JP2003288937A - 非水系二次電池用電解液及びそれを用いた非水電解液二次電池 - Google Patents
非水系二次電池用電解液及びそれを用いた非水電解液二次電池Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高温サイクル特性をはじめとする高温特
性の改善されたリチウム二次電池用電解液を提供する。 【解決手段】 有機溶媒とリチウム塩とを含有する非水
電解液において、さらに下記一般式(1)で表される陽
イオンを添加する。 [R1R2R3NH]+ …(1) (ただし、R1,R2,及びR3はそれぞれ独立に窒素原
子に直結する炭素数1以上のアルキル基又は水素原子を
表す。)
性の改善されたリチウム二次電池用電解液を提供する。 【解決手段】 有機溶媒とリチウム塩とを含有する非水
電解液において、さらに下記一般式(1)で表される陽
イオンを添加する。 [R1R2R3NH]+ …(1) (ただし、R1,R2,及びR3はそれぞれ独立に窒素原
子に直結する炭素数1以上のアルキル基又は水素原子を
表す。)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液及びそれ
を用いた二次電池に関する。
を用いた二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池等の非水電解液二次電
池の正極活物質として、LiCoO2やLiNiO2、L
iMn2O4などのリチウム遷移金属酸化物が実用段階に
入った。しかし一方で、これらの正極活物質は、高温環
境下になると、サイクル特性や保存特性といった実用に
際して重要な特性が、支障をきたすレベルに低下してし
まうという問題点がある。特に、LiMn2O4などのリ
チウムマンガン酸化物からなるマンガン系正極活物質
は、成分となるマンガンがコバルトやニッケルに比較し
て埋蔵量が多く、安価であり、加えて過充電での安全性
も高いというメリットを有している一方で、LiCoO
2等のリチウムコバルト酸化物やLiNiO2等のリチウ
ムニッケル酸化物の場合よりも、高温環境下におけるサ
イクル特性の低下が顕著であり、一層問題である。これ
はリチウムマンガン酸化物が高温環境下で溶解し、溶解
したマンガンイオンが種々の悪影響を及ぼすためと考え
られている。特に負極に析出したマンガンイオンは不可
逆的なリチウムを増加させ、本来二次電池に必要な可逆
的なリチウムを減らし、サイクルの劣化が大きくなると
考えられている。例えばElectrochemistry,69.784(200
1)等に記載がある。
池の正極活物質として、LiCoO2やLiNiO2、L
iMn2O4などのリチウム遷移金属酸化物が実用段階に
入った。しかし一方で、これらの正極活物質は、高温環
境下になると、サイクル特性や保存特性といった実用に
際して重要な特性が、支障をきたすレベルに低下してし
まうという問題点がある。特に、LiMn2O4などのリ
チウムマンガン酸化物からなるマンガン系正極活物質
は、成分となるマンガンがコバルトやニッケルに比較し
て埋蔵量が多く、安価であり、加えて過充電での安全性
も高いというメリットを有している一方で、LiCoO
2等のリチウムコバルト酸化物やLiNiO2等のリチウ
ムニッケル酸化物の場合よりも、高温環境下におけるサ
イクル特性の低下が顕著であり、一層問題である。これ
はリチウムマンガン酸化物が高温環境下で溶解し、溶解
したマンガンイオンが種々の悪影響を及ぼすためと考え
られている。特に負極に析出したマンガンイオンは不可
逆的なリチウムを増加させ、本来二次電池に必要な可逆
的なリチウムを減らし、サイクルの劣化が大きくなると
考えられている。例えばElectrochemistry,69.784(200
1)等に記載がある。
【0003】上記問題を克服するため、高温環境下での
特性改良を目的とした検討が精力的に行われ、報告され
ている。例えば、J.Electrochem.soc.,Vol.145,No.8(19
98)2726-2732ではリチウムマンガン酸化物のMnの一部
をGaやCrのような他元素で置換したものが開示さ
れ、Electrochemical Society Proceedings Volume97-1
8.494 ではMnの一部をCoで置換したり、酸素の一部
をFで置換して結晶構造の安定性向上を図ったものが開
示されている。しかし、これらは負極として過剰なリチ
ウム源を有する金属リチウムを使用した時の結果であっ
て、炭素材料(炭素質物)のような実用的な負極材料と
の組み合わせにおいては、さらなる性能の向上が求めら
れているのが実情である。
特性改良を目的とした検討が精力的に行われ、報告され
ている。例えば、J.Electrochem.soc.,Vol.145,No.8(19
98)2726-2732ではリチウムマンガン酸化物のMnの一部
をGaやCrのような他元素で置換したものが開示さ
れ、Electrochemical Society Proceedings Volume97-1
8.494 ではMnの一部をCoで置換したり、酸素の一部
をFで置換して結晶構造の安定性向上を図ったものが開
示されている。しかし、これらは負極として過剰なリチ
ウム源を有する金属リチウムを使用した時の結果であっ
て、炭素材料(炭素質物)のような実用的な負極材料と
の組み合わせにおいては、さらなる性能の向上が求めら
れているのが実情である。
【0004】また、高温環境下でリチウムマンガン酸化
物からのマンガンイオンの溶出を防ぐため、例えば正極
活物質表面を処理したり、正極材中にMn溶出抑制効果
のある物質を添加するといった検討も鋭意行われてい
る。しかしながら、近年のリチウム二次電池の高性能化
の要求レベルは高いため充分な特性を持つものは見つか
っておらず、更なる性能向上が求められている。
物からのマンガンイオンの溶出を防ぐため、例えば正極
活物質表面を処理したり、正極材中にMn溶出抑制効果
のある物質を添加するといった検討も鋭意行われてい
る。しかしながら、近年のリチウム二次電池の高性能化
の要求レベルは高いため充分な特性を持つものは見つか
っておらず、更なる性能向上が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】リチウム遷移金属酸化
物を正極活物質として使用したリチウム二次電池は、高
温環境下において該活物質が活性な状態となり、それ自
体の変質のみならず、電解液の分解、負極表面に形成さ
れた被膜の破壊等々、様々な悪影響を及ぼすものと考え
られる。特にリチウムマンガン酸化物を正極に使用した
場合に生じるマンガンイオンの溶解が及ぼす悪影響をい
かに抑えるかが重要な課題である。
物を正極活物質として使用したリチウム二次電池は、高
温環境下において該活物質が活性な状態となり、それ自
体の変質のみならず、電解液の分解、負極表面に形成さ
れた被膜の破壊等々、様々な悪影響を及ぼすものと考え
られる。特にリチウムマンガン酸化物を正極に使用した
場合に生じるマンガンイオンの溶解が及ぼす悪影響をい
かに抑えるかが重要な課題である。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、その目的は、高温環境下での活
性化状態の緩和・低減を図り、以て高温サイクル特性を
はじめとする高温特性の改善されたリチウム二次電池用
正極材料を提供しようとするものである。
ためになされたもので、その目的は、高温環境下での活
性化状態の緩和・低減を図り、以て高温サイクル特性を
はじめとする高温特性の改善されたリチウム二次電池用
正極材料を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題を解決するためには、負極上で析出したMnイオンが
及ぼす悪影響を最小限に留めることが重要と考え、負極
の保護あるいはマンガンイオンを捕捉するイオンを電解
液中に添加する検討を詳細に行った。その結果電解液中
に非共有電子対を有するアンモニウムイオンのような陽
イオンを含有させることによって、高温での電池の劣化
を抑制することを見出し本発明を完成した。
題を解決するためには、負極上で析出したMnイオンが
及ぼす悪影響を最小限に留めることが重要と考え、負極
の保護あるいはマンガンイオンを捕捉するイオンを電解
液中に添加する検討を詳細に行った。その結果電解液中
に非共有電子対を有するアンモニウムイオンのような陽
イオンを含有させることによって、高温での電池の劣化
を抑制することを見出し本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、有機溶媒とリチウム
塩とを含有する非水電解液において、下記一般式(1)
で表される陽イオンを含有することを特徴とする非水電
解液及びそれを用いた非水電解液二次電池をその要旨と
する。
塩とを含有する非水電解液において、下記一般式(1)
で表される陽イオンを含有することを特徴とする非水電
解液及びそれを用いた非水電解液二次電池をその要旨と
する。
【0009】
【化2】[R1R2R3NH]+ …(1)
(ただし、R1,R2,及びR3はそれぞれ独立に窒素原
子に直結する炭素数1以上のアルキル基又は水素原子を
表す。) 上記陽イオンが電解液中に存在すると電池の劣化を防ぐ
ことができる理由は明確に判ってはいないが、正極から
溶解した金属イオン(リチウムマンガン酸化勿の場合は
マンガンイオン)にアンモニウムイオンの非共有電子対
が配位し、負極上に析出するのを防ぐか、析出したマン
ガンイオンの活性を低下させてくれるためではないかと
考えられる。
子に直結する炭素数1以上のアルキル基又は水素原子を
表す。) 上記陽イオンが電解液中に存在すると電池の劣化を防ぐ
ことができる理由は明確に判ってはいないが、正極から
溶解した金属イオン(リチウムマンガン酸化勿の場合は
マンガンイオン)にアンモニウムイオンの非共有電子対
が配位し、負極上に析出するのを防ぐか、析出したマン
ガンイオンの活性を低下させてくれるためではないかと
考えられる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の電解液は、下記一般式
(1)で表される陽イオン(以下アンモニウム型イオン
と称することがある)を含有する。
(1)で表される陽イオン(以下アンモニウム型イオン
と称することがある)を含有する。
【0011】
【化3】[R1R2R3NH]+ …(1)
ここで、R1,R2,及びR3はそれぞれ独立に窒素原子
に直結する炭素数1以上のアルキル基又は水素原子を表
す。好ましくは炭素数3以下のアルキル基又は水素原子
であり、さらに好ましくはメチル基又は水素原子、さら
に好ましくは水素原子である。R1,R2,及びR3は同
じでも異なっていてもよいが、最も好ましくは、これら
が同時に水素原子を表す(即ち陽イオンとしてアンモニ
ウムイオンを使用する) 上記アンモニウム型イオンを含有させるには、通常対ア
ニオンが必要になるが、かかる対アニオンとしては、電
解液中で解離しやすい塩から誘導される対アニオンを用
いるのが、有効なアンモニウムイオンを電解液中に存在
させうるので好ましい。このような具体例としては、塩
化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンのようなハ
ロゲン化物イオン、六フッ化リン酸イオン、四フッ化ホ
ウ酸イオン、過塩素酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン
等を上げることができる。この中でも好ましくはハロゲ
ン化物イオンであり、アニオンが大きい方が塩の解離度
が高くできるため、特に好ましいのはヨウ化物イオンで
ある。
に直結する炭素数1以上のアルキル基又は水素原子を表
す。好ましくは炭素数3以下のアルキル基又は水素原子
であり、さらに好ましくはメチル基又は水素原子、さら
に好ましくは水素原子である。R1,R2,及びR3は同
じでも異なっていてもよいが、最も好ましくは、これら
が同時に水素原子を表す(即ち陽イオンとしてアンモニ
ウムイオンを使用する) 上記アンモニウム型イオンを含有させるには、通常対ア
ニオンが必要になるが、かかる対アニオンとしては、電
解液中で解離しやすい塩から誘導される対アニオンを用
いるのが、有効なアンモニウムイオンを電解液中に存在
させうるので好ましい。このような具体例としては、塩
化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンのようなハ
ロゲン化物イオン、六フッ化リン酸イオン、四フッ化ホ
ウ酸イオン、過塩素酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン
等を上げることができる。この中でも好ましくはハロゲ
ン化物イオンであり、アニオンが大きい方が塩の解離度
が高くできるため、特に好ましいのはヨウ化物イオンで
ある。
【0012】上記のアンモニウム型イオン及び対アニオ
ンを電解液中に含有させるには、これらが結合してなる
塩を電解液中に添加すればよい。このような塩として
は、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、塩化アン
モニウム、六フッ化リン酸アンモニウム(NH4P
F6)、四フッ化ホウ酸アンモニウム(NH4BF4)、
過塩素酸アンモニウム(NH4ClO4)、硫酸アンモニ
ウム、硝酸アンモニウム等が上げられる。最も好ましい
塩は、ヨウ化アンモニウムである。
ンを電解液中に含有させるには、これらが結合してなる
塩を電解液中に添加すればよい。このような塩として
は、臭化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、塩化アン
モニウム、六フッ化リン酸アンモニウム(NH4P
F6)、四フッ化ホウ酸アンモニウム(NH4BF4)、
過塩素酸アンモニウム(NH4ClO4)、硫酸アンモニ
ウム、硝酸アンモニウム等が上げられる。最も好ましい
塩は、ヨウ化アンモニウムである。
【0013】アンモニウム型イオンの濃度は電解液の有
機溶媒およびリチウム塩の合計重量に対し通常50pp
mから50000ppm、より好ましくは100ppm
から10000ppmの重量比で含有されている。少な
すぎると含有させる効果が明瞭でなく、逆に多すぎる
と、電解液の電導度の低下や、アンモニウム型イオンが
電極と反応し抵抗が増加する等の問題が生じることがあ
る。
機溶媒およびリチウム塩の合計重量に対し通常50pp
mから50000ppm、より好ましくは100ppm
から10000ppmの重量比で含有されている。少な
すぎると含有させる効果が明瞭でなく、逆に多すぎる
と、電解液の電導度の低下や、アンモニウム型イオンが
電極と反応し抵抗が増加する等の問題が生じることがあ
る。
【0014】本発明に使用される電解液の有機溶媒とし
ては、特に限定されるものではないが、例えばカーボネ
ート類、エーテル類、ケトン類、スルホラン系化合物、
ラクトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素類、エーテル
類、アミン類、エステル類、アミド類、リン酸エステル
化合物等を使用することができる。これらの代表的なも
のを列挙すると、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネ
ート、ビニレンカーボネート、テトラヒドロフラン、2
−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、4
−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、
1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソ
ラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラ
ン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ル、ブチロニトリル、バレロニトリル、1,2−ジクロ
ロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等の単独もし
くは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
ては、特に限定されるものではないが、例えばカーボネ
ート類、エーテル類、ケトン類、スルホラン系化合物、
ラクトン類、ニトリル類、塩素化炭化水素類、エーテル
類、アミン類、エステル類、アミド類、リン酸エステル
化合物等を使用することができる。これらの代表的なも
のを列挙すると、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネ
ート、ビニレンカーボネート、テトラヒドロフラン、2
−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、4
−メチル−2−ペンタノン、1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、
1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソ
ラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラ
ン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリ
ル、ブチロニトリル、バレロニトリル、1,2−ジクロ
ロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等の単独もし
くは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
【0015】上記有機溶媒には、特に電解質を解離させ
るために高誘電率溶媒が含まれることが好ましい。ここ
で、高誘電率溶媒とは、25℃における比誘電率が20
以上の化合物を意味する。高誘電率溶媒の中で、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート及びそれらの
水素原子をハロゲン等の他の元素又はアルキル基等で置
換した化合物が電解液中に含まれることが好ましい。高
誘電率化合物の、電解液に占める割合は、好ましくは2
0重量%以上、更に好ましくは30重量%以上、最も好
ましくは40重量%以上である。該化合物の含有量が少
ないと、所望の電池特性が得られない場合があるからで
ある。
るために高誘電率溶媒が含まれることが好ましい。ここ
で、高誘電率溶媒とは、25℃における比誘電率が20
以上の化合物を意味する。高誘電率溶媒の中で、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート及びそれらの
水素原子をハロゲン等の他の元素又はアルキル基等で置
換した化合物が電解液中に含まれることが好ましい。高
誘電率化合物の、電解液に占める割合は、好ましくは2
0重量%以上、更に好ましくは30重量%以上、最も好
ましくは40重量%以上である。該化合物の含有量が少
ないと、所望の電池特性が得られない場合があるからで
ある。
【0016】またこの溶媒に溶解させるリチウム塩とし
ては、特に限定されるものではないが、従来公知のいず
れもが使用でき、LiClO4、LiAsF6、LiPF
6、LiBF4、LiB(C6H5)4 、LiCl、LiB
r、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiN(SO2
CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2C
F3)3、LiN(SO3CF3)2等が挙げられ、これら
のうち少なくとも1種以上のものを用いることができ
る。
ては、特に限定されるものではないが、従来公知のいず
れもが使用でき、LiClO4、LiAsF6、LiPF
6、LiBF4、LiB(C6H5)4 、LiCl、LiB
r、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiN(SO2
CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2C
F3)3、LiN(SO3CF3)2等が挙げられ、これら
のうち少なくとも1種以上のものを用いることができ
る。
【0017】本発明ではさらに上記のアンモニウム型イ
オンを含んだ電解液を用いることにより、高温での劣化
の少ない二次電池を供給することを目的とする。電池に
使用される正極活物質であるとしては、上記アンモニウ
ム型イオンの効果が顕著である点で、リチウムと遷移金
属とを含有する複合酸化物であるリチウム遷移金属酸化
物が好ましく使用される。このようなリチウム遷移金属
としては、リチウムマンガン酸化物、リチウムニッケル
酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウム鉄酸化物、
リチウムクロム酸化物、リチウムバナジウム酸化物、リ
チウムチタン酸化物、リチウム銅酸化物等を挙げること
ができる。具体的な組成式としては、例えば一般式Li
Mn2O4、LiMnO2、LiNiO2、LiCoO 2、
LiFeO2、LiCrO2、Li1+xV3O8、LiV
2O4、LiTi2O4、Li2CuO2、LiCuO2で表
されるような化合物等を挙げることができる。本発明の
効果が顕著である点で、好ましくはリチウムマンガン酸
化物、特に一般式LiMn2O4で表されるようなスピネ
ル構造を有するリチウムマンガン酸化物である。なお、
上記の組成において、少量の酸素欠損、不定比性を持っ
ていてもよい。また、酸素サイトの一部が硫黄やハロゲ
ン元素で置換されていてもよい。更に、リチウム遷移金
属酸化物の遷移金属が占めるサイトの一部を遷移金属以
外の元素で置換してもよい。
オンを含んだ電解液を用いることにより、高温での劣化
の少ない二次電池を供給することを目的とする。電池に
使用される正極活物質であるとしては、上記アンモニウ
ム型イオンの効果が顕著である点で、リチウムと遷移金
属とを含有する複合酸化物であるリチウム遷移金属酸化
物が好ましく使用される。このようなリチウム遷移金属
としては、リチウムマンガン酸化物、リチウムニッケル
酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウム鉄酸化物、
リチウムクロム酸化物、リチウムバナジウム酸化物、リ
チウムチタン酸化物、リチウム銅酸化物等を挙げること
ができる。具体的な組成式としては、例えば一般式Li
Mn2O4、LiMnO2、LiNiO2、LiCoO 2、
LiFeO2、LiCrO2、Li1+xV3O8、LiV
2O4、LiTi2O4、Li2CuO2、LiCuO2で表
されるような化合物等を挙げることができる。本発明の
効果が顕著である点で、好ましくはリチウムマンガン酸
化物、特に一般式LiMn2O4で表されるようなスピネ
ル構造を有するリチウムマンガン酸化物である。なお、
上記の組成において、少量の酸素欠損、不定比性を持っ
ていてもよい。また、酸素サイトの一部が硫黄やハロゲ
ン元素で置換されていてもよい。更に、リチウム遷移金
属酸化物の遷移金属が占めるサイトの一部を遷移金属以
外の元素で置換してもよい。
【0018】本発明で使用するリチウム遷移金属酸化物
としては、特定の遷移金属をベースとして、該遷移金属
サイトの一部が他の元素で置換されているのが好まし
い。その結果、結晶構造の安定性を向上させることがで
きる。この効果は、特にリチウムマンガン複合酸化物を
使用した際に顕著である。この際の置換する他元素(以
下、置換元素と表記する)としては、Al、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、M
g、Ga、Zr等が挙げられ、好ましくはAl、Cr、
Fe、Co、Li、Ni、Mg、Ga、更に好ましくは
Alである。なお、遷移金属サイトは2種以上の他元素
で置換されていてもよい。
としては、特定の遷移金属をベースとして、該遷移金属
サイトの一部が他の元素で置換されているのが好まし
い。その結果、結晶構造の安定性を向上させることがで
きる。この効果は、特にリチウムマンガン複合酸化物を
使用した際に顕著である。この際の置換する他元素(以
下、置換元素と表記する)としては、Al、Ti、V、
Cr、Mn、Fe、Co、Li、Ni、Cu、Zn、M
g、Ga、Zr等が挙げられ、好ましくはAl、Cr、
Fe、Co、Li、Ni、Mg、Ga、更に好ましくは
Alである。なお、遷移金属サイトは2種以上の他元素
で置換されていてもよい。
【0019】置換元素による置換割合は通常ベースとな
る遷移金属元素の2.5モル%以上、好ましくはベース
となる遷移金属元素の5モル%以上であり、通常ベース
となる遷移金属元素の30モル%以下、好ましくはベー
スとなる遷移金属元素の20モル%以下である。置換割
合が少なすぎるとその高温サイクルの改善効果が充分で
はない場合があり、多すぎると電池にした場合の容量が
低下してしまう場合がある。
る遷移金属元素の2.5モル%以上、好ましくはベース
となる遷移金属元素の5モル%以上であり、通常ベース
となる遷移金属元素の30モル%以下、好ましくはベー
スとなる遷移金属元素の20モル%以下である。置換割
合が少なすぎるとその高温サイクルの改善効果が充分で
はない場合があり、多すぎると電池にした場合の容量が
低下してしまう場合がある。
【0020】本発明の正極は、上記正極活物質とバイン
ダーおよび導電剤とを有する。好ましくは、正極は、正
極集電体と、正極材料とバインダーと導電剤を含有する
正極層とからなる。正極に使用されるバインダーとして
は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、EPDM
(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、SB
R(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロ
セルロース等が挙げられる。正極層中のバインダーの割
合は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以
上、さらに好ましくは5重量%以上であり、通常80重
量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましく
は40重量%以下、最も好ましくは10重量%以下であ
る。バインダーの割合が低すぎると、活物質を十分に保
持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等
の電池性能を悪化させることがあり、一方高すぎると電
池容量や導電性を下げることがある。
ダーおよび導電剤とを有する。好ましくは、正極は、正
極集電体と、正極材料とバインダーと導電剤を含有する
正極層とからなる。正極に使用されるバインダーとして
は、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオ
ロエチレン、フッ素化ポリフッ化ビニリデン、EPDM
(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、SB
R(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリロニ
トリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ニトロ
セルロース等が挙げられる。正極層中のバインダーの割
合は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以
上、さらに好ましくは5重量%以上であり、通常80重
量%以下、好ましくは60重量%以下、さらに好ましく
は40重量%以下、最も好ましくは10重量%以下であ
る。バインダーの割合が低すぎると、活物質を十分に保
持できずに正極の機械的強度が不足し、サイクル特性等
の電池性能を悪化させることがあり、一方高すぎると電
池容量や導電性を下げることがある。
【0021】また正極層の導電剤としては、天然黒鉛、
人造黒鉛等の黒鉛や、アセチレンブラック等のカーボン
ブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材
料を挙げることができる。正極中の導電剤の割合は、通
常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、
さらに好ましくは1重量%以上であり、通常50重量%
以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは1
5重量%以下である。導電剤の割合が低すぎると導電性
が不十分になることがあり、逆に高すぎると電池容量が
低下することがある。
人造黒鉛等の黒鉛や、アセチレンブラック等のカーボン
ブラック、ニードルコークス等の無定形炭素等の炭素材
料を挙げることができる。正極中の導電剤の割合は、通
常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、
さらに好ましくは1重量%以上であり、通常50重量%
以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは1
5重量%以下である。導電剤の割合が低すぎると導電性
が不十分になることがあり、逆に高すぎると電池容量が
低下することがある。
【0022】また、スラリー溶媒としては、通常はバイ
ンダーを溶解あるいは分散する有機溶剤が使用される。
例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチ
ルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミ
ン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を挙げる
ことができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加えてS
BR等のラテックスで活物質をスラリー化することもで
きる。
ンダーを溶解あるいは分散する有機溶剤が使用される。
例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチ
ルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミ
ン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を挙げる
ことができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加えてS
BR等のラテックスで活物質をスラリー化することもで
きる。
【0023】正極層の厚さは、通常1〜1000μm、
好ましくは10〜200μm程度である。厚すぎると導
電性が低下する傾向にあり、薄すぎると容量が低下する
傾向にある。正極に使用する集電体の材質としては、ア
ルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が用い
られ、好ましくはアルミニウムである。集電体の厚さ
は、通常1〜1000μm、好ましくは5〜500μm
程度である。厚すぎるとリチウム二次電池全体としての
容量が低下し、薄すぎると機械的強度が不足することが
ある。
好ましくは10〜200μm程度である。厚すぎると導
電性が低下する傾向にあり、薄すぎると容量が低下する
傾向にある。正極に使用する集電体の材質としては、ア
ルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が用い
られ、好ましくはアルミニウムである。集電体の厚さ
は、通常1〜1000μm、好ましくは5〜500μm
程度である。厚すぎるとリチウム二次電池全体としての
容量が低下し、薄すぎると機械的強度が不足することが
ある。
【0024】なお、塗布・乾燥によって得られた正極層
は、活物質の充填密度を上げるためローラープレス等に
より圧密されるのが好ましい。本発明の二次電池の負極
に使用される負極の活物質としては、リチウムやリチウ
ムアルミニウム合金合金などのリチウム合金であっても
良いが、より安全性の高いリチウムを吸蔵、放出できる
炭素材料(炭素質物)が好ましい。
は、活物質の充填密度を上げるためローラープレス等に
より圧密されるのが好ましい。本発明の二次電池の負極
に使用される負極の活物質としては、リチウムやリチウ
ムアルミニウム合金合金などのリチウム合金であっても
良いが、より安全性の高いリチウムを吸蔵、放出できる
炭素材料(炭素質物)が好ましい。
【0025】前記炭素材料は特に限定されないが、黒鉛
及び、石炭系コークス、石油系コークス、石炭系ピッチ
の炭化物、石油系ピッチの炭化物、あるいはこれらピッ
チを酸化処理したものの炭化物、ニードルコークス、ピ
ッチコークス、フェノール樹脂、結晶セルロース等の炭
化物等及びこれらを一部黒鉛化した炭素材、ファーネス
ブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等が
挙げられる。
及び、石炭系コークス、石油系コークス、石炭系ピッチ
の炭化物、石油系ピッチの炭化物、あるいはこれらピッ
チを酸化処理したものの炭化物、ニードルコークス、ピ
ッチコークス、フェノール樹脂、結晶セルロース等の炭
化物等及びこれらを一部黒鉛化した炭素材、ファーネス
ブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等が
挙げられる。
【0026】さらに、SnO、SnO2、Sn1-xMxO
(M=Hg、P、B、Si、GeまたはSb、ただし0
≦x<1)、Sn3O2(OH)2 、Sn3-xMxO2(O
H)2(M=Mg、P、B、Si、Ge、Sb又はM
n、ただし0≦x<3)、LiSiO2、SiO2又はL
iSnO2等を挙げることができる。なお、これらの中
から選ばれる2種以上の混合物として用いてもよい。
(M=Hg、P、B、Si、GeまたはSb、ただし0
≦x<1)、Sn3O2(OH)2 、Sn3-xMxO2(O
H)2(M=Mg、P、B、Si、Ge、Sb又はM
n、ただし0≦x<3)、LiSiO2、SiO2又はL
iSnO2等を挙げることができる。なお、これらの中
から選ばれる2種以上の混合物として用いてもよい。
【0027】負極は通常、正極の場合と同様、負極層を
集電体上に形成されてなる。この際使用するバインダー
や、必要に応じて使用される導電剤やスラリー溶媒とし
ては、正極で使用するものと同様のものを使用すること
ができる。また、負極の集電体としては、銅、ニッケ
ル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用され、好
ましくは銅が用いられる。
集電体上に形成されてなる。この際使用するバインダー
や、必要に応じて使用される導電剤やスラリー溶媒とし
ては、正極で使用するものと同様のものを使用すること
ができる。また、負極の集電体としては、銅、ニッケ
ル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用され、好
ましくは銅が用いられる。
【0028】正極と負極との間にセパレーターを使用す
る場合は、微多孔性の高分子フィルムが用いられ、ナイ
ロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリ
スルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポ
リオレフィン高分子よりなるものが用いられる。セパレ
ータの化学的及び電気化学的安定性は重要な因子であ
る。この点からポリオレフィン系高分子が好ましく、電
池セパレータの目的の一つである自己閉塞温度の点から
ポリエチレン製であることが望ましい。
る場合は、微多孔性の高分子フィルムが用いられ、ナイ
ロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリ
スルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等のポ
リオレフィン高分子よりなるものが用いられる。セパレ
ータの化学的及び電気化学的安定性は重要な因子であ
る。この点からポリオレフィン系高分子が好ましく、電
池セパレータの目的の一つである自己閉塞温度の点から
ポリエチレン製であることが望ましい。
【0029】ポリエチレンセパレーターの場合、高温形
状維持性の点から超高分子量ポリエチレンであることが
好ましく、その分子量の下限は好ましくは50万、さら
に好ましくは100万、最も好ましくは150万であ
る。他方分子量の上限は、好ましくは500万、更に好
ましくは400万、最も好ましくは300万である。分
子量が大きすぎると、流動性が低すぎて加熱された時セ
パレーターの孔が閉塞しない場合があるからである。
状維持性の点から超高分子量ポリエチレンであることが
好ましく、その分子量の下限は好ましくは50万、さら
に好ましくは100万、最も好ましくは150万であ
る。他方分子量の上限は、好ましくは500万、更に好
ましくは400万、最も好ましくは300万である。分
子量が大きすぎると、流動性が低すぎて加熱された時セ
パレーターの孔が閉塞しない場合があるからである。
【0030】
【実施例】以下実施例によって本発明の方法をさらに具
体的に説明するが、本発明の要旨を越えない限り本発明
は以下の実施例に限られるものではない。 実施例1 三極式のビーカーセルを使用し、作用極に天然黒鉛を活
物質とした負極、対極にリチウム金属、参照極にも金属
リチウムを用いた。
体的に説明するが、本発明の要旨を越えない限り本発明
は以下の実施例に限られるものではない。 実施例1 三極式のビーカーセルを使用し、作用極に天然黒鉛を活
物質とした負極、対極にリチウム金属、参照極にも金属
リチウムを用いた。
【0031】電解液にはエチレンカーボネート(EC)
とジエチルカーボネート(DEC)の1:1の混合溶媒
に1MのLiClO4を溶解したもの(比重1.22g
/cc)を用い、これにヨウ化アンモニウム(分子量約
145)を8.3mmol/リットルの濃度で溶かした
もの(アンモニウムイオンとして電解液の重量に対し約
120ppmの重量割合)を用いた。
とジエチルカーボネート(DEC)の1:1の混合溶媒
に1MのLiClO4を溶解したもの(比重1.22g
/cc)を用い、これにヨウ化アンモニウム(分子量約
145)を8.3mmol/リットルの濃度で溶かした
もの(アンモニウムイオンとして電解液の重量に対し約
120ppmの重量割合)を用いた。
【0032】電流密度0.1mA/cm2定電流にて負
極へのLiイオンのドープ、脱ドープを繰り返すサイク
ル試験を25℃で行った。ドープ時下限電圧は0.02
V、脱ドープ時上限電圧は1.5Vとした。Mnイオン
が及ぼす劣化を見るため、5サイクルの脱ドープ行った
後に電解液中に150ppmのMn2+イオン相当のMn
(ClO4)2を添加し、サイクルをさらに続け10サイク
ルまで行った。
極へのLiイオンのドープ、脱ドープを繰り返すサイク
ル試験を25℃で行った。ドープ時下限電圧は0.02
V、脱ドープ時上限電圧は1.5Vとした。Mnイオン
が及ぼす劣化を見るため、5サイクルの脱ドープ行った
後に電解液中に150ppmのMn2+イオン相当のMn
(ClO4)2を添加し、サイクルをさらに続け10サイク
ルまで行った。
【0033】Mnイオンによる負極劣化の指標となる、
Mnイオンの添加直後(6サイクル目)のリチウムドー
プ容量と脱ドープ容量から求めたクーロン効率(脱ドー
プ容量/ドープ容量)は約79%であった。またサイク
ル劣化の指標として1サイクル目の脱ドープ容量に対す
る10サイクル目の脱ドープ容量の比率を求めると、ほ
ぼ100%であった。 比較例1 電解液にヨウ化アンモニウムを添加していない電解液、
すなわちエチレンカーボネート(EC)とジエチルカー
ボネート(DEC)の1:1の混合溶媒に1MのLiC
lO4を溶解したものを用いた以外は実施例1と全く同
じ試験を行った。6サイクル目のクーロン効率は約20
%であった。また1サイクル目の脱ドープ容量に対する
10サイクル目の脱ドープ容量の比率を求めると、約9
4%であった。
Mnイオンの添加直後(6サイクル目)のリチウムドー
プ容量と脱ドープ容量から求めたクーロン効率(脱ドー
プ容量/ドープ容量)は約79%であった。またサイク
ル劣化の指標として1サイクル目の脱ドープ容量に対す
る10サイクル目の脱ドープ容量の比率を求めると、ほ
ぼ100%であった。 比較例1 電解液にヨウ化アンモニウムを添加していない電解液、
すなわちエチレンカーボネート(EC)とジエチルカー
ボネート(DEC)の1:1の混合溶媒に1MのLiC
lO4を溶解したものを用いた以外は実施例1と全く同
じ試験を行った。6サイクル目のクーロン効率は約20
%であった。また1サイクル目の脱ドープ容量に対する
10サイクル目の脱ドープ容量の比率を求めると、約9
4%であった。
【0034】比較例1で判るように、Mnイオンを添加
した電解液中では、負極である炭素物質がリチウムイオ
ンのドープ脱ドープに支障をきたすが、実施例1のよう
アンモニウムイオンを電解液に添加することで、劇的に
劣化を防止できることが判った。このようにアンモニウ
ムイオンを電解液中に存在させることで、Mnイオンが
存在しても負極の劣化が防止できることから、リチウム
マンガン酸化物を正極に用いる電池系でも同様に劣化防
止が可能である。同様に、他の遷移金属種の溶出するリ
チウム遷移金属酸化物についても同様の劣化防止が可能
である。
した電解液中では、負極である炭素物質がリチウムイオ
ンのドープ脱ドープに支障をきたすが、実施例1のよう
アンモニウムイオンを電解液に添加することで、劇的に
劣化を防止できることが判った。このようにアンモニウ
ムイオンを電解液中に存在させることで、Mnイオンが
存在しても負極の劣化が防止できることから、リチウム
マンガン酸化物を正極に用いる電池系でも同様に劣化防
止が可能である。同様に、他の遷移金属種の溶出するリ
チウム遷移金属酸化物についても同様の劣化防止が可能
である。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、特にリチウムマンガン
酸化物を正極とする二次電池において、負極の劣化ひい
ては電池の劣化を抑制する、改善された電解液を提供す
ることができる。また、本発明によれば、劣化の少ない
非水電解液二次電池を提供できる。
酸化物を正極とする二次電池において、負極の劣化ひい
ては電池の劣化を抑制する、改善された電解液を提供す
ることができる。また、本発明によれば、劣化の少ない
非水電解液二次電池を提供できる。
フロントページの続き
Fターム(参考) 5H029 AJ04 AJ05 AK03 AL02 AL06
AL12 AM02 AM03 AM04 AM05
AM07 CJ08 HJ01 HJ02
Claims (8)
- 【請求項1】 有機溶媒とリチウム塩とを含有する非水
電解液において、下記一般式(1)で表される陽イオン
を含有することを特徴とする非水電解液。 【化1】[R1R2R3NH]+ …(1) (ただし、R1,R2,及びR3はそれぞれ独立に窒素原
子に直結する炭素数1以上のアルキル基又は水素原子を
表す。) - 【請求項2】 さらにハロゲン化物イオンを含有してな
ることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。 - 【請求項3】 下記一般式(1)で表される陽イオンが
アンモニウムイオンであり、ハロゲン化物イオンがヨウ
化物イオンであることを特徴とする請求項1又は2に記
載の非水電解液。 - 【請求項4】 陽イオンが、有機溶媒とリチウム塩との
合計重量に対し50ppmから50000ppmの重量
割合で含有されている請求項1乃至3のいずれか1つに
記載の非水電解液。 - 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1つに記載の
非水電解液と、正極及び負極とを有することを特徴とす
る非水電解液二次電池。 - 【請求項6】 正極が、正極活物質としてリチウム遷移
金属酸化物を含有する請求項5に記載の非水電解液二次
電池。 - 【請求項7】 リチウム遷移金属酸化物が、リチウムマ
ンガン酸化物である請求項6に記載の非水電解液二次電
池。 - 【請求項8】 負極が、負極活物質として炭素質物を含
有する請求項5乃至7のいずれか1つに記載の非水電解
液二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002089426A JP2003288937A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 非水系二次電池用電解液及びそれを用いた非水電解液二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002089426A JP2003288937A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 非水系二次電池用電解液及びそれを用いた非水電解液二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003288937A true JP2003288937A (ja) | 2003-10-10 |
Family
ID=29235005
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002089426A Pending JP2003288937A (ja) | 2002-03-27 | 2002-03-27 | 非水系二次電池用電解液及びそれを用いた非水電解液二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003288937A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006088304A1 (en) | 2005-02-15 | 2006-08-24 | Lg Chem, Ltd. | Lithium secondary battery of electrolyte containing ammonium compounds |
JP2008282731A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Sumitomo Electric Ind Ltd | リチウム電池、リチウム電池用正極およびその製造方法 |
JP2010518575A (ja) * | 2007-02-08 | 2010-05-27 | エルジー・ケム・リミテッド | 高温サイクル寿命特性を改良したリチウム二次バッテリー |
CN101834315A (zh) * | 2010-05-20 | 2010-09-15 | 南京双登科技发展研究院有限公司 | 锂离子电池高温电解液 |
US9196922B2 (en) | 2007-02-08 | 2015-11-24 | Lg Chem, Ltd. | Lithium secondary battery of improved high-temperature cycle life characteristics |
-
2002
- 2002-03-27 JP JP2002089426A patent/JP2003288937A/ja active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006088304A1 (en) | 2005-02-15 | 2006-08-24 | Lg Chem, Ltd. | Lithium secondary battery of electrolyte containing ammonium compounds |
EP1849206A1 (en) * | 2005-02-15 | 2007-10-31 | LG Chemical Co. Ltd | Lithium secondary battery of electrolyte containing ammonium compounds |
JP2008529236A (ja) * | 2005-02-15 | 2008-07-31 | エルジー・ケム・リミテッド | アンモニウム化合物を含む電解質のリチウム二次バッテリー |
EP1849206A4 (en) * | 2005-02-15 | 2010-03-31 | Lg Chemical Ltd | LITHIUM SECONDARY BATTERY WITH ELEKTROLYT CONTAINING AN AMMONIUM COMPOUND |
EP2328221A1 (en) * | 2005-02-15 | 2011-06-01 | LG Chem, Ltd. | Lithium secondary battery of electrolyte containing ammonium compounds |
JP2011142095A (ja) * | 2005-02-15 | 2011-07-21 | Lg Chem Ltd | アンモニウム化合物を含む電解質のリチウム二次バッテリー |
JP4885148B2 (ja) * | 2005-02-15 | 2012-02-29 | エルジー・ケム・リミテッド | アンモニウム化合物を含む電解質のリチウム二次バッテリー |
JP2010518575A (ja) * | 2007-02-08 | 2010-05-27 | エルジー・ケム・リミテッド | 高温サイクル寿命特性を改良したリチウム二次バッテリー |
US9196922B2 (en) | 2007-02-08 | 2015-11-24 | Lg Chem, Ltd. | Lithium secondary battery of improved high-temperature cycle life characteristics |
JP2008282731A (ja) * | 2007-05-11 | 2008-11-20 | Sumitomo Electric Ind Ltd | リチウム電池、リチウム電池用正極およびその製造方法 |
CN101834315A (zh) * | 2010-05-20 | 2010-09-15 | 南京双登科技发展研究院有限公司 | 锂离子电池高温电解液 |
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