JP2003283024A - 波長可変レーザ - Google Patents

波長可変レーザ

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JP2003283024A JP2002084254A JP2002084254A JP2003283024A JP 2003283024 A JP2003283024 A JP 2003283024A JP 2002084254 A JP2002084254 A JP 2002084254A JP 2002084254 A JP2002084254 A JP 2002084254A JP 2003283024 A JP2003283024 A JP 2003283024A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 周波数制御を高速に行える、単純な構成の波
長可変レーザを提供する。 【解決手段】 利得媒体1を用いて広域周波数にまたが
った光学エネルギーを発生させ、次に、バンドパスフィ
ルタ3を用いてこの光学エネルギーをフィルタリング
し、結果として得られた狭域な光学エネルギーのスペク
トラムを周期的なエタロンフィルタを用いてフィルタリ
ングし、更に、キャビティ10を用いてこの光学エネル
ギーを共鳴させる。尚、エタロンフィルタ5は、選択可
能な発振モード間において、所望する波長チャネル間隔
と同等な自由スペクトル幅を持ち、レーザキャビティの
1つの縦モードを選択するのに十分に狭い透過ピークを
持つ。また、バンドパスフィルタ3には、ソリッドステ
ートの可変フィルタを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、波長可変レーザに
関し、特に発振周波数を要求する周波数帯域に合わせる
ことが可能な波長可変レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】レーザは、利得媒体を含む光共振器で構
成され、利得を増加させることで発振が得られる。波長
多重光ファイバ通信システムでは、赤外線領域における
50nmから100nm程度の広域な周波数帯域の中
で、所望の1つの周波数で発振させる機能をもつ波長可
変レーザが必要となる。
【0003】所望する単一波長に安定的に制御しつつ波
長を多重化させるような機器において、光学ファイバ通
信用機器で使用される最も一般的な2つの周波数帯に相
当する60nmを越えた広波長領域を効果的に選択でき
ることは、非常に望ましいことである。
【0004】また、発振波長を制御する速度は、実質的
に上記のような機器の動作を妨げないために数ミリ秒以
内であることが要求されている。
【0005】このような制御を可能にするものとして、
例えばSorinによる米国特許第6091744号公
報(以下、従来技術1とする)や、Hamadaによる
米国特許第5970076号公報(以下、従来技術2と
する)の一部や、Inoueによる特開平11−632
26号公報(以下、従来技術3とする)に開示される波
長可変レーザが存在する。
【0006】図1に従来技術1による波長可変レーザの
構成を示す。図1を参照すると、従来技術1では、1つ
の利得媒体と、ファイバブラッグ格子より形成された2
つ以上の反射フィルタと、バンドパスフィルタと、単一
モードの光学ファイバと、を有して構成される。
【0007】この構成において、バンドパスフィルタと
ファイバブラッグ格子との透過特性は制御可能である。
また、レーザ発振は、バンドパス伝送のピークとファイ
バ格子による反射のピークとに一致する周波数で生じ
る。更に、広域なモード制御は異なる狭域周波数帯で相
互に反射する2つ以上のファイバブラッグ格子を用いる
ことで実現される。また、バンドパスフィルタは、ファ
イバブラッグ格子の反射スペクトルを1つ選択的に透過
させるために用いる。ファイバ格子は、その透過特性
を、伝搬チャネルへ接続できる同調範囲以内の所望の周
波数に制御するための用いる。
【0008】ファイバブラッグ格子を可変反射フィルタ
として使用する場合の多くは、上記の方法において、複
雑で高価な2つのフィルタを同時に制御しなければなら
ないという問題が存在する。ファイバブラッグ格子特性
が一定であるとすると、上記の方法では、所望の波長チ
ャネル数だけのファイバブラッグ格子が必要となるた
め、共振器が長くなるために装置が大型化し、且つ高価
なものとなる。
【0009】次に、従来技術2による波長可変レーザの
構成を図2に示す。図2を参照すると、波長可変レーザ
は、1つの利得媒体と、回折格子と、を有して構成され
る。
【0010】この構成において、波長選択は、反射格子
を機械的に回転させることで達成される。即ち、回折格
子を回転させることで、回折格子の反射ピーク波長を制
御する。
【0011】このような構成の問題点は、制御を実現す
るために大きな機械的構成が必要となることである。即
ち、従来技術2を実現するためには、回折格子の回転角
度をフィードバックする構成や複雑で高価な制御装置が
必要となる。また、制御を機械的構成で行うと、機械的
安定性と信頼性とが関係してくるため、制御に要する時
間に数ミリ秒のオーダが必要となり遅くなる。
【0012】更に、上記した従来技術3による波長可変
レーザは、AOTF(Accousto−Optica
l Tunable Filter)と利得媒体とから
構成される。AOTFを透過する多くの発振モードを減
じるために利得媒体の端面に反射率を持たせ、その反射
リップルを利用して一つの発振モードを選択する。
【0013】この従来技術3における問題点は、反射リ
ップルを所望する周波数に適合させることが極端に困難
であることや、AOTFがドップラー周波数シフトを生
じるために、レーザ発振が不安定化することにある。
【0014】また、上記した従来技術の他の装置として
は、例えば可変フィルタとエルビウムがドープされたフ
ァイバ増幅器とを含むファイバリングレーザ等が存在す
るが、これらは利得の応答が遅く、波長切替えに数ミリ
秒のオーダという比較的長い時間を要してしまう。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このような現状におい
て、マルチモード発振がきびしく抑制された単一モード
のレーザ装置における安定性が要求されている。周波数
分割多重機器(上述の光ファイバ通信用機器)では、例
えば30から60nmの可変帯域と数十pm程度の発振
波長の精度とが要求されている。
【0016】単一のレーザ発振波長は、広域周波数領域
の中から多くの特定の周波数を、十数ミリ秒以内のオー
ダで正確に選択できなければならない。加えて、制御機
構は、コスト面を考慮して、簡単で且つできるだけ周波
数制御のためのフィードバック構成を必要としないもの
でなければならない。
【0017】従って、本発明は、周波数制御を高速に行
える、単純な構成の波長可変レーザを提供することを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】係る目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、2つの反射面により形成さ
れた共鳴領域を有する波長可変レーザであって、光を生
成し増幅する利得媒体と、該利得媒体で生成された光の
第1の所定波長領域を透過させる第1のフィルタと、該
第1のフィルタを透過したレーザ光の第2の所定波長領
域を透過させる第2のフィルタと、を有し、前記第1の
フィルタが、前記第1の所定透過領域を調整できる可変
フィルタであり、前記第2のフィルタが、前記第2の所
定透過領域が周期的に配列されたフィルタであることを
特徴としている。
【0019】これにより、本発明では、周波数制御を高
速に行える、単純な構成の波長可変レーザを提供するこ
とができる。
【0020】更に、請求項2記載の発明は、上記の波長
可変レーザにおいて、前記第1のフィルタが、音響光学
素子で構成されることを特徴としている。
【0021】これにより、本発明では、表面弾性により
透過領域が可変なフィルタを用いて構成することが可能
となる。
【0022】更に、請求項3記載の発明は、上記の波長
可変フィルタにおいて、前記第1のフィルタが、ドップ
ラーシフトを相殺するように2段構成となっていること
を特徴としている。
【0023】これにより、本発明では、往復により生じ
るドップラーシフトを相殺することが可能となる。
【0024】更に、請求項4記載の発明は、上記の波長
可変レーザにおいて、前記第2のフィルタが、前記レー
ザ光の導波路に対して所定角度の傾きを有することを特
徴としている。
【0025】これにより、本発明では、例えばITUグ
リッドで規定されている波長を透過させるように第2の
フィルタを調節することが可能となる。
【0026】更に、請求項5記載の発明は、上記の波長
可変レーザにおいて、前記利得媒体が、エルビウムがド
ープされたLiNbOより成ることを特徴としてい
る。
【0027】これにより、本発明では、半導体素子を使
用することなく利得媒体を形成することが可能となる。
【0028】更に、請求項6記載の発明は、上記の波長
可変レーザにおいて、前記利得媒体が、半導体素子で形
成されることを特徴としている。
【0029】これにより、本発明では、利得媒体を比較
的導波路方向に関して短く構成でき、また、利得媒体の
レスポンスを高速にすることが可能となる。
【0030】更に、請求項7記載の発明は、上記の波長
可変レーザにおいて、前記利得媒体及び/又は前記第1
のフィルタが、前記レーザ光の導波路に対して所定角度
の傾きを有することを特徴としている。
【0031】これにより、本発明では、利得媒体及び/
又は第1のフィルタにおいて複合共振器が形成すること
を防止できる。
【0032】更に、請求項8記載の発明は、上記の波長
可変レーザにおいて、前記利得媒体と前記第1のフィル
タとが同一のプラットホーム上に形成されることを特徴
としている。
【0033】これにより、本発明では、利得媒体と第1
のフィルタとが集積される具体的構成を提供することが
可能となる。
【0034】更に、請求項9記載の発明は、上記の波長
可変レーザにおいて、前記2つの反射面の一方又は両方
が、前記利得媒体の一方の面及び/又は前記第1のフィ
ルタの一方の面上に形成されることを特徴としている。
【0035】これにより、本発明では、反射面と利得媒
体又は第1のフィルタとを同一構成として形成すること
が可能となるため、キャビティ長をより縮小することが
可能となる。
【0036】更に、請求項10記載の発明は、上記の波
長可変レーザにおいて、前記利得媒体から最も離れた位
置に、前記第2のフィルタと前記2つの反射面の一方を
形成する第1の反射鏡とが配置され、前記波長可変レー
ザの出力が、前記第1の反射鏡と異なる第2の反射鏡か
ら抽出されることを特徴としている。
【0037】これにより、本発明では、第2のフィルタ
を介した光の強度と、これを介さない光の強度との差を
明確化することが可能となるため、所望するレーザ光を
明確に出力させることが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明を説明するにあたり、その
原理について先に述べる。
【0039】本発明は、光学周波数の広帯域にまたが
り、レーザ共鳴装置の単一の縦光学モードを高速に選択
するための波長可変レーザを提供するものである。
【0040】所望でない周波数での発振が強く抑制され
る単一モード制御は、利得媒体を用いて広域周波数にま
たがった光学エネルギーを発生させ、次に、第1の光学
バンドパス伝送フィルタ(以下、第1のバンドパスフィ
ルタと略す)を用いてこの光学エネルギーをフィルタリ
ングし、結果として得られた狭域な光学エネルギーのス
ペクトラムを周期的な第2の光学バンドパス伝送フィル
タ(以下、第2のバンドパスフィルタと略す)を用いて
フィルタリングし、更に、共鳴装置のキャビティを用い
てこの光学エネルギーを共鳴させることで実現される。
尚、第2のバンドパスフィルタは、所望する波長チャネ
ル間隔と同等な自由スペクトル領域を持ち、レーザキャ
ビティの1つの縦モードを選択するのに十分に狭い透過
ピークを持つものである。また、レーザ発振は、共鳴装
置のキャビティに上述した構成要素を設け、これらを光
学的に結合することで実現される。尚、上記した2つの
バンドパスフィルタは、ソリッドステートの可変フィル
タを用いる。
【0041】従来のバンドパスフィルタが用いられた波
長可変レーザにおける1つの縦モードの選択性は、隣接
する縦モードの間隔と、そのバンドパスフィルタの透過
ピークの鋭さと、に依存する。実際上、透過ピークが利
用できる程度に鋭く、且つ波長可変できるバンドパスフ
ィルタは限られている。そこで本発明では、可能な限り
透過半値幅が狭い透過フィルタを第2のバンドパスフィ
ルタとして用いることにより、鋭い透過特性を得る。ま
た、本発明では、隣接する縦モードの間隔が増加するよ
うにできるだけキャビティの長さを縮小し、これによ
り、2つの隣接する縦モード間隔を広げて損失差を増加
させる。
【0042】上述した波長可変レーザにおける利得媒体
には、半導体光学増幅器(SOA:Semicondu
ctor Optical Amplifier)等を
適用することができる。また、第1のバンドパスフィル
タには、音響光学素子であるAOTF(Accoust
o−Optical Tunable Filter)
等を適用することができ、また、第2のバンドパスフィ
ルタには、ファブリ−ペロー・エタロン・フィルタ(以
下、FPエタロンフィルタという)等を適用することが
できる。これらの構成要素は、2つの反射面間に形成さ
れるキャビティにおける導波路上に設けられる。尚、上
記の2つの反射面の内、少なくとも一方は、出力のため
に半反射鏡が適用される。但し、この半透過鏡の透過率
は、必要に応じて種々変形されるものである。
【0043】FPエタロンフィルタにおける透過ピーク
の周波数は、ITU(International T
elecommunications Union)グ
リッドの仕様で規格された特定の周波数にマッチするよ
う設計配置される。この結果、周波数ロッカーのような
フィードバック構成を有する周波数制御回路を必要とせ
ずに、正確な周波数のレーザ光を出力させることが可能
となる。
【0044】以上のような構成を有することで、本発明
では、他の縦モードが強く抑制された単一モードを出力
として得られ、且つ、出力させるレーザ光の周波数を高
速に選択することが可能となる。これは、光ファイバを
除去することでレーザ装置のキャビティ長が縮小された
結果として、並びに、狭域の透過ピークを持つ周期的な
フィルタ(FPエタロンフィルタ)を用いた結果として
得られる効果である。尚、第1のバンドパスフィルタに
は、チューナブルであり、また、要求する周波数以外の
周期的な透過ピークでの発振を抑制するものが用いられ
る。加えて、第2のバンドパスフィルタとして、ITU
グリッドに正確にマッチする所望の周波数ピークを有す
るものを用いることで、ITUグリッドにおいて規格さ
れた周波数へ容易且つ高速に制御することが可能とな
る。
【0045】以下、本発明を好適に実施した形態につい
て、図面を用いて詳細に説明する。
【0046】本発明の実施例について以下に図面を用い
て詳細に説明する。図3は、本実施例による波長可変レ
ーザの概略を示すブロック図である。
【0047】図3を参照すると、本実施例による波長可
変レーザでは、2つの反射面(半透過鏡2,反射鏡6)
間にレーザ共振器となるキャビティ10が形成される。
尚、この2つの反射面の内、少なくとも一方には、キャ
ビティ10からレーザ光を取り出すための構成として、
半透過鏡(2)が使用される。また、半透過鏡2の出力
側には、単一モードの光ファイバが結合される。
【0048】キャビティ10内には、光学エネルギーを
発生させるための利得媒体1と、ソリッドステートのチ
ューナブルなバンドパスフィルタ3と、が設けられる。
利得媒体1内の半導体光学増幅器(SOA)において発
生する光学エネルギーは、100nm程の典型的に広域
な周波数領域以上に広く分布する。バンドパスフィルタ
3は、上述における第1のバンドパスフィルタであり、
機械的構成を必要とせずにその透過特性を制御できるも
のを用いる。また、バンドパスフィルタ3は、図5
(b)に示すように、比較的に広い透過特性を持つもの
である。尚、上記の光ファイバの延長上に、レーザ光の
パワーをモニタリングする構成を設け、この結果に基づ
いて利得媒体1の利得を制御するよう構成するとよい。
【0049】更にキャビティ内には、第3の基本構成と
して、周期的に配列された狭域の透過ピークを数多く持
つフィルタ(エタロンフィルタ5)が第2のバンドパス
フィルタとして設けられる。このエタロンフィルタ5
は、図5(c)に示すように、周期的に隔てられた高い
透過ピークを持つものである。
【0050】また、キャビティ10内に設けられた上記
全ての光学要素は、キャビティ10を構成する反射面
(半透過鏡2,反射鏡6)に挟まれた領域であって、共
鳴を生じさせる光路7上に位置される。
【0051】周波数コントローラ4は、所望の発振周波
数を選択するために、バンドパスフィルタ3の透過特性
を制御する。また、図4に示すように、波長可変レーザ
の一方の端(レーザ光の出力側)に、出力されたレーザ
光を変調させるための強度変調器8を設けても良い。こ
れにより、データ信号を変調させることが可能となる。
【0052】キャビティ10内でのレーザ発振は、後述
する2つの条件を同時に満たす周波数でのみ生じる。第
1の条件は、往復により生じる波長の位相変化量が36
0度の倍数となることである。これは、レーザ発振を得
るために必要な条件である。
【0053】満足すべき第2の条件は、波長を往復させ
ることにより与えられる全損失と全利得とが、基本的に
同等量となることである。レーザ発振は主に、往復によ
る損失が最も小さい周波数の周りに生じる。
【0054】これらの条件により許可される縦モード
は、図5(d)に示すように、複数のスペクトルの重な
りになる。例えば長さLのキャビティが屈折率nの均一
な媒質で満たされているとすると、隣接する縦モード間
の周波数間隔fdは、c/(2nL)となる。ここで、
cは真空中での光の速さである。
【0055】従って、fd=c/(2nL)の関係か
ら、長さLが増加するにつれて周波数間隔fdが狭くな
るため、従来の波長可変型のバンドパスフィルタでは短
い素子長で1つの縦モードを選択することが困難であ
る。これに対し本実施例では、波長可変型バンドパスフ
ィルタの透過帯域は比較的広くてよいため、短い素子長
でよく、キャビティ10の長さLを可能な限り短くする
ことが出来る。
【0056】図5(a)は、光学的なフィードバック構
成を用いていない利得媒体1での典型的な利得スペクト
ラムを示す図である。但し、本説明における利得媒体1
には、MQW(Multiple−Quantum W
ell)半導体が用いられているものとする。
【0057】図5(a)中、破線は、往復による損失を
伴うレーザ装置において、レーザ発振のために要求され
る最小の利得の例を示す。また、この破線に相当する値
は、レーザ発振する条件となるしきい値となる。即ち、
図5(a)中、利得がしきい値以上となる周波数領域で
は、レーザ発振を制御することができる。
【0058】本実施例は、上述したような2つのフィル
タ(バンドパスフィルタ3,エタロンフィルタ5)を用
いて縦モードの往復による損失の周波数依存性を調整す
ることで、発振により生じるレーザ光の周波数を制御す
る。これにより、本実施例では、縦モードの多くが図6
(a)に示すようにエネルギーを競い始めてしまうとい
う問題が回避される。尚、キャビティ10内での損失に
差を持たせる構成がない場合、通常、縦モードの多くが
図6(a)に示すようにエネルギーを競い始めてしま
う。
【0059】利得媒体1で得られるスペクトラムにおけ
る不要な縦モードが強く抑制されたレーザ装置に対して
単一モード制御を行うためには、縦モード同士で十分大
きな損失差を持たせることが要求される。これは、特に
隣接する光学縦モード間に要求される。
【0060】また、隣接する縦モードが抑制される程度
は、副モード抑制比(Side−Mode Suppr
ession Ratio:SMSR)として表され
る。このSMSRは、縦モード間の最小の損失差に関係
するものである。この理論は、McIlroyによる
『IEEE Journal of Quantum
Electronics, vol.26 no.6』
(以下、文献1とする)において開示されている。尚、
文献1によれば、隣接する縦モード間の損失差が1dB
あれば、40dB以上のSMSRが得られるとしてい
る。しかしながら、縦モードが密集している場合、文献
1に対して、例えば100nmの波長可変幅を有し、1
GHzのモード間隔に対して1dBの損失差を有する短
い単一の波長可変フィルタを適用することが困難であ
る。
【0061】これに対し、本実施例ではフィルタへの要
求を軽減するために、2つのタイプのフィルタが用いら
れている。1つは周期的なフィルタであるエタロンフィ
ルタ5であり、この典型的な特性を図5(c)に示す。
エタロンフィルタ5は、狭い透過ピークが容易に実現さ
れる狭い透過帯域幅を有する。このため、本実施例で
は、略5cm又はそれ以下の短いキャビティ長であれ
ば、隣接する縦モード間の損失差が1dBで、フィネス
が約20の領域を持つFPエタロンフィルタをエタロン
フィルタ5として用いることができる。
【0062】エタロンフィルタ5の自由スペクトル領域
は、ITUグリッドで規定される周波数間隔に概してセ
ットされる。尚、望ましくは、ITUグリッドで規定さ
れた周波数に完全に一致させた方がよい。周波数間隔の
典型的な値としては、100GHz又は50GHz、波
長に換算すると約0.8nm又は約0.4nmである。
エタロンフィルタ5には、エアギャップタイプのエタロ
ンを使用できる。また、選択した周波数以外での発振を
避けるためには、バンドパスフィルタ3が少なくとも利
得媒体1の利得幅以上の波長可変幅を持つことが要求さ
れる。但し本実施例では、バンドパスフィルタ3の透過
特性への要求が軽減されている。この理由は、損失差が
0.4nm若しくは0.8nm離れた周波数間に対して
要求されるためである。このバンドパスフィルタ3の透
過特性の例を図5(b)に示す。
【0063】上述のような光学的構成要素を有すること
で、本実施例では1つの縦モードを選択することが可能
となる。第2のバンドパスフィルタであるエタロンフィ
ルタ5により透過させる縦モードのスペクトラムを選択
することが可能となるためである。これを図6(c)に
示す。この結果、多くの縦モードが減じられ、このエタ
ロンフィルタ5の透過ピークの間隔が広いため、バンド
パスフィルタ3の帯域幅は、相対的に広域でもよい。ま
た、本実施例による構成を光学的フィードバック構成を
有する光学共鳴装置に適用した場合に得られる光学モー
ドのスペクトラムを図6(d)に示す。
【0064】上述において、チューナブルなバンドパス
フィルタ3には、AOTFが適用される。但し、AOT
Fは、光学出力と弾性表面波(SAW)との相互作用に
より透過特性を変化させる光学フィルタである。また、
AOTFに印加されるSAWは、LiNbOのよう
な、複屈折物質に設けられた電極にラジオ周波数(R
F)を印加することによって発生される。また、発生さ
れたSAWは、AOTF(バンドパスフィルタ3)を導
波路方向に沿って伝達する。このとき、バンドパスフィ
ルタ3内部の導波路において光の偏波の回転が生じる。
この偏向は、SAWの周波数に関係した周波数の中心付
近において生じる。偏光分離フィルタを用いることで、
周波数帯域を入力から第1の導波路の出力方向へ導き、
また、残った出力を第2の導波路の出力方向へ導くこと
が可能となる。
【0065】モード選択は、SAWの周波数を変えるこ
とにより高速に制御することができる。但し、周波数を
#1から#2へ切り換える際の手順では、#1を開放す
る前に、AOTFの透過特性が双方の波長に合わせられ
る。これは、AOTFのユニークな特性の一面であり、
2つのRF波を重ねることができることを利用してい
る。この構成によれば、制御中に中間の波長で発光する
ことを防止でき、更に、制御速度を向上させることがで
きる。
【0066】しかしながら、バンドパスフィルタ3とし
てAOTF14を使用することは、伝達するSAWの使
用により生じる固有の問題を抱えている。即ち、SAW
の速度は、光学的周波数におけるドップラーシフトを引
き起こす。そこで本実施例では、2つの等価のAOTF
素子を接続して使用することで、周波数のドップラーシ
フトを排除し、これにより、一定の出力制御性が得られ
るよう構成する。
【0067】ここで、SAWが光波と同一の方向に伝播
する場合、ドップラーシフトは、TE偏向モードからT
M偏向モードへの変換の際に正方向へ生じる。これに対
して、TM偏向モードからTE偏向モードへの変換の際
には負方向へ生じる。また、光波とSAWとが逆の方向
に伝播する場合、それぞれの変換におけるドップラーシ
フトは上述の逆方向となる。
【0068】また、本実施例のより具体的構成を図7
(a),(b)に示す。但し、本具体例において、エタ
ロン17は可能な限り反射面(反射鏡18)の近傍に設
けられる。そこで、図7(b)のように、エタロン17
がAOTF14に面するように構成された場合、SOA
15の一方の面には、半透過鏡23が直接設けられる。
これに対し、SOA15がエタロン17とAOTF14
とに挟まれるよう構成された場合、図7(a)に示すよ
うに、AOTF14の一方の面には半透過鏡13が直接
設けられる。
【0069】AOTF14のバンドパス特性の切り替え
速度は、SAWが相互作用領域の端から端まで伝播する
時間と関連している。この時間は、10μsまで短縮す
ることができる。これにより、迅速な周波数切り換えが
可能となる。
【0070】反射面(反射鏡18,半透過鏡13/2
3)の間に形成されるキャビティからレーザ光を出力す
るためには、少なくとも一方の反射面を半透過鏡(13
/23)とする必要がある。
【0071】高性能の波長可変レーザは、キャビティ全
体における損失の削減が要求されるが、損失の主な要因
は結合損失である。スポットサイズを一致させるために
増幅器(SOA15)及びAOTF14の双方に設けら
れたスポットサイズ変換器は、結合損失を削減するのに
適している。
【0072】不要な反射が存在する場合、SOA15の
利得特性に非常に大きな格差を生じさせるが、図7
(a)に示す本実施例はこのような問題を解決する。S
OA15の両面には、図7(a)に示すように、無反射
(AR)コーティングがなされることで、無反射一面出
力構成となる。
【0073】また、図7(b)に示す例では、SOA1
5がエタロン17から可能な限り離れた場所に配置され
ている。そして、低反射コーティング又はへき開面がS
OA15側の一方の面に形成され、他の一方の面にAR
コーティングがなされている。これにより、第2のフィ
ルタ(エタロン17)を透過してから反射鏡18で反射
して戻る光と、エタロン17から反射した光とがSOA
15に混入することを防ぐことができる。
【0074】SOA15又はAOTF14とこれ以外と
を結合する部分に、上述のようなレンズ(コリメータ1
2,16)を用いることで、キャビティ長を更に短く
し、また、波長可変レーザをさらにコンパクトにするこ
とができる。尚、SOA15又はAOTF14とこれ以
外とを結合する部分とを、付け合わせ構造(Butt−
Coupled構造)とすることで、コリメータレンズ
を省略し、キャビティ長を更に縮減することも可能であ
る。
【0075】また、SOA15とAOTF14との向か
い合う面に所定の角度をセッティングすることで、SO
A15とAOTF14とをより接近させることが可能と
なる。この所定の角度とは、SOA15とAOTF14
との間を伝播するレーザ光の導波路に対する、SOA1
5の出力面とAOTF14の出力面との角度が同等とな
る角度である。これは、図8に示すように、相互の出力
面を平行とすることで解決される。
【0076】第2のキーとなる解決課題は、キャビティ
における反射面間の不要な反射を取り除くことである。
これは、SOA15の面を導波路に対して傾かせること
と、エタロン17を微小に傾けることとで解決される。
尚、これら全ての面には、ARコーティングがなされ
る。
【0077】上述した本実施例は、特にSOA15近辺
における不均一な利得を減じるために、反射が最小限に
抑えられたAOTF14に結合されるSOA15の一方
の面を、先細とし、且つ、ARコーティングが施された
窓構造とし、更に、これを導波路に対して傾きを持たせ
た構造としている。図9は、先が細く、窓構成を有し、
SOA15の出力面の通常軌道に対して導波路が傾いて
いる、SOA15の無反射面(26,27)の好適な構
成を示す図である。
【0078】波長可変レーザの安定性を向上させるため
には、共通の基板等のプラットホームに全て上記の構成
要素を設ける必要がある。
【0079】更に、AOTF14の材料としても使用で
きる材質である微小なドープがなされたライトガイドを
用いることで、より一層、波長可変レーザを集積するこ
とが可能となる。この材質の例としては、エルビウムが
ドープされたLiNbOが挙げられる。図10にこの
ように構成した場合の例を示す。
【0080】上述した実施例の具体的構成を図7(b)
を用いて説明する。図7(b)において、利得媒体(S
OA15)は、MQW構造を有する導波路より形成され
る。SOA15における導波路(アクティブライトガイ
ド25)の詳細な構成は、図9に示す。SOA15にお
いて、一方の面は略10%の低反射(LR)コーティン
グがなされ、もう一方の面はARコーティングがなされ
る。また、ARコーティングがなされた面はAOTFに
結合される。窓構成は、先端になるにつれ細くなり、略
25μmの長さを持ち、また、その傾きは10度であ
る。これにより、出力面へ延びるライトガイドの幅が縮
小される。このようなコーティングされた窓構成の反射
率は10−6桁である。尚、SOA15内部での利得
は、200mAの電流で30dBであった。
【0081】AOTF14は、長さが略2cmであり、
ドップラーシフトを補うために、図7(b)に示すよう
に、2ステージの構成とされている。また、SOA15
とAOTF14との間には、結合部が設けられる。但
し、AOTF15はコリメータを有さない。
【0082】エタロン17には、100GHzの自由ス
ペクトル領域とフィネスが15とを持つエタロンが用い
られ、コリメータ12,16には、焦点距離が2mmで
ある一般的なレンズが用いられる。反射鏡18は、14
00nmから1720nmの波長領域に対して98%以
上の反射率を持ち、材質がTiOであるものを用い
る。反射鏡18と半透過鏡13,23との間に形成され
るキャビティ全体の長さは5cmであり、その構成要素
は導波路上に配置されている。
【0083】図11は、本実施例の波長可変レーザに関
して、異なるレーザ波長で得られる典型的なスペクトラ
ムを示すグラフである。尚、図11は、1480nmか
ら1530nmの波長に関して示しており、その可変領
域を50nmとしている。図11によれば、本実施例に
よる波長可変レーザでは、3ミリワット以上の出力が得
られる。また、ノイズの相対強度(RIN)は、7.5
GHzの周波数において、−140dB/Hz以下の良
好な値となった。また、副モード抑制比(SMSR)は
40dBよりも良好な値となった。
【0084】また、上記した各実施例は、本発明を好適
に実施した形態の一例に過ぎず、本発明は、その主旨を
逸脱しない限り、種々変形して実施することが可能なも
のである。
【0085】(付記1)2つの反射面により形成された
共鳴領域を有する波長可変レーザであって、レーザ光を
生成する利得媒体と、該利得媒体で生成されたレーザ光
の第1の所定波長領域を透過させる第1のフィルタと、
該第1のフィルタを透過したレーザ光の第2の所定波長
領域を透過させる第2のフィルタと、を有し、前記第1
のフィルタは、前記第1の所定透過領域を調整できる可
変フィルタであり、前記第2のフィルタは、前記第2の
所定透過領域が周期的に配列されたフィルタであること
を特徴とする波長可変レーザ。
【0086】(付記2)付記1記載の前記波長可変レー
ザにおいて、前記第1のフィルタは、音響光学素子で構
成されることを特徴とする波長可変レーザ。
【0087】(付記3)付記2記載の前記波長可変レー
ザにおいて、前記第1のフィルタは、ドップラーシフト
を相殺するように2段構成となっていることを特徴とす
る波長可変レーザ。
【0088】(付記4)付記1から3の何れか1項に記
載の前記波長可変レーザにおいて、前記2つの反射面
は、少なくとも前記利得媒体で生成されるレーザ光の波
長を反射させることを特徴とする波長可変レーザ。
【0089】(付記5)付記1から4の何れか1項に記
載の前記波長可変レーザにおいて、前記第2のフィルタ
は、前記レーザ光の導波路に対して所定角度の傾きを有
することを特徴とする波長可変レーザ。
【0090】(付記6)付記1から5の何れか1項に記
載の前記波長可変レーザにおいて、前記利得媒体は、エ
ルビウムがドープされたLiNbOより成ることを特
徴とする波長可変レーザ。
【0091】(付記7)付記6記載の前記波長可変レー
ザにおいて、前記利得媒体は、前記第1のフィルタに集
積されていることを特徴とする波長可変レーザ。
【0092】(付記8)付記1から5の何れか1項に記
載の前記波長可変レーザにおいて、前記利得媒体は、半
導体素子で形成されることを特徴とする波長可変レー
ザ。
【0093】(付記9)付記8記載の前記波長可変レー
ザにおいて、前記利得媒体は、前記レーザ光のスポット
サイズを変換する第1のスポットサイズコンバータを有
することを特徴とする波長可変レーザ。
【0094】(付記10)付記8又は9記載の前記波長
可変レーザにおいて、前記利得媒体と前記第1のフィル
タとが付け合わせ構造で接合されることを特徴とする波
長可変レーザ。
【0095】(付記11)付記8から10の何れかに記
載の前記波長可変レーザにおいて、前記利得媒体及び/
又は前記第1のフィルタは、前記レーザ光の導波路に対
して所定角度の傾きを有することを特徴とする波長可変
レーザ。
【0096】(付記12)付記11記載の前記波長可変
レーザにおいて、前記利得媒体の接合面と前記第1のフ
ィルタの接合面とは、平行に配置されることを特徴とす
る波長可変レーザ。
【0097】(付記13)付記2から12の何れかに記
載の前記波長可変レーザにおいて、前記第1のフィルタ
は、前記レーザ光のスポットサイズを変換する第2のサ
イズコンバータを有することを特徴とする波長可変レー
ザ。
【0098】(付記14)付記2から12の何れか1項
に記載の前記波長可変レーザにおいて、前記利得媒体と
前記第1のフィルタとが同一のプラットホーム上に形成
されることを特徴とする波長可変レーザ。
【0099】(付記15)付記1から14の何れか1項
に記載の前記波長可変レーザにおいて、前記2つの反射
面の一方又は両方は、前記利得媒体の一方の面及び/又
は前記第1のフィルタの一方の面上に形成されることを
特徴とする波長可変レーザ。
【0100】(付記16)付記8から15の何れか1項
に記載の前記波長可変レーザにおいて、前記利得媒体
は、窓構造を有することを特徴とする波長可変レーザ。
【0101】(付記17)付記1から16の何れか1項
に記載の前記波長可変レーザにおいて、前記第2のフィ
ルタは、前記反射面の何れか一方の近接する位置に設け
られることを特徴とする波長可変レーザ。
【0102】(付記18)付記1から17の何れか1項
に記載の前記波長可変レーザにおいて、前記利得媒体か
ら最も離れた位置に、前記第2のフィルタと前記2つの
反射面の一方を形成する第1の反射鏡とが配置され、前
記波長可変レーザの出力は、前記第1の反射鏡と異なる
第2の反射鏡から抽出されることを特徴とする波長可変
レーザ。
【0103】(付記19)付記1から18の何れか1項
に記載の前記波長可変レーザにおいて、前記波長可変レ
ーザの出力端に設けられ、該波長可変レーザのレーザ出
力の強度をモニタリングする強度検出手段と、該強度検
出手段により検出された前記レーザ出力の強度に基づい
て、前記利得媒体の注入電流を制御する利得制御手段
と、を有することを特徴とする波長可変レーザ。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、周波数制御を高速に行える、単純な構成の
波長可変レーザを提供することができる。
【0105】更に、請求項2記載の発明によれば、SA
Wにより透過領域が可変なフィルタを用いて構成するこ
とが可能となる。
【0106】更に、請求項3記載の発明によれば、往復
により生じるドップラーシフトを相殺することが可能と
なる。
【0107】更に、請求項4記載の発明によれば、例え
ばITUグリッドで規定されている波長を透過させるよ
うに第2のフィルタを調節することが可能となる。
【0108】更に、請求項5記載の発明によれば、半導
体素子を使用することなく利得媒体を形成することが可
能となる。
【0109】更に、請求項6記載の発明によれば、利得
媒体を比較的導波路方向に関して短く構成でき、また、
利得媒体のレスポンスを高速にすることが可能となる。
【0110】更に、請求項7記載の発明によれば、利得
媒体及び/又は第1のフィルタにおいて複合共振器が形
成することを防止できる。
【0111】更に、請求項8記載の発明によれば、利得
媒体と第1のフィルタとが集積される具体的構成を提供
することが可能となる。
【0112】更に、請求項9記載の発明によれば、反射
面と利得媒体又は第1のフィルタとを同一構成として形
成することが可能となるため、キャビティ長をより縮小
することが可能となる。
【0113】更に、請求項10記載の発明によれば、第
2のフィルタを介したレーザ光の強度と、これを介さな
いレーザ光の強度との差を明確化することが可能となる
ため、所望するレーザ光を明確に出力させることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術1による波長可変レーザの構成を示す
ブロック図である。
【図2】従来技術2による波長可変レーザの構成を示す
ブロック図である。
【図3】本発明の実施例による波長可変レーザの構成を
示すブロック図である。
【図4】図3の構成例の他の構成例を示すブロック図で
ある。
【図5】(a)は利得媒体1による利得を説明するため
のグラフであり、(b)はバンドパスフィルタ3の透過
特性を示すブラフであり、(c)はエタロンフィルタ3
の透過特性を示すグラフであり、(d)は縦モードのス
ペクトラムを説明するための図である。
【図6】(a)は利得媒体1で増幅される縦モードのス
ペクトラムを説明するためのグラフであり、(b)はバ
ンドパスフィルタ3を透過する縦モードのスペクトラム
を説明するブラフであり、(c)はエタロンフィルタ3
の透過する縦モードのスペクトラムを説明するグラフで
あり、(d)は得られるレーザ出力を説明するためのグ
ラフである。
【図7】(a)は本発明の実施例による波長可変レーザ
の具体的構成を示す図であり、(b)は(a)の他の具
体的構成を示す図である。
【図8】図7(a)又は(b)におけるSOA15・A
OTF14間の構成を説明するための拡大図である。
【図9】SOA15の構成を示す図である。
【図10】AOTF14の他の具体的構成を示す図であ
る。
【図11】本発明の実施例における具体的構成より得ら
れる出力値を示すグラフである。
【符号の説明】
1 利得媒体 2、13、23 半透過鏡 3 バンドパスフィルタ 4 周波数コントローラ 5 エタロンフィルタ 6、18 反射鏡 7 導波路 8 周波数変調器 10 キャビティ 11 光ファイバ 12、16 コリメータ 14 AOTF 15 SOA 17 エタロン 25 アクティブライトガイド 26、27 無反射面 31 エルビウムドープ領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高林 和雅 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 中澤 忠雄 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 橋本 直樹 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 尾中 寛 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 小滝 裕二 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H048 GA13 GA51 5F072 AB13 AB20 HH05 JJ05 JJ20 KK08 KK30 SS01 SS10

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの反射面により形成された共鳴領域
    を有する波長可変レーザであって、 レーザ光を生成する利得媒体と、 該利得媒体で生成されたレーザ光の第1の所定波長領域
    を透過させる第1のフィルタと、 該第1のフィルタを透過したレーザ光の第2の所定波長
    領域を透過させる第2のフィルタと、を有し、 前記第1のフィルタは、前記第1の所定透過領域を調整
    できる可変フィルタであり、前記第2のフィルタは、前
    記第2の所定透過領域が周期的に配列されたフィルタで
    あることを特徴とする波長可変レーザ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の前記波長可変レーザにお
    いて、 前記第1のフィルタは、音響光学素子で構成されること
    を特徴とする波長可変レーザ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の前記波長可変フィルタに
    おいて、 前記第1のフィルタは、ドップラーシフトを相殺するよ
    うに2段構成となっていることを特徴とする波長可変フ
    ィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項1から3の何れか1項に記載の前
    記波長可変レーザにおいて、 前記第2のフィルタは、前記レーザ光の導波路に対して
    所定角度の傾きを有することを特徴とする波長可変レー
    ザ。
  5. 【請求項5】 請求項1から4の何れか1項に記載の前
    記波長可変レーザにおいて、 前記利得媒体は、エルビウムがドープされたLiNbO
    より成ることを特徴とする波長可変レーザ。
  6. 【請求項6】 請求項1から4の何れか1項に記載の前
    記波長可変レーザにおいて、 前記利得媒体は、半導体素子で形成されることを特徴と
    する波長可変レーザ。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の前記波長可変レーザにお
    いて、 前記利得媒体及び/又は前記第1のフィルタは、前記レ
    ーザ光の導波路に対して所定角度の傾きを有することを
    特徴とする波長可変レーザ。
  8. 【請求項8】 請求項2から7の何れか1項に記載の前
    記波長可変レーザにおいて、 前記利得媒体と前記第1のフィルタとが同一のプラット
    ホーム上に形成されることを特徴とする波長可変レー
    ザ。
  9. 【請求項9】 請求項1から8の何れか1項に記載の前
    記波長可変レーザにおいて、 前記2つの反射面の一方又は両方は、前記利得媒体の一
    方の面及び/又は前記第1のフィルタの一方の面上に形
    成されることを特徴とする波長可変レーザ。
  10. 【請求項10】 請求項1から9の何れか1項に記載の
    前記波長可変レーザにおいて、 前記利得媒体から最も離れた位置に、前記第2のフィル
    タと前記2つの反射面の一方を形成する第1の反射鏡と
    が配置され、 前記波長可変レーザの出力は、前記第1の反射鏡と異な
    る第2の反射鏡から抽出されることを特徴とする波長可
    変レーザ。
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