JP2003286088A - 吸放湿性建材 - Google Patents

吸放湿性建材

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JP2003286088A
JP2003286088A JP2002094101A JP2002094101A JP2003286088A JP 2003286088 A JP2003286088 A JP 2003286088A JP 2002094101 A JP2002094101 A JP 2002094101A JP 2002094101 A JP2002094101 A JP 2002094101A JP 2003286088 A JP2003286088 A JP 2003286088A
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Hidenobu Nakazawa
秀伸 中沢
Ichiro Midorikawa
一郎 緑川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸放湿特性に優れ、吸湿時に表面に濡れが生
じず、内装材等に実用性のある表面硬度を有する高性能
吸放湿性建材を提供すること。 【解決手段】 かさ比重が、0.9以上、2.3以下の
範囲にあり、かつ直径10nm以上1000nm以下の
細孔の容積が0.02ml/g以上、0.4ml/g以
下である多孔質成形体が、潮解性物質を含有してなる吸
放湿性建材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物内の湿度をコ
ントロールする機能を持つ吸放湿性建材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、建築物の高気密化が進み、夏期は
室内の多湿による不快感、冬期は暖房時における結露に
よる建物の劣化といった問題が生じている。この問題を
解決するために、空調設備を居室に取り付け、湿度のコ
ントロールを行うこともできる。しかし、例えば、戸建
て住宅を考えた場合、全ての部屋に空調設備を設置する
ことは設置コストとランニングコストが大きくなり、最
良の解決策とはいえない。また、空調設備から吹き出す
風を不快に感じる人もおり、空調設備に過度に頼らない
室内環境の実現が望まれている。このような背景によ
り、建材自体に湿度をコントロールする機能を持たせた
吸放湿性建材の開発が、近年進められている。これらの
従来の吸放湿性建材に使用される吸放湿材としては、シ
リカゲル、珪藻土、珪酸カルシウム等が一般的に知られ
ており、更に高性能な材料として、塩化カルシウムなど
の潮解性物質が知られている。
【0003】特開平8−26842号公報には、多孔質
材料よりなる成形体に塩化リチウムなどの潮解性物質を
含有する吸放湿性建材が開示されており、用い得る多孔
質材料としてケイ酸カルシウム板、軽量気泡コンクリー
ト板、ベニア合板等が記載され、中でも吸水率の高いケ
イ酸カルシウム板は、潮解性物質を含有させることによ
り著しい吸湿性の向上が認められることから好ましいこ
とも記載されている。
【0004】しかし、潮解性物質は吸湿すると液状化お
よび流動化するといった性質を有しているため、ベニア
合板のような吸水率の低い多孔質材料の場合には吸湿時
に表面に濡れを生じやすい。内装材等に実用化するにあ
たっては、このような濡れを生じることは避ける必要が
あるため、添加する潮解性物質の量が制限され、結果と
して付与できる吸放湿性もかなり制限されるという問題
点がある。また、吸水率の高いケイ酸カルシウム板の場
合(本明細書の比較例2に相当する。)は、ケイ酸カル
シウム板の吸水性により表面の濡れを大分抑制すること
ができるが、かさ比重が小さく表面硬度が低いため、内
装材として実用化が困難であるという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、十分な表面
硬度を有し、表面に濡れが発生しにくく、高吸放湿性を
有した、内装材等として実用性が高い吸放湿性建材を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かさ比重
がある一定の範囲内にあり、かつ、ある一定の範囲内の
直径を有する細孔を特定量有する多孔質成形体に潮解性
物質を含有させると、表面硬度が高く、吸放湿特性に優
れ、吸湿時も表面に濡れが生じにくい吸放湿性建材を得
られること見出し、本発明をなすに至った。すなわち、
本発明は、[1] かさ比重が、0.9以上、2.3以
下の範囲にあり、かつ直径10nm以上1000nm以
下の細孔の容積が0.02ml/g以上、0.5ml/
g以下である多孔質成形体が、潮解性物質を含有してな
る吸放湿性建材、[2] 潮解性物質の含有量が、多孔
質成形体100質量部に対し0.5質量部以上、30質
量部以下である[1]記載の吸放湿性建材、[3] 多
孔質成形体が、珪酸カルシウム水和物を原料とする成形
体である[1]または[2]記載の吸放湿性建材、であ
る。
【0007】本発明について、以下に具体的に説明す
る。本発明で使用する多孔質成形体は、かさ比重が0.
9以上2.3以下の範囲にあり、かつ、水銀圧入法で測
定した直径10nm以上1000nm以下の細孔の容積
が、0.02ml/g以上、0.5ml/g以下であ
る。多孔質成形体のかさ比重が、0.9より小さいと内
装材等に使用するにあたって十分な表面硬度を確保する
ことができず、2.3より大きいとパネル重量が重くな
り、施工コストが高くつくため実用性が大きく低下す
る。より好ましくは、1.0以上2.1以下であり、特
に好ましくは、1.1以上1.9以下である。
【0008】また、多孔質成形体の、水銀圧入法で測定
した直径10nm以上1000nm以下の細孔の容積が
0.02ml/gより小さいと吸湿時に潮解性物質の液
状化により表面に濡れが生じやすくなり、0.5ml/
gより大きいと吸湿時に内装材等に使用するにあたって
十分な表面硬度を確保することができない。好ましくは
0.02ml/g以上0.4ml/g以下であり、より
好ましくは0.03ml/g以上0.4ml/g以下で
あり、さらに好ましくは0.05ml/g以上0.4m
l/g以下であり、特に好ましくは0.1ml/g以上
0.4ml/g以下である。
【0009】本発明において多孔質成形体とは、シリカ
ゲル、珪藻土、活性アルミナ、アタパルジャイト、ベン
トナイト、ゼオライト、活性白土、アロフェン、珪酸カ
ルシウム水和物等の多孔質材料と、ポルトランドセメン
ト等の水硬性物質および/または水酸化カルシウム等の
気硬性物質とを、必要に応じて添加する水等とともに混
合、成形、養生して得られる成形体、上記多孔質材料と
ガラス粉とを混合、成形、焼成して得られる成形体、上
記多孔質材料と、イモゴライトまたはカオリナイト等の
粘土鉱物を主原料として、混合、成形、焼成して得られ
る成形体、並びに珪石等の珪酸質物質および水酸化カル
シウム等の気硬性物質に、必要に応じて添加する水とと
もに混合、成形、養生して得られる成形体を例示でき
る。また、本発明においてはこれら多孔質成形体の製造
段階で潮解性物質を加えて成形して吸放湿性建材を製造
することも可能であり、その場合には、本発明における
多孔質成形体は以下のように定義する。
【0010】すなわち、得られた吸放湿性建材をその質
量の3倍以上の水に完全に浸漬した後、1500Pa以
下の減圧雰囲気中に30分程度静置して吸放湿建材内に
水を浸透させ、大気中で30分程度超音波洗浄処理して
潮解性物質を溶解除去する。これらの処理を3回繰り返
して行った後、絶乾状態まで乾燥したものを本発明にお
ける多孔質成形体という。これらの中で、珪酸カルシウ
ム水和物を原料とする成形体が好ましく、より好ましく
は、珪酸カルシウム水和物とポルトランドセメント等の
水硬性物質を原料とする成形体、および珪酸カルシウム
水和物の粉末とガラス粉末を原料とする焼成成形体であ
り、特に好ましくは珪酸カルシウム水和物とポルトラン
ドセメント等の水硬性物質を原料とする成形体である。
【0011】本発明において、珪酸カルシウム水和物と
は、CaO、SiO2およびH2Oからなる化合物のこと
で、トバモライト、ゾノトライト、ジャイロライト、フ
ォシャジャイト、ヒレブランダイトと呼ばれる結晶性物
質、CSHゲルと呼ばれる非晶質物質、およびこれらの
混合物である。本発明において成形体の原料として用い
られる。珪酸カルシウム水和物として具体的には、軽量
気泡コンクリート(ALC)、珪酸カルシウム板、軽量
コンクリート等が挙げられ、これらの製造工程やこれら
を使用する建築施工現場、さらに解体現場から発生する
廃材を利用すると、低コスト原料の入手が比較的容易で
あるため、好ましい。
【0012】多孔質成形体の原料として用いるガラスは
特に限定されるものではなく、ガラス質無機物質であれ
ば使用可能であるが、吸放湿性建材の耐久性の点からガ
ラスの軟化点が600℃以上であるものが好ましく、ま
た、コストの点から900℃以下であることが好まし
い。より好ましくは、ガラスの軟化点が600℃以上8
50℃以下であり、特に好ましくは、600℃以上80
0℃以下である。従来は捨てられ、埋められていた廃棄
ガラスを用いることも可能である。これらの廃棄ガラス
を使用すると低コストで製造することができることから
好ましい。
【0013】本発明で使用する潮解性物質は、特に限定
されるものではないが、塩化カルシウム、塩化マグネシ
ウム、塩化リチウム等の使用が好ましい。潮解性物質の
含有量としては、多孔質成形体100質量部に対し、潮
解性物質を0.5質量部以上、30質量部以下であるこ
とが好ましい。0.5質量部より小さいと、潮解性物質
の量が少なすぎるために十分な吸放湿性が付与できず、
30質量部より大きいと吸湿時に成形体の表面に濡れが
生じ、好ましくない。より好ましくは、1質量部以上、
25質量部以下であり、特に好ましくは、2質量部以
上、15質量部以下である。
【0014】本発明の多孔質成形体に潮解性物質を含有
させる方法としては、前述の多孔質成形体を製造した後
に潮解性物質の水溶液を含浸させる方法、および前述の
多孔質成形体の製造に用いられる原料粉末に、潮解性物
質の粉末を混合した後に成形体を製造して本発明の吸放
湿性建材を得る方法等が知られているが、いずれの方法
も採用することができる。この含浸させる方法として
は、潮解性物質の水溶液に多孔質成形体を浸漬して含浸
させても良いし、潮解性物質の水溶液を塗布、あるいは
スプレ等で含浸させても良い。
【0015】まず多孔質成形体を製造した後に、該成形
体に潮解性物質の水溶液を含浸させて本発明の吸放湿建
材を製造する方法を以下に説明する。本発明における多
孔質成形体の製造方法としては、珪酸カルシウム水和
物等の多孔質材料と、ポルトランドセメント等の水硬性
物質および/または水酸化カルシウム等の気硬性物質と
を、必要に応じて添加する水等とともに混合、成形、養
生して成形体を製造する方法、珪酸カルシウム水和物
等の多孔質材料とガラス粉とを混合、成形、焼成して成
形体を製造する方法、珪酸カルシウム水和物等の多孔
質材料と、イモゴライトまたはカオリナイト等の粘土鉱
物を主原料として、混合、成形、焼成して得られる成形
体を製造する方法、珪石等の珪酸質物質および水酸化
カルシウム等の気硬性物質に、必要に応じて添加する水
とともに混合、成形、養生して得られる成形体を製造す
る方法等がある。
【0016】珪酸カルシウム水和物等の多孔質材料と、
ポルトランドセメント等の水硬性物質および/または水
酸化カルシウム等の気硬性物質とを、必要に応じて添加
する水等とともに混合、成形、養生して多孔質成形体を
製造する方法を、多孔質材料として珪酸カルシウム水和
物を用い、ポルトランドセメントを用いた場合で詳細に
説明する。珪酸カルシウム水和物とポルトランドセメン
トを、珪酸カルシウム水和物100質量部に対してポル
トランドセメント10〜100質量部、好ましくは10
〜70質量部の割合で使用する。ポルトランドセメント
が、10質量部より少ないと成形性が損なわれ、100
質量部より多いと多孔性が損なわれて好ましくない。こ
れらの粉末に、必要に応じて水を0〜300部添加し、
ミキサー等の攪拌装置で攪拌した後、プレス成形等の成
形作業を経て、蒸気養生または/およびオートクレーブ
養生等で2〜12時間程度処理して、目的の多孔質成形
体を得る。用いる珪酸カルシウム水和物の粒径は平均粒
径10〜1000μmが好ましい。平均粒径が10μm
より小さいと粉砕コストの面から工業的に有利でなく、
1000μmより大きいと成形作業の際にひび割れが起
こりやすくなる。より好ましくは10〜500μmであ
る。
【0017】珪酸カルシウム水和物等の多孔質材料とガ
ラス粉とを混合して該ガラスの軟化点以上で焼成して多
孔質成形体を製造する方法を多孔質材料として珪酸カル
シウム水和物を用いた例で詳細に説明する。ガラス粉末
と珪酸カルシウム水和物を用い、ガラス粉末100質量
部に対して珪酸カルシウム水和物30〜235質量部、
好ましくは30〜150質量部を混合し、ミキサー等の
攪拌装置で攪拌する。珪酸カルシウム水和物が、30質
量部より少ないと多孔性が損なわれ、235質量部より
多いと成形性が損なわれる。混合した粉末を、プレス成
形等の成形作業を経て、廃ガラス粉末の軟化点以上の温
度で20分〜2時間焼成後、冷却して、目的の多孔質成
形体を得る。ガラス粉末の平均粒径は0.1〜300μ
mが好ましい。0.1μmより小さいと粉砕コストの面
から工業的に有利でなく、300μmより大きいと成形
性が損なわれる。より好ましくは、1〜300μmであ
る。珪酸カルシウム水和物の粒径は平均粒径10〜10
00μmが好ましい。平均粒径が10μmより小さいと
粉砕コストの面から工業的に有利でなく、1000μm
より大きいと成形作業の際にひび割れが起こりやすくな
る。より好ましくは10〜500μmである。
【0018】これら多孔質成形体を含浸させる際の潮解
性物質の水溶液の濃度は、潮解性物質の飽和濃度より小
さければどのような濃度でもよいが、0.5wt%以
上、42wt%であることが好ましい。0.5wt%よ
り小さいと潮解性物質の添加量が少なすぎて十分な吸湿
性能を得ることができず、42wt%より大きいと浸漬
時の水溶液の温度変動により潮解性物質が析出しやすく
なる。より好ましくは、1wt%以上、40wt%であ
り、特に好ましくは5wt%以上36wt%である。多
孔質成形体に該水溶液を含浸させる際の水溶液の温度
は、10℃以上30℃以下であることが好ましいが、よ
り好ましくは20℃以上30℃以下である。
【0019】次に、多孔質成形体の原料粉末に、潮解性
物質の粉末を混合した後に成形して本発明の吸放湿性建
材を製造する方法を説明する。該製造方法は、上記多孔
質成形体の製造方法において原料として用いられる珪酸
カルシウム水和物100質量部に対して、潮解性物質を
好ましくは0.5質量部以上30質量部以下、より好ま
しくは0.5質量部以上20質量部以下添加して上記の
製造方法と同様にして成形体を製造する。後者の潮解性
物質の粉末を混合した後に成形して得られた吸放湿性建
材の場合は、必要に応じて更に潮解性物質の水溶液を含
浸させて吸放湿性建材の細孔表面に潮解性物質を付着さ
せることも可能である。
【0020】なお、本発明の吸放湿性建材は、その吸放
湿性を損なわないに範囲において、補強材、顔料などの
添加剤を含有していても良いことはいうまでもない。本
発明の吸放湿性建材は、建築物の内装壁および天井板に
好適に用いられる。また、該建材の大きさは用途によっ
て適宜決定されれば良く、限定されないが、通常、面積
0.01〜2.2m2程度で、厚み3〜20mm程度で
使用される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例および比較
例を挙げてより具体的に説明する。かさ比重測定法、細
孔容量測定法、潮解性物質含有量評価法、吸放湿特性評
価法、表面硬度評価法を以下に記述する。 ・かさ比重測定法 JIS A 5430 かさ比重試験に準じて測定し
た。潮解性物質を原料に混合して成形した場合は、以下
の前処理を行った後に測定した。得られた吸放湿性建材
をその質量の3倍以上の水に完全に浸漬した後、150
0Pa以下の減圧雰囲気中に30分程度静置して吸放湿
建材内に水を浸透させ、大気中で30分程度超音波洗浄
処理して潮解性物質を溶解除去する。これらの処理を3
回繰り返して行った後、絶乾状態まで乾燥して試験体を
得た。
【0022】・細孔容量測定法 水銀圧入法で測定した。測定には、Micrometritics社製
Pore Sizer 9320を用いた。潮解性物質を原料に混合
して成形した場合は、得られた吸放湿性建材を直径3m
m程度に粉砕した後、かさ比重測定法と同様な前処理を
行い、試験体を得た。 ・潮解性物質含有量評価法 得られた吸放湿性建材を直径3mm程度に粉砕した後、
その質量(W0)を測定する。得られた粉体は、かさ比
重測定法と同様の処理を行い、質量を測定し、潮解性物
質浸漬後の質量(W1)とする。潮解性物質含有量は、
以下の式により算出する。 潮解性物質含有量(wt%)=(W1―W0)/W0
【0023】・吸放湿性評価方法 評価に使用する試験体の大きさは、150mm×100
mmとする。試験体の側面および裏面はアルミテープ等
であらかじめシールしておき、この試験体を恒温恒湿槽
内で25℃、湿度50%の雰囲気に恒量になるまで静置
したものを使用する。評価の手順は、あらかじめ試験体
の質量(M0)を測定した後、これを温度25±2℃、
相対湿度90±5%に調整した恒温恒湿槽に24時間静
置した後、試験体を取り出し、直ちにその時の質量(M
1)を測定する。質量測定後、温度25±2℃、相対湿度
50±5%の恒温恒湿槽に入れ、24時間静置後、質量
(M2)を測定する。この操作をもう一度繰り返し、2
回目の相対湿度90±5%に24時間静置した後の質量
(M3)と2回目の相対湿度50±5%に24時間静置
した後の質量(M4)を測定する。吸放湿特性値は以下
の式により計算する。 吸放湿特性値(g/m2)=((M1−M0)+(M1−M
2)+(M3−M2)+(M3−M4))/(4×0.15×
0.1) ・表面硬度評価法 JIS K 5400 8.4 鉛筆ひっかき値に準じ
て測定した。
【0024】
【実施例1】廃ガラス粉末(クリスタルクレイ(株)
製、Gパウダー 平均粒径:18μm)を100質量部
に対して、廃ALC粉末(旭化成(株)製 ヘーベル
(商標)を粉砕 平均粒径:200μm)67質量部の
割合で調合し、3分間卓上ミキサーで混合した。この混
合物を2.0×107Paの圧力でプレス成形した後、
マッフル炉の中で、900℃で1.5時間焼成、炉冷
し、多孔質成形体を得た。この成形体を20wt%の塩
化カルシウム(2水和物、特級、和光純薬(株)製)水
溶液に、水温20℃で2時間完全に浸漬し、105℃で
24時間乾燥して、目的である吸放湿性建材を得た。得
られた吸放湿性建材の厚さは5.5mmであった。この吸
放湿性建材の浸漬前の細孔容量、塩化カルシウムの含有
量、吸放湿性能、表面硬度、かさ比重を表1に示す。
【0025】
【実施例2】塩化カルシウム溶液の濃度を40wt%に
した以外は、実施例1と同様の方法で吸放湿性建材を作
成した。得られた吸放湿性建材の厚さは5.5mmであ
った。この吸放湿性建材の浸漬前の細孔容量、塩化カル
シウムの含有量、吸放湿性能、表面硬度、かさ比重を表
1に示す。
【0026】
【実施例3】塩化カルシウム溶液の濃度を10wt%に
した以外は、実施例1と同様の方法で吸放湿性建材を作
成した。得られた吸放湿性建材の厚さは5.5mmであ
った。この吸放湿性建材の浸漬)前の細孔容量、塩化カ
ルシウムの含有量、吸放湿性能、表面硬度、かさ比重を
表1に示す。
【0027】
【実施例4】廃ALC粉末と廃ガラス粉末の調合の割合
を、廃ガラス粉末100質量部に対して廃ALC粉末5
0質量部にした以外は、実施例1と同様の方法で吸放湿
性建材を作成した。得られた吸放湿性建材の厚さは5.
5mmであった。この吸放湿性建材の浸漬前の細孔容
量、塩化カルシウムの含有量、吸放湿性能、表面硬度、
かさ比重を表1に示す。
【0028】
【実施例5】廃ALC粉末(旭化成(株)製 ヘーベル
(商標)を粉砕 平均粒径:200μm)とポルトラン
ドセメント(ユニオンセメント(株)製)の混合割合
を、廃ALC粉末100質量部に対しポルトランドセメ
ント25質量部とする。これらの粉末に、水50質量部
および塩化カルシウム(2水和物、特級、和光純薬
(株)製)10質量部を水50質量部に溶解した水溶液
を投入した後、ミキサー等の攪拌装置で混合し、脱水プ
レス成形を行った。得られた成形体は、40℃で8時間
蒸気養生後、1.1×106Paで6時間オートクレー
ブ養生して、目的とする吸放湿性建材を得た。得られた
吸放湿性建材の厚さは10mmであった。この吸放湿性
建材の塩化カルシウム除去処理した後の細孔容量、塩化
カルシウムの含有量、吸放湿性能、表面硬度、かさ比重
を表1に示す。
【0029】
【比較例1】廃ALC粉末と廃ガラス粉末の調合の割合
を、廃ガラス粉末100質量部に対して廃ALC粉末2
5質量部にし、塩化カルシウム水溶液の濃度を10wt
%とした以外は、実施例1と同様の方法で吸放湿性建材
を作成した。得られた吸放湿性建材の厚さは5.5mm
であった。この吸放湿性建材の浸漬前の細孔容量、塩化
カルシウムの含有量、吸放湿性能、表面硬度、かさ比重
を表1に示す。
【0030】
【比較例2】多孔質成形体として、市販の厚さ6mmの珪
酸カルシウム板を使用し、塩化カルシウム水溶液の濃度
を15wt%とした以外は実施例1と同様の同様の方法
で、目的の吸放湿性建材を作成した。この吸放湿性建材
の含浸前の細孔容量、塩化カルシウムの含有量、吸放湿
性能、表面硬度、かさ比重を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】本発明により、内装材等に実用性が極め
て高い吸放湿性建材を提供することが可能になった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 かさ比重が、0.9以上、2.3以下の
    範囲にあり、かつ直径10nm以上1000nm以下の
    細孔の容積が0.02ml/g以上、0.5ml/g以
    下である多孔質成形体が、潮解性物質を含有してなる吸
    放湿性建材。
  2. 【請求項2】 潮解性物質の含有量が、多孔質成形体1
    00質量部に対し0.5質量部以上、30質量部以下で
    ある請求項1記載の吸放湿性建材。
  3. 【請求項3】 多孔質成形体が、珪酸カルシウム水和物
    を原料とする成形体である請求項1または2記載の吸放
    湿性建材。
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