JP2003280216A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2003280216A
JP2003280216A JP2002081162A JP2002081162A JP2003280216A JP 2003280216 A JP2003280216 A JP 2003280216A JP 2002081162 A JP2002081162 A JP 2002081162A JP 2002081162 A JP2002081162 A JP 2002081162A JP 2003280216 A JP2003280216 A JP 2003280216A
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JP2002081162A
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Yasuo Okamoto
安男 岡本
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線レーザを用いて記録するネガ型画像形
成材料からの平版印刷版の製版において、露光、現像後
の露光部と非露光部との差(ディスクリミネーション)
が大きく、かつ汚れ性が良好な平版印刷版を得る方法を
提供する。 【解決手段】 支持体上に(A)ラジカル発生剤、
(B)ラジカル重合性化合物、(C)赤外線吸収剤、及
び(D)バインダーポリマーを含有する画像記録層を設
けてなるネガ型画像形成材料を、赤外線レーザで画像露
光後、上記の少なくとも1種のラジカル重合性化合物の
溶解性パラメーターδpに対し±1.0の範囲にある溶
解性パラメーターδpを有する溶剤を含有するアルカリ
性現像液を用いて現像処理することを特徴とする画像形
成方法。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、赤外光線に感応性
を有する平版印刷版用原版に用いる画像形成方法に関
し、詳しくは、コンピュータ等のデジタル信号からレー
ザを用いて直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可
能なネガ型画像形成材料に適用し得る画像形成方法に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来、コンピュータのデジタルデータか
ら直接製版するシステムとしては、電子写真法による
もの、青色又は緑色を発光するレーザを用い露光する
光重合系によるもの、銀塩を感光性樹脂上に積層した
もの、銀塩拡散転写法によるもの等が提案されてい
る。しかしながら、の電子写真法を用いるものは、帯
電、露光、現像等画像形成のプロセスが煩雑であり、装
置が複雑で大がかりなものになる。また、の光重合系
によるものでは、青色や緑色の光に対して高感度な版材
を使用するため、明室での取扱いが難しくなる。、
の方法では銀塩を使用するため現像等の処理が煩雑にな
る、処理廃液中に銀が含まれる等の欠点がある。 【0003】一方、近年におけるレーザの発展は目ざま
しく、特に波長760nmから1200nmの赤外線を
放射する固体レーザ及び半導体レーザは、高出力かつ小
型のものが容易に入手できるようになっている。コンピ
ュータ等のデジタルデータから直接製版する際の記録光
源として、これらのレーザは非常に有用である。しか
し、実用上有用な多くの感光性記録材料は、感光波長が
760nm以下の可視光域であるため、これらの赤外線
レーザでは画像記録できない。このため、赤外線レーザ
で記録可能な材料が望まれている。このような赤外線レ
ーザにて記録可能な画像記録材料として、例えば米国特
許第4、708、925号明細書には、オニウム塩、フ
ェノール樹脂及び分光増感剤より成る記録材料が記載さ
れている。この画像記録材料は、オニウム塩とフェノー
ル樹脂により発現する現像液に対する溶解抑止効果を利
用したポジ型の画像記録材料である。 【0004】一方、ネガ型の画像記録材料としては、例
えば米国特許第5,340,699号明細書に赤外線吸
収剤、酸発生剤、レゾール樹脂及びノボラック樹脂より
成る記録材料が記載されている。このようなネガ型の画
像記録材料は、通常、画像様にレーザ露光した後にアル
カリ水溶液で現像し、画像が形成される。そして、この
ような現像工程には、自動現像機が使用されるのが一般
的である。例えば、特開平8−108621号公報に
は、光重合性組成物を用いたネガ型の画像形成材料が開
示され、ここでは現像にケイ酸カリウムなどを含む、p
Hが12を超える強アルカリ性水溶液が用いられてい
る。このような高いpHの現像液は、画像へ与えるダメ
ージが大きく、また自動現像機中で空気中の炭酸ガスを
吸収し、経時により現像液の活性度が低下するという問
題点があった。 【0005】また、特公平7−103171号には、特
定の構造を有するシアニン色素、ヨードニム塩及びエチ
レン性不飽和二重結合を有する付加重合可能な化合物よ
り成る、画像様露光後の加熱処理を必要としない記録材
料が記載されていて、この画像記録材料は、炭酸塩をア
ルカリ剤として用いた弱アルカリ性の水溶液により現像
されている。炭酸塩を用いた現像液は、空気中の炭酸ガ
スを吸収しないため好ましいが、画像記録材料の溶解性
に乏しく、感光層を完全に除去することができず、印刷
すると非画像部に汚れを生じるという問題があった。 【0006】このようにネガ型の画像記録材料からの製
版において、未だ満足のいく現像処理方法が見出されて
いない。特に赤外線レーザによる記録方式は、赤外線照
射により露光部分において光を吸収して熱を発生する物
質が発熱し、露光部分を硬化するもの(ヒートモード
型)であるため、支持体であるアルミニウムに吸熱され
てしまうことから熱効率が低くなる。このため赤外線硬
化型の画像形成材料では、露光部の硬化度が低く、その
上、現像時に現像液が浸透するために露光部と非露光部
との差がつきにくいという問題があった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、赤外
線レーザを用いて記録するネガ型画像形成材料からの平
版印刷版の製版において、露光、現像後の露光部と非露
光部との差(ディスクリミネーション)が大きく、かつ
汚れ性が良好な平版印刷版を得る方法を提供することで
ある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、溶解性パラメーター(Solubility Paramete
r、以下「SP値」とも略称する)δpに着目し、画像
記録層中に用いられるラジカル重合性化合物のSP値δ
pと特定の関係にあるSP値δpを持つ溶剤をアルカリ
性現像液中に含ませておくことによって、上記課題を達
成できることを見出した。したがって本発明は、支持体
上に(A)ラジカル発生剤、(B)ラジカル重合性化合
物、(C)赤外線吸収剤、及び(D)バインダーポリマ
ーを含有する画像記録層を設けてなるネガ型画像形成材
料を、赤外線レーザで画像露光後、上記の少なくとも1
種のラジカル重合性化合物の溶解性パラメーターδpに
対し±1.0の範囲にある溶解性パラメーターδpを有
する溶剤を含有するアルカリ性現像液を用いて現像処理
することを特徴とする画像形成方法である。 【0009】 【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明においては、画像記録層中に用いる少なくとも1
種のラジカル重合性化合物とアルカリ性現像液中に用い
る溶剤とのSP値δpの差が重要である。該溶剤のSP
値δpがラジカル重合性化合物のSP値δpに対し、±
1.0の範囲にあることが有効である。SP値δpはHoy
法により算出することができ、その算出方法は、Polyme
r Handbook,4th. Ed. VII/687、Van Kerelen “Propert
ies of Polymers ”3rd.Ed. Elsevier(1990), C.M.Hans
en, J.Paint.Technol. 39(505)105(1967), E.B.Bagleye
t. al., J.Paint.Technol. 42(550)636(1970) 等に記載
されている。SP値δpは次の式によって求めることが
できる。 【数1】 上記式を代入し、V、Ft、ΔT、Fpは Polymer Handbo
ok VII/686, 687の Table 5,6 等の表により求めること
ができ、これらによりδpを計算することができる。こ
の範囲のSP値を有する溶剤が有効な理由は明確ではな
いが、特異的に硬化した露光部への浸透性が低く、ラジ
カル重合性化合物と類似した構造の溶剤が感熱層を溶解
しやすいため、非露光部の溶解性が大きいことによるの
ではないかと推定される。 【0010】本発明においてアルカリ性現像液中に使用
する溶剤としては、画像形成材料の画像記録層中に用い
られる少なくとも1種のラジカル重合性化合物との関係
でδpが上記の範囲にあれば、どのような種類のもので
も使用できるが、水溶性のものが好ましい。具体的に
は、アルコール性水酸基を有するもの(一価アルコー
ル、多価アルコール)、アルコキシ基やアリーロキシ基
で置換されているアルコール類、アミド結合を有するも
の、エステル結合を有するもの等を挙げることができ
る。限定されるわけではないが、例えばエタノール、グ
リセリン、エチレングリコール、ベンジルアルコール、
2-フェノキシエタノール、3-メトキシ-2-プロパノー
ル、ジメチルホルムアミド、1-フェニルエタノール、2-
フェニルエタノール、3-フェニル-1-プロパノール、4-
フェニル-1-ブタノール、4-フェニル-2-ブタノール、2-
フェニル-1-ブタノール、2-ベンジルオキシエタノー
ル、o-メトキシベンジルアルコール、m-メトキシベンジ
ルアルコール、p-メトキシベンジルアルコール、シクロ
ヘキサノール、2-メチルシクロヘキサノール、3-メチル
シクロヘキサノール、4-メチルシクロヘキサノール、N-
フェニルエタノールアミン、N-フェニルジエタノールア
ミン、プロピレングリコールなどから選ぶことができ
る。これらの溶剤はアルカリ性現像液中に0.01〜3
0質量%含まれるのが適当であり、0.1〜20質量%
含まれるのが好ましい。さらに好ましくは0.5〜15
質量%である。溶剤含有率が少なすぎると効果がなく、
また多すぎると画像へ与えるダメージが大きくなる。 【0011】ラジカル重合性化合物とアルカリ性現像液
中に用いる溶剤との組合せの好ましい例として次のもの
がある。 C(CH2COOCH=CH24等のペンタエリスリトール誘導体を骨格とするもの、 等のウレタン結合を有するものから選ばれるラジカル重
合性化合物とベンジルアルコール、2−フェノキシエタ
ノール、エタノール、3−メトキシプロパノール、ジメ
チルホルムアミドから選ばれる溶剤の組合せ。 のような構造: を有するラジカル重合性化合物と、溶剤としてグリセリ
ン、エチレングリコール等の多価アルコールの組合せ。 【0012】本発明に使用されるアルカリ性現像液(以
下、単に現像液ともいう。)は、前記溶剤を含有するア
ルカリ水溶液であり、そのpHは8〜14の範囲が適当
であり、好ましくは9〜13.5である。現像液中に含
有させるアルカリ剤は従来公知のものから選択すること
ができ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウ
ム、リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン
酸二カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリ
ウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ
酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム等
の無機アルカリ剤、クエン酸カリウム、クエン酸三カリ
ウム、クエン酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸
カリウム等が挙げられる。またさらに、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルア
ミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプ
ロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソ
プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチ
レンイミン、エチレンジアミン、ピリジン等の有機アル
カリ剤も好適に挙げることができる。これらのアルカリ
剤は単独もしくは2種以上を組み合わせて用いられる。
また、pH調整剤として、例えば特開平8-305039号公報
に記載のサッカロース、D,L−アラビット、D、L−ソル
ビット、D、L−マンニット等の非還元糖を含有させても
よい。 【0013】本発明で使用する現像液にはさらに以下の
ような添加剤を含めることができる。 [キレート剤]本発明で使用する現像液は、キレート剤
を含有していてもよい。キレート剤としては、例えば、
Na227、Na533、Na339、Na24P(Na
3P)PO3Na2、カルゴン(ポリメタリン酸ナトリウ
ム)などのポリリン酸塩、例えばエチレンジアミンテト
ラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ジエチレ
ントリアミンペンタ酢酸、そのカリウム塩、ナトリウム
塩;トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;ヒドロキシエチルエチレンジア
ミントリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;ニ
トリロトリ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウム塩;
1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸、そのカリ
ウム塩、そのナトリウム塩;1,3−ジアミノ−2−プ
ロパノールテトラ酢酸、そのカリウム塩、そのナトリウ
ム塩などのようなアミノポリカルボン酸類の他2−ホス
ホノブタントリカルボン酸−1,2,4、そのカリウム
塩、そのナトリウム塩;2一ホスホノブタノントリカル
ボン酸−2,3,4、そのカリウム塩、そのナトリウム
塩;1−ホスホノエタントリカルボン酸−1,2、2、
そのカリウム塩、そのナトリウム塩;1−ヒドロキシエ
タン−1,1−ジホスホン酸、そのカリウム塩、そのナ
トリウム塩;アミノトリ(メチレンホスホン酸)、その
カリウム塩、そのナトリウム塩などのような有機ホスホ
ン酸類を挙げることができる。このようなキレート剤の
最適量は使用される硬水の硬度およびその使用量に応じ
て変化するが、一般的には、使用時の現像液中に0.0
01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量
%の範囲で含有させられる。 【0014】[界面活性剤]また、本発明で使用される
現像液には、以下に記す界面活性剤を加えてもよい。例
えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステア
リルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル
類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエ
チレングリコールモノフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレングリコールモノナフチルエーテル等のポリオキシ
エチレングリコールモノアリールエーテル類、ポリオキ
シエチレンステアレート等のポリオキシエチレンアルキ
ルエステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタン
モノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビ
タンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソ
ルビタントリオレエート等のソルビタンアルキルエステ
ル類、グリセロールモノステアレート、グリセロールモ
ノオレート等のモノグリセリドアルキルエステル類等の
ノニオン界面活性剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、ブチルナ
フタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンス
ルホン酸ナトリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム等
のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナ
トリウム等のアルキル硫酸塩類、ドデシルスルホン酸ソ
ーダ等のアルキルスルホン酸塩類、ジラウリルスルホコ
ハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸エステル塩類等の
アニオン界面活性剤:ラウリルベタイン、ステアリルベ
タイン等のアルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界
面活性剤が使用可能である。これら界面活性剤は単独、
もしくは組み合わせて使用することができる。また、こ
れら界面活性剤の現像液中における含有量は有効成分換
算で、0.1から20質量%が好ましい。添加量が0.
1質量%未満では、非画像部に汚れを生じるおそれがあ
り、添加量が20質量%を越えると、耐刷性が低下する
傾向があり、いずれも好ましくない。 【0015】[その他の成分]本発明に使用される現像
液には、上記の成分の他に、必要に応じて以下のような
成分を併用することができる。例えば安息香酸、フタル
酸、p−エチル安息香酸、p−n−プロピル安息香酸、
p−イソプロピル安息香酸、p−n−ブチル安息香酸、
p−t−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p
−2−ヒドロキシエチル安息香酸、デカン酸、サリチル
酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等の有機カルボン
酸;この他、還元剤、染料、顔料、硬水軟化剤、防腐剤
等が挙げられる。 【0016】上記の現像液は、露光されたネガ型画像形
成材料の現像液および現像補充液として用いることがで
き、自動現像機に適用することが好ましい。自動現像機
を用いて現像する場合、処理量に応じて現像液が疲労し
てくるので、補充液または新鮮な現像液を用いて処理能
力を回復させてもよい。特に、仕込み時の現像液より炭
酸水素塩濃度の高い補充液を現像液に加えることによっ
て、長時間現像タンク中の現像液を交換することなく、
多量の画像形成材料を処理できる。本発明の画像形成方
法においてもこの補充方式が好ましく適用される。 【0017】本発明の画像形成方法は、支持体上に
(A)ラジカル発生剤、(B)ラジカル重合性化合物、
(C)赤外線吸収剤、及び(D)バインダーポリマーを
含有する画像記録層を設けてなるネガ型画像形成材料に
適用するものである。この画像形成材料は、画像記録層
として(A)ラジカル発生剤、(B)ラジカル重合性化
合物、(C)赤外線吸収剤、及び(D)バインダーポリ
マーを含有する層を備えている。このような画像形成材
料は赤外線レーザによる画像様露光により、露光部の
(C)赤外線吸収剤が光熱変換し、発生した熱により
(A)ラジカル発生剤が分解してラジカルを発生し、こ
のラジカルにより(B)ラジカル重合性化合物と、
(D)バインダーポリマーとを含む画像記録層が硬化し
て画像部を形成する。その後、先に述べたアルカリ性現
像液で現像することで、硬化していない未露光の記録層
が除去され、非画像部を形成するものである。 【0018】画像記録層の各構成成分について、順次説
明する。 [(A)ラジカル発生剤]本発明において用いられるラ
ジカル発生剤は、(C)赤外線吸収剤と組み合わせて用
い、赤外線レーザを照射した際にラジカルを発生する化
合物をさす。ラジカル発生剤としては、オニウム塩、ト
リアハロメチル基を有するS−トリアジン、過酸化物、
アゾ系重合開始剤、アジド化合物及びボレート塩が挙げ
られる。オニウム塩が高感度であり、好ましい。オニウ
ム塩としては、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩、スル
ホニウム塩が挙げられる。本発明において、これらのオ
ニウム塩は酸発生剤ではなく、ラジカル重合の開始剤と
して機能する。本発明において好適に用いられるオニウ
ム塩は、下記一般式(1)〜(3)で表されるオニウム
塩である。 【0019】 【0020】式(1)中、Ar11とAr12は、それぞれ
独立に、置換基を有していても良い炭素原子数20個以
下のアリール基を示す。このアリール基が置換基を有す
る場合の好ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニト
ロ基、炭素原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数
12個以下のアルコキシ基、または炭素原子数12個以
下のアリールオキシ基が挙げられる。Z11-はハロゲン
イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオ
ン、カルボン酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェート
イオン、およびスルホン酸イオン等の対イオンを表し、
好ましくは、過塩素酸イオン、カルボン酸イオン、およ
びアリールスルホン酸イオンである。 【0021】式(2)中、Ar21は、置換基を有してい
ても良い炭素原子数20個以下のアリール基を示す。好
ましい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素
原子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下
のアルコキシ基、炭素原子数12個以下のアリールオキ
シ基、炭素原子数12個以下のアルキルアミノ基、炭素
原子数12個以下のジアルキルアミノ基、炭素原子数1
2個以下のアリールアミノ基または、炭素原子数12個
以下のジアリールアミノ基が挙げられる。Z21 -はZ11-
と同義の対イオンを表す。 【0022】式(3)中、R31、R32及びR33は、それ
ぞれ同じでも異なっていても良く、置換基を有していて
も良い炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ま
しい置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、炭素原
子数12個以下のアルキル基、炭素原子数12個以下の
アルコキシ基、または炭素原子数12個以下のアリール
オキシ基が挙げられる。Z31-はZ11-と同義の対イオン
を表す。 【0023】好適に用いることのできるオニウム塩の具
体例としては、以下に挙げるが、本発明はこれらに制限
されるものではない。 【0024】【0025】【0026】【0027】【0028】【0029】本発明において用いられるラジカル発生剤
は、極大吸収波長が400nm以下であることが好まし
く、さらに360nm以下であることが好ましい。この
ように吸収波長を紫外線領域にすることにより、画像形
成材料の取り扱いを白灯下で実施することができる。 【0030】これらのラジカル発生剤は、画像記録層塗
布液の全固形分に対し0.1〜50質量%、好ましくは
0.5〜30質量%、特に好ましくは1〜20質量%の
割合で画像記録層塗布液中に添加することができる。添
加量が0.1質量%未満であると感度が低くなり、また
50質量%を越えると印刷時非画像部に汚れが発生す
る。これらのラジカル発生剤は、1種のみを用いても良
いし、2種以上を併用しても良い。また、これらのラジ
カル発生剤は他の成分と同一の層に添加してもよいし、
別の層を設けそこへ添加してもよい。 【0031】[(B)ラジカル重合性化合物]本発明に
使用されるラジカル重合性化合物は、少なくとも一個の
エチレン性不飽和二重結合を有するラジカル重合性化合
物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1
個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。こ
のような化合物群は当該産業分野において広く知られる
ものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用
いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポ
リマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマー、ま
たはそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化
学的形態をもつ。モノマーおよびその共重合体の例とし
ては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マ
レイン酸など)や、そのエステル類、アミド類があげら
れ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコ
ール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多
価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒド
ロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換
基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官
能もしくは多官能イソシアネート類、エポキシ類との付
加反応物、単官能もしくは、多官能のカルボン酸との脱
水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナ
ート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和
カルボン酸エステルまたはアミド類と、単官能もしくは
多官能のアルコール類、アミン類およびチオール類との
付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の
脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたは
アミド類と、単官能もしくは多官能のアルコール類、ア
ミン類およびチオール類との置換反応物も好適である。
また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わり
に、不飽和ホスホン酸、スチレン等に置き換えた化合物
群を使用することも可能である。 【0032】脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カル
ボン酸とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体
例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリ
コールジアクリレート、トリエチレングリコールジアク
リレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テ
トラメチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシ
プロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリ
レート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シ
クロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレン
グリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジア
クリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、
ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエ
リスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、
ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタ
アクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ
(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリ
エステルアクリレートオリゴマー等がある。 【0033】メタクリル酸エステルとしては、テトラメ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレ
ート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタ
エリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビト
ールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリ
ルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメ
チルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキ
シ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。 【0034】イタコン酸エステルとしては、エチレング
リコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタ
コネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、
1,4−ブタンジオールジイタコネート、テトラメチレ
ングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジ
イタコネート、ソルビトールテトライタコネート等があ
る。クロトン酸エステルとしては、エチレングリコール
ジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネ
ート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビト
ールテトラジクロトネート等がある。イソクロトン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネー
ト、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビ
トールテトライソクロトネート等がある。マレイン酸エ
ステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリ
エチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトール
ジマレート、ソルビトールテトラマレート等がある。 【0035】その他のエステルの例として、例えば、特
公昭46−27926号公報、特公昭51−47334
号公報、特開昭57−196231号公報に記載の脂肪
族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240、
特開昭59−5241、特開平2−226149号各公
報に記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−16
5613号公報に記載のアミノ基を含有するもの等も好
適に用いられる。 【0036】また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カ
ルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチ
レンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリル
アミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミ
ド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、
ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレ
ンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミ
ド等がある。 【0037】その他の好ましいアミド系モノマーの例と
しては、特公昭54−21726記載のシクロへキシレ
ン構造を有すものを挙げることができる。 【0038】また、イソシアネートと水酸基の付加反応
を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適
であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭4
8−41708号公報中に記載されている1分子に2個
以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化
合物に、下記一般式(4)で示される水酸基を含有する
ビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合
性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げら
れる。 一般式(4) CH2=C(R41)COOCH2CH(R42)OH (ただし、R41およびR42は、HまたはCH3を示
す。) 【0039】また、特開昭51−37193号、特公平
2−32293号、特公平2−16765号に記載され
ているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−
49860号、特公昭56−17654号、特公昭62
−39417、特公昭62−39418号記載のエチレ
ンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適で
ある。 【0040】さらに、特開昭63−277653,特開
昭63−260909号、特開平1−105238号に
記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有
するラジカル重合性化合物類を用いても良い。 【0041】その他の例としては、特開昭48−641
83号、特公昭49−43191号、特公昭52−30
490号、各公報に記載されているようなポリエステル
アクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を
反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリ
レートやメタクリレートをあげることができる。また、
特公昭46−43946号、特公平1−40337号、
特公平1−40336号記載の特定の不飽和化合物や、
特開平2−25493号記載のビニルホスホン酸系化合
物等もあげることができる。また、ある場合には、特開
昭61−22048号記載のペルフルオロアルキル基を
含有する構造が好適に使用される。さらに日本接着協会
誌 vol.20、No.7、300〜308ページ(1984
年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介さ
れているものも使用することができる。 【0042】これらのラジカル重合性化合物について、
どのような構造を用いるか、単独で使用するか併用する
か、添加量はどうかといった、使用方法の詳細は、最終
的な記録材料の性能設計にあわせて、任意に設定でき
る。例えば、次のような観点から選択される。感度の点
では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好まし
く、多くの場合、2官能以上がこのましい。また、画像
部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以
上のものが良く、さらに、異なる官能数・異なる重合性
基を有する化合物(例えば、アクリル酸エステル系化合
物、メタクリル酸エステル系化合物、スチレン系化合物
等)を組み合わせて用いることで、感光性と強度の両方
を調節する方法も有効である。大きな分子量の化合物
や、疎水性の高い化合物は感度や膜強度に優れる反面、
現像スピードや現像液中での析出といった点で好ましく
無い場合がある。また、画像記録層中の他の成分(例え
ばバインダーポリマー、開始剤、着色剤等)との相溶
性、分散性に対しても、ラジカル重合化合物の選択・使
用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用
や、2種以上化合物の併用によって、相溶性を向上させ
うることがある。また、支持体、オーバーコート層等の
密着性を向上せしめる目的で特定の構造を選択すること
もあり得る。画像記録層中のラジカル重合性化合物の配
合比に関しては、多い方が感度的に有利であるが、多す
ぎる場合には、好ましく無い相分離が生じたり、画像記
録層の粘着性による製造工程上の問題(例えば、記録層
成分の転写、粘着に由来する製造不良)や、現像液から
の析出が生じる等の問題を生じうる。これらの観点か
ら、ラジカル重合性化合物の好ましい配合比は、多くの
場合、組成物全成分に対して5〜80質量%、好ましく
は20〜75質量%である。また、これらは単独で用い
ても2種以上併用してもよい。そのほか、ラジカル重合
性化合物の使用法は、酸素に対する重合阻害の大小、解
像度、かぶり性、屈折率変化、表面粘着性等の観点から
適切な構造、配合、添加量を任意に選択でき、さらに場
合によっては下塗り、上塗りといった層構成・塗布方法
も実施しうる。 【0043】[(C)赤外線吸収剤]本発明の画像形成
方法では、赤外線レーザにて画像記録するため、画像記
録層に赤外線吸収剤を含めることが必須である。赤外線
吸収剤は、吸収した赤外線を熱に変換する機能を有して
いる。この際発生した熱により、ラジカル発生剤が分解
し、ラジカルを発生する。本発明において使用される赤
外線吸収剤は、波長760nmから1200nmに吸収
極大を有する染料又は顔料である。 【0044】染料としては、市販の染料及び例えば「染
料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の
文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的
には、例えば特開平10−39509号公報の段落番号
[0050]〜[0051]に記載のものを挙げること
ができ、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ
染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロ
シアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、
メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリ
リウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。 【0045】好ましい染料としては、例えば、特開昭5
8−125246号、特開昭59−84356号、特開
昭59−202829号、特開昭60−78787号等
に記載されているシアニン染料、特開昭58−1736
96号、特開昭58−181690号、特開昭58−1
94595号等に記載されているメチン染料、特開昭5
8−112793号、特開昭58−224793号、特
開昭59−48187号、特開昭59−73996号、
特開昭60−52940号、特開昭60−63744号
等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−1
12792号等に記載されているスクワリリウム色素、
英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げ
ることができる。 【0046】また、米国特許第5,156,938号記
載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特
許第3,881,924号記載の置換されたアリールベ
ンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645
号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチ
ンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同
58−220143号、同59−41363号、同59
−84248号、同59−84249号、同59−14
6063号、同59−146061号に記載されている
ピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載
のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記
載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13
514号、同5−19702号に開示されているピリリ
ウム化合物も好ましく用いられる。 【0047】また、染料として好ましい別の例として米
国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、
(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げるこ
とができる。 【0048】これらの染料のうち特に好ましいものとし
ては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム
塩、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。さらに、シ
アニン色素が好ましく、特に下記一般式(5)で示され
るシアニン色素が最も好ましい。 【0049】【0050】一般式(5)中、X1は、ハロゲン原子、
2−L1またはNL23を示す。ここで、X2は酸素原
子または、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜1
2の炭化水素基を示し、L2及びL3はそれぞれ独立に炭
素原子数1〜12の炭化水素基を示す。R1およびR
2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素
基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、R1および
2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが
好ましく、さらに、R1とR2とは互いに結合し、5員環
または6員環を形成していることが特に好ましい。Ar
1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、置
換基を有していても良い芳香族炭化水素基を示す。
1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていても良く、硫
黄原子または炭素原子数12個以下のジアルキルメチレ
ン基を示す。R 3、R4は、それぞれ同じでも異なってい
ても良く、置換基を有していても良い炭素原子数20個
以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭
素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、
スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7およびR8は、そ
れぞれ同じでも異なっていても良く、水素原子または炭
素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性
から、好ましくは水素原子である。また、Z1-は、対ア
ニオンを示す。ただし、R1〜R8のいずれかにスルホ基
が置換されている場合は、Z1-は必要ない。好ましいZ
1-は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオ
ン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、
ヘキサフルオロフォスフェートイオン、およびスルホン
酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ト
リフルオロメチルスルホン酸イオン、およびアリールス
ルホン酸イオンである。 【0051】好適に用いることのできる一般式(5)で
示されるシアニン色素の具体例を以下に挙げるが、本発
明はこれらに制限されるものではない。 【0052】【0053】【0054】【0055】 【0056】本発明において使用される顔料としては、
市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、
「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年
刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年
刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)
に記載されている顔料が利用できる。 【0057】顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔
料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、
青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、
ポリマー結合色素が挙げられる。これらの顔料の詳細
は、特開平10−39509号公報の段落番号[005
2]〜[0054]に詳細に記載されており、これらを
本発明にも適用することができる。これらの顔料のうち
好ましいものはカーボンブラックである。 【0058】画像記録層中における、上述の染料又は顔
料の含有量としては、画像記録層の全固形分質量に対
し、0.01〜50質量%が好ましく、0.1〜10質
量%がより好ましく、さらに染料の場合には、0.5〜
10質量%が最も好ましく、顔料の場合には、1.0〜
10質量%が最も好ましい。前記含有量が、0.01質
量%未満であると、感度が低くなることがあり、50質
量%を超えると、平版印刷用原版とした場合の非画像部
に汚れが発生することがある。 【0059】[(D)バインダーポリマー]画像記録層
にさらにバインダーポリマーを添加することが膜性向上
の観点から好ましい。バインダーとしては線状有機ポリ
マーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポ
リマー」としては、どれを使用しても構わない。好まし
くは水現像あるいは弱アルカリ水現像を可能とするため
に、水あるいは弱アルカリ水可溶性または膨潤性である
線状有機ポリマーが選択される。線状有機ポリマーは、
画像記録層を形成するための皮膜形成剤としてだけでな
く、水、弱アルカリ水あるいは有機溶剤現像剤としての
用途に応じて選択使用される。例えば、水可溶性有機ポ
リマーを用いると水現像が可能になる。このような線状
有機ポリマーとしては、側鎖にカルボン酸基を有するラ
ジカル重合体、例えば特開昭59−44615号、特公
昭54−34327号、特公昭58−12577号、特
公昭54−25957号、特開昭54−92723号、
特開昭59−53836号、特開昭59−71048号
に記載されているもの、すなわち、メタクリル酸共重合
体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロト
ン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マ
レイン酸共重合体等がある。また同様に側鎖にカルボン
酸基を有する酸性セルロース誘導体がある。この他に水
酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものな
どが有用である。 【0060】特にこれらの中で、ベンジル基またはアリ
ル基と、カルボキシル基を側鎖に有する(メタ)アクリ
ル樹脂が、膜強度、感度、現像性のバランスに優れてお
り、好適である。また、側鎖にRCH=CH−C(O)
−O−基(R:H、アルキル基、置換アルキル基)を有
するものも好適である。 【0061】また、特公平7−120041号、特公平
7−120042号、特公平8−12424号、特開昭
63−287944号、特開昭63−287947号、
特開平1−271741号等に記載される酸基を含有す
るウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優
れるので、耐刷性・低露光適性の点で有利である。 【0062】さらにこの他に水溶性線状有機ポリマーと
して、ポリビニルピロリドンやポリエチレンオキサイド
等が有用である。また硬化皮膜の強度を上げるためにア
ルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロ
キシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリ
エーテル等も有用である。 【0063】本発明で使用されるポリマーの重量平均分
子量については好ましくは5000以上であり、さらに
好ましくは1万〜30万の範囲であり、数平均分子量に
ついては好ましくは1000以上であり、さらに好まし
くは2000〜25万の範囲である。多分散度(重量平
均分子量/数平均分子量)は1以上が好ましく、さらに
好ましくは1.1〜10の範囲である。 【0064】これらのポリマーは、ランダムポリマー、
ブロックポリマー、グラフトポリマー等いずれでもよい
が、ランダムポリマーであることが好ましい。 【0065】本発明で使用されるバインダーポリマーは
単独で用いても混合して用いてもよい。これらポリマー
は、画像記録層塗布液の全固形分に対し20〜95質量
%、好ましくは30〜90質量%の割合で画像記録層中
に添加される。添加量が20質量%未満の場合は、画像
形成した際、画像部の強度が不足する。また添加量が9
5質量%を越える場合は、画像形成されない。またラジ
カル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有する化合
物と線状有機ポリマーは、質量比で1/9〜7/3の範
囲とするのが好ましい。 【0066】[その他の成分]画像記録層には、さらに
必要に応じてこれら以外に種々の化合物を添加してもよ
い。例えば、可視光域に大きな吸収を持つ染料を画像の
着色剤として使用することができる。具体的には、オイ
ルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイル
ピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーB
OS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オ
イルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オ
リエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブル
ー、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチ
ルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレッ
ト、ローダミンB(CI145170B)、マラカイト
グリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI5
2015)等、及び特開昭62−293247号に記載
されている染料を挙げることができる。また、フタロシ
アニン系顔料、アゾ系顔料、酸化チタンなどの顔料も好
適に用いることができる。これらの着色剤は、画像形成
後、画像部と非画像部の区別がつきやすいので、添加す
る方が好ましい。なお、添加量は、画像記録層塗布液全
固形分に対し、0.01〜10質量%の割合である。 【0067】また、塗布液の調製中あるいは保存中にお
いてラジカル重合可能なエチレン性不飽和二重結合を有
する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重
合防止剤を添加することが望ましい。適当な熱重合防止
剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、
ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−
ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン
アルミニウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量
は、全組成物の質量に対して約0.01質量%〜約5質
量%が好ましい。また必要に応じて、画像記録層の摩擦
係数を下げ、キズを防止するためにベヘン酸やベヘン酸
アミドのような高級脂肪酸誘導体や1−ドコサノールの
ようなアルコール等を添加して、塗布後の乾燥の過程で
画像記録層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導
体の添加量は、全組成物の約0.1質量%〜約10質量
%が好ましい。 【0068】また、画像記録層塗布液中には、現像条件
に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−25
1740号や特開平3−208514号に記載されてい
るような非イオン界面活性剤、特開昭59−12104
4号、特開平4−13149号に記載されているような
両性界面活性剤を添加することができる。 【0069】非イオン界面活性剤の具体例としては、ソ
ルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテー
ト、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセ
リド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が
挙げられる。両性界面活性剤の具体例としては、アルキ
ルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエ
チルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエ
チル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイ
ン、N−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、
商品名アモーゲンK、第一工業(株)製)等が挙げられ
る。上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の画像
記録層塗布液中に占める割合は、0.05〜15質量%
が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。 【0070】さらに、画像記録層塗布液中には、必要に
応じ、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤が加えら
れる。例えば、ポリエチレングリコール、クエン酸トリ
ブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル
酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジ
ル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン
酸テトラヒドロフルフリル等が用いられる。 【0071】本発明で用いる画像形成材料を製造するに
は、通常、画像記録層塗布液に必要な上記各成分を溶媒
に溶かして、適当な支持体上に塗布すればよい。ここで
使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロ
ヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレ
ングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−
プロパノール、1−メトキシ−3−プロパノール、2−
メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピ
ルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エ
チル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロ
リドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチ
ロラクトン、トルエン、水等を挙げることができるがこ
れに限定されるものではない。これらの溶媒は単独又は
混合して使用される。溶媒中の上記成分(添加剤を含む
全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%であ
る。 【0072】また塗布、乾燥後に得られる支持体上の画
像記録層塗布量(固形分)は、用途によって異なるが、
平版印刷版原版についていえば一般的に0.5〜5.0
g/m2が好ましい。塗布する方法としては、種々の方
法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗
布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ
塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等
を挙げることができる。塗布量が少なくなるにつれて、
見かけの感度は大になるが、画像記録の機能を果たす画
像記録層の皮膜特性は低下する。 【0073】(酸素遮断性保護層)ネガ型画像形成材料
の画像記録層上には、水溶性ビニル重合体を主成分とす
る酸素遮断性保護層を設けてもよい。酸素遮断性保護層
に含まれる水溶性ビニル重合体としては、ポリビニルア
ルコール、およびその部分エステル、エーテル、および
アセタール、またはそれらに必要な水溶性を有せしめる
ような実質的量の未置換ビニルアルコール単位を含有す
るその共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールと
しては、71〜100%加水分解され、重合度が300
〜2400の範囲のものが挙げられる。具体的には、株
式会社クラレ製PVA−105、PVA−110、PV
A−117、PVA−117H、PVA−120、PV
A−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA
−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−2
04、PVA−205、PVA−210、PVA−21
7、PVA−220、PVA−224、PVA−217
EE、PVA−220、PVA−224、PVA−21
7EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA
−224E、PVA−405、PVA−420、PVA
−613、L−8等が挙げられる。上記の共重合体とし
ては、88〜100%加水分解されたポリビニルアセテ
ートクロロアセテートまたはプロピオネート、ポリビニ
ルホルマールおよびポリビニルアセタールおよびそれら
の共重合体が挙げられる。その他有用な重合体として
は、ポリビニルピロリドン、ゼラチンおよびアラビアゴ
ム等が挙げられ、これらは単独または、併用して用いて
も良い。 【0074】この酸素遮断性保護層を塗布する際用いる
溶媒としては、純水が好ましいが、メタノール、エタノ
ールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン類を純水と混合しても良い。そして塗布
溶液中の固形分の濃度は1〜20重量%が適当である。
この酸素遮断性保護層にはさらに塗布性を向上させるた
めの界面活性剤、皮膜の物性を改良するための水溶性の
可塑剤等の公知の添加剤を加えても良い。水溶性の可塑
剤としては、たとえばプロピオンアミド、シクロヘキサ
ンジオール、グリセリン、ソルビトール等がある。ま
た、水溶性の(メタ)アクリル系ポリマーなどを添加し
ても良い。その被覆量は、乾繰後の重量で約0.1g/
2〜約15g/m2の範囲が適当である。より好ましく
は1.0g/m2〜約5.0g/m2である。 【0075】[支持体]本発明で用いる画像記録材料に
おいて前記画像記録層を塗布可能な支持体としては、寸
度的に安定な板状物であり、例えば、紙、プラスチック
(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミ
ニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例え
ば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン
酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアセタール等)、上記の如き金属がラ
ミネート若しくは蒸着された紙又はプラスチックフィル
ム等が挙げられる。好ましい支持体としては、ポリエス
テルフィルム又はアルミニウム板が挙げられる。 【0076】本発明で用いる画像記録材料に使用する支
持体としては、軽量で表面処理性、加工性、耐食性に優
れたアルミニウム板を使用することが好ましい。この目
的に供されるアルミニウム材質としては、JIS 10
50材、JIS 1100材、JIS 1070材、A
l−Mg系合金、Al−Mn系合金、Al−Mn−Mg
系合金、Al−Zr系合金。Al−Mg−Si系合金な
どが挙げられる。 【0077】アルミニウム板は表面に粗面化処理等の表
面処理を行い、画像記録層を塗布して平版印刷版原版と
することが出来る。粗面化処理には、機械的粗面化、化
学的粗面化、電気化学的粗面化が単独又は組み合わせて
行われる。また、表面のキズ付き難さを確保するための
陽極酸化処理を行ったり、親水性を増すための処理を行
うことも好ましい。 【0078】以下に支持体の表面処理について説明す
る。アルミニウム板を粗面化するに先立ち、必要に応
じ、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、
有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が
行われてもよい。アルカリの場合、次いで酸性溶液で中
和、スマット除去などの処理を行ってもよい。 【0079】次いで支持体と画像記録層の密着性を良好
にし、かつ非画像部に保水性を与えるため、支持体の表
面を粗面化する、いわゆる、砂目立て処理がなされてい
る。この砂目立て処理法の具体的手段としては、サンド
ブラスト等の機械的砂目立て方法があり、またアルカリ
または酸あるいはそれらの混合物からなるエッチング剤
で表面を粗面化処理する化学的砂目立て方法がある。ま
た、電気化学的砂目立て方法、支持体材料に、粒状体を
接着剤またはその効果を有する方法で接着させて表面を
粗面化する方法や、微細な凹凸を有する連続帯やロール
を支持体材料に圧着させて凹凸を転写する粗面化方法等
公知の方法を適用できる。 【0080】これらのような粗面化方法は複数を組み合
わせて行ってもよく、その順序、繰り返し数などは任意
に選択することができる。前述のような粗面化処理すな
わち砂目立て処理して得られた支持体の表面には、スマ
ットが生成しているので、このスマットを除去するため
に適宜水洗あるいはアルカリエッチング等の処理を行う
ことが一般的に好ましい。 【0081】アルミニウム支持体の場合には、前述のよ
うな前処理を施した後、通常、耐摩耗性、耐薬品性、保
水性を向上させるために、陽極酸化によって支持体に酸
化皮膜を形成させる。アルミニウム板の陽極酸化処理に
用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を形成するも
のならばいかなるものでも使用することができ、一般に
は硫酸、リン酸、蓚酸、塩酸、硝酸あるいはこれらの混
酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類
によって適宜決められる。陽極酸化の処理条件は用いる
電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが、一
般的には電解質の濃度が1〜80%溶液、液温は5〜7
0℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100
V、電解時間10秒〜5分の範囲にあれば適当である。
陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2以上が好適である
が、より好ましくは2.0〜6.0g/m2の範囲であ
る。陽極酸化皮膜が1.0g/m2未満であると耐刷性
が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き
易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわ
ゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。 【0082】前記陽極酸化処理を施された後、前記アル
ミニウムの表面は、必要に応じてシリケート処理等の親
水化処理が施される。このようなアルミニウム支持体は
陽極酸化処理後に有機酸またはその塩による処理また
は、画像記録層塗布の下塗り層を適用して用いることが
できる。 【0083】なお支持体と画像記録層との密着性を高め
るための中間層を設けてもよい。密着性の向上のために
は中間層は、ジアゾ樹脂や、ホスホン酸またはリン酸化
合物、あるいはアルミニウムアルコキシドのようなアル
ミニウム化合物等を用いても良い。中間層の厚さは任意
であり、露光した時に、上層の画像記録層と均一な結合
形成反応を行い得る厚みでなければならない。通常、乾
燥固体で約1〜100mg/m2の塗布割合がよく、5
〜40mg/m2が特に良好である。支持体表面に以上
のような処理或いは、下塗りなどが施された後、支持体
の裏面には、必要に応じてバックコートが設けられる。
かかるバックコートとしては特開平5−45885号公
報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174
号記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重
縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好まし
く用いられる。 【0084】平版印刷版用支持体として好ましい特性と
しては、中心線平均粗さで0.10〜1.2μmであ
る。0.10μmより低いと画像記録層と密着性が低下
し、著しい耐刷の低下を生じてしまう。1.2μmより
大きい場合、印刷時の汚れ性が悪化してしまう。さらに
支持体の色濃度としては、反射濃度値として0.15〜
0.65であり、0.15より白い場合、画像露光時の
ハレーションが強すぎ画像形成に支障をきたしてしま
い、0.65より黒い場合、現像後の検版作業において
画像が見難くく、著しく検版性が悪いものとなってしま
う。 【0085】以上のようにして、本発明に用いるネガ型
画像形成材料を作成することができる。この画像形成材
料は、赤外線レーザで記録できる。また、紫外線ランプ
やサーマルヘッドによる熱的な記録も可能である。本発
明においては、波長760nmから1200nmの赤外
線を放射する固体レーザ及び半導体レーザにより画像露
光されることが好ましい。レーザの出力は100mW以
上が好ましく、露光時間を短縮するため、マルチビーム
レーザデバイスを用いることが好ましい。また、1画素
あたりの露光時間は20μ秒以内であることが好まし
い。画像形成材料に照射されるエネルギーは10〜30
0mJ/cm2であることが好ましい。 【0086】画像形成材料はレーザにより露光した後、
先に詳細に述べたアルカリ性現像液にて現像される。現
像処理された画像形成材料は、所望により水洗水、界面
活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導
体を含む不感脂化液で後処理されたのち、平版印刷版と
して使用される。 【0087】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化及び標準化のため、印刷用版材用の自動現像機が広く
用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後
処理部からなり、印刷用版材を搬送する装置と各処理液
槽とスプレー装置とからなり、露光済みの印刷版を水平
に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレ
ーノズルから吹き付けて現像処理するものである。ま
た、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイド
ロール等によって印刷用版材を浸漬搬送させて処理する
方法も知られている。このような自動処理においては、
各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充し
ながら処理することができる。また、電気伝導度やpH
をセンサーにて感知し、自動的に補充することもでき
る。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる
使い捨て処理方式も適用できる。 【0088】以上のようにして得られた平版印刷版は所
望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供す
ることができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版と
したい場合には、後露光やバーニング処理が施される。
平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に
特公昭61−2518号、同55−28062号、特開
昭62−31859号、同61−159655号の各公
報に記載されているような整面液で処理することが好ま
しい。その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポ
ンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液
を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法
や、自動コーターによる塗布等が適用される。また、塗
布した後でスキージ又はスキージローラーで、その塗布
量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。整
面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥
重量)が適当である。 【0089】整面液が塗布された平版印刷版は必要であ
れば乾燥された後、バーニングプロセッサー(例えば、
富士写真フイルム(株)より販売されているバーニング
プロセッサー:BP−1300)等で高温に加熱され
る。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成してい
る成分の種類にもよるが、100〜300℃の範囲で1
〜20分の範囲が好ましい。 【0090】バーニング処理された平版印刷版は、必要
に応じて適宜、水洗、ガム引き等の従来行なわれている
処理を施こすことができるが、水溶性高分子化合物等を
含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのい
わゆる不感脂化処理を省略することができる。 【0091】本発明の画像形成方法によって得られた平
版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印
刷に用いられる。 【0092】 【実施例】以下に本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定
されるものではない。 〔実施例1〜5、比較例1〕 [支持体の作製]厚さ0.30mmのアルミニウムウエ
ッブ(材質1050)を、トリクロロエチレン洗浄して
脱脂した後、ナイロンブラシと400メッシュのパミス
トン−水懸濁液を用い、その表面を砂目立てし、よく水
で洗浄した。このアルミニウムウエッブを25%水酸化
ナトリウム水溶液(45℃)中に9秒間浸漬し、エッチ
ングを行い水洗した後、さらに2%HNO3水溶液中に
20秒間浸漬して水洗した。この時の砂目立て表面のエ
ッチング量は、約3g/m2であった。次いで、電解質
溶液に7%硫酸を用い、電流密度15A/dm2によ
り、前記アルミニウムウエッブ上に3g/m2の直流陽
極酸化被膜を設けた。この後印刷版非画像部としての親
水性を確保するため、シリケート処理を行った。処理は
3号珪酸ソーダ1.5%水溶液を70℃に保ちアルミウ
エッブの接触時間が15秒となるよう通搬し、さらに水
洗した。Siの付着量は10mg/m2であった。 【0093】[下塗り]次に、このアルミニウム支持体
に下記下塗り液をワイヤーバーにて塗布し、温風式乾燥
装置を用いて90℃で30秒間乾燥した。乾燥後の被覆
量は80mg/m2であった。 【0094】 <下塗り液> ・アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート 1.0g (川研ファインケミカル(株)製アルミキレートM) ・メタノール 100g ・イオン交換水 10g 【0095】[画像記録層の形成]下記画像記録層塗布
液を前記下塗り層を形成した支持体上に、ワイヤーバー
で塗布し、温風式乾燥装置にて120℃で45秒間乾燥
して画像記録層を形成し、実施例1の平版印刷版原版
[P−1]を得た。乾燥後の塗布量は2.0g/m2
あった。尚、下記画像記録層塗布液中に用いたポリマー
(PB−1)は、メタクリル酸、アクリルアミドおよび
ベンジルメタクリレートの共重合体を合成した後、3−
クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートと、塩
基およびヨウ化カリウム存在下で反応させることにより
合成した。組成モル比は、15:30:15:40であ
り、重量平均分子量は10万であった。 【0096】 <画像記録層用塗布液[P−1]> ・オニウム塩[OS−7] 0.25g ・重合性化合物[RM−1] 0.60g ・赤外線吸収剤[IR−13] 0.06g ・ポリマー[PB−1] 1.40g ・ビクトリアピュアブルーのナフタレンスルホン酸塩 0.04g ・1−ドコサノール 0.01g ・重合禁止剤 0.005g (イルガノックス1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) ・フッ素系界面活性剤 0.03g (メガファックKF309、大日本インキ化学工業(株)製) ・メチルエチルケトン 10g ・メタノール 7g ・1−メトキシ−3−プロパノール 5g 【0097】使用した重合性化合物[RM−1]のSP
値δpは、11.886(Hoy法による算出値)である。
なお、上記画像記録層用塗布液に用いた各化合物の構造
式を以下に示す。 【0098】 【化1】【0099】[現像液の評価]版材供給装置(SA−L
8000)、露光装置(Luxel T−9000CT
P)、コンベア(T−9000 Conveyor)、
自動現像機(LP−1310H)、ストッカー(ST−
1160)より成る冨士写真フイルム(株)CTP出力
システムを用いた。自動現像機の現像処理槽に、下記組
成の各種現像液を仕込み、30℃に保温した。自動現像
機の第二浴目には、水道水を仕込み、第三浴目には、F
N−6(富士写真フイルム(株)製):水=1:1希釈
したフィニッシングガム液を仕込んだ。 【0100】現像液の調製 水 95質量% トリエタノールアミン 1質量% ペレックスNBL(アニオン界面活性剤) 1質量% 溶剤(下記表1参照) 3質量% 【0101】次に、平版印刷版用原版[P−1]を、版
材供給装置に装填し、全自動で連続して、露光、上記現
像液中で15秒浸漬するようにで現像処理し、ストッカ
ーへ排出した。露光時の解像度は2400dpiで17
5線で、網点を0〜100%の範囲で変更し行った。得
られた平版印刷版[P−1]の0%と100%の濃度
(ΔD)をマクベス濃度計により測定したところ、現像
液中に使用した溶剤のSP値δpが重合性化合物[RM−
1]のSP値δp 11.886に対し、±1.0の範囲
にあるものは良好な画像形成がなされたが、この範囲外
のものでは非画像部が現像できず、画像が形成できなか
った。印刷汚れ性は三菱重工製ダイヤIF2型印刷機
で、大日本インキ社製GEOS G紅(S)を使用して
印刷し、非画像部のインキ汚れを目視で評価した。その
結果を表1に併せて示す。 【0102】 【表1】 * Hoy法による算出値** 露光部と非露光部との差(ディスクリミネーショ
ン)の指標となる。値が大きいほど、ディスクリミネー
ションが大きい。 【0103】〔実施例6及び7、及び比較例2〕 [支持体の作製]厚さ0.30mmのアルミニウムウエ
ッブ(材質1050)を、表面の圧延油を除去するため
10%アルミン酸ソーダ水溶液で50℃30秒間脱脂処
理を行い、30%硫酸水溶液で50℃30秒間中和、ス
マット除去処理を行った。 【0104】次いで支持体と感光層の密着性を良好に
し、砂目立て処理を行った。1%の塩酸と0.5%の硝
酸アルミを含有する水溶液を45℃に保ち、アルミウェ
ブを水溶液中に流しながら、間接給電セルにより電流密
度20A/dm2、デューティー比1:1の交番波形で
アノード側電気量240C/dm2を与えることで電解
砂目立てを行った。その後10%アルミン酸ソーダ水溶
液で50℃30秒間エッチング処理を行い、30%硫酸
水溶液で50℃30秒間中和、スマット除去処理を行っ
た。 【0105】さらに、酸化皮膜を形成させた。電解質と
して硫酸20%水溶液を35℃で用い、アルミウェブを
電解質中に通搬しながら、間接給電セルにより14A/
dm 2の直流で電解処理を行うことで2.5g/m2の陽
極酸化皮膜を作成した。こうして作成したアルミニウム
支持体に下記下塗り液をワイヤーバーにて塗布し、温風
式乾燥装置を用いて90℃で30秒間乾燥した。乾燥後
の被覆量は20mg/m2であった。 【0106】 <下塗り液> ・ポリビニルホスホン酸 0.4g ・メタノール 20g ・イオン交換水 80g 【0107】[画像記録層の形成]下記画像記録層塗布
液[P−2]を前記下塗り層を形成した支持体上に、ワ
イヤーバーで塗布し、温風式乾燥装置にて120℃で4
5秒間乾燥して記録層を形成し、さらに、下記オーバー
コート層塗布液をスライドホッパーを用いて塗布し、温
風式乾燥装置にて120℃で75秒間乾燥して平版印刷
版原版[P−2]を得た。尚、画像記録層の塗布量は
2.0g/m2であり、オーバーコート層の塗布量は
2.3g/m2であった。尚、下記画像記録層塗布液に
用いたポリマー[PB−2]は、メタクリル酸、N−イ
ソプロピルアクリルアミドおよびエチルメタクリレート
の共重合体を合成した後、1,2−エポキシ−3−メタ
クリロイルオキシメチルシクロヘキサンと反応させるこ
とにより合成した。組成モル比は、15:30:20:
35であり、重量平均分子量は12万であった。 【0108】 <画像記録層用塗布液[P−2]> ・オニウム塩[OI−6] 0.10g ・重合性化合物[RM−2] 0.60g ・赤外線吸収剤[IR−6] 0.10g ・ポリマー[PB−2] 1.20g ・銅フタロシアニン顔料 0.04g ・重合禁止剤 0.005g (クペロンAl、和光純薬(株)製) ・フッ素系界面活性剤 0.03g (メガファックKF309、大日本インキ化学工業(株)製) ・メチルエチルケトン 10g ・メタノール 7g ・1−メトキシ−2−プロパノール 5g 【0109】上記の重合性化合物[RM−2]のSP値
δpは、16.647(Hoy法による算出値)である。な
お、上記画像記録層用塗布液に用いた各化合物の構造式
を以下に示す。 【0110】 【化2】 【0111】 <オーバーコート層用塗布液> ・ポリビニルアルコール 3.0g (ケン化度98.5モル%、重合度500) ・非イオン性界面活性剤 0.05g (EMAREX NP−10 日本エマルジョン社(株)製) ・イオン交換水 96.95g 【0112】現像液の調製及び評価について実施例1〜
5と同様に実施した。但し、現像液中に用いた溶剤は以
下の表2に示すとおりである。その結果、溶剤のSP値
δpが重合性化合物[RM−2]のSP値δp 16.64
7に対し、±1.0の範囲にあるものは良好な画像形成
がなされたが、この範囲外のものでは非画像部が現像で
きず、画像が形成できなかった。評価結果を表2に併せ
て示す。 【0113】 【表2】 * Hoy法による算出値** 露光部と非露光部との差(ディスクリミネーショ
ン)の指標となる。値が大きいほど、ディスクリミネー
ションが大きい。 【0114】 【発明の効果】本発明によれば、赤外線レーザ光を用い
て記録することによりコンピューター等のデジタルデー
タから直接記録可能なネガ型画像形成材料に適用し得
る、優れた画像形成方法を提供することができる。詳し
くは、本発明の画像形成方法によれば、露光、現像後の
露光部と非露光部との差(ディスクリミネーション)が
大きく、かつ非画像部にインキ汚れのない優れた平版印
刷版を作製することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/033 G03F 7/033 Fターム(参考) 2H025 AA04 AC08 AD01 BC32 BC42 BC51 CA01 CA18 CA23 CA26 CA28 CA39 CA48 CA50 CB13 CB14 CB43 CC20 FA03 FA17 2H096 AA07 AA08 BA05 BA16 BA20 EA04 GA08 GA10 LA19

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 支持体上に(A)ラジカル発生剤、
    (B)ラジカル重合性化合物、(C)赤外線吸収剤、及
    び(D)バインダーポリマーを含有する画像記録層を設
    けてなるネガ型画像形成材料を、赤外線レーザで画像露
    光後、上記の少なくとも1種のラジカル重合性化合物の
    溶解性パラメーターδpに対し±1.0の範囲にある溶
    解性パラメーターδpを有する溶剤を含有するアルカリ
    性現像液を用いて現像処理することを特徴とする画像形
    成方法。
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