JP2003282212A - Ｘジョイント端子金具の接続方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】Ｘジョイント用端子金具には、サイドタイプと
エンドタイプとが存在し、キャリアが小さくてすむエン
ドタイプの方がコスト的には有利であるが、エンドタイ
プの端子金具でＸジョイントを実施すると、端子金具の
バレル部から電線の芯線露出部の一部がはみ出したり、
切断されてしまうことがあり、高品質の接続が実施でき
ないことがあった。 【解決手段】エンドタイプのＸジョイント用端子金具連
綴体を長手方向に端子金具一個分づつ間欠的に送り、前
記間欠送りに同期して昇降するシャーブレートによって
先頭部分の端子金具を分離し、端子金具を可動型上に載
置保持し、前記可動型を前記Ｘジョイント用端子金具連
綴体の送り方向と直角の方向へ離隔して設けられた圧着
作業位置へ移動させ、この圧着作業位置において端子金
具のバレル部に複数の電線の芯線露出部分を挿入した
後、この圧着作業位置の上方のクリンパーを下降させて
バレル部をかしめる様にした。

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】この発明はＸジョイント端子金具
の接続方法、詳しくはエンドタイプの端子金具を用いて
Ｘジョイントと呼ばれる接続を実施する方法に関するも
のである。 【０００２】 【従来の技術】図１に示す様に、平行した複数の電線
１，１同士をその芯線露出部分２，２において専用の端
子金具３によって集束せしめて電気的に接続するＸジョ
イントと呼ばれる接続は比較的大きな電流が流れる自動
車内配線用などとして広く用いられている。 【０００３】このＸジョイントにおいては、Ｘジョイン
ト専用の端子金具が用いられるが、これにはサイドタイ
プとエンドタイプの二形式が存在している。サイドタイ
プは図２に示す様に端子金具３が横向きに並列し、端子
金具３，３間に帯状のキャリア４が一体的に取付けられ
たものである。一方、エンドタイプは図３に示す様に端
子金具３がキャリア４によって直列状に接続されて端子
金具連綴体６となったものである。 【０００４】 【発明が解決しようとする課題】サイドタイプのＸジョ
イント用端子金具の場合、端子金具３のキャリア４から
の分離作業に用いる分離用カッターは、芯線露出部２を
端子バレル部１９へ挿入する作業の際に大きな障害とな
らない為、不十分なかしめや芯線の切断といった不都合
が生じるおそれが少ないというメリットがあり、Ｘジョ
イントを実施する際に用いる端子金具の主流となってい
るが、端子金具３を綴っているキャリア４部分のコスト
が問題であった。 【０００５】つまり、キャリア４は端子金具３を分離し
た段階で廃棄されることになるが、キャリア４は品質基
準が厳しい端子金具３と同じ材質でそれと一体的に作ら
れており、材料費が高いにもかかわらず、分離後の再利
用の途もなく、使い捨てである為、金属資源の有効利
用、廃棄物処理の観点からは好ましくなく、端子金具の
コストアップの大きな原因の一つであった。 【０００６】一方、端子金具３が直列状に綴られている
エンドタイプのものは、キャリア４が小さくてすむ為、
無駄になる部分が少なく、コストの点からはサイドタイ
プよりすぐれている。 【０００７】しかしながら、このエンドタイプにおいて
は、キャリアの分離用カッターと端子金具バレルとが平
行な位置となり、電線を端子金具バレルに挿入する作業
の際に分離用カッターが大きな障害となる為、圧着の際
に電線の芯線部分が端子金具のバレルから一部はみ出し
てしまったり、芯線の一部が切断されることがあるとい
う問題があった。又、分離用カッターの形状を大きく取
れない為、カッターが短時間で破損するという問題もあ
った。 【０００８】本発明はこのエンドタイプの端子金具を用
いたＸジョイントの欠点を除去することを目的とするも
のであり、経済的に有利であるというエンドタイプの端
子金具の長所を生かしつつ、芯線圧着の際に芯線の一部
のはみ出しや切断といった不具合の発生を防ぐことが出
来る新しいＸジョイント端子金具の接続方法を提供せん
とするものである。 【０００９】 【課題を解決するための手段】エンドタイプのＸジョイ
ント用端子金具連綴体を長手方向に端子金具一個分づつ
間欠的に送り、前記間欠送りに同期して昇降するシャー
ブレートによって先頭部分の端子金具を分離し、端子金
具を可動型上に載置保持し、前記可動型を前記Ｘジョイ
ント用端子金具連綴体の送り方向と直角の方向へ離隔し
て設けられた圧着作業位置へ移動させ、この圧着作業位
置において端子金具のバレル部に複数の電線の芯線露出
部分を挿入した後、この圧着作業位置の上方のクリンパ
ーを下降させてバレル部をかしめる様にすることによ
り、上記課題を解決せんとするものである。 【００１０】 【実施の形態】図４はこの発明に係るＸジョイント端子
金具の接続方法の工程を示す工程図、図５はこの発明に
係る接続方法の実施に用いる加工装置の一例の一部を省
略して描いたその正面図、図６はその側面図である。 【００１１】この端子金具の接続方法は図４に示す様
に、端子金具連綴体送り工程Ａ、端子金具分離工程Ｂ、
端子金具の圧着作業位置移動保持工程Ｃ、端子金具のバ
レル部への芯線挿入工程Ｄ、クリンパーによる端子金具
のバレル部のかしめ工程Ｅからなるものであり、これら
各工程は相互に同期して行われる様になっている。以
下、それぞれの工程別に詳しく説明する。 【００１２】［端子金具連綴体送り工程 Ａ］端子金具
連綴体６を端子金具３一個分づつ間欠的に縦方向（軸方
向）に移動させる工程であり、図５に示す様に、基板７
上に載置された端子金具連綴体６は、可動ホルダー９の
下端に設けられた送りつめ８によって長手方向に端子金
具３一個分づつ間欠的にカッターブレード１０上に送ら
れる。 【００１３】［端子金具分離工程 Ｂ］前工程によって
カッターブレード１０上に送られた端子金具連綴体６の
先頭部分は、カッターブレード１０の上方に位置したシ
ャーブレード１１の下降運動により、そのキャリア４が
剪断分離されて端子金具３単体となる。図７はカッター
ブレード１０とシャーブレード１１の斜視図であり、カ
ッターブレード１０にはガイド孔１２が、シャーブレー
ド１１にはガイド突起１３がそれぞれ設けられており、
ガイド突起１３がガイド孔１２に挿入されることによ
り、常に正確な位置でキャリア４を剪断分離できる様に
なっている。 【００１４】キャリア４が分離されて単体となった端子
金具３は、後続の端子金具３に押されて更に移動し、基
板７の終端部に設けられ、弾性部材によって端子金具３
の送り方向と逆側に付勢された端子ストッパー２０に当
接して停止し、可動型１５上に載置される。このとき、
端子カバー１６及びボールプランジャー２１は端子金具
３の整列を補助する。 【００１５】［端子金具の圧着位置への移動保持工程
Ｃ］可動型１５は端子金具連綴体６の送り方向と直角の
方向に移動できる様になっており、この可動型１５上に
載置された端子金具３は、図６に示す様にその状態のま
ま端子金具連綴体６の送り方向軸線から十分に外れてお
り、しかも端子金具連綴体６と電線１とが干渉しない圧
着作業位置まで移動させられる。 【００１６】なお、この実施の形態においては、この移
動は可動型１５に取付けられた流体圧シリンダー（図示
省略）によって直線的に行っているが、ロータリーアク
チュエータを用いた回転運動による移動であっても良
い。又、端子金具３が可動型１５上に載置されると、可
動型１５に付設されているプッシャー２２が端子金具３
を上方から押えて、端子金具３の位置決めを行う。この
様に端子金具３を載置した可動型１５は、端子金具連綴
体６の送り方向と直角の方向へ移動し、圧着作業位置に
到達する。 【００１７】［端子金具のバレル部への芯線挿入工程
Ｄ］この圧着作業位置は、通常は作業者の手前の位置で
あり、この位置の上方にはクリンパー１７が昇降可能に
位置せしめられている。この圧着作業位置において、端
子金具３はその両側面を昇降式の端子ホルダー１８によ
ってガイドされ、その位置及び姿勢が正確に保持され
る。この状態において、作業者はこの端子金具３のバレ
ル部１９に接続すべき複数の電線１の芯線露出部分２を
平行に挿入する。 【００１８】［クリンパーによる端子金具のバレル部の
かしめ工程 Ｅ］次に、クリンパー１７を下降させて端
子金具３のバレル部１９をかしめて複数の電線１の接続
を行い、一連の作業を終了する。 【００１９】なお、この実施の形態においては、端子金
具３のバレル部１９への芯線露出部分２の挿入は作業者
の手作業によって行っているが、産業用ロボット等を用
いて機械的自動的に行う様にしても良い。 【００２０】このクリンパー１７の昇降運動の動力源と
しては、従来から各種圧着端子の加工作業に用いている
アプリケーターと称される端子圧着冶具の動力源として
使われている小型圧着機をそのまま用いることができ
る。 【００２１】上記各工程はそれぞれ一定のタイミングで
同期して行われる様になっており、クリンパー１７の下
降とシャーブレード１１の下降、即ち、クランパーによ
る端子金具のバレル部のかしめ工程Ｅと端子金具分離工
程Ｂとは同じタイミングで実施されている。この様に各
工程Ａ乃至Ｅを繰り返してエンドタイプの端子金具３を
用いて電線のＸジョイント作業を実施する。 【００２２】 【発明の効果】この発明に係る端子金具の接続方法にお
いては、端子金具連綴体からの端子金具の分離とクリン
パーによる端子金具のバレル部のかしめ作業とを相互に
干渉しない別の位置で実施する様にした為、従来の場合
と異り芯線露出部分をバレル部の奥深くまで十分に挿入
することができ、かしめ作業の際に芯線のはみ出しや切
断といった不具合がおこるおそれがなく、品質の安定し
たＸジョイント作業を実施することができる。又、エン
ドタイプの端子金具連綴体を用いるので、材料の歩留ま
りも改善され、コストダウンの要請にも十分応えること
ができる。 【００２３】更に、端子金具連綴体からの端子金具の分
離作業と端子金具のバレル部のかしめ作業とを別々の作
業位置で行う様にした為、従来のものと異り、端子金具
の分離作業に用いるシャーブレードを端子金具連綴体に
対して直角に配置でき、切断の際の負荷に対する強度を
向上させ、シャーブレードの耐久性を高めることができ
る。 【００２４】以上述べた如く、本発明に係る端子金具の
接続方法においては、コストアップの大きな原因の一つ
であるキャリアが小さいというエンドタイプの端子金具
の長所を最大限生かしつつ、芯線の一部のはみ出しや切
断といった不具合を発生させることなくＸジョイントを
実施することが出来る効果を有し、極めて高い実用的価
値を有するものである。

【図面の簡単な説明】 【図１】Ｘジョイントの一例の斜視図。 【図２】サイドタイプのＸジョイント用端子金具の一例
の斜視図。 【図３】同じくエンドタイプのＸジョイント用端子金具
の一例の斜視図。 【図４】この発明に係るＸジョイント端子金具の接続方
法の工程を示す工程図。 【図５】この発明に係るＸジョイント端子金具の接続方
法の実施に用いる加工装置の一例の一部を省略して描い
たその正面図。 【図６】同じくこの発明に係るＸジョイント端子金具の
実施に用いる加工装置の一例の一部を省略して描いたそ
の側面図。 【図７】図５に示した装置のカッターブレードとシャー
ブレードの関係を示した斜視図。 【符号の説明】 １ 電線 ２ 芯線露出部分 ３ 端子金具 ４ キャリア ６ 端子金具連綴体 ７ 基板 ８ 送りつめ ９ 可動ホルダー １０ カッターブレード １１ シャーブレード １２ ガイド孔 １３ ガイド突起 １５ 可動型 １６ 端子カバー １７ クリンパー １８ 端子ホルダー １９ バレル部 ２０ 端子ストッパー ２１ ボールプランジャー ２２ プッシャー Ａ 端子金具連綴体送り工程 Ｂ 端子金具分離工程 Ｃ 端子金具の圧着作業位置への移動保持工程 Ｄ 端子金具のバレル部への芯線挿入工程 Ｅ クランパーによる端子金具のバレル部のかしめ工
程

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 5E063 CB15 5E085 BB01 CC04 DD13 FF01 HH06 JJ38

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】 エンドタイプのＸジョイント用端子金具
   連綴体を長手方向に端子金具一個分づつ間欠的に送り、
   前記間欠送りに同期して昇降するシャーブレートによっ
   て先頭部分の端子金具を分離し、端子金具を可動型上に
   載置保持し、前記可動型を前記Ｘジョイント用端子金具
   連綴体の送り方向と直角の方向へ離隔して設けられた圧
   着作業位置へ移動させ、この圧着作業位置において端子
   金具のバレル部に複数の電線の芯線露出部分を挿入した
   後、この圧着作業位置の上方のクリンパーを下降させて
   バレル部をかしめる様にしたことを特徴とするＸジョイ
   ント端子金具の接続方法。