JP2003282257A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JP2003282257A
JP2003282257A JP2002084431A JP2002084431A JP2003282257A JP 2003282257 A JP2003282257 A JP 2003282257A JP 2002084431 A JP2002084431 A JP 2002084431A JP 2002084431 A JP2002084431 A JP 2002084431A JP 2003282257 A JP2003282257 A JP 2003282257A
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Japan
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light emitting
layer
emitting device
metal
derivative
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JP2002084431A
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English (en)
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Masayuki Mishima
雅之 三島
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐久性、発光効率及び発光輝度を有
し、フルカラーディスプレイ、バックライト、照明光源
等の面光源や、プリンター等の光源アレイ等に利用でき
る可撓性発光素子を提供する。 【解決手段】ガスバリア性を有する可撓性支持基板上に
陰極、少なくとも発光層を含む一層以上の有機化合物層
及び透明陽極を設けた発光素子であって、可撓性支持基
板の熱線膨張係数が20 ppm/℃以下である発光素子。可
撓性支持基板は片面又は両面に絶縁層を設けた金属箔か
らなり、絶縁層は金属酸化物及び/又は金属窒化物、又
はポリイミドである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフルカラーディスプ
レイ、バックライト、照明光源等の面光源やプリンター
等の光源アレイ等に好適な発光素子に関し、特に発光輝
度及び耐久性に優れた可撓性発光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】有機発光素子は、固体発光型の安価な大
面積フルカラー表示素子や書き込み光源アレイ用に有望
であり、多くの開発が行われている。一般に有機発光素
子は発光層とそれを挟む一対の対向電極から構成されて
いる。両電極間に電界が印加されると、陰極から電子が
注入され、陽極から正孔が注入される。電子と正孔が発
光層において再結合し、エネルギー準位が伝導体から価
電子帯に戻る際にエネルギーは光として放出される。
【0003】従来の有機発光素子には駆動電圧が高く、
発光輝度や発光効率が低いという問題があったが、近年
これを解決する技術が数多く報告されている。一例とし
て、有機化合物の蒸着により有機薄膜を形成する有機発
光素子が提案されている(アプライド・フィジクス・レ
ターズ、51巻、913頁、1987年)。この有機発光素子は
電子輸送層と正孔輸送層との積層二層型の構造を有し、
単層型の構造を有する従来の有機発光素子に比べて発光
特性が大幅に向上している。この有機発光素子の正孔輸
送材には低分子アミン化合物が使用され、電子輸送材兼
発光材料には8-キノリノールのAl錯体(Alq)が使用さ
れており、発光は緑色である。その後、このような蒸着
により有機薄膜を形成した有機発光素子が、数多く報告
されている(マクロモレキュラリー・シンポジウム、12
5巻、1頁、1997年に記載の参考文献参照)。
【0004】一方、製造コストの低減や、バックライ
ト、照明光源等のフレキシブルな大面積素子への応用の
目的で、高分子発光化合物を湿式製膜法により製膜した
有機発光素子が報告されている。高分子発光化合物とし
ては、例えば、緑色の発光を示すポリパラフェニレンビ
ニレン(ネイチャー、347巻、539頁、1990年)、赤橙色
の発光を示すポリ(3-アルキルチオフェン)(ジャパ
ニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス、
30巻、L1938頁、1991年)、青色発光素子としてポリア
ルキルフルオレン(ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・
アプライド・フィジクス、30巻、L1941頁、1991年)等
が挙げられる。また特開平2-223188号には、低分子化合
物をバインダー樹脂に分散させ、湿式塗布により製膜す
る試みも報告されている。
【0005】しかしながら、上記乾式法による発光素子
及び湿式法による発光素子のいずれの場合も、可撓性プ
ラスチック基板を用いると、ガラス基板を用いた場合に
比べて耐久性が大きく劣るという欠点があり、実用化が
困難とされてきた。その理由の一つは、PET等のプラス
チック基板は透気度及び透湿度が大きく、侵入した酸素
や水分が発光素子の性能を阻害することである。発光素
子内に水分があると、電流を流すことにより水分が電気
分解され、水素ガスや酸素ガスが発生し、ダークスポッ
トの原因となる。また陰極として非常に酸化されやすい
金属を使っているため、それが水分や酸素と反応してダ
ークスポットの原因となる。
【0006】もう一つの理由は、可撓性プラスチック基
板と電極材料(ITOや金属)の線膨張係数が1ケタ以上
違うため、熱履歴に対して電極材料が基板から剥がれた
りクラックが生じたりして、発光素子の耐久性を低減さ
せることである。
【0007】さらにもう一つの理由は、発光素子は基板
/陽極/有機化合物層/陰極という基本構成を有し、陽
極基板側から発光を取り出す方式になっているので、基
板は実質的に透明でなければならないが、透明でかつガ
ラス並みに水分及び酸素のバリアー性の高い可撓性基板
はまだ開発されていないことである。例えば、特開2001
-185348号では、封止層に絶縁層と金属層を積層して水
分及び酸素のバリアー性を高めたものを提案している
が、これは封止層であり基板とはなり得ない。また線膨
張係数については、特開2001-60495号や特開平11-32074
4号にバリアー層や保護フイルムの線膨張係数が規定さ
れているが、可撓性のある支持基板では見当たらない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、優れた耐久性、発光効率及び発光輝度を有し、フル
カラーディスプレイ、バックライト、照明光源等の面光
源や、プリンター等の光源アレイ等に利用できる可撓性
発光素子を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、基板と反対側から発光を取り出す
素子構成(トップエミッション型)にするとともに、ガ
ラス並みに高いガスバリア性を有する可撓性基板を使用
することにより、優れた輝度及び耐久性を有する可撓性
発光素子が得られることを発見し、本発明に想到した。
【0010】すなわち、本発明の発光素子は、ガスバリ
ア性を有する可撓性支持基板上に陰極、少なくとも発光
層を含む一層以上の有機化合物層及び透明陽極を設けた
構造を有し、前記可撓性支持基板の熱線膨張係数が20 p
pm/℃以下であることを特徴とする。
【0011】本発明の実施態様として、以下のものが挙
げられる。 (1) 可撓性支持基板の水分透過率が0.01 g/m2・day以下
である発光素子である。 (2) 可撓性支持基板の酸素透過率が0.01 cc/m2・day・a
tm以下である発光素子。 (3) 可撓性支持基板が、金属箔の片面又は両面に絶縁層
を設けた基板である発光素子。 (4) 金属箔がアルミ箔又は銅箔である発光素子。 (5) 絶縁層の材料が金属酸化物及び/又は金属窒化物で
ある発光素子。 (6) 絶縁層の材料がポリイミドである発光素子。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の発光素子は可撓性支持基
板/陰極/有機化合物層/透明陽極の層構成を有する。
【0013】[1] 支持基板 本発明で使用する支持基板は可撓性及びガスバリア性を
有し、その線熱膨張係数は20 ppm/℃(20×10-6/℃)以
下である。線熱膨張係数は、一定速度で加熱したときの
試料の長さの変化率であり、TMA法(熱機械分析法)によ
る測定結果から求めたものである。線熱膨張係数が20 p
pm/℃より大きいと、熱履歴中の加熱時に電極にクラッ
クや剥離が生じ、発光素子の耐久性悪化の原因となる。
線熱膨張係数が20 ppm/℃以下の材料としては、アルミ
ニウム箔、銅箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等の金属箔
や、ポリイミド、液晶性ポリマー等のプラスチックシー
ト等を挙げることができる。
【0014】支持基板の水分透過率は0.01 g/m2・day以
下であるのが好ましく、また酸素透過率は0.01 cc/m2
day・atm以下であるのが好ましい。水分透過率はJIS K
7129B法(1992年)に準拠した方法(主としてMOCON法(等
圧法))により測定できる。また酸素透過率はJIS K 712
6B法(1987年)に準拠した方法(主としてMOCON法)によ
り測定できる。支持基板の水分透過率及び酸素透過率を
上記レベルに抑えることにより、発光素子内に耐久性悪
化の原因となる水分や酸素が侵入するのを防止すること
ができる。
【0015】上記物性条件を満足し、かつ電極を形成し
て発光素子を作製した時に短絡しない可撓性支持基板と
して、金属箔の片面又は両面に絶縁層を設けた基板が好
ましい。金属箔は特に限定されず、アルミニウム箔、銅
箔、ステンレス箔、金箔、銀箔等の金属箔を用いること
ができる。中でも加工の容易さ及びコストの観点からア
ルミニウム箔又は銅箔が好ましい。金属箔の厚さは10〜
100μmであるのが好ましい。金属箔が10μmより薄く
すると、支持基板の水分透過性及び酸素透過性が大きく
なり、ガスバリア性が乏しくなるので、発光素子の耐久
性が悪化する。また金属箔が100μmより厚いと、支持
基板は可撓性が不十分になり、取り扱いに不便が生じ
る。
【0016】金属箔の片面又は両面に設ける絶縁層は限
定的でなく、例えば無機酸化物や無機窒化物等の無機物
や、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンフタレ
ート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネー
ト、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン
樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリイミ
ド等のプラスチックにより形成することができる。絶縁
層の上に金属製の陰極を設けるので、絶縁層の線熱膨張
係数が陰極金属及び金属箔の線熱膨張係数と同等である
のが好ましい。この観点からも、絶縁層の線熱膨張係数
は20 ppm/℃以下であるのが好ましい。これより大きい
と、加熱経時でのクラックや剥離が生じ、耐久性悪化の
原因となる。
【0017】線熱膨張係数が20 ppm/℃以下の無機絶縁
層としては、酸化珪素、酸化ゲルマニウム、酸化亜鉛、
酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化銅等の金属酸化物
や、窒化珪素、窒化ゲルマニウム、窒化アルミニウム等
の金属窒化物が好ましく、これらを一種又は二種以上組
合せて用いることができる。
【0018】無機絶縁層の厚さは10〜1000 nmであるの
が好ましい。無機絶縁層が10 nmより薄いと絶縁性が低
すぎる。また無機絶縁層が1000 nmより厚いと、支持基
板にクラックが生じやすくなり、ピンホールができて絶
縁性が低下する。
【0019】金属酸化物及び/又は金属窒化物の絶縁層
を製膜する方法は限定的でなく、蒸着法、スパッタリン
グ法、CVD法等の乾式法や、ゾル−ゲル法等の湿式法、
又は金属酸化物及び/又は金属窒化物の粒子を溶剤に分
散し塗布する方法等を利用することができる。
【0020】線熱膨張係数が20 ppm/℃以下の絶縁層用
のプラスチック材料としては、特にポリイミドが好まし
い。ポリイミドを絶縁層として用いる場合、ポリイミド
シートとアルミニウム箔を積層するのが好ましい。ポリ
イミドシートの厚さは10〜200μmであるのが好まし
い。ポリイミドシートが10μmより薄いと積層時のハン
ドリングが困難である。またポリイミドシートが200μ
mより厚いと可撓性が損なわれ、ハンドリングが不便に
なる。
【0021】絶縁層は金属箔の片面だけに設けても良い
が、両面に設けても良い。両面に設ける場合、両面とも
金属酸化物及び/又は金属窒化物からなる絶縁層であっ
ても良く、また両面ともポリイミドシートのようなプラ
スチック絶縁層であっても良い。また一方の片面が金属
酸化物及び/又は金属窒化物からなる絶縁層であり、他
方の片面がポリイミドシート絶縁層であっても良い。
【0022】以上のようにして作製した支持基板は水分
透過性及び酸素透過性がともに小さく、かつ優れた可撓
性を有する。可撓性支持基板の形状、構造、大きさ等に
ついては特に制限はなく、発光素子の用途、目的等に応
じて適宜選択することができる。一般には支持基板は板
状である。
【0023】[2] 陰極 陰極は、有機化合物層に電子を注入する電極として機能
すればよく、その形状、構造、大きさ等に特に制限はな
い。発光素子の用途及び目的に応じて、陰極として公知
の電極を適宜選択して使用することができる。
【0024】陰極用材料としては、例えば、金属、合
金、金属酸化物、電気伝導性化合物、これらの混合物な
どが挙げられ、4.5 eV以下の仕事関数を有するのが好ま
しい。具体例としては、アルカリ金属(例えばLi、Na、
K、Cs等)、アルカリ土類金属(例えばMg、Ca等)、
金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合
金、リチウム−アルミニウム合金、マグネシウム−銀合
金、インジウム、イッテルビウム等の希土類金属等が挙
げられる。これらは単独で使用してもよいが、安定性及
び電子注入性を両立させるために2種以上を併用するの
が好ましい。なお陰極用材料は、特開平2-15595号及び
特開平5-121172号に詳述されている。
【0025】なかでも電子注入性の点ではアルカリ金属
及びアルカリ土類金属が好ましく、保存安定性に優れる
点ではアルミニウムを主体とする材料が好ましい。ここ
でアルミニウムを主体とする材料とは、アルミニウム単
独、又はアルミニウムと0.01〜10重量%のアルカリ金属
又はアルカリ土類金属との合金(例えばリチウム−アル
ミニウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金等)若
しくは混合物をいう。
【0026】陰極の形成法は限定的ではなく、公知の方
法を採用することができるが、真空機器内で行うのが好
ましい。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法等の物理的方式、CVD法、プラズマC
VD法等の化学的方式等から、陰極の材料との適性を考慮
して適宜選択する。例えば陰極材料として金属等を選択
する場合、1種又は2種以上の金属を同時に又は順次ス
パッタすることができる。
【0027】陰極のパターニングは、フォトリソグラフ
ィーによる化学的エッチング法、レーザー等による物理
的エッチング法、マスクを用いる真空蒸着法やスパッタ
リング法、又はリフトオフ法や印刷法等により行うこと
ができる。
【0028】陰極と有機化合物層との間に、アルカリ金
属又はアルカリ土類金属のフッ化物等による誘電体層を
0.1〜5nmの厚さで挿入してもよい。誘電体層は、例え
ば真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティン
グ法等により形成することができる。
【0029】陰極の厚さはその材料に応じて適宜選択す
ることができるが、通常10 nm〜5μmであり、50 nm〜
1μmが好ましい。
【0030】[3] 有機化合物層 有機化合物層は、少なくとも発光層を含む一層以上の層
からなる。本発明の発光素子の具体的な層構成として
は、透明陽極/発光層/陰極、透明陽極/発光層/電子
輸送層/陰極、透明陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸
送層/陰極、透明陽極/正孔輸送層/発光層/陰極、透
明陽極/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極、透明
陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/
電子注入層/陰極等が挙げられる。
【0031】(1) 発光層 発光層は少なくとも一種の発光材を含有し、必要に応じ
て正孔輸送材、電子輸送材及びホスト材を含有しても良
い。発光材は限定的でなく、蛍光発光性化合物又は燐光
発光性化合物であれば用いることができる。
【0032】蛍光発光性化合物としては、ベンゾオキサ
ゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチア
ゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル
誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニル
ブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘
導体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、オキサジアゾ
ール誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シ
クロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘
導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チ
アジアゾロピリジン誘導体、スチリルアミン誘導体、芳
香族ジメチリデン化合物、8-キノリノール誘導体の金
属錯体や希土類錯体に代表される各種金属錯体、ポリチ
オフェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレ
ンビニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化
合物等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を混合
して用いることができる。
【0033】燐光発光性化合物は限定的でないが、オル
トメタル化金属錯体又はポルフィリン金属錯体が好まし
い。
【0034】オルトメタル化金属錯体とは、例えば山本
明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」150頁、232頁、
裳華房社(1982年発行)やH. Yersin著「Photochemistr
y and Photophisics of Coordination Compounds」71〜
77頁、135〜146頁、Springer-Verlag社(1987年発行)
等に記載されている化合物群の総称である。オルトメタ
ル化金属錯体を含む有機化合物層は高輝度で、発光効率
に優れている。
【0035】オルトメタル化金属錯体を形成する配位子
は上記文献に記載されている。その中でも好ましい配位
子としては、2-フェニルピリジン誘導体、7,8-ベンゾ
キノリン誘導体、2-(2-チエニル)ピリジン誘導体、2-(1
-ナフチル)ピリジン誘導体、2-フェニルキノリン誘導体
等が挙げられる。これらの誘導体は必要に応じて置換基
を有しても良い。オルトメタル化金属錯体は前記配位子
の他に、他の配位子を有してもよい。
【0036】オルトメタル化金属錯体は、Inorg. Che
m.,1991年,30号,1685頁、同1988年,27号,3464頁、
同1994年,33号,545頁、Inorg. Chim. Acta,1991年,
181号,245頁、J. Organomet. Chem.,1987年,335号,
293頁、J. Am. Chem. Soc.,1985年,107号,1431頁等
に記載されている種々の公知の手法により合成すること
ができる。
【0037】前記オルトメタル化錯体の中でも、発光効
率向上の観点から三重項励起子から発光する化合物が好
適である。またポルフィリン金属錯体の中ではポルフィ
リン白金錯体が好ましい。燐光発光性化合物は単独で使
用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また蛍光
発光性化合物と燐光発光性化合物を同時に用いても良
い。発光輝度及び発光効率の観点から、燐光発光性化合
物を用いるのが好ましい。
【0038】正孔輸送材としては、低分子正孔輸送材及
び高分子正孔輸送材のいずれも使用可能であり、陽極か
ら正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、及び陰極
から注入された電子を障壁する機能のいずれかを有して
いれば限定されない。正孔輸送材としては、例えばカル
バゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘
導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、
ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラ
ゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールア
ミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、スチリルアン
トラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導
体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、芳香族第三ア
ミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデ
ン系化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合
物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘導体、アニリン系
共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の
導電性高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリ
フェニレン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポ
リフルオレン誘導体等の高分子化合物等が挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。発光層における正孔輸送材の含有量は0〜
99.9重量%が好ましく、0〜80重量%がより好ましい。
【0039】電子輸送材としては、電子を輸送する機
能、及び陽極から注入された正孔を障壁する機能のいず
れかを有しているものであれば制限されることはなく、
例えばトリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキ
サジアゾール誘導体、フルオレノン誘導体、アントラキ
ノジメタン誘導体、アントロン誘導体、ジフェニルキノ
ン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミ
ド誘導体、フルオレニリデンメタン誘導体、ジスチリル
ピラジン誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラ
カルボン酸無水物、フタロシアニン誘導体、8-キノリ
ノール誘導体の金属錯体や、メタルフタロシアニン、ベ
ンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金
属錯体に代表される各種金属錯体、アニリン系共重合
体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性
高分子オリゴマー、ポリチオフェン誘導体、ポリフェニ
レン誘導体、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリフル
オレン誘導体等の高分子化合物を挙げることができる。
発光層における電子輸送材の含有量は0〜99.9重量%が
好ましく、0〜80重量%がより好ましい。
【0040】ホスト化合物とは、その励起状態から蛍光
発光性又は燐光発光性の化合物へエネルギー移動を起こ
し、その結果、蛍光発光性又は燐光発光性の化合物を発
光させる機能を有する化合物である。ホスト材として
は、励起子エネルギーを発光材に移動できる化合物であ
れば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
できる。具体的には、カルバゾール誘導体、トリアゾー
ル誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導
体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導
体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレン
ジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カ
ルコン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレ
ノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シ
ラザン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミ
ン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、ポルフィリン
系化合物、アントラキノジメタン誘導体、アントロン誘
導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド
誘導体、カルボジイミド誘導体、フルオレニリデンメタ
ン誘導体、ジスチリルピラジン誘導体、ナフタレンペリ
レン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニ
ン誘導体、8-キノリノール誘導体の金属錯体や、メタル
フタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾー
ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、
ポリシラン系化合物、ポリ(N-ビニルカルバゾール)誘
導体、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポ
リチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、ポリチオフ
ェン誘導体、ポリフェニレン誘導体、ポリフェニレンビ
ニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体等の高分子化合物
等が挙げられる。ホスト化合物は1種単独で使用しても
よいし、2種以上を併用してもよい。発光層におけるホ
スト化合物の含有量は0〜99.9重量%が好ましく、0〜
99.0重量%がより好ましい。
【0041】発光層におけるその他の成分として、必要
に応じて電気的に不活性なポリマーバインダーを用いる
ことができる。電気的に不活性なポリマーバインダーと
しては、例えばポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポ
リスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメ
タクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェ
ニレンオキシド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケト
ン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロー
ス、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹
脂、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、エポキシ樹
脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニル
アセタール等を挙げることができる。発光層がポリマー
バインダーを含有していると、発光層を湿式製膜法によ
り容易にかつ大面積に塗布することができるので有利で
ある。
【0042】(2) 他の有機化合物層 本発明の発光素子に、必要に応じて他の有機化合物層を
設けてもよい。例えば透明電極と発光層の間に正孔注入
層や正孔輸送層、発光層と陰極との間に電子輸送層や電
子注入層を設けてもよい。正孔輸送層及び正孔注入層に
は前記正孔輸送材を使用することができ、また電子輸送
層及び電子注入層には前記電子輸送材を使用することが
できる。
【0043】(3) 有機化合物層の形成 有機化合物層は、蒸着法やスパッタリング法等の乾式製
膜法、ディッピング法、スピンコート法、ディップコー
ト法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バ
ーコート法、グラビアコート法等の湿式製膜法、転写
法、印刷法等いずれによっても好適に製膜することがで
きる。これらの製膜法は、有機化合物層の材料に応じて
適宜選択することができる。
【0044】なかでも、湿式製膜法は有機化合物層を容
易に大面積化することができ、高輝度で発光効率に優れ
た発光素子が低コストで効率よく得られるので有利であ
る。湿式製膜法の場合は、製膜後適宜乾燥を行う。乾燥
条件は特に制限されないが、塗布した層が損傷しないよ
うな温度等の条件を採用するのが好ましい。
【0045】有機化合物層を湿式製膜法で塗布する場
合、有機化合物層にバインダー樹脂を添加するのが好ま
しい。バインダー樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリ
カーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリス
ルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、炭
化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミ
ド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウ
レタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、アルキド
樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルアセタール等が挙げられる。これらは
1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。
【0046】有機化合物層の湿式製膜において、有機化
合物層の材料を溶解して塗布液を調製するのに用いる溶
剤は特に制限はなく、正孔輸送材、オルトメタル化錯
体、ホスト材、ポリマーバインダー等の種類に応じて適
宜選択することができる。具体的には、クロロホルム、
四塩化炭素、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、ク
ロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエ
チルケトン、ジエチルケトン、n-プロピルメチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸
n-プロピル、酢酸n-ブチル、プロピオン酸メチル、プロ
ピオン酸エチル、γ-ブチロラクトン、炭酸ジエチル等
のエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等
のエーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルア
セトアミド等のアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド、
水等が挙げられる。
【0047】有機化合物層用塗布液における固形分量は
限定的ではなく、その粘度も湿式製膜方法に応じて任意
に選択することができる。なお他の有機化合物層が溶剤
に可溶な場合には多層化が困難であるので、転写法によ
り有機化合物層を形成するのが好ましい。
【0048】[4] 透明陽極 透明陽極としては、通常有機化合物層に正孔を供給する
陽極としての機能を有していればよく、その形状、構
造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用
途及び目的に応じて公知の電極から適宜選択することが
できる。
【0049】透明陽極の材料としては、例えば、金属単
体又はその合金、金属酸化物、有機導電性化合物又はこ
れらの混合物が挙げられ、仕事関数が4.0 eV以上の材料
が好ましい。具体例としては、アンチモンやフッ素等を
ドープした酸化錫(ATO,FTO)、酸化錫、酸化亜鉛、酸
化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛イ
ンジウム(IZO)等の導電性金属酸化物、金、銀、クロ
ム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金
属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅等の
導電性無機物質、導電性金属酸化物又は金属化合物の分
散物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール等
の有機導電材、及びこれらとITOとの積層物等が挙げら
れる。
【0050】透明陽極は例えば、本発明においては真空
蒸着法、スパッタリング法、イオンプレ−ティング法等
の物理的方式、CVD法、プラズマCVD法等の化学的方式、
などの中から前記材料との適性を考慮して適宜選択した
方法に従って有機化合物層上に形成することができる。
例えば、透明陽極の材料として、ITOを選択する場合に
は、該透明陽極の形成は、直流あるいは高周波スパッタ
法、真空蒸着法、イオンプレ−ティング法等に従って行
うことができる。
【0051】透明陽極のパターニングは、フォトリソグ
ラフィーによる化学的エッチング法、レーザー等による
物理的エッチング法、マスクを用いる真空蒸着法やスパ
ッタリング法、又はリフトオフ法や印刷法等により行う
ことができる。
【0052】透明陽極の厚さは材料に応じて適宜設定で
きるが、通常10 nm〜50μmであり、50 nm〜20μmが好
ましい。また透明陽極の抵抗値は106Ω/□以下が好ま
しく、105Ω/□以下がより好ましい。105Ω/□以下の
場合、バスライン電極を設置することにより性能の優れ
た大面積発光素子を得ることができる。
【0053】透明陽極は無色透明でも有色透明でもよ
く、透明陽極側から発光を取り出すためには、その透過
率は60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。こ
の透過率は、分光光度計を用いた公知の方法に従って測
定することができる。
【0054】[5] その他の層 発光素子の用途及び目的に応じて、適宜保護層等の他の
層を設けることができる。
【0055】保護層としては、例えば特開平7-85974
号、同7-192866号、同8-22891号、同10-275682号、同10
-106746号等に記載のものが好適である。発光素子を劣
化させる水分や酸素等が発光素子に侵入するのを防止す
る機能を有していれば、保護層の材料に特に制限はな
く、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、酸化ゲルマニウ
ム、二酸化ゲルマニウム等が挙げられる。なお保護層の
形状、大きさ、厚さ等は、発光素子の用途及び目的に応
じて適宜選択することができる。
【0056】保護層の形成方法は限定的でなく、例えば
真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング
法、分子線エピタキシ法、クラスターイオンビーム法、
イオンプレーティング法、プラズマ重合法、プラズマCV
D法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等が挙
げられる。
【0057】発光素子における各層への水分や酸素の侵
入を防止する目的で、封止層を設けるのも好ましい。封
止層の材料としては、例えばテトラフルオロエチレンと
少なくとも1種のコモノマーとを含む共重合体、主鎖に
環状構造を有する含フッ素共重合体、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミ
ド、ポリユリア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリク
ロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエ
チレン、クロロトリフルオロエチレン及びジクロロジフ
ルオロエチレン等の共重合体、吸水率0.1%以下の防湿
性物質、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Tl、Ni等の金
属、MgO、SiO、SiO2、Al2O3、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe2
O3、Y2O3、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、Ca
F2等の金属フッ化物、パーフルオロアルカン、パーフル
オロアミン、パーフルオロエーテル等の液状フッ素系溶
剤、液状フッ素系溶剤に水分や酸素を吸着する吸着剤を
分散させたもの等が挙げられる。
【0058】さらに封止容器と発光素子の間の空間に、
水分吸収剤又は不活性液体を充填することができる。水
分吸収剤は限定的でなく、例えば酸化バリウム、酸化ナ
トリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、五酸化燐、
塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化銅、フッ化セ
シウム、フッ化ニオブ、臭化カルシウム、臭化バナジウ
ム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、酸化マグネシウ
ム等が挙げられる。不活性液体は限定的でなく、例えば
パラフィン、流動パラフィン、フッ素系溶剤(パーフル
オロアルカン、パーフルオロアミン、パーフルオロエー
テル等)、塩素系溶剤、シリコーンオイル等が挙げられ
る。
【0059】本発明の発光素子は、陽極と陰極との間に
直流電圧(必要に応じて交流成分を含んでもよい)(通
常2〜40 V)、又は直流電流を印加することにより、発
光させることができる。発光素子の駆動方法の詳細は、
特開平2-148687号、同6-301355号、同5-29080号、同7-1
34558号、同8-234685号、同8-241047号、米国特許58284
29号、同6023308号、日本国特許第2784615号等に記載さ
れている。
【0060】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらにより限定されるものではな
い。
【0061】実施例1 5cm角(厚さ:30μm)のアルミニウム箔の両面に、厚
さ50μmのポリイミドシート(「ユーピレックス50
S」、宇部興産(株)製)を接着剤を用いて積層し、支
持基板を作製した。支持基板の線熱膨張係数は10 ppm/
℃であった(TMA測定)。また支持基板の水分透過率は
0.01 g/m2・day以下(MOCON法、25℃、90%RH)であ
り、酸素透過率は0.01 cc/m2・day・atm以下(MOCON
法、25℃、0%RH)であった。
【0062】この支持基板上に250 nmの膜厚でAlを蒸着
し、陰極を形成した。この陰極の上に3nmの膜厚でLiF
を蒸着し、電子注入層を形成した。電子注入層の上に、
電子輸送材として2,2',2"-(1,3,5-ベンゼントリイル)ト
リス[3-(2-メチルフェニル)-3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジ
ン]を1nm/秒の速度で蒸着し、厚さ0.024μmの電子輸
送層を形成した。
【0063】この上に燐光発光材であるオルトメタル錯
体としてトリス(2-フェニルピリジル)イリジウム錯
体、及びホスト材として4,4'-N,N'-ジカルバゾールビフ
ェニルをそれぞれ0.1 nm/秒及び1 nm/秒の速度で共
蒸着して、厚さ0.024μmの燐光発光材からなる発光層
を得た。発光層の上に、N,N'-ジナフチル-N,N'-ジフェ
ニルベンジジンを1nm/秒の速度で真空蒸着し、厚さ0.
04μmの正孔輸送層を形成した。
【0064】以上のようにして設けた有機化合物層の上
にDCマグネトロンスパッタリング法により250 nmの膜厚
でITO(インジウム/錫のモル比=95/5)を成膜し、
透明陽極を得た。
【0065】陽極及び陰極よりそれぞれアルミニウムの
リード線を出した。リード線以外の部分をスパッタリン
グ法により窒化珪素により被い、封止膜を作製した。
【0066】以上のようにして得た発光素子を以下の方
法により評価した。東洋テクニカ(株)製のソースメジ
ャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に
印加し、発光させた。その時の最高輝度をLmaxとし、L
maxが得られた時の電圧をVmaxとした。さらに200 Cd/m2
時の発光効率(η200)を外部量子効率とした。結果を
表1に示す。
【0067】連続駆動試験として、この発光素子を初期
輝度200 Cd/m2で連続発光させ、輝度が半分になる時間
(t1/2)を測定した。また湿熱保存試験として、85℃及
び90%RHの条件で30日保存後の最高輝度をLmax(30)
し、Lmax(30)が得られた時の電圧をVmax(30)とした。結
果を表1に示す。
【0068】実施例2 アルミニウム箔の代わりに銅箔(厚さ:50μm)を用い
た以外実施例1と同じ方法で発光素子を作製し、評価し
た。結果を表1に示す。なお支持基板の線熱膨張係数は
8 ppm/℃であった(TMA測定)。また支持基板の水分透
過率は0.01 g/m 2・day以下(MOCON法、実施例1と同じ
条件)であり、酸素透過率は0.01 cc/m2・day・atm以下
(MOCON法、実施例1と同じ条件)であった。
【0069】実施例3 絶縁層としてポリイミドシートの代わりに酸化珪素のス
パッタ膜(厚さ:30 nm)を用いた以外実施例1と同じ
方法で、発光素子を作製し、評価した。結果を表1に示
す。支持基板の線熱膨張係数は5 ppm/℃であった(TMA
により測定)。また支持基板の水分透過率は0.01 g/m2
・day以下(MOCON法、実施例1と同じ条件)であり、酸
素透過率は0.01 cc/m2・day・atm以下(MOCON法、実施
例1と同じ条件)であった。
【0070】実施例4 絶縁層として、アルミニウム箔の両面にポリイミドシー
トを積層する代わりに、片面に実施例1と同じポリイミ
ドシートを積層し、他面にスパッタリング法で窒化珪素
膜(厚さ:50 nm)を製膜した以外実施例1と同じ方法
で、支持基板を作製し、次いで窒化珪素絶縁層側に陰
極、有機化合物層及び陽極を製膜することにより発光素
子を作製した。得られた発光素子を実施例1と同じ方法
で評価した。結果を表1に示す。なお支持基板の線熱膨
張係数は3 ppm/℃であった(TMA測定)。また支持基板
の水分透過率は0.01 g/m2・day以下(MOCON法、実施例
1と同じ条件)であり、酸素透過率は0.01 cc/m2・day
・atm以下(MOCON法、実施例1と同じ条件)であった。
【0071】実施例5 絶縁層として、両面にポリイミドシートを用いる代わり
に片面にだけスパッタリング法で酸化珪素膜(厚さ:40
μm)を製膜した以外実施例1と同じ方法で、発光素子
を作製した。陰極、有機化合物層及び陽極は酸化珪素側
に製膜した。この発光素子を実施例1と同じ方法で評価
した。結果を表1に示す。なお支持基板の線熱膨張係数
は10 ppm/℃であった(TMA測定)。また支持基板の水分
透過率は0.01 g/m2・day以下(MOCON法、実施例1と同
じ条件)であり、酸素透過率は0.01 cc/m2・day・atm以
下(MOCON法、実施例1と同じ条件)であった。
【0072】比較例1 絶縁層として両面にポリイミドシートを用いる代わりに
厚さ50μmのPETシート(帝人(株)製)を用いた以外
実施例1と同じ方法で、発光素子を作製した。この発光
素子を実施例1と同じ方法で評価した。結果を表1に示
す。
【0073】表1から明らかなように、発光素子の初期
特性は実施例のものとほとんど変わらないものの、湿熱
保存特性が極めて悪く、特にPETシートと陰極の剥離に
よるダークスポットが多数観察された。なお支持基板の
線熱膨張係数は55 ppm/℃(TMA測定)と大きかった。ま
た支持基板の水分透過率は0.01 g/m2・day以下(MOCON
法、実施例1と同じ条件)であり、酸素透過率は0.01 c
c/m2・day・atm以下(MOCON法、実施例1と同じ条件)
であった。
【0074】比較例2 厚さ50μmのポリイミドシート(「ユーピレックス50
S」、宇部興産(株)製)単体からなる支持基板を用い
た以外実施例1と同じ方法で、発光素子を作製し、評価
した。結果を表1に示す。表1から明らかなように、発
光素子の初期特性は変わらないものの、連続駆動特性及
び湿熱保存特性が極めて悪く、ダークスポットが多数認
められた。なお支持基板の線熱膨張係数は10 ppm/℃で
あった(TMA測定)。また支持基板の水分透過率は1.5 g
/m2・day(MOCON法、実施例1と同じ方法)であり、酸
素透過率は2.5 cc/m2・day(MOCON法、実施例1と同じ
方法)であり、いずれも大きかった。
【0075】
【表1】
【0076】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の発光素子
は、基板と反対側から発光を取り出す構成を有するとと
もに、ガラス並みに高いガスバリア性を有する可撓性基
板を使用し、かつ可撓性支持基板の線熱膨張係数を20 p
pm/℃以下にすることにより、優れた耐久性、発光効率
及び発光輝度を有する。かかる発光素子は、フルカラー
ディスプレイ、バックライト、照明光源等の面光源や、
プリンター等の光源アレイ等に利用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性支持基板上に陰極、少なくとも発
    光層を含む一層以上の有機化合物層及び透明陽極を設け
    た発光素子であって、前記可撓性支持基板の熱線膨張係
    数が20 ppm/℃以下であり、且つ前記可撓性支持基板の
    水分透過率が0.01 g/m2・day以下であり、且つ前記可撓
    性支持基板の酸素透過率が0.01 cc/m2・day・atm以下で
    あることを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の発光素子において、前
    記可撓性支持基板が片面又は両面に絶縁層を設けた金属
    箔からなることを特徴とする発光素子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の発光素子において、前
    記金属箔がアルミニウム箔又は銅箔であることを特徴と
    する発光素子。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の発光素子におい
    て、前記絶縁層が金属酸化物及び/又は金属窒化物から
    なることを特徴とする発光素子。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3に記載の発光素子におい
    て、前記絶縁層がポリイミドからなることを特徴とする
    発光素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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