JP2003290786A - 浄化槽および浄化槽の使用方法 - Google Patents

浄化槽および浄化槽の使用方法

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JP2003290786A
JP2003290786A JP2002100402A JP2002100402A JP2003290786A JP 2003290786 A JP2003290786 A JP 2003290786A JP 2002100402 A JP2002100402 A JP 2002100402A JP 2002100402 A JP2002100402 A JP 2002100402A JP 2003290786 A JP2003290786 A JP 2003290786A
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filtration
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Sayuri Fujita
早百合 藤田
Kei Takahashi
慶 高橋
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Fujiclean Co Ltd
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Fujiclean Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生物濾過処理槽を有する浄化槽におい
て、生物濾過処理の効率、および逆洗時の洗浄効率を一
層向上するのに好適な技術を提供する。 【解決手段】 それぞれ担体127が充填された生物
処理領域121と濾過処理領域123とが配置された生
物濾過処理槽107を有する浄化槽であって、散気運転
時において、生物処理領域121における上向流によ
り、当該生物処理領域121から濾過処理領域123へ
移送された被処理水が生物処理領域121へ還流するよ
う旋回流が形成され、逆洗時において、濾過処理領域1
23における担体127を洗浄するための上向流156
aにより、散気運転時における旋回流とは逆方向の旋回
流158が形成され、これによって濾過処理領域123
から生物処理領域121へ移送された被処理水が濾過処
理領域123に還流されることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生物濾過処理槽を有
する浄化槽の構築技術に関する。
【0002】
【従来の技術】生物濾過処理槽を有する浄化槽の構築技
術の一例が、特開2001−259674号に開示され
ている。これによれば、担体を用いた汚水の処理効率お
よび逆洗効率双方を向上するべく、生物処理領域と濾過
処理領域とを並列的に配置構成し、生物処理領域内の散
気上向流によって処理水が当該生物処理領域から隣接す
る濾過処理領域へ旋回流を形成しつつ移動可能に構成さ
れ、しかも当該旋回流を介して、濾過処理領域内の担体
を生物処理領域へ暫時移送することにより、各処理領域
における担体充填量を変化させる技術が開示されてい
る。
【0003】この開示技術では、通常運転時に、生物処
理領域の担体充填量を相対的に増加させることで生物処
理効率を向上する一方、濾過処理領域の担体充填量を相
対的に減少させることで、逆洗時の濾過処理領域の洗浄
効率を向上することが可能とされる。一方、この開示技
術において逆洗による洗浄を実施する場合、濾過処理領
域内の担体から剥離したSS(Suspended Solid)等の
浮遊固形物の処理、ないし生物処理領域と濾過処理領域
との間で移動を許容された流動担体の挙動、さらには担
体の洗浄効率ないし担体洗浄の際のエネルギー効率につ
いて検討し、処理効率の一層の合理化を図る要請があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる点に
鑑みてなされたものであり、生物濾過処理槽を有する浄
化槽において、生物濾過処理の効率、および逆洗時の洗
浄効率を一層向上するのに好適な技術を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、各請求項記載の発明が構成される。請求項1に記載
の発明では、それぞれ担体が充填された生物処理領域と
濾過処理領域とが配置された生物濾過処理槽を有する浄
化槽が構成される。そして散気運転時には、生物処理領
域における上向流により、生物処理領域から濾過処理領
域へ移送された処理水が生物処理領域へ還流するよう旋
回流が形成される。
【0006】本発明における「担体」は、典型的には中
空円筒状に形成された粒状、あるいは多孔質の立方体
状、球状の担体が該当し、例えばパーライト、シラスバ
ルーン、発泡コンクリート、活性炭、多孔質セラミッ
ク、多孔質硝子といった無機系担体、あるいはポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、ポリウレタ
ン等の合成樹脂系担体が含まれる。
【0007】また本発明における「生物処理領域」で
は、典型的には、担体に着床した微生物による好気性処
理が行われ、「濾過処理領域」では、典型的には、生物
処理領域における好気性処理で生じたSS(Suspended
Solid)等の浮遊固形物を捕捉することによって被処理
水の濾過処理が行われるよう構成するのが好ましい。
【0008】本発明では、散気運転時に、生物処理領域
から濾過処理領域へ移送された処理水が生物処理領域へ
還流するよう旋回流が形成される。被処理水は、生物処
理領域において生物処理された後、当該旋回流によって
濾過処理領域に移流されて濾過処理を受ける構成とさ
れ、円滑な生物処理および濾過処理が遂行される。さら
に濾過処理領域に移流した被処理水は旋回流によって再
度生物処理領域に還流されるため、生物処理および濾過
処理を繰り返すことによって、被処理水の生物濾過処理
を重畳的かつ効果的に行うことが可能である。
【0009】本発明では、さらに逆洗時において、濾過
処理領域における担体を洗浄するための上向流により、
散気運転時における旋回流とは逆方向の旋回流が形成さ
れる。そしてこの逆方向旋回流によって濾過処理領域か
ら生物処理領域へ移送された被処理水が濾過処理領域に
還流するよう構成される。逆洗を行うには、大容量のエ
ア流を濾過処理領域に導くことで濾過処理領域内の担体
に付着した濾過物を剥離し、担体洗浄水(逆洗水)とし
て生物濾過処理槽から上流側の処理槽に引き抜くのが一
般的であるが、本発明においては、濾過処理領域におけ
る逆洗時の担体洗浄用上向流によって形成された逆方向
旋回流が濾過処理領域および生物処理領域の間で還流す
る構成とされるため、当該逆方向旋回流によって生物処
理領域における担体をも洗浄することができ、高いエネ
ルギー効率を維持しつつ逆洗時の担体洗浄能力を向上す
ることが可能である。
【0010】(請求項2に記載の発明)請求項2に記載
の発明によれば、請求項1に記載の浄化槽につき、逆洗
時における上記逆方向旋回流により、生物処理領域と濾
過処理領域の一方に充填された担体が他方の処理領域に
流動するのが許容されるよう構成される。旋回流の方向
を散気運転時と逆洗時とで逆転させる請求項1の構成
に、逆洗時に双方の領域間での担体の移流を許容する構
成を加えることにより、逆洗時に逆方向旋回流によって
生物処理領域の担体も流動させつつ洗浄することが可能
となり、生物濾過処理槽における充填担体の洗浄効率を
一層高くすることが可能となる。しかも逆洗時の担体洗
浄用上向流によって生物処理領域および濾過処理領域に
渡って逆方向旋回流を形成できるのでエネルギー効率に
も優れる。また本発明では、双方の処理領域間で担体の
移流を許容する構成ゆえに、例えば多孔性板などを配置
して処理領域間での担体の移動規制を行う必要がない。
これにより生物処理濾過槽の簡素化、さらに担体移動規
制用手段を配置した場合の目詰まり除去・定期的清掃な
どのメンテナンスを省略することが可能である。
【0011】(請求項3に記載の発明)請求項3に記載
の発明では、請求項1ないし2の各浄化槽につき、濾過
処理領域を生物処理領域の下方に延在することによっ
て、生物処理領域の下方に第2の濾過処理領域を形成し
ている。本来の濾過処理領域の他に、生物処理領域下部
に更なる第2の濾過処理領域が形成されるため、濾過処
理能力を向上することができ、さらに本来の濾過処理領
域が仮に閉塞しても、第2の濾過処理領域用いて被処理
水の濾過処理および流通が可能とされ、浄化槽による円
滑な被処理水の処理・流通が確保される。
【0012】(請求項4に記載の発明)請求項4に記載
の発明では、生物処理領域と濾過処理領域と担体洗浄領
域とが配置された生物濾過処理槽を有する浄化槽が構成
される。濾過処理領域と担体洗浄領域間では担体が移動
可能に連通される。そして散気運転時には、生物処理領
域における上向流により、当該生物処理領域から担体洗
浄領域を経由して濾過処理領域へ移送された被処理水が
生物処理領域へ還流するよう旋回流が形成される。また
逆洗時には、担体洗浄領域における担体洗浄用の上向流
により、散気運転時の旋回流とは逆方向の旋回流が形成
される。さらに逆洗時には、濾過処理領域内の担体が逆
方向旋回流によって担体洗浄領域に移送されて洗浄され
る。逆洗時に逆方向旋回流を介して濾過処理領域内の担
体を担体洗浄領域に移送して洗浄するので逆洗時の洗浄
効率を高めることが可能となる。
【0013】なお散気運転時においては、旋回流によっ
て濾過処理領域内の担体が担体洗浄領域に移動するのを
規制することにより、担体洗浄領域内に担体が残存しな
いように構成してもよく、あるいは濾過処理領域および
担体洗浄領域の寸法ないし充填担体量を適宜調節するこ
とで、散気運転時に濾過処理領域のみならず担体洗浄領
域内にも担体が存するよう構成してもよい。
【0014】(請求項5に記載の発明)上記請求項4に
記載の浄化槽については、担体洗浄領域と生物処理領域
との間で担体の流動が許容される構成および規制される
構成のいずれもが可能であるが、とりわけ担体洗浄領域
と生物処理領域との間で担体の流動を規制するよう構成
するのが好ましい(請求項5に記載の発明に対応)。こ
のように構成すれば、特に逆洗時において担体洗浄領域
内の担体が生物処理領域に移流するのを規制できるの
で、逆洗が終了して散気運転が再開される場合に濾過処
理領域内の担体充填量を安定化することが可能となる。
【0015】(請求項6に記載の発明)請求項6に記載
の発明によれば、請求項1から5までの各浄化槽につ
き、生物濾過処理槽よりも上流側の処理槽を配置し、逆
洗時の担体洗浄水を逆方向旋回流の還流部ないしその近
傍から当該上流処理槽に移送する構成が得られる。「逆
方向旋回流の還流部ないしその近傍」としては、濾過処
理領域内の担体洗浄水のみならず、逆方向旋回流によっ
て生物処理領域内の担体を洗浄した際の担体洗浄水を上
流側処理槽へ効率よく移送する見地より、逆方向旋回流
が生物処理領域側から再度濾過処理領域ないし担体洗浄
領域(請求項4の発明に対応)へ還流してくる箇所、例
えば濾過処理領域ないし担体洗浄領域の下部側、あるい
は請求項3に記載の発明における第2の濾過処理領域の
下部側から担体洗浄水を引き抜くのが好ましい。
【0016】(請求項7に記載の発明)請求項7に記載
の発明によれば、請求項1から6までの各浄化槽につ
き、生物濾過処理槽には、散気運転時における旋回流お
よび前記逆洗時における逆方向旋回流を誘導するための
誘導手段が設けられる。この誘導手段により、散気運転
時における旋回流および逆洗時における逆方向旋回流
は、生物濾過処理槽内にて円滑に循環されることにな
り、エネルギー効率を一層向上するとともに、生物濾過
処理槽の各所に汚泥が貯留しにくい構造が得られること
になる。
【0017】(請求項8に記載の発明)請求項8に記載
の発明によれば、請求項7に記載の浄化槽における誘導
手段が、生物濾過処理槽内に形成された傾斜面によって
規定される。例えば生物処理領域ないし濾過処理領域
(あるいは担体洗浄領域)の底部をスロット状ないしホ
ッパー状に形成する構成が可能である。生物濾過処理槽
内に傾斜面を形成するという簡便な手法で旋回流および
逆方向旋回流を誘導し円滑に循環させることができ、し
かも濾過処理領域での汚泥の滞留を効果的に防止するこ
とができ、合理的な浄化槽構築が可能となる。傾斜面
は、各処理領域のいずれか一つにだけ形成してもよく、
あるいは複数ないし全ての処理領域に形成してもよい。
また傾斜面は各処理領域の底部のみに形成してもよく、
あるいは旋回流を円環状にするため、生物濾過処理槽内
の各隅部をテーパー状に形成して傾斜面としてもよい。
【0018】(請求項9に記載の発明)請求項9に記載
の各発明によれば、請求項1に記載の浄化槽と実質的の
同等の構成を有する浄化槽の使用方法が構成される。こ
の発明によれば、旋回流によって合理的な散気運転を確
保するとともに、逆方向旋回流を形成することにより、
高いエネルギー効率を維持しつつ逆洗時の担体洗浄能力
を向上することが可能である。
【0019】(請求項10ないし11に記載の発明)請
求項10ないし11に記載の発明によれば、上記請求項
2ないし4に記載の浄化槽と実質的に同等の構成を有す
る浄化槽の使用方法が構成され、生物濾過処理の効率お
よび逆洗時の洗浄効果の効率を一層向上することが可能
となる。さらに、浄化槽の構成に関する他の請求項記載
の要素を適宜組み合わせて浄化槽の使用方法に関する発
明を構築することも可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態である
浄化槽、および当該浄化槽に設けられる生物濾過処理槽
の詳細につき、図面を参照しつつ説明する。図1に模式
的に示すように、本実施の形態に係る浄化槽101は、
上流側から順に、夾雑物除去槽103、嫌気濾床槽10
5、生物濾過処理槽107、処理水槽109、消毒槽1
11という複数の処理槽を有する。図1において流入管
113から浄化槽101に流入した被処理水(排水)に
ついては、まず夾雑物除去槽103において、被処理水
中の比較的大きめの固形物あるいは油脂等が固液分離さ
れて被処理水から除去される。
【0021】夾雑物除去槽103で処理された被処理水
は、次に嫌気濾床槽105へ移流される。嫌気濾床槽1
05内の濾床には、特に図示しないものの、有機汚濁物
を嫌気処理(還元処理)する嫌気性微生物が着床した濾
材が設けられており、排水中の有機汚濁物が当該嫌気濾
床槽105内の嫌気性微生物によって適宜嫌気処理され
ることになる。嫌気濾床槽105において嫌気処理され
た被処理水は、次に生物濾過処理槽107に移流され
る。さらに生物濾過処理槽107から処理水槽109へ
移送された被処理水は、消毒槽111を経由して、放流
管115から浄化槽101外部に放流される。
【0022】本発明の特徴的構成要素である生物濾過処
理槽107の詳細な構成が図2に示される。生物濾過処
理槽107は、仕切壁120を介して、互いに並列され
た左右二つの領域に区画される。図2中左側の処理領域
は生物処理領域121、右側の処理領域は濾過処理領域
123として規定される。また生物処理領域121の下
部(所定高さ位置)には散気装置151が設けられ、濾
過処理領域123の下部には逆洗装置153が設けられ
ている。散気装置151および逆洗装置153は、図示
しないブロワに接続されてエアの供給を受ける。ブロワ
から供給されたエアは、散気装置151および逆洗装置
153に設けられた多数の細孔から生物処理領域121
の上部および濾過処理領域123全域にそれぞれ供給可
能とされている。
【0023】本実施の形態における生物濾過処理槽10
7では、生物処理領域121の下部側(散気装置151
の下部)に第2の濾過処理領域124が形成される。換
言すれば、生物処理領域121と濾過処理領域123と
が並列して配置されるとともに、濾過処理領域123が
生物処理領域121の下部側に延在し、これによって第
2の濾過処理領域124が規定される。
【0024】生物濾過処理槽107は上方多孔板125
および下方多孔板126を有するとともに、両多孔板1
25,126の間に粒状の流動性担体127が適宜充填
されて構成される。下方多孔板126は、被処理水の通
過を許容する一方、担体127の通過を規制する。従っ
て下方多孔板126は、生物濾過処理槽107の担体充
填下限を規定することになる。
【0025】一方、上方多孔板125についても担体1
27の通過を規制するよう構成されるものの、生物処理
領域121および濾過処理領域123内における被処理
水の水位WLは、仕切壁120よりも上方であって、上
方多孔板125よりも下部に形成され、本実施の形態に
おける上方多孔板125は、常時において担体の移動を
規制するための部材としての機能を奏するものではな
い。換言すれば、上方多孔板125は、本実施の形態で
は、自然返送による担体の流出や、濾過処理領域123
が仮に閉塞して水位が異常に上昇した場合に、担体12
7が生物濾過処理槽107から流出するのを防止する機
能を果たす。なお本実施の形態では、生物処理領域12
1内の被処理水の水位と、濾過処理領域123内の被処
理水の水位、および処理水槽109内の被処理水の水位
はいずれも等しい水位線WLを形成するよう構成され
る。
【0026】生物処理領域121、濾過処理領域123
および第2の濾過処理領域124にそれぞれ充填される
各担体127は、特に図示しないものの、中空円筒状に
形成されることによって表面の実効面積を増大させ、有
機汚濁物を好気処理(酸化処理)する好気性微生物を多
数着床させている。
【0027】第2の濾過処理領域124には傾斜面16
1が形成されている。この傾斜面161は後述する旋回
流157および逆方向旋回流158を円滑に導くための
誘導手段163を構成する。傾斜面161は、生物濾過
処理槽107内の仕切壁120の下方側境界に形成され
た下方移流部135側へと延在する。さらに処理水槽1
09の下部には傾斜面165が形成されている。この傾
斜面165は、処理水槽109と濾過処理領域123の
下方側境界に形成された処理水槽移流部137側へと延
在する。
【0028】生物濾過処理槽107内の被処理水は、生
物処理領域121、濾過処理領域123および第2の濾
過処理領域124の間で、上方移流部133および下方
移流部135を経由して移流可能とされている。また生
物濾過処理槽107に充填された担体127について
も、上方移流部133および下方移流部135を通じて
各処理領域121,123,124間を移流可能に構成
されている。もちろん下方移流部135における担体1
27は下方多孔板126よりも下部へ移動するのを規制
される。
【0029】また生物濾過処理槽107内の被処理水
は、上記処理水槽移流部137を経由して処理水槽10
9に移流し、さらに処理水槽109内を上向するととも
に、消毒槽111および放流管115へと移流可能に構
成されている。
【0030】また処理水槽移流部137近傍領域には、
被処理水移送用エアリフトポンプ141が接続されてい
る。被処理水移送用エアリフトポンプ141は移送管1
42を介して夾雑物除去槽103(図1参照)に接続さ
れる。これにより生物濾過処理槽107内(濾過処理領
域123内)の被処理水は、当該被処理水移送用エアリ
フトポンプ141および移送管142を介して夾雑物除
去槽103(図1参照)へ還流され、再度浄化槽101の
上流側処理槽から順次処理を受けることが可能な構成と
されている。なお被処理水移送用エアリフトポンプが設
けられる処理水槽移流部137の近傍領域は、本発明に
おける「逆方向旋回流の還流部ないしその近傍」の一例
である。
【0031】次に本実施の形態に係る浄化槽101の作
用および使用方法について詳細に説明する。図1に示す
ように、流入管113を経由して浄化槽101の夾雑物
除去槽103に流入した汚水等の被処理水に対し、当該
夾雑物除去103内にて比較的大きめの固形物あるいは
油脂等の固液分離処理がなされる。夾雑物除去槽103
で固液分離処理された被処理水は、嫌気濾床槽105へ
移流され、当該被処理水中の有機汚濁物が当該嫌気濾床
槽105内の嫌気性微生物によって嫌気処理(還元処
理)される。嫌気濾床槽105において嫌気処理された
被処理水は、次に生物濾過処理槽107に移流される。
【0032】次に、本実施の形態の生物濾過処理槽10
7における各要素の作用について説明する。生物濾過処
理槽107が散気運転された状態が図2に示される。本
実施の形態における散気運転の意義としては、生物濾過
処理槽107において、生物処理領域121内の担体1
27に付着した好気性微生物が被処理水の好気性処理
(酸化処理)を行うとともに、好気性処理によって生じ
たSS(Suspended Solid)等の固形生成物を濾過処理
領域123および第2の濾過処理領域124内の担体1
27によって濾過処理する運転状態、すなわち当該生物
濾過処理槽107の通常運転状態をいうものとする。
【0033】図2から理解されるように、生物処理領域
121において好気性処理を行うには、粒状に形成され
た各担体127に着床した好気性微生物に酸素を供給す
るべく散気装置151から散気用エア155が吐出され
る。この散気用エア155により、生物処理領域121
生物処理領域121内には散気用の上向流155aが形
成される。
【0034】散気装置151から送られる散気用エア1
55によって生物処理領域121内の各担体127に付
着した多数の好気性微生物に酸素が供給され、生物処理
領域121内の被処理水に対し好気性処理が行われる。
生物処理領域121における好気性処理で生じたSS等
の生成固形物は、生物処理領域121内に生じた上向流
155aにより、生物処理領域121内の被処理水とと
もに、上方移流部133を経由して濾過処理領域123
に移送される。このとき生物処理領域121および濾過
処理領域123の水位WLは仕切壁120の上縁よりも
高く設定されているので、被処理水は仕切壁120に阻
害されることなく上方移流部133を通じて濾過処理領
域123に移送される。
【0035】生物処理領域121における上向流155
aが上方移流部133を通じて濾過処理領域123に流
れ込むことにより、濾過処理領域123内には下向流1
55bが形成される。そして生物処理領域121におけ
る好気処理で生じたSS等の浮遊固形物は、この下向流
155bに従って濾過処理領域123内を下降しつつ濾
過処理領域123内の各担体127に捕捉される。
【0036】下向流155bによって濾過処理領域12
3を下方に移動した被処理水は、一部が下方移流部13
5および第2の濾過処理領域124を経由して生物処理
領域121に還流され、残りの被処理水は処理水槽移流
部137を経由して濾過処理領域123下部から処理水
槽109へ移流される。第2の濾過処理領域124を通
過する被処理水は、当該第2の濾過処理領域内の担体1
27によって更なる濾過処理を受けることになる。なお
生物処理領域121への還流は、第2の濾過処理領域1
24に形成された傾斜面161により円滑になされ得
る。また処理水槽109の下部に形成された処理水槽傾
斜面165により、被処理水は濾過処理領域123から
処理水槽移流部137を経由して円滑に処理水槽109
へ送られることになる。
【0037】また散気運転時における被処理水の一部
は、濾過処理領域123下部側(処理水槽移流部137
近傍)から被処理水移送用エアリフトポンプ141およ
び移送管142によって夾雑物除去槽103へ送られ、
再度夾雑物除去処理槽103および嫌気濾床槽105に
よる処理を受けることになる。
【0038】なお生物処理領域121において生物処理
を受けた被処理水の一部については、上記旋回流157
によって上方移流部133から濾過処理領域123へ移
送されない場合も生じ得るが、この場合には、生物処理
領域121から下方側の第2の濾過処理領域124へ向
かい、第2の濾過処理領域124において濾過処理を受
けることになる。
【0039】本実施の形態では、図2に示すように生物
処理領域121内の散気用エア155ないし当該散気用
エア155によって生じた散気上向流155aを介し
て、生物処理領域121から上方移流部133を経て濾
過処理領域123へ移送された被処理水は、濾過処理領
域123内の下降流155bを形成しつつ下方移流部1
35を経由して第2の濾過処理領域124へ移送される
とともに、第2の濾過処理領域124から生物処理領域
121へ還流されることにより、生物濾過処理槽107
内において図2中時計回りの被処理水の旋回流(循環
流)157が形成されることになる。
【0040】当該旋回流157は、生物処理領域121
に設けられた散気装置151からの散気用エア155な
いし上向流155aによって生成されるため、散気用エ
ア155の供給を継続する間(すなわち散気運転の
間)、生物処理領域121、濾過処理領域123および
第2の濾過処理領域124の間には継続的に旋回流15
7が形成されることになる。
【0041】しかも本実施の形態では、第2の濾過処理
領域124に形成された傾斜面161により旋回流15
7は第2の濾過処理領域124から生物処理領域121
へと円滑に送られる。すなわち傾斜面161は旋回流1
57を円滑に案内・駆動するための誘導手段161の機
能を奏することになる。
【0042】なお本実施の形態では、散気装置151の
下部に第2の濾過処理領域124が形成されるが、この
散気装置151から吐出される散気用エア155は、濾
過処理領域123および第2の濾過処理領域124内に
充填された担体127を生物処理領域121へ移流させ
る程の容量を有していない。すなわち本実施の形態に係
る生物濾過処理槽107内では、散気運転時(通常運転
時)における旋回流157によって担体127の処理領
域間流動が生じない構成とされる。
【0043】本実施の形態によれば、上記のように生物
濾過処理槽107が散気運転状態(通常運転状態)に置
かれる場合、散気装置151から散気用エア155が生
物処理領域121に供給され、当該散気用エア155に
よって生物処理領域121内に上向流155aが形成さ
れるとともに、当該上向流155aによって生物処理領
域121、濾過処理領域123および第2の濾過処理領
域124間に被処理水の旋回流157が形成され、被処
理水に対する好気性処理およびSS等の生成固形物の濾
過処理が効果的に遂行されることになる。
【0044】しかも当該旋回流157により、濾過処理
領域123および第2の濾過処理領域124において濾
過処理を受けた被処理水の一部は、再び生物処理領域1
21に還流されて好気性処理を受けることになる。すな
わち旋回流157の形成により、被処理水に対する生物
処理および濾過処理を重畳的に繰り返すことによって、
生物処理および濾過処理の効果を高めることが可能とな
る。特に本実施の形態では、第2の濾過処理領域124
の下部に形成された傾斜面161(誘導手段163)に
より円滑な旋回流157の循環が実現されることにな
る。
【0045】生物濾過処理槽107での逆洗の状態が図
3に示される。本実施の形態における逆洗の意義として
は、上記散気運転による生物処理が進行し、濾過処理領
域123(および第2の濾過処理領域124)内の担体
127によるSS等の浮遊固形物の捕捉量が増大するこ
とによる濾過処理領域123(および第2の濾過処理領
域124)内の目詰まりを防止するべく、濾過処理領域
123,124内に攪拌流を生成して濾過処理に供した
担体127を洗浄する作業をいうものとする。
【0046】図3に示す逆洗状態においては、濾過処理
領域123の下部に設けられた逆洗装置153から逆洗
用エア156が濾過処理領域123に向かって吐出され
る。これによって濾過処理領域123内には攪拌用の上
向流156aが形成され、この攪拌用上向流156aに
よって濾過処理領域123内の担体127に付着したS
S等の固形物が各担体127より剥離する。担体127
から剥離した固形物が被処理水中に浮遊した状態の担体
洗浄水は、攪拌用上向流156aによって、上方移流部
133を経由して生物処理領域121に移流し、生物処
理領域121内では逆洗時の下向流156bとなって第
2の濾過処理領域124に向かうとともに、第2の濾過
処理領域124から下方移流部135を経由して濾過処
理領域123に還流されることになる。
【0047】本実施の形態に係る生物濾過処理槽107
では、逆洗時において、濾過処理領域123、生物処理
領域121および第2の濾過処理領域124間で、図3
中反時計回りの旋回流158が形成される。この旋回流
158は、逆洗時の逆洗用エア156ないし攪拌用上向
流156aを介して形成されるとともに、上記した散気
運転時の旋回流157(図2参照)とは逆方向に生物濾
過処理槽107内を循環するもであり、「逆方向旋回
流」として定義される。
【0048】本実施の形態では、逆洗時に生じた濾過処
理領域123内の担体洗浄水は、上記逆方向旋回流15
8によって図3中反時計回りに生物濾過処理槽107を
循環したのち、当該逆方向旋回流158の還流部近傍で
ある濾過処理領域123下部において被処理水移送用エ
アリフトポンプ141によって生物濾過処理槽107か
ら引き抜かれるとともに、移送管142を経由して夾雑
物除去槽103へ移送され、再度上流側からの処理を受
けることになる。なお逆洗時には、担体127洗浄のた
め、流入部129から被処理水が生物濾過処理槽107
へ順次流入されるため、被処理水移送用エアリフトポン
プ141によって担体洗浄水が引き抜かれても、生物濾
過処理槽107内の水位WLが急減するのが防止され
る。
【0049】本実施の形態では、生物濾過処理槽107
を逆洗状態に置くことにより、生物濾過処理槽107内
の全担体127は、上方移流部133および下方移流部
158を経由しつつ、濾過処理領域123、生物処理領
域121および第2の濾過処理領域124に渡って生物
濾過処理槽107内を反時計回りに循環流動することに
なる。従って、逆方向旋回流158によって各領域12
1,123,124に充填された各担体127を、各領
域間で入れ替えつつ効率的に洗浄処理することが可能で
ある。しかも、濾過処理領域123における逆洗用エア
156という局所的なエア供給によって逆方向旋回流1
58を形成して生物濾過処理槽107の全担体127を
流動させることができるので、エネルギー効率にも優れ
る。
【0050】また逆方向旋回流158による洗浄作用に
より生物処理領域121および第2の濾過処理領域12
4内の各担体127から剥離したSS等の固形処理物
は、担体127の各処理領域間での流動とは別に、当該
逆方向旋回流158によって濾過処理領域123側へ移
送されるとともに、逆方向旋回流158の還流側、すな
わち濾過処理領域123下部より被処理水移送用エアリ
フトポンプ141によって引き抜かれる。
【0051】本実施の形態によれば、濾過処理領域12
3に設けられた逆洗装置153からの逆洗用エア156
によって、生物濾過処理槽107全体に渡って逆方向旋
回流158を形成し、濾過処理領域123のみならず生
物処理領域121および第2の濾過処理領域124内の
各担体127の逆洗時洗浄を遂行することが可能とな
り、高エネルギー効率を維持しつつ逆洗時の洗浄効率を
向上させることが可能となるが、さらに第2の濾過処理
領域124に形成された傾斜面161により、逆方向旋
回流158の円滑な還流が促進されるため、逆洗用エア
156による逆方向旋回流形成時のエネルギー効率を一
層向上することが可能となる。
【0052】しかも被処理水移送用エアリフトポンプ1
41による担体洗浄水の引き抜き箇所につき、濾過処理
領域123に対する逆方向旋回流158の還流側である
濾過処理領域123下部(処理水槽移流部137近傍)
に設定したため、逆洗時の担体洗浄水の引き抜き効率を
向上することが可能である。すなわち濾過処理領域12
3内、生物処理領域121内、更には第2の濾過処理領
域124内に充填された各担体127を洗浄した担体洗
浄水が逆方向旋回流158によって濾過処理領域123
の下部に還流されてくるので、これを濾過処理領域12
3下部における処理水槽移流部137近傍に配置された
被処理水移送用エアリフトポンプ141によって引き抜
くことで、逆洗時の担体洗浄水の合理的な引き抜きが可
能とされる。
【0053】さらに本実施の形態に係る生物濾過処理槽
107では、単一の被処理水移送用エアリフトポンプ1
41を用いることにより、散気運転の際に被処理水の一
部を夾雑物除去103へ還流し、さらに逆洗の際に、濾
過処理領域123、生物処理領域121および第2の濾
過処理領域124において生じた担体洗浄水を上流側処
理槽である夾雑物除去槽103へ還流する構成を採用し
ている。このため散気運転用の被処理水移送用エアリフ
トポンプと、逆洗の際の被処理水移送用エアリフトポン
プとを別個に設置する必要がなく、簡便かつコストパフ
ォーマンスに優れた浄化槽を構成することが可能とな
る。
【0054】さらに本実施の形態では、生物濾過処理槽
107における濾過処理を二つの濾過処理領域123,
124に受け持たせる構成を採用したため、仮に濾過処
理領域123が担体127の目詰まり等で閉塞する場合
が生じたとしても、第2の濾過処理領域124を散気運
転時の濾過処理に供することができるため、被処理水の
確実な流通確保による安定的な浄化槽101の使用が可
能となる。
【0055】また本実施の形態では、生物処理領域10
7の上方移流部133において濾過処理領域123内の
担体127が生物処理領域121側へ流動するのを許容
する構成としているため、上方多孔板125によって担
体127の移流を常時規制する必要がない。従って上方
多孔板125を水位線WLより上方に位置させられるの
ため、上方多孔板125の目詰まり除去や定期的清掃な
どのメンテナンスを省略することが可能であり、浄化槽
101のメンテナンスフリー化に資することになる。
【0056】(第2の実施形態)本発明の第2の実施形
態は上記した生物濾過処理槽107の変更形態に関す
る。第2の実施形態に係る生物濾過処理槽207の詳細
な構造が図4および図5に示される。なお、第2の実施
形態につき、上記第1実施形態と実質的に同等の要素に
ついては同一の符号を付すとともに、便宜上詳細な説明
を省略する。
【0057】第2の実施形態に係る生物濾過処理槽20
7内では、仕切壁120で区画された左側上方箇所に生
物処理領域221が形成されるとともに、生物理領域2
21の下部(散気装置151下部)に濾過処理領域22
3が形成される。また仕切壁120によって区画される
右側箇所には、逆洗時に濾過処理領域223の担体12
7を洗浄するための担体洗浄領域225が形成される。
【0058】第2の実施形態における上方多孔板125
は、仕切壁120の上方であって水位線WLよりも下方
に配置される。従って生物処理領域221と担体洗浄領
域225間の上方移流部133においては、被処理水の
移流が許容されるものの、担体127の移流が規制され
る。一方、生物濾過処理槽207の下方に配置された下
方多孔板126については、第1の実施形態と同様に、
被処理水の流通を許容するとともに担体127の通過を
規制する。
【0059】第2の実施形態に係る生物濾過処理槽20
7が散気運転された状態が図4に示される。散気運転時
には散気装置151からの散気用エア155によって生
物処理領域221内に散気用上向流155aが形成さ
れ、生物処理領域221内に充填された各担体127に
よって被処理水の生物処理が行われるとともに、散気用
エア155は、生物処理領域221、担体洗浄領域22
5および濾過処理領域223において、図4中時計回り
の旋回流257を形成する。
【0060】生物処理領域221内で散気用エア155
によって散気処理(生物処理)を受けた被処理水は、旋
回流257により、上方移流部133を通じて担体洗浄
領域225へ移送されるとともに、当該担体洗浄領域2
25内を下向流155bとなって下降し、下方移流部1
35を通じて濾過処理領域223へ移送されて濾過処理
を受ける。また一部の被処理水は、担体洗浄領域223
下部の処理水槽移流部137近傍に配置された被処理水
移送用エアリフトポンプ141を通じて夾雑物除去槽1
03へ引き抜かれ、上流側処理槽からの処理を順次受け
ることになる。
【0061】第2の実施形態では、散気運転の際、旋回
流257により担体洗浄領域225内に担体が充填され
ないように構成される。すなわち、生物処理領域221
内の担体127は上方多孔板126により上方移流部1
33から担体洗浄領域225へ移流するのが規制され、
さらに濾過処理領域223内の担体127は、担体洗浄
領域225から下方移流部135を経由して濾過処理領
域223へ送り込まれる旋回流257により、担体洗浄
領域225へ逆流するのが防止される。この結果、第2
の実施形態では、生物濾過処理槽207の片側領域にお
いて、生物処理領域221と濾過処理領域223とが散
気装置151を挟んで上下に連接された状態で形成され
ることになる。換言すれば、第2の実施形態では、生物
濾過処理槽207内の担体充填量を適宜調節することに
よって、散気運転時に生物濾過処理槽207の一側方領
域のみに担体127が存する構成とされるものである。
【0062】第2の実施の形態に係る生物濾過処理槽2
07において逆洗が行われた状態が図5に示される。逆
洗時には、担体洗浄領域225の下部に設けられた逆洗
装置153から逆洗用エア156が吐出される。逆洗用
エア156は、攪拌用の上向流156aとなって担体洗
浄領域225を上昇するとともに、上方移流部133を
経由して生物処理領域221および濾過処理領域223
内の下降流156bを形成する。さらに下降流156b
は下方移流部135を経由して担体洗浄領域225に還
流される。これにより担体洗浄領域225、上方移流部
133、生物処理領域221、濾過処理領域223およ
び下方移流部135の順に生物濾過処理槽207内に反
時計回りの被処理水の逆方向旋回流258が形成され
る。
【0063】逆洗時に生物濾過処理槽207に逆方向旋
回流258が形成されることにより、濾過処理領域22
3内に充填された担体127の一部は、当該逆方向旋回
流258によって下方移流部135から担体洗浄領域2
25へ移流する。濾過処理領域223から担体洗浄領域
225へ移流した担体127は、担体洗浄領域225内
にて逆洗用エア156による攪拌用上向流156bによ
って洗浄される。
【0064】さらに本実施の形態では、生物処理領域2
21内の担体127、および濾過処理領域223に残存
する担体127についても、逆方向旋回流258に基づ
く下向流156bによって洗浄が行われる。逆洗によっ
て担体洗浄領域125、生物処理領域221および濾過
処理領域223内の担体127から剥離したSS等の浮
遊性固形物は、逆方向旋回流258により下方移流部1
35を通じて担体洗浄領域225の下部へと還流される
とともに、かかる逆方向旋回流258の還流側に配置さ
れた被処理水エアリフトポンプ141によって生物濾過
処理槽207から引き抜かれ、移送管142を経由して
夾雑物除去槽103へ移送される。
【0065】第2の実施形態によれば、上方多孔板12
5により、担体127は担体洗浄領域225と生物処理
領域221との間で移流規制されているため、担体洗浄
領域225内の担体127は、逆洗中、上方移流部13
3を経由して生物処理領域221への移流を規制され
る。すなわち散気運転時には旋回流257によって生物
処理領域221および濾過処理領域223側に偏在した
担体127が、逆洗時には逆方向旋回流258によって
担体洗浄領域225側へ流動されて洗浄処理され、散気
運転が再開される際に、旋回流によって担体洗浄領域2
25から引き戻されるといったように、散気運転時およ
び逆洗時とで担体127が生物濾過処理槽207内を往
復動することになる。このように第2の実施形態では、
担体洗浄領域225内の担体127の生物処理領域22
1への移流を規制する構成としたため、散気運転が再開
される際に濾過処理領域223内の担体充填量を安定化
することが可能である。また上記第1の実施形態のよう
に生物濾過処理槽内の全担体を逆方向旋回流によって循
環状に流動させる構成と異なり、下方移流部135を経
由して左右に往復流動させる構成とされているため、逆
洗時の担体127攪拌のための所要エネルギー量を抑制
することが可能である。
【0066】上記した実施の形態ないし第2の実施の形
態につき、本発明の要旨の範囲内において下記のように
様々な変更を行うことができる。例えば図6に示すよう
に、生物濾過処理槽107における生物処理領域121
および濾過処理領域123を被処理水の移流方向に対し
て直列的に配置した浄化槽201を構成することが可能
である。
【0067】また被処理水移送用エアリフトポンプ14
1による被処理水の引き抜き箇所については、例えば生
物処理領域121の上部、第2の濾過処理領域124
(第2の実施形態における濾過処理領域223)の所定
箇所から引き抜いてもよい。
【0068】さらに散気装置151および逆洗装置15
3を駆動するブロワにつき、それぞれ別個独立して配置
してもよいし、タイマーおよび位相制御手段を適宜利用
して、単一のブロワーを時間制御および風量制御して対
応してもよい。また、散気装置151および/または逆
洗装置153にエアを供給するのみならず、さらに被処
理水移送用エアリフトポンプの駆動に併用されるブロワ
ーを用いて構成してもよい。
【0069】また被処理水の移送に関し、本実施の形態
では単一の被処理水移送用エアリフトポンプ141によ
って散気運転時および逆洗時双方における被処理水の引
き抜き・移送を行ったが、これを別々に設置してもよ
い。
【0070】なお処理水移送用エアリフトポンプ141
によって、被処理水を生物濾過処理槽107よりも上流
側の処理槽であって、夾雑物除去槽103以外の処理
槽、例えば嫌気濾床槽105に還流する構成も採用可能
である。
【0071】生物処理領域121の下部に第2の濾過処
理領域124を形成しない構成も可能である。この場
合、散気装置151を、逆洗装置153と同様に生物濾
過処理槽107の底部(下方多孔板126の下部)に配
置するのが好ましい。
【0072】また、生物濾過処理槽107において、被
処理水が流入する流入部129側(上流側)に濾過処理
領域123を配置し、処理水槽側(下流側)に、生物処
理領域121を並列配置する構成も良い。もちろん、こ
の場合においても、生物処理領域121の下部に濾過処
理領域を延在させることによって、生物処理領域121
の下部に第2の濾過処理領域124を形成することも可
能である。すなわち、 (形態1)「請求項1から7までのいずれかに記載の浄
化槽であって、前記生物濾過処理槽へ流入する被処理水
に関し、前記濾過処理領域が前記生物処理領域よりも上
流側に配置されることを特徴とする浄化槽。」 (形態2)「形態1の浄化槽であって、前記濾過処理領
域は前記生物処理領域の下部に延在し、これによって生
物処理領域の下部に第2の濾過処理領域が形成されるこ
とを特徴とする浄化槽。」
【0073】
【発明の効果】本発明によれば、生物濾過処理槽を有す
る浄化槽において、散気運転時の生物濾過処理効率およ
び逆洗時の洗浄効率を一層向上するのに好適な技術が提
供されることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る浄化槽の全体構成を
示す。
【図2】本発明の実施の形態に係る生物濾過処理槽につ
き、散気運転時の状態を示す。
【図3】本実施の形態に係る生物濾過処理槽につき、逆
洗時の状態を示す。
【図4】本実施の形態の変更例に係る生物濾過処理槽に
つき、散気運転時の状態を示す。
【図5】本実施の形態の変更例に係る生物濾過処理槽に
つき、逆洗時の状態を示す。
【図6】本実施の形態の変更例を示す。
【符号の説明】
101 浄化槽 103 夾雑物除去槽 105 嫌気濾床槽 107 生物濾過処理槽 109 処理水槽 111 消毒槽 113 流入管 115 放流管 120 仕切壁 121 生物処理領域 123 濾過処理領域 124 第2の濾過処理領域 125 上方多孔板 126 下方多孔板 127 担体 129 流入部 133 上方移流部 135 下方移流部 137 処理水槽移流部 141 被処理水移送用エアリフトポンプ 142 移送管 151 散気装置 153 逆洗装置 155 散気用エア 156 逆洗用エア 157 旋回流 158 逆洗時旋回流(逆方向旋回流) 161 傾斜面 163 誘導手段 165 処理水槽傾斜面 225 担体洗浄領域

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】それぞれ担体が充填された生物処理領域と
    濾過処理領域とが配置された生物濾過処理槽を有する浄
    化槽であって、 散気運転時において、前記生物処理領域における上向流
    により、当該生物処理領域から前記濾過処理領域へ移送
    された被処理水が前記生物処理領域へ還流するよう旋回
    流が形成され、 逆洗時において、前記濾過処理領域における担体を洗浄
    するための上向流により、前記散気運転時における旋回
    流とは逆方向の旋回流が形成され、これによって当該濾
    過処理領域から前記生物処理領域へ移送された被処理水
    が前記濾過処理領域に還流されることを特徴とする浄化
    槽。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の浄化槽であって、逆洗時
    において、前記逆方向旋回流により、前記生物処理領域
    と前記濾過処理領域の一方に充填された担体が他方の処
    理領域に流動するのが許容されていることを特徴とする
    浄化槽。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の浄化槽であっ
    て、前記濾過処理領域は前記生物処理領域の下方に延在
    し、これによって前記生物処理領域の下方に第2の濾過
    処理領域が形成されることを特徴とする浄化槽。
  4. 【請求項4】生物処理領域と濾過処理領域と担体洗浄領
    域とが配置された生物濾過処理槽を有する浄化槽であっ
    て、 前記濾過処理領域と前記担体洗浄領域との間で担体が移
    動可能に連通され、 散気運転時には、前記生物処理領域における上向流によ
    り、当該生物処理領域から前記担体洗浄領域を経由して
    濾過処理領域へ移送された被処理水が前記生物処理領域
    へ還流するよう旋回流が形成されるとともに、 逆洗時には、前記担体洗浄領域における担体洗浄用の上
    向流により、前記散気運転時の旋回流とは逆方向の旋回
    流が形成されるとともに、前記濾過処理領域内の担体が
    前記逆方向旋回流によって前記担体洗浄領域に移送され
    て洗浄されることを特徴とする浄化槽。
  5. 【請求項5】請求項4に記載の浄化槽であって、前記担
    体洗浄領域と前記生物処理領域との間で担体の流動が規
    制されていることを特徴とする浄化槽。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかに記載の浄
    化槽であって、前記生物濾過処理槽よりも上流側の処理
    槽を有し、逆洗時の担体洗浄水は前記逆方向旋回流の還
    流部ないしその近傍から前記上流側処理槽に移送される
    ことを特徴とする浄化槽。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれかに記載の浄化槽
    であって、前記生物濾過処理槽には、前記散気運転時に
    おける旋回流ないし前記逆洗時における逆方向旋回流を
    誘導するための誘導手段が設けられていることを特徴と
    する浄化槽。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の浄化槽であって、前記誘
    導手段は、前記生物濾過処理槽内に形成された傾斜面に
    よって規定されることを特徴とする浄化槽。
  9. 【請求項9】それぞれ担体が充填された生物処理領域お
    よび濾過処理領域が並列して配置された生物濾過処理槽
    を有する浄化槽の使用方法であって、 前記生物処理領域における上向流により、当該生物処理
    領域から前記濾過処理領域へ移送された被処理水が前記
    生物処理領域へ還流するよう旋回流を形成しつつ散気運
    転を行うとともに、 前記濾過処理領域における担体を洗浄するための上向流
    により、前記濾過処理領域から前記生物処理領域へ移送
    された被処理水が前記濾過処理領域に還流されるよう前
    記散気運転時における旋回流とは逆方向の旋回流を形成
    して逆洗を行うステップを行うことを特徴とする浄化槽
    の使用方法。
  10. 【請求項10】請求項8に記載の浄化槽の使用方法であ
    って、前記逆方向旋回流により前記生物処理領域と前記
    濾過処理領域の一方に充填された担体が他方の処理領域
    に流動するのを許容しつつ逆洗を行うステップを有する
    ことを特徴とする浄化槽の使用方法。
  11. 【請求項11】生物処理領域と濾過処理領域と担体洗浄
    領域とが配置されるとともに、前記濾過処理領域と前記
    担体洗浄領域との間で担体が移動可能に連通された生物
    濾過処理槽を有する浄化槽の使用方法であって、 前記生物処理領域における上向流により、当該生物処理
    領域から前記担体洗浄領域を経由して濾過処理領域へ移
    送された被処理水が前記生物処理領域へ還流するよう旋
    回流を形成しつつ散気運転を行い、 逆洗時において、前記担体洗浄領域における担体洗浄用
    の上向流により、前記散気運転時の旋回流とは逆方向の
    旋回流を形成するとともに、前記濾過処理領域内の担体
    を前記逆方向旋回流によって前記担体洗浄領域に移送し
    て洗浄するステップを有することを特徴とする浄化槽の
    使用方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008119562A (ja) * 2006-11-08 2008-05-29 Fuji Clean Kogyo Kk 水処理装置及び水処理方法
JP2009082847A (ja) * 2007-10-01 2009-04-23 Hitachi Housetec Co Ltd 好気濾床槽及びこの好気濾床槽の運転方法

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