JP2003281701A - 磁気記録装置および磁気記録書き込み方法 - Google Patents

磁気記録装置および磁気記録書き込み方法

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JP2003281701A JP2002084927A JP2002084927A JP2003281701A JP 2003281701 A JP2003281701 A JP 2003281701A JP 2002084927 A JP2002084927 A JP 2002084927A JP 2002084927 A JP2002084927 A JP 2002084927A JP 2003281701 A JP2003281701 A JP 2003281701A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度化可能で、書き込みミスの少ない磁気
記録装置及び磁気記録書き込み方法を提供する。 【解決手段】 記録トラック方向に沿って周期的に配列
した複数の記録セル12とこれらの記録セル12間を分
離する非磁性領域13とを有する磁気記録媒体11と、
この磁気記録媒体11に磁場を印加して記録セル12に
情報を記録する磁場印加記録手段16aと、磁場印加記
録手段16aの磁場の印加により生ずる漏れ磁場1dを
検出する検出手段19と、漏れ磁場1dの検出に基づき
磁場印加記録手段16aによる記録タイミングを制御す
る制御手段3、4とを具備することを特徴とする磁気記
録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録装置及び
磁気記録方法に係わり、特に高密度記録が可能な磁気記
録装置及び磁気記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコンなど情報機器の飛躍的な機能向
上により、ユーザーの扱う情報は著しく増大してきてい
る。このような状況により、従来より飛躍的に記録密度
の高い記録再生装置に対する期待は高まるばかりであ
る。記録密度を向上させるためには、記録媒体において
記録を書きこむ単位である一つの記録マークの大きさを
微小化することが必要である。しかし、従来の記録再生
装置において記録マークの微小化は大きな困難に直面し
ている。
【0003】例えばハードディスク装置のように磁気記
録媒体を用いた磁気記録の場合には、記録層には粒度分
布の広い多結晶体を用いている。しかし結晶の熱揺らぎ
のため、粒径の小さい多結晶体では記録が不安定とな
る。記録マークが大きい場合は問題ないが、記録マーク
が小さいと記録の不安定性やノイズの増大が生じてしま
う。これは記録マークに含まれる結晶粒の数が少なくな
ることが要因となっている。この問題を防ぐためには、
熱ゆらぎに強く小さい結晶粒がそろった媒体を用いれば
よい。しかし、このような媒体では書き込みに非常に大
きな磁界が必要になり、結果的に書き込めなくなるとい
った問題が生じる。
【0004】熱ゆらぎに強く小さい結晶粒のそろった多
結晶媒体やSiO2のようなマトリックス中に微小粒子
が分散したグラニュラー媒体に対しては、加熱して保磁
力を低下させて書き込み、急冷することによってその記
録を保持させる方法が提案されている。この方法は熱ア
シスト磁気記録と呼ばれる。熱を与える手段としては近
接場光を照射する方法や電子線を照射する方法が挙げら
れる。これらの方法は加熱スポットを小さくできること
から高密度記録に有利である。しかし、熱アシスト記録
においては、熱の印加と記録磁界印加のタイミングが極
めて難しく、加熱して保磁力を下げて記録磁界で信号を
書き込んでも、急冷がうまくいかないと記録が消去され
る。
【0005】一方、熱揺らぎに対する対策として、あら
かじめ記録材料を非記録材料により分断し、比較的大き
な体積を有する単一の記録材料粒子を単一の記録セルと
して記録再生を行うパターンドメディアが提案されてい
る(S.Y.Chou etal.,J.Appl.P
hys.,76(1994)pp6673;USPat
ent 5,820,768および5,956,21
6;R.H.M.New et al.,J.Vac.
Sci.Technol.,B12(1994)pp3
196;荻野谷他,特開平10−233015号公
報)。しかしながら、パターンドメディアの場合には記
録セルが固定されているため、記録のタイミングがずれ
ると記録ミスが生じやすいといった問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、Tb
psi級の記録密度を実現するために、パターンドメデ
ィアは有効な手段であるが、記録タイミングのずれの制
御は十分ではない。
【0007】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
であり、高密度化が可能で、書き込みミスの少ない磁気
記録装置及び磁気記録方法を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明の第1の磁気記録装置は、記録トラック
方向に沿って周期的に配列した複数の記録セルとこれら
の記録セル間を分離する非磁性領域とを有する磁気記録
媒体と、この磁気記録媒体に磁場を印加して前記記録セ
ルに情報を記録する磁場印加記録手段と、前記磁場印加
記録手段の磁場の印加により生ずる漏れ磁場を検出する
検出手段と、前記漏れ磁場の検出に基づき前記磁場印加
記録手段による記録タイミングを制御する制御手段とを
具備することを特徴とする。
【0009】また、本発明の第2の磁気記録装置は、記
録トラック方向に沿って周期的に配列した複数の記録セ
ルとこれらの記録セル間を分離する非磁性領域とを有す
る磁気記録媒体と、この磁気記録媒体に電流磁場を印加
して前記記録セルに情報を記録する磁場印加記録手段
と、前記磁場印加記録手段の電流磁場の印加により生ず
る該磁場印加記録手段における電流変化を検出する検出
手段と、前記電流変化の検出に基づき前記磁場印加記録
手段による記録タイミングを制御する制御手段とを具備
することを特徴とする。
【0010】また、本発明の第3の磁気記録装置は、記
録トラック方向に沿って周期的に配列した複数の記録セ
ルとこれらの記録セル間を分離する非磁性領域とを有す
る磁気記録媒体と、この磁気記録媒体に磁場を印加して
前記記録セルに情報を記録する磁場印加記録手段と、前
記磁場印加記録手段の磁場の印加により前記記録セルに
対する情報の記録を行えたかどうかを示す信号を検出す
る検出手段と、検出した前記信号に基づき前記磁場印加
記録手段による記録タイミングを制御する制御手段とを
具備することを特徴とする。
【0011】以上の各本発明において、以下の構成を備
えることが望ましい。
【0012】(1)前記磁気記録媒体は、互いに隣り合
う記録トラック上に位置する最近接の2つの記録セルの
中心が該記録トラック方向に沿ってn分の1周期(nは
2以上の整数)ずれていること。
【0013】(2)前記磁気記録媒体は、互いに隣り合
う記録トラック上に位置する最近接の2つの記録セルの
中心が該記録トラック方向に沿って2分の1周期ずれて
いること。
【0014】(3)前記記録セルは垂直磁気記録層から
なり、前記磁気記録媒体は該記録セルの下に軟磁性層を
有すること。
【0015】(4)前記磁場印加記録手段は単磁極ヘッ
ドを有すること。
【0016】(5)前記検出手段は、前記磁気記録媒体
の記録セルに記録された情報をも検出して読み出すこ
と。
【0017】また、本発明の第1の磁気記録方法は、記
録トラック方向に沿って周期的に配列した複数の記録セ
ルとこれらの記録セル間を分離する非磁性領域とを有す
る磁気記録媒体に磁気記録を行う方法であって、この磁
気記録媒体に磁場を印加して前記記録セルに情報を記録
し、前記磁場印加記録手段の磁場の印加により生ずる漏
れ磁場を検出し、前記漏れ磁場の検出に基づき前記磁場
印加記録手段による記録タイミングを制御することを特
徴とする。
【0018】また、本発明の第2の磁気記録方法は、記
録トラック方向に沿って周期的に配列した複数の記録セ
ルとこれらの記録セル間を分離する非磁性領域とを有す
る磁気記録媒体に磁気記録を行う方法であって、この磁
気記録媒体に電流磁場を印加して前記記録セルに情報を
記録し、前記磁場印加記録手段の電流磁場の印加により
生ずる該磁場印加記録手段における電流変化を検出し、
前記電流変化の検出に基づき前記磁場印加記録手段によ
る記録タイミングを制御することを特徴とする。
【0019】さらにまた、本発明の第3の磁気記録方法
は、記録トラック方向に沿って周期的に配列した複数の
記録セルとこれらの記録セル間を分離する非磁性領域と
を有する磁気記録媒体と、この磁気記録媒体に磁場を印
加して前記記録セルに情報を記録し、前記磁場印加記録
手段の磁場の印加により前記記録セルに対する情報の記
録を行えたかどうかを示す信号を検出し、検出した前記
信号に基づき前記磁場印加記録手段による記録タイミン
グを制御することを特徴とする。
【0020】かかる本発明の磁気記録方法において、上
述した磁気記録装置の望ましい構成を備えることが望ま
しい。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を用いつつ詳細に説明する。
【0022】まず、パターンドメディアの問題点につい
て説明する。パターンドメディアへの記録においては、
周期構造を持った記録セルのパターンと磁場印加手段の
書き込みタイミングが一度ずれた場合、例えば磁場印加
手段の真下に記録セルがない状態で当該磁場印加手段に
より磁場が印加される状態が続くことになる。かかる状
態ではかなり多数の記録セルにおいて書き込みの失敗が
生じる。
【0023】これに対して、本発明の磁気記録装置や磁
気記録方法によれば、記録書き込みのための磁気記録書
き込み手段(磁場印加記録手段)と、該磁気記録書き込
み手段が記録セルに情報を書き込めたことを示す信号を
書き込みと略同時に検知することが可能な検知手段と、
前記磁気記録書き込み手段による書き込みタイミングを
制御する制御器とを有することにより、書き込みの失敗
を極めて短時間で検知して、書き込みタイミングを修正
することにより書き込み失敗の記録セルの数を減らすこ
とができる。
【0024】本発明において用いられる磁気記録媒体
は、互いに隣り合う記録トラック上に位置する最近接の
2つの記録セルの中心がトラック方向に沿って1/n周
期(nは2以上の整数)、特に1/2周期ずれているこ
とが好ましい。このような磁気記録媒体では、記録セル
間の距離を離すことが可能であり、他トラックへの間違
った記録を防ぐことができる。このような磁気記録媒体
は自己組織化分子等を用いて容易に製造できる。
【0025】本発明において用いられる検知手段は、信
号読み出しのための磁気センサー、若しくは磁気書き込
み手段に流れる電流の測定器を備えることが好ましい。
磁気センサーには高感度のGMRやTMR素子が好まし
い。磁気書き込み手段としては高強度の磁場を発生でき
る磁気ヘッドや磁気プローブなどの磁場印加手段や、一
方向のスピンを持った電子を注入するスピンヘッドやス
ピンプローブなどのスピン注入手段が好ましい。
【0026】パターンドメディアにおいては、通常の磁
性媒体とは異なり、非磁性部と磁性体である記録セルが
周期構造を持つ。したがって、磁気ヘッドや磁気プロー
ブなどの磁場印加手段から印加される磁場や記録媒体が
形成する磁界形状は、磁場印加手段が記録セル上にある
場合と非磁性部上にある場合では異なる。検出手段はこ
の磁界形状の違いを検知する。即ち、磁場印加手段が記
録セル上にある場合には、書き込みがうまくいくことに
より磁場印加手段と記録媒体の間に磁気回路が形成さ
れ、磁場印加手段の漏れ磁場は小さい。これに対して磁
場印加手段が非磁性部上にある場合、漏れ磁場は大きく
なる。
【0027】本発明における検出手段はこれらの磁場の
違いを検出する。即ち、磁気センサーを用いて信号の読
み出しを行う場合においては、磁場印加手段が記録セル
上にある状態では、書き込みがうまくいくことにより磁
場印加手段と記録媒体の間に磁気回路が形成され、磁場
印加手段の漏れ磁場は小さいため、検出する信号パルス
は小さい。これに対して磁場印加手段が非磁性部上にあ
る状態では、書き込みがうまくいかず漏れ磁場は大きく
なるので、検出する信号パルスは大きくなる。この場
合、磁場印加手段の磁場の方向によって信号パルスの正
負が変化する。
【0028】磁場印加手段のコイルに流れる電流の測定
器を検出手段とする場合は、磁場印加手段が記録セル上
にある状態では、書き込みがうまくいくことにより磁場
印加手段と記録媒体の間に磁気回路が形成され、コイル
には記録書き込み時とは逆の起電力が誘起されるため検
出される電流パルスは小さくなる。これに対して磁場印
加手段が非磁性部上にある状態では、書き込みがうまく
いかず検出される電流パルスは大きくなる。
【0029】特願平2001-284467で示された電流注入手
段による磁気記録媒体のスピン反転を利用して磁気記録
書き込みを行う場合には、書き込みと電流注入が対応す
るため、注入電流を検出することにより高感度に信号を
検出することが可能である。
【0030】これらの検出手段は、時定数にもよるが磁
気記録書き込みと略同時に書き込みがうまくいったかど
うかを検出することが可能である。
【0031】本発明における記録媒体は、記録セルが垂
直磁気記録媒体からなり、記録セルの下部には軟磁性層
を有し、かつ磁気記録書き込み手段として単磁極ヘッド
を有することが好ましい。垂直磁気記録媒体の方が長手
記録媒体より高密度化に適し、また、記録セルの下部に
は軟磁性層を有し、かつ磁気記録書き込み手段として単
磁極ヘッドを有する方が、記録セルに磁界が集中しやす
く、磁気記録書き込み手段と記録媒体の間に磁気回路が
形成しやすい。
【0032】磁気記録書き込み手段の磁気記録媒体に対
する相対位置は、駆動装置、例えば圧電素子を含むアク
チュエータによって調整される。
【0033】本発明の制御器は、検出手段により検出さ
れた、記録セルに情報を書き込めたかどうかを示す信号
に基づき、正しく情報を書き込めるように磁気記録書き
込み手段による書き込みタイミングを制御する。具体的
な制御器としては、システムLSIが用いられる。制御
器は、磁気記録装置を組み立てた後、書き込み、読み出
しをトライして、最適システムを自己学習する機能を有
することがさらに好ましい。
【0034】なお、制御器による書き込みタイミング制
御は、記録媒体への記録のたびに自動的に行わせても良
いし、記録精度が所定値以下に低下した時に自動的に行
わせても良い。あるいは使用環境温度が変化した時など
に使用者の判断で制御器を作動させても良い。
【0035】本発明の磁気記録装置では熱アシスト記録
を行うための手段があってもよい。加熱手段は特に限定
されないが、近接場光または電子線が好ましい。加熱手
段として近接場光や電子線を用いると、極めて小さいト
ラック幅を加熱することができる。特に、記録媒体を直
接加熱することが可能で、記録媒体表面に存在する潤滑
剤へのダメージが少ない近接場光が最も好ましい。
【0036】本発明の磁気記録装置では、通常のHDD
のように媒体ディスクを回転させてもよいし、媒体をX
Y駆動してもよい。また書き込みおよび読み出し手段は
平坦なヘッド構造を有しても良いし、プローブのように
先端がとがった構造であってもよい。書き込みおよび読
み出し手段が複数集積されたものを用いてもよい。
【0037】次に、本発明の一実施形態に係る磁気記録
装置をさらに具体的に説明する。図1はその構成を示す
断面図である。図1に示すように、磁気記録媒体11は
複数の記録セル12が非記録領域(非磁性領域)13で
互いに分離して形成されている。記録セルの下部には分
離層14を挟んで軟磁性層15が形成されている。磁気
記録媒体11の上方には磁気記録書き込み手段としての
単磁極ヘッド部16aを有する固定部1が配置されてい
る。16bはSiO2等からなる絶縁層、18a、18
bは磁場を生成する渦巻き状コイル、17は磁気回路を
形成するためのリターンパスである。1bは磁気回路を
通る磁束を示し、1dは漏れ磁界を示す。
【0038】19はGMRヘッド部であり、信号読み出
しのための磁気センサーである。GMRヘッド部19に
より、記録セル12に情報を書き込めたかどうかを示す
信号を得る。GMRヘッド部19は単磁極ヘッド部16
aと所定距離隔てて固定部1に固定されており、磁気シ
ールド1aで囲まれている。1cは単磁極ヘッド部16
a及びGMRヘッド部19の進行方向を示す。GMRヘ
ッド部19はリターンパス17の右側に位置してもよ
い。図1のように単磁極ヘッド部16aとGMRヘッド
部19とを近接して配置することが望ましい。
【0039】2は検出信号処理手段、3は制御手段、4
はタイミング制御器である。検出信号処理手段2によ
り、検出した漏れ磁場等の信号処理を行い、さらに制御
手段3が、得られた信号処理結果に基づき、正しく情報
を書き込めるようにタイミング制御器4を作動させ、こ
のタイミング制御器4により単磁極ヘッド部16aによ
る磁場印加のタイミングが制御される。
【0040】次に、上述した構成の磁気記録装置の動作
について説明する。図2は、GMRヘッド部19の出力
電圧の時間変化を示した説明図である。21は、GMR
ヘッド部19の真下の下向きの磁化を持つ記録セル12
からの信号である。22は、単磁極ヘッド部16aから
下向きの磁界が印加されて真下の記録セル12が下向き
に磁化されて軟磁性層15及びリターンパス17との間
で磁気回路が形成された場合の信号である。GMRヘッ
ド部19は他の記録セルからの信号が邪魔しないように
磁気シールド1aで囲まれているが、単磁極ヘッド部1
6aからのパルス磁界は非常に強いため漏れ磁界1dを
検知することが可能となる。この場合には漏れ磁界1d
が比較的小さいため、ピークは小さい。23は、GMR
ヘッド部19の真下の上向き磁化を持つ記録セル12か
らの信号である。24は、単磁極ヘッド部16aから上
向きの磁界が印加されて真下の記録セル12が上向きに
磁化されて軟磁性層15およびリターンパス17との間
で磁気回路が形成された場合の信号である。この場合に
も漏れ磁界が小さいため、ピークは小さい。
【0041】25は、単磁極ヘッド16aから下向きの
磁界が印加されたが、タイミングがずれて記録セルが下
向きに磁化されなかった場合の信号である。この場合に
は軟磁性層15およびリターンパス17への磁気回路が
うまく形成されず、もれ磁界1dが大きくなる。そのた
め、25の信号ピークは大きくなる。単磁極ヘッド16
aからの漏れ磁界1dによる信号22、24、25の形
状は単磁極ヘッド16aとGMRヘッド部19とが同速
度で移動しているため、変化しないが、記録セルからの
信号21、23は記録セル12とGMRヘッド部19間
の相対速度により変化する。図2の場合は比較的相対的
速度が小さい場合である。相対速度が増すと信号21、
23のピーク値は低下し、分別しにくくなるが、信号2
2、24、25の形状はほぼ同じであり十分検出可能で
ある。
【0042】25のような信号ピークが検出された場合
には、制御手段3の制御によりタイミング制御器4から
磁場印加のタイミングの位相をずらす信号を発生する。
どれほどずらすかについては、例えば、前もって30度
と決めておいて書き込みがうまくいくかどうか試行錯誤
的に行ってもよいが、前もって、うまく記録される時の
記録セル12からの信号ピークと磁場印加のパルス信号
との間の位相のずれを学習しておいて、そのずれに合う
ように位相をずらす方が好ましい。うまく記録される時
の記録セルからの信号ピークと磁場印加のパルス信号と
の間の位相のずれは装置固有の値である。
【0043】図3は、コイル18a及び18bに流れる
電流の時間変化を示した説明図である。31は、下向き
の磁界パルスを与えて記録セル12への記録がうまく行
った場合の信号である。32は、上向きの磁界パルスを
与えて記録セル12への記録がうまく行った場合の信号
である。一方、33は上向きの磁界パルスを与えて記録
セル12への記録がうまく行かなかった場合の信号であ
る。
【0044】記録セル12への記録がうまく行った場合
は、誘導電流の発生によりコイル18a及び18bに流
れる電流が小さくなり、電流信号の大きさは小さくな
る。一方、記録セル12への記録がうまく行かなかった
場合は、誘導電流の発生は小さくコイル18a及び18
bに流れる電流が大きくなり、電流信号の大きさは大き
くなる。このように、コイル18a及び18bに流れる
電流を測定することにより、記録セル12に対する記録
がうまく行ったかどうかを判断することが可能である。
【0045】なお、図1は1つの記録セル12に記録を
行う場合を示しているが、2つ以上の記録セルに記録を
行うようにしてもよい。図4はこれを示す上面図であ
る。図4(a)に示すように、互いに隣り合う記録トラ
ック上に位置する最近接の2つの記録セル41aの中心
がトラック方向に沿って1/n周期(nは2以上の整
数。図4ではnは2。)ずれた磁気記録媒体に対して、
ずれた記録セル41aを含むように記録トラック方向に
対して斜めにヘッド42a(単磁極ヘッド部16aやG
MRヘッド部19)を配置しても良い。また、図4
(b)に示すように、ずれのない記録セル41bに対し
て記録トラック方向に垂直にヘッド42b(単磁極ヘッ
ド部16aやGMRヘッド部19)を配置しても良い。
さらにまた、図4(c)に示すように、図4(a)の如
くずれた記録トラックが3本並んでいる場合において、
ずれた記録セル41cを含むように記録トラック方向に
対して斜めにヘッド42c(単磁極ヘッド部16aやG
MRヘッド部19)を配置しても良い。図4(a)や図
4(c)の磁気記録媒体では、記録セル間の距離を離す
ことが可能であり、他の記録トラックへの間違った記録
を防ぐことができる。このような磁気記録媒体は自己組
織化分子を用いて容易に製造できる。なお、図4におい
て、一つの記録セルに一つの情報が記録されていても良
いし、複数の記録セルに一つの情報が記録されていても
良い。
【0046】本発明に係る磁気記録媒体は例えば以下の
ような方法によって作製することができる。即ち、本発
明の磁気記録媒体の製造方法としては、基板上に記録ト
ラック帯に対応する、連続的または断続的な溝領域また
は特定の化学成分を含む帯領域を形成する工程と、前記
溝領域または帯領域に、自己組織化分子または微粒子の
2次元的な規則配列構造を形成する工程と、前記規則配
列構造に対応する記録セルを形成する工程とを具備した
ものを採用することができる。
【0047】より具体的に説明すると、凹凸を有する溝
構造を用いる場合には、凹凸の段差の部分により自己組
織化粒子の結晶ドメインを断つことにより、溝に沿った
規則配列を実現することができる。
【0048】特定の化学成分をパターニングした帯領域
を用いる場合には、自己組織化粒子の化学的な表面状態
と帯領域の化学成分の表面状態を適当に選択することに
より、自己組織化粒子が吸着する部分としない部分を形
成することができる。自己組織化粒子が吸着する部分に
おいてのみ規則配列化が起こり、帯構造に沿った規則配
列が得られる。また、化学パターンにより自己組織化粒
子と表面との相互作用を変えることにより、ある相互作
用が起こる化学パターン上でのみ所望の規則配列が得ら
れ、別の化学パターン上では規則配列が得られずランダ
ムな配列などになるようにすることも可能である。帯構
造の幅は、自己組織化粒子が自然に(つまり帯構造が存
在しない場合に)形成する規則配列の大きさより十分小
さくする必要がある。このような条件を満たせば、自己
組織化粒子は帯構造の幅方向には規則正しく列が並んだ
構造を形成することが可能である。
【0049】自己組織化粒子としては、ブロックコポリ
マー、またはポリマー、金属、半導体、酸化物などから
なる数nm〜100nm径の微粒子などが利用可能であ
る。ブロックコポリマーを利用する場合には、自己組織
化粒子を形成した後、2種類以上のブロックのうち1つ
を選択的に除去できるものを用いる。この場合、ブロッ
クどうしの間でのRIEまたはその他のエッチングなど
に対するエッチングレートの差を利用することが好まし
い。
【0050】以上のような方法により自己組織化粒子の
規則配列を形成した後、自己組織化粒子をマスクとし
て、あらかじめ形成しておいた下地の記録層をイオンミ
リングなどにより削り、所望の規則配列した記録セル列
を形成することができる。記録層をより高いアスペクト
比で削るためには、記録層と自己組織化粒子膜との間に
SiO2やSiなどの膜を形成し、RIEなどにより自
己組織化粒子の規則配列パターンをSiO2やSiに転
写(パターントランスファー)した後、記録層を加工す
ることも有効である。SiO2やSiはRIEにより高
いアスペクト比で削ることができるため、これをマスク
にして加工することにより、記録層をより高いアスペク
ト比でエッチングすることができる。
【0051】上記のようにして作製した記録セルの規則
配列をマトリックス材料(非磁性材料)で被覆し、表面
を研磨により平坦化することにより、マトリックスに埋
め込まれた記録セルを有するパターンドメディアを製造
することができる。
【0052】また、自己組織化粒子をマスクにして、マ
トリックスに規則配列した微細孔アレイを形成した後、
孔を記録材料で埋めることによっても記録セルを形成す
ることができる。この場合、ディスク基板上にマトリッ
クス材料からなる膜を製膜する。次に、自己組織化粒子
の配列を制御するための溝構造または特定の化学成分を
パターニングした帯構造を形成するためのレジストを形
成する。リソグラフィーによりレジストに溝構造または
帯構造を形成する。自己組織化粒子を製膜した後、アニ
ール処理などにより規則配列化させる。自己組織化粒子
をマスクとしてエッチングを行い、マトリックスに孔を
形成する。レジストを除去した後、孔に記録材料を埋め
込む。レジストは記録材料を埋め込んだ後に除去しても
よい。また、レジストを除去せずに残したまま使用して
もよい。
【0053】また、本発明における磁気記録材料として
は、例えば、CoPt、SmCo、FePt、又はCo
Pd、或いはこれらの少なくとも一つを含む多層膜等の
高Ku材料が好ましく、NiFe、CoZrNbなどの
軟磁性層を下地として有するものが好ましい。非記録材
料としては、非磁性金属、ダイアモンドライクカーボ
ン、SiO2、Al23、有機ポリマーなどが用いられ
る。
【0054】溝領域または帯領域の幅は、複数の記録ト
ラック(サブトラック)を含む記録帯(メイントラッ
ク)が安定に作製でき、かつシーク等が容易で、かつ記
録密度が高まるようにすることが好ましい。このために
は溝領域または帯領域の幅は30nm〜10μmが好ま
しく、100nm〜1μmがさらに好ましい。
【0055】溝領域または帯領域間を分離する分離帯は
非記録材料からなっていてもよいし、記録領域と同一の
記録材料からなっていてもよい。分離帯が非記録材料か
らなる場合、読み出しヘッドが複数の記録帯を横切る度
に、周期的に信号がない領域(非記録材料からなる分離
帯)が現れることを利用することにより記録帯のシーク
が容易になる。分離帯が記録セルと同一の記録材料から
なる場合、分離帯に記録帯のアドレス情報を記録するこ
とが可能となる。
【0056】本発明の磁気記録媒体は、化学反応により
記録層の一部を不揮発性の反応物に変えることにより記
録セルを形成するという方法で製造することもできる。
この方法では、平坦な磁気記録媒体が容易に得られる。
化学反応としてはCo、Fe、Niなどの磁気記録媒体
の場合には、フッ素化反応などのハロゲン化反応、酸
化、窒化などが好ましい。化学反応を起こした部分(非
磁性領域)では記録特性が失われ、読み出し手段によっ
て明確に記録セルと区別することができる。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0058】(実施例1)図5(a)及び図5(b)に
本実施例における磁気記録媒体の断面図及び平面図をそ
れぞれ示す。図5(a)は図5(b)の線分A−A′に
おける断面図である。
【0059】図5(a)に示すように、ガラスディスク
基板51上に、CoZrNbからなる軟磁性層52が形
成されている。軟磁性層52上には分離層53が形成さ
れている。分離層53の材料としては、Pt、Cr等の
非磁性材料が挙げられる。さらに分離層53上にはCo
からなる多数の磁気記録セル54が形成されており、こ
の磁気記録セル54はSiO2からなる非記録領域(非
磁性領域)55により互いに分離されている。磁気記録
セル54及び非記録領域55の上にはカーボン保護膜5
6が形成されている。
【0060】一方、図5(b)に示すように、磁気記録
媒体の表面には非記録材料(非磁性材料。SiO
2等。)からなる分離帯57が形成されており、この分
離帯57の間に記録トラック帯58が形成されている。
記録トラック帯(メイントラック)58内には、記録セ
ル54が記録トラック方向に周期的に配列して形成され
た記録トラック(サブトラック)が複数含まれている。
この図に示されるように、互いに隣り合う記録トラック
上に位置する最近接の2つの記録セルの中心がトラック
方向に沿って1/2周期ずれている。記録セルの直径は
30nmであり、記録セルと記録セルとの間隔は10n
mである。
【0061】図6は、本実施例における磁気記録装置を
概略的に示す説明図である。上記のように作製した磁気
ディスク61はスピンドルモーター65に装着されて回
転するようになっている。磁気ディスク61上にはスラ
イダヘッド64が配置され、磁場印加手段としての単磁
極書き込みヘッド62、及び読み出し用の磁気センサー
(プレーナ型のGMR素子)63が一体化されて搭載さ
れている。なお、図6は、便宜上、スライダヘッド64
の単磁極書き込みヘッド62とGMR素子63間を結ぶ
方向が磁気ディスク61の径方向に一致した図面となっ
ているが、実際の動作時には、スライダヘッド64の単
磁極書き込みヘッド62とGMR素子63間を結ぶ方向
が記録トラック方向に沿った方向(図6の紙面垂直方
向)となるようにスライダヘッド64を配置する。
【0062】スライダヘッド64の媒体対向面には、縦
30nm、幅30nmの単磁極書き込みヘッド62、お
よび縦30nm、幅30nmのGMR素子63が形成さ
れている。GMR素子63と単磁極書き込みヘッド62
は200nm離れている。GMR素子63と単磁極書き
込みヘッド62の構成は図1で示したものと同様であ
る。
【0063】スライダヘッド64は圧電素子を構成要素
とする2段アクチュエータ(図示せず)によって位置決
めされる。磁場強度、それらの印加タイミング、磁気デ
ィスク61とスライダヘッド64間の相対速度は制御手
段3により制御される。
【0064】図7は、本実施例の磁気記録装置の内部構
造を示す斜視図である。磁気ディスク71はスピンドル
モーター72に装着され、図示しない制御部からの制御
信号により回転する。軸73にはアクチュエータアーム
74が保持され、アクチュエータアーム74はサスペン
ション75及びその先端のスライダヘッド76を支持し
ている。磁気ディスク71が回転すると、スライダヘッ
ド76の媒体対向面は磁気ディスク71の表面から所定
量浮上した状態で保持され、情報の記録再生を行う。ア
クチュエータアーム74の基端にはボイスコイルモータ
ー77が設けられ、アクチュエータアーム74はボイス
コイルモーター77により回動できるようになってい
る。また、アクチュエータアーム74の先端には微小位
置制御を行うためのピエゾ素子78が設置されている。
磁場印加記録手段による書き込み(記録)タイミングを
制御する制御手段(マイクロプロセッサー)は磁気記録
装置内部のプリント基板上に設置されている。
【0065】本実施例では、磁気センサー(プレーナ型
のGMR素子)63を用いて書き込み信号を検知し、か
つ前もって書き込み、読み出しをトライすることによっ
て制御器(制御手段)に学習させ、記録セル1つずつに
任意の信号を書き込むことが可能であった。また、書き
込みミスも10-5以下にすることができた。
【0066】(実施例2)図8(a)及び図8(b)に
本実施例における磁気カード媒体の断面図及び平面図を
それぞれ示す。図8(a)は図8(b)の線分B−B′
における断面図である。
【0067】図8(a)に示すように、ガラス基板81
上にはPt、Cr等の非磁性材料からなる分離層82が
形成されている。この分離層82上にはFePt微粒子
からなる多数の磁気記録セル83が形成されており、こ
の磁気記録セル83はカーボンからなる非記録領域(非
磁性領域)84により互いに分離されている。磁気記録
セル83及び非記録領域84の上にはカーボン保護膜8
5が形成されている。
【0068】図8(b)に示すように、磁気カード媒体
の表面には非記録材料(非磁性材料。SiO2。)から
なる分離帯86が形成されており、この分離帯86によ
って分離された記録トラック帯87が平行に形成されて
いる。記録トラック帯87内には、記録セル83がトラ
ック方向に周期的に配列して形成された記録トラック
(サブトラック)が複数含まれている。記録セルの直径
は10nmであり、記録セルと記録セルとの間隔は3n
mである。
【0069】図9は、本実施例における磁気記録装置を
概略的に示す説明図である。磁気カード媒体91上には
マルチヘッド94が配置され、磁場印加手段としての単
磁極書き込みプローブ92、及び書き込みおよび読み出
し用のコイル93が一体化されて搭載されている。95
はマルチ補助磁極であり、単磁極書き込みプローブ92
との間で磁気回路を形成する。
【0070】マルチヘッド94の媒体対向面では、先端
経が10nmの単磁極書き込みプローブ92が間隔5ミ
リメートルで20×20個形成されている。マルチ補助
磁極95はマルチヘッド94に対応して20×20個形
成されている。マルチ補助磁極の表面積は5×5mmで
ある。マルチヘッド94およびマルチ補助磁極95はそ
れぞれ独立に制御される。
【0071】マルチヘッド94はXYZアクチュエータ
96によって位置決めされる。磁場強度、それらの印加
タイミング、カード媒体91とマルチヘッド94間の相
対速度は図1に示した制御手段3により制御される。
【0072】本実施例では、図3において説明したよう
にコイル93を用いて書き込み時の電流信号を検知し、
かつ前もって書き込み、読み出しをトライすることによ
って制御器(制御手段)に学習させ、記録セル1つずつ
に任意の信号を書き込むことが可能であった。また、書
き込みミスも10-5以下にすることができた。
【0073】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことはない。例えば、自己組織化粒子の大きさは、径と
して3〜100nmが好ましく、10〜50nmさらに
好ましい。自己組織化粒子の形状は、上述した記録セル
の形状に対応して円形、楕円形、長方形、正方形が好ま
しく、特に自己組織化により形成しやすい円形が好まし
い。
【0074】また、本発明の磁気記録媒体によってTb
psiの記録密度を実現しようとする場合、溝構造また
は帯構造の幅は以下のようにして決定される。例えば、
1つの記録トラック帯内に2列の記録セル列が存在する
場合には、溝構造または帯構造の幅はおよそ40nm程
度となる。これは通常の電子線リソグラフィーにより作
製可能な大きさである。実際には、1本の記録トラック
帯に2列より多くのサブトラックを形成することができ
るので、分解能は低いがより安価でスループットの高い
リソグラフィー手段を利用することが可能である。リソ
グラフィーとしては、光リソグラフィー、電子線リソグ
ラフィー、原子間力顕微鏡、走査型トンネル顕微鏡、近
接場光顕微鏡などの走査型プローブを用いる方法、ナノ
インプリントリソグラフィー(P.R.Krauss,
et al.,J.Vac.Sci.Technol.
B13(1995),pp.2850)などが利用可能
である。
【0075】上記実施例において、自己組織化により磁
気記録媒体を作製する場合、様々なブロックコポリマー
を利用することができるが、例えば、ポリスチレンとポ
リブタジエンからなるブロックコポリマーを用いた場合
には、オゾン処理によりポリスチレンブロックのみを残
すように現像処理が可能である。ポリスチレンとポリメ
チルメタクリレートからなるブロックコポリマーでは、
ポリスチレンの方がポリメチルメタクリレートよりCF
4をエッチャントとして用いるリアクティブイオンエッ
チング(RIE)に対するエッチング耐性が高い。この
ため、RIEによりポリメチルメタクリレートおよびそ
の下の記録層のみを選択的に除去することが可能である
(K.Asakawa et al.;APS Mar
ch Meeting,2000)。
【0076】このようなブロックコポリマーとしては例
えばポリブタジエン−ポリジメチルシロキサン、ポリブ
タジエン−4−ビニルピリジン、ポリブタジエン−メチ
ルメタクリレート、ポリブタジエン−ポリ−t−ブチル
メタクリレート、ポリブタジエン−t−ブチルアクリレ
ート、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリ−4−ビ
ニルピリジン、ポリエチレン−ポリメチルメタクリレー
ト、ポリ−t−ブチルメタクリレート−ポリ−2−ビニ
ルピリジン、ポリエチレン−ポリ−2−ビニルピリジ
ン、ポリエチレン−ポリ−4−ビニルピリジン、ポリイ
ソプレンーポリー2−ビニルピリジン、ポリメチルメタ
クリレート−ポリスチレン、ポリ−t−ブチルメタクリ
レート−ポリスチレン、ポリメチルアクリレート−ポリ
スチレン、ポリブタジエンーポリスチレン、ポリイソプ
レン−ポリスチレン、ポリスチレン−ポリ−2−ビニル
ピリジン、ポリスチレン−ポリ−4−ビニルピリジン、
ポリスチレン−ポリジメチルシロキサン、ポリスチレン
−ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリブタジ
エン−ポリアクリル酸ナトリウム、ポリブタジエン−ポ
リエチレンオキシド、ポリ−t−ブチルメタクリレート
−ポリエチレンオキシド、ポリスチレン−ポリアクリル
酸、ポリスチレン−ポリメタクリル酸等がある。これら
はAB型ジブロックポリマーの例であるがABA型のト
リブロックコポリマーであってもよい。
【0077】ブロックコポリマーを用いる場合、基板表
面においてミセル構造またはシリンダ構造を形成するよ
うな成分比の分子を用いることが好ましい。これによ
り、互いに分離され規則配列した円形の記録セルを形成
することが可能となる。ブロックコポリマーはトルエン
などの適当な溶媒に溶解したものをスピンコートなどに
より製膜することが可能である。ブロックコポリマーの
自己組織的な配列への相分離は、一般的には材料のガラ
ス転移点温度以上の温度でアニール処理することにより
得られる。
【0078】また、磁気記録媒体を作製するために、ポ
リマーや金属などからなる数十nm径の微粒子を用いる
こともできる。この場合には、微粒子を分散させた溶液
を、帯構造を形成したディスクの上から展開して乾燥し
溶媒を除去した後、適当な溶媒を用いて過剰に吸着した
微粒子を取り除くことにより、自己組織的な規則配列を
形成することができる。また、微粒子を分散させた溶液
中にディスク基板をある時間浸して微粒子をディスク基
板に吸着させ、規則配列させることも可能である。
【0079】その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で
種々変形して実施することが可能である。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、高密度化が可能で、書
き込みミスの少ない磁気記録装置及び磁気記録方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態における磁気記録装置を
説明する説明図。
【図2】 本発明の一実施形態におけるGMRヘッドの
出力電圧の時間変化を示した説明図。
【図3】 本発明の一実施形態における書き込みコイル
の電流の時間変化を示した説明図。
【図4】 本発明における2つ以上の記録セルに書き込
みを行う場合を示した平面図。
【図5】 本発明に係る実施例1における磁気記録媒体
の断面図及び平面図。
【図6】 本発明に係る実施例1における磁気記録装置
を示す断面図。
【図7】 本発明に係る実施例1における磁気記録装置
の内部を示す斜視図。
【図8】 本発明に係る実施例2における磁気カード媒
体の断面図及び平面図。
【図9】 本発明に係る実施例2における磁気記録装置
を示す断面図。
【符号の説明】
1…固定部 1a…磁気シールド 1b…磁気回路を通る磁束 1c…ヘッド進行方向 1d…漏れ磁界 2…検出信号処理手段 3…制御手段 4…タイミング制御器 11…記録媒体 12…記録セル 13…非記録領域 14…分離層 15…軟磁性層 16a…単磁極ヘッド部 16b…SiO2等からなる絶縁層 17…リターンパス 18a、18b…コイル 19…GMRヘッド部 1d…漏れ磁界 21…GMRヘッドの真下の下向きの磁化を持つ記録セ
ルからの信号 22…単磁極16から下向きの磁界が印加されて真下の
記録セルが下向きに磁化されて軟磁性層15およびリタ
ーンパス17との間で磁気回路が形成された場合の信号 23…GMRヘッドの真下の上向き磁化を持つ記録セル
からの信号 24…単磁極16から上向きの磁界が印加されて真下の
記録セルが上向きに磁化されて軟磁性層15およびリタ
ーンパス17との間で磁気回路が形成された場合の信号 25…単磁極16から下向きの磁界が印加されたがタイ
ミングがずれて記録セルが下向きに磁化されなかった場
合の信号 31…下向きの磁界パルスを与えて記録セルへの書き込
みがうまく行った場合の信号 32…上向きの磁界パルスを与えて記録セルへの書き込
みがうまく行った場合の信号 33…上向きの磁界パルスを与えて記録セルへの書き込
みがうまく行かなかった場合の信号 41a、41b、41c…記録セル 42a、42b、42c…書き込みヘッド 51…ガラスディスク基板 52…軟磁性層 53…分離層 54…記録セル 55…非記録領域 56…保護膜 57…分離帯 58…記録トラック帯 61…磁気ディスク 62…単磁極書き込みヘッド 63…磁気センサー(GMR素子) 64…スライダヘッド 65…スピンドルモーター 71…磁気ディスク 72…スピンドルモーター 73…軸 74…アクチュエータアーム 75…サスペンション 76…スライダヘッド 77…ボイスコイルモーター 78…ピエゾ素子 81…ガラス基板 82…分離層 83…記録セル 84…非記録領域 85…保護膜 86…分離帯 87…記録トラック帯 91…磁気カード媒体 92…単磁極書き込みプローブ 93…コイル 94…マルチヘッド 95…マルチ補助磁極 96…アクチュエータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D006 BA08 BA11 BA19 BB07 CA03 DA03 DA08 EA03 FA00 5D091 CC02 CC11 GG01 HH20

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録トラック方向に沿って周期的に配列
    した複数の記録セルとこれらの記録セル間を分離する非
    磁性領域とを有する磁気記録媒体と、この磁気記録媒体
    に磁場を印加して前記記録セルに情報を記録する磁場印
    加記録手段と、前記磁場印加記録手段の磁場の印加によ
    り生ずる漏れ磁場を検出する検出手段と、前記漏れ磁場
    の検出に基づき前記磁場印加記録手段による記録タイミ
    ングを制御する制御手段とを具備することを特徴とする
    磁気記録装置。
  2. 【請求項2】 記録トラック方向に沿って周期的に配列
    した複数の記録セルとこれらの記録セル間を分離する非
    磁性領域とを有する磁気記録媒体と、この磁気記録媒体
    に電流磁場を印加して前記記録セルに情報を記録する磁
    場印加記録手段と、前記磁場印加記録手段の電流磁場の
    印加により生ずる該磁場印加記録手段における電流変化
    を検出する検出手段と、前記電流変化の検出に基づき前
    記磁場印加記録手段による記録タイミングを制御する制
    御手段とを具備することを特徴とする磁気記録装置。
  3. 【請求項3】 記録トラック方向に沿って周期的に配列
    した複数の記録セルとこれらの記録セル間を分離する非
    磁性領域とを有する磁気記録媒体と、この磁気記録媒体
    に磁場を印加して前記記録セルに情報を記録する磁場印
    加記録手段と、前記磁場印加記録手段の磁場の印加によ
    り前記記録セルに対する情報の記録を行えたかどうかを
    示す信号を検出する検出手段と、検出した前記信号に基
    づき前記磁場印加記録手段による記録タイミングを制御
    する制御手段とを具備することを特徴とする磁気記録装
    置。
  4. 【請求項4】 前記磁気記録媒体は、互いに隣り合う記
    録トラック上に位置する最近接の2つの記録セルの中心
    が該記録トラック方向に沿ってn分の1周期(nは2以
    上の整数)ずれていることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載の磁気記録装置。
  5. 【請求項5】 前記磁気記録媒体は、互いに隣り合う記
    録トラック上に位置する最近接の2つの記録セルの中心
    が該記録トラック方向に沿って2分の1周期ずれている
    ことを特徴とする請求項4記載の磁気記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録セルは垂直磁気記録層からな
    り、前記磁気記録媒体は該記録セルの下に軟磁性層を有
    することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の磁気記録装置。
  7. 【請求項7】 前記磁場印加記録手段は単磁極ヘッドを
    有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記
    載の磁気記録装置。
  8. 【請求項8】 前記検出手段は、前記磁気記録媒体の記
    録セルに記録された情報をも検出して読み出すことを特
    徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の磁気記録装
    置。
  9. 【請求項9】 記録トラック方向に沿って周期的に配列
    した複数の記録セルとこれらの記録セル間を分離する非
    磁性領域とを有する磁気記録媒体に磁気記録を行う方法
    であって、この磁気記録媒体に磁場を印加して前記記録
    セルに情報を記録し、前記磁場印加記録手段の磁場の印
    加により生ずる漏れ磁場を検出し、前記漏れ磁場の検出
    に基づき前記磁場印加記録手段による記録タイミングを
    制御することを特徴とする磁気記録方法。
  10. 【請求項10】 記録トラック方向に沿って周期的に配
    列した複数の記録セルとこれらの記録セル間を分離する
    非磁性領域とを有する磁気記録媒体に磁気記録を行う方
    法であって、この磁気記録媒体に電流磁場を印加して前
    記記録セルに情報を記録し、前記磁場印加記録手段の電
    流磁場の印加により生ずる該磁場印加記録手段における
    電流変化を検出し、前記電流変化の検出に基づき前記磁
    場印加記録手段による記録タイミングを制御することを
    特徴とする磁気記録方法。
  11. 【請求項11】 記録トラック方向に沿って周期的に配
    列した複数の記録セルとこれらの記録セル間を分離する
    非磁性領域とを有する磁気記録媒体と、この磁気記録媒
    体に磁場を印加して前記記録セルに情報を記録し、前記
    磁場印加記録手段の磁場の印加により前記記録セルに対
    する情報の記録を行えたかどうかを示す信号を検出し、
    検出した前記信号に基づき前記磁場印加記録手段による
    記録タイミングを制御することを特徴とする磁気記録方
    法。
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