JP2003286223A - (メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の保存方法 - Google Patents
(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の保存方法Info
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Abstract
カリ金属塩粉体を、密封された容器で長期間保存して
も、ダマや粒状化がおきず微粉末の状態のままで保存で
きる方法を提供する。 【解決手段】比表面積が、0.8m2/g以上である(メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を水分量が6g/m
3以下の保存充填用気体を使用して容器に充填する工程
を経て容器内に充填し、その後当該容器を密封して保存
することを特徴とする(メタ)アクリル酸アルカリ金属
塩粉体の保存方法である。但し該比表面積は、吸着ガス
に窒素を使用し、150℃で60分脱気した該(メタ)
アクリル酸アルカリ金属塩粉体を、BET比表面積計を
用いて測定した比表面積である。
Description
た、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を微粉末の
状態のままで、容易に、安全に、且つ簡単に保存する方
法を提供するものである。また(メタ)アクリル酸アル
カリ金属塩粉体乾燥状態を保って保存するための、保存
中の保存充填用気体が採用すべき好ましい条件を規定し
たものである。具体的には、アクリル酸アルカリ金属塩
粉体および/またはメタクリル酸アルカリ金属塩粉体を
保存する方法に関するものである。以下アクリル酸アル
カリ金属塩粉体および/またはメタクリル酸アルカリ金
属塩粉体は、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体と
表現する場合がある。(メタ)アクリル酸アルカリ金属
塩粉体、具体的には、アクリル酸アルカリ金属塩粉体お
よび/またはメタクリル酸アルカリ金属塩粉体は、各種
のアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エス
テル等を合成する際の中間体として有用である。
微粉末を得る方法としては、当該粉体は、重合しやすい
物質であることを考慮し、水中にてアクリル酸および/
またはメタクリル酸と、アルカリ金属水酸化物とを反応
せしめてアクリル酸アルカリ金属塩および/またはメタ
クリル酸アルカリ金属塩を含有の水溶液を得、得られた
当該アクリル酸アルカリ金属塩および/またはメタクリ
ル酸アルカリ金属塩含有の水溶液を噴霧状にて熱気流体
と接触せしめて水分を除去する、いわゆるスプレードラ
イ法によって乾燥したアクリル酸、又はメタクリル酸ア
ルカリ金属塩粉体の微粉末を得る方法が、特許文献1、
特許文献2に開示されている。
金属塩粉体は、各種のアクリル酸および/またはメタク
リル酸エステル等を合成する際の中間体として有用であ
るが、この種の中間体を用いるエステル反応では、水の
存在を好まないので、使用する(メタ)アクリル酸アル
カリ金属塩粉体は水分の小さいものを用いることが必要
であり、更に微粉末であることが望まれることも特許文
献1に開示されている。
アルカリ金属塩粉体、具体的にはアクリル酸アルカリ金
属塩および/またはメタクリル酸アルカリ金属塩粉体
は、容易に潮解する旨が記載されている。しかし、上記
特許文献1や特許文献2には、当該(メタ)アクリル酸ア
ルカリ金属塩粉体を製造する方法としての噴霧乾燥方法
(スプレードライ方法)に関しては、詳しい形態が記載
されているが、当該粉体の製造した後の取り扱い方法や
取り扱い条件、具体的には当該粉体を保存する方法や保
存条件等に関しては何も記載されてはいない。
塩粉体は、空気中にそのまま放置すると、空気中の水分
を吸収して(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の含
水量が増加するばかりでなく、スプレードライ法によっ
て得られた微粉末が空気中の水分によって粒子間にブリ
ッジが生じて粒子径が大きくなり、最終的には、乾燥直
後は微粉末であったものが部分的あるいは全体が一つの
塊に成ってしまう、いわゆる、固化現象が起こる性質を
有している。それゆえ、このように容易に潮解するアク
リル酸、又はメタクリル酸アルカリ金属塩を取り扱い、
保存する場合には、スプレードライ法によって得られた
微粉末が再吸湿しないように厳重な管理を行なう必要が
ある。
属塩粉体を製造する製造装置では上記固化現象により配
管等が詰まってしまい、円滑に製造できなくなる等の問
題が生じる。しかし、従来技術では、スプレードライ法
によって得られた微粉末を乾燥直後の形態を保ったま
ま、経済的に、容易に、安全に且つ簡単に移送する方法
についての開示はなかった。また通常当該粉体を配管等
で水分を吸収しないように移送し、密封できる容器に保
存する形態が通常の保存方法であるが、その保存条件に
よっては、保存中に上記の固化現象が起こる場合があ
る。本発明者らは、乾燥後の当該粉体が再吸湿しないよ
うな種々の管理条件を検討した所、ある特定条件下に当
該粉体を取り扱いそして保存すれば、種々の上記の問題
がおきず安定に長期間にわたり、乾燥された当該(メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体が、製造直後の乾燥
された微粉末の状態を保ち得ることができることを見出
したのである。
おり、上記の固化現象と共に保存中の自己分解重合を防
止する必要もある。本件では当該粉体のこの点(自己分
解抑制)に関しても、種々の管理条件を検討した。その
結果、特定条件下に当該粉体を取り扱いそして保存すれ
ば、当該粉体の保存中の自己分解重合もまた効率よく防
止できる方法を見出した。当該粉体は非常に重合しやす
い粉体であり、上記自己分解重合を防止し、安全に保存
できることも非常に有用な効果である。
英三著(昭晃堂)
は、このように吸湿性の高い(メタ)アクリル酸アルカリ
金属塩粉体を乾燥直後の形態を保ったまま、経済的に、
容易に、安全に、且つ簡単に保存する方法を提供するこ
とにある。
めに、本発明者等は鋭意検討した結果、保存中の保存充
填用気体中の水分量を6g/m3以下に維持し、さらに
好ましくは60℃以下に冷却しながら保存すれば、 (メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩を乾燥直後の形態である
微粉末の状態で保存することができることがわかった。
またあわせて、比表面積を0.8m2/g以上になる様
に、乾燥させた当該(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩を
使用し、好ましくは当該粉体を60℃以下に冷却するこ
とにより、上記条件での保存が好ましく行える事を見出
した。また上記の特定条件下の比表面積を示す当該粉体
であれば、保存前後において比表面積の変化が少なく、
結果として安定に保存を行う事ができることも見出し
た。
クリル酸アルカリ金属塩粉体を水分量が6g/m3以下
の保存充填用気体を使用して容器に充填し、その後当該
容器を密封して保存することを特徴とする(メタ)アクリ
ル酸アルカリ金属塩粉体の保存方法である。但し該比表
面積は、吸着ガスに窒素を使用し、150℃で60分脱
気した該(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を、B
ET比表面積計を用いて測定したものである。
塩粉体を保存する際に、当該粉体の温度が60℃以下で
あるようにして保存することを特徴とする(メタ)アクリ
ル酸アルカリ金属塩粉体の保存方法である。
塩粉体を、水分量が6g/m3以下の搬送用気体を使用
して搬送した後、当該粉体の温度を60℃以下に冷却し
てから保存することを特徴とする(メタ)アクリル酸アル
カリ金属塩粉体の保存方法である。 (4)上記(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の、固
化試験方法の前後による、固化試験前(保存前)の比表
面積を3ヶ月固化試験後(保存3ヶ月後)の比表面積で
除して(%)で表示した変化率が、80%以上である事
を特徴とする(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の保
存方法である。より好ましくは、上記変化率が85%以
上である。なお本発明の上記比表面積は、湯浅アイオニ
クス製自動BET比表面積計にて測定したものである。
固化試験後(保存3ヶ月後)の比表面積が、合わせて
0.8m2/g以上に維持されている当該粉体を使用し
て、本発明の保存方法を実施することはより好ましい形
態となる。
アクリル酸アルカリ金属塩粉体は、上記テスト条件を満
足する範囲の比表面積であれば、好ましく本発明に適応
できるものである。本発明における保存充填用気体は、
空気や窒素や、アルゴン等の気体が使用できる。また、
保存に支障がなければ、加熱されていてもよい。経済
性、工程設備の簡略性、取扱い性、重合防止性等の点
で、上記の保存充填用気体としては、保存中の水分量
が、6g/m3以下になる様に調整した空気を使用する
事が好ましい。また、保存充填用気体中の水分量を6g
/m3以下に調整する方法としては、冷却減湿装置、吸
収減湿装置、吸着減湿装置、圧縮減湿装置等が挙げられ
るが、水分量を6g/m3以下にできるものであれば特
に制限はない。また本発明の保存充填用気体は、充填前
の当該粉体の搬送する工程に使用する搬送用気体と兼ね
ていてもよい。また、好ましい形態にあっては、当該搬
送する工程に使用する搬送用気体と密封できる容器に保
存充填するときに使用する保存充填用気体と同じである
場合である。
た(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体には(その表
面や内部に)、除去した水性分を含むガスが含まれてい
る。この水性分を含んだガスは、露点未満になると露結
をおこし、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の表
面が潮解して粒子間にブリッジを作って固化してしま
う。よって簡便には保存中の保存充填用気体温度を、こ
の水性分を含んだガスの露点以上に保持できれば上記の
潮解現象を、ある程度低下させることはできる。しか
し、我々の検討では、保存中の保存充填用気体温度を、
この水性分を含んだガスの露点以上に保持しても潮解現
象を低下させる効果としては、十分ではなく、実際に
は、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の比表面積
が低下し、当該粉体が保存中に、保存容器や一時的な保
存のための貯槽やタンク内に付着したり、当該粉体潮解
し凝集が発生したりして、乾燥直後の形態である微粉末
の状態のままで保存出来ないことが判明した。
に検討した結果、保存中の保存充填用気体の水分量を6
g/m3(標準状態)以下に調整することにより、(メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の比表面積を、0.
8m2/g以上に保ったままの微粉末の状態で保存でき
ることが判明し、この発明を完成するに至った。
り、保存前後において、(メタ)アクリル酸アルカリ金属
塩粉体の上記比表面積が、保存前(つまり乾燥工程直後
の粉体の状態)の上記比表面積とあまり変わらない状態
で保存を行う事ができ、この様な形態は、本発明におけ
る好ましい形態となる。具体的には、保存前後におけ
る、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の比表面積の
変化維持率が80%以上である形態である。より好まし
くは85%以上である形態である。さらに好ましくは9
0%以上である。また合わせてさらに好ましくは、上記
(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を保存する際に、
当該粉体の温度が60℃以下であるようにして保存する
ことは好ましい実施形態である。その理由は、少なくと
も当該粉体が容器に充填される前に60℃以下になって
いればよいが60℃より高い温度であると、容器の形状
や保存形式にもよるが、当該粉体が容器に充填されたと
きに蓄熱され、当該粉体が持つ不飽和結合が重合しさら
に熱が貯まり、容器内で重合固体化する恐れがある。ま
た当該蓄熱による重合が一部分であっても、当該粉体の
一部が重合していることになり好ましくはない。
体機器・装置ハンドブック」(日刊工業新聞社編)に
は、粒径を粗大化することで表面積を小にし、粒子の接
触点を減らす様に粉体の処理を行なう旨が記載されてい
る。
金属塩粉体は、粒径を粗大化すれば特開昭47-31924で開
示されているように、次工程のエステル反応の速度が遅
くなってしまうという不都合が生じてしまう。
止するために種々検討した結果、保存中の保存充填用気
体の水分量を6g/m3(標準状態)以下に維持するこ
とで、従来のように比表面積を小さくするのではなく、
逆に、0.8m2/g以上で、固化しないことを見出し
たものである。
はメタクリル酸アルカリ金属塩の様に、容易に潮解する
性質をもつ粉体の場合、保存中の保存充填用気体の水分
量が6g/m3(標準状態)を越えると、保存中に(メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体表面が潮解して、比
表面積が小さくなる。このように比表面積が、0.8m
2/gより小さくなると、単位面積当たりの水分濃度が
高くなり、粒子間のブリッジ化を促進するのではないか
と考えている。よって、本発明の保存方法において、よ
り好ましい条件で(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体
の保存を実現するためには、保存前後での比表面積の変
化がある程度以内に抑えられる条件を採用することであ
ると言える。本発明は、保存前後での比表面積の変化が
ある程度以内に抑えられる条件を明確に規定したもので
ある。
プレードライ法によって得られた、(メタ)アクリル酸ア
ルカリ金属塩粉体の微粉末を乾燥直後の形態を保ったま
ま、経済的に、容易に、且つ簡単に保存でき、各種のア
クリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル
等を合成する際に有用な中間体として使用することがで
きることになったのである。
アクリル酸アルカリ金属塩粉体の比表面積を、0.8m
2/g以上に維持することができるので、本発明に保存
方法を含む工程により製造された(メタ)アクリル酸アル
カリ金属塩粉体を使用する事で、各種アクリル酸エステ
ルおよび/またはメタクリル酸エステル等を合成する際
に、反応速度が速くなるという効果も得られることが分
かった。
水溶液の調製は、特に限定されずに公知、周知の操作、
条件が広範囲に使用可能である。例えば、アルカリ金属
水酸化物の水溶液に、アクリル酸および/またはメタク
リル酸を徐々に添加することによって行なわれる。
液とアクリル酸および/またはメタクリル酸を同時に徐
々に添加することも可能である。この際、反応釜は十分
冷却し、攪拌は十分行なうことが望ましい。この反応温
度は、通常は0℃から70℃が望ましい。0℃未満の反応
温度では、アルカリ金属水酸化物の水溶液あるいはアク
リル酸および/またはメタクリル酸の凝固を引き起こし
てしまいふさわしくない。また、70℃を越える反応温度
では、重合を引き起こしてしまうことがありふさわしく
ない。通常は10℃〜60℃、好ましくは20℃〜50℃で反応
を行なうことが適切である。反応系の攪拌は、水中でア
ルカリ金属水酸化物の水溶液あるいはアクリル酸および
/またはメタクリル酸とが十分に接触できる程度にする
のが望ましい。尚、反応中は重合を防止するため空気中
で行うことが望ましい。
しては、ナトリウム塩、カリウム塩の他にリチウム塩、
ルビジウム塩、セシウム塩を例示し得るものである。よ
り具体的には、ナトリウム塩またはカリウム塩である。
ル酸には、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチル
エーテルの如き重合禁止剤を添加しておいても良い。ア
クリル酸および/またはメタクリル酸アルカリ金属塩水
溶液の濃度は、通常10〜70重量%、好ましくは30〜65重
量%が採用される。10重量%より濃度が低ければ、乾燥
に多量の熱が必要となり、かつ乾燥装置も大きくなるた
め経済的にふさわしくない。また70重量%を越える濃度
では反応が激しすぎ、重合等の不具合が発生する恐れが
ある。反応終点のpHは7〜13程度、好ましくは、pHは8
〜11程度が採用される。反応終点のpHが7未満であれ
ば、残存するアクリル酸および/またはメタクリル酸が
多くなり、乾燥中に重合を起こす恐れがある。一方、p
Hが13を越えると残存するアルカリ金属水酸化物が多く
なり、アクリル酸および/またはメタクリル酸アルカリ
金属塩を使用した反応で加水分解等の不具合を起こすこ
とがある。かくして、前記の如き反応によって、30〜65
重量%の濃度のアクリル酸および/またはメタクリル酸
アルカリ金属塩水溶液を得ることが出来る。
リル酸アルカリ金属塩水溶液は、噴霧状にて熱気流体と
接触せしめられて、水分が除去され乾燥される。熱気流
体の量及び温度は、アクリル酸および/またはメタクリ
ル酸アルカリ金属塩水溶液の濃度及び処理量によって適
宜変更されるが、少なくとも乾燥後のアクリル酸および
/またはメタクリル酸アルカリ金属塩の含水量が0.1%
以下になる様に調整することが必要である。例えば熱気
流体の温度は通常150℃から250℃、好ましくは180℃か
ら230℃の温度が採用される。熱気流体の温度が250℃を
越えるとアクリル酸および/またはメタクリル酸アルカ
リ金属塩が固相重合を起こすため好ましくない。熱気流
体の温度が150℃未満となると、経済的な処理量で乾燥
後のアクリル酸および/またはメタクリル酸アルカリ金
属塩の含水量を0.1%以下にすることが困難となる。な
お、本発明における(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉
体は具体的には、アクリル酸アルカリ金属塩粉体であ
る。
イ)装置としては、特に限定されることなく広範囲に使
用される。噴霧状の水溶液と熱気流体とが並流接触する
もの、向流接触するもの、一旦向流接触したのち並流接
触となる形式等いずれの形式でも採用できる。また水溶
液を噴霧状にする形式としては、回転円盤方式、ノズル
形式のいずれの形式でも採用できる。熱気流体としては
通常空気で十分であるが、窒素のような不活性気体であ
っても良い。
カリ金属塩粉体が得られる。得られた(メタ)アクリル酸
アルカリ金属塩粉体のうち、比較的大きな粒子について
は噴霧乾燥装置下部から回収されるが、それ以外は気流
と共にサイクロンに運ばれ、ここで排ガスと分離され
(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体が回収される。さ
らにバグフィルターを用いて回収することも可能であ
る。
属塩粉体は、一旦貯槽に保存することも出来るし、その
まま保存用に充填に供することも出来る。
ンベアー、バケットエレベーター、スクリュウーコンベ
アー、振動コンベアー及び空気輸送等が挙げられる。こ
の中でも、液体輸送と同じ扱いが出来る空気輸送が好ま
しいが、特に制限はない。
露点以上に保持する、及び/または、使用される搬送用
気体の中の水分量を6g/m3(標準状態)以下に維持
することにより、乾燥した(メタ)アクリル酸アルカリ金
属塩粉体の比表面積が、0.8m2/g以上を有するよ
うに調整することが必要である。
体の露点未満になったり、移送中の搬送用気体の水分量
が6g/m3(標準状態)を越えると、(メタ)アクリル
酸アルカリ金属塩粉体塩表面が潮解して比表面積が、
0.8m2/g未満になり、移送中のコンベアーに(メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体が付着したり、空気
輸送の配管内が閉塞してしまい移送困難となる。
用気体の水分量は6g/m3以下の保存充填用気体で密
封することが必要である。
g/m3(標準状態)を越えると、(メタ)アクリル酸ア
ルカリ金属塩粉体塩表面が潮解して比表面積が、0.8
m2/g未満になり、貯槽中に(メタ)アクリル酸アルカ
リ金属塩粉体が固化し充填できなくなってしまう。
塩粉体は、粉体の形態ではあるが分子内に二重結合を持
つため、長時間高温に晒しておくと重合や分解等の自己
加速分解反応が起り重合する。その結果高温の状態で容
器等に充填され保存されるとさらに蓄熱され安全に長期
間保存できなくなる。また部分的に硬化が起きると二重
結合を有する粉体原料としては好ましくはない。よって
所定の水分量を調整した後は、充填を行う前に、冷却し
ておくことが好ましい。
粉体は吸湿性が高いため、移送中の搬送用気体の温度
は、乾燥後の熱気流体の露点以上に加熱する必要があ
る。当該粉体のスプレードライ方法による乾燥条件によ
って、乾燥後当該粉体に含まれる、スプレードライヤー
から持ち込まれる熱気流体中の水分量が変化し露点が変
化する。よって当該粉体は、上記乾燥条件での露点温度
に加熱することが好ましい。具体的には、当該粉体は4
0℃〜100℃、好ましくは60℃〜100℃、さらに
好ましくは80℃〜100℃の温度範囲にすることが好
ましい。また当該通常、乾燥後当該粉体を移送あるいは
搬送するときの媒体である熱気流体は保存充填用気体で
もあるので、当該保存充填用気体に含まれる水分量のコ
ントロールは、乾燥工程後に当該粉体に含まれるスプレ
ードライヤーから持ち込まれる水分を含んだ熱気流体
と、当該(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体とをサイ
クロン等で分離した後に行う形態が好ましい。具体的に
は、当該粉体を移送中に行うことが好ましい。
ードライヤから出てきた当該粉体は、湿った状態の気体
を多く含んでいる。よって、この湿った状態の気体を輸
送管に供給するときに、スプレードライヤー本体から余
分な湿った状態の気体が輸送管に混入することを制限す
るために、スプレードライヤ本体と輸送管の間にロータ
リーバルブ、ダブルダンパー等が設置されている形態が
好ましい。また当該輸送管と結合している側管等から乾
燥空気を輸送管に導入し、輸送管内で乾燥空気と置換す
る形態となっていることが好ましい。上記のロータリー
バルブ、ダブルダンパー等を使用することによって、当
該スプレードライヤから出てくる粉体の輸送管への供給
量を調製し、合わせて乾燥空気と効率よく置換すること
ができるので好ましい実施形態となる。
該湿った状態の気体を多く含んでいるスプレードライヤ
ーから供給された粉体の相対湿度が低下し乾燥した状態
の粉体となる。よって、空気輸送中は露点以上に温度を
加熱する工程が併設される形態が好ましい。
高温でさらしておくと重合や分解等の自己加速分解反応
が起こるために、雰囲気を当該保存充填用気体の水分量
が6g/m3(標準状態)にした後は、速やかに冷却
し、当該(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の温度を
60℃以下にすることが好ましい。
アルカリ金属塩粉体温度を60℃以下にできる冷却能力
を持つ装置を使用することが好ましい。具体的には、効
率よく冷却するためには、後当該粉体を移送あるいは搬
送するときの媒体である熱気流体と当該(メタ)アクリル
酸アルカリ金属塩粉体をサイクロン等で分離し、当該粉
体を例えばスクリューコンベア等の搬送機器で移送しな
がら、機器周囲および/またはスクリュー自体を冷却し
ながら当該粉体を冷却する。もちろん、この搬送中、冷
却中にも、冷却機器、搬送機器を水分量6g/m3(標
準状態)以下の搬送・移送用気体(あるいは保存・充填
用気体)で置換しておく形態が好ましい。当該粉体を6
0℃以下に冷却した後、当該粉体を保存用の容器、ある
いはホッパー等の貯蔵タンクに保存する。この時もま
た、保存・充填用気体を水分量6g/m3(標準状態)
以下にしておくことは好ましい形態である。
器の素材については水を透過させない素材であれば特に
制限はない。プラスチィックフィルムの中ではポリ塩化
ビニリデンが好ましい。また、容器を構成するフィルム
の成分として、アルミ箔をコーティングあるいはラミネ
−ト等の複合化を行なっても良いし、アルミを蒸着させ
たものでも構わない。また、密封できる容器であれば、
金属性のもので有っても良い。
中の水分量を6g/m3(標準状態)以下に維持するこ
とにより、乾燥した(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉
体の比表面積が、0.8m2/g以上を有するように調
整することが必要である。
冷却することが必要である。
m3を越えると、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体
の比表面積が、0.8m2/g未満になり、保存中に固化して
しまい、スプレードライ法によって得られた微粉末の形
態を保つことが出来ない。
存すると、自己加速分解反応を誘発し、安全に長期間保
存しておくことが出来ない。
件は、当該粉体を長期間安定的に保存できるかどうかの
指標となる構成となる。
は、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を保存するた
めの指標、あるいは保存工程の管理条件として保存充填
用気体の水分量および当該粉体の比表面積、特に、保存
前後における当該粉体の比表面積の変化率を採用するこ
と、及び、保存温度を規定することは好ましい形態であ
る。また例えば当該粉体のロットごとに上記指標のデー
タを取得しておれば、より乾燥した保存充填用気体を使
用するとか、保存充填用気体の条件を調整することもで
きる。結果として、当該粉体の、長期間にわたる安定的
な保存条件の確保と経済性を両立させることができる。
上記保存前後における当該粉体の比表面積の変化率は、
当該粉体が充填された容器を固化試験方法にかけ、求め
たものである。なお当該粉体の水分量としては、600
ppm以下が好ましい。さらには550ppm以下が好
ましい。さらには500ppm以下である。600pp
mを超えると、保存充填用気体の条件を工夫しても、保
存前後において、比表面積の維持ができなくなり、保存
中に粉体に、ダマが発生しやすくなる。結果として長期
間の安定な保存が実現できない恐れがある。上記保存前
後とは、粉体の乾燥直後の当該粉体の比表面積と保存後
(場合によりタンクや貯槽等の短時間の保存後あるい
は、製品形態としての包装、あるいは容器に充填後の長
期間保存後の形態がある)の比表面積の維持のことを意
味する。
には、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の水分量と
しては,350ppm以下、より好ましくは300pp
m以下、さらには250ppm以下に調整されることが
好ましい。最も好ましい条件を採用する場合、凝集がよ
り発生しにくく、より安定的に長期間にわたって当該粉
体の保存が可能になる。
以下の様にして行った。(メタ)アクリル酸アルカリ金属
塩粉体として、アクリル酸カリウム粉体(すでに所定の
乾燥工程済みの乾燥粉体)を所定の水分量に調整した空
気で置換したペーパーバック(長さ1000mm、幅500m
m、アルミラミネート付)に10kg充填後密封する。充
填されたペーパーバックを横に寝かせた後、長さ1000m
m、幅500mmの板を載せ、その上から90kgの荷重をか
け保存する。そして1ヶ月ごとに保存後の袋を高さ500m
mの台の上に載せ、側面を破袋し、自然流下の状況と内
部の塊状物の存在を確認することにより行った。なお、
保存は25℃、湿度60%の雰囲気下で行った。また開
封前に中身の粉体の水分量を別途記載した方法で測定し
た。
上記と同様に1ヶ月ごとに保存状態を確認した。コンテ
ナバックは底面を開封し、アルミ製容器については蓋を
開封後反転させ、自然流下の状況と内部の塊状物の存在
を確認する。同様に、保存は25℃、湿度60%の雰囲
気下で行っている。またコンテナバック、アルミ製容器
についても、開封前に中身の粉体の水分量を別途記載し
た方法で測定した。
使用した気体中に存在する水分量であるが、テストー社
製の温度・湿度・露点計(型番:SU−635)にて、
その時の温度、相対湿度を測定し、標準状態での水分量
をまず換算することで求めることができる。そして搬送
用気体の水分量は、当該移送あるいは輸送に使用した搬
送用気体が通過する枝配管に上記測定装置のプローブを
差込ことで測定する。また開封直前の密封容器内の(具
体例ペーパーパック内の)保存充填用気体中の水分量
は、容器(袋)に上記装置のプローブを差込ことで測定
する。下記の実施例における気体の水分量は、上記方法
を使用して測定されたものである。
に説明するが、かかる説明によって本発明が限定されな
いことは言うまでもない。
クリル酸カリウム50wt%を含む水溶液は以下の様に調整
した。工業用純水216.3kgをSUS304で出来た攪拌機付
きの反応釜に投入する。次に48%の工業用苛性カリ水溶
液を420.0kg投入した。次にハイドロキノンモノメチ
ルエーテル70ppmを含むアクリル酸を5時間掛けて滴下
し、アクリル酸カリウム50wt%を含む水溶液を調製し
た。この際、反応釜は、外部より冷水にて内部温度が40
℃以下になるまで冷却し、攪拌を十分行ない、アクリル
酸カリウム50wt%を含む水溶液のpHは最終的に9.0に調
整した。
%を含む水溶液は、本体内を予め熱風を送入して乾燥し
た遠心式のスプレードライヤに下表の量を定量的に供給
しておこなった。尚、実施例1,2,7及び比較例1,
2は水分蒸発量10kg/hr、実施例3〜6及び比較例3〜
5は水分蒸発量75kg/hrの遠心式のスプレードライヤを
用いた。(該水分蒸発量は、熱風入口温度250℃、出
口温度100℃を基準とする。) サイクロン下部より得られたアクリル酸カリウムの粉体
は、ロータリーバルブを用いて空気輸送管に投入され
た。尚、空気輸送管には、搬送用気体として下表の様に
水分量を調整した空気を90℃に加熱し、標準状態で1
5m3/minの量を流しておいた。
クロンで粉体ち搬送用気体に分離し、得られた粉体はス
クリューフィーダーの付いた冷却器に投入され、40℃
まで冷却された。この冷却器内には、下表の空気輸送中
の空気と同様に水分量を調整した空気(25℃)を、
1.5m3/hr投入し、冷却器内の雰囲気を置換して
おく。この様に雰囲気調製された状態の冷却器より排出
された当該粉体は、アルミラミネートペーパーバック
に、10kg充填後、さらに空気の水分量を下表の様に
調整した保存用充填気体を流しながら密封し、固化試験
法に供した。固化試験法は、本文上記の条件で、25℃
湿度60%で行い、1ヶ月ごとに粉体の状態を確認し
た。実施例の保存条件で保存された当該粉体は、いずれ
も6ヶ月の間、1ヶ月ごとにそれぞれ別の容器を開封
し、中の粉体の状態を確認したが、いずれも開封すると
自然流下し、特に塊状物や粒状物の発生もなかった。ま
た当該粉体の、固化試験法にかける前、つまり保存前の
比表面積を、3ヶ月固化試験後、つまり3ヶ月保存後の
当該粉体の比表面積で除して%表示した変化率は、いず
れも90%以上であった。また実施例の粉体に関して
は、当該粉体の保存前の比表面積を、6ヶ月固化試験後
つまり6ヶ月保存後の当該粉体の比表面積で除して%表
示した変化率を求めたが、ほとんど変化していなかっ
た。よって本発明の実施例の範囲にある当該粉体の貯蔵
安定性は非常に良好なものであることもわかった。
体は、いずれも、その粉体の状態が6ヶ月間も保たれた
ものはなく、空気輸送に使用した空気の水分量によって
は1ヶ月ないしは3ヶ月の固化試験による保存テスト状
態で、自然流下しない状態となったり、容器内部に塊状
物が発生したりしていた。また、この比較例における当
該粉体の固化試験前つまり保存前の比表面積を、3ヶ月
固化試験後つまり3ヶ月保存後の当該粉体の比表面積で
除して%表示した変化率は、いずれも75%以下であっ
た。よってこのデータより当該粉体を特定条件下で保存
した場合、上記変化率で粉体の経時変化の状態を予測す
ることができることがわかり、本発明では当該粉体の状
態を表す好ましい形態の一つとなることがわかる。よっ
て上記の変化率を使用して当該粉体の経時変化特性を予
測する方法も、本発明の好ましい実施形態であるといえ
る。
布は、JIS K0069「化学製品の篩い分け試験
法」の乾式篩い分け試験法に準じて行った。粒子径範囲
は、106μmより大きいものが0.1〜0.5重量
%、106〜74μmのものが0.5〜5.0重量%、
74〜53μのものが10〜45重量%、53〜32μ
mのものが40〜65重量%、32μm未満のものが1
0〜30重量%であった。その結果上記実施例における
アクリル酸カリウムの平均粒子径は45μmであった。
学株式会社製 KF−07型)にて測定した。また、
(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体としてのアクリル
酸カリウムの粒度分布は、JIS K0069「化学製
品の篩い分け試験法」の乾式篩い分け試験法に準じて行
った。
用した。得られた、水分含有量がそれぞれ異なる様に調
整された(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を、測定
前に150℃で60分脱気後、湯浅アイオニクス製自動
BET比表面積計にて測定した。なお、表中の保存前の
比表面積とは、上記の固化試験法にかける前の粉体を測
定した比表面積のことであり、保存後の比表面積とは、
所定の期間固化試験法にかけたあとの粉体を測定した比
表面積のことである。また表2における比表面積の変化
率を算出したときの保存期間は固化試験法を3ヶ月かけ
た直後測定したものである。また実施例の粉体に関して
はその後も固化試験を6ヶ月まで継続して行ったが、比
表面積はほとんど変化なく、当該比表面積変化率は実質
的に、この表2の各実施の変化率(固化試験3ヶ月後)
と同等であった。
を用いたコンテナバックで100kg充填した以外は、実
施例6と同じ条件でアクリル酸カリウムの粉体を製造し
たところ比表面積2.34m2/g、空気中の水分量は
5.9g/m3であった。6ヶ月放置して紛体の様子を観
察した。底部から破袋したが自然流下し、塊状物は認め
られなかった。この時の空気中の水分量は5.9g/m
3であり、比表面積も2.13m2/gで保存充填用気
体の水分量、及び比表面積が維持されていることを確認
した。また、上記実施例では、上記固化試験前後におけ
る、3ヶ月固化試験後(保存3ヶ月後)の比表面積が、
合わせて0.8m2/g以上に維持されていることが判
明した。よって3ヶ月固化試験後(保存3ヶ月後)の比
表面積が、合わせて0.8m2/g以上に維持されてい
る当該粉体を使用して、本発明の保存方法を実施するこ
とはより好ましい形態となる。
mのアルミ製金属容器に200kg充填した以外は、実施例6
と同じ条件でアクリル酸カリウムの粉体を製造し、6ヶ
月放置して紛体の様子を観察したが、反転させれば自然
流下し、塊状物は認められなかった。
400mlのアクリル酸カリウムを入れ、断熱材の蓋を
して、60℃の空気高温槽に入れ、試料温度が雰囲気温
度に達してから自己加速分解に到るまでの誘導時間を測
定するBAM蓄熱貯蔵試験(危険物輸送に関する国連勧
告の試験マニュアルより、“Test H.4:Hea
t accumulation storage te
st”)に準じ、蓄熱貯蔵試験器(BAM型)は、形
式:KRS−RG−6116(株式会社蔵持科学器械製
作所製)を用いて行なった。即ち、内容積500mlの
ジュワー瓶に400mlの試料を入れ、蓋をした後、所
定の温度に設定した空気恒温槽にセットする。試料の温
度が設定温度から2℃低くなることを確認後、その温度
(60℃)で3ヶ月間、自己加速分解による発熱ピーク
の有無を検出する。その結果60℃の保管条件では発熱
ピークは観察されなかった。その結果、当該粉体を所定
の貯蔵条件がそろえば60℃で貯蔵することが可能にな
ることがわかった。
る以外は実施例10と同様に行なった。この時は、6.
5時間で自己加速分解による発熱ピークが認められた。
る以外は実施例10と同様に行なった。この時は、2
9.5時間で自己加速分解による発熱ピークが認められ
た。
以外は実施例10と同様に行なった。この時は、104
時間で自己加速分解による発熱ピークが認められた。
以外は実施例10と同様に行なった。この時は、500
時間で自己加速分解による発熱ピークが認められた。
貯蔵条件としては、60〜70℃が貯蔵温度の上限であ
る事がわかった。よって、本発明の保存方法における、
当該粉体の好ましい温度範囲(冷却する目安)は、この
蓄熱貯蔵試験器(BAM型)を使用した測定方法によっ
ても、好ましい温度範囲であることがわかる。
500ppmという比較的水分含有量がそれほど低くな
い当該粉体であっても、保存充填用気体の条件や粉体の
比表面積の条件、特に保存前後における比表面積の変化
維持率に着目することで、貯蔵槽中にダマや塊状物等が
発生せずに、長期間安定に保存できる事が示される。よ
って、本件保存方法で採用する構成は、言い換えると
(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体等の潮解性のある
粉体を、長期間安定的に保存できるかどうかの指標とな
る構成である。
の自己加速分解反応に着眼し、保存温度を60℃以下に
することにより安全に保存できる構成でもある。
る保存工程とは、好ましくは、当該粉体をスプレードラ
イ乾燥後、移送工程を経て、製品として使用する目的で
製造工程から分離された貯蔵状態にするための工程であ
り、さらに具体的には移送工程後、充填工程を経て貯蔵
状態となる工程である。また上記充填工程にはホッパー
等貯蔵設備に入れて充填する工程も含まれる。また、移
送後当該粉体を充填する先は、具体的には充填後密封さ
れる容器、ラミネート付きペーパーバック、フレコン、
金属性容器、プラスチック製容器等がある。また当該粉
体を使用することを目的としたサイロ等がある。また当
該粉体をタンクローリ等で移送するときの密封状態は、
タンクローリに当該粉体を移送し充填してタンクローリ
のタンクに貯蔵する意味が含まれるので保存工程であ
る。
以上である(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を水
分量が6g/m3以下の保存充填用気体を使用して容器
に充填し、その後当該容器を密封して保存することを特
徴とする(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の保存
方法。但し該比表面積は、吸着ガスに窒素を使用し、1
50℃で60分脱気した該(メタ)アクリル酸アルカリ
金属塩粉体を、BET比表面積計を用いて測定したもの
である。
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の、移送前の比表面
積を移送後の比表面積で除して%で表示した変化率が8
0%以上である事を特徴とする(メタ)アクリル酸アル
カリ金属塩粉体の保存方法である。 さらに好ましく
は、上記(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を保存す
る際に、当該粉体の温度が60℃以下であるようにして
保存する(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の保存
方法である。さらに好ましくは、上記(メタ)アクリル酸
アルカリ金属塩粉体を、水分量が6g/m3以下の搬送
用気体を使用して搬送した後、当該粉体の温度を60℃
以下に冷却してから保存することを特徴とする (メタ)
アクリル酸アルカリ金属塩粉体の保存方法。また、 (メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を60℃以下にする
ことにより安全に保存することが出来る。さらに好まし
くは上記変化率が85%以上である。
高い(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を乾燥直後の
形態を保ったまま、経済的に、容易に、安全に、且つ簡
単に保存する方法を提供することができる。特に本発明
の保存条件を採用することにより、貯蔵槽やタンク等の
比較的短時間における保存中のダマや凝集物が発生せ
ず、長期間に渡り安定的に、当該(メタ)アクリル酸アル
カリ金属塩粉体を保存することが可能になる。また、製
品形態として包装された当該(メタ)アクリル酸アルカリ
金属塩粉体の長期間にわたる保存であっても、乾燥直後
の粉体の状態を維持することができるので、長期間にわ
たった保存後でも、比表面積が変化せず、ユーザー等の
使用時に包装された当該粉体に、ダマや凝集物の発生が
ないので、乾燥直後の微粉末の状態を使用直前まで維持
することが可能になる。具体的には本発明の保存方法
は、当該粉体の乾燥直後における、粉体の状態を維持し
保存するための条件を規定したものである。
Claims (4)
- 【請求項1】比表面積が、0.8m2/g以上である(メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体を水分量が6g/m
3以下の保存充填用気体を使用して容器に充填し、その
後当該容器を密封して保存することを特徴とする(メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の保存方法。但し該
比表面積は、吸着ガスに窒素を使用し、150℃で60
分脱気した該(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体
を、BET比表面積計を用いて測定したものである。 - 【請求項2】上記(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体
を保存する際に、当該粉体の温度が60℃以下であるよ
うにして保存することを特徴とする請求項1記載の(メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の保存方法。 - 【請求項3】上記(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体
を、水分量が6g/m3以下の搬送用気体を使用して搬
送した後、当該粉体の温度を60℃以下に冷却してから
保存することを特徴とする請求項1または2記載の(メ
タ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の保存方法。 - 【請求項4】上記(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体
の、固化試験方法の前後による、固化試験前(保存前)
の比表面積を3ヶ月固化試験後(保存3ヶ月後)の比表
面積で除して(%)で表示した変化率が、80%以上で
ある事を特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の
(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩粉体の保存方法。
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