JP2003284959A - 光触媒性部材 - Google Patents

光触媒性部材

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JP2003284959A
JP2003284959A JP2002091495A JP2002091495A JP2003284959A JP 2003284959 A JP2003284959 A JP 2003284959A JP 2002091495 A JP2002091495 A JP 2002091495A JP 2002091495 A JP2002091495 A JP 2002091495A JP 2003284959 A JP2003284959 A JP 2003284959A
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photocatalytic
thin film
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metal alkoxide
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Tetsuya Fukushima
哲弥 福嶋
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 湿式法において、高い光触媒性能を有し、且
つ耐摺動性、膜硬度に優れる光触媒性薄膜を有する部材
を形成しうる光触媒性部材の製造方法を提供すること。 【解決手段】 基材表面に光半導体微粒子分散ゾルを塗
布し、乾燥熱処理し、光触媒性を有する層を形成する工
程と、金属アルコキサイドをさらにその表面に塗布し、
乾燥熱処理する工程より成る光触媒性薄膜部材の製造方
法において、金属アルコキサイドの部分加水分解・重縮
合物の重量平均分子量(Mw)が300〜1000であ
ることを特徴とする光触媒性部材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラスを代表とする
基材表面に湿式プロセスにて光触媒性薄膜を形成して、
防汚、防曇性を付与した光触媒性部材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】防汚性、防曇性等に優れる塗膜としては
二酸化チタン等の光半導体を含む光触媒性薄膜が知られ
ている。光半導体とは、その伝導電子体と荷電子体のバ
ンドギャップエネルギーより大きい光エネルギーが照射
されると、励起状態となり電子・ホール対を生成する光
半導体物質のことである。アナターゼ型結晶構造の二酸
化チタンでは、光波長が387nm以下の光が照射され
ると励起状態となり、その内部に電子・ホール対が生成
され、さらに、その電子・ホール対により近傍に存在す
る水、酸素が酸化又は還元され、表面及びその近傍に水
酸基ラジカルや、スーパーオキサイドイオン等の活性酸
素種が発生する。これらの活性酸素種には強力な酸化力
があり、この酸化力により表面に付着した有機物が酸
化、分解される(分解活性)。さらに、二酸化チタン
は、光励起により非常に水と馴染みやすい高度な親水表
面を形成する特性を併せ持っている(光誘起親水化能
力)。
【0003】それらの特性を利用して、塗膜の表面に付
着する炭化水素系の汚れ成分を酸化、分解し、さらに、
雨滴等で簡単に洗浄除去する自己洗浄作用や、アミン化
合物、アルデヒド化合物等の悪臭成分を分解する脱臭作
用、大腸菌、黄色ブドウ球菌等の菌成分の発生を防ぐ抗
菌作用等を得ることができ、それらの機能を備えた防汚
性部材が提案されている。また、光誘起親水化能力を利
用し、ガラスやミラーの曇りを防ぐ防曇作用に応用され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光触媒性薄膜を有する
部材を作製する手法として、真空蒸着やスパッタリン
グ、イオンプレーティングを代表とする乾式法と、ゾル
・ゲルを代表とする湿式法がある。乾式による手法にお
いて、防曇性を有する自動車ミラーの例では、特開20
00−53449号公報がある。その記載によれば、真
空蒸着により基材表面に光触媒性薄膜を形成する手法が
提案されている。真空蒸着、スパッタリング等の乾式法
は、比較的、容易に耐久性のある膜が得られるが、製造
コストが比較的高いことや、対象となる基材の形状や大
きさの自由度において制約があるなど、総合的には優れ
た手法であるとは言えない。
【0005】一方、湿式法は、乾式法に比べ、比較的安
価な装置で実現でき、薄膜が形成できる基材の形状面に
も自由度がある等、コスト面、製法面において乾式法よ
り優位性がある。湿式法においては、光半導体成分の前
駆体又は、その微粒子分散ゾルと金属アルコキサイド等
の金属酸化物前駆体との混合溶液が用いられていること
があるが、分散性や、溶液の安定性において問題があ
り、耐久性のある薄膜を得ることは容易でない。そこ
で、光半導体成分と金属アルコキサイド等の金属酸化物
前駆体を別々に塗布し、光触媒性薄膜を形成する手法が
提案されている。例えば、特開平10−57817号公
報に記載の方法によれば、基材の表面に光触媒層を備え
させ、その上の一部に、ケイ素、ジルコニウム、アルミ
ニウム、ニオビウム等から選ばれた、単独もしくは複合
の金属酸化物の層を形成させた光触媒性薄膜の形成方法
が提案されている。しかしながら、光触媒層の上に、金
属酸化物の層を形成させた場合、金属酸化物の有する親
水性により親水性能は向上するかもしれないが、分解活
性を損なわないように、金属酸化物層が光触媒層を完全
に覆わないように形成することは、極めて困難である。
金属酸化物層を形成する手法として、金属アルコキサイ
ドを用いることが提案されているが、金属アルコキサイ
ドを用いる場合は、その部分加水分解・重縮合物の分子
量、分子量分布等の状態により最終的に得られる薄膜の
性能が左右される。しかしながら、その内容に関する記
載が全くなく、実現性に乏しい。さらには、光触媒層に
ケイ素、ジルコニウム等のバインダー成分が含まれない
場合は、基材への密着力不足、膜硬度不足により耐久性
を欠く要因になる。
【0006】このように湿式法は、乾式法に対してコス
ト面、製法面の優位性はあるものの、得られる薄膜の性
能において、多くの課題を有しており、高性能な薄膜の
開発が望まれている。発明者らの検討では、湿式法によ
り形成される光触媒性薄膜は、乾式法により形成される
薄膜に比べ、特に耐摺動性や膜硬度を向上させることが
困難であることがわかっており、これらの特性は、建材
ガラスや自動車ミラー等、清掃を伴う応用品において
は、耐久性に影響を与える重要な特性である。上記事情
に鑑み、本発明では、湿式法において、高い光触媒性能
を有し、且つ耐摺動性、膜硬度に優れる光触媒性薄膜を
有する部材を形成しうる光触媒性部材の製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らは、鋭意検討の
結果、湿式法において、高い光触媒性能を有し、且つ耐
摺動性、膜硬度に優れる光触媒性薄部材を形成するため
には、薄膜を形成する光半導体や金属酸化物等の各成分
が薄膜中で均一に分散されていることが重要であること
を見出した。
【0008】上記目的を達成するために請求項1は、基
材表面に光半導体微粒子分散ゾルを塗布し、乾燥熱処理
し、光触媒性を有する層を形成する工程と、金属アルコ
キサイドをさらにその表面に塗布し、乾燥熱処理する工
程より成る光触媒性薄膜部材の製造方法において、金属
アルコキサイドの部分加水分解・重縮合物の重量平均分
子量(Mw)が300〜1000であることを特徴とす
る光触媒性薄膜部材の製造方法である。光半導体微粒子
分散ゾルと、分子量の調整された金属アルコキサイドを
別々に塗布することにより、分解活性、親水性、耐久性
に優れる光触媒性薄膜部材を形成することができる。ま
た、金属アルコキサイドの部分加水分解・重縮合物の重
量平均分子量(Mw)が300〜1000であることに
より、湿式法により形成される光触媒性薄膜において、
耐摺動性や膜硬度を向上させることが可能となる。すな
わち、重量平均分子量(Mw)が1000以上である場
合は、光触媒層の中に密に金属アルコキサイドの溶液が
浸透せず、金属酸化物が薄膜中に均一に分布した状態に
はならず、得られた薄膜の耐摺動性、膜硬度等の耐久性
を左右する特性が低下する傾向にある。また、金属酸化
物が最表層に偏在した状態になる場合もあり、このよう
な場合は、光触媒性が著しく低下する。重量平均分子量
(Mw)が300以下である場合は、金属アルコキサイ
ドの溶液が光触媒層の中に均一に浸透するが、形成され
る金属酸化物の架橋が乏しく、長期に渡る耐久性に課題
が残る。
【0009】また、請求項2は、前記金属金属アルコキ
サイドの部分加水分解・重縮合物の平均重量分子量(M
w)/平均数量分子量(Mn)が1.5以下であること
を特徴とする請求項1記載の光触媒性薄膜部材の製造方
法である。
【0010】請求項3は、前記金属アルコキサイドがシ
リコン・アルコキサイドであることを特徴とする請求項
1、2記載の光触媒性薄膜部材の製造方法である。
【0011】また、請求項4は、前期光半導体微粒子分
散ゾルに含まれる光半導体微粒子の粒子径が5〜20n
mであることを特徴とする請求項1〜3記載の光触媒性
薄膜部材の製造方法である。光半導体微粒子の粒子径を
上記範囲のものとすることで、透明性が高く、耐摺動
性、膜硬度等の耐久性に影響する特性に優れる光触媒性
薄膜部材を形成することができる。
【0012】請求項5は、前期光半導体微粒子分散ゾル
に含まれる光半導体微粒子が酸化チタン微粒子である請
求1〜5記載の光触媒性薄膜部材の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を詳しく説明す
る。本発明は、基材表面に光半導体微粒子分散ゾルを塗
布し、乾燥熱処理し、光触媒性を有する層を形成する工
程と、金属アルコキサイドをさらにその表面に塗布し、
乾燥熱処理する工程より成る光触媒性薄膜部材の製造方
法であり、その手法により得られる光触媒性薄膜部材で
ある。光触媒性薄膜部材とは、光(例えば、紫外線)が
薄膜表面に照射されることにより、後述する光触媒性を
発揮し、各種の防汚性、高度な親水性を発現する機能を
持つ光半導体成分を含む薄膜が形成された部材のことで
ある。また、本発明の光触媒性薄膜部材は、従来のもの
に比べ、親水性、耐摺動性や膜硬度等の耐久性に影響を
与える特性に優れ、且つ高い光触媒性を併せ持つ特徴を
有する。
【0014】本発明に用いられる光触媒性を有する層
は、光半導体微粒子が分散溶媒中に均一に分散された状
態の溶液を用いて形成される。光半導体は、光半導体微
粒子が、分散溶媒中に均一に分散された光半導体微粒子
分散ゾルであり、含まれる光半導体微粒子の結晶は、平
均粒子径が5〜20nmであるものが好ましく、更に
は、平均粒子径が5〜10nmであるものが、透明性が
高く、薄膜にした後の耐摺動性に優れる傾向にあり、よ
り好ましい。5nm未満であるものは、二次凝集粒子を
形成しやすく、性能の低下につながる傾向がある。ま
た、20nmを超えるものは、薄膜にした後の、薄膜表
面の平均表面粗さ(Ra)が大きく(凹凸を形成しやす
く)なり、耐摺動性や膜硬度の低下につながる。
【0015】光半導体微粒子分散ゾルに利用される光半
導体は、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化
ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モ
リブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化
鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化ニ
オブ、酸化タンタル、酸化マンガン、酸化コバルト、酸
化ロジウム、酸化ニッケル、酸化レニウム等の金属酸化
物の他、チタン酸ストロンチウム等、及び、これらの表
面に金属が坦持されたものも用いられる。坦持して良い
金属としては、たとえば、銀、銅、鉄、ニッケル、亜
鉛、白金、金、パラジウム、カドミウム、コバルト、ロ
ジウム、ルテニウム等が、好ましい。担持される金属
は、1種のみでも2種以上でもよい。特に酸化チタン
は、その光触媒性の高さや、入手の容易さ、安全性、コ
スト等、他の材料に比べて全体的に優れるため、好適に
利用できる。酸化チタン微粒子は、結晶型がアナターゼ
型、ルチル型又は、工業的に作り出されているブルッカ
イト型が存在するが、アナターゼ型、ブルッカイト型
が、光触媒性が高く、長期にわたり性能を維持する特性
を有しており、好適に利用できる。
【0016】分散溶媒としては、特に限定されないが、
水単独又は、水と有機溶剤(低級脂肪族アルコール類と
して、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、ノルマルプロパノール、n−ブタノール等、エチレ
ングリコール誘導体としてエチレングリコール、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル等、ジエチレングリコ
ール誘導体として、ジエチレングリコール、ジエチレン
グリコールモノブチルエーテル等)との混合溶媒を用い
ることができる。本発明においては、水、ノルマルプロ
パノールの混合溶媒、水、メタノールの混合溶媒、水、
メタノール、ノルマルプロパノールの混合溶媒が、コー
ティング時の成膜性、光半導体微粒子の分散安定性に優
れ、適している。
【0017】ここで、光半導体微粒子分散ゾルの塗布方
法としては、スプレー方式、ディップ方式、フローコー
ト方式、カーテンコート方式、スピンコート方式等、公
知の方法が利用できる。比較的大きい面積の基材に関し
ては、ディップ方式、フローコート方式、スプレー方式
が、生産性の観点より適している。特にディップ方式、
フローコート方式は、透明性があり、且つ均一にコーテ
ィングが可能である。また、比較的小さい面積の基材に
関しては、スピンコート方式が、透明性があり、且つ均
一にコーティングする方法として適している。さらに、
塗布溶液を循環させる必要がないため、塗布溶液の安定
性も良く、好適に利用できる。また、各溶液を塗布後、
乾燥熱処理する手法は、公知の手法を用いることができ
る。
【0018】光半導体(光半導体微粒子)は、その伝導
電子体と荷電子体のバンドギャップエネルギーより大き
い励起波長(例えば、400nm以下)の光が照射され
ると、励起状態となり電子とホールよりなる電子・ホー
ル対を生成する。アナターゼ型結晶構造の二酸化チタン
では、光波長が387nm以下の光が照射されると励起
され、その内部に電子とホールが生成され、さらに、そ
の電子、ホールにより近傍に存在する水、酸素が酸化又
は還元され、表面及びその近傍に水酸基ラジカルや、ス
ーパーオキサイドイオン等の活性酸素種が発生する。こ
れらの活性酸素種には強力な酸化力があり、この酸化力
により表面に付着した有機物が酸化、分解される(分解
活性)。また、光励起により、非常に表面が水に馴染み
やすくなる高度な親水表面を形成する(光誘起親水化能
力)。この原因は、一説には、光励起により、光半導体
である金属酸化物に酸素欠陥を生じ、その部分に、水酸
基が配位し、薄膜表面に水に非常に馴染みやすい水酸基
が多く形成されると考えられているが、明確な原因は解
明されておらず、多くの大学、研究機関で、解明のため
の研究が進められている。前述の分解活性と、光誘起親
水化能力を以下、光触媒性と呼ぶことにする。
【0019】光触媒性を応用する機能としては、塗膜に
付着した炭化水素系の汚れ成分等を、分解活性を利用
し、酸化・分解し、除去したり、高度な親水性を利用す
ることにより、雨や水の散布等で、簡単に汚れを洗浄除
去(易洗浄性)することができる防汚機能や、アミン化
合物、アルデヒド化合物等の悪臭成分を吸着し、分解活
性により酸化、分解する脱臭作用や、大腸菌、黄色ブド
ウ球菌等の菌成分の発生を防ぐ抗菌作用があり、それら
の機能を備えた機能性部材が提案されている。さらに、
光誘起親水化能力は、塗膜表面を水と塗膜表面の水接触
角に換算して、5°以下、さらには、ほぼ0°(超親水
性)にすることができ、その特性を利用し、ガラスやミ
ラーの曇りを防ぐ防曇作用や、表面への水滴の形成を防
ぐ視認性保持機能にも利用できる。
【0020】また、この光半導体微粒子分散ゾルの塗布
に先立って、基材に金属酸化物を主成分とする層を中間
層として、設けることもできる。中間層は、シリコン・
アルコキサイド等の有機シリコン化合物を主成分とする
溶液を塗布し、乾燥熱処理することにより得られる二酸
化珪素を主成分とする薄膜が一般的である。中間層を設
けることにより、基材からの薄膜に有害な影響を与える
成分の拡散を防ぐことができる。例えば、基材がソーダ
系ガラスである場合は、ガラス中に含まれるアルカリイ
オンの拡散を防止でき、薄膜のアルカリ成分による劣化
や、光触媒性の低下を防ぐことができる。また、熱的な
影響による基材、薄膜間の応力差を緩和することも可能
であり、中間層を設けることにより、より耐久性、光触
媒性の優れる薄膜を形成することができる。
【0021】光触媒性を有する層の表面に塗布する金属
アルコキサイドは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、
イソプロポキシ、ブトキシ基等のアルコキシ基を好まし
くは3個、更に好ましくは4個有している金属アルコキ
サイドである。使用できる金属アルコキサイドとして
は、シリコン・アルコキサイドとして、テトラメトキシ
シラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシ
シランやそのオリゴマー、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラ
ン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメト
キシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプ
ロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン等の
モノアルキルトリアルコキシシランやそのオリゴマーが
ある。ジルコニウム・アルコキサイドとして、テトラメ
トキシジルコニウム、テトラエトキシジルコニウム、テ
トラプロポキシジルコニウム、テトライソプロポキシジ
ルコニウム等、アルミニウム・アルコキサイドとして、
トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニウ
ム、トリプロポキシアルミニウム、トリイソプロポキシ
アルミニウム等が好適に例示できる。
【0022】これらを適当な溶剤で希釈し、そこに硬化
剤としての水単独、又は水に触媒を必要量添加して、部
分加水分解及び重縮合反応を行わせ、プレポリマー化さ
せ、金属アルコキサイドの部分加水分解・重縮合物を含
む溶液に調製する。その際、部分加水分解・重縮合物の
重量平均分子量(Mw)がポリスチレン換算で300〜
1000であることが好ましく、更に好ましくは、50
0〜800である。重量平均分子量(Mw)が1000
以上である場合は、光触媒層の中に密に金属アルコキサ
イドの溶液が浸透せず、金属酸化物が薄膜中に均一に分
布した状態にはならず、得られた薄膜の耐摺動性、膜硬
度等の耐久性を左右する特性が低下する傾向にある。ま
た、金属酸化物が最表層に偏在した状態になる場合もあ
り、このような場合は、光触媒性が著しく低下する。重
量平均分子量(Mw)が300以下である場合は、金属
アルコキサイドの溶液が光触媒層の中に均一に浸透する
が、形成される金属酸化物の架橋が乏しく、長期に渡る
耐久性に課題が残る。また、金属アルコキサイドの分子
量分布は、重量平均分数量平均分子量(Mn)の重量平
均分子量(Mw)に対する 比より示せば、重量平均分
子量(Mw)/数量平均分子量(Mn)<1.5である
ものが好ましい。1.5を超えるものは、分子量の分布
領域が広く、金属酸化物が偏在する可能性があり、最終
的に得られる薄膜において、成分の均一さを欠き耐摺動
性、膜硬度等の耐久性を左右する特性や光触媒性が低下
する要因となる。
【0023】金属アルコキサイドとしては、シリコン・
アルコキサイドが溶液の入手性、安定性において優れて
おり、比較的、好適に利用でき、その中では、一般式S
i(OR)4で表されるアルコキシ基を4個有するテト
ラアルコキシシランとそのオリゴマーが、好適に利用で
きる。テトラアルコキシシランの部分加水分解・重縮合
物の調整方法としては、テトラアルコキシシランを、希
釈溶剤であるエタノール又はメタノールに希釈し、希釈
溶液を作成する。さらに、希釈溶液に、硬化剤として水
を添加することができる。水の添加量は、テトラアルコ
キシシランの有するアルコキシ基(OR基)に対する水
(H2 O)のモル比で示せば、5<水(H2 O)/アル
コキシ基(OR)<150が好ましく、30<水(H2
O)/アルコキシ基(OR)<100が更に好ましい。
水(H2O)/アルコキシ基(OR)が5以下である場
合は、十分に加水分解が進まず、水(H2O)/アルコ
キシ基(OR)が150以上である場合は、逆に進みす
ぎて、完全な加水分解物となり、ゲル化が促進され、溶
液の安定性を欠く。さらに触媒を必要に応じて添加でき
る。触媒としては、特に限定はされないが、たとえば、
酢酸、クロロ酢酸、クエン酸、安息香酸、ジメチルマロ
ン酸、蟻酸、プロピオン酸、グルタール酸、グリコール
酸、マレイン酸、マロン酸、トルエンスルホン酸、シュ
ウ酸などの有機酸、塩酸、硝酸、ハロゲン化シラン等の
無機酸が挙げられ、これらを1種または2種以上使用す
ることができる。触媒の添加量は、テトラアルコキシシ
ランの有するアルコキシ基(OR基)に対する水触媒の
モル比で示せば、2<触媒/アルコキシ基(OR基)<
50が好ましく、10<触媒/アルコキシ基(OR基)
<30であるものが更に好ましい。触媒/アルコキシ基
(OR基)が2以下である場合は、触媒により加水分解
が促進されず、触媒/アルコキシ基(OR基)が50以
上である場合は、逆に進みすぎて、完全な加水分解物と
なり、ゲル化が促進され、溶液の安定性を欠く。また、
攪拌の際には、必要に応じて20〜50℃の範囲で温度
を加えることもできる。
【0024】形成された薄膜が、光のあたらない場合に
おいても、親水性の低下を抑え、且つ長期にわたり親水
性を保持させるために、コロイダルシリカを含ませるこ
とができる。コロイダルシリカとしては、平均一次粒子
径が5〜30nmであり、分散溶媒に均一に安定して分
散されているものが好ましい。コロイダルシリカの平均
一次粒子径が5nm未満である場合は、親水性があまり
補完されない。また、30nmを超えるものは、耐摺動
性が低下する傾向にある。ゆえに、前述の範囲であるも
のが良い。さらに酸性コロイダルシリカを用いれば、触
媒としも利用できる。
【0025】コロイダルシリカの分散溶媒としては、特
に限定はされないが、水、エタノール、メタノール、プ
ロパノール等の単独又は、混合溶媒を用いることができ
る。
【0026】また、珪酸化合物の架橋を促進し、耐水性
を向上させる材料としてジルコニウム化合物を加えるこ
ともできる。ジルコニウム化合物としては、酸塩化ジル
コニウム、硫酸ジルコニール、炭酸ジルコニール、水酸
化ジルコニールまたはそれらの水和物よりなる群より少
なくとも1種選ばれる。分散溶媒としては、特に限定は
されないが、水、エタノール、メタノール、プロパノー
ル等の単独又は、混合溶媒を用いることができる。
【0027】ここで、金属アルコキサイド、コロイダル
シリカ、ジルコニウム化合物の配合は、珪素アルコキサ
イド1000重量部に対して、コロイダルシリカを0〜
500重量部、ジルコニウム化合物0〜200重量部の
割合で調整するのが好ましい。コロイダルシリカの配合
量が500重量部を超える場合は、塗膜にした後の耐摺
動性が低下する傾向にある。また、ジルコニウム化合物
の配合量が200重量部を超える場合は、溶液の状態で
架橋が進み、ゲル化が促進され、溶液の安定性を欠く。
ゆえに、前述の範囲内で配合するのが好ましい。
【0028】ここで、金属アルコキサイドの塗布方法と
しては、スプレー方式、ディップ方式、フローコート方
式、カーテンコート方式、スピンコート方式等、公知の
方法が利用できる。比較的大きい面積の基材に関して
は、ディップ方式、フローコート方式、スプレー方式
が、生産性の観点より適している。特にディップ方式、
フローコート方式は、透明性があり、且つ均一にコーテ
ィングが可能である。また、比較的小さい面積の基材に
関しては、スピンコート方式が、透明性があり、且つ均
一にコーティングする方法として適している。さらに、
塗布溶液を循環させる必要がないため、塗布溶液の安定
性も良く、好適に利用できる。各溶液を塗布後、乾燥熱
処理する手法は、公知の手法を用いることができる。好
ましくは、100℃〜500℃の範囲の温度で熱処理す
ることが好ましい。
【0029】本発明の光触媒性薄膜は、光触媒性を十分
発揮し、且つ耐久性を維持させるためには、膜厚が10
〜150nm程度であればよいが、透明性が高く、各種
機能をより効果的に発揮させ、より長期にわたる耐久性
を維持させるためには、50〜100nmが好ましい。
また、薄膜中に含まれる光半導体微粒子の成分比率
は、高い光触媒性を発現するために、重量換算で、70
〜95%であることが好ましい。
【0030】本発明の方法により表面に光触媒性薄膜が
形成される基材としては、建材ガラス、車両用ガラス、
センサーカーバーガラス等のガラス基材や、車両用ミラ
ー等が用いられる。ガラス基材の材質としては、ソーダ
ライムガラス、ホウ珪酸ガラス、石英ガラス等が利用で
きる。特にホウ珪酸ガラス、石英ガラスは、含有アルカ
リ量が少なく、工程中でのアルカリ溶出を少なく抑える
ことができ、好適に利用できる。ミラーとしては、Cr
鏡,Ag鏡,Al鏡や、アモルファスな二酸化珪素や二
酸化チタンを多層に積層したブルー鏡等が利用できる。
特にCr鏡は、耐熱性や耐摩耗性に優れ、好適に利用で
きる。また、車両用ミラーは、表面に金属反射層がある
ものと、裏面に金属反射層があるものがあるが、光触媒
性薄膜を金属反射層と反対側の面に構成できることより
好ましい。また、光触媒性薄膜を反射金属の耐熱温度以
上に加熱する場合は、反射金属の裏面に無機系耐熱塗料
を施すことによって、反射金属の酸化劣化を防ぐことが
できる。
【0031】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
細に説明する。テトラオルガノシランの加水分解・重縮
合物の重量平均分子量(Mw)、数量平均分子量(M
n)は、GPC(ゲルパーミションクロマトグラフフィ
ー)により、標準ポリスチレン換算値として測定した
(東ソー株式会社製:HLC−8120GPCを利
用)。薄膜の表面は、SEM(走査型電子顕微鏡)を用
いて、断面の膜厚は、TEM(透過型電子顕微鏡)を用
いて観察した。また、薄膜の膜厚方向の各成分分布は、
XPS(X線光電子分光分析)を用いて測定した。
【0032】<薄膜の評価> 1)親水性評価 10cm×10cm角に切り出した光触媒性薄膜が形成
された試料を、紫外線ランプ(三共電気製、ブラックラ
イトブルー(BLB)20W蛍光灯)のUV−A領域が
0.5mW/cm2(ウシオ電機製照度計 UIT-150型)
になるように、試料との距離を調整し、試料表面に24
時間、光照射した。その後、試料表面と蒸留水との接触
角を測定(協和界面化学製、CA−X150)し、接触
角の値を初期親水性の評価とした。この際、接触角は、
マイクロシリンジにより同一温度、湿度の環境下で滴下
し、10秒以内に測定した。さらに、暗所に保管し、3
日後、7日後の、試料表面と蒸留水との接触角を測定
し、接触角の値を暗所維持性の評価とした。
【0033】2)分解活性評価 10cm×10cm角に切り出した光触媒性薄膜が形成
された試料を、紫外線ランプ(三共電気製、ブラックラ
イトブルー(BLB)20W蛍光灯)のUV−A領域が
0.5mW/cm2(ウシオ電機製照度計 UIT-150型)
になるように、試料との距離を調整し、試料表面に光照
射した。その後、前記手法と同様にして試料表面と蒸留
水との接触角が10°以下(協和界面化学製、CA−X
150)であることを確認した。次に、自動車用エンジ
ンオイル(トヨタ純正エンジンオイル)を試料の表面に
0.2cc滴下し、室温で1時間放置した後、中性洗剤
を含んだスポンジで水洗浄し乾燥した。乾燥後、BLB
1mW/cm2照射し、1時間毎に、水との接触角を測
定した。分解活性の高さは、1時間辺りの接触角の変化
幅により評価した。1時間辺りの水との接触角の変化が
10゜以上であるものを○、1時間辺りの水との接触角
の変化が5゜以上であるものを△、1時間辺りの水との
接触角の変化が5゜未満であるものを×とした。
【0034】3)耐摺動性評価 10cm×10cm角に切り出した光触媒性薄膜が形成
された試料を、摺動試験機(東洋精機製、ウォッシャビ
リティテスタ)を用い、摺動布(ネル布#300)を試
料表面に接触させ、荷重125g/cm2、1500往
復摺動、摺動スピード30往復摺動/分、ストローク3
00mmの条件で摺動した。摺動後、試料表面を、中性
洗剤を含んだスポンジで水洗浄し、50℃で乾燥してか
ら表面を観察した。評価として○キズなし、△キズ少、
×著しいキズとして3段階とした。
【0035】4)膜硬度評価 膜硬度の指標として、テーバー摩耗試験を用いた。10
cm×10cm角に切り出した光触媒性薄膜が形成され
た透明ガラス試料を、テーバー摩耗試験器(東洋精機
製、ロータリーアブレージョンテスタ 5130ABR
ASER)を用い、摩耗輪(東洋精機製、CF−17
S)を表面に接触させ、荷重250g、テストサイクル
100回の条件で摩耗試験を行った。試験後、試料のヘ
イズ値の試験前からとの変化を測定(ビックケミー・ジ
ャパン製、ヘイズガードプラス)し、評価を、3%未満
○、3%以上4%未満△、4%以上×の3段階とした。
【0036】<実施例1>アナターゼ型二酸化チタン微
粒子分散液(石原産業製 商品名「STS−100」
酸化物換算固形分20重量% 平均一次粒子径10n
m)10重量部、メタノールを58.5重量部、ノルマ
ルプロパノールを31.5重量部加え、酸化物換算固形
分2重量%の光半導体微粒子分散ゾルを準備した。次
に、テトラアルコキシシラン(三菱化学社製 商品名
「MS51」 酸化物換算固形分11重量%)を2.5
4重量部、イオン交換水を5重量部、硝酸を0.3重量
部、エタノールを92.16重量部加え、酸化物換算固
形分0.28重量%の液を調整した。さらにこの液を2
5℃、24時間をマグネチックスターラで混合し、テト
ラアルコキシシランの部分加水分解溶液を準備した。部
分加水分解溶液の加水分解重合物の重量平均分子量(M
w)は約680、数量平均分子量(Mn)は約630で
あった。次に光半導体微粒子分散ゾルを、ソーダライム
ガラス板(100mm×100mm×2mmの基板)に
スピンコートにより成膜した後、120℃で30分間乾
燥し、その後、自然冷却により基材を常温に戻し、光触
媒性を有する層を形成した。さらに、その上に、テトラ
アルコキシシランの部分加水分解溶液を、スピンコート
により成膜した後、450℃、1時間保持で熱処理し、
光触媒性薄膜部材を得た媒性。表面をSEM(走査型電
子顕微鏡)により観察した結果、粒子径10nmの二酸
化チタン微粒子が膜表面に均一に分布していることが確
認できた。また、TEM(透過型電子顕微鏡)により膜
断面を観察した結果、膜厚は、約70nmであった。さ
らに、XPS(X線光電子分光分析)により膜中の深さ
方向の成分比率を観察した結果、二酸化チタンと二酸化
珪素が膜中の深さ方向で、約88:12の比率で均一に
分布していることが確認できた。
【0037】<実施例2>テトラアルコキシシラン(三
菱化学社製 商品名「MS51」 酸化物換算固形分1
1重量%)を3.6重量部、イオン交換水を6重量部、
硝酸を0.36重量部、エタノールを95.64重量部
加え、酸化物換算固形分0.4重量%の液を調整した。
さらにこの液を25℃、24時間をマグネチックスター
ラで混合し、テトラアルコキシシランの部分加水分解溶
液を準備した。加水分解溶液に含まれるテトラアルコキ
シシランの加水分解重合物の重量平均分子量(Mw)は
約680、数量平均分子量(Mn)は約630であっ
た。次に部分加水分解溶液70重量部にコロイダルシリ
カ(日産化学製 商品名「スノーテックスOXS」 酸
化物換算固形分10重量%)0.5重量部、エタノール
29.5重量部を加え、コロイダルシリカの添加された
部分加水分解溶液を得た。次に、実施例1と同様に、ソ
ーダライムガラス板(100mm×100mm×2mm
の基板)に光触媒性を有する層を形成した。さらに、そ
の上に、コロイダルシリカの添加された部分加水分解溶
液をスピンコートにより成膜した後、450℃、1時間
保持で熱処理し、光触媒性薄膜部材を得た。表面を走査
型電子顕微鏡(SEM)により観察した結果、粒子径1
0nmの二酸化チタン微粒子が膜表面に均一に分布して
いることが確認できた。また、透過型電子顕微鏡により
膜断面を観察した結果、膜厚は、約70nmであった。
さらに、XPS(X線光電子分光分析)により膜中の深
さ方向の成分比率を観察した結果、二酸化チタンと二酸
化珪素が膜中の深さ方向で、約85:15の比率で均一
に分布していることが確認できた。
【0038】<実施例3>光触媒性を有する層を形成す
る前に、基材上に中間層を形成した。中間層の形成手順
は、テトラアルコキシシラン(三菱化学社製 商品名
「MS51」 酸化物換算固形分11重量%)を18.
18重量部、イオン交換水を30重量部、硝酸を1.8
重量部、エタノールを51.42重量部加え、酸化物換
算固形分2重量%の液を調整した。さらにこの液を25
℃、24時間をマグネチックスターラで混合し、テトラ
アルコキシシランの部分加水分解溶液を準備した。加水
分解溶液に含まれるテトラアルコキシシランの加水分解
重合物の重量平均分子量(Mw)は、600であった。
次に、部分加水分解溶液を、ソーダライムガラス板(1
00mm×100mm×2mmの基板)にスピンコート
により成膜した後、450℃で30分間乾燥し、その
後、自然冷却により基材を常温に戻し、中間層を形成し
た。その後、中間層の上に、実施例1の処理を行い、光
触媒性薄膜部材を得た。
【0039】<比較例1>テトラアルコキシシラン(コ
ルコート社製 商品名「ES40」 酸化物換算固形分
40重量%)を0.7重量部、イオン交換水を1重量
部、硝酸を0.1重量部、エタノールを98.2重量部
加え、酸化物換算固形分0.28重量%の液を調整し
た。さらにこの液を25℃、24時間をマグネチックス
ターラで混合し、テトラアルコキシシランの部分加水分
解溶液を準備した。部分加水分解溶液の加水分解重合物
の重量平均分子量(Mw)は約280、数量平均分子量
(Mn)は約250であった。次に、実施例1と同様
に、ソーダライムガラス板(100mm×100mm×
2mmの基板)に光触媒性を有する層を形成した。さら
に、部分加水分解溶液を、スピンコートにより成膜した
後、450℃、1時間保持で熱処理し、光触媒性薄膜部
材を得た。
【0040】<比較例2>テトラアルコキシシラン(三
菱化学社製 商品名「MSH4」 酸化物換算固形分1
1重量%)を2.54重量部、イオン交換水を1重量
部、硝酸を0.1重量部、エタノールを96.36重量
部加え、酸化物換算固形分0.28重量%の液を調整し
た。さらにこの液を25℃、24時間をマグネチックス
ターラで混合し、テトラアルコキシシランの部分加水分
解溶液を準備した。部分加水分解溶液の加水分解重合物
の重量平均分子量(Mw)は約1700、数量平均分子
量(Mn)は約1000であった。次に、実施例1と同
様に、ソーダライムガラス板(100mm×100mm
×2mmの基板)に光触媒性を有する層を形成した。さ
らに、部分加水分解溶液を、スピンコートにより成膜し
た後、450℃、1時間保持で熱処理し、光触媒性薄膜
部材を得た。以上の実施例1から3と比較例1、2につ
いて、光触媒性薄膜の膜厚、成分比率、金属アルコキサ
イドの部分加水分解・縮合物の重量平均分子量(M
w)、数量平均分子量(Mn)、その比、添加物、中間
層の有無を表1に、各々の初期親水性、暗所維持性の接
触角の値、分解活性、耐摺動性、膜硬度の評価の結果を
表2にまとめた。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、湿式法において、高い
光触媒性能を有し、且つ耐摺動性、膜硬度に優れる光触
媒性薄膜を有する部材を形成しうる光触媒性部材の製造
方法を提供することが可能となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材表面に光半導体微粒子分散ゾルを
    塗布し、乾燥熱処理し、光触媒性を有する層を形成する
    工程と、金属アルコキサイドをさらにその表面に塗布
    し、乾燥熱処理する工程より成る光触媒性薄膜部材の製
    造方法において、金属アルコキサイドの部分加水分解・
    重縮合物の重量平均分子量(Mw)が300〜1000
    であることを特徴とする光触媒性部材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属アルコキサイドの部分加水分
    解・重縮合物の平均重量分子量(Mw)/平均数量分子
    量(Mn)が1.5以下であることを特徴とする請求項
    1記載の光触媒性部材の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属アルコキサイドがシリコン・
    アルコキサイドであることを特徴とする請求項1、2記
    載の光触媒性部材の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記光半導体微粒子分散ゾルに含まれ
    る光半導体微粒子の粒子径が5〜20nmであることを
    特徴とする請求1〜3記載の光触媒性薄膜部材の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 前記光半導体微粒子分散ゾルに含まれ
    る光半導体微粒子が酸化チタン微粒子である請求1〜5
    記載の光触媒性部材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006265462A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Ishihara Chem Co Ltd 親水防汚コーティング組成物、それを用いた被膜の形成方法及び用途

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JP2006265462A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Ishihara Chem Co Ltd 親水防汚コーティング組成物、それを用いた被膜の形成方法及び用途

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