JP2003290239A - 治療器具 - Google Patents

治療器具

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JP2003290239A
JP2003290239A JP2002095882A JP2002095882A JP2003290239A JP 2003290239 A JP2003290239 A JP 2003290239A JP 2002095882 A JP2002095882 A JP 2002095882A JP 2002095882 A JP2002095882 A JP 2002095882A JP 2003290239 A JP2003290239 A JP 2003290239A
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cutter
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Masayuki Nakao
政之 中尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石灰化した硬い血管内狭窄部であっても、患
部を効率良く安全に切削治療できる治療器具を提供す
る。 【解決手段】 この治療器具は、ガイドワイヤー1によ
って回転且つスライド自在に保持された、血管内狭窄部
2を回転切除する回転カッター3を備えている。回転カ
ッター3の表面には、適切な間隔で個々に独立する多数
の切刃が一体に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冠状動脈狭窄部も
しくはその他の血管狭窄部の堆積物を回転切削して該狭
窄部の貫通・拡径等を行う治療器具(カテーテル装置)
に関する。
【0002】
【従来の技術】血管の内壁に堆積物が付着した疾病を治
療する場合、カテーテル装置を血管内の被治療部まで挿
入して堆積物を除去したり、堆積物によって狭くなった
狭窄部を拡開することがよく行われる。
【0003】図17は、堆積物を切削する方法を模式的
に説明する図である。まず、細径のガイドワイヤー10
5を狭窄部27を越えるまで血管101内に挿通し、こ
のガイドワイヤー105に沿って細径のカテーテル装置
125を挿通する。カテーテル装置125は、砥石12
7(後述する切削バー60、70と同様のもの)と、コ
イル状ワイヤーからなる駆動軸129を有する。そし
て、カテーテル装置125の砥石127を高速(一例で
20万rpm程度)で回転させて堆積物103を削り取
り、まず狭窄部27の入口の径を1mm程度に広げセン
タリングしやすくしてから砥石127全体を挿通させ
る。
【0004】次に、ガイドワイヤー105を残したまま
カテーテル装置125を引き抜き、次に、このガイドワ
イヤーに沿って径をやや大きくした砥石を備えるカテー
テル装置を挿通し、同様にカテーテル装置を回転させて
堆積物103を削り取る。この操作を、ガイドワイヤー
とカテーテル装置の砥石の径を徐々に大きくしながら繰
り返して、最終的には血管の狭窄部27の径を2.5m
m程度まで広げる。
【0005】このように、この種の治療に用いられる従
来の治療器具は、いわゆるロータブレータからなってい
る。すなわち、冠状動脈狭窄部を通過させるガイドワイ
ヤーに対し、回転切削レバー(回転砥石)を回転且つス
ライド自在に保持させ、その回転切削レバーを高速回転
駆動することにより、石灰化した冠状動脈狭窄部を切除
治療する構成となっている。
【0006】次に、図15及び図16を参照して、切削
バー(前述の砥石127)の具体的な例について説明す
る。図15は、従来の治療器具の有する切削レバーを血
管内狭窄部との関連で示す部分的断面図である。図15
に示す切削バー60は、ガイドワイヤー(図示されず)
を中心軸として高速回転駆動される。この切削バー60
の表面には、ダイヤモンド砥粒61が結合されている。
このダイヤモンド砥粒61は、粒径が大小入り混じった
ものであり、表面がメッキ層62で覆われている。
【0007】このような切削バー60は、石灰化した冠
状動脈等の血管内狭窄部2の堆積物を回転切除する効果
的な治療が可能なデバイスとなる。この場合、血管内狭
窄部2に対する切削力及び切削粉の大きさは、切削バー
60を血管内狭窄部2へ押し付ける力に対応する。
【0008】図16は、従来の治療器具の有する切削レ
バーの異なった切削構造部を示す断面図である。図16
(A)に示す切削バー70の場合、図15のダイヤモン
ド砥粒61に代えて表面に通常寸法の切刃71を加工形
成したものである。このような切刃71を表面に具備し
た切削バー70によっても、血管内狭窄部2の堆積物を
切除することは可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の治療器具は以上
のように構成されているので、図15に示す切削バー6
0の場合、血管内狭窄部2の堆積物の切削時に、石灰化
した硬い堆積物からの切削反力によってダイヤモンド砥
粒61が脱落し、血管内下流に流れて末梢血管を詰まら
せるおそれがあった。さらに、ダイヤモンド砥粒61
は、切削面を堆積物に押し付ける力とスピードによっ
て、切削粉の大きさが変わってしまうため、堆積物に素
早く、しかも強く押し当てたときに、しばしば切削粉が
大きくなり末梢血管を詰まらせる問題があった。
【0010】一方、図16に示す切削バー70の場合、
血管内狭窄部2の初期切除後にさらに拡径する際に、切
削バー70自体を軸方向に圧縮させて拡径方向に塑性変
形させると、図16(B)に示すように切刃71に亀裂
72が生じたり、切刃71が変形したりするため、切削
能力が大幅に低下するという問題があった。
【0011】前記の切削バー60、70は、表面が砥粒
の付着した研削面になっている強固な構造を有し、拡径
機構をもっていない。そのため、石灰化した血管内狭窄
部を最初に貫通させた直径よりもさらに大きな直径に広
げたい症例では、回転切削バー(図17の砥石127)
をドライブシャフト(駆動軸129)ごとガイドワイヤ
ー(105)から完全に引き抜いて、大きな直径のもの
に交換する必要がある。過去の症例では、4割近くの症
例において、切削バー(砥石127)とドライブシャフ
ト(駆動軸129)を、直径の大きなものと小さなもの
との2本を使用しており(1症例当りの平均使用本数は
1.4本)、手術室内の清潔領域内で煩雑に交換する必
要があった。
【0012】ここで、従来の切削バー60、70は、ド
ライブシャフト(駆動軸)と一体化しているため、交換
するには、下記〜のステップに従って作業する必要
があり、作業が煩雑であるという問題点があった。 ドライブシャフト(図17の駆動軸129)を駆動制
御部から分離する。 駆動制御部をガイドワイヤーから抜き出す。 回転切削バー及びドライブシャフト(砥石127及び
駆動軸129)を一度体外に完全に引き出し、ガイドワ
イヤーからも抜き出す。 直径の大きい回転切削バー及びドライブシャフト(砥
石127及び駆動軸129)をガイドワイヤーに通す。 回転切削バー(砥石127)を冠状動脈の患部に到達
させる。 駆動制御部をガイドワイヤーに通す。 直径の大きい回転切削バー及びドライブシャフト(砥
石127及び駆動軸129)に駆動制御部を接続する。
【0013】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであって、血管内狭窄部の初期治療に続いて当該血
管内狭窄部をさらに拡径治療する際に、ガイドワイヤー
を血管内に残したままとして、ガイドワイヤーから回転
カッターを取り外すことなく回転カッターをガイドワイ
ヤー上で拡径することができる治療器具を提供すること
を目的とする。
【0014】また、この発明は、血管内に残したガイド
ワイヤーに沿って一旦体外に引き出した回転カッターを
ガイドワイヤー上で用意に拡径することができる治療器
具を提供することを目的とする。
【0015】また、この発明は、回転カッターにより血
管内狭窄部を迅速かつ効果的に切除できる治療器具を提
供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1態様の治療器具は、血管内に堆積物の
堆積した狭窄部を通過させかつ体外に延出させるガイド
ワイヤーと、 このガイドワイヤーによって回転自在か
つスライド自在にガイドされ、前記血管内狭窄部の堆積
物を回転切削する回転カッターと、 この回転カッター
に連なるとともに前記ガイドワイヤーが内部に挿通され
る中空のドライブシャフトと、 このドライブシャフト
が挿通された固定シースと、 前記ドライブシャフトの
回転駆動部を有するコントローラと、を備え、前記回転
カッターによって前記血管内狭窄部の貫通・拡径等の治
療を行う治療器具であって、 前記回転カッターの表面
に、多数の独立した微小な切刃が、該カッターの母材と
一体に形成されていることを特徴とする。
【0017】本発明の第1態様の治療器具においては、
前記回転カッターが、該カッターによる血管内狭窄部の
切削治療後に該血管内狭窄部をさらに拡径する際、軸方
向に圧縮させて拡径方向に塑性変形可能となっているも
のとすることができる。この場合、患部切削時に回転カ
ッターの表面に加わる切削反力が小さくなる。そのた
め、回転カッターの肉厚を薄くできるので、回転カッタ
ーを塑性変形させて拡径しても微小切刃に亀裂が発生し
たり、微小切刃が変形したりすることがない。したがっ
て、切削能力の低下を抑制できる。
【0018】本発明の第2態様の治療器具は、血管内に
堆積物の堆積した狭窄部を通過させかつ体外に延出させ
るガイドワイヤーと、 このガイドワイヤーによって回
転自在かつスライド自在にガイドされ、前記血管内狭窄
部の堆積物を回転切削する回転カッターと、 この回転
カッターに連なるとともに前記ガイドワイヤーが内部に
挿通される中空のドライブシャフトと、 このドライブ
シャフトが挿通された固定シースと、 前記ドライブシ
ャフトの回転駆動部を有するコントローラと、前記回転
カッター(初期切除用回転カッター)の切削面最大外径
よりも大径の切削面外径を有する別の加療用回転カッタ
ーと、を備え、 前記初期切除用回転カッター及び前記
加療用回転カッターのそれぞれ表面に、多数の独立した
微小な切刃が、該カッターの母材と一体に形成されてお
り、 前記初期切除用回転カッターによる前記血管内狭
窄部の切削治療後に該血管内狭窄部をさらに拡径する
際、該初期切除用回転カッターに前記加療用回転カッタ
ーを前記ガイドワイヤー上の体外延出部で結合させ、該
結合時に前記両回転カッターのぞれぞれの切刃が十分に
小さく且つ適切な間隔で患部切除方向に連係する配置と
なるように構成されていることを特徴とする。
【0019】本発明の治療器具においては、前記微小切
刃が、前記カッターの外周面に加工形成された微小な凹
凸部からなり、 該凹凸部の高さ・深さ・幅及び長さ
が、前記カッターで切削される前記堆積物の切削粉の寸
法が10ミクロン以下となるように制限された寸法で構
成されているものとすることができる。この場合、患部
切削粉によって末梢血管が詰まるようなおそれを解消で
きる。
【0020】本発明の治療器具においては、前記凹凸部
が、前記カッターの回転方向に沿って細長く、且つ、該
方向の先端から後端に向かって次第に深くなり最深部で
急に立ち上がる形状に形成された細長溝部、又は、この
細長溝部の最深部でカッター表面から立ち上がる突起状
の切削刃部を有するものとすることができる。
【0021】本発明の治療器具においては、前記微小切
刃が、レーザ加工、放電加工、エッチング加工、プレス
加工、圧接加工、切削加工のいずれかによって、前記カ
ッターの母材の表面に形成されているものとすることが
できる。この場合、微小切刃を容易に形成できる。
【0022】本発明の治療器具においては、前記微小切
刃を形成する複数の微小な凹凸部それぞれの切削面形成
領域が、互いにオーバーラップするように配置されてい
るものとすることができる。この場合、それぞれの微小
切刃が回転カッターの表面上で個々に独立して密集した
切削部構造とすることができる。そのため、血管内狭窄
部の削り残しをより少なくできる。
【0023】本発明の治療器具においては、前記微小切
刃を形成する複数の微小な凹凸部は、切削面が通常のカ
ッター回転方向を向く凹凸部と、切削面が通常のカッタ
ー回転方向とは逆方向を向く凹凸部とからなっているも
のとすることができる。この場合、回転カッターの一方
向回転と他方向回転とで切削力を変えることが可能とな
る。そのため、患部の症状に応じた切削治療を行うこと
が可能となる。
【0024】本発明の治療器具においては、前記カッタ
ー表面が鏡面仕上げ加工されているものとすることがで
きる。あるいは、前記カッター表面がコーティング仕上
げされているものとすることができる。これらの場合、
患部との間で発生する摩擦熱を抑えることができる。
【0025】本発明の治療器具においては、前記回転カ
ッターが、前記ドライブシャフトと同軸上又は側近に予
め配置された治具により軸方向に圧縮されて、拡径方向
に塑性変形されるようになっているものとすることがで
きる。
【0026】本発明の治療器具においては、前記加療用
回転カッターが、前記ドライブシャフトと同軸上又は側
近に予め配置された治具によって、前記初期切削用回転
カッターに圧入結合又は被覆結合されるようになってい
るものとすることができる。
【0027】本発明の治療器具においては、前記治具
が、梃子又はカムによる倍力機構を応用した片手操作可
能な把握動作式レバー機構を有することができる。この
場合、初期切除用回転カッターと加療用回転カッターと
を簡単に結合できる。
【0028】本発明の治療器具においては、前記コント
ローラが、前記回転カッターを前記固定シースの遠位端
から前方の患部側に押し出す機構及び手前側に引き戻す
機構を有し、 これらの機構が、自動復帰機構及び位置
保持機構を備えた把握動作式操作レバーによって作動さ
せられるようになっているものとすることができる。こ
の場合、回転カッターを固定シースの遠位端から前方の
患部側に押し出したり引き戻したりする操作を簡単に行
うことができる。
【0029】本発明の治療器具においては、前記コント
ローラが、前記回転カッターに対し前記ガイドワイヤー
に沿った方向に往復振動運動を加える振動付与機構を備
えているものとすることができる。この場合、回転カッ
ターに、回転による切削力と往復運動による切削力を重
畳させて付与することができるため、回転カッターによ
る血管内狭窄部の切削力を増加あるいは安定化できる。
また、回転カッター及び固定シースをガイディングカテ
ーテルに挿入する際のフリクションを減らして挿入しや
すくできる。
【0030】本発明の治療器具においては、前記コント
ローラが、前記ドライブシャフトに回転力を付与する駆
動部を内蔵し、 該駆動部が前記ドライブシャフトを挿
通可能な中空回転軸を有するモータを有することができ
る。この場合、ドライブシャフトをガイドワイヤーから
完全に引き抜かなくても、ガイドワイヤーに沿ってドラ
イブシャフトを体外に容易に引き出すことができる。
【0031】本発明の治療器具においては、前記コント
ローラが、前記ドライブシャフトのチャッキング機構と
軟質シースの着脱機構を有しているものとすることがで
きる。この場合、チャッキング機構によりドライブシャ
フトに回転駆動力を確実に伝達できる。さらに、コント
ローラ内部のメンテナンスの際等に、コントローラから
固定シースを容易に取り外すことができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明す
る。 [第1実施の形態]図1は、本発明の第1実施の形態に係
る治療器具の使用状態を説明する斜視図である。図1の
左下部には治療の対象部位である血管内狭窄部2が示さ
れている。この図の状態では、同部10には、治療器具
の先端部が挿入されている。
【0033】この治療器具は、ガイドワイヤー1を備え
ている。このガイドワイヤー1は、血管内狭窄部2を通
過させ、且つ、体外に延出させるものである。ガイドワ
イヤー1には、回転カッター(初期切除用回転カッタ
ー)3が保持されている。この初期切除用回転カッター
3は、ガイドワイヤー1を中心軸として回転し、同ワイ
ヤー1に沿ってスライド自在となっている。なお、この
回転カッター3の詳細については後述する。
【0034】回転カッター3の後端は、ドライブシャフ
ト4に結合している。このドライブシャフト4は、軟質
の可撓性材料で作製された中空部材である。ドライブシ
ャフト4は、可撓性のカバーチューブである固定シース
5内にスライド自在に挿通されている。この固定シース
5は、ガイディングカテーテル6内に挿通されている。
ガイディングカテーテル6の後端には、コントローラ1
0が接続されている。このコントローラ10は、ドライ
ブシャフト4を高速回転駆動且つ往復振動させる駆動機
構を内蔵している。
【0035】以下、図2及び図3を参照して、コントロ
ーラ10について詳細に説明する。図2は、図1の治療
器具のコントローラを拡大して示す斜視図である。図3
は、図2のコントローラを一部破断して示す部分的斜視
図である。図2及び図3に示すように、コントローラ1
0には回転カッター(加療用回転カッター)7が具備さ
れている。この回転カッター7は、前述の初期切除用回
転カッター3とは別の回転カッターである。この加療用
回転カッター7は、初期切除用回転カッター3の切削面
最大径よりも大径の切削面外径を有する。加療用回転カ
ッター7は、ドライブシャフト4の体外延出部に回転且
つスライド自在に保持されている。同回転カッター7
は、コントローラ10のハウジング11の前端壁部に設
けられた台座孔部12に、離脱可能に嵌合保持されてい
る。
【0036】コントローラ10のハウジング11の前端
には、治具13がスライド自在に取り付けられている。
この治具13は、初期切除用回転カッター3と加療用回
転カッター7とを嵌め合わせて結合させるための治具で
ある。治具13は、先端屈曲片13aを有する。この先
端屈曲片13aは、治具13の先端(ハウジング11前
端よりも前方に延び出た部位)に屈曲形成されている。
先端屈曲片13aには、切欠スリット13bが形成され
ている。一方、治具13の後端(ハウジング11内に位
置する部位)には、カム係合片13c(図3参照)が折
曲形成されている。なお、図2及び図3には図示されな
いが、先端屈曲片13aには、台座孔部12と対向する
カッター嵌合凹部が形成されている。
【0037】コントローラ10のハウジング11には、
治具操作レバー14が軸支されている。この操作レバー
14の回転軸には、カム15が連結されている。このカ
ム15は、治具13後端のカム係合片13cに係合して
いる。これらカム15とカム係合片13cとの係合によ
り、治具操作レバー14の操作に伴う治具13の前後進
移動が可能となっている。
【0038】次に、図4〜図7を参照して、初期切除用
回転カッター3と加療用回転カッター7について詳細に
説明する。図4は、本発明の第1実施の形態に係る治療
器具の回転カッターを示す斜視図である。図5は、図4
の回転カッターの切削面を部分的に示す径方向断面図で
ある。図6は、図5の軸方向断面図である。図7(A)
は初期切除用回転カッターと加療用回転カッターの結合
前の状態を示す斜視図であり、図7(B)は図7(A)
の両カッター結合状態を示す斜視図である。
【0039】これらの図に示す初期切除用回転カッター
3は、表面に微小な多数の切刃300を備えている。こ
れら切刃300は、互いに適切な間隔で個々に独立する
ようにカッター母材と一体に形成されている。一方、加
療用回転カッター7にも、表面に微小な多数の切刃70
0が形成されている。これら切刃700も、互いに適切
な間隔で個々に独立するようにカッター母材と一体に形
成されている。図5に示すように、切刃300、700
は、両カッター3、7のそれぞれの表面に加工形成され
た、微小な凹部301、701と凸部302、702と
からなる。
【0040】さらに詳しく述べると、凹部301、70
1は、カッター3、7の回転方向に沿う細長溝部からな
る。この細長溝部301、701は、カッター3、7の
回転方向に沿って細長く、且つ、この回転方向の先端か
ら後端に向かって次第に深くなり最深部で急に立ち上が
る形状に形成されている。一方、凸部302、702
は、この細長溝部301、701の最深部でカッター表
面から立ち上がる突起状の切削刃部を形成しているもの
である。これらの切削刃部302、702は、両カッタ
ー3、7の回転方向を向いて正面円形状(図6参照)に
形成されている。さらに、各切削刃部(凸部)302、
702の立ち上がり周縁部から各カッター3、7の回転
方向と逆方向に向かって、なだらかに低くなる背壁部3
03、703が形成されている。
【0041】このような細長溝部301、701及び切
削刃部302、702の幅Wと、切削刃部302、70
2のカッター表面からの高さHは、カッター3、7の高
速回転による血管内狭窄部2の堆積物の切削粉の寸法が
10ミクロン以下となるように設定されている。
【0042】次に、第1実施の形態の治療器具を用いて
血管内狭窄部2の切除を行う動作について説明する。ま
ず、初期切除治療に際しては、ガイドワイヤー1を血管
に挿入し、ガイドワイヤー1の先端を血管内狭窄部2を
越えて通過させる。そして、初期切除用回転カッター3
を低速で回転させながらガイドワイヤー1に沿って血管
内狭窄部2まで前進させる。同回転カッター3が血管内
狭窄部2に到達すると、その到達時点で同カッター3を
高速で回転させる。そして、回転カッター3の微小な多
数の切刃300で血管内狭窄部2を初期切除する。
【0043】この初期切除に継続して、血管内狭窄部2
をさらに拡径治療する場合には、ガイドワイヤー1を体
内(血管内)に残したままで、同ワイヤー1に沿って回
転カッター3をドライブシャフト4及びシース5ととも
に一旦体外に引き出す。体外に引き出した回転カッター
3は、ガイドワイヤー1から抜き取らないで、図2に示
すようにコントローラ10の台座孔部12に嵌合された
加療用回転カッター7に嵌め込む。
【0044】この状態において、治具操作レバー14に
より、治具13をハウジング11側に移動させる。する
と、初期切除用回転カッター3が加療用回転カッター7
内に圧入される。これにより、両カッター3、7が結合
して一体化され、初期切除用回転カッター3が加療用回
転カッター7によって拡径された状態となる。
【0045】このようにして、両カッター3、7を一体
化した後、治具13を開いて一体化した両カッター3、
7(ユニットカッター)を外し、このユニットカッター
をガイドワイヤー1上で治具13の先端屈曲片13aよ
りも患者側に移行する。この状態で、ユニットカッター
を低速で回転させながら、血管内に挿入されたままのガ
イドワイヤー1に沿って初期切除後の血管内狭窄部2ま
で挿入する。そして、ユニットカッターを高速で回転さ
せ、今度は加療用回転カッター7の微小な多数の切刃7
00(特に切削刃部702)で残っている血管内狭窄部
を切削する。
【0046】以上説明した第1実施の形態によれば、初
期切除用回転カッター3による血管内狭窄部2の初期切
削時、及び、両回転カッター3、7のユニットカッター
によるによる血管内狭窄部2の拡径切削時において、従
来の切削バーのダイヤモンド砥粒のように脱落すること
がなくなり、患部を効率良く安全に切削治療できる。し
かも、両カッター3、7の微小切刃300、700は、
それぞれの切削刃部302、702が十分に小さく且つ
適切な間隔で配置されているので、切削刃部302、7
02が切削反力によって変形する可能性も低い。そのた
め、充分な切削力を確保できる。
【0047】さらに、第1実施の形態の治療器具は、各
微小切刃300、700の細長溝部301、701、及
び、切削刃部302、702の寸法設定により、カッタ
ー3、7で切削される血管内狭窄部2の堆積物の切削粉
の寸法が10ミクロン以下となるので、患部切削粉によ
って末梢血管が詰まるようなおそれを解消できる。
【0048】さらに、第1実施の形態の治療器具は、微
小切刃300、700の大きさが十分に小さく且つ適切
な間隔で配置されているので、両カッター3、7を結合
して一体化しても、それぞれの切削面(微小切刃30
0、700)のつながりがスムーズとなる。しかも、微
小切刃300、700は、各カッター3、7の極めて端
の部分にまで配置することができるので、両カッター
3、7の切削面同士の結合面近傍にも微小切刃300、
700を配置できる。そのため、両カッター3、7間で
微小切刃300、700が大きく途切れないようにでき
る。
【0049】さらに、第1実施の形態の治療器具によれ
ば、血管内狭窄部2の切除治療後に再度拡径治療する
際、従来のように、コントローラ10、回転カッター
3、ドライブシャフト4及び固定シース5の全てを完全
に抜き取って、回転カッター3自体を新たなものと交換
する必要がない。この第1実施の形態に係る治療器具
は、体外に延び出るガイドワイヤー1上にて回転カッタ
ー3に別の加療用回転カッター7を嵌着するだけでカッ
ター切削面を簡単に拡径することができる。このため、
血管内狭窄部の段階的な切除治療を速やかに手際よく行
うことができる。
【0050】[第2実施の形態]図8は、本発明の第2実
施の形態に係る治療器具の回転カッターを部分的に示す
断面図である。この第2実施の形態の回転カッター3、
7においては、微小切刃300、700を形成する複数
の微小な凹凸部それぞれの切削面形成領域が、互いにオ
ーバーラップするように配置されている。このような回
転カッター3、7によれば、それぞれの微小切刃30
0、700が回転カッター3、7の表面上で個々に独立
して密集した切削部構造とすることができる。そのた
め、患部の削り残しをより少なくできる。
【0051】[第3実施の形態]図9は、本発明に係る治
療器具の回転カッターの微小切刃の加工例を示す説明図
である。図9(A)は、初期切除用回転カッター3の微
小切刃300の加工例を示す。この図において、回転カ
ッター3の後部外周面(大径側外周面)は、チャック爪
100でチャッキングされている。回転カッター3の小
径側先端の軸心には、センター固定シャフト101が押
し付けられている。そして、回転カッター3の微小切刃
300は、ダイヤモンドニードル102で切削される。
すなわち、このダイヤモンドニードル102を回転カッ
ター3の母材表面に一定の深さまで突き刺して微小切刃
300を切削加工する。
【0052】図9(B)は、加療用回転カッター7の微
小切刃700の加工例を示す。この図において、リング
状の回転カッター7の一端部は、嵌め込みホルダーシャ
フト103に嵌め込まれている。同回転カッター7の他
端部は、固定ネジ104に固定されている。そして、こ
の場合も図9(A)と同様に、ダイヤモンドニードル1
02を回転カッター7の母材表面の所定位置に一定の深
さまで突き刺して、微小切刃700を切削加工する。
【0053】このような加工方法により、各カッター
3、7のそれぞれの表面に、適切な間隔で個々に独立す
る微小な切刃300、700を容易に形成することがで
きる。図9では、塑性加工で凸部を形成する方法を示し
たが、凸部を形成できるその他の手法、例えば、レー
ザ、放電、エッチング、プレス、圧接、切削のような加
工法を用いてもよい。レーザや放電では、被加工材を蒸
散させずにクレータのように加工点の周りにリムを凸状
に形成させる。また、エッチングでは、例えば、粉を離
散的に付着させてからエッチングし、粉の裏面が凸部と
して残るように回りを溶かす。さらに、プレス、切削は
バリができるように掘り起こして凸部を作る。圧接で
は、粉を表面に凸部として貼り付くように押しつぶす。
【0054】[第4実施の形態]図10は、本発明の第4
実施の形態に係る治療器具の回転カッターの切削部構造
を示す部分的な断面図である。この第4実施の形態の回
転カッター3は塑性変形可能に形成されており、表面に
適切な間隔で個々に独立した微小な複数の切刃300を
有する。このような回転カッター3は、図10(A)に
示す塑性変形前の状態で血管内狭窄部の初期切削治療を
行う。そして、初期切削治療後に血管内狭窄部をさらに
拡径する際、図10(B)に示すように軸方向に圧縮さ
せて拡径方向に塑性変形させる。
【0055】この第4実施の形態の回転カッター3によ
れば、患部切削時に回転カッター3の表面に加わる切削
反力が小さくなる。なぜならば、図15に示したダイヤ
モンドによる切刃では、個々の方向がランダムなため、
ある方向にとがったダイヤモンドの粒は切刃として働く
が、それ以外は単なる摩擦を大きくする邪魔な突起物と
して働くからである。一方、本実施の形態の切刃は、図
5に示すように、切れ片の方向だけに各々のブレードを
そろえているので、切削反力は小さくなる。また、凸部
のまわりの凹部は切削中に摩擦面として働くが、その面
を鏡面にすれば切削反力は小さくなる。また、切削の後
に切刃が磨耗することも考えられるが、例えば図9で
は、表面に硬質なメッキ層をコーティング仕上げすれば
よい。このように切削反力を小さくすることで、回転カ
ッター3の肉厚を薄くできるので、回転カッター3を塑
性変形させて拡径しても微小切刃300に亀裂が発生し
たり、微小切刃300が変形したりすることがない。し
たがって、切削能力の低下を抑制できる。
【0056】[第5実施の形態]図11は、本発明の第5
実施の形態に係る治療器具の回転カッター拡径用治具の
一部断面側面図である。図11に示す治具16は、片手
操作可能なレバー機構を有する。この治具16は、軸P
で回動自在に連結された一対の梃子式の操作レバー16
A、16Bを備えている。一方の操作レバー16Aの先
端には、台座17が一体結合されている。この台座17
には、孔部17aと、加療用回転カッター7を嵌合して
保持させるための台座孔部17bと、固定シース5を嵌
め込むための切欠スリット17cが形成されている。
【0057】台座17の孔部17aには、加圧部材18
がスライド自在に挿通されている。この加圧部材18
は、断面ほぼL字型をしており、他方の操作レバー16
Bの先端に係合する係合片部18aを備えている。さら
に、加圧部材18には、初期切除用回転カッター3を嵌
め込むためのカッター嵌合凹部18bと、ガイドワイヤ
ー1を嵌め込むための切欠スリット18cが形成されて
いる。
【0058】この第5実施の形態の治具を使用する際
は、図11(A)に示すように、加療用回転カッター7
を台座17の台座孔部17bに予め嵌め込んで保持させ
ておき、初期切除用回転カッター3を加圧部材18のカ
ッター嵌合凹部18bに嵌め込んでおく。この状態で、
操作レバー16A、16Bを把持すると、初期切除用回
転カッター3の中段軸部3bが環状の加療用回転カッタ
ー7内に圧入される。これによって、両カッター3、7
が図11(B)に示すように一体的に結合され、カッタ
ー切削面が拡径される。
【0059】[第6実施の形態]図12は、本発明の第5
実施の形態に係る治療器具のコントローラの構造を示す
側面断面図である。図13は、図12の治療器具のコン
トローラの主要部の構造を拡大して示す側面断面図であ
る。図14は、図12の治療器具のコントローラのシー
スコネクタを取り外した状態を示す側面断面図である。
図12に示すように、コントローラ10はハウジング1
1を有する。このハウジング11には、グリップ11A
が立ち上がるように一体成形されている。このグリップ
11Aには、グリップレバー30が取り付けられてい
る。このグリップレバー30は、レバー芯金31を内蔵
しており、このレバー芯金31が軸P1を介してグリッ
プ11Aに軸支されている。
【0060】軸P1にはロックレバー32が連結されて
いる。ハウジング11内のレバー芯金31の下部31a
には、軸P1よりも下方に離れた位置でモータホルダ3
3が取り付けられている。このモータホルダ33のレバ
ー芯金31への取付片部には、ガイドスリット34が形
成されている。このガイドスリット34には、レバー芯
金31の下端部から突設したガイドピン35が、スライ
ド可能に嵌め込まれている。モータホルダ33には、モ
ータ36が保持されている。このモータ36の出力軸に
は、偏心カム37が嵌着されている。偏心カム37の外
周には、ベアリング38を介して、ベアリングホルダ3
9が嵌着されている。ベアリングホルダ39の底部中心
には、垂下軸39aが一体に設けられている。
【0061】ハウジング11には、円筒状スライダ40
が内蔵されている。このスライダ40は、ベアリングホ
ルダ39の垂下軸39aにおいて、ドライブシャフト4
の軸方向に往復運動可能に連結されている。スライダ4
0は、スプリング41によって、後退方向(体内からド
ライブシャフト3を引き出す方向)に付勢される。スラ
イダ40の内周には、電機子鉄芯42が配置されてい
る。この電機子鉄芯42の内側には、電機子コイル43
を介して、ロータマグネット44が配置されている。ス
ライダ40には、ホールセンサ45が内蔵されている。
ここで、スライダ40、電機子鉄芯42、電機子コイル
43、ロータマグネット44及びホールセンサ45は、
ハウジング11内でドライブシャフト回転駆動用のブラ
シレスモータ部46を構成する。
【0062】ロータマグネット44の内側には、スリー
ブ状の中空回転軸47が回転自在に配置されている。中
空回転軸47内には、スリーブ状のチャック部材48が
軸方向に移動可能に挿入されている。チャック部材48
の軸方向の一端(前端)には、ドライブシャフト4をチ
ャッキングするチャック爪48aが一体成形されてい
る。このチャック爪48aは、中空回転軸47の軸方向
の一端に係合することにより縮径して、ドライブシャフ
ト4をチャッキングする。また、中空回転軸47の軸方
向の一端との係合位置から離れる方向に移動することに
より、ドライブシャフト4のチャッキングを解除する。
チャック部材48の軸方向の他端(後端)には、チャッ
ク爪結合体49が螺合している。これらチャック部材4
8及びチャック爪結合体49は、スプリング50により
チャック爪48aがドライブシャフト4をチャッキング
する方向に付勢される。このような構造により、中空回
転軸47、チャック部材48、チャック爪結合体49及
びスプリング50は、ドライブシャフト4のチャッキン
グ機構を構成する。なお、チャック部材48とチャック
爪結合体49は、軸方向の一端にチャック爪48aが一
体に形成された一つのスリーブからなり、ドライブシャ
フト4を挿通できるものであればよい。
【0063】チャック爪結合体49の後方には、チャッ
キング解除用のシリンダノブ51が配置されている。シ
リンダノブ51は、ハウジング11内でシリンダホルダ
52によって軸方向に移動可能に保持されており、チャ
ック爪結合体49の後端に当接可能となっている。シリ
ンダノブ51は、スプリング53によってチャック爪結
合体49から離れる方向に付勢されている。
【0064】ハウジング11の前端には、ドライブシャ
フト4を囲むようにシースコネクタ54が着脱可能に取
り付けられている。このシースコネクタ54には、軟質
の固定シース5が嵌着されている。シースコネクタ54
内には、メカニカルシール55が嵌着されており、メカ
ニカルシール55はドライブシャフト4と摺接する。シ
ースコネクタ54には、生理食塩水供給用チューブ56
が連通している。
【0065】次に、このコントローラ10の動作を説明
する。図1に示すような、回転カッター3をガイドワイ
ヤー1に沿って血管内狭窄部2まで移動させた状態にお
いて、ドライブシャフト駆動用のブラシレスモータ46
を稼動させる。すると、ドライブシャフト4、ドライブ
シャフト4をチャッキングしているチャック爪48a及
びチャック部材48の後端に連結しているチャック爪結
合体49が、ロータマグネット44と一体に回転する。
これにより、ドライブシャフト4の先端の回転カッター
3が回転して血管内狭窄部2を切除する。
【0066】回転カッター3の回転状態において、モー
タ36を稼動させると偏心カム37が回転し、同偏心カ
ム37とともにベアリングホルダ39も偏心回転する。
すると、ベアリングホルダ39の垂下軸39aに連結さ
れたスライダ40が軸方向へ往復運動する。これによ
り、スライダ40に一体に設けられたドライブシャフト
駆動用モータ部46及びチャック部材48を介して、ド
ライブシャフト4が軸方向に往復運動する。したがっ
て、ドライブシャフト4の先端の回転カッター3には、
回転力とともにガイドワイヤー1に沿った方向への往復
運動が付与されることとなる。そのため、回転カッター
3による血管内狭窄部2の切削力を増加もしくは安定化
させることができる。
【0067】回転カッター3による血管内狭窄部2の初
期切除後に、血管内狭窄部2をさらに拡径治療する際
は、回転カッター3とドライブシャフト4を、ガイドワ
イヤー1に沿って一旦体外に引き出す。このとき、チャ
ック爪48aによるドライブシャフト4のチャッキング
を解除する。この場合、チャッキング解除用のシリンダ
ノブ51をスプリング53に抗する方向に押し動かす
と、シリンダノブ51によりチャック爪結合体49とチ
ャック部材48がスプリング50に抗して前進し、チャ
ック爪48aが中空回転軸47の前端から離れて開く。
これにより、チャック爪48aによるドライブシャフト
4のチャッキングが解除され、ドライブシャフト4をガ
イドワイヤー1に沿って体外に容易に引き出すことがで
きる。
【0068】なお、回転カッター3又は回転カッター3
と加療用回転カッター7とのユニットによる血管内狭窄
部2の切除時には、チューブ56からシースコネクタ5
4内に生理食塩水が供給される。生理食塩水は、固定シ
ース5内を流れて回転カッター3の方向に噴出される。
【0069】この方法によれば、偏心カム37を備えた
振動用のモータ36と、ドライブシャフト回転駆動用の
ブラシレスモータ46とを組み合わせて、コントローラ
10の機械的駆動部を構成したので、回転カッター3に
は回転による切削力と往復運動による切削力を併せ持た
せることができる。このため、回転カッター3による血
管内狭窄部2の切削力を増加あるいは安定化させること
ができる。さらに、回転カッター3とシース5をガイデ
ィングカテーテル6に挿入する際のフリクションを減ら
して挿入しやすくできる。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、血管内狭窄部の切削時において、従来の切削
バーのダイヤモンド砥粒のように脱落することがなくな
り、患部を効率良く安全に切削治療できる、あるいは、
血管内狭窄部の初期切削後にさらに拡径する際、ガイド
ワイヤーから回転カッターをコントローラを含めて完全
に抜き取って回転カッター自体を交換する必要がなく、
血管内狭窄部の拡径切削を速やかに行うことができる等
の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態に係る治療器具の使用
状態を説明する斜視図である。
【図2】図1の治療器具のコントローラを拡大して示す
斜視図である。
【図3】図2のコントローラを一部破断して示す部分的
斜視図である。
【図4】本発明の第1実施の形態に係る治療器具の回転
カッターを示す斜視図である。
【図5】図4の回転カッターの切削面を部分的に示す径
方向断面図である。
【図6】図5の軸方向断面図である。
【図7】図7(A)は初期切除用回転カッターと加療用
回転カッターの結合前の状態を示す斜視図であり、図7
(B)は図7(A)の両カッター結合状態を示す斜視図
である。
【図8】本発明の第2実施の形態に係る治療器具の回転
カッターを部分的に示す断面図である。
【図9】本発明に係る治療器具の回転カッターの微小切
刃の加工例を示す説明図である。
【図10】本発明の第4実施の形態に係る治療器具の回
転カッターの切削部構造を示す部分的な断面図である。
【図11】本発明の第5実施の形態に係る治療器具の回
転カッター拡径用治具の一部断面側面図である。
【図12】本発明の第6実施の形態に係る治療器具のコ
ントローラの構造を示す側面断面図である。
【図13】図12の治療器具のコントローラの主要部の
構造を拡大して示す側面断面図である。
【図14】図12の治療器具のコントローラのシースコ
ネクタを取り外した状態を示す側面断面図である。
【図15】従来の治療器具の有する切削レバーを血管内
狭窄部との関連で示す部分的断面図である。
【図16】従来の治療器具の有する切削レバーの異なっ
た切削構造部を示す断面図である。
【図17】堆積物を切削する方法を模式的に説明する図
である。
【符号の説明】
1 ガイドワイヤー 2 血管内狭窄
部 3 初期切除治療用回転カッター 4 ドライブシャフト 5 固定シース 6 ガイディングカテーテル 7 加療用回転カッター 10 コントローラ 11 ハウジン
グ 11A グリップ 12 台座孔部 13 治具 13a 先端屈
曲片 13b 切欠スリット 13c カム係
合片 13d カッター嵌合凹部 14 治具操作
レバー 15 カム 16 治具 16A、16B 操作レバー 17 台座 17a 孔部 17b 台座孔
部 17c 切欠スリット 30 グリップレバー 31 レバー芯
金 31a レバー芯金の下部 32 ロックレ
バー 33 モータホルダ 34 ガイドス
リット 35 ガイドピン 36 モータ 37 偏心カム 38 ベアリン
グ 39 ベアリングホルダ 39a 垂下軸 40 スライダ 41 スプリン
グ 42 電機子鉄芯 43 電機子コ
イル 44 ロータマグネット 45 ホールセ
ンサ 46 ブラシレスモータ部 47 中空回転
軸 48 チャック部材 48a チャッ
ク爪 49 チャック爪結合体 50 スプリン
グ 51 シリンダノブ 52 シリンダ
ホルダ 53 スプリング 54 シースコ
ネクタ 55 メカニカルシール 56 チューブ 300、700 切刃 301、701
凹部(細長溝部) 302、702 凸部(切削刃部) 303、703
背壁部

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管内に堆積物の堆積した狭窄部を通過
    させかつ体外に延出させるガイドワイヤーと、 このガイドワイヤーによって回転自在かつスライド自在
    にガイドされ、前記血管内狭窄部の堆積物を回転切削す
    る回転カッターと、 この回転カッターに連なるとともに前記ガイドワイヤー
    が内部に挿通される中空のドライブシャフトと、 このドライブシャフトが挿通された固定シースと、 前記ドライブシャフトの回転駆動部を有するコントロー
    ラと、を備え、前記回転カッターによって前記血管内狭
    窄部の貫通・拡径等の治療を行う治療器具であって、 前記回転カッターの表面に、多数の独立した微小な切刃
    が、該カッターの母材と一体に形成されていることを特
    徴とする治療器具。
  2. 【請求項2】 前記回転カッターが、該カッターによる
    血管内狭窄部の切削治療後に該血管内狭窄部をさらに拡
    径する際、軸方向に圧縮させて拡径方向に塑性変形可能
    となっていることを特徴とする請求項1記載の治療器
    具。
  3. 【請求項3】 血管内に堆積物の堆積した狭窄部を通過
    させかつ体外に延出させるガイドワイヤーと、 このガイドワイヤーによって回転自在かつスライド自在
    にガイドされ、前記血管内狭窄部の堆積物を回転切削す
    る回転カッターと、 この回転カッターに連なるとともに前記ガイドワイヤー
    が内部に挿通される中空のドライブシャフトと、 このドライブシャフトが挿通された固定シースと、 前記ドライブシャフトの回転駆動部を有するコントロー
    ラと、 前記回転カッター(初期切除用回転カッター)の切削面
    最大外径よりも大径の切削面外径を有する別の加療用回
    転カッターと、を備え、 前記初期切除用回転カッター及び前記加療用回転カッタ
    ーのそれぞれ表面に、多数の独立した微小な切刃が、該
    カッターの母材と一体に形成されており、 前記初期切除用回転カッターによる前記血管内狭窄部の
    切削治療後に該血管内狭窄部をさらに拡径する際、該初
    期切除用回転カッターに前記加療用回転カッターを前記
    ガイドワイヤー上の体外延出部で結合させ、該結合時に
    前記両回転カッターのぞれぞれの切刃が十分に小さく且
    つ適切な間隔で患部切除方向に連係する配置となるよう
    に構成されていることを特徴とする治療器具。
  4. 【請求項4】 前記微小切刃が、前記カッターの外周面
    に加工形成された微小な凹凸部からなり、 該凹凸部の高さ・深さ・幅及び長さが、前記カッターで
    切削される前記堆積物の切削粉の寸法が10ミクロン以
    下となるように制限された寸法で構成されていることを
    特徴とする請求項1又は3記載の治療器具。
  5. 【請求項5】 前記凹凸部が、 前記カッターの回転方向に沿って細長く、且つ、該方向
    の先端から後端に向かって次第に深くなり最深部で急に
    立ち上がる形状に形成された細長溝部、又は、この細長
    溝部の最深部でカッター表面から立ち上がる突起状の切
    削刃部を有することを特徴とする請求項4記載の治療器
    具。
  6. 【請求項6】 前記微小切刃が、レーザ加工、放電加
    工、エッチング加工、プレス加工、圧接加工、切削加工
    のいずれかによって、前記カッターの母材の表面に形成
    されていることを特徴とする請求項1又は3記載の治療
    器具。
  7. 【請求項7】 前記微小切刃を形成する複数の微小な凹
    凸部それぞれの切削面形成領域が、互いにオーバーラッ
    プするように配置されていることを特徴とする請求項4
    又は5記載の治療器具。
  8. 【請求項8】 前記微小切刃を形成する複数の微小な凹
    凸部は、切削面が通常のカッター回転方向を向く凹凸部
    と、切削面が通常のカッター回転方向とは逆方向を向く
    凹凸部とからなっていることを特徴とする請求項5記載
    の治療器具。
  9. 【請求項9】 前記カッター表面が鏡面仕上げ加工され
    ていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載
    の治療器具。
  10. 【請求項10】 前記カッター表面がコーティング仕上
    げされていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1
    項記載の治療器具。
  11. 【請求項11】 前記回転カッターが、前記ドライブシ
    ャフトと同軸上又は側近に予め配置された治具により軸
    方向に圧縮されて、拡径方向に塑性変形されるようにな
    っていることを特徴とする請求項1又は2記載の治療器
    具。
  12. 【請求項12】 前記加療用回転カッターが、前記ドラ
    イブシャフトと同軸上又は側近に予め配置された治具に
    よって、前記初期切削用回転カッターに圧入結合又は被
    覆結合されるようになっていることを特徴とする請求項
    3記載の治療器具。
  13. 【請求項13】 前記治具が、梃子又はカムによる倍力
    機構を応用した片手操作可能な把握動作式レバー機構を
    有することを特徴とする請求項11又は12記載の治療
    器具。
  14. 【請求項14】 前記コントローラが、前記回転カッタ
    ーを前記固定シースの遠位端から前方の患部側に押し出
    す機構及び手前側に引き戻す機構を有し、 これらの機構が、自動復帰機構及び位置保持機構を備え
    た把握動作式操作レバーによって作動させられることを
    特徴とする請求項1記載の治療器具。
  15. 【請求項15】 前記コントローラが、前記回転カッタ
    ーに対し前記ガイドワイヤーに沿った方向に往復振動運
    動を加える振動付与機構を備えていることを特徴とする
    請求項1又は14記載の治療器具。
  16. 【請求項16】 前記コントローラが、前記ドライブシ
    ャフトに回転力を付与する駆動部を内蔵し、 該駆動部が前記ドライブシャフトを挿通可能な中空回転
    軸を有するモータを有することを特徴とする請求項1、
    14又は15記載の治療器具。
  17. 【請求項17】 前記コントローラが、前記ドライブシ
    ャフトのチャッキング機構と軟質シースの着脱機構を有
    していることを特徴とする請求項1、14、15又は1
    6記載の治療器具。
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