JP2003285425A - インクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットプリンタ

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JP2003285425A
JP2003285425A JP2002089421A JP2002089421A JP2003285425A JP 2003285425 A JP2003285425 A JP 2003285425A JP 2002089421 A JP2002089421 A JP 2002089421A JP 2002089421 A JP2002089421 A JP 2002089421A JP 2003285425 A JP2003285425 A JP 2003285425A
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Japan
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ink
chamber
oxygen concentration
light
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JP2002089421A
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Yoshiyuki Suzuki
良幸 鈴木
Toshiyuki Takabayashi
敏行 高林
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録媒体の材質に制約されることなく光硬化
性インクのインク滴の滲みや広がりを防止し、高画質で
画像を印刷できるようにする。 【解決手段】 記録ヘッド4から吐出された光硬化性イ
ンクのインク滴が記録媒体99に着弾するまでの経路
と、供給部13と、供給部13から排出部14まで記録
媒体99が搬送される経路と、排出部14とをチェンバ
ー(筐体20)で覆い、チェンバー内部を不活性ガス雰
囲気とする。こうして、光硬化性インクのインク滴は吐
出されてから照射手段5による光の照射を受けるまで、
酸素にほとんど触れなくすることで、インク滴硬化が酸
素に阻害されなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体にインク
滴を吐出することによって記録媒体に印刷するインクジ
ェットプリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、簡便、安価に画像を形成できる画
像印刷方法として、インクジェットプリンタを用いた画
像印刷方法が数多く用いられている。インクジェットプ
リンタは、インク滴を例えばピエゾ素子やヒータを用い
て記録ヘッドから紙等の記録媒体に向けて吐出し、該記
録媒体にインク滴を浸透若しくは定着させながら、記録
ヘッドを記録媒体上で移動させることにより、該記録媒
体に画像を印刷する。
【0003】あらゆる素材の記録媒体に対し、インク滴
着弾後に生じる滲み等に影響されることなく高精度で画
像を印刷する技術として、例えば、室温で固形のワック
スインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の
有機溶剤を主体としたインクを用いる、ソルベント系イ
ンクジェット方式、光硬化性インクのインク滴を記録媒
体に着弾させた後、紫外線等の光を照射することにより
硬化させる光硬化性インクジェット方式などが知られて
いる。
【0004】しかし、相変化インクジェット方式は、イ
ンクとしてワックスを用いる為、十分な画像強度や定着
性が得られない。また、ソルベント系インクジェット方
式はインクの溶媒が揮発しやすく有機溶剤の臭気やイン
ク乾燥によるヘッド詰まりといったトラブルが発生する
とともに、記録媒体の素材によってインク滴の浸透性が
異なるため滲みや乾燥が安定せず、インク滴の滲みも発
生しやすいなどの問題がある。
【0005】光硬化性インクジェット方式、例えばUV
硬化インクジェット方式は、インクとして、顔料の他に
例えば高分子化合物の前駆体となるモノマー若しくはオ
リゴマー(以下、モノマー等と略記)、光触媒反応によ
りモノマー等の架橋、重合反応を進行させる光重合開始
剤、光重合促進剤等を含んで組成され、紫外線等の光の
照射によりモノマー等が架橋、重合することで硬化する
性質を有する光硬化性インクを用いる。光硬化性インク
ジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比
べ比較的低臭気であり、インク吸収性の無い記録媒体へ
の記録が出来る点で、近年注目されつつある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光硬化性インクは、光
照射により光重合開始剤がラジカルを発生させ、引き続
いてモノマー等がラジカル反応により架橋、重合するこ
とで硬化する。一方、光重合開始剤から生成したラジカ
ルは、酸素に対する反応性が極めて高い。そのため、大
気中では、光照射により生成したラジカルの多くが酸素
と反応して消費されてしまい、結果としてモノマー等の
重合が遅くなったり、モノマー等が重合しなかったりす
るという問題がある。
【0007】そのため、従来のインクジェットプリンタ
では、光硬化性インクのインク滴が記録媒体に着弾して
から、硬化せずに記録媒体上で広がったり滲んだりして
しまい、記録媒体上に高画質の印刷画像を形成できない
場合があった。特に、記録媒体が樹脂フィルムである場
合、光硬化性インクのインク滴の広がり速度が速いた
め、光硬化性インクを用いて樹脂フィルムに画像を高画
質で印刷することは極めて困難であった。
【0008】記録媒体に着弾したインク滴を確実に硬化
させる方法としては、例えば記録媒体上のインク滴に照
射する光のエネルギーを高める方法が一般的に考えられ
るが、この場合には、例えばインク滴に紫外線を照射す
るような場合、強い光の照射によって記録媒体が劣化す
るおそれがあるため、記録媒体の材質で制約を受ける等
の問題があった。
【0009】上述の問題を解決するため、本発明は、記
録媒体の種類に関係なく高画質で画像を印刷できるイン
クジェットプリンタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
めに、請求項1記載の発明は、光の照射により硬化する
光硬化性インクを記録媒体に向けて吐出することで画像
を形成するインクジェットプリンタであって、光硬化性
インクをインク滴として記録媒体に向けて吐出する記録
ヘッドと、記録媒体に着弾したインク滴に光を照射する
照射手段と、前記記録ヘッドから吐出されたインク滴が
着弾する領域に記録媒体を送り込む供給部と、インク滴
が着弾した後に前記照射手段による光の照射を受けた記
録媒体を取り込む排出部と、前記記録媒体を前記供給部
から、前記インク滴が着弾する領域及び前記照射手段に
よる光の照射を受ける領域を経て排出部まで搬送する搬
送手段と、内部が大気から遮断されたチェンバーと、前
記チェンバー内部を不活性ガス雰囲気に移行させる不活
性ガス雰囲気移行手段と、を備えるとともに、前記チェ
ンバーが、前記供給部、インク滴が前記記録ヘッドで吐
出されてから記録媒体に着弾するまでに通る経路、前記
供給部から前記排出部まで記録媒体が搬送される経路及
び前記排出部の、ほぼ全体を覆う事を特徴とする。
【0011】請求項1に記載の発明によれば、記録ヘッ
ドから吐出されてから記録媒体に着弾するまでにインク
滴が通る経路と、供給部から排出部まで記録媒体が搬送
される経路とは、大気から遮断されたチェンバーに覆わ
れており、このチェンバー内部は不活性ガス雰囲気移行
手段の作用により不活性ガス雰囲気とされているため、
酸素濃度が大気に較べて極めて低い状態にある。
【0012】このことで、記録媒体上に画像を形成する
光硬化性インクは、大気中の場合のような高濃度の酸素
に触れることなく、記録ヘッドからインク滴として吐出
され、記録媒体に着弾し、照射手段から発光された光の
照射を受けるといった過程を経ることができる。よっ
て、光硬化性インクのインク滴が光照射を受ける際、光
重合開始剤から生成したラジカルが酸素と反応すること
で消費される量が大いに軽減される。そのため、光照射
によって記録媒体上のインク滴は速やかに硬化する。こ
のことにより、記録媒体に着弾したインク滴が記録媒体
上で広がったり滲んだりすることが防止され、記録媒体
上に高画質の画像を印刷することが可能となる。
【0013】また、供給部、記録媒体が搬送される経路
及び排出部のほぼ全体がチェンバーに覆われていること
で、チェンバー内部は記録媒体の搬入、搬出に影響され
ることなく安定した不活性ガス雰囲気に維持される。こ
のことにより、記録媒体に着弾した光硬化性インクのイ
ンク滴が記録媒体上で広がったり滲んだりすることを効
果的に防止することができる。
【0014】さらに、インク滴の吐出、着弾、光照射と
いった過程を不活性ガス雰囲気で行なうことにより、イ
ンク滴の硬化を確実に行なうために照射手段で照射され
る光のエネルギーを高める必要はなくなる。そのため、
例えば照射手段で紫外線を照射する場合において、照射
する光のエネルギーを高くすることに伴なう記録媒体の
劣化を回避することができるので、いかなる記録媒体に
も高画質で画像を形成することができる。
【0015】また、照射手段で照射する光のエネルギー
を高くすることに伴なう照射手段の発熱量の増加も回避
されるので、インクジェットプリンタに出力の大きな冷
却装置を備える必要もなくなる。よって、インクジェッ
トプリンタを、コンパクトかつ低消費電力に作成するこ
とができる。
【0016】それに加えて、照射手段で照射する光のエ
ネルギーが低く、かつ不活性ガス雰囲気で光照射を行な
うので、例えば照射手段で紫外線を照射する場合におい
て、光照射に伴なうオゾンの発生が大幅に軽減される。
そのため、オゾンに由来する悪臭の発生を抑えることが
できる。
【0017】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のインクジェットプリンタであって、前記チェンバー
が、閉じた状態で前記チェンバーの内部と外部とを遮断
し、開いた状態で前記チェンバーの内部と外部とを連通
させる扉部と、前記チェンバー内部の酸素濃度を測定す
る酸素濃度測定手段と、施錠状態と、解除状態とに切り
換え自在で、前記施錠状態において前記扉部を閉じた状
態に維持する錠部と、を備えるとともに、前記酸素濃度
検知手段で測定された酸素濃度が酸素濃度所定値より低
い状態では前記錠部が前記施錠状態に維持されることを
特徴とする。
【0018】請求項2に記載の発明によれば、チェンバ
ー内部の酸素濃度が開扉時における酸素濃度所定値より
低い場合には、錠部が施錠状態に維持されて扉部は開け
ない状態となる。このことで、チェンバー内部の酸素濃
度の確認を能率的に行なうことができる。そのため、扉
部を開き、チェンバー内部に対して作業を行なう際の安
全確認を効率化することができる。よって、インクジェ
ットプリンタの運転や維持管理に係る作業を能率的に行
なうことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るインクジェ
ットプリンタ1について、光硬化性インクとして紫外線
照射により硬化する紫外線硬化性インク(UVインク)
を用いた場合を例にとり、図面を適宜参照して説明す
る。
【0020】インクジェットプリンタ1は、紫外線の照
射により硬化する性質を有する紫外線硬化性インク(U
Vインク)をインク滴として記録媒体99に向けて吐出
し、インク滴の着弾後に紫外線(Ultra Violet rays)
照射を行うことで記録媒体99に印刷を行うものであ
る。なお、本実施例では、光硬化性インクとしてUVイ
ンクを採用しているが、本発明に係るインクジェットプ
リンタ1は、赤外線、可視光線、電子線、X線といった
他の電磁波の照射により硬化する性質の光硬化性インク
を用いるものとしてもよい。ここで、本明細書における
光は広義の光であり、可視光線や可視光線の他に赤外
線、電子線、X線といった電磁波を含む。また、記録媒
体99は樹脂、紙、布等のシート状の媒体であり、印刷
の目的にかなった材質のものが適宜適用される。
【0021】図1〜図3に示すように、インクジェット
プリンタ1は、搬送手段11、プラテン12、供給部1
3、排出部14、ガイド部材2、キャリッジ3、記録ヘ
ッド4、照射手段5、インクタンク6、インク供給路
7、変圧ポンプ8、筐体20、不活性ガス雰囲気移行手
段30、制御手段50等を備えて構成される。
【0022】筐体20はインクジェットプリンタ1の外
形をなし、上述の構成要素を含むインクジェットプリン
タ1の各構成要素を収納して保護するとともに、チェン
バーとして機能し、内部を大気から遮断する。なお、本
実施形態では筐体20がチェンバーを兼ねる場合を例に
とって説明を行なうが、本発明に係るインクジェットプ
リンタ1は筐体20とチェンバーとが別部材として形成
されることとしてもよい。
【0023】筐体20は、不活性ガス雰囲気移行手段3
0と連通するとともに、基準値以上の気密性を具備して
構成され、扉部22、錠部23、酸素濃度測定手段24
等を備える。ここで、筐体20の気密性の基準値は、後
述するようにして内部を吸気ファン32により減圧した
後に、不活性ガス導入部31で内部に不活性ガスを導入
した際、後述する印刷作業時における酸素濃度所定値以
下まで筐体20内部の酸素濃度が降下するとともに、画
像印刷作業中、筐体20内部の酸素濃度が上記印刷作業
時における酸素濃度所定値を超えて上昇しないことを条
件に、試験、実験結果等を踏まえて設定される。
【0024】扉部22は、閉じた状態で筐体20の内部
と外部とを遮断し、気密性を基準値以上に維持できる構
造を有しており、開いた状態で記録媒体99及びインク
タンク6、6、…の設置、回収といった画像印刷作業の
準備及び後処理、紙詰まり除去といったトラブル対応、
メンテナンス作業等を容易に行なえるよう、設置位置、
形状、設置箇所数等が適宜決定される。
【0025】錠部23はロック機構を備え、施錠状態と
解除状態とに切り換え自在な構造に構成されており、1
箇所の扉部22に対して少なくとも1個以上が設置され
る。錠部23の施錠状態/解除状態の切換は、酸素濃度
測定手段24が検知する筐体20内部の酸素濃度等の要
因に基づいて制御手段50により行なわれる。施錠状態
では、錠部23は扉部22が開くことを禁止して扉部2
2が閉じた状態に維持する。解除状態では、扉部22は
開閉自在である。
【0026】酸素濃度測定手段24は、筐体20内部に
少なくとも1台が、例えば扉部22近傍に設置されてお
り、筐体20内部の酸素濃度を検知するとともに、検知
された酸素濃度のデータを制御手段50に送信する。
【0027】不活性ガス雰囲気移行手段30は筐体20
外部に設置され、不活性ガス導入部31、吸気ファン3
2、切換弁33等を備えて構成される。不活性ガス雰囲
気移行手段30はチェンバーを兼ねる筐体20内部を不
活性ガス雰囲気に移行させる。
【0028】ここで、不活性ガス雰囲気とは、酸素濃度
が大気の場合(酸素濃度:体積比20.8%)に較べて
著しく低く、印刷作業時における酸素濃度所定値を下回
り、代わりに極めて高い濃度の不活性ガスで充たされた
雰囲気である。具体的には、上記印刷作業時における酸
素濃度所定値は体積比で0.1〜10%である。この印
刷作業時における酸素濃度所定値は、UVインクのイン
ク滴に対する光照射の際、インク滴の硬化が阻害されな
い上限の濃度以下の数値となるよう、使用するUVイン
クの特性や試験、実験結果を踏まえて適宜決定される。
【0029】なお、本発明において、不活性ガスとは広
義の不活性ガスであり、ヘリウム、ネオン、アルゴン、
クリプトン、キセノン、ラドンといった希ガスの他に、
窒素や二酸化炭素といった、常温常圧ではきわめて反応
性の低いガスの総称である。
【0030】吸気ファン32は、筐体20内部の気体を
筐体20外部に排出し、筐体20内部を減圧状態に移行
させる。ここで、吸気ファン32の構造は、周知のもの
から、筐体20内部を減圧後、不活性ガスを導入した際
に筐体20内部の酸素濃度を印刷作業時における酸素濃
度所定値以下に移行可能なものが適宜選択される。
【0031】不活性ガス導入部31は、吸気ファン32
の作用により減圧状態となった筐体20内部に不活性ガ
スを導入する。不活性ガス導入部31は、例えば高純度
の不活性ガスを高圧で充填したボンベや、中空糸膜、活
性炭といった素材で形成された部材を用いて大気から窒
素を分離、精製する窒素発生装置といった装置を備えて
構成される。切換弁33は、例えば電磁弁を備えて構成
されており、筐体20内部と、不活性ガス導入部31、
吸気ファン32、筐体20外部とを連通したり遮断した
りする切換を行なう。
【0032】次に、チェンバーを兼ねる筐体20内部に
収納される構成要素について説明する。
【0033】搬送手段11は、送り装置を備えて構成さ
れており、供給部13から送り出された記録媒体99
を、キャリッジ3の往復移動により記録ヘッド4、4、
…が走査する領域の直下及び照射手段5直下の領域を経
て排出部14まで図1、図2における矢印Bの方向(副
走査方向B)に搬送する。搬送手段11による記録媒体
99の搬送は、後述する記録ヘッド4、4、…からのU
Vインクのインク滴の吐出による画像形成の進行に応じ
て間欠的に行われる。ガイド部材2は、水平かつ副走査
方向Bに対して略直角な主走査方向Aに延在し、画像形
成の際、キャリッジ3をガイドする。
【0034】図1に示すように、インクタンク6,6,
…は、交換することのできるインクカートリッジであ
り、それぞれのインクタンク6には一色のUVインクが
密閉して貯蔵されている。つまり、一つのインクタンク
6には、数種の色のうちの何れかの色のUVインクが貯
蔵されている。基本的にインクタンク6ごとに異なる色
のUVインクが貯蔵されているが、同じ色のUVインク
が二以上のインクタンク6に貯蔵されていても良い。イ
ンクジェットプリンタ1に用いられるUVインクの色と
しては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)、ブラック(K)を基本としており、その他にホ
ワイト(W)、ライトイエロー(LY)、ライトマゼン
タ(LM)、ライトシアン(LC)、ライトブラック
(LK)等がある。
【0035】各インクタンク6に貯蔵されるUVインク
は、色に応じた顔料と、光重合樹脂の前駆体となるモノ
マー或いはオリゴマー(以下、モノマー等と略記)と、
紫外線の励起によりラジカルを発生し、このラジカルに
よってモノマー等の架橋反応或いは重合反応を開始させ
る光重合開始剤と、光重合開始剤の開始反応を促進させ
る光重合促進剤等とを含んで組成されている。そして、
UVインクは、紫外線の照射を受けることで光反応開始
剤や光重合促進剤が触媒として作用することに伴なって
モノマー等が架橋反応或いは重合反応することで硬化す
る性質を有する。
【0036】キャリッジ3は、記録媒体99の直上に配
置されており、搬送手段11による間欠的な記録媒体9
9の搬送と連動して作動するキャリッジ移動手段(図示
略)により、ガイド部材2に案内されて主走査方向Aに
往復移動する。この往復移動により、キャリッジ3は、
複数の記録ヘッド4、4、…を収納した状態で、ガイド
部材2にガイドされながら主走査方向Aに往復自在に移
動して記録ヘッド4、4、…の記録媒体99に対する走
査を行なう。
【0037】プラテン12は、キャリッジ3に対向して
設置されており、キャリッジ3の下方に搬送された記録
媒体99を略平坦状に支持するものである。
【0038】インク供給路7は、キャリッジ3の移動に
追従できるよう、フレキシブルな構造を有した部材で構
成され、内部にインクタンク6、6、…と各々対応する
記録ヘッド4、4、…とを連通するインク供給管を備え
る。インク供給路7に備えられた各インク供給管の途上
には変圧ポンプ8、8、…が設けられている。
【0039】変圧ポンプ8はインクタンク6からそのヘ
ッド4に通じているインク供給路7の内部圧を調整する
ことで、対応するインクタンク6からヘッド4へ供給さ
れるインクの圧力及び供給量を調整する。ここで、イン
クタンク6内部から、インク供給路7を経て記録ヘッド
4の後述する吐出口までの領域はUVインクで充たされ
た状態で維持されており、UVインクはインク滴として
記録ヘッド4から吐出されるまで外気に触れないように
なっている。
【0040】記録ヘッド4の下面には複数の吐出口(図
示略)が形成されており、これら複数の吐出口は副走査
方向Bに一列となって配列されている。記録ヘッド4の
内部にはピエゾ素子やヒータといった吐出手段(図示
略)が設けられており、この吐出手段の作動により各吐
出口からUVインクのインク滴が別個に吐出される。こ
の様にして吐出されたインク滴は、記録媒体99の、記
録ヘッド4が走査する領域の直下にある領域に着弾す
る。また、1つの記録ヘッド4からは、1色のUVイン
クのインク滴が吐出される。なお、基本的に記録ヘッド
4ごとに異なる色のUVインクのインク滴が吐出される
が、同じ色のUVインクが2個以上の記録ヘッド4、
4、…から吐出されても良い。
【0041】照射手段5は、キャリッジ3に対して副走
査方向Bの下流側かつ記録媒体99の直上となる位置に
配置される。照射手段5は特定の波長領域(例えば、波
長250nm近傍)の紫外線を安定した照射エネルギー
で発光する紫外線ランプ等を備えて構成され、記録媒体
99の、照射手段5自身の直下にある領域に光を照射す
る。照射手段5から発する紫外線の波長及び照射強度
は、記録媒体99の材質或いはUVインクの種類に応じ
て適宜設定される。
【0042】上記紫外線ランプとしては、水銀ランプ、
メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レ
ーザー、ブラックライト、LED(light emitting dio
de)等が適用可能である。なお、照射手段5は、記録媒
体99の材質やUVインクの種類に応じて照射する紫外
線の波長及び照射エネルギーを変更することができても
良い。
【0043】供給部13は、画像形成前の記録媒体99
を収納するとともに、記録ヘッド4、4、…によりUV
インクがインク滴として吐出される領域へこの記録媒体
99を送り出す。また、排出部14は、記録ヘッド4、
4、…から吐出したインク滴が着弾したとともに、照射
手段5による光の照射を受けた画像印刷済みの記録媒体
99を取りこんで収納する。
【0044】なお、図2では、供給部13及び排出部1
4は連続した形態の記録媒体99を送り出したり取り込
んだりするとともに、この記録媒体99をロール状に収
納する場合を例にとって描図を行なっているが、本発明
に係るインクジェットプリンタ1に備えられた供給部1
3及び排出部14は上述の形態に限らず、例えばカット
シート状の記録媒体99を取り扱うように形成されるこ
ととしてもよい。
【0045】ここで、ここまでで説明した搬送手段1
1、プラテン12、供給部13、排出部14、ガイド部
材2、キャリッジ3、記録ヘッド4、4、…、照射手段
5、インクタンク6、6、…、インク供給路7等の構成
要素は、チェンバーを兼ねる筐体20の内部に設置され
ている。このことにより、供給部13、記録ヘッド4か
ら吐出されてから記録媒体99に着弾するまでにインク
滴が通る経路、供給部13から排出部14まで記録媒体
99が搬送される経路、記録媒体99が照射手段5によ
り光の照射を受ける領域、排出部14の全体がチェンバ
ーに覆われていることとなる。
【0046】制御手段50は、CPU(Central Processing
Unit)51、ROM(Read Only Memory)52、RAM(Random
Access Memory)53等を備えて構成され、インクジェッ
トプリンタ1の各構成要素を制御する。CPU51は、
インクジェットプリンタ1を制御するための種々の判断
や演算を行なう。ROM52はCPU51が上記判断、
演算を行なうためのプログラム等のデータを記憶する。
RAM53は記録媒体99に印刷する画像のデータ等の
データを記憶する。
【0047】本発明に係るインクジェットプリンタ1を
用いた画像印刷作業の手順を説明する。
【0048】通常、画像印刷作業を行なっていない状態
では、筐体20内部の気体は大気と同様の組成となって
いる。このとき、錠部23は解除状態となっており、扉
部22は開閉自在となっている。
【0049】画像印刷作業にあたり、まず扉部22を開
けて供給部13に記録媒体99を設置し、記録ヘッド
4、4、…からのUVインクのインク滴の吐出を受ける
領域に向けて記録媒体99を送り出すことができるよう
準備作業を行なう。これと併せて、インクタンク6、
6、…に、画像印刷作業を通じて記録ヘッド4、4、…
に安定して供給できる量のUVインクが入っているかど
うかを確認し、UVインクの量が足らないインクタンク
6があれば適宜UVインクの補充を行なう。上述の準備
の後、扉部22を閉じる。
【0050】次に、不活性ガス雰囲気移行手段30によ
り、筐体20内部を不活性ガスで充たして不活性ガス雰
囲気に移行させる。まず、切換弁33で筐体20内部と
筐体20外部及び不活性ガス導入部31とを遮断すると
ともに、筐体20内部と吸気ファン32とを連通させ
る。この状態で吸気ファン32を作動させ、筐体20内
部の気体を排気して筐体20内部を安定した減圧状態に
移行させる。
【0051】ここで、筐体20内部が安定した減圧状態
に到達した旨の判定は、筐体20内部に設置された真空
度計で減圧度を検知して行なってもよいし、筐体20及
び吸気ファン32に関する試験、実験結果を踏まえて決
定した時間が吸気ファン32の作動開始後経過したこと
を以って推定して行なってもよい。
【0052】筐体20内部が安定した減圧状態に達した
後、切換弁33で筐体20内部と吸気ファン32とを遮
断し、吸気ファン32の作動を停止するとともに、筐体
20内部と不活性ガス導入部31とを連通して筐体20
内部に不活性ガスを導入する。筐体20が導入された不
活性ガスで充たされ、筐体20内部の圧力が筐体20外
部とほぼ等しくなるか、外部に対して陽圧となった時点
で、不活性ガスの導入を終えて筐体20内部と不活性ガ
ス導入部31とを遮断する。
【0053】こうして筐体20内部が不活性ガスで充た
され、酸素濃度が印刷作業時における酸素濃度所定値以
下となることで、供給部13、記録ヘッド4より吐出さ
れてから記録媒体99に着弾するまでにインク滴が通る
経路、供給部13から排出部14まで記録媒体99が搬
送される経路、記録媒体99が照射手段5により光の照
射を受ける領域、排出部14の全体は不活性ガス雰囲気
に保たれて大気から遮断されることとなる。
【0054】筐体20内部が不活性ガス雰囲気に移行し
た後に、画像印刷作業を開始する。まず、供給部13は
収納されている記録媒体99を副走査方向Bに向けて送
り込む。引き続いて、搬送手段11はこの記録媒体99
の端部をキャリッジ3の直下まで搬送する。画像印刷作
業の際、キャリッジ3は主走査方向Aに往復移動して記
録媒体99上を走査する。
【0055】キャリッジ3の走査と連動し、記録ヘッド
4、4、…はRAM53に記憶された画像データに基づ
いて記録媒体99に向けてUVインクをインク滴として
吐出する。キャリッジ3の直下の領域に画像データに応
じてインク滴が着弾し、このインク滴の集合体として印
刷する画像が形成されると、搬送手段11は記録媒体9
9を適宜長さだけ搬送する。記録媒体99の搬送後、引
き続き、記録媒体99上の次の領域にインク滴の吐出が
行なわれる。
【0056】UVインクのインク滴吐出により画像が形
成された領域は、搬送手段11の間欠的な搬送により、
照射手段5の直下に移動する。照射手段5の直下では、
記録媒体99は光の照射を受ける。このとき、記録媒体
99に着弾したUVインクのインク滴では、光反応開始
剤からラジカルが生成してラジカル反応が開始され、こ
のラジカル反応によってインク滴に含まれている光重合
樹脂前駆体であるモノマー等が架橋、重合してポリマー
である光重合樹脂が生成する。
【0057】こうした一連の反応により、記録ヘッド
4、4、…から吐出され、記録媒体99に着弾したUV
インクのインク滴は硬化し、記録媒体99に接着され
る。ここで、記録ヘッド4から吐出されたインク滴は、
記録媒体99に着弾し、照射手段5による光の照射を受
けて硬化するまで、不活性ガス雰囲気にあることとな
る。
【0058】記録媒体99の照射手段5による光の照射
を受けた領域は引き続き搬送手段11により間欠的に搬
送され、最終的に排出部14に取り込まれる。
【0059】一連の画像印刷作業が終了した後、扉部2
2を開けて画像が印刷された記録媒体99を回収する等
の作業を行なう。また、画像印刷作業中、筐体20内部
で紙詰まり等のトラブルが発生した場合には、やはり扉
部22を開けてトラブル対応作業を行なう。
【0060】ここで、筐体20内部が不活性ガス雰囲気
のままで扉部22を開けて作業を行なうことは困難であ
る。そのため、扉部22を開く必要がある場合には、筐
体20内部の気体を入れ替え、筐体20内部の雰囲気を
大気と同じ組成に移行する必要がある。
【0061】本発明に係るインクジェットプリンタ1で
は、筐体20内部の酸素濃度が開扉時における酸素濃度
所定値を下回る状態において、制御手段50の制御によ
り錠部23が施錠状態に維持される。よって、印刷作業
中は錠部23は施錠状態に維持され、扉部22を開ける
ことができない状態になっている。
【0062】ここで、本明細書では、開扉時における酸
素濃度所定値が体積比18%に設定されている場合を例
にとって説明を行なうが、本発明のインクジェットプリ
ンタ1において開扉時における酸素濃度所定値は体積比
18%とは限らず、インクジェットプリンタ1を取り扱
う作業者やインクジェットプリンタ1の周囲の作業者等
の安全性を考慮して適宜決定される。
【0063】筐体20内部のガスの入れ替えに際し、制
御手段50は不活性ガス雰囲気移行手段30の切換弁3
3を操作し、筐体20内部と不活性ガス導入部31及び
筐体20外部とを遮断するとともに筐体20内部と吸気
ファン32とを連通させる。筐体20内部と吸気ファン
32とを連通させた後、吸気ファン32を作動させて筐
体20内部の気体を筐体20外部へ排出させる。
【0064】吸気ファン32の作用により、筐体20内
部が安定した減圧状態に移行した後、切換弁33を操作
し、筐体20内部と筐体20外部とを連通するとともに
筐体20内部と不活性ガス導入部31及び吸気ファン3
2とを遮断する。このとき併せて吸気ファン32の作動
を停止する。引き続き筐体20内部と筐体20外部とを
連通させることで、筐体20内部に空気が導入される。
【0065】なお、筐体20内部の入れ替えは、上述の
方法の他に、例えば筐体20内部を減圧状態に移行する
のとは反対の方向に吸気ファン32を作動させること
で、筐体20内部に空気を吹き込むといった方法により
行なってもよい。
【0066】筐体20内部に空気を導入するのと併せ
て、制御手段50は図4に示すような演算を行なう。ま
ず、ステップS1において、酸素濃度測定手段24が検
知する筐体20内部の酸素濃度の判定を行なう。上記酸
素濃度が開扉時における酸素濃度所定値である体積比1
8%を下回っている場合には、再びステップS1の判定
を行なう。一方、上記酸素濃度が18%以上の場合に
は、演算はステップS2に移行し、ロック解除によって
錠部23を解除状態に移行する。こうして、扉部22を
開けることが可能になるので、作業者は扉部22を開い
て必要な作業を行なう。
【0067】このように、記録ヘッドから吐出されてか
ら記録媒体に着弾するまでにインク滴が通る経路と、供
給部から排出部まで記録媒体が搬送される経路とがチェ
ンバーを兼ねる筐体20に覆われており、不活性ガス雰
囲気に保たれていることで、記録媒体99上に高画質で
画像を印刷することができる。
【0068】UVインクのインク滴に大気中で光を照射
した場合、UVインクに含まれている光反応開始剤から
生成するラジカルは空気中の酸素と反応して消費される
ので、結果としてモノマー等の架橋、重合が阻害されて
しまう。一方、本発明に係るインクジェットプリンタ1
では、インク滴は記録ヘッド4より吐出されてから照射
手段5で光の照射を受けるまで酸素にはほとんど触れな
いので、記録媒体99上で確実に硬化して記録媒体99
に接着される。よって、記録媒体99上でのインク滴の
広がりや滲みを防止し、記録媒体99上に高画質で画像
を印刷することができる。
【0069】また、供給部13、供給部13から排出部
14まで記録媒体99が搬送される経路、排出部14が
全てチェンバーを兼ねる筐体20に覆われていること
で、筐体20内部は記録媒体99の搬入、搬出に影響さ
れることなく、安定した不活性ガス雰囲気に維持され
る。よって、より効果的に記録媒体99上でのインク滴
の広がりや滲みを防止することができる。
【0070】また、上述の様にインク滴が空気と触れな
いようにすることで、インク滴を確実に硬化させるため
に照射手段5から照射する光のエネルギーを高くする必
要がなくなる。よって、高エネルギーの光の照射によっ
て記録媒体99が劣化するといった問題が回避される。
そのため高画質での画像形成を記録媒体99の材質に制
約されることなく行なうことができる。
【0071】また、照射手段5で高エネルギーの光が照
射される場合、照射手段5を冷却するための大出力の冷
却装置が必要となる。この場合、この冷却装置の分だけ
インクジェットプリンタは形状に制約を受けるととも
に、大量の電力を消費することとなる。一方、本発明に
係るインクジェットプリンタ1は、照射手段5で照射さ
れる光のエネルギーを低く抑えることで、コンパクトか
つ低消費電力に構成することができる。
【0072】さらに、本発明に係るインクジェットプリ
ンタ1では、筐体20内部の酸素濃度が低く抑えられて
いるとともに照射手段5から照射される光のエネルギー
量が低いので、光照射の際のオゾン発生をきわめて低く
抑えることができる。よって、オゾン発生に伴なう悪臭
を無くすことができる。
【0073】また、本発明では、チェンバーを兼ねる筐
体20内部の酸素濃度が、開扉時における酸素濃度所定
値を下回っている状態において扉部22が開かないよう
になっている。そのため、扉部22を開けて画像印刷作
業の準備作業や後処理作業、紙詰まり除去といったトラ
ブル対応作業、インクジェットプリンタ1のメンテナン
スのための諸作業等を行なう際、筐体20内部の酸素濃
度を確かめる等の安全確認作業を能率よく行なうことが
できる。よって、インクジェットプリンタ1の運転や維
持管理の能率を高めることができる。
【0074】なお、本発明に係るインクジェットプリン
タ1は、上述のものに限らない。例えば、筐体20はチ
ェンバーを兼ねるとは限らず、インクジェットプリンタ
1は筐体20内部にチェンバーが設置される構成として
もよい。
【0075】なお、不活性ガスは、希ガスに属する気体
や、窒素、二酸化炭素といった気体に限らず、それ以外
にも光硬化性インクのインク滴の硬化を阻害しないもの
が適用可能である。
【0076】なお、本発明に係るインクジェットプリン
タ1は光硬化性インクとしてUVインクを用いるものに
限らず、赤外線、可視光線、電子線、X線といった他の
電磁波によって硬化する性質の光硬化性インクを用いる
こととしてもよい。
【0077】また、チェンバー内部の開扉時における酸
素濃度所定値は、体積比18%とは限らず、インクジェ
ットプリンタ1を取り扱う作業者や、インクジェットプ
リンタ1の周辺の作業者等の安全性を考慮して、体積比
18%以外の数値に設定してもよい。
【0078】また、チェンバーに覆われる構成要素は、
上述の実施形態に限らない。例えば供給部13及び排出
部14はカットシート上の記録媒体99、99、…を取
り扱う構造のものとしてもよい。
【0079】また、不活性ガス雰囲気移行手段30は上
述の実施形態に限らない。チェンバー内部の酸素濃度
が、上記印刷作業時における酸素濃度所定値以下となる
のであれば、例えば、不活性ガス雰囲気移行手段30は
吸気ファン32を備えず、不活性ガス導入部31から筐
体20に不活性ガスを供給するだけの構成としてもよ
い。
【0080】また、照射手段5の構成は上述の実施形態
に限らない。例えば、キャリッジ3内に設置され、記録
媒体99に着弾したインク滴に速やかに光を照射する構
成としてもよい。また、硬化前のインク滴が不活性ガス
雰囲気にあるのであれば、照射手段5をチェンバー外部
に設置してもよい。
【0081】さらに、照射手段5から照射される光の波
長及びエネルギー量は設計事項であり、光硬化性インク
及び記録媒体99に応じて適宜設定される。それに加え
て照射手段5から照射される光の種類は、上述の実施形
態のような紫外線に限らず、赤外線、可視光線、電子
線、X線といった他の電磁波であってもよい。
【0082】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、光硬化
性インクのインク滴を安定した不活性ガス雰囲気内で硬
化させることで、光硬化性インクのインク滴は光の照射
により速やかに硬化する。よって、インク滴が記録媒体
上で広がったり滲んだりすることが防止され、記録媒体
への画像印刷を高画質で行なえるようにすることができ
る。
【0083】また、インク滴に照射する光のエネルギー
を低く抑えることで、例えばインク滴に紫外線を照射す
る場合において、記録媒体に制約を受けることなく高画
質での画像印刷が可能になる。さらに、インクジェット
プリンタをコンパクトかつ低消費電力に構成できる。そ
れに加えて、例えばインク滴に紫外線を照射する場合に
おいて、光照射の際に発生するオゾンの量を大いに軽減
して悪臭を抑えることができる。
【0084】請求項2に記載の発明によれば、扉部22
を開けて作業する際、安全確認を能率的に行なうことが
できるので、インクジェットプリンタの運転、維持、管
理の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタ1の概略
を示す要部正面図である。
【図2】本発明に係るインクジェットプリンタ1の概略
を示す要部側面図である。
【図3】本発明に係るインクジェットプリンタ1の概略
を示す要部ブロック図である。
【図4】錠部23を解除する際の判定の流れを示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 3 キャリッジ 4 記録ヘッド 5 照射手段 11 搬送手段 13 供給部 14 排出部 20 筐体 22 扉部 23 錠部 24 酸素濃度測定手段 30 不活性ガス雰囲気移行手段 31 不活性ガス導入部 32 吸気ファン 33 切換弁

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光の照射により硬化する光硬化性インクを
    記録媒体に向けて吐出することで画像を形成するインク
    ジェットプリンタであって、 光硬化性インクをインク滴として記録媒体に向けて吐出
    する記録ヘッドと、 記録媒体に着弾したインク滴に光を照射する照射手段
    と、 前記記録ヘッドから吐出されたインク滴が着弾する領域
    に記録媒体を送り込む供給部と、 インク滴が着弾した後に前記照射手段による光の照射を
    受けた記録媒体を取り込む排出部と、 前記記録媒体を前記供給部から、前記インク滴が着弾す
    る領域及び前記照射手段による光の照射を受ける領域を
    経て排出部まで搬送する搬送手段と、 内部が大気から遮断されたチェンバーと、 前記チェンバー内部を不活性ガス雰囲気に移行させる不
    活性ガス雰囲気移行手段と、を備えるとともに、 前記チェンバーが、前記供給部、インク滴が前記記録ヘ
    ッドで吐出されてから記録媒体に着弾するまでに通る経
    路、前記供給部から前記排出部まで記録媒体が搬送され
    る経路及び前記排出部の、ほぼ全体を覆う事を特徴とす
    るインクジェットプリンタ。
  2. 【請求項2】前記チェンバーが、 閉じた状態で前記チェンバーの内部と外部とを遮断し、
    開いた状態で前記チェンバーの内部と外部とを連通させ
    る扉部と、 前記チェンバー内部の酸素濃度を測定する酸素濃度測定
    手段と、 施錠状態と、解除状態とに切り換え自在で、前記施錠状
    態において前記扉部を閉じた状態に維持する錠部と、 を備えるとともに、 前記酸素濃度検知手段で測定された酸素濃度が酸素濃度
    所定値より低い状態では前記錠部が前記施錠状態に維持
    されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェッ
    トプリンタ。
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