JP2003286613A - 油剤付与方法および油剤付与装置 - Google Patents

油剤付与方法および油剤付与装置

Info

Publication number
JP2003286613A
JP2003286613A JP2002092080A JP2002092080A JP2003286613A JP 2003286613 A JP2003286613 A JP 2003286613A JP 2002092080 A JP2002092080 A JP 2002092080A JP 2002092080 A JP2002092080 A JP 2002092080A JP 2003286613 A JP2003286613 A JP 2003286613A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filaments
oil agent
yarn
guide
applying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002092080A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Hisada
雅人 久田
Takao Sano
高男 佐野
Hironori Furuta
裕基 古田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2002092080A priority Critical patent/JP2003286613A/ja
Publication of JP2003286613A publication Critical patent/JP2003286613A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • D06BTREATING TEXTILE MATERIALS USING LIQUIDS, GASES OR VAPOURS
    • D06B11/00Treatment of selected parts of textile materials, e.g. partial dyeing
    • D06B11/002Treatment of selected parts of textile materials, e.g. partial dyeing of moving yarns
    • D06B11/0023Treatment of selected parts of textile materials, e.g. partial dyeing of moving yarns by spraying or pouring

Abstract

(57)【要約】 【課題】走行する複数本のフィラメントに油剤を付与す
るに際し、フィラメント数の多少に関わらず、フィラメ
ント間にも糸条走行方向間にも均一かつ無駄なく油剤を
付与することができる油剤付与方法および装置を提供す
る。 【解決手段】走行する複数本のフィラメントを、下記の
不等式の範囲を満足するようにシート状に並べた後、そ
の並べたフィラメントに油剤を付与することを特徴とす
る油剤付与方法。 a<Sw≦5a 但し、Sw:複数本のフィラメントの、シート状に並べ
たときの横幅 a:フィラメントの外径と本数との積

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行する複数本の
フィラメントへの油剤付与方法および油剤付与装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】合成繊維の製糸工程や高次加工工程にお
いては、延伸、仮撚りの際に糸条がローラーやガイドに
よって受ける摩擦を低減するために、走行する糸条に平
滑剤や制電剤を含む油剤を付与している。
【0003】油剤付与装置としては、たとえば図4に示
す給油ガイド方式の装置があげられる。これは、走行す
るフィラメント3を溝部が形成された集束ガイド2に導
き、フィラメント3を挟んで集束ガイド2と対向する側
からフィラメント3に油剤8を付与するとともに、集束
ガイド2上の溝部に油剤溜まり11を形成して、フィラ
メント3に油剤8を付与するものである(以下、給油ガ
イド方式という)。また、このほかの油剤付与装置とし
ては、オイリングローラー方式の装置がある。両者とも
広く用いられ、一般的に次のような特徴があると言われ
ている。すなわち、給油ガイド方式の装置は、糸条走行
方向の均一付着性能に優れる反面、糸条を構成する各フ
ィラメント間の付着バラツキが生じやすい。一方オイリ
ングローラー方式は、フィラメント間の付着バラツキは
比較的少ないが、糸条走行方向の付着斑が出やすいとい
う特徴がある。製糸工程の高速化が進む中で、フィラメ
ント間にも糸条走行方向間にも均一かつ無駄なく油剤を
付着させる技術が求められている。
【0004】そこで、フィラメント間の付着バラツキを
低減するとともに糸条走行方向の均一付着性能を満足す
るために、たとえば、走行する複数本のフィラメントへ
ノズルから滴状の油剤を噴射し、付着しなかった油剤を
対向部に設けた回収口で回収し再びノズルから噴射して
フィラメントに付着させる方法や複数本のフィラメント
を集束するガイド上へ油剤を噴射してガイド上部に油剤
溜まりを形成させることで、噴射側とガイド側の両方か
ら油剤を糸条に付与する方法などが特開2001−26
2430号公報に記載されている。
【0005】しかしながら、製造される糸条の品種は様
々であり、この方法では、次のような問題が生じてしま
う。すなわち、フィラメント数の少ない糸条に回収口で
滴状の油剤を回収する方法を適用した場合には、フィラ
メント同士の間隔が広く、油剤のほとんどがフィラメン
トの間に噴射され、非効率な油剤付与となるだけでな
く、噴射した油剤の多くを回収することになり、回収設
備の負担を大きくするか、設備能力自体を高くする必要
がある。また、フィラメント数が多い糸条に集束ガイド
に噴射する方法を適用した場合、フィラメントが重な
り、すべてのフィラメントへ油剤が充分にいきわたら
ず、フィラメント間に付着斑が生じてしまう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、走行する複
数本のフィラメントに油剤を付与するに際し、フィラメ
ント数の多少に関わらず、フィラメント間でも糸条走行
方向においても均一かつ無駄なく油剤を付与することが
できる油剤付与方法および油剤付与装置を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、走行する複数本のフィラメントを、下記
の不等式の範囲を満足するようにシート状に並べた後、
その並べたフィラメントに油剤を付与することを特徴と
する油剤付与方法。
【0008】a<Sw≦5a 但し、Sw:複数本のフィラメントの、シート状に並べ
たときの横幅 a:フィラメントの外径と本数との積 ここでシート状とは、複数本のフィラメントを、糸条走
行方向に垂直な直線または曲線上に互いに重なり合わず
にほぼ一列になるような状態で並んでいることを指す。
また、Swは、複数本のフィラメントをシート状に並べ
たときの横幅すなわちシート状に並んだフィラメントの
両端に位置するフィラメント間の距離を指す。フィラメ
ントの外径とは、フィラメント断面の外接円の直径を指
し、異形断面のものもこれに従う。
【0009】そして、本発明においては、油剤の付与を
噴射により行うことが好ましい。
【0010】また、複数個の紡糸孔を列状に配置した口
金から複数本のフィラメントを紡糸し、それらフィラメ
ントに対して上記いずれかの方法で油剤を付与する糸条
の製造方法も好ましく、さらには、その糸条の製造方法
によって製造された糸条も好ましい態様である。
【0011】また、本発明は、複数本のフィラメント
を、不等式a<Sw≦5aの範囲を満足するようにシー
ト状に並べるための少なくとも1個のガイドと、その並
べたフィラメントに油剤を付与する手段とを有している
油剤付与装置を特徴とするものである。
【0012】ここで、油剤を付与する手段が噴射ノズル
を備えていることが好ましく、ガイドは、フィラメント
の走行方向に延びる少なくとも1.5mmの接糸面を備え
ていることが好ましい。
【0013】また、本発明は、紡糸口金と、上記いずれ
かの油剤付与装置と、引取手段とを備えている糸条の製
造装置であり、紡糸口金は、列状に配置された複数個の
紡糸孔を備えていることが好ましい。
【0014】そして、上記いずれかの油剤付与装置また
は糸条の製造装置を用いる糸条の製造方法も好ましい態
様である。
【0015】
【発明実施の形態】以下、本発明の油剤付与方法および
油剤付与装置の詳細について、図面を参照しながら説明
する。
【0016】図1は、本発明の一実施態様に係る糸条の
製造装置の概略正面図である。図1において、1は紡糸
口金を示しており、2は紡糸口金1から紡糸された複数
本のフィラメント3を集束させる集束ガイド2を示して
いる。集束ガイド2よりも下流側には、交絡手段4、ゴ
デーローラのような引取手段5および巻取手段6が設け
られ、紡糸口金1から紡糸、集束されたフィラメント3
が、交絡手段4、引取手段5を経た後、巻取手段6によ
り巻き取られる。
【0017】また、紡糸口金1と集束ガイド2との間に
は、走行する複数本のフィラメント3をシート状に並べ
るための手段として円柱形状のバーガイド7(以下ガイ
ド7)が設けられており、ガイド7と集束ガイド2との
距離を調節することにより、フィラメント3をガイド7
上に所望の範囲でシート状に並べることができる。さら
に、フィラメント3を挟んでガイド7に対向する位置に
は、走行するフィラメント3に油剤8を付与する噴射ノ
ズル9をおよび油剤供給部10(油剤付与手段)が設け
られている。
【0018】ここで、フィラメント3をシート状に配列
した状態についてより詳細を説明する。図2は、図1に
示した装置の複数本のフィラメント3のガイド7への接
点を含むA−Aにおいて、フィラメント3を横断する断
面図である。ここでdはフィラメント3の断面形状の外
接円直径を表す。
【0019】複数本のフィラメント3を幅Swが5aよ
り大きい場合、大半の油剤がフィラメント3の間に噴射
されることになり、ガイド7面に直接付着するため、ほ
とんどの油剤の供給がガイド7側からとなり、均一な付
着が行いにくくなるとともに、油剤の回収量も増える。
一方、幅Swがa以下の場合は、フィラメント3同士が
常に重なった状態となり、油剤が直接付着しないフィラ
メント3が生じるとともに、フィラメント3の間隔もな
くなり、ガイド7へも油剤が付着しにくくなるため、ガ
イド7側からの油剤付与が行えず、各フィラメントへの
均一付与が困難になる。したがって、本発明において
は、複数本のフィラメント3を、幅Swがa<Sw≦5
aの不等式の範囲を満足するようにシート上に並べるこ
とで、フィラメント数の多少に関わらず、フィラメント
間でも糸条走行方向においても均一かつ無駄なく油剤を
付与する。フィラメント3は、糸条の品種が異なっても
油剤が均一に付着するように、2a≦Sw≦4aの不等
式の範囲を満足するようにすることが好適である。
【0020】ガイド7は、フィラメント3を所望の範囲
でシート状に並べられるものであればよく、円柱形状の
バーガイド7に限定されるものではない。たとえば、図
5に示すように、フィラメント3との接触面が糸条走行
方向に沿って平らな面をもつ板状のものや、図6に示す
ように、軸方向に関して湾曲しているものを用いてもよ
い。また、ガイド7は、集束ガイド2からの距離を調節
することで、ガイド7とフィラメント3との接触面上に
フィラメント3を所望の幅で並べることが可能になる。
この場合、ガイド7上に並べるフィラメント3の幅Sw
によって、集束ガイド2とガイド7を近くする必要があ
る場合は、集束ガイド2とガイド7を一体型のガイドと
することで少ないスペースにガイド7を配置でき好まし
い。
【0021】ここで、ガイド7とフィラメント3の走行
方向の接糸面が短いと十分な油剤の付与が行えないた
め、ガイド7がフィラメント3の走行方向に延びる少な
くとも1.5mmの接糸面を備えていることで、シート状
に並べられたフィラメント3に油剤8が安定して付着す
る。これにより前記ガイド7によって回収された油剤の
無駄がなく、回収口や循環装置を必要とせず効率的に油
剤付与を行うことができ、好ましい。
【0022】なお、ガイド7上でのフィラメント3の状
態は、図2の場合のみに限られるものでなく、例えば、
ガイド7上でフィラメント3が随伴気流の影響で横揺れ
し、瞬間的に複数本のフィラメント3同士が重なりあう
ことがあっても構わない。
【0023】また、ここでいうガイド7上の接糸面の表
面状態は特に限定されないが、摩擦抵抗の低減という理
由からセラミックス製で梨地表面を持つものが好適であ
り、またフィラメントとの接触途中に油剤溜め用の溝等
を有していてもよい。
【0024】次に、本発明で使用する油剤付与手段とし
ては、噴射ノズル9のほか、油剤浴中にローラの一部を
浸積させ、回転させローラ表面にできた油膜により油剤
を付与するものや、吐出穴からポンプで油剤を定量供給
させて付与するものでもよいが、随伴気流によって乱さ
れず、フィラメント3およびガイド7上の所定域に油剤
を付与でき、安定した油剤供給が行える噴射ノズルが好
ましい。噴射ノズルを用いる場合、より確実に随伴気流
の影響を受けないようにするために、走行速度3000
m/分程度の糸条であれば、液滴状の油剤8の直径を
0.07mm以下、噴射速度を500m/分以上として
油剤を付与することが好ましい。
【0025】噴射ノズル9としては、空気と油剤とを混
合することで油剤を微粒子化して吐出、いわゆる噴霧す
るものを用いることができる。この方法は、油剤が微粒
子化され、フィラメントに随伴する気流にほとんど影響
を受けず、好ましい。また、1つ以上の穴の開いたノズ
ルから油剤を吐出するものを用いることもできる。具体
的には、バルブや圧電素子のオン/オフにより吐出を制
御して液滴状に噴射する、いわゆるインクジェット方式
によるものなどが挙げられる。中でも、圧電素子により
ノズルから吐出された液柱状の油剤に振動を与えること
により、連続的に吐出した油剤を液滴状に分割して噴射
するものは、ノズル孔径によって数十kHzの比較的高
い周波数で油剤を液滴状に形成することができるため、
例えば糸条が3000m/分以上のような高速で走行す
る場合にも、糸条走行方向により連続的に油剤を付与す
ることができ好ましい。さらに流材を連続的に吐出する
場合、液滴に電荷を与えることで、液滴の噴射を変化さ
せる、いわゆる静電偏向型のものも好ましい。
【0026】また、噴射ノズル9から供給される液滴状
の油剤8の噴射範囲を変更することで、フィラメント数
や外径の変更、いわゆる品種変更に伴うフィラメントの
幅Swの変更にも対応でき、好ましい。ここでいう噴射
範囲は、複数本のフィラメントをシート状に並べたとき
の横幅すなわちSwの1〜1.5倍であれば、すべての
フィラメントに均一に油剤を付着させることができ好ま
しく、さらに望ましくは1.1〜1.3倍程度であれ
ば、より均一に付着させることができ、油剤の無駄も少
なくなる。以上のように油剤を付与すればすべてのフィ
ラメントに均一かつ無駄なく油剤を付着させることがで
きる。
【0027】上述のガイド7および噴射ノズル9によっ
て、図3に示すように、走行する複数本のフィラメント
3に油剤を付与する。複数本のフィラメント3は、フィ
ラメントの走行方向に1.5mm以上の接糸面を有するよ
うにガイド7が添えられ、a<Sw≦5aの関係を満足
するようにシート状に並べられる。この状態で、フィラ
メント3には、油剤8が噴射ノズル9から液滴状に噴射
され、噴射ノズル9側から直接付着するとともに、フィ
ラメントの間を通ったものがガイド7上で油剤溜まり1
1を形成し、ガイド7側からも付着する。これにより、
フィラメント3には、噴射ノズル9側およびガイド7側
の両側から油剤を均一に付与でき、好ましい。
【0028】本発明において、紡糸口金1としては、紡
糸孔が円形、列状を問わず、いずれに配列されたもので
も、複数本のフィラメント3をガイド7によって上記関
係式を満足するようにシート状に並べることで、油剤を
均一に付与することが可能である。しかしながら、紡糸
孔が列状に配置された紡糸口金1を用いてフィラメント
を得れば、ガイド7上でフィラメントを上記関係式を満
足するようにシート状に並べやすく、したがって各フィ
ラメント間に油剤8を均一に付着させることがより容易
になる。また、複数本のフィラメント3をガイド7に頼
ってシート状に並べる必要がないので、フィラメント3
とガイド7との接触による摩擦抵抗を低減できる。な
お、ここでいう列状とは、紡糸孔が一方向に並んでいれ
ばよく、2列や3列さらには千鳥に配置されていても構
わない。
【0029】また、本発明の油剤付与装置は、複数本の
フィラメントを、不等式a<Sw≦5aの範囲を満足す
るようにシート状に並べるための少なくとも1個のガイ
ド7と、その並べたフィラメント3に油剤を付与する手
段とからなり、これにより、走行する複数の各フィラメ
ント間および、フィラメント走行方向において均一かつ
無駄なく油剤を付着させることができる。この装置にお
いて、油剤を噴射により付与することで、フィラメント
により均一に油剤を付与できるとともに、ガイド7はフ
ィラメント走行方向に延びる少なくとも1.5mmの接糸
面を備えていることで、さらに均一に油剤を付与でき、
好ましい。
【0030】さらに、本発明は、紡糸口金とこのような
油剤付与装置と引取手段を備えた糸条の製造装置であっ
て、これにより、各フィラメント間、糸条走行方向に油
剤が均一かつ無駄なく付着した糸条を得ることができ
る。この糸条の製造装置で用いる紡糸口金が、列状に配
置された複数個の紡糸孔を備えていることで、フィラメ
ントをシート状に並べやすくなり、また、フィラメント
とガイドの摩擦抵抗を低減できる。
【0031】このように、各フィラメント間および糸条
走行方向にて油剤が均一に付与された糸条は、糸条同士
の付着等がなく、後加工で使用する際にも糸切れ等を生
じにくく非常に好適である。
【0032】
【実施例】図1に示す糸条製造装置において、24個の
紡糸孔を有する紡糸口金1からポリマー吐出量45g/
分、引き取り速度3000m/分でポリエステルフィラ
メント3を製糸した。すなわち、紡糸口金1から溶融紡
糸されたポリエステル糸条を冷却固化した後、本発明の
油剤付与装置により給油し集束した後、交絡手段4を経
て、引取手段であるローラ5で引き取り、巻取手段6に
て巻き取った。
【0033】噴射ノズル9の噴射口は口径が0.04m
mであり、油剤に約0.3MPaの背面圧をかけてノズ
ルから連続的に吐出した。このとき、ノズル内の圧電素
子により油剤に振動を与え、連続的に吐出した液柱状の
油剤を液滴状に微粒化して噴射し、さらに液滴に同一の
電荷を与えることで、液滴同士の反発を生じさせ、これ
を利用して噴霧させた。このときの液滴の直径は約0.
06mm程度であり、噴射速度は900〜1100m/
分であった。油剤には、製糸性や後加工での糸条の取り
出し易さである高次通過性を目的とした平滑剤、添加剤
を、濃度15%の水系エマルジョンとして用いた。糸条
に対する油剤付与量は水系エマルジョンとして1.5重
量%であった。
【0034】24本のフィラメント3をシート状に並べ
る手段としてのガイド7には、直径20mm、長さ80
mmのセラミックス製で表面に梨地処理を施したバーガ
イドを用い、紡糸口金1と集束ガイド2の間にフィラメ
ントとの接糸長が3mmとなるように配置した。この条
件での、フィラメント外径は0.024mmであるため
フィラメント外径と本数との積aは0.576mmとな
った。
【0035】実施例1〜4として、24個の紡糸孔が列
状に配置された紡糸口金を使用し、Swが1.0mm、
1.5mm、2.0mm、および2.5mm、それぞれ
フィラメント外径と本数との積aに対して、1.73
a、2.60a、3.47aおよび4.34aの4水準
の広がり幅となるように、バーガイド7と集束ガイド2
との距離を調整して表1のような水準で油剤付与を行っ
た。
【0036】また、実施例5、6として、紡糸孔が円状
に配置された紡糸口金を使用し、Swが1.5mm、
2.0mm、それぞれフィラメント外径と本数との積a
に対して、2.60a、3.47aの2水準の広がり幅
となるように調整して表2のような水準で油剤付与を行
った。
【0037】油剤の均一付着性の評価は、油剤付与手段
の下方の糸条およびフィラメント毎の単位長さ辺りの絶
縁抵抗を2本の電極で測定し、その抵抗レベルと変動に
より油分付着量と付着バラツキを算出し、各フィラメン
ト間および糸条走行方向の均一付着性を評価した。絶縁
抵抗測定には、糸付着油分計(東レエンジニアリング
製、型式TOM−201)にて、250〜1000vの
範囲内の所定の電圧をかけて測定した。測定から得られ
た均一付着性および油剤付与手段下方への油剤の飛散の
有無を目視確認した結果を示す。
【0038】また、比較例1、2として、列状配列の紡
糸口金を用い、Swが0.5mmと3mm、それぞれ
0.865a、5.20aの広がり幅となるようにして
油剤付与を行った。
【0039】また、別の比較例3、4として、油剤付与
面にフィラメントが集束させるための溝を有する給油ガ
イドと、直径がφ80で同じ接糸長1.5mm、8rp
mで回転するオイリングローラーの2水準を使用し、上
記同様に製糸した。水準とともに結果を合わせて表2に
示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】結果として、比較例1ではフィラメント間
の付着バラツキが非常に大きく、比較例2では、フィラ
メント間の付着バラツキは小さいものの、時折ガイド上
に付着した油剤がフィラメントとフィラメントの間を流
れ落ち油剤が飛散し、糸条走行方向への付着バラツキも
大きくなった。これに対し、実施例1〜4の均一付着性
能は、Swがa<Sw≦5aの範囲以外である比較例
1、2に比べ、フィラメント間、糸条走行方向ともに油
剤の付着バラツキが小さい結果が得られた。さらにSw
が2a<Sw≦4aの範囲に含まれる実施例2、3は特
にフィラメント間への油剤の付着量のバラツキが非常に
少ない良好な結果が得られた。また、実施例5、6では
列状口金を用いた同じ水準である実施例2、3に比べ、
フィラメント間の油剤均一付着性能にはやや劣るもの
の、油剤付与方法の異なる比較例3は、フィラメントを
集束するための溝の両端付近に位置するフィラメントに
油分付着の少ないフィラメントが見られたのに対し、す
べてのフィラメントにほぼ均一に付着する結果が得ら
れ、比較例4は糸条走行方向に付着油分量の変動が大き
いのに対し、変動の少ない結果が得られた。
【0043】
【発明の効果】本発明の油剤付与方法および油剤付与装
置によれば、走行する複数本のフィラメントを、下記の
不等式の範囲を満足するようにシート状に並べた後、そ
の並べたフィラメントに油剤を付与することで、、油剤
を供給側とガイド側の両側から付与でき、幅Swが5a
より大きい場合に生じる非効率な油剤付与や、幅Swが
a以下の場合に生じる油剤の付着斑を防止でき、フィラ
メント数の多少に関わらず、フィラメント間にも糸条走
行方向間にも均一かつ無駄なく油剤を付与することがで
きる。
【0044】a<Sw≦5a 但し、Sw:複数本のフィラメントの、シート状に並べ
たときの横幅 a:フィラメントの外径と本数との積 さらに、油剤付与を噴射により行うことで、走行するフ
ィラメントに随伴する気流に影響を受けず、フィラメン
トおよびガイド上の所定域に油剤を付与できるので安定
した油剤供給が行える。
【0045】また、フィラメントをシート状に並べるガ
イドが、フィラメントの走行方向に延びる少なくとも
1.5mmの接糸面を持つガイドであるため、十分な油
剤付与が安定して行える。
【0046】そして、紡糸口金が、列状に配置された複
数個の紡糸孔を備えていることで、ガイドの拘束に頼ら
ずフィラメントの幅を所望の範囲としてシート状に並べ
ることが可能になり、ガイドとの接触による摩擦抵抗が
低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る糸条の製造装置の概
略正面図である。
【図2】図1に示した装置のA−A断面図である。
【図3】図1に示した装置の要部の概略斜視図である。
【図4】従来の油剤付与装置をその要部について示す概
略斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る油剤付与装置をそ
の要部について示す概略斜視図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態に係る油剤付与装
置をその要部について示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 : 口金 2 : 集束ガイド 3 : フィラメント 4 : 交絡手段 5 : ローラ 6 : 巻取手段 7 : ガイド(バーガイド) 8 : 油剤 9 : 油剤噴射手段 10 : 油剤供給部 11 : 油剤溜まり d : フィラメント外径 Sw : 複数本のフィラメントの、シート状に並べた
ときの横幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B154 AA06 AB03 BB34 BD13 BE05 BF09 CA33 DA07 DA11 DA22 4L036 AA01 MA04 MA33 PA01 PA26 UA21 4L045 BA03 DA49

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行する複数本のフィラメントを、下記の
    不等式の範囲を満足するようにシート状に並べた後、そ
    の並べたフィラメントに油剤を付与することを特徴とす
    る油剤付与方法。 a<Sw≦5a 但し、Sw:複数本のフィラメントの、シート状に並べ
    たときの横幅 a:フィラメントの外径と本数との積
  2. 【請求項2】油剤の付与を噴射により行う、請求項1に
    記載の油剤付与方法。
  3. 【請求項3】複数個の紡糸孔を列状に配置した口金から
    複数本のフィラメントを紡糸した後、それら複数本のフ
    ィラメントに対して請求項1または2に記載の方法を用
    いて油剤を付与する、糸条の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項3の製造方法によって製造された糸
    条。
  5. 【請求項5】複数本のフィラメントを、不等式a<Sw
    ≦5aの範囲を満足するようにシート状に並べるための
    少なくとも1個のガイドと、その並べたフィラメントに
    油剤を付与する手段とを有していることを特徴とする油
    剤付与装置。 但し、Sw:複数本のフィラメントの、シート状に並べ
    たときの横幅 a:フィラメントの外径と本数との積
  6. 【請求項6】油剤を付与する手段が噴射ノズルを備えて
    いる、請求項5に記載の油剤付与装置。
  7. 【請求項7】ガイドは、フィラメントの走行方向に延び
    る少なくとも1.5mmの接糸面を備えている、請求項5
    または6に記載の油剤付与装置。
  8. 【請求項8】紡糸口金と、請求項5〜7のいずれかに記
    載の油剤付与装置と、引取手段とを備えている糸条の製
    造装置。
  9. 【請求項9】紡糸口金は、列状に配置された複数個の紡
    糸孔を備えている、請求項8に記載の糸条の製造装置。
  10. 【請求項10】請求項5〜7のいずれかに記載の油剤付
    与装置または請求項8もしくは9に記載の糸条の製造装
    置を用いる糸条の製造方法。
JP2002092080A 2002-03-28 2002-03-28 油剤付与方法および油剤付与装置 Pending JP2003286613A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002092080A JP2003286613A (ja) 2002-03-28 2002-03-28 油剤付与方法および油剤付与装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002092080A JP2003286613A (ja) 2002-03-28 2002-03-28 油剤付与方法および油剤付与装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003286613A true JP2003286613A (ja) 2003-10-10

Family

ID=29237005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002092080A Pending JP2003286613A (ja) 2002-03-28 2002-03-28 油剤付与方法および油剤付与装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003286613A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102162147A (zh) * 2010-02-15 2011-08-24 日本Tmt机械株式会社 油剂扩散装置及纺丝卷绕机
CN104313815A (zh) * 2014-11-07 2015-01-28 浙江尤夫高新纤维股份有限公司 涤纶工业丝功能性助剂多道油嘴上油装置
CN105696223A (zh) * 2016-04-26 2016-06-22 山东岱银纺织集团股份有限公司 用于汉麻纤维的油剂喷淋装置
IT201700046089A1 (it) * 2017-05-04 2018-11-04 Technores S R L "dispositivo e metodo di trattamento in continuo di una pluralita' di filati"
CN109082717A (zh) * 2018-11-09 2018-12-25 长兴盛纺织有限公司 一种化纤丝生产用喷淋式上油装置
JP2019199659A (ja) * 2018-05-16 2019-11-21 Tmtマシナリー株式会社 紡糸冷却装置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102162147A (zh) * 2010-02-15 2011-08-24 日本Tmt机械株式会社 油剂扩散装置及纺丝卷绕机
JP2011162927A (ja) * 2010-02-15 2011-08-25 Tmt Machinery Inc 油剤拡散装置及び紡糸巻取機
CN104313815A (zh) * 2014-11-07 2015-01-28 浙江尤夫高新纤维股份有限公司 涤纶工业丝功能性助剂多道油嘴上油装置
CN105696223A (zh) * 2016-04-26 2016-06-22 山东岱银纺织集团股份有限公司 用于汉麻纤维的油剂喷淋装置
CN105696223B (zh) * 2016-04-26 2017-12-26 山东岱银纺织集团股份有限公司 用于汉麻纤维的油剂喷淋装置
IT201700046089A1 (it) * 2017-05-04 2018-11-04 Technores S R L "dispositivo e metodo di trattamento in continuo di una pluralita' di filati"
JP2019199659A (ja) * 2018-05-16 2019-11-21 Tmtマシナリー株式会社 紡糸冷却装置
JP7149100B2 (ja) 2018-05-16 2022-10-06 Tmtマシナリー株式会社 紡糸冷却装置
CN109082717A (zh) * 2018-11-09 2018-12-25 长兴盛纺织有限公司 一种化纤丝生产用喷淋式上油装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
SalehHudin et al. Multiple-jet electrospinning methods for nanofiber processing: A review
US4261943A (en) Process for surface treating cellulose products
US20050104258A1 (en) Patterned electrospinning
EP1673493B1 (en) A method of nanofibres production from a polymer solution using electrostatic spinning and a device for carrying out the method
US5397413A (en) Apparatus and method for producing a web of thermoplastic filaments
JP4567561B2 (ja) 繊維集合体の製造方法及び繊維集合体の製造装置
US20160083868A1 (en) Electrospinning apparatus
WO2005042813A1 (en) Electrostatic spinning equipment and method of preparing nano fiber using the same
KR20110059541A (ko) 방사 장치, 부직포 제조 장치, 부직포의 제조 방법 및 부직포
JP2001098455A (ja) 横配列ウェブ、横配列ウェブの製造方法および製造装置
US11162193B2 (en) Apparatus and process for uniform deposition of polymeric nanofibers on substrate
JP2003286613A (ja) 油剤付与方法および油剤付与装置
KR100514452B1 (ko) 전기방사를 이용한 나노섬유의 코팅방법
JP7062791B2 (ja) 荷電溶液制御構造が改善された極細繊維製造用電界紡糸装置及びそのための溶液移送ポンプ
JP5253319B2 (ja) 不織布製造装置及び不織布の製造方法
EP0033855B1 (en) Method for separating the filament bundle of fibrous material
JP6500502B2 (ja) 炭素繊維の製造方法
JP4190900B2 (ja) アセテートトウ糸条への油剤付与方法及び油剤付与装置
JP3750343B2 (ja) 合成繊維の油剤付与方法
JP2002249921A (ja) 油剤付与装置
JP3842891B2 (ja) 油剤付与装置
JPH06346312A (ja) 油剤付与方法
WO2020095331A1 (en) Capillary type multi-jet nozzle for fabricating high throughput nanofibers
JP2005163226A (ja) 繊維糸条の製造方法および製造装置
CN216809031U (zh) 一种静电纺丝发射极

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040806

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060808

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060822

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070116