検討 シート状蛍光部材44及び46は、置換基R5とR6が小
さなメチル基であるペリレン系蛍光物質21を使用した
場合であり、シート状蛍光部材45及び47は、置換基
5とR6とが大きなイソプロピルフェニル基であるペリ
レン系蛍光物質25を使用した場合である。これらのペ
リレン系蛍光物質の分子量の違いが、溶融混練法と溶解
分散法とに与える影響について検討した結果を図5〜図
8に示した。図5および図6は、溶融混練法により作製
したシート状蛍光部材44(メチル基の場合)および4
5(イソプロピルフェニル基の場合)の色度座標x値の
ばらつきを示したものであり、x値のばらつきはそれぞ
れ、0.275〜0.300、0.280〜0.300
であった。これらの結果より、溶融混練法では、置換基
の大きさによらず、発光色のばらつきが抑制されている
ことが分かる。一方、図7及び図8は、溶解分散法によ
り作製したシート状蛍光部材46及び47の色度座標x
値のばらつきを示したものである。置換基R5とR6とが
イソプロピルフェニル基である場合(図8)の発光色の
ばらつきの範囲は、置換基がメチル基の場合(図7)と
比べて、大きくなっていることがわかる。これらの結果
より、溶解分散法では、ペリレン系蛍光物質の分子量が
大きくなるにつれて、発光色がばらつく傾向があるが、
溶融混練法によれば、ペリレン系蛍光物質の分子量によ
らず、均一な蛍光部材を提供できることが明らかとなっ
た。
【0101】
【発明の効果】本発明によれば、ペリレン系蛍光物質と
ポリカーボネート樹脂とを溶融混練することにより、均
一で経時変化の少ない蛍光部材が得られる。その結果、
初期の発光色のばらつきが小さく、発光輝度の寿命も長
い蛍光部材が得られる。さらに、溶融混練法によれば、
ペリレン系蛍光物質の分子量によらず、発光色のばらつ
きが小さい蛍光部材を得ることができるという特徴があ
る。
【0102】本発明によれば、有機蛍光物質であるペリ
レン系蛍光物質を使用し、該ペリレン系蛍光物質が蛍光
部材中に分子レベルで分散するので、無機蛍光物質のよ
うに、蛍光部材中に分散された無機蛍光物質粒子が光を
散乱するという問題がなく、指向性に優れた蛍光部材が
得られる。また、異なる構造を有するペリレン系蛍光物
質を使用することにより、多様な発光色の蛍光部材を得
ることができる。
【0103】また、本発明の蛍光部材を用いた発光装置
も、同様の特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 溶融混練法による蛍光部材44のxy色度図
である。
【図2】 溶解分散法による蛍光部材46のxy色度図
である。
【図3】 溶融混練法による蛍光部材45のxy色度図
である。
【図4】 溶解分散法による蛍光部材47のxy色度図
である。
【図5】 溶融混練法による蛍光部材44の色度分布図
である。
【図6】 溶融混練法による蛍光部材45の色度分布図
である。
【図7】 溶解分散法による蛍光部材46の色度分布図
である。
【図8】 溶解分散法による蛍光部材47の色度分布図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/06 610 C09K 11/06 610 640 640 655 655 H01L 33/00 H01L 33/00 M (72)発明者 高木 和久 福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字坊頭窪1 番地 株式会社ファインラバー研究所内 (72)発明者 小田喜 勉 福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字坊頭窪1 番地 株式会社ファインラバー研究所内 Fターム(参考) 4H001 CA01 4J002 CG011 EH146 EL096 EL136 EU056 EU096 FD206 GN00 GP00 GQ00 5F041 AA11 AA44 EE25 FF11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリカーボネート樹脂とペリレン系蛍光
    物質とを溶融混練して得られる蛍光部材であって、前記
    蛍光部材は、下記一般式1〜7のいずれかによって表わ
    されるペリレン系蛍光物質の少なくとも1種を含有して
    いることを特徴とする蛍光部材。 【化1】 (式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、アルコキシ
    基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキシ基のいず
    れかであり、X1とX2はそれぞれ、CN,F,Clまた
    はBrのいずれかであり、R3は、炭素数が5以上のア
    ルキル基である。) 【化2】 (式中、R1とR2はそれぞれ、アルコキシ基、フェノキ
    シ基、またはアルキルフェノキシ基のいずれかであり、
    4は、アルキルフェニル基である。) 【化3】 (式中、R1とR2はそれぞれ、アルコキシ基、フェノキ
    シ基、またはアルキルフェノキシ基のいずれかであり、
    5とR6はそれぞれ、アルキル基、フェニル基、または
    アルキルフェニル基のいずれかである。) 【化4】 (式中、R7とR8はそれぞれ、炭素数が4以上の分岐ア
    ルキル基、炭素数が5以上の直鎖アルキル基、フェニル
    基、またはアルキルフェニル基のいずれかである。) 【化5】 (式中、R1とR2はそれぞれ、アルコキシ基、フェノキ
    シ基、またはアルキルフェノキシ基のいずれかであり、
    9は、アルキル基、フェニル基、またはアルキルフェ
    ニル基のいずれかである。) 【化6】 (式中、R10は、炭素数が6以上のアルキル基、フェニ
    ル基、またはアルキルフェニル基のいずれかである。) 【化7】 (式中、R1とR2はそれぞれ、水素原子、アルコキシ
    基、フェノキシ基、またはアルキルフェノキシ基のいず
    れかであり、R11は、炭素数が2以上のアルキル基、フ
    ェニル基、またはアルキルフェニル基のいずれかであ
    り、Aは、シクロアルキレン基、フェニレン基、ナフチ
    レン基、またはピリジレン基のいずれかである。)
  2. 【請求項2】 前記ペリレン系蛍光物質は、前記一般式
    1で表わされるものであって、X1とX2とがCNであ
    り、R1とR2は水素原子であり、R3は、炭素数が5以
    上の分岐アルキル基である請求項1に記載の蛍光部材。
  3. 【請求項3】 前記ペリレン系蛍光物質は、前記一般式
    3で表わされるものであって、R1とR2は、フェノキシ
    基であり、R5とR6は、アルキルフェニル基である請求
    項1に記載の蛍光部材。
  4. 【請求項4】 前記ペリレン系蛍光物質は、前記一般式
    7で表わされるものであって、Aがフェニレン基であ
    り、R1とR2はそれぞれ、フェノキシ基またはエトキシ
    基であり、R11がアルキルフェニル基である請求項1に
    記載の蛍光部材。
  5. 【請求項5】 前記蛍光部材は、キャップ状またはシー
    ト状である請求項1〜4のいずれかに記載の蛍光部材。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の蛍光部
    材と発光ダイオードとを含む発光装置。
  7. 【請求項7】 前記発光装置は、ランプ状または面状で
    ある請求項6に記載の発光装置。
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