JP2003290233A - 管状臓器連結用のガイド軸 - Google Patents

管状臓器連結用のガイド軸

Info

Publication number
JP2003290233A
JP2003290233A JP2002100663A JP2002100663A JP2003290233A JP 2003290233 A JP2003290233 A JP 2003290233A JP 2002100663 A JP2002100663 A JP 2002100663A JP 2002100663 A JP2002100663 A JP 2002100663A JP 2003290233 A JP2003290233 A JP 2003290233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide shaft
branch portion
thread
pipe
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002100663A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Teraura
實 寺浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Cable System Inc
Original Assignee
Nippon Cable System Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Cable System Inc filed Critical Nippon Cable System Inc
Priority to JP2002100663A priority Critical patent/JP2003290233A/ja
Publication of JP2003290233A publication Critical patent/JP2003290233A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Prostheses (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)
  • Infusion, Injection, And Reservoir Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱いが容易で、吻合した後に迅速に溶解
する固形状のガイド軸を提供する。 【解決手段】 パイプ状の本体11と、その本体11の
途中からT字状に分岐するパイプ状の枝部12とからな
るガイド軸10。枝部12の空洞12aは本体11の空
洞11aと連通している。ガイド軸10は、糖類を主原
料として、30℃以上で生理食塩水などに溶解して生体
内に分解吸収されるゲル化物質材料で作られる。枝部1
2の付け根13の周囲には環状の溝14が形成されてい
る。本体11および枝部12の自由端には、テーパー状
の面取りが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は管状臓器連結用のガ
イド軸に関する。さらに詳しくは、人体または動物の管
状臓器の吻合手術に用いるガイド軸に関する。
【0002】
【従来の技術】心臓外科や一般の外科手術においては、
血管などの管状臓器の一部を切り取り、再度両端同士を
吻合したり(端々吻合)、バイパス手術などのために管
状臓器の途中に枝状に第2の管状臓器の端部を吻合する
(端側吻合)ことがある。そして管状臓器の端部同士あ
るいは端部と側壁とを針と糸で縫合したり、生体吸収性
接着剤により接着する方法が採られている。そのような
手術では、両方の管状臓器の吻合部同士を当接した状態
に保持しながら縫合したり、接着完了を待つのである
が、そのような保持は忙しい手術においてはきわめて煩
雑である。
【0003】このような問題を解消するための血管など
の接合の補助器具として、特開平9−38119号公報
は、図9に示すような、乳酸ポリマあるいはDMTMC
などの生体吸収性材料から形成された連結管101を用
い、接合すべき血管102の端部を連結管101の両端
に被せて保持させ、ついで糸103で縫合することを提
案している。このものは縫合後、連結管101が生体に
吸収されて消滅する。
【0004】他方、特開平10−309313号公報
は、乳酸系ポリマーからなる、形状記憶性および生体内
分解吸収性を合わせ持つ材料をパイプ状に形成し、ガラ
ス転移温度より低い温度で拡張成形した血管吻合用の連
結管を開示している。このものは図10に示すように、
連結管101の両端から接合すべき血管102などを挿
入し、加熱または冷却して元の形状に復元させる。それ
により収縮作用で血管102同士を外側から結合保持す
ることができる。そのため縫合が不要である。ただしフ
ェブリン糊で接着させてもよいとしている。このものも
縫合の数日後に連結管101が加水分解ないし吸収され
る。
【0005】他方、特許第2997316号公報には、
図11に示す心臓動脈のバイパス手術などに用いる吻合
装置105が開示されている。このものは動脈106に
挿入するバルーン状の案内体107や、動脈106にバ
イパス用の血管108の端部を半自動的に縫合する針状
のスパイク109を打ち込む器具110などを備えてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記生体吸収性材料か
らなる連結管は、取り出す必要がないという利点があ
る。しかし生体に吸収されるまで7〜10日の時間が必
要であり、それにより手術した部位の回復が遅れがちで
ある。また、その間の患者などの回復状態や変調を監視
する必要がある。また、前述の形状記憶生体内分解吸収
性材料からなる円筒状の接合補助部材は、挿入作業が容
易で、加熱または冷却して元の形状に復元させることに
より、直ちに生体組織の結合を接合できる利点がある。
しかし分解吸収に時間がかかる点、回復が遅れがちであ
る点は前述の連結管と同様である。さらにそれらの連結
管などで仮に連結し、その状態で吻合部を糸で縫合する
場合は、管状臓器の内面に連結管が密接しているので、
糸が通しにくい。また糸を用いない場合は、連結状態の
維持が不安定になる。他方、図11のメスやスパイクを
備えた吻合装置105は、比較的大がかりな装置であ
り、簡単な手術に用いるには取り扱いが大変である。し
かも使用できるようになるまで、かなり習熟する必要が
ある。
【0007】本発明はパイプ状の連結管や接合補助部材
における前述の問題を解消し、取り扱いが容易で、吻合
した後に迅速に溶解する固形状のガイド軸を提供するこ
とを第1の課題としている。さらに本発明は迅速に溶解
し、しかも充分な強度を備えているガイド軸を提供する
ことを第2の技術課題としている。さらに本発明は、端
側吻合を容易に行うことができ、しかも管状臓器同士を
安定して保持しながら糸で縫合する作業が容易なガイド
軸を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の管状臓器連結用
のガイド軸(請求項1)は、糖類を主原料とした、30
℃以上で溶解して生体内に分解吸収されるゲル化物質材
料で作られ、接合しようとする管状臓器内に挿入しうる
棒状ないしパイプ状の形態を有することを特徴としてい
る。ここにいう「溶解」には、液状になる場合のほか、
軟化・可塑化する場合も含まれる。また、「棒状ないし
パイプ状」には、環状臓器内に挿入して保持させうる形
態であれば、一部が切れているパイプあるいは半円筒状
などの形態も含まれる。
【0009】本発明の管状臓器連結用のガイド軸の第2
の態様(請求項2)は、30℃以上で溶解して人体に吸
収されるゲル化物質材料で固められた糸を芯として形成
された、棒状ないしパイプ状の形態を有することを特徴
としている。このようなガイド軸では、前記糸の端部が
所定の長さで固形部分から出ているものが好ましい(請
求項3)。さらに前記ゲル化物質材料が糖類を主原料と
しているのが好ましい(請求項4)。
【0010】前記いずれのガイド軸においても、その途
中の周囲に環状溝が形成されているものが好ましい(請
求項5)。さらにその途中に、棒状ないしパイプ状の枝
部の一端が連結されているものでもよい(請求項6)。
なお、枝部は本体に対して直角に連結するほか、斜めに
接合されていてもよい。このようなガイド軸において
は、枝部の付け根部分の周囲に環状溝が形成されている
ものが好ましい(請求項7)。
【0011】
【作用および発明の効果】本発明のガイド軸(請求項
1)は、血管などの管状臓器の開口端に一端を挿入し、
他端を第2の管状臓器の開口端あるいは切り開いた部位
に挿入することにより、管状臓器同士の位置関係を安定
して保持する。そのため、吻合部を糸と針で縫合する手
術が容易になる。そして手術後に管状臓器に30℃以上
の生理食塩水を流すことにより、あるいは血液などを流
すことにより、ガイド軸が迅速に生理食塩水や血液に溶
解し、生体に吸収される。そのため術後の経過が良好に
なる。なお、ガイド軸をパイプ状にする場合は、手術後
に生理食塩水や血液を流すときに流れやすく、溶解・吸
収が一層迅速になりる。
【0012】本発明のガイド軸の第2の態様(請求項
2)は、30℃以上で溶解して人体に吸収されるゲル化
物質材料で固められた糸を芯として形成されているの
で、糸がないガイド軸に比して強度が高い。そして前述
ガイド軸と同様に、血管などの管状臓器の吻合手術の時
にガイド作用を奏する。そして手術後、生理食塩水など
により固形分を溶解・吸収させることができる。残る糸
については、従来公知の生体吸収用の糸を用いる場合は
そのまま放置し、そうでない場合は抜糸する。このもの
も手術後に固形分が容易に溶解するので、術後経過がよ
い。
【0013】また、前記第2の態様において、糸の端部
が所定の長さで固形部分から出ているガイド軸(請求項
3)の場合は、手術時に糸の一端を吻合部の隙間から外
部に出しておく。それにより固形分が溶解した後、糸が
移動することがない。そしてその状態で外部に出ている
糸の端部を摘み、糸を抜き取ることができる。それによ
り、手術後の経過が一層好ましい。
【0014】前記ゲル化物質材料が糖類を主原料として
いる場合(請求項4)は、一層固形分の分解吸収が速
く、人体に安全である。また途中の周囲に環状溝を設け
たガイド軸(請求項5)の場合は、その環状溝の部分を
吻合に一致させた状態で糸と針で管状臓器を縫合すると
き、管状臓器の内部に糸を通した針を通しやすい。その
ため手術が一層容易になる。
【0015】また、前記ガイド軸の途中に、棒状ないし
パイプ状の枝部の一端が連結されている場合(請求項
6)は、ガイド軸を管状臓器内に、切り開いた部分を通
して収容し、枝部を第2の管状臓器の端部開口に挿入す
ることにより、管状臓器の側壁に第2の管状臓器の開口
端を接合保持させることができる。それにより端側吻合
が容易になる。また、枝部の付け根に環状溝が形成され
ているガイド軸(請求項7)の場合は、枝部の付け根を
吻合部に対応させることにより、縫合作業が容易にな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明
のガイド軸の実施の形態を説明する。図1は本発明のガ
イド軸の一実施形態を示す斜視図、図2はそのガイド軸
の断面図、図3はそのガイド軸を用いた手術方法の一例
を示す工程図、図4は本発明のガイド軸の他の実施形態
を示す一部切り欠き正面図、図5はそのガイド軸を用い
た手術方法の要部工程図、図6および図7はそれぞれ本
発明のガイド軸のさらに他の実施形態を示す一部切り欠
き正面図、図8a、図8bおよび図8cはそれぞれ本発
明のガイド軸のさらに他の実施形態を示す斜視図であ
る。
【0017】図1に示すガイド軸10は、パイプ状の本
体11と、その途中にT字状に連結されるパイプ状の枝
部12とからなる。枝部12の付け根13は細くなって
おり、そのため本体11との間で、付け根13の周囲に
は略環状の溝14が形成されている。図2に示すよう
に、枝部12の空洞12aは本体11の空洞11aと連
通している。本体11と枝部12は、通常は一体に形成
されるが、別個に形成して熱融着などで接合することも
できる。本体11および枝部12の自由端は、テーパ状
の面取りが形成されている。なお、本体11および枝部
12はそれぞれ先端に向かって次第に細くなるように構
成することもできる。
【0018】ガイド軸10は30℃以上の生理食塩水で
溶解して生体に吸収されるゲル化物質材料で構成されて
いる。このような材料としては、たとえば糖類を主体と
するゲル化物質があげられる。糖類としては、ブドウ
糖、果糖などの単糖類、オリゴ糖、ホモ多糖類、ヘトロ
多糖類、ムコ多糖類等があげられる。オリゴ糖として
は、ショ糖(スクロース)、乳糖(ラクトース)、トレ
ハロースなどがあげられる。ホモ多糖としては、グルカ
ン(デンプン、デキストリン)、マンナン、ガラクタン
(寒天)、キシラン(ヘミセルロース)、フルクタン
(イヌリン)、アラビナン(ペクチン)などがあげられ
る。ヘテロ多糖としては、グルコマンナン(コンニャ
ク)、ガラクトグルコマンナン(ヘミセルロース)、ア
ラビノガラクタン(ヘミセルロース)、アラビノキシラ
ン(ヘミセルロース)などの中性多糖、ポリウロニド
(ペクチン、アルギン酸)などの酸性多糖、含ウロン酸
多糖(粘液質、ガム質)あるいは含硫酸多糖(ガラギナ
ン、デキストラン塩酸)などがあげられる。ムコ多糖と
しては、中性ムコ多糖(キチン)、酸性ムコ多糖(ヒア
ルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸)などがあげ
られる。
【0019】糖類は天然品の植物、動物、微生物由来の
もののほか、デキストラン硫酸などの合成や発酵などに
より精製、工業化された糖類、また糖のエステルなど化
学修飾された糖類も用いられる。糖類には、たとえば
水、アルコール、ジメチルスルホキシド、ジエチルホル
ムアミド、N-メチル-2-ピロリドン、アセトン、クロ
ロホルムなどの溶媒、あるいは結合剤、安定剤、乳化
剤、補強剤などの添加物が含まれていてもよい。ガイド
軸を形成するには、粉末状の糖類を水などの溶媒中に溶
解させ、加熱あるいは冷凍して水分を少なくした後、型
内で成形し、ガイド軸10の形状に硬化させることによ
り製造することができる。
【0020】つぎに図3を参照して上記のように構成さ
れるガイド軸10を用いて血管を枝状に吻合する手術方
法(端側吻合)を説明する。まずメス15などの切断器
具で血管16に縦方向の切れ目16aを入れ、切開する
(第1工程S1)。切れ目16aの長さはガイド軸10
の本体11の長さあるいはそれよりいくらか短い程度で
ある。ついで切れ目16を開いてガイド軸10の本体1
1を片側ずつ血管16内に挿入する(第2工程S2)。
ついで枝部12を外部に出した状態で、切れ目16を針
17と糸18で縫い合わせる(第3工程S3)。
【0021】ついで枝部12にバイパス用などの第2の
血管19の端部を枝部12の外周に装着する(第4工程
S4)。その状態で針17と糸18を用いて、第2の血
管19の端部を元の血管16の側壁に縫合する(第5工
程S5)。そのとき、枝部12の付け根の環状の溝14
があるので、枝部12の内面と枝部12の付け根13と
の間に隙間20ができ、針17を他の血管19の内部に
くぐらせる作業が容易である。
【0022】縫合が完了した後、元の血管16あるいは
第2の血管19に30℃以上の温水、好ましくは生理食
塩水を流す。あるいは直ちに血液を流してもよい。血液
は体温と同程度であるので、通常は30℃以上である。
ガイド軸10は糖類を主体とする30℃以上で溶解して
生体に吸収される材料からなるので、30℃以上の生理
食塩水中に短時間(たとえば数分ないし数時間)で溶け
出す。また、ガイド軸10の本体11および枝部12は
パイプ状であるので、生理食塩水はとどまらず、血管1
6、19内を流れていく。それにより溶けた糖類の濃度
が部分的に高くなることもなく、最終的には生体に吸収
される。したがって元の血管16の側壁に新たな血管1
9の端部が糸18で吻合されたものだけが残る。そのた
め、患者の回復が速い。
【0023】血管同士が吻合して治癒した後、糸18を
抜糸する。なお生体吸収性の糸を用いる場合は、抜糸は
不要である。また、糸での縫合に代えて、生体吸収性の
接着剤などで接着することもできる。
【0024】図4に示すガイド軸22は、図1のガイド
軸10と実質的に同じ形状を備えている。そして前述と
同様の、糖類を主体とする30℃以上で溶解して生体に
吸収されるゲル化物質材料で固めた糸23、24を芯に
して、さらにその上に同じ固形材料を設けた点に特徴が
ある。この実施形態では、本体11の芯材となる糸23
と、枝部12の芯となる糸24の2本の糸23、24を
用いている。それぞれの糸23、24は連続しており、
その端部23a、24aはそれぞれ枝部12の付け根1
3の近辺から外部に引き出されている。ただし1本の連
続する糸で本体11の芯と枝部12の芯を構成すること
もできる。その場合は1本の端部だけを外部に引き出す
だけでよい。
【0025】前記糸23、24は、あらかじめ流動状態
の材料に含浸させ、棒材の周囲に巻き付けて固めること
により、本体用あるいは枝部用のパイプ状の芯に成形す
ることができる。なお糸を固める材料と、外側に設ける
材料は通常は同じものを用いるが、別の材料を用いても
よい。また、棒材の周囲に糸23、24を巻き付け、そ
れを型内に収容した後、型内に流動状態の材料を流し込
むときに同時に含浸させ、そのまま硬化させるようにし
てもよい。その場合、T字状に着脱自在に組み合わせた
2本の棒材を用いると、本体11と枝部12を一体に成
形することができる。なお、図4の場合は、糸23、2
4の芯はパイプの内側のみに設けており、外側はゲル化
物質材料で形成しているが、全体に芯を設けてもよく、
また、外側のみに芯を設けることもできる。
【0026】上記のような糸23、24で芯を構成した
ガイド軸22は、図1のガイド軸10に比して強度が高
く、割れたり欠けたりしにくい利点がある。そのため細
い血管用のガイド軸に好適である。また、強度が高いの
で、本体11や枝部12の肉厚を薄くすることができ、
手術後、材料が溶解するまでの時間が短い。しかも内径
を大きくできるので、手術後の血管などの管状臓器内部
の抵抗が小さい利点がある。
【0027】芯になる糸23、24は、生体吸収性材料
で製造してもよく、また、吸収されない材料で製造して
もよい。後者の場合は、図5に示すように、糸の端部2
3a、24aを血管16、19の隙間から外部に出した
状態で血管同士を吻合し、材料が30℃以上の生理食塩
水などに溶解した後、それらの糸の端部23a、24a
を引っ張る。それにより残っている糸23、24の全体
を血管16、19から抜き取ることができる。
【0028】前期実施形態では、ガイド軸の本体と枝部
がほぼ直角になっているが、血管の端側吻合の場合は、
端部を吻合する第2の血管19は吻合される元の血管1
6に対して斜めに吻合されることが多い。そのほうが流
れの抵抗が小さくなるためである。そのような斜めの吻
合に対しては、図6に示すように、本体11に対して枝
部12を斜めに連結したガイド軸30が用いられる。枝
部12の本体11に対する角度θは20〜90度の範囲
で適切な角度が選択される。ただし通常は端部が吻合さ
れる血管の太さが太いほど角度θが小さい。そのため、
枝部12の太さに応じて角度θを定めておいてもよい。
【0029】図7は本発明を端々吻合に用いるガイド軸
に適用した場合を示している。このガイド軸32は、パ
イプ状の本体11を有し、長手方向の途中に環状の溝1
4が形成されている。枝部は有しない。ガイド軸32の
材料は、図1のガイド軸10と同様の、糖類を主体とす
る30℃以上で溶解して生体内に分解吸収される材料で
作られている。なお、図4のような糸23、24を芯と
して用いることもできる。
【0030】このガイド軸32を用いる場合は、想像線
で示すように、ガイド軸32の両端から左右の血管1
6、19などの管状臓器を装着し、それらの端部同士を
環状の溝14の周囲で当接させ、端部同士を糸18で縫
合する。その場合、溝14の近辺ではガイド軸32の表
面と血管16、19の内面との間に隙間があるので、糸
と針による縫合作業が容易になる。また、30℃以上の
生理食塩水に溶けるので、手術後、短時間で除去するこ
とができる。そのため患者の回復が早くなる。
【0031】前記実施形態はいずれも1本の連続する空
洞(図2の符号11a、12a参照)を有するパイプ状
の本体および枝部を備えているが、空洞は2本あるいは
それ以上設けてもよい。そのような空洞があることによ
り、手術後の管状臓器の連通性を維持し、生理食塩水な
どが流れやすくなる。また、細い中空部を複数本有する
場合は、強度が高くなる。ただし流水抵抗が大きくなる
ので、中空部は1本だけの方が好ましい。また、パイプ
状でなく、中が詰まっている棒状の本体および枝部を採
用することもできる。その場合は通水性が劣るため、生
理食塩水などに溶けやすい材料を用いる方が好ましい。
また、棒状の本体や枝部を用いる場合は、T字状に着脱
自在に組み合わせた2本の棒材で構成することもでき
る。
【0032】さらに本体は、たとえば図8aに示すよう
に、上半分だけの半円筒状の本体11としてもよく、そ
の場合でも目的とする機能を果たすことができる。また
図8bに示すように、一部が軸方向のスリット32で切
れているパイプ状であってもよい。さらに枝部について
も、図8cに示すように、軸方向に延びるスリット32
で切れたパイプ状の枝部12にすることもでき、場合に
より半円筒状にすることもできる。ただし枝部は、端部
を吻合する管状臓器をしっかりと保持するため、通常は
パイプ状にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガイド軸の一実施形態を示す斜視図
である。
【図2】 そのガイド軸の断面図である。
【図3】 そのガイド軸を用いた手術方法の一例を示す
工程図である。
【図4】 本発明のガイド軸の他の実施形態を示す一部
切り欠き正面図である。
【図5】 そのガイド軸を用いた手術方法の要部工程図
である。
【図6】 本発明のガイド軸のさらに他の実施形態を示
す一部切り欠き正面図である。
【図7】 本発明のガイド軸のさらに他の実施形態を示
す一部切り欠き正面図である。
【図8】 図8a、図8bおよび図8cはそれぞれ本発
明のガイド軸のさらに他の実施形態を示す斜視図であ
る。
【図9】 従来のガイド軸を用いた吻合手術方法の一例
を示す工程図である。
【図10】 従来のガイド軸を用いた吻合手術方法の一
例を示す工程図である。
【図11】 従来の吻合装置の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
10 ガイド軸 11 本体 11a 空洞 12 枝部 12a 空洞 13 付け根 14 環状の溝 15 メス 16 血管 16a 切れ目 17 針 18 糸 19 第2の血管 20 隙間 22 ガイド軸 23、24 糸 23a、24a 端部 30 ガイド軸 θ 角度 32 スリット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糖類を主原料とした、30℃以上で溶解
    して生体内に分解吸収されるゲル化物質材料で作られ、
    接合しようとする管状臓器内に挿入しうる棒状ないしパ
    イプ状の形態を有する管状臓器連結用のガイド軸。
  2. 【請求項2】 30℃以上で溶解して生体に吸収される
    ゲル化物質材料で固められた糸を芯として形成された、
    棒状ないしパイプ状の形態を有する管状臓器連結用のガ
    イド軸。
  3. 【請求項3】 前記糸の端部が所定の長さで固形部分か
    ら出ている請求項2記載のガイド軸。
  4. 【請求項4】 前記ゲル化状物質材料が糖類を主原料と
    している請求項2記載のガイド軸。
  5. 【請求項5】 その途中の周囲に環状溝が形成されてい
    る請求項1または2記載のガイド軸。
  6. 【請求項6】 その途中に、棒状ないしパイプ状の枝部
    が連結されている請求項1または2記載のガイド軸。
  7. 【請求項7】 前記枝部の付け根部分の外周に環状溝が
    形成されている請求項5記載のガイド軸。
JP2002100663A 2002-04-02 2002-04-02 管状臓器連結用のガイド軸 Pending JP2003290233A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002100663A JP2003290233A (ja) 2002-04-02 2002-04-02 管状臓器連結用のガイド軸

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002100663A JP2003290233A (ja) 2002-04-02 2002-04-02 管状臓器連結用のガイド軸

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003290233A true JP2003290233A (ja) 2003-10-14

Family

ID=29241441

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002100663A Pending JP2003290233A (ja) 2002-04-02 2002-04-02 管状臓器連結用のガイド軸

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003290233A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011156377A (ja) * 2003-10-14 2011-08-18 Cordis Corp 脈管を接合するためのデバイス
JP2013504370A (ja) * 2009-09-14 2013-02-07 サーキュライト・インコーポレーテッド 血管内吻合コネクタデバイス、供給システム、ならびに供給および使用方法
JPWO2013146614A1 (ja) * 2012-03-30 2015-12-14 国立大学法人福井大学 吻合手術用補助クリップ

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011156377A (ja) * 2003-10-14 2011-08-18 Cordis Corp 脈管を接合するためのデバイス
JP2013504370A (ja) * 2009-09-14 2013-02-07 サーキュライト・インコーポレーテッド 血管内吻合コネクタデバイス、供給システム、ならびに供給および使用方法
US9050419B2 (en) 2009-09-14 2015-06-09 Circulite, Inc. Endovascular anastomotic connector device, delivery system, and methods of delivery and use
US11241231B2 (en) 2009-09-14 2022-02-08 Circulite, Inc. Endovascular anastomotic connector device, delivery system, and methods of delivery and use
JPWO2013146614A1 (ja) * 2012-03-30 2015-12-14 国立大学法人福井大学 吻合手術用補助クリップ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102665572B (zh) 用于体腔穿孔的封闭的装置、套件和方法
CA2188210C (en) Vascular hole closure
RU2329774C2 (ru) Ввинчиваемое устройство для анастомоза
US5141516A (en) Dissolvable anastomosis stent and method for using the same
US20080045985A1 (en) Compositions and methods for joining non-conjoined lumens
JP2007535986A (ja) ヒンジを備えた閉鎖デバイス
MXPA00012716A (es) Metodo de reparacion de tejido ii.
US7883518B1 (en) Surgical knot
US20140303657A1 (en) Vascular anastomosis device using a self-expandable material or body, and anastomosis method for blood vessels using same
JPH04242642A (ja) ハイブリッド人工血管及びその製造方法
Kamiji et al. Microvascular anastomosis using polyethylene glycol 4000 and fibrin glue
Bouchot et al. Clinical experience with a novel thermosensitive temporary coronary artery occluder (LeGoo)
JPH01308540A (ja) 外科用プロテーゼ
JP2003290233A (ja) 管状臓器連結用のガイド軸
CN102240218A (zh) 血管吻合夹
CN208552127U (zh) 支架系统及其输送装置、后释放结构与支架
CN206333945U (zh) 一种双向保护取栓器
CN1131074C (zh) 一种用于微创快速血管吻合技术的速溶支架的制备方法
US11937822B1 (en) Externally supported anastomosis
CN109567981A (zh) 支架系统及其输送装置、后释放结构与支架
CN111714261A (zh) 管腔吻合支撑扩张器
DE2531588C2 (de) Transplantate aus Nabelschnurgefäßen und ihre Herstellung
JPH0938119A (ja) 生体吸収性連結管
JPH0318355A (ja) 中空器官吻合用具
CN210138168U (zh) 可拆卸血管吻合支架

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060906

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060919

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061120

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070206