JP2003287056A - 湿式多板クラッチ - Google Patents
湿式多板クラッチInfo
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Abstract
ことなく簡単に形成する。 【解決手段】 出力部材10におけるスプライン14の
形成領域の内周面に、円周方向を向き、かつスプライン
14の凹条面31の外径よりも僅かに大きい深さの環状
溝34を、軸方向に複数並設することにより、スプライ
ン14の凹条面31に、内外に貫通する複数の油溝32
を、入力軸1に形成した油路27と連通するように設
け、環状空間26に潤滑油を導入するようにする。
Description
ン等の動力伝達装置として用いられる湿式多板クラッ
チ、特に、クラッチ板の潤滑構造に関する。
れた従来の代表的な湿式多板クラッチの例を示すもの
で、エンジン等の出力軸(図示略)に連係された入力軸
(1)は、その左右両端がミッションケース(2)によりベ
アリング(3)(3)を介して回転自在に支持されている。
れた第1の駆動ギヤで、従動ギヤ(5)と直接噛合してい
る。
プライン(6)には、クラッチドラム(7)における中心の
円筒軸(8)の内周面のスプライン(図示略)が嵌合され
ている。
は、第2の駆動ギヤ(9)を有する円筒状の出力部材(10)
が、ベアリング(3)を介して回転自在に外嵌されてい
る。第2の駆動ギヤ(9)は、他のギヤトレーン等に連係
された従動ギヤ(11)と噛合している。
ッチドラム(7)内に、それらの対向面間に所要の環状空
間が形成されるように、余裕をもって遊挿されている。
スプライン(12)には、複数の駆動クラッチ板(13)の外周
端部が、軸線方向に摺動可能として嵌合されている。
2)と対向する外周面にも、スプライン(14)が形成され、
このスプライン(14)には、複数の従動クラッチ板(15)の
内周端部が、上記駆動クラッチ板(13)と交互に重合する
ようにして、軸線方向に摺動可能に嵌合されている。
周面に嵌合され、スナップリング(17)により抜け止めさ
れた押え板で、上記各クラッチ板(13)(15)が左方に大き
く移動するのを防止している。
筒軸(8)の外周面とクラッチドラム(7)の内周面との間
の環状空間(18)内には、円環状のピストン(19)が、軸線
方向に摺動可能に収容されている。
ラム(7)の端板(7a)の左側面間に、入力軸(1)に形成し
た油路(20)と円筒軸(8)に穿設した複数の給油孔(21)を
介して圧油を供給すると、左方に若干移動させられ、そ
の左端面が右端の駆動クラッチ板(13)に当接することに
より、全てのクラッチ板(13)(15)が左方に押圧されて密
着する。
ッチドラム(7)を介して出力部材(10)側に伝達されるよ
うになる。
保持孔(22)と、円筒軸(8)の外周面に保持孔(22)と対向
状に外嵌され、スナップリング(23)により左方への移動
を阻止された環状のばね受け(24)との間には、複数のリ
ターンばね(25)が縮設され、圧油の供給を停止すると、
ピストン(19)は右方に移動させられ、クラッチは切れ
る。
間(26)内には、入力軸(1)と円筒軸(8)に形成した油路
(27)(28)を介して潤滑油が供給され、この潤滑油は、出
力部材(10)における筒軸(10a)のスプライン(14)の形成
部に、このスプライン(14)の各凹条面に向かって穿設さ
れた多数の油孔(29)より流入して、各クラッチ板(13)(1
5)の摺動面を潤滑するとともに、それらを冷却するよう
になっている。
ラッチドラム(7)に穿設した複数の排油孔(30)より流出
し、ミッションケース(2)の底部のオイルパンに溜ま
る。
を入力側とし、クラッチドラム(7)及び入力軸(1)を出
力側とすることもある。
ラッチにおいては、各クラッチ板(13)(15)に潤滑油を供
給する多数の油孔(29)を、ドリルにより穿設している
が、その穿孔作業には多くの工数を要し、生産性を低下
させていた。
滑油を均等に供給するために、多数の油孔(29)を正確に
位置決めして穿設する必要があり、その位置決め作業も
面倒であった。
ので、ドリルに代わる穿孔手段を用いて簡単に油孔を形
成することにより、生産性を大幅に向上させうるように
した、湿式多板クラッチを提供することを目的としてい
る。
題は、次のようにして解決される。 (1)円筒状の入力または出力部材内に、その外周面の
一部を囲むように配設されたクラッチドラムと一体的に
回転する出力または入力軸部を、回転自在に嵌合すると
ともに、前記入力または出力部材とクラッチドラムとの
対向面間の環状空間内に、該入力または出力部材の外周
面に形成されたスプラインに軸線方向に移動可能に嵌合
した複数のクラッチ板と、クラッチドラムの内周面に形
成されたスプラインに軸線方向に移動可能に嵌合した複
数のクラッチ板とを、軸線方向に交互に重合するように
設け、これら両クラッチ板を、前記環状空間内に導入し
た潤滑油により潤滑するようにした湿式多板クラッチに
おいて、前記入力または出力部材におけるスプラインの
形成領域の内周面に、円周方向を向き、かつ前記スプラ
インの凹条面の外径よりも僅かに大きい深さの環状、も
しくは円弧状の凹溝を、軸方向に複数並設することによ
り、スプラインの凹条面に、内外に貫通する複数の油溝
を、前記出力または入力軸部に形成した油路と連通する
ように設け、前記環状空間に潤滑油を導入するようにす
る。
または出力部材のスプラインに嵌合された各クラッチ板
の間に位置するように設ける。
に基づいて説明する。なお、本発明は、上記従来のクラ
ッチの油孔のみを改変したものであり、それ以外の基本
構成は、従来のものと全く同一であるため、それと同様
の部材に同じ符号を付すに止どめて、その詳細な説明を
省略するとともに、要部のみを拡大して図示する。
おける筒軸(10a)のスプライン(14)の凹条面(31)には、
内外に貫通する多数の油溝(32)が、次のようにして穿設
されている。すなわち、図2に示すように、旋盤等にチ
ャッキングした出力部材(10)を回転させ、その内周面
に、内径切削用のバイト(33)により複数の環状溝(34)を
形成する。
大外径を、スプライン(14)の凹条面(31)の外径よりも僅
かに大とすることにより、バイト(33)の先端が凹条面(3
1)より突出し、各凹条面(31)には、内外に貫通するスリ
ット状の油溝(32)が円周方向に間欠的に形成される。
するように、従動クラッチ板(15)の嵌合部を避けた位
置、すなわち隣接する従動クラッチ板(15)の間に穿設す
るのがよい。
(10)の筒軸(10a)の内周面に、スプライン(14)の凹条面
(31)の外径より若干大径の環状溝(34)を形成するだけ
で、多数の油溝(32)を簡単に穿設することができる。従
って、ドリルを用いて油孔を穿設する従来例のものに比
して、工数が削減され、かつ面倒な位置決め作業も不要
となるので、生産性が大幅に向上し、コスト低減が図れ
る。
幅、もしくはスプライン(14)の凹条面(31)の円周方向の
幅、すなわちスプライン(14)の凸条(14a)の本数を変え
ることにより、適宜に設定しうることは勿論である。
ではない。上記実施形態では、環状溝(34)を形成して、
油溝(32)を円周方向の全ての凹条面(31)に穿設している
が、円弧状の凹溝を、円周方向に不連続状に形成し、凹
条面(31)に穿設される油溝(32)の数を減らすこともあ
る。
は、ドリルによる油孔に比して大としうるため、クラッ
チ板(13)(15)の潤滑性が問題となることはない。また、
スプライン(14)の強度が低下するのも防止される。環状
溝(34)や円弧状の凹溝に代えて、螺旋状の凹溝とするこ
ともある。
は出力部材の内周面に、スプラインの凹条面の外径より
も僅かに大きい深さの環状、もしくは円弧状の凹溝を形
成するだけで、クラッチ板を潤滑する複数の油溝を簡単
に設けることができる。従って、従来のドリルを用いて
油孔を穿設する際に比して、工数が大幅に削減され、生
産性が向上してコスト低減が図れる。
が収容された環状空間内に潤滑油が流入し易くなるの
で、クラッチ板が効果的に潤滑され、冷却効果も高ま
る。
ある。
縦断面図と、その内周面に環状溝を形成する際の要領を
示す説明図である。
る。
央縦断正面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 円筒状の入力または出力部材内に、その
外周面の一部を囲むように配設されたクラッチドラムと
一体的に回転する出力または入力軸部を、回転自在に嵌
合するとともに、前記入力または出力部材とクラッチド
ラムとの対向面間の環状空間内に、該入力または出力部
材の外周面に形成されたスプラインに軸線方向に移動可
能に嵌合した複数のクラッチ板と、クラッチドラムの内
周面に形成されたスプラインに軸線方向に移動可能に嵌
合した複数のクラッチ板とを、軸線方向に交互に重合す
るように設け、これら両クラッチ板を、前記環状空間内
に導入した潤滑油により潤滑するようにした湿式多板ク
ラッチにおいて、 前記入力または出力部材におけるスプラインの形成領域
の内周面に、円周方向を向き、かつ前記スプラインの凹
条面の外径よりも僅かに大きい深さの環状、もしくは円
弧状の凹溝を、軸方向に複数並設することにより、スプ
ラインの凹条面に、内外に貫通する複数の油溝を、前記
出力または入力軸部に形成した油路と連通するように設
け、前記環状空間に潤滑油を導入するようにしたことを
特徴とする湿式多板クラッチ。 - 【請求項2】 複数の油溝を、入力または出力部材のス
プラインに嵌合された各クラッチ板の間に位置するよう
に設けた請求項1記載の湿式多板クラッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002094114A JP2003287056A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 湿式多板クラッチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002094114A JP2003287056A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 湿式多板クラッチ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003287056A true JP2003287056A (ja) | 2003-10-10 |
Family
ID=29238256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002094114A Pending JP2003287056A (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 湿式多板クラッチ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003287056A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100483153B1 (ko) * | 2002-07-16 | 2005-04-14 | 현대자동차주식회사 | 차량용 클러치의 윤활구조 |
JP2006083984A (ja) * | 2004-09-17 | 2006-03-30 | Toyota Motor Corp | 自動変速機のクラッチ装置 |
US8939257B2 (en) | 2005-10-20 | 2015-01-27 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Power train mechanism including a surrounding member |
JP2019105302A (ja) * | 2017-12-12 | 2019-06-27 | 株式会社エフ・シー・シー | アルミ製部品及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002094114A patent/JP2003287056A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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A521 | Written amendment |
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